神話・伝承 | 欧州伝承 |
生息地 | 墓場 |
姿 | 見た目はほぼ人間。爪が長く鋭い、皮膚はみずみずしく赤く、口から血が滴っている |
能力 | 吸血、吸血鬼の伝染、変身 |
説明 | 墓から蘇り、生きている人間の血を吸ってその生命力を奪う死者のこと。死者ではあるが、腐ってしまうことはなく、みずみずしい肌を保っているという。ブラム・ストーカーの小説「吸血鬼ドラキュラ」では、影がない、鏡に映らないと書かれ、昼間は自分の棺桶で眠り、夜になると寝ている人の生き血をすすり、血から生命力を得て自分が滅びるのを防ぐといわれる。また、血を吸われた犠牲者も、死後はヴァンパイアとなってしまう。狼、ネズミ、猫、カエルなどに変身することが出来、身体のサイズも自由に変えられるという。 ヴァンパイアとなるのは、ヴァンパイアの犠牲者、犯罪者、罪人、呪術師、私生児、猫や鳥が上を飛び越えた死体などがあげられる。ヴァンパイアになるのを防ぐには、死体の首を切り落とす、口の中に金貨を入れる、棺桶の蓋を開けられないようにする、口の中にニンニクを入れるなどがある。退治方法としては、サンザシ、野ばら、トネリコ、ハコヤナギで作った杭や真っ赤に焼けた鉄串で心臓を貫くことがあげられる。それでも生きているような場合は、首を切り落としたり、焼いて灰にしてしまうことが有効とされる。また、19世紀末以降は、太陽光を浴びると灰になって滅びる、十字架に触れないなどの弱点が追加された。 ヴァンパイアと人を親に持つダンピールは生まれつきヴァンパイアを殺す能力を持つといわれる。また、土曜日に生まれた者はヴァンパイアの正体を見ぬく能力があるという。白い羊膜をつけて生まれてきた子供(クルースニク)は、赤い羊膜をつけて生まれてきたヴァンパイアと戦う力があるという。 |