神話・伝承 | ギリシャ神話 |
生息地 | 海 |
姿 | 上半身は美しい女性、下半身は6つの長い首の犬の頭と12本の足。犬の首に生える牙は鮫のように3重でびっしり並んでいる。犬の首は生まれたばかりの子犬のような声で鳴く |
能力 | 棲み家の近くに近づく生き物を手当たりしだい喰い漁る |
説明 | シチリア沿岸のメッシーナ海峡にある薄暗い洞窟に棲んでいた怪物。洞窟から首だけだして、届く範囲にいるイルカやアシカ、他の怪物や通りかかった船の船員を襲って喰い漁っていた。 エキドナの娘という説の他に、女神クラタイイスの娘であるという説がある。スキュラは元々とても美しい少女だったという。ある夏の暑い日、静かな入江で水浴びをしていると、元人間で海神のグラウコスが通りかかり、一目惚れをしてしまい、スキュラを口説こうとした。グラウコスの姿は長い海の生活のため、髪や髭が海藻のように緑色で、身体は鱗で覆われていた。スキュラはグラウコスの気味の悪い姿に恐怖して逃げてしまった。グラウコスはスキュラのことを諦めきれず、友人の魔女キルケーに惚れ薬を作ってくれるように頼んだ。しかし、キルケーはグラウコスを愛していたため、嫉妬から怪物になる薬を作り、スキュラがよく沐浴する池に流し込んだ。スキュラは何も知らずにいつものように沐浴にやってきて、腰まで池に浸かった。すると、みるみるうちに水に浸かった部分が6匹の首を持った怪物の姿になっていった。彼女は絶望のあまり海岸へ出て、近くの岩窟に身を隠したという。 |