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*ダークエスケープ3D 【だーくえすけーぷすりーでぃー】 |ジャンル|ガンシューティング| |対応機種|アーケード| |発売元|バンダイナムコゲームス| |開発元|ネクスエンタテインメント| |稼動開始日|2012年7月| |分類|BGCOLOR(khaki):''ゲームバランスが不安定''| |ポイント|演出や美麗なグラフィックだけは秀逸&br;100円玉を食い尽くす極悪難易度&br;打ち切りエンドか胸糞エンドしかない| **概要 バンダイナムコゲームスから発売された、固定銃座タイプの3Dホラーガンシューティングゲーム。 リアルかつ美麗なグラフィックに加えて、臨場感を上乗せする5つの「恐怖ギミック」を実装しており、演出面のレベルは非常に高い。 これらの要素に引き込まれたシューター達が、期待に胸を膨らませて筐体にコインを入れた。~ ・・・が、''別の方向性でプレイヤーに大きな恐怖を与えてくる''とは、誰が想像しただろうか。 **ストーリー 拉致されて知らない場所で目覚めた主人公(達)は、自分と同じく拉致されてきた少女と出会う。~ そこで突然モニターがONになり、画面越しに仮面の男が現れて、生きて自分の元へと到達すれば解放する条件で「ゲーム」を強要する。~ 身柄を解放してもらう為その場に用意された銃を手に取り、主人公と少女は化け物の徘徊する危険地帯からの脱出を図る・・・。~ **登場人物 -少女 --主人公が目覚めた監獄で知り合った少女にして本作のヒロイン。ゲームを攻略し脱出するという共通の目的を達成するために一緒に行動する・・・''のだが。'' -仮面の男 --モニター越しに主人公達にゲームを強要し、行く先々の監視カメラで主人公達を観戦している男。常にピエロの様な仮面をつけている為にその素顔を見ることは出来ない。物語の舞台が化け物の巣窟と化している原因について非常に詳しい様子だが・・・。 **5つの恐怖ギミック 筐体内部には、ゲームの臨場感を盛り上げる為の5つのギミックが実装されている。 -ビビリ検知システム --ゲーム中の要所要所にある特定の場面にて、銃座のグリップ部分に搭載されたセンサーで心拍数を計測しビビった回数をカウントする。 --各ステージクリア後のリザルト画面にてビビった回数を発表し、規定回数以上ビビった場合に((2人プレイなら多くビビった方のプレイヤーが対象となる。))応じて「恐怖のお仕置き」が執行される。 -3D映像 --美麗なフルポリゴンをリアルタイムで処理できるのが凄まじいが、筐体付属の3Dメガネを装着することで、それを立体映像で見られるので更に臨場感が増す。 --3Dメガネはかなり余裕のある造りになっているので、通常の眼鏡の上にも無理なく装着出来る。筐体のボタンで任意に2D表示に切り替えるのも可能。 -恐怖のシート --ゲームの場面に連動して、プレイヤーが座っているシートが振動する。ビビリ検知システムで述べた恐怖のお仕置きもこれにより行われる。%%お仕置きと呼ぶにはヌル過ぎるが。%% -2種類のエアー --眼前にクリーチャーの顔面が迫る場面に連動する・インターバルでプレイヤーの不安を煽るなどの用途に合わせて、前後からエアーが吹き付けられる。 -新設計5.1chサラウンド --プレイヤー背後のリアスピーカーを含む7つのスピーカー+ウーハーによる立体音響。音質のリアルさもさることながら、耳元で聞こえるリアスピーカーからの呻きや雄叫びが、プレイヤーの恐怖と緊張を引き立てる。 **ステージ 道中はゾンビやクリーチャーが跋扈しており、最後にはボスも用意されている。 -''監獄:動く死体の恐怖'' --主人公たちが目覚めた場所。本作におけるチュートリアルステージであり明確にボスと言える敵は登場しないが、特定の弱点(サイト)を狙い撃たないと倒せないゾンビが他のステージより多く登場する。 --また、チュートリアルに位置するためか、他の3つのステージを最初に選ぶとこのステージは自動で攻略済みとなる。 -''処刑場:暗闇の恐怖'' --拷問器具の様なものが並び、ステージ最奥のボス戦が行われる場所はまるで闘技場のようになっている。 --このステージでのみ出現する両生類%%やフルフル%%を思わせる4足歩行のクリーチャーの巣と化しており、ここではゾンビよりも多く出現し襲い掛かってくる。 -''山小屋:追い詰められる恐怖'' --廃屋に逃げ込んで籠城戦を挑むも、すぐにバリケードを突破されて大量のゾンビがなだれ込んでくる。 --このステージではボスを除けばゾンビしか出現しないが、その空きを埋めるかのごとくゾンビが立て続けに目の前に現れる。 --ボスまでの道のりが短く敵もゾンビのみの為か、処刑場・研究所と比べると難易度は低めとされている。 -''研究所:群がる虫の恐怖'' --クリーチャーの研究所へと踏み込んだ主人公達は、おびただしい数の蜘蛛を基にした化け物に遭遇する。 --このステージでのみ登場する、人間と蜘蛛を組み合わせたようなクリーチャーは、''極悪難易度と呼ばれる本作でも最強と目される雑魚敵''である。 --一回の攻撃で与えるダメージが最大でライフの半分はデフォルトとして、弱点がない・外殻が閉じている間は銃撃を完全にガード・唯一の攻撃である画面に貼り付いての噛みつきは貼り付く位置にランダム要素あり・・・と、''色々とおかしいレベル''となっている。 -''????:絶望的な恐怖'' --仮面の男の示した条件通り、生きて彼の居た部屋へと辿りついた主人公達だが・・・。 --上の4つのステージをすべてクリアすると解放される。このステージでのラスボス戦の途中で発生する殲滅イベントの成否が、エンディング分岐の条件となる。 --イベントの難易度自体は、これまでの道中にあった監視カメラを破壊した数でVERY EASYからHARDまで変化する。 **評価点 -非常に高い演出のレベル --既に前述したが、リアルなグラフィックと恐怖ギミックが織りなす演出は、相乗効果も相まって凄いの一言。並のACでも味わえない臨場感を生み出している。 -豪華なメインキャスト --大半がクリーチャーゆえか本作に出演した声優は6人とかなり少ないが、少女と仮面の男の声を演じたのはそれぞれ前田愛女史と増谷康紀氏というゴージャスな顔ぶれである。 **賛否両論点 -ヒロインの言動 --本作では、オープニングにて同じ部屋で眠らされていた少女と、エンディングまで行動を共にして行く。 --だが、用意されたマシンガンを手にとって以降、少女は常にそれを持ち歩いているにも関わらず、クリーチャー相手に銃撃を行うといったシーンがほとんどない。 --それどころか、逃げ回りながら「早くやっつけて!」と泣き叫んだり、処刑場のボス戦では自分は棒立ちのうえで危険な指示を飛ばしたりと、''あまり役に立ってない描写が目立つ。'' ---一応フォローすると、ヒロインはあくまで「いきなり異常なゲームに巻き込まれた、ごく普通の少女」であることを踏まえれば、恐怖から積極的に戦わない(戦えない)というゲーム中の行動にも一定の説得力はある。また、山小屋ステージでは扉や窓を自分からふさいでゾンビの侵入を止めようとしたり、上記の処刑場ボス戦では天井の照明を利用して、ボス2体を一網打尽にする方法を閃くなど、''決してただの足手まといとは呼べない点も存在する。'' **問題点 -強過ぎるクリーチャー達 --プレイヤーのライフが低すぎる、あるいは敵の攻撃力が高過ぎる。ゲーム開始直後では1回のダメージでライフが1/4~1/3程減るが、''ステージクリアしないうちに1回のダメージがライフの半分まで上昇する''((一部の小型クリーチャーや、ビンや胃酸などの飛び道具でのダメージは、最大でおよそ2~3割ほどと低めではある。))。 ---これは、「ダメージを受けないでいる時間が長いほど内部ランクが上昇し、クリーチャーの体力・攻撃力も強化されていく」という、『[[バイオ4>biohazard 4]]』にも似たシステムが組み込まれている為とされる。ただし、''立て続けに2回ダメージを受けてライフが満タンから0になった''という事例もあるため、「被弾による内部ランク低下の度合いが小さい、あるいは実質的に機能してないのでは?」という意見もある。 --また、クリーチャーからは知性などまるで感じられないにも関わらず、集団で襲い掛かるだけならまだしも「突然画面上に現れて不意討ちを仕掛ける」「フェイントでこちらの攻撃を本命からそらす」などの戦法を駆使してプレイヤーを翻弄する。 --極めつけに、クリーチャー達は頭にどれ程鉛玉を撃ち込まれようと基本的に怯むことがなく、死ぬまで(あるいは画面上のサイトを全破壊するまで)撃ちまくるしか動きを止める術はない。そのため、突然現れたクリーチャーに''早急かつ的確にヘッドショットを当て続けなければダメージを受けてしまう''という状況がままある。激しく動いて狙いを定めるのが困難だろうとお構いなしである。 --ボス戦においては、ボスが攻撃する前にサイトを全て破壊すればダメージを与える事が出来るが、道中のザコ敵同様''こちらの難易度も相当高い''。失敗してダメージを受けた場合、次に表示されるサイトの耐久値がかなり低くなっているので幾分か良心的ではあるが、それならば''「最初から程よい硬さのサイトを出せよ」''という話ではある。 -二人プレイ --本作の二人プレイでは「合体ショット」「合体サイト」が存在し、それぞれ「二人のサイトを近づけている間は、攻撃力が強化された二人同時の銃撃で集中攻撃できる」「合体ショットでしか破壊出来ない特殊なサイト」というシステムなのだが、この合体サイトの存在により二人プレイでの難易度が跳ね上がる結果となってしまっている。 --合体サイト持ちの雑魚敵が2体同時に出現した・ボス戦にて通常サイトと合体サイトが同時に表示されたなどの状況下では、二人で同じ合体サイトを同時に狙う(または通常サイトからまっ先に潰していく)必要がある。うっかり合体サイトと通常サイトを別々に攻撃しようものならば、ダメージを必ず受けてしまうというシビアなものになっている。 --さらに、合体サイトが表示されている最中に他のクリーチャーの攻撃でパートナーのライフが0になった場合でも、合体サイトが通常サイトに置き換わるという救済手段はない。このため、「合体サイト攻撃中にプレイヤーが死亡→生き残った側のプレイヤーに合体サイトを破壊する術がない→''合体サイト破壊失敗時の攻撃をなすすべもなく食らってもう一人も死亡''」というパターンが起こりうる。 --一応、二人プレイ時のみの特権的なシステムとして、二人同時に死亡するダメージを受けても一人はミリ残りで持ちこたえる根性システムや、下記で説明するコンティニューボーナスがあるのだが…。 -回復手段 --プレイヤーを助けるはずのライフ回復手段は''「ステージごとに1箇所((しかも2択のランダムイベントで当たりを引かなければ回復出来ない。))」「2人プレイ時にパートナーがコンティニューした時(コンティニューボーナス)」のみ''と少なく、そして''肝心の回復量も2割強''という有様。繰り返しになるが、内部ランクが高い状態でダメージを受けるとライフが半分削られてしまうのである。 --それでも、回復してライフが半分以上になれば1回は攻撃を耐えられるというケースがあるので、全く役に立たない訳ではない。だが、コンティニューボーナスでパートナーを支援しようにも、元々のクリーチャー達の苛烈な攻撃に加えて、ライフが0になってコンティニュー画面が出るまで2~3秒の間があるため、急いで回復させようとしても間に合わずにパートナーが倒されてしまう事も可能性がある。・・・''何のためのシステムなのだろうか?'' ---付け加えると、ステージ間のロード画面にてコンティニュー回復の説明が表示される事があるのだが、その画面ではなぜか''半分ほどのライフが全快''している。