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バルーンファイトGB - (2020/01/30 (木) 19:33:07) の1つ前との変更点

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&bold(){このページでは『バルーンファイトGB』及びキャラ替え移植作品であるファミコン版『ハローキティワールド』を紹介する。どちらも判定なし。} #contents() ---- *バルーンファイトGB 【ばるーんふぁいとじーびー】 |ジャンル|アクション|&image(http://shop.1983.jp/shop/p_image/5999p1.jpg,width=250)| |対応機種|ゲームボーイカラー(全GB共通)|~| |発売元|任天堂|~| |開発元|パックスソフトニカ|~| |発売日|2000年7月31日|~| |定価|3,300円(プリライト版)&br;1.050円(書き換え)|~| |配信|バーチャルコンソール&br;【3DS】2012年8月22日/600円|~| |判定|なし|~| |ポイント|ニンテンドウパワー専用ソフト&br;見た目から想像できない高難易度|~| |>|>|CENTER:''バルーンファイトシリーズ''&br;[[バルーンファイト]] / VS.バルーンファイト / バルーンキッド&br;[[ハローキティワールド>バルーンファイトGB#id_a2474820]] / ''バルーンファイトGB'' / チンクルのバルーンファイトDS| ---- **概要 80年代にアーケードとファミコンでリリースされた風船割りあいバトルアクションゲーム『[[バルーンファイト]]』のゲームボーイ向けアレンジ作品で、元々は1990年に『Ballon kid』の名前でゲームボーイ対応作品として海外販売されていたもの。~ 諸事情から国内での発売((リリース予定当時のタイトルはカタカナ表記の「バルーンキッズ」。))がお蔵入りになっていたものを、2000年代のレトロゲーリバイバルブームに合わせ、ゲームボーイカラー対応版としてリリースされたものが本作である。 メインのゲームシステムは原作の「バルーントリップモード」に横スクロールアクションゲームの要素を取り入れている。~ また、発売当時の時代と対応機種に合わせ、画面のカラー化、マップ画面の追加、ステージセレクト機能、セーブ機能が追加されている。 **ストーリー >ペンシルバニアに住むアリスとジムの兄弟は、日がな一日、空にたくさんの風船を浮かべて遊んでいた。~ しかし、ひょんなことから風船を持ったジムが風にあおられ、~遠くに飛ばされてしまったからさあ大変!~ アリスはジムを探すため、ジムが空に残した風船を手掛かりに、自ら風船を手に、~ たくさんの危険が待ち受けるペンシルバニアの街の外へと冒険の旅に出かけるのだった。 **ルール -メインのゲームモードは上記のストーリーに沿って進んでいく「ストーリーモード」。 --システムは前作のGAME C「バルーントリップ」に敵や仕掛けを追加した形式で、横スクロールアクションの要素が取り入れられている。 --Aボタンで手を振り上昇、Bボタンで使っている風船から自分を切り離して落下できる。切り離したばかりの風船に向かってジャンプすることで再び装着することも可能。地上で十字ボタンの下を押すと風船を膨らませることができる。 敵に当たると風船が一つずつ割れ、上昇しにくくなる。場所によっては風船一つの方が操作しやすいこともある。本作では風船をすべて割られても地面に落ちるだけでミス扱いにはならない。もちろん、落下先に床が存在しない場合はミスになる。 --道中にいくつも風船が並んで浮いているが、これはあくまでスコアや残機を稼ぐためのもの(マリオシリーズでいうコイン)なので、アリスが着脱する風船として消費されることはない。取り逃すことなく、20個連続で取得すると次に取り逃すまで浮いている風船が2つセットになる。風船は100個集めると残機が一つ増える。 --道中にはゲームボーイの形をしたアイコンがあり、触れるとボーナスステージに入れる。前作のボーナスステージと同じく、土管から出てくる風船を割ってスコアを稼ぐ。エリアが狭くなり、土管の数も減ったが画面端が通り抜けできない壁になったため、難易度は原作より高めになった。 --スクロール速度がステージによって微妙に異なり、遅いステージもあれば早いステージもある。 ---画面下から漂ってくる無敵アイテムの「P風船」をとるとスクロール速度が速まるが、ステージによっては操作が大変になる。 -メインの「ストーリーモード」とは別に、地面無し、障害物は雷のみという従来通りのルールの「バルーントリップ」モードと、どちらが先にゴールに到達できるかを競う2人プレイ専用の「バトルモード」が収録されている。 **評価点 -''今作のみの要素「風船を自分から外せる」を生かしたステージ構成'' --横スクロールアクションゲームの要素が取り入れられていることに伴い、フィールド内に歩ける床や障害物が配置されている。歩いた方が楽な道、風船を放したあと細い道をくぐり抜け、突破したら最速で風船を膨らませなければいけない道など。ただし、歩きとジャンプは微調整しにくい上に他のゲームと比べると独特の操作感((ジャンプ中に壁に当たると大きく跳ね返る、ジャンプの高さがとても高く、横に飛ぶと画面の右端から左端に届くほどという風船で浮遊するより機敏な動きをする。))なので、慣性の強い風船と同じくらい難しい操作である。不必要に風船の着脱を繰り返していると膨らませる時間がなくなることも。 -''操作の(ちょっとした)改良'' --前作ではAボタンを押すごとに1回羽ばたいて上昇(連打で微調節)、Bボタンを押しっ放しで自動上昇という操作だったが、今作ではアクションの種類が増えたこともあり、いずれもAボタンに統一された。 -''田中宏和氏によるBGM'' --ステージ中のBGMは前作の「バルーントリップ」の曲をアレンジした内容で、曲数は少ないものの名曲ぞろい。前作でも登場した敵「鳥人間」が現れるときに当時のSEが流れるという遊び心も。 -''絵本のような愛らしい世界観'' --敵はカラスやペンギン、クワガタなど身近なものばかりで、ボスも体格こそ大きいもののかわいらしいデザインである。ラスボスはなかなかの強さを誇るロボットなのだが、まるで公園のゴミ箱に足が生えたようなユーモラスな外観である。 --海外で発売された『Ballon kid』のタイトル画面はGB初期のゲームでよく合った、タイトルとちょっとした背景が書いてある程度のシンプルなものだったが、本作では鉛筆やクレヨンで描いたような雲と海の前をたくさんの風船が飛び交うという、爽快感と暖かさが溢れる奇麗な画面に変更されている。 -''セーブができるようになったこと'' --このゲームは全ステージが強制スクロールであるため、やはり時間がかかる。今作でセーブ機能が追加されたことで、ステージクリアごとにゲームを中断できるようになった。 **問題点 -''ボリューム不足'' --本作のステージは8つしかない。ひとつひとつはそれなりに長く感じる。強制スクロールのステージしか無いためクリアに時間はかかるが……。 -''入手方法が限られている。'' --海外ではパッケージで普通に売られていたものの、日本ではSFC向けのゲーム書き換え販売サービス「ニンテンドウパワー」((ローソンの「ロッピー」という装置を利用したゲームソフトの販売形式。ディスクシステムの書き換えサービスのSFC版といった感じ。))での書き換え販売のみだったため、現在では中古では滅多にお目にかかれず、オークションでも高値で出品されている。 --本作には2人で対戦するモードも用意されているが、上記の通り限定された入手方法、販売期間の短さ、2本ソフトが無いと通信できないというゲームボーイ本体の仕様のため機会に恵まれなかった人も多いだろう。3DSバーチャルコンソール配信ソフトとして気軽に触れられるようにはなったが、GBのバーチャルコンソールは通信機能を再現していないので結局2人プレイは楽しめない。 -''スコアの存在する意味が薄い'' --移植に伴って同じステージを何度も遊べる仕様となっため、スコアは時間さえかければどこまでも上げられる。そのうえ大元のFC版などと違いタイトル画面などに''ハイスコアが記録されない''ので、スコアの存在意義がとても薄い。さらにエクステンド((決められた得点を取るごとに残機が増える設定。))は、10万点毎にコンティニューが1回増えるのみ。 --一応バルーントリップモードはハイスコアが記録され、バックアップにも残るのでこちらは意味があると思えるか。 -''画面の大きさと比べてキャラが大きい'' --いきなり視界に敵が現れることになるので理不尽な事故が起きやすい。自機の当たり判定も大きく((アリス自身と風船の縦2キャラ分。アリスに敵が当たっても風船は割れないが、どちらに当たっても即死する「雷」が存在する。))、狭い通路がいたる所にあり、障害物が波のように現れる最終ステージやバルーントリップモードで地獄を見ることになる。 -バルーントリップモードでの操作性 --操作性がストーリーモードと同一でボタン連打での上昇しかできないので本家よりも難易度が高め。~ また、モードの都合上足場がないにもかかわらず風船の手放しアクションがそのままなので、間違って風船を手放すと即ミスとなってしまう。 **総評 ボリューム不足感や、理不尽な難易度だと感じられる部分があるものの、アクションゲームとしての面白さが光る佳作。~ 制限プレイやハイスコア記録更新など、プレイヤーが自らやり込む余地はほとんど無いが、クリアするだけでも骨が折れるゲームなので満足感は得られるだろう。~ 現在は3DSを持っていれば600円で買えるので、一味違うバルーンファイトを楽しみたい人はプレイしてみてほしい。 **余談 -踏むと即死する床(溶岩、とげ)があるが、接触してから1~2フレームの間はその判定を受けないため、リズムよくジャンプすることで生還できることも。このバグを利用することができれば(人間にはまずできない裏技だが)『バルーンファイト』なのに風船をほとんど使わずに攻略できる。 -本作のキャラクターデザインだが、海外版のパッケージ絵のアリスはハッキリ言って&bold(){ブサイク}。 --国内版ではイラストのみローカライズされ、かわいらしい漫画タッチのイラストに差し替えられている。ある意味、これがなかったらより一層、マイナーな1作と化していたに違いない。 ---- *ハローキティワールド 【はろーきてぃわーるど】 |ジャンル|アクション|&image(http://ecx.images-amazon.com/images/I/31FgmQsdUXL.jpg,height=160)| |対応機種|ファミリーコンピュータ|~| |発売元|マリオ|~| |開発元|キャラクターソフト|~| |発売日|1992年3月27日|~| |定価|4,800円|~| |判定|なし|~| |>|>|CENTER:''[[ハローキティシリーズリンク>ハローキティシリーズ]]''| **概要 (キティ) 上述の『バルーンファイトGB』のオリジナルとなる海外版『Baloon Kid』をベースにキャラクターをサンリオの看板キャラクター「ハローキティ」に差し替えた移植作品。~ //国民的キャラクターハローキティを原作としたキャラゲー。1990年に海外でのみゲームボーイ向けに発売されたバルーンファイトの続編『Baloon Kid』をベースとしたキャラ差し替え移植版である。~ サンリオの子会社で既存のゲームのキャラをサンリオキャラに差し替えた作品を多く発売していた会社キャラクターソフトが開発を担当し、制作・販売を任天堂の子会社「株式会社マリオ」が担当した。 お蔵入りとなった海外版『Baloon Kids』の国内版発売が2000年代に実現するまでの間にひっそりとキャラ替え&ファミコン移植の末に発売されたのが本作である。 ストーリー及びシステム自体は、オリジナルとなるゲームボーイ版をそのまま踏襲しており、前者は『キティちゃんの友だちであるくまのティッピーが風船に掴まっていたところ強風に飛ばされてしまったので助けに行く』というものになっている。 **ゲーム内容 (キティ) 操作そのものはオリジナル版を踏襲しているため説明は割愛し、本作の独自要素について説明する -GB版にあった「バルーントリップ」「バトルモード」の削除の代わりに2人交互プレイが追加された。 --「ひとりで」はキティちゃんを使う1人で遊ぶモード。 --「ふたりで」双子の妹のミミィちゃんも出てくる2人で交互で遊ぶモード。 --1P、2Pで独立しているわけではなく、どちらかが1ステージクリアもしくはミスをするごと(その場合はその場復活)に交代する。 -GBより解像度が高くTVの広い画面で遊べるファミコンでリリースされたため、表示される範囲がオリジナル版よりも広くなった。 --背景の木や気球の文字などが『Balloon kid』から変更され、キティの世界観に合ったシンプルな造形になったが、概ね原作を踏襲したデザインになっている。 -BGM面 --ボーナスステージのBGMがオリジナルの曲になっている、原作で使われていた一部のBGMが未使用になっているなど微妙に相違点もある。 -本作ではステージクリア時の演出が強化されており、その場面に合わせた新規BGMも追加された。さらに、エンディング前に軽い会話シーンが追加された。 --一部、使用されているステージが異なる曲や、未使用となった曲も存在する。 **評価点 (キティ) -カラフルなグラフィック --FC後期の為グラフィックはかなりレベルが高い。原作の世界観がより明るく鮮やかに描かれている。 --またプレイキャラクターによってEDの動きが違う等細かい。 -解像度の高さによる画面の広さ --GB版よりも解像度が高いので画面が横に広く、マップの見通しが良い。~ オリジナル版の問題点であった、画面の狭さによる障害物や敵との不意の衝突が起き難くなった。 -秀逸なBGM --オリジナルをほぼ踏襲しているため曲そのもの質はそのままに、GB版からファミコン音源にブラッシュアップされたことにより、更にキレイな音色になった。 -オリジナル版そのままの歯ごたえのある難易度 --GB版のベタ移殖となっているため、オリジナルの難易度の高さをそのまま引き継いでいる。~ 見た目のほのぼのさとは裏腹に初見殺しが多く、プレイヤーを本気で殺しに掛かってくる。 --しかし頑張ればクリアできる故に、何度でもプレイしたいと思える。また残機も増えやすいようになっている。 **問題点 (キティ) -対象年齢の割に高すぎる難易度 --上述のようにGB版のベタ移植であり難易度調整等の類も一切されていないため、ハローキティのゲームとして見た場合、やたら難易度が高くなってしまっている。 ---ゲーム後半が顕著で、3-1後半のエグい配置のスパークから始まり、3-2序盤の風船を手放して向こう岸まで大きくジャンプしなければならない地形などが象徴的である。 -かなりシビアなコンティニューの仕様 --コンティニュー回数のデフォルトが何と0。回数が増えるのは一定の高得点を取った時のみで、ゲーム中盤でようやく1回だけコンティニュー出来る仕組みになっている。 ---このため、稼げるところできっちりと残機を増やしておかないと、難関エリアで苦戦する羽目になる。 -オプションが存在しない。 --上記の通り、かなりシビアなゲームにもかかわらず、残機数や難易度をいじれない。 -GBカラー版と異なりセーブモードがない --1ステージが長く攻略に時間もかかる上、コンテニュー回数に制限があるのでこれはキツい仕様。 -オリジナル版に存在したサブゲームモードの削除 --2人プレイが搭載されているだけに、本編の交代プレイしかできないのはもったいない。 **総評 (キティ) 開発の事情を知らない人から''「よくできたバルーンファイトのパクリ」として認識される''という不運に見舞われるも、遊んだ人々からの評価は高く、今なお名作として挙げる人も存在する。~ しかし、ファンシーなキャラクターから明らかに子供向け志向であるにも拘らず、原作譲りの高難易度をそのまま引き継いでいるため、子供向けとしてはシビアになってしまっている点だけがもったいないところ。 一方で、ファミコンにハードを移したことで、シンプルなゲーム性はそのままに原作の明るい世界観がより映えている。(難易度はハードではあるが)のどかな風船飛行の旅を楽しむのもよいだろう。
