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*ザ・グレイトバトルVI 【ざ ぐれいとばとる しっくす】 |ジャンル|アクションゲーム|&image(http://ecx.images-amazon.com/images/I/61ufZeLOE1L.jpg,height=200,http://www.amazon.co.jp/dp/B000069TIF)| |対応機種|プレイステーション|~| |メディア|CD-ROM|~| |発売元|バンプレスト|~| |開発元|アスペクト|~| |発売日|1997年4月11日|~| |価格|5,800円(税抜)|~| |プレイ人数|1人|~| |判定|BGCOLOR(lightsalmon):''クソゲー''|~| |ポイント|最初で最後のプレイステーション作品&br()フルプライスで『[[SIMPLEシリーズ]]』並の薄さ&br()デザインをアレンジ''しなかった''せいで逆に原作レイプ化&br()PSハードなのに''セーブもパスワードもない''ビックリ仕様&br()テンプレストーリー、寒い演出、稚拙な展開&br()低レベルなポリゴンのせいで雰囲気も大幅劣化&br()縦スクロールSTG面だけは高評価|~| |>|>|CENTER:''[[コンパチヒーローシリーズリンク>コンパチヒーローシリーズ]]''| //一部、間違ってはいないものの誤解を招く表現や誰の意見かよく分からないものを修正 //演出面は間違いなく本作の欠点として大きな部分ですので ---- #contents(fromhere) ---- **概要 『[[ザ・グレイトバトルV]]』の続編。『[[IV>ザ・グレイトバトルIV]]』以降から続く横スクロールアクションゲームとなっている。~ シリーズでは初めてフルポリゴン表現を用いており、普通のイラストが使用されているのはパッケージなどごく僅か。~ 『III』以降、SDキャラクター達の多くはそれぞれの世界観に合わせたデザインアレンジが施されてきたが、本作は『II』と同じくSDデザインをほぼそのまま使用している。~ 本作では版権キャラ3名のみがプレイアブルキャラとなり、参戦キャラは「ウイングガンダムゼロ」「仮面ライダーBLACK RX」「ウルトラマンパワード」の3名。~ プレイアブルではないが、オリジナル枠では消えた「ロア」の代わりに導き手として「妖精シーラン」が登場した。 非常に知名度が薄い作品であるが、その理由の全ては''内容の低クオリティさ''から来ている。~ 本作は制作会社が交代し、『グレイトバトル』初参加の会社アスペクトが担当している。~ おそらくポリゴン表現へ移行するためにそういった技術を持つ会社に任せたのだと思われるが、その内容はお世辞にも良いとは言えない。~ これまで担当してこなかった会社のせいか、『グレイトバトル』の空気や設定などを本作で''全て無視''。安っぽい独自設定を採用してしまっている。~ 敵は「邪竜神インフェリオス」というモンスターを蘇らせようとしている悪の軍団「サタンダークネス」。~ 本作で出演する三体のプレイアブルにとって、原作でもライバル的な立ち位置だったキャラ「トールギス」「シャドームーン」「サイコバルタン」が幹部として登場する。~ さらにその上の存在として皇帝「ガンダムエピオン」が登場する。どれもデザインアレンジは一切ない。 ゲームは通常のアクションパート、戦闘機に搭乗して戦う縦スクロールシューティングパート、巨大ロボットで巨大な敵と格闘するロボット戦闘パートの3つが存在する。~ それだけ聞くと、本作はシリーズの集大成的に聞こえるが、その実態はどれもこれもレベルの低いものとなった。 **ストーリー ある時、3人のヒーローの前に「妖精シーラン」が現れ、世界を滅ぼす力を持つ「邪竜神インフェリオス」を復活させようとする「サタンダークネス」の襲来を警告する。~ 「ウイングガンダムゼロ」「仮面ライダーブラックRX」「ウルトラマンパワード」の3人は、「閃光特捜オプティカルスリー」を結成し、サタンダークネスの野望を打ち砕くために戦う。~ **特徴 ''3つの異なるゲームパート'' -横スクロールのアクションパートと、縦スクロールのシューティングパート、そして巨大ロボットで戦う対戦格闘のようなパートが存在する。 --アクションパートはスタンダードなアクションゲーム。メイン攻撃と特殊攻撃を使用しながら敵を倒す。 --シューティングパートはこちらも普通の縦スクロールシューティング。戦闘機に乗り込み、出現する敵を撃ち落としていく。 --ロボット格闘パートは、3機の戦闘機が合体したメカ「ゴッドフラッシュ」に搭乗し、敵のHPをゼロにするまで戦う対戦格闘モード。 ''3人のプレイアブルキャラ'' -本作ではロアが削減され、版権キャラ3体のみの登場となる。キャラ選択できるのはステージ開始時かコンティニュー時のみ。「マイティパワー」と呼ばれるゲージを使うことで特殊技が使える。 --ウイングガンダムゼロ ---当時の最新に近いキャラだが、ヒイロ・ユイの性格((最も、ヒイロ自体非常にストイックかつ命知らずな性格なため余りヒーローものには向かないとも言える。放送当時コミックボンボンで連載されていた4コマ漫画『がんばれ!ドモンくんW』でも「暗い」「わけがわからない」「デュオ(副主人公)の方が主人公っぽい」などとネタにされていた。))は''一切''反映されていない。前作までのロアの精神年齢を少しあげたような個性。 ---メイン武器は通常がマシンキャノン、パワーアップするとバスターライフルへと変化する。ジャンプ攻撃はビームサーベル。 ---特殊技はローリングバスターライフル。 ---射程限界がない代償か、唯一チャージ攻撃がない。ビームサーベルはややリーチが長く見えるが実はあまり使い勝手が良いとは言えない。戦いづらいキャラ。 --仮面ライダーブラックRX(RX) ---前作から続投だが、設定は一切受け継いでいない。声が付いており、オリジナルの「倉田てつを」っぽくしているが別人。性格は『ヒーロー戦記』の南光太郎に似ている。 ---メイン武器はリボルケイン、パワーアップするとリーチが伸びる。チャージすることでロボライダーに変身してショットを放つ。ジャンプ攻撃はRXキック。 ---特殊攻撃はバイオライダーによるゲルアタック。ある意味一番原作に寄っている。 ---性能的には悪くはないが、パワードを使えば十分な感は否めない。 --ウルトラマンパワード(パワード) ---『IV』から復活。声は原作のウルトラマンの声を流用。性格は『グレイトバトル』のウルトラマンにありがちな真面目系寄り。 ---メイン武器はチョップ、パワーアップでエナジーナックルへ変化。ジャンプ攻撃で飛び蹴り。 ---特殊技はメガスペシウム光線。弧を描きながら放つ。 ---唯一移動しながらチャージ攻撃を溜めることが可能で、上の2名に比べれば断然使いやすい。 **問題点 -ステージが5つしかない。そのせいか''セーブ・ロード・パスワード機能は一切ない。'' --一つ一つのステージも別に内容が濃いわけではなく、コンティニュー制限もないので実際必要性は薄い。 --裏を返せば「データセーブが必要ない程度の内容」と''制作側が判断してこんな仕様にしている''ということである。 -程度の低いポリゴン。 --当時はまだポリゴン技術の過渡期であったことを考慮してもクオリティは低め。特にウイングガンダムゼロの目玉部分は''時折変な形になる''。 --モーションも格好良さはなく、使っていて楽しいと思える部分も薄い。 --HPがゼロになって死ぬと「コトン」と音がしそうな寂しい死に方をする。元々死亡演出に凝っているのは一部の作品のみとはいえ、本作は妙に物悲しい。 -魅力のないキャラ・舞台設定。 --本作の舞台は何故か現代の東京。そこに3人のヒーローが集まるという展開となっている。 --また、本作が以前のグレイトバトルと異なるのは、ある程度原作に歩み寄りを見せている((「多くの人間が~」と言う台詞があることから、怪獣やMS以外に普通の人間がいることがわかる、など。))ということである。『V』までのデザインアレンジ路線はなく、世界観も上記の通り現代である。 ---キャラ方面で見ても、RXはロボライダーやバイオライダーに変身するし、ゼロやパワードの技も再現しようという気概が見られる。 --こう聞くと折衷案のように見えるが、本作はむしろ原作再現も中途半端ならアレンジも中途半端である。こういった半端さから原作の影がちらついてしまううえ、キャラとしての魅力がないので余計不満を産んでしまうのである。 -ステージ最初しか選べないキャラクター。 --前作『V』でもキャラクターが自由に選べない問題があったが、本作は俗に言う「コンパチチェンジ」が''一切なく''、各ステージの最初かコンティニュー以外キャラクターを1人しか選べない。 --そもそもキャラ性能に格差があるので、正直攻略上使いたいキャラは限られていくのだが。 -操作性が悪い(シューティングを除く)。 --アクションパートは、地上では前方にしか攻撃出来ず、ジャンプ攻撃は対地攻撃(近接のみ)と攻撃方法が限られている。 --敵の配置も嫌らしく、坂を飛んで降りた先に敵が居ることもしばしばなので、ある程度予測してジャンプ攻撃を置いておかないといけない。 --ジャンプ攻撃は一部の弾を打ち消すことが出来るため、それによってパターンで殺せる相手がいる(中ボスのマンダラなど)。 -ウルトラマンパワード以外は''基本不要''。 --ただでさえ操作性が悪いのに、チャージ攻撃が使えないウイングゼロ、パワードとほぼ同等の性能でチャージに劣るRXと比べれば、パワードが総合的に上の性能。 -''寒い・稚拙な演出の数々''。 --OPでシーランが地球の危機を伝えるシーンが挿入されるのだが、''黒い背景で顔をドアップにしたシーランが喋るだけ''なので非常に淡白。 ---ちなみにシーランのモデリングは時代を考えると実はそこまで悪くない。力を入れるところが間違えている気がするが…。 --ボスと戦う前、ウイングガンダムゼロ達が「''閃光特捜オプティカルスリー!''」と名乗るシーンが毎度挿入される。''かなりしょぼい''うえに鬱陶しい。 --また、一部ボスはトドメ演出として「''トリプルオプティックシュート''」という技を使う。一々長いだけで寒い演出。 --BGMも全般的に単調で、これまでのシリーズのように心に残るものがない。特に先の名乗り・技演出では、アニメやドラマの劇中劇で描かれる戦隊番組のような安っぽいBGMが流れるので、ただでさえ微妙な演出をさらに盛り下げている。 -雑魚敵のチョイスが謎だったり再現度が薄かったりする。 --従来通りザク、戦闘員、バルタンが雑魚として登場。ライダーとウルトラマンはそこまで違和感がないチョイスだが、ガンダム系は何故か『機動武闘伝Gガンダム』の機体からのチョイスが多い。 --しかも採用機はネーデルガンダム、スカルガンダム、そして原作では1シーンのみの登場な''マンモスガンダム''。中ボスにマンダラガンダムを選んだのはある意味先見の明があるとも言えるか。 --最強怪人グランザイラスなども登場するが、頭以外はほとんど似ていない。 --ザコキャラにはパイロット版『ウルトラマンネオス』((2001年にビデオ映画として作られた『ネオス』ではなく、そのPVとして1995年に作成された短編ドラマの方。))に登場するドレンゲランや、劇場版スカイライダーに登場するサドンダス((その他にもドロリンゴやらガマギラスやらといったネオショッカー怪人がなぜか多い。))などといった途轍もなくマイナーなキャラも何種類か登場している。 ---しかし、ウルトラ6兄弟相手に怯みすらしなかったグランドキングまでザコキャラとして大量に出すのはいかがなものか。[[前例>ガイアセイバー ヒーロー最大の作戦]]があるというのに。 -''稚拙過ぎるストーリー''。 --''『シンプルシリーズ』もビックリなくらい内容が薄い''。「悪い竜が復活しそうだからそれを復活させようとする敵を倒そう」という内容だが、内容がまるでテンプレート。台詞回しもテンプレ。 --悪キャラ達の台詞も、ヒーローの活躍を紹介するナレーションもチープ。特にナレーションは「俺達の戦いはこれからだ!」的な内容過ぎて''ギャグになりつつある''。 --ボスとなる三将軍のうち、シャドームーンがエピオンの手下としてヘコヘコしているのは、ファン的に見ていてネタ的にも面白いものとは言えない。 ---SDアレンジ作品において、原作と比較すると上下関係がごちゃごちゃになるのはよくあること。が、本作はキャラの作り込みが浅いせいで''設定に何ら魅力が付与されていない''のである。 ---しかも三将軍はエピオンに''用済み扱い''され、不気味なモンスターに改造され、ラスボスの前座として登場する。