明らかに本来の仕様と食い違っており、''下手すれば詐欺と言われても文句は言えない。''ロード画面の「パートナーを救え!」という文章が余計にプレイヤーの怒りを誘う。 -装備品について --道中ではマシンガン・マグナム・ロケットランチャーの3種類の武器が手に入るのだが、ステージ進行に合わせて使える武器は固定化されてしまっている。山小屋ステージの実例を挙げれば、「開始時に用意されたマグナムを''必ず''手に取り、地下室に降りる少し前にマシンガンを''必ず''拾い、ボス戦の途中でその場に落ちていたロケットランチャーに''必ず''持ち替える」という流れである。 --状況に応じて他の武器に切り替える事が出来ず、拾うか否かの選択も許されない不便な仕様のほか、「ロケランは仕方ないにしてもそれ以外は普通に携帯可能な武器なのに、持てるのはどちらか1種類」という事実がより不快感に拍車をかけている。 --また、無数の小型クリーチャーを相手にする場面の半分位では連射の効かないマグナムで戦わされるなど、明らかに状況に適した武器を使わせてもらえない。 --なお、武器そのものの性能(マシンガンは除く)にも不満点が多い。特に槍玉に挙げられるのが実質ボス戦専用のロケットランチャーで、「弾速の遅さゆえに偏差射撃を求められる」「ボス戦ではサイトの全破壊がダメージを与え動きを止める方法なので、直撃させただけでは全く怯まない」「爆風で複数のサイトを効率的に同時攻撃しなければ絶対に間に合わない場面がある」「そんな毛色が違い過ぎる上に強みも感じられない武器を、ボス戦の途中で''いきなり強制的に持たされる''」など、枚挙にいとまがない。 -エンディング --ラスボス戦の途中で、ボスが吐き出した大量の敵を全滅させる緊急ミッションが発生するのだが、ここの結果で2つのエンディングに分かれる。ただし、''その内容は2種類とも評判が悪い。'' --この緊急ミッションは、道中の監視カメラを破壊した数によって難易度がVERY EASYからHARDに変化するが、HARDだとほぼ確実に撃ち漏らすので注意。 #region(ネタバレ注意・エンディング) -1.BAD END --1つでも逃して被弾すると、「ヒロインが細菌に感染→ラスボス撃破後にゾンビ化→主人公に襲い掛かり画面が暗転→仮面の男が高笑い」・・・と、''非常に胸糞悪い''。ある意味ホラーらしいともいえるが。 -2.GOOD END --監視カメラを破壊して難易度を下げた上で緊急ミッションに臨み、大量の敵を全滅させればヒロインの細菌感染を防ぐことが出来る。当然撃破後にゾンビ化する心配もない。 --ただし、「奥へ進むドアを開ける→ドアから光が溢れてホワイトアウト」の後はスタッフロールに突入し、仮面の男と対面する事なくゲームクリアになってしまう。 --こちらも消化不良の打ち切りエンドで釈然としない。「極悪難易度のゲーム本編を乗り越えて、加えて人によっては上記の胸糞エンドを経験した上で見せられるエンド」という点を踏まえれば、''こちらの方が不快感は上''という意見も。 #endregion **総評 御大層な筐体で、中に入ってみると3D映像などで臨場感があり、デモを見ているだけでも楽しい。期待感を膨らませた人も多いだろう。~ だがいざプレーしてみると、とにかく死にまくる。散々100円玉を投入してようやく到達したエンディングもあれでは・・・。バランスさえ悪くなければ良作・名作となりえた可能性もあったと思われる。~ もしプレイするならば、100円玉を大量に食われるのを覚悟すること。それとも映画館かレンタルビデオ店にでも行ってホラー映画を見た方が建設的かもしれない。