&bold(){このページでは『バルーンファイトGB』及びキャラ替え移植作品であるファミコン版『ハローキティワールド』を紹介する。どちらも判定なし。} #contents() ---- *バルーンファイトGB 【ばるーんふぁいとじーびー】 |ジャンル|アクション|&image(http://shop.1983.jp/shop/p_image/5999p1.jpg,width=250)| |対応機種|ゲームボーイカラー(全GB共通)|~| |発売元|任天堂|~| |開発元|パックスソフトニカ|~| |発売日|2000年7月31日|~| |定価|3,300円(プリライト版)&br;1.050円(書き換え)|~| |配信|バーチャルコンソール&br;【3DS】2012年8月22日/600円|~| |判定|なし|~| |ポイント|ニンテンドウパワー専用ソフト&br;見た目から想像できない高難易度|~| |>|>|CENTER:''バルーンファイトシリーズ''&br;[[バルーンファイト]] / VS.バルーンファイト / バルーンキッド&br;[[ハローキティワールド>バルーンファイトGB#id_a2474820]] / ''バルーンファイトGB'' / チンクルのバルーンファイトDS| ---- **概要 80年代にアーケードとファミコンでリリースされた風船割りあいバトルアクションゲーム『[[バルーンファイト]]』のゲームボーイ向けアレンジ作品で、元々は1990年に『Ballon kid』の名前でゲームボーイ対応作品として海外販売されていたもの。~ 諸事情から国内での発売((リリース予定当時のタイトルはカタカナ表記の「バルーンキッズ」。))がお蔵入りになっていたものを、2000年代のレトロゲーリバイバルブームに合わせ、ゲームボーイカラー対応版としてリリースされたものが本作である。 メインのゲームシステムは原作の「バルーントリップモード」に横スクロールアクションゲームの要素を取り入れている。~ また、発売当時の時代と対応機種に合わせ、画面のカラー化、マップ画面の追加、ステージセレクト機能、セーブ機能が追加されている。 **ストーリー >ペンシルバニアに住むアリスとジムの兄弟は、日がな一日、空にたくさんの風船を浮かべて遊んでいた。~ しかし、ひょんなことから風船を持ったジムが風にあおられ、~遠くに飛ばされてしまったからさあ大変!~ アリスはジムを探すため、ジムが空に残した風船を手掛かりに、自ら風船を手に、~ たくさんの危険が待ち受けるペンシルバニアの街の外へと冒険の旅に出かけるのだった。 **ルール -メインのゲームモードは上記のストーリーに沿って進んでいく「ストーリーモード」。 --システムは前作のGAME C「バルーントリップ」に敵や仕掛けを追加した形式で、横スクロールアクションの要素が取り入れられている。 --Aボタンで手を振り上昇、Bボタンで使っている風船から自分を切り離して落下できる。切り離したばかりの風船に向かってジャンプすることで再び装着することも可能。地上で十字ボタンの下を押すと風船を膨らませることができる。 敵に当たると風船が一つずつ割れ、上昇しにくくなる。場所によっては風船一つの方が操作しやすいこともある。本作では風船をすべて割られても地面に落ちるだけでミス扱いにはならない。もちろん、落下先に床が存在しない場合はミスになる。 --道中にいくつも風船が並んで浮いているが、これはあくまでスコアや残機を稼ぐためのもの(マリオシリーズでいうコイン)なので、アリスが着脱する風船として消費されることはない。取り逃すことなく、20個連続で取得すると次に取り逃すまで浮いている風船が2つセットになる。風船は100個集めると残機が一つ増える。 --道中にはゲームボーイの形をしたアイコンがあり、触れるとボーナスステージに入れる。前作のボーナスステージと同じく、土管から出てくる風船を割ってスコアを稼ぐ。エリアが狭くなり、土管の数も減ったが画面端が通り抜けできない壁になったため、難易度は原作より高めになった。 --スクロール速度がステージによって微妙に異なり、遅いステージもあれば早いステージもある。 ---画面下から漂ってくる無敵アイテムの「P風船」をとるとスクロール速度が速まるが、ステージによっては操作が大変になる。 -メインの「ストーリーモード」とは別に、地面無し、障害物は雷のみという従来通りのルールの「バルーントリップ」モードと、どちらが先にゴールに到達できるかを競う2人プレイ専用の「バトルモード」が収録されている。 **評価点 -''今作のみの要素「風船を自分から外せる」を生かしたステージ構成'' --横スクロールアクションゲームの要素が取り入れられていることに伴い、フィールド内に歩ける床や障害物が配置されている。歩いた方が楽な道、風船を放したあと細い道をくぐり抜け、突破したら最速で風船を膨らませなければいけない道など。ただし、歩きとジャンプは微調整しにくい上に他のゲームと比べると独特の操作感((ジャンプ中に壁に当たると大きく跳ね返る、ジャンプの高さがとても高く、横に飛ぶと画面の右端から左端に届くほどという風船で浮遊するより機敏な動きをする。))なので、慣性の強い風船と同じくらい難しい操作である。不必要に風船の着脱を繰り返していると膨らませる時間がなくなることも。 -''操作の(ちょっとした)改良'' --前作ではAボタンを押すごとに1回羽ばたいて上昇(連打で微調節)、Bボタンを押しっ放しで自動上昇という操作だったが、今作ではアクションの種類が増えたこともあり、いずれもAボタンに統一された。 -''田中宏和氏によるBGM'' --ステージ中のBGMは前作の「バルーントリップ」の曲をアレンジした内容で、曲数は少ないものの名曲ぞろい。前作でも登場した敵「鳥人間」が現れるときに当時のSEが流れるという遊び心も。 -''絵本のような愛らしい世界観'' --敵はカラスやペンギン、クワガタなど身近なものばかりで、ボスも体格こそ大きいもののかわいらしいデザインである。ラスボスはなかなかの強さを誇るロボットなのだが、まるで公園のゴミ箱に足が生えたようなユーモラスな外観である。 --海外で発売された『Ballon kid』のタイトル画面はGB初期のゲームでよく合った、タイトルとちょっとした背景が書いてある程度のシンプルなものだったが、本作では鉛筆やクレヨンで描いたような雲と海の前をたくさんの風船が飛び交うという、爽快感と暖かさが溢れる奇麗な画面に変更されている。 -''セーブができるようになったこと'' --このゲームは全ステージが強制スクロールであるため、やはり時間がかかる。今作でセーブ機能が追加されたことで、ステージクリアごとにゲームを中断できるようになった。 **問題点 -''ボリューム不足'' --本作のステージは8つしかない。ひとつひとつはそれなりに長く感じる。強制スクロールのステージしか無いためクリアに時間はかかるが……。 -''入手方法が限られている。'' --海外ではパッケージで普通に売られていたものの、日本ではSFC向けのゲーム書き換え販売サービス「ニンテンドウパワー」((ローソンの「ロッピー」という装置を利用したゲームソフトの販売形式。ディスクシステムの書き換えサービスのSFC版といった感じ。))での書き換え販売のみだったため、現在では中古では滅多にお目にかかれず、オークションでも高値で出品されている。 --本作には2人で対戦するモードも用意されているが、上記の通り限定された入手方法、販売期間の短さ、2本ソフトが無いと通信できないというゲームボーイ本体の仕様のため機会に恵まれなかった人も多いだろう。3DSバーチャルコンソール配信ソフトとして気軽に触れられるようにはなったが、GBのバーチャルコンソールは通信機能を再現していないので結局2人プレイは楽しめない。 -''スコアの存在する意味が薄い'' --移植に伴って同じステージを何度も遊べる仕様となっため、スコアは時間さえかければどこまでも上げられる。そのうえ大元のFC版などと違いタイトル画面などに''ハイスコアが記録されない''ので、スコアの存在意義がとても薄い。