名前は''「バイオモンスター合体三将軍」''……''捻りも何もない''。 ---そのデザインは各キャラをカプセルに詰めて頭のないモンスターに埋め込むという酷いデザイン。一定時間経つとそれぞれ取り込んだキャラの姿を模した不気味なモンスターに変化して攻撃を繰り返す。いくらコンパチヒーローシリーズとはいえ、投げやりさが強すぎて原作レイプ臭が強い。 --合体三将軍が倒されると、エピオンは「やっぱり役に立たない」「''ゼロをいくら足してもゼロか''」と酷い台詞を吐く。部下を罵る台詞だけはテンプレを通り越して実に不愉快な言葉選びをしていると言える。 ---原作『ガンダムW』におけるエピオンのパイロット・ゼクスは悪役とは言え正々堂々とした男であり、ここまでワルとして描くのは(ゼクスとは無関係な「機体だけ参戦」とはいえ)少々やりすぎ感も否めない。だいたい、トールギスは『ガンダムW』世界最初のMSであり、ガンダムもトールギスを改良して作られた機体なのにここまで雑に扱うのは、(どちらもパイロットが同じとは言え)酷である。''ライターは『ガンダムW』を見ていなかったのだろうか?'' --ラスボス皇帝ガンダムエピオンと戦う場所は、''壊された公園''で、滑り台が何故か無事に残っていたりする。雰囲気も何もあったものではない。 ---しかもエピオンは倒された後、復活させたインフェリオスの力に頼ろうとするが、実は全然操れておらず、''食われて死亡する''。小物臭い最期は変な笑いが起きる。 ---あげくその末路を見たパワードに「''ひにくなものだな…''」と言われてしまう。皮肉な最期というよりただ哀れである。 --最後にインフェリオスを倒しても、エンディングはまた質素なシーランの独白''のみ''。まるでエンディングの感慨がない。スタッフロール後はまたお寒いエセ戦隊風のナレーションで終了。 ---最後の一文に至っては''「ありがとう!閃光特捜オプティカルスリー!」''。これはひょっとしてギャグでやっているのか? -ロボット戦の操作にラグがある。 --一部のパートでは戦闘機が合体して「ゴッドフラッシュ」という巨大メカになる。巨大と言ってもこちらもSDなのだが…。 ---このゴッドフラッシュ、''ボタン操作一つ一つにラグがある''ためかなりプレイしづらい。攻撃手段も貧弱で戦いづらい。 ---かたや、ただ画面端に追い込んで殴り続けると、''ラスボスでもパターンにはめられることがある''。極端過ぎる。 --ダメージを受けると二歩三歩程度後ずさる。地味にこれが鬱陶しくテンポを悪くしている。 **評価点 -シューティング面''だけ''は何故か出来が良い。 --こちらはポリゴンゲームとしてはなかなかプレイしやすい。何故''こんなところだけプレイしやすいのか''。 --「合体する前のメカで戦う」というのは、『IV』では実現しなかったシチュエーションでもある。 -多くのSE、ウルトラマンの声、バルタンの声などは原作のものをそのまま使っている。 --「『コンパチヒーロー』の世界観には逆に合わない」という意見もあるが。 -一部シナリオではシャドームーンがキングダークに乗り込むなど、%%子供の自由帳みたいではあるが%%それなりに面白いクロスオーバーも散見される。 **総評 アクションゲームとしてもキャラゲーとしても稚拙な内容。~ ポリゴンに関しては百歩譲って許容出来たとしても、ゲームのプレイしづらさはとにかく一々ストレスが溜まる。~ ''『グレイトバトル』の歴史にトドメを刺した''のも頷ける((厳密には次作に『POCKET』があるが、アクションゲームではない。))低クオリティである。~ しかも褒められるところはキャラゲー的な要素でも本筋のアクションでもなく、シューティング面というチグハグさ。~ 正当な次作としては『[[グレイトバトル フルブラスト]]』を待つことになるが、発売までは本作を例にあげてクオリティが不安視されていた。