*ダークエスケープ3D 【だーくえすけーぷすりーでぃー】 |ジャンル|ガンシューティング| |対応機種|アーケード| |発売元|バンダイナムコゲームス| |開発元|ネクスエンタテインメント| |稼動開始日|2012年7月| |分類|BGCOLOR(khaki):''ゲームバランスが不安定''| |ポイント|演出や美麗なグラフィックだけは秀逸&br;100円玉を食い尽くす極悪難易度&br;打ち切りエンドか胸糞エンドしかない| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 バンダイナムコゲームスから発売された、固定銃座タイプの3Dホラーガンシューティングゲーム。 リアルかつ美麗なグラフィックに加えて、臨場感を上乗せする5つの「恐怖ギミック」を実装しており、演出面のレベルは非常に高い。 これらの要素に引き込まれたシューター達が、期待に胸を膨らませて筐体にコインを入れた。~ ・・・が、''別の方向性でプレイヤーに大きな恐怖を与えてくる''とは、誰が想像しただろうか。 **ストーリー 拉致されて知らない場所で目覚めた主人公(達)は、自分と同じく拉致されてきた少女と出会う。~ そこで突然モニターがONになり、画面越しに仮面の男が現れて、生きて自分の元へと到達すれば解放する条件で「ゲーム」を強要する。~ 身柄を解放してもらう為その場に用意された銃を手に取り、主人公と少女は化け物の徘徊する危険地帯からの脱出を図る・・・。~ **登場人物 -少女 --主人公が目覚めた監獄で知り合った少女にして本作のヒロイン。ゲームを攻略し脱出するという共通の目的を達成するために一緒に行動する・・・''のだが。'' -仮面の男 --モニター越しに主人公達にゲームを強要し、行く先々の監視カメラで主人公達を観戦している男。常にピエロの様な仮面をつけている為にその素顔を見ることは出来ない。物語の舞台が化け物の巣窟と化している原因について非常に詳しい様子だが・・・。 **5つの恐怖ギミック 筐体内部には、ゲームの臨場感を盛り上げる為の5つのギミックが実装されている。 -ビビリ検知システム --ゲーム中の要所要所にある特定の場面にて、銃座のグリップ部分に搭載されたセンサーで心拍数を計測しビビった回数をカウントする。 --各ステージクリア後のリザルト画面にてビビった回数を発表し、規定回数以上ビビった場合に((2人プレイなら多くビビった方のプレイヤーが対象となる。))応じて「恐怖のお仕置き」が執行される。 -3D映像 --美麗なフルポリゴンをリアルタイムで処理できるのが凄まじいが、筐体付属の3Dメガネを装着することで、それを立体映像で見られるので更に臨場感が増す。 --3Dメガネはかなり余裕のある造りになっているので、通常の眼鏡の上にも無理なく装着出来る。筐体のボタンで任意に2D表示に切り替えるのも可能。 -恐怖のシート --ゲームの場面に連動して、プレイヤーが座っているシートが振動する。ビビリ検知システムで述べた恐怖のお仕置きもこれにより行われる。%%お仕置きと呼ぶにはヌル過ぎるが。%% -2種類のエアー --眼前にクリーチャーの顔面が迫る場面に連動する・インターバルでプレイヤーの不安を煽るなどの用途に合わせて、前後からエアーが吹き付けられる。 -新設計5.1chサラウンド --プレイヤー背後のリアスピーカーを含む7つのスピーカー+ウーハーによる立体音響。音質のリアルさもさることながら、耳元で聞こえるリアスピーカーからの呻きや雄叫びが、プレイヤーの恐怖と緊張を引き立てる。 **ステージ 道中はゾンビやクリーチャーが跋扈しており、最後にはボスも用意されている。 -''監獄:動く死体の恐怖'' --主人公たちが目覚めた場所。本作におけるチュートリアルステージであり明確にボスと言える敵は登場しないが、特定の弱点(サイト)を狙い撃たないと倒せないゾンビが他のステージより多く登場する。 --また、チュートリアルに位置するためか、他の3つのステージを最初に選ぶとこのステージは自動で攻略済みとなる。 -''処刑場:暗闇の恐怖'' --拷問器具の様なものが並び、ステージ最奥のボス戦が行われる場所はまるで闘技場のようになっている。 --このステージでのみ出現する両生類%%やフルフル%%を思わせる4足歩行のクリーチャーの巣と化しており、ここではゾンビよりも多く出現し襲い掛かってくる。 -''山小屋:追い詰められる恐怖'' --廃屋に逃げ込んで籠城戦を挑むも、すぐにバリケードを突破されて大量のゾンビがなだれ込んでくる。 --このステージではボスを除けばゾンビしか出現しないが、その空きを埋めるかのごとくゾンビが立て続けに目の前に現れる。 --ボスまでの道のりが短く敵もゾンビのみの為か、処刑場・研究所と比べると難易度は低めとされている。 -''研究所:群がる虫の恐怖'' --クリーチャーの研究所へと踏み込んだ主人公達は、おびただしい数の蜘蛛を基にした化け物に遭遇する。 --このステージでのみ登場する、人間と蜘蛛を組み合わせたようなクリーチャーは、''極悪難易度と呼ばれる本作でも最強と目される雑魚敵''である。 --一回の攻撃で与えるダメージが最大でライフの半分はデフォルトとして、弱点がない・外殻が閉じている間は銃撃を完全にガード・唯一の攻撃である画面に貼り付いての噛みつきは貼り付く位置にランダム要素あり・・・と、''色々とおかしいレベル''となっている。 -''????:絶望的な恐怖'' --仮面の男の示した条件通り、生きて彼の居た部屋へと辿りついた主人公達だが・・・。 --上の4つのステージをすべてクリアすると解放される。このステージでのラスボス戦の途中で発生する殲滅イベントの成否が、エンディング分岐の条件となる。 --イベントの難易度自体は、これまでの道中にあった監視カメラを破壊した数でVERY EASYからHARDまで変化する。 ---- **評価点 -非常に高い演出のレベル --既に前述したが、リアルなグラフィックと恐怖ギミックが織りなす演出は、相乗効果も相まって凄いの一言。並のACでも味わえない臨場感を生み出している。 -豪華なメインキャスト --大半がクリーチャーゆえか本作に出演した声優は6人とかなり少ないが、少女と仮面の男の声を演じたのはそれぞれ前田愛女史と増谷康紀氏というゴージャスな顔ぶれである。 **賛否両論点 -ヒロインの言動 --本作では、オープニングにて同じ部屋で眠らされていた少女と、エンディングまで行動を共にして行く。 --だが、用意されたマシンガンを手にとって以降、少女は常にそれを持ち歩いているにも関わらず、クリーチャー相手に銃撃を行うといったシーンがほとんどない。 --それどころか、逃げ回りながら「早くやっつけて!」と泣き叫んだり、処刑場のボス戦では自分は棒立ちのうえで危険な指示を飛ばしたりと、''あまり役に立ってない描写が目立つ。'' ---一応フォローすると、ヒロインはあくまで「いきなり異常なゲームに巻き込まれた、ごく普通の少女」であることを踏まえれば、恐怖から積極的に戦わない(戦えない)というゲーム中の行動にも一定の説得力はある。また、山小屋ステージでは扉や窓を自分からふさいでゾンビの侵入を止めようとしたり、上記の処刑場ボス戦では天井の照明を利用して、ボス2体を一網打尽にする方法を閃くなど、''決してただの足手まといとは呼べない点も存在する。'' **問題点 -強過ぎるクリーチャー達 --プレイヤーのライフが低すぎる、あるいは敵の攻撃力が高過ぎる。ゲーム開始直後では1回のダメージでライフが1/4~1/3程減るが、''ステージクリアしないうちに1回のダメージがライフの半分まで上昇する''((一部の小型クリーチャーや、ビンや胃酸などの飛び道具でのダメージは、最大でおよそ2~3割ほどと低めではある。))。 ---これは、「ダメージを受けないでいる時間が長いほど内部ランクが上昇し、クリーチャーの体力・攻撃力も強化されていく」という、『[[バイオ4>biohazard 4]]』にも似たシステムが組み込まれている為とされる。