さらにエクステンド((決められた得点を取るごとに残機が増える設定。))は、10万点毎にコンティニューが1回増えるのみ。 --一応バルーントリップモードはハイスコアが記録され、バックアップにも残るのでこちらは意味があると思えるか。 -''画面の大きさと比べてキャラが大きい'' --いきなり視界に敵が現れることになるので理不尽な事故が起きやすい。自機の当たり判定も大きく((アリス自身と風船の縦2キャラ分。アリスに敵が当たっても風船は割れないが、どちらに当たっても即死する「雷」が存在する。))、狭い通路がいたる所にあり、障害物が波のように現れる最終ステージやバルーントリップモードで地獄を見ることになる。 -バルーントリップモードでの操作性 --操作性がストーリーモードと同一でボタン連打での上昇しかできないので本家よりも難易度が高め。~ また、モードの都合上足場がないにもかかわらず風船の手放しアクションがそのままなので、間違って風船を手放すと即ミスとなってしまう。 **総評 ボリューム不足感や、理不尽な難易度だと感じられる部分があるものの、アクションゲームとしての面白さが光る佳作。~ 制限プレイやハイスコア記録更新など、プレイヤーが自らやり込む余地はほとんど無いが、クリアするだけでも骨が折れるゲームなので満足感は得られるだろう。~ 現在は3DSを持っていれば600円で買えるので、一味違うバルーンファイトを楽しみたい人はプレイしてみてほしい。 **余談 -踏むと即死する床(溶岩、とげ)があるが、接触してから1~2フレームの間はその判定を受けないため、リズムよくジャンプすることで生還できることも。このバグを利用することができれば(人間にはまずできない裏技だが)『バルーンファイト』なのに風船をほとんど使わずに攻略できる。 -本作のキャラクターデザインだが、海外版のパッケージ絵のアリスはハッキリ言って&bold(){ブサイク}。 --国内版ではイラストのみローカライズされ、かわいらしい漫画タッチのイラストに差し替えられている。ある意味、これがなかったらより一層、マイナーな1作と化していたに違いない。 ---- *ハローキティワールド 【はろーきてぃわーるど】 |ジャンル|アクション|&image(http://ecx.images-amazon.com/images/I/31FgmQsdUXL.jpg,height=160)| |対応機種|ファミリーコンピュータ|~| |発売元|キャラクターソフト|~| |開発元|マリオ|~| |発売日|1992年3月27日|~| |定価|4,800円|~| |判定|なし|~| |>|>|CENTER:''[[ハローキティシリーズリンク>ハローキティシリーズ]]''| **概要 (キティ) 上述の『バルーンファイトGB』のオリジナルとなる海外版『Baloon Kid』をベースにキャラクターをサンリオの看板キャラクター「ハローキティ」に差し替えた移植作品。~ //国民的キャラクターハローキティを原作としたキャラゲー。1990年に海外でのみゲームボーイ向けに発売されたバルーンファイトの続編『Baloon Kid』をベースとしたキャラ差し替え移植版である。~ サンリオの子会社で既存のゲームのキャラをサンリオキャラに差し替えた作品を多く発売していた会社キャラクターソフトが制作・販売を担当し、開発を任天堂の子会社「株式会社マリオ」が担当した。 お蔵入りとなった海外版『Baloon Kid』の国内版発売が2000年代に実現するまでの間にひっそりとキャラ替え&ファミコン移植の末に発売されたのが本作である。 ストーリー及びシステム自体は、オリジナルとなるゲームボーイ版をそのまま踏襲しており、前者は『キティちゃんの友だちであるくまのティッピーが風船に掴まっていたところ強風に飛ばされてしまったので助けに行く』というものになっている。 **ゲーム内容 (キティ) 操作そのものはオリジナル版を踏襲しているため説明は割愛し、本作の独自要素について説明する -GB版にあった「バルーントリップ」「バトルモード」の削除の代わりに2人交互プレイが追加された。 --「ひとりで」はキティちゃんを使う1人で遊ぶモード。 --「ふたりで」双子の妹のミミィちゃんも出てくる2人で交互で遊ぶモード。 --1P、2Pで独立しているわけではなく、どちらかが1ステージクリアもしくはミスをするごと(その場合はその場復活)に交代する。 -GBより解像度が高くTVの広い画面で遊べるファミコンでリリースされたため、表示される範囲がオリジナル版よりも広くなった。 --背景の木や気球の文字などが『Balloon kid』から変更され、キティの世界観に合ったシンプルな造形になったが、概ね原作を踏襲したデザインになっている。 -BGM面 --ボーナスステージのBGMがオリジナルの曲になっている、原作で使われていた一部のBGMが未使用になっているなど微妙に相違点もある。 -本作ではステージクリア時の演出が強化されており、その場面に合わせた新規BGMも追加された。さらに、エンディング前に軽い会話シーンが追加された。 --一部、使用されているステージが異なる曲や、未使用となった曲も存在する。 **評価点 (キティ) -カラフルなグラフィック --FC後期の為グラフィックはかなりレベルが高い。原作の世界観がより明るく鮮やかに描かれている。 --またプレイキャラクターによってEDの動きが違う等細かい。 -解像度の高さによる画面の広さ --GB版よりも解像度が高いので画面が横に広く、マップの見通しが良い。~ オリジナル版の問題点であった、画面の狭さによる障害物や敵との不意の衝突が起き難くなった。 -秀逸なBGM --オリジナルをほぼ踏襲しているため曲そのもの質はそのままに、GB版からファミコン音源にブラッシュアップされたことにより、更にキレイな音色になった。 -オリジナル版そのままの歯ごたえのある難易度 --GB版のベタ移殖となっているため、オリジナルの難易度の高さをそのまま引き継いでいる。~ 見た目のほのぼのさとは裏腹に初見殺しが多く、プレイヤーを本気で殺しに掛かってくる。 --しかし頑張ればクリアできる故に、何度でもプレイしたいと思える。また残機も増えやすいようになっている。 **問題点 (キティ) -対象年齢の割に高すぎる難易度 --上述のようにGB版のベタ移植であり難易度調整等の類も一切されていないため、ハローキティのゲームとして見た場合、やたら難易度が高くなってしまっている。 ---ゲーム後半が顕著で、3-1後半のエグい配置のスパークから始まり、3-2序盤の風船を手放して向こう岸まで大きくジャンプしなければならない地形などが象徴的である。 -かなりシビアなコンティニューの仕様 --コンティニュー回数のデフォルトが何と0。回数が増えるのは一定の高得点を取った時のみで、ゲーム中盤でようやく1回だけコンティニュー出来る仕組みになっている。 ---このため、稼げるところできっちりと残機を増やしておかないと、難関エリアで苦戦する羽目になる。 -オプションが存在しない。 --上記の通り、かなりシビアなゲームにもかかわらず、残機数や難易度をいじれない。 -GBカラー版と異なりセーブモードがない --1ステージが長く攻略に時間もかかる上、コンティニュー回数に制限があるのでこれはキツい仕様。 -オリジナル版に存在したサブゲームモードの削除 --2人プレイが搭載されているだけに、本編の交代プレイしかできないのはもったいない。 **総評 (キティ) 開発の事情を知らない人から''「よくできたバルーンファイトのパクリ」として認識される''という不運に見舞われるも、遊んだ人々からの評価は高く、今なお名作として挙げる人も存在する。~ しかし、ファンシーなキャラクターから明らかに子供向け志向であるにも拘らず、原作譲りの高難易度をそのまま引き継いでいるため、子供向けとしてはシビアになってしまっている点だけがもったいないところ。 一方で、ファミコンにハードを移したことで、シンプルなゲーム性はそのままに原作の明るい世界観がより映えている。(難易度はハードではあるが)のどかな風船飛行の旅を楽しむのもよいだろう。

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