*ザ・グレイトバトルVI 【ざ ぐれいとばとる しっくす】 |ジャンル|アクションゲーム|&image(http://ecx.images-amazon.com/images/I/61ufZeLOE1L.jpg,height=200,http://www.amazon.co.jp/dp/B000069TIF)| |対応機種|プレイステーション|~| |メディア|CD-ROM|~| |発売元|バンプレスト|~| |開発元|アスペクト|~| |発売日|1997年4月11日|~| |価格|5,800円(税抜)|~| |プレイ人数|1人|~| |判定|BGCOLOR(lightsalmon):''クソゲー''|~| |ポイント|最初で最後のプレイステーション作品&br()フルプライスで『[[SIMPLEシリーズ]]』並の薄さ&br()デザインをアレンジ''しなかった''せいで逆に原作レイプ化&br()PSハードなのに''セーブもパスワードもない''ビックリ仕様&br()テンプレストーリー、寒い演出、稚拙な展開&br()低レベルなポリゴンのせいで雰囲気も大幅劣化&br()縦スクロールSTG面だけは高評価|~| |>|>|CENTER:''[[コンパチヒーローシリーズリンク>コンパチヒーローシリーズ]]''| //一部、間違ってはいないものの誤解を招く表現や誰の意見かよく分からないものを修正 //演出面は間違いなく本作の欠点として大きな部分ですので ---- #contents(fromhere) ---- **概要 『[[ザ・グレイトバトルV]]』の続編。『[[IV>ザ・グレイトバトルIV]]』以降から続く横スクロールアクションゲームとなっている。~ シリーズでは初めてフルポリゴン表現を用いており、普通のイラストが使用されているのはパッケージなどごく僅か。~ 『III』以降、SDキャラクター達の多くはそれぞれの世界観に合わせたデザインアレンジが施されてきたが、本作は『II』と同じくSDデザインをほぼそのまま使用している。~ 本作では版権キャラ3名のみがプレイアブルキャラとなり、参戦キャラは「ウイングガンダムゼロ」「仮面ライダーBLACK RX」「ウルトラマンパワード」の3名。~ プレイアブルではないが、オリジナル枠では消えた「ロア」の代わりに導き手として「妖精シーラン」が登場した。 非常に知名度が薄い作品であるが、その理由の全ては''内容の低クオリティさ''から来ている。~ 本作は制作会社が交代し、『グレイトバトル』初参加の会社アスペクトが担当している。~ おそらくポリゴン表現へ移行するためにそういった技術を持つ会社に任せたのだと思われるが、その内容はお世辞にも良いとは言えない。~ これまで担当してこなかった会社のせいか、『グレイトバトル』の空気や設定などを本作で''全て無視''。安っぽい独自設定を採用してしまっている。~ 敵は「邪竜神インフェリオス」というモンスターを蘇らせようとしている悪の軍団「サタンダークネス」。~ 本作で出演する三体のプレイアブルにとって、原作でもライバル的な立ち位置だったキャラ「トールギス」「シャドームーン」「サイコバルタン」が幹部として登場する。~ さらにその上の存在として皇帝「ガンダムエピオン」が登場する。どれもデザインアレンジは一切ない。 ゲームは通常のアクションパート、戦闘機に搭乗して戦う縦スクロールシューティングパート、巨大ロボットで巨大な敵と格闘するロボット戦闘パートの3つが存在する。~ それだけ聞くと、本作はシリーズの集大成的に聞こえるが、その実態はどれもこれもレベルの低いものとなった。 **ストーリー ある時、3人のヒーローの前に「妖精シーラン」が現れ、世界を滅ぼす力を持つ「邪竜神インフェリオス」を復活させようとする「サタンダークネス」の襲来を警告する。~ 「ウイングガンダムゼロ」「仮面ライダーブラックRX」「ウルトラマンパワード」の3人は、「閃光特捜オプティカルスリー」を結成し、サタンダークネスの野望を打ち砕くために戦う。~ **特徴 ''3つの異なるゲームパート'' -横スクロールのアクションパートと、縦スクロールのシューティングパート、そして巨大ロボットで戦う対戦格闘のようなパートが存在する。 --アクションパートはスタンダードなアクションゲーム。メイン攻撃と特殊攻撃を使用しながら敵を倒す。 --シューティングパートはこちらも普通の縦スクロールシューティング。戦闘機に乗り込み、出現する敵を撃ち落としていく。 --ロボット格闘パートは、3機の戦闘機が合体したメカ「ゴッドフラッシュ」に搭乗し、敵のHPをゼロにするまで戦う対戦格闘モード。 ''3人のプレイアブルキャラ'' -本作ではロアが削減され、版権キャラ3体のみの登場となる。