ただし、''立て続けに2回ダメージを受けてライフが満タンから0になった''という事例もあるため、「被弾による内部ランク低下の度合いが小さい、あるいは実質的に機能してないのでは?」という意見もある。 --また、クリーチャーからは知性などまるで感じられないにも関わらず、集団で襲い掛かるだけならまだしも「突然画面上に現れて不意討ちを仕掛ける」「フェイントでこちらの攻撃を本命からそらす」などの戦法を駆使してプレイヤーを翻弄する。 --極めつけに、クリーチャー達は頭にどれ程鉛玉を撃ち込まれようと基本的に怯むことがなく、死ぬまで(あるいは画面上のサイトを全破壊するまで)撃ちまくるしか動きを止める術はない。そのため、突然現れたクリーチャーに''早急かつ的確にヘッドショットを当て続けなければダメージを受けてしまう''という状況がままある。激しく動いて狙いを定めるのが困難だろうとお構いなしである。 --ボス戦においては、ボスが攻撃する前にサイトを全て破壊すればダメージを与える事が出来るが、道中のザコ敵同様''こちらの難易度も相当高い''。失敗してダメージを受けた場合、次に表示されるサイトの耐久値がかなり低くなっているので幾分か良心的ではあるが、それならば''「最初から程よい硬さのサイトを出せよ」''という話ではある。 -二人プレイ --本作の二人プレイでは「合体ショット」「合体サイト」が存在し、それぞれ「二人のサイトを近づけている間は、攻撃力が強化された二人同時の銃撃で集中攻撃できる」「合体ショットでしか破壊出来ない特殊なサイト」というシステムなのだが、この合体サイトの存在により二人プレイでの難易度が跳ね上がる結果となってしまっている。 --合体サイト持ちの雑魚敵が2体同時に出現した・ボス戦にて通常サイトと合体サイトが同時に表示されたなどの状況下では、二人で同じ合体サイトを同時に狙う(または通常サイトからまっ先に潰していく)必要がある。うっかり合体サイトと通常サイトを別々に攻撃しようものならば、ダメージを必ず受けてしまうというシビアなものになっている。 --さらに、合体サイトが表示されている最中に他のクリーチャーの攻撃でパートナーのライフが0になった場合でも、合体サイトが通常サイトに置き換わるという救済手段はない。このため、「合体サイト攻撃中にプレイヤーが死亡→生き残った側のプレイヤーに合体サイトを破壊する術がない→''合体サイト破壊失敗時の攻撃をなすすべもなく食らってもう一人も死亡''」というパターンが起こりうる。 --一応、二人プレイ時のみの特権的なシステムとして、二人同時に死亡するダメージを受けても一人はミリ残りで持ちこたえる根性システムや、下記で説明するコンティニューボーナスがあるのだが…。 -回復手段 --プレイヤーを助けるはずのライフ回復手段は''「ステージごとに1箇所((しかも2択のランダムイベントで当たりを引かなければ回復出来ない。))」「2人プレイ時にパートナーがコンティニューした時(コンティニューボーナス)」のみ''と少なく、そして''肝心の回復量も2割強''という有様。繰り返しになるが、内部ランクが高い状態でダメージを受けるとライフが半分削られてしまうのである。 --それでも、回復してライフが半分以上になれば1回は攻撃を耐えられるというケースがあるので、この回復量でも全く役に立たない訳ではない。だが、コンティニューボーナスでパートナーを支援しようにも、元々のクリーチャー達の苛烈な攻撃に加えて、ライフが0になってコンティニュー画面が出るまで2~3秒の間があるため、急いで回復させようとしても間に合わずにパートナーが倒されてしまう事がある。・・・''何のためのシステムなのだろうか?'' ---付け加えると、ステージ間のロード画面にてコンティニュー回復の説明が表示される事があるのだが、その画面ではなぜか''半分ほどのライフが全快''している。明らかに本来の仕様と食い違っており、''下手すれば詐欺と言われても文句は言えない。''ロード画面の「パートナーを救え!」という文章が余計にプレイヤーの怒りを誘う。 -装備品について --道中ではマシンガン・マグナム・ロケットランチャーの3種類の武器が手に入るのだが、ステージ進行に合わせて使える武器は固定化されてしまっている。山小屋ステージの実例を挙げれば、「開始時に用意されたマグナムを''必ず''手に取り、地下室に降りる少し前にマシンガンを''必ず''拾い、ボス戦の途中でその場に落ちていたロケットランチャーに''必ず''持ち替える」という流れである。 --プレイスタイルや好みに合わせて他の武器に切り替える事が出来ず、拾うか否かの選択も許されない不便なシステムであるほか、「ロケランは仕方ないにしても残りの2つは普通に携帯可能な武器なのに、持てるのはどちらか1種類」という仕様もより不快感に拍車をかけている。 --また、無数の小型クリーチャーを相手にする場面の半分位では連射の効かないマグナムで戦わされるなど、明らかに状況に適した武器を使わせてもらえない。 --なお、武器そのものの性能(マシンガンは除く)にも不満点が多い。特に槍玉に挙げられるのが実質ボス戦専用のロケットランチャーで、「弾速の遅さゆえに偏差射撃を求められる」「ボス戦ではサイトの全破壊がダメージを与え動きを止める方法なので、直撃させただけでは全く怯まない」「爆風で複数のサイトを効率的に同時攻撃しなければ絶対に間に合わない場面がある」「そんな毛色が違い過ぎる上に強みも感じられない武器を、ボス戦の途中で''いきなり強制的に持たされる''」など、枚挙にいとまがない。 -エンディング --ラスボス戦の途中で、ボスが吐き出した大量の敵を撃ち漏らすことなく全滅させる緊急ミッションが発生するのだが、ここの結果で2つのエンディングに分かれる。ただし、''その内容は2種類とも評判が悪い。'' --この緊急ミッションは、道中の監視カメラを破壊した数によって難易度がVERY EASYからHARDに変化するが、HARDだとほぼ確実に撃ち漏らすので注意。 #region(ネタバレ注意・エンディング) -1.BAD END --1つでも逃して被弾すると、「ヒロインが細菌に感染→ラスボス撃破後にゾンビ化→主人公に襲い掛かり画面が暗転→仮面の男が高笑い」・・・と、''非常に胸糞悪い''。ある意味ホラーらしいともいえるが。 -2.GOOD END --監視カメラを破壊して難易度を下げた上で緊急ミッションに臨み、大量の敵を全滅させればヒロインの細菌感染を防ぐことが出来る。当然撃破後にゾンビ化する心配もない。 --ただし、「奥へ進むドアを開ける→ドアから光が溢れてホワイトアウト」の後はスタッフロールに突入し、仮面の男と対面する事なくゲームクリアになってしまう。 --こちらも消化不良の打ち切りエンドで釈然としない。「極悪難易度のゲーム本編を乗り越えて、加えて人によっては上記の胸糞エンドを経験した上で見せられるエンド」という点を踏まえれば、''こちらの方が不快感は上''という意見も。 #endregion ---- **総評 御大層な筐体で、中に入ってみると3D映像を始めとしたギミックで非常に臨場感があり、デモを見ているだけでも楽しい。「実際にやってみたい」と期待感を膨らませた人も多いだろう。~ だがいざプレーしてみると、とにかく死にまくる。散々100円玉を投入してようやく到達したエンディングもあれでは・・・。バランスさえ悪くなければ良作・名作となりえた可能性もあったと思われる。~ そのあまりの難度から、''稼働開始して3年以上経つまでノーコンティニュークリアの報告がなかった''という事実からも、その凶悪さの片鱗が伺えるといえよう。~ もしプレイするならば、100円玉を大量に食われるのを覚悟すること。それとも映画館かレンタルビデオ店にでも行ってホラー映画を見た方が建設的かもしれない。

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