キャラ選択できるのはステージ開始時かコンティニュー時のみ。「マイティパワー」と呼ばれるゲージを使うことで特殊技が使える。 --ウイングガンダムゼロ ---当時の最新に近いキャラだが、ヒイロ・ユイの性格((最も、ヒイロ自体非常にストイックかつ命知らずな性格なため余りヒーローものには向かないとも言える。放送当時コミックボンボンで連載されていた4コマ漫画『がんばれ!ドモンくんW』でも「暗い」「わけがわからない」「デュオ(副主人公)の方が主人公っぽい」などとネタにされていた。))は''一切''反映されていない。前作までのロアの精神年齢を少しあげたような個性。 ---メイン武器は通常がマシンキャノン、パワーアップするとバスターライフルへと変化する。ジャンプ攻撃はビームサーベル。 ---特殊技はローリングバスターライフル。 ---射程限界がない代償か、唯一チャージ攻撃がない。ビームサーベルはややリーチが長く見えるが実はあまり使い勝手が良いとは言えない。戦いづらいキャラ。 --仮面ライダーブラックRX(RX) ---前作から続投だが、設定は一切受け継いでいない。声が付いており、オリジナルの「倉田てつを」っぽくしているが別人。性格は『ヒーロー戦記』の南光太郎に似ている。 ---メイン武器はリボルケイン、パワーアップするとリーチが伸びる。チャージすることでロボライダーに変身してショットを放つ。ジャンプ攻撃はRXキック。 ---特殊攻撃はバイオライダーによるゲルアタック。ある意味一番原作に寄っている。 ---性能的には悪くはないが、パワードを使えば十分な感は否めない。 --ウルトラマンパワード(パワード) ---『IV』から復活。声は原作と同じくウルトラマンの声を流用。性格は『グレイトバトル』のウルトラマンにありがちな真面目系寄り。 ---メイン武器はチョップ、パワーアップでエナジーナックルへ変化。ジャンプ攻撃で飛び蹴り。 ---特殊技はメガスペシウム光線。弧を描きながら放つ。 ---唯一移動しながらチャージ攻撃を溜めることが可能で、上の2名に比べれば断然使いやすい。 **問題点 -ステージが5つしかない((一応一つのステージはいくつかの段階に別れており、クリアした地点からコンテニューできる。))。そのせいか''セーブ・ロード・パスワード機能は一切ない。'' --一つ一つのステージも別に内容が濃いわけではなく、コンティニュー制限もないので実際必要性は薄い。 --裏を返せば「データセーブが必要ない程度の内容」と''制作側が判断してこんな仕様にしている''ということである。 -程度の低いポリゴン。 --当時はまだポリゴン技術の過渡期であったことを考慮してもクオリティは低め。特にウイングガンダムゼロの目玉部分は''時折変な形になる''。 --モーションも格好良さはなく、使っていて楽しいと思える部分も薄い。 --HPがゼロになって死ぬと「コトン」と音がしそうな寂しい死に方をする。元々死亡演出に凝っているのは一部の作品のみとはいえ、本作は妙に物悲しい。 -魅力のないキャラ・舞台設定。 --本作の舞台は何故か現代の東京。そこに3人のヒーローが集まるという展開となっている。 --また、本作が以前のグレイトバトルと異なるのは、ある程度原作に歩み寄りを見せている((「多くの人間が~」と言う台詞があることから、怪獣やMS以外に普通の人間がいることがわかる、など。))ということである。『V』までのデザインアレンジ路線はなく、世界観も上記の通り現代である。 ---キャラ方面で見ても、RXはロボライダーやバイオライダーに変身するし、ゼロやパワードの技も再現しようという気概が見られる。 --こう聞くと折衷案のように見えるが、本作はむしろ原作再現も中途半端ならアレンジも中途半端である。こういった半端さから原作の影がちらついてしまううえ、キャラとしての魅力がないので余計不満を産んでしまうのである。 -ステージ最初しか選べないキャラクター。 --前作『V』でもキャラクターが自由に選べない問題があったが、本作は俗に言う「コンパチチェンジ」が''一切なく''、各ステージの最初かコンティニュー以外キャラクターを1人しか選べない。 --そもそもキャラ性能に格差があるので、正直攻略上使いたいキャラは限られていくのだが。 -操作性が悪い(シューティングを除く)。 --アクションパートは、地上では前方にしか攻撃出来ず、ジャンプ攻撃は対地攻撃(近接のみ)と攻撃方法が限られている。 --敵の配置も嫌らしく、坂を飛んで降りた先に敵が居ることもしばしばなので、ある程度予測してジャンプ攻撃を置いておかないといけない。 --ジャンプ攻撃は一部の弾を打ち消すことが出来るため、それによってパターンで殺せる相手がいる(中ボスのマンダラなど)。 -ウルトラマンパワード以外は''基本不要''。 --ただでさえ操作性が悪いのに、チャージ攻撃が使えないウイングゼロ、パワードとほぼ同等の性能でチャージに劣るRXと比べれば、パワードが総合的に上の性能。 -''寒い・稚拙な演出の数々''。 --OPでシーランが地球の危機を伝えるシーンが挿入されるのだが、''黒い背景で顔をドアップにしたシーランが喋るだけ''なので非常に淡白。 ---ちなみにシーランのモデリングは時代を考えると実はそこまで悪くない。力を入れるところが間違えている気がするが…。 --ボスと戦う前、ウイングガンダムゼロ達が「''閃光特捜オプティカルスリー!''」と名乗るシーンが毎度挿入される。''かなりしょぼい''うえに鬱陶しい。 --また、一部ボスはトドメ演出として「''トリプルオプティックシュート''」という技を使う。一々長いだけで寒い演出。 --BGMも全般的に単調で、これまでのシリーズのように心に残るものがない。特に先の名乗り・技演出では、アニメやドラマの劇中劇で描かれる戦隊番組のような安っぽいBGMが流れるので、ただでさえ微妙な演出をさらに盛り下げている。 -雑魚敵のチョイスが謎だったり再現度が薄かったりする。 --従来通りザク、戦闘員、バルタン星人((主人公にあわせてパワードバルタン星人となっているが、ここは評価できる。))が雑魚として登場。ライダーとウルトラマンはそこまで違和感がないチョイスだが、ガンダム系は何故か『機動武闘伝Gガンダム』の機体からのチョイスが多い。 --しかも採用機はネーデルガンダム、スカルガンダム、そして原作では1シーンのみの登場な''マンモスガンダム''。中ボスにマンダラガンダムを選んだのはある意味先見の明があるとも言えるか。 --ザコキャラにはパイロット版『ウルトラマンネオス』((2001年にビデオ映画として作られた『ネオス』ではなく、そのPVとして1995年に作成された短編ドラマの方。))に登場するドレンゲランや、劇場版スカイライダーに登場するサドンダス((その他にもドロリンゴやらガマギラスやらといったネオショッカー怪人がなぜか多い。))などといった。途轍もなくマイナーなキャラも何種類か登場している。 ---しかし、ウルトラ6兄弟相手に怯みすらしなかったグランドキングまでザコキャラとして大量に出すのはいかがなものか。[[前例>ガイアセイバー ヒーロー最大の作戦]]があるというのに。 ---最強怪人グランザイラスも登場するが、こちらもザコキャラで、頭以外はほとんど似ていない。 -''稚拙過ぎるストーリー''。 --''『シンプルシリーズ』もビックリなくらい内容が薄い''。「悪い竜が復活しそうだからそれを復活させようとする敵を倒そう」という内容だが、内容がまるでテンプレート。台詞回しもテンプレ。 --悪キャラ達の台詞も、ヒーローの活躍を紹介するナレーションもチープ。特にナレーションは「俺達の戦いはこれからだ!」的な内容過ぎて''ギャグになりつつある''。 --そもそも三将軍にガンダム出典のトールギスがいるのに、その上の皇帝エピオンが何故かガンダム出典((しかも同じ作品))でガンダムがえこひいきされているように感じるチョイスとなっている。ここは三作品の公平性を保つために、オリジナルキャラで良かったはず。過去作ではそういった手法もとっている。 //--ボスとなる三将軍のうち、シャドームーンがエピオンの手下としてヘコヘコしているのは、ファン的に見ていてネタ的にも面白いものとは言えない。 //シャドームーンに限った話ではないだろう。 //---SDアレンジ作品において、原作と比較すると上下関係がごちゃごちゃになるのはよくあること。が、本作はキャラの作り込みが浅いせいで''設定に何ら魅力が付与されていない''のである。 ---しかも三将軍はエピオンに''用済み扱い''され、不気味なモンスターに改造され、ラスボスの前座として登場する。名前は''「バイオモンスター合体三将軍」''……''捻りも何もない''。 ---そのデザインは各キャラをカプセルに詰めて頭のないモンスターに埋め込むという酷いデザイン。一定時間経つとそれぞれ取り込んだキャラの姿を模した不気味なモンスターに変化して攻撃を繰り返す。いくらコンパチヒーローシリーズとはいえ、投げやりさが強すぎて原作レイプ臭が強い。過去作でも扱いの差はあれど、ここまで版権キャラの扱いが酷いケースは無い。 --合体三将軍が倒されると、エピオンは「やっぱり役に立たない」「''ゼロをいくら足してもゼロか''」と酷い台詞を吐く。部下を罵る台詞だけはテンプレを通り越して実に不愉快な言葉選びをしていると言える。 //---原作『ガンダムW』におけるエピオンのパイロット・ゼクスは悪役とは言え正々堂々とした男であり、ここまでワルとして描くのは(ゼクスとは無関係な「機体だけ参戦」とはいえ)少々やりすぎ感も否めない。だいたい、トールギスは『ガンダムW』世界最初のMSであり、ガンダムもトールギスを改良して作られた機体なのにここまで雑に扱うのは、(どちらもパイロットが同じとは言え)酷である。''ライターは『ガンダムW』を見ていなかったのだろうか?'' //コンパチシリーズにそこまで細かい原作再現を問うのはどうかと。 --ラスボス皇帝ガンダムエピオンと戦う場所は、''壊された公園''で、滑り台が何故か無事に残っていたりする。雰囲気も何もあったものではない。 ---しかもエピオンは倒された後、復活させたインフェリオスの力に頼ろうとするが、実は全然操れておらず、''食われて死亡する''。小物臭い最期は変な笑いが起きる。 ---あげくその末路を見たパワードに「''ひにくなものだな…''」と言われてしまう。皮肉な最期というよりただ哀れである。 --最後にインフェリオスを倒しても、エンディングはまた質素なシーランの独白''のみ''。まるでエンディングの感慨がない。スタッフロール後はまたお寒いエセ戦隊風のナレーションで終了。 ---最後の一文に至っては''「ありがとう!閃光特捜オプティカルスリー!」''。これはひょっとしてギャグでやっているのか? -ロボット戦の操作にラグがある。 --一部のパートでは戦闘機が合体して「ゴッドフラッシュ」という巨大メカになる。巨大と言ってもこちらもSDなのだが…。 ---このゴッドフラッシュ、''ボタン操作一つ一つにラグがある''ためかなりプレイしづらい。攻撃手段も貧弱で戦いづらい。 ---かたや、ただ画面端に追い込んで殴り続けると、''ラスボスでもパターンにはめられることがある''。極端過ぎる。 --ダメージを受けると二歩三歩程度後ずさる。地味にこれが鬱陶しくテンポを悪くしている。 **評価点 -シューティング面''だけ''は何故か出来が良い。 --こちらはポリゴンゲームとしてはなかなかプレイしやすい。何故''こんなところだけプレイしやすいのか''。 --「合体する前のメカで戦う」というのは、『IV』では実現しなかったシチュエーションでもある。 -多くのSE、ウルトラマンの声、バルタンの声などは原作のものをそのまま使っている。 --「『コンパチヒーロー』の世界観には逆に合わない」という意見もあるが。 -一部シナリオではシャドームーンがキングダークに乗り込むなど、%%子供の自由帳みたいではあるが%%それなりに面白いクロスオーバーも散見される。 **総評 アクションゲームとしてもキャラゲーとしても稚拙な内容。~ ポリゴンに関しては百歩譲って許容出来たとしても、ゲームのプレイしづらさはとにかく一々ストレスが溜まる。~ ''『グレイトバトル』の歴史にトドメを刺した''のも頷ける((厳密には次作に『POCKET』があるが、アクションゲームではない。))低クオリティである。~ しかも褒められるところはキャラゲー的な要素でも本筋のアクションでもなく、シューティング面というチグハグさ。~ 正当な次作としては『[[グレイトバトル フルブラスト]]』を待つことになるが、発売までは本作を例にあげてクオリティが不安視されていた。

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