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討鬼伝2 - (2019/05/05 (日) 18:44:47) の1つ前との変更点
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*討鬼伝2
【とうきでん つー】
|ジャンル|ハンティングアクション|#amazon(B01D9FFPTI)|#amazon(B01D9FFMO6)|#amazon(B01D9FFMJG)|
|対応機種|プレイステーション4&br;プレイステーション3&br;プレイステーション・ヴィータ|~|~|~|
|発売元|コーエーテクモゲームス|~|~|~|
|開発元|コーエーテクモゲームス(オメガフォース)|~|~|~|
|発売日|2016年7月28日|~|~|~|
|定価|【PS4/PS3】7,800円&br;【PSV】6,800円|~|~|~|
|レーティング|CERO:C(15歳以上対象)|~|~|~|
|判定|なし|~|~|~|
|ポイント|大幅に改善されたプレイアビリティ&br;前作までの長所を残しつつ正統進化&br;明らかに見切り発車のバグ地獄|~|~|~|
|>|>|>|>|CENTER:''討鬼伝シリーズ'' : [[討鬼伝]] - [[討鬼伝 極]] - ''討鬼伝2''|
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#contents(fromhere)
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**概要
PSVitaで展開を続けていた和風ハンティングアクション『[[討鬼伝]]』の新作で、初めて据え置き機を主軸として作られた作品。~
既存の狩りゲーには無かったオープンワールド化を大きく宣伝していたが、その制作発表時期が、PS4の性能に物を言わせてオープンワールドに手を出すメーカーが増え始めた時期だった事もあり、出来に関しては不安視する声もあった。しかし総合的に見れば、ゲームシステムを上手く組み合わせた続編に仕上がっていた。
本項ではPS4版を中心としてまとめていく。
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**ストーリー
時は明治――
世界を滅ぼしたオオマガドキの災厄。
連綿と続いてきた「表の歴史」が滅び、
魑魅魍魎が闊歩する「裏の歴史」が世界を飲み込み始める。
遥か北の地に大量の“鬼”が出現し、人里を蹂躙しながら南下を始めた。
それを迎え撃つために横浜に展開した“鬼”を討つ戦士モノノフたちは、
“鬼”と激闘を繰り広げながら横浜の市街を防衛していく。
その最中、巨大な“鬼”が上空に現れ、
一人のモノノフが“鬼”が開いた鬼門に飲み込まれる。
そして十年後――
西の果てにある「マホロバの里」に、
一人の記憶喪失のモノノフが流れ着く。(公式サイトより)
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基本的なシステムは、『[[討鬼伝]]』を参照。
**追加点・変更点
***オープンワールド化
- 『モンスターハンター』シリーズで火が付いたハンティングアクションというジャンルでは同作に倣い、拠点で準備→ギルド等の本部で任務を受注→指定されたフィールドへ向かう→エリアを移動しながら目標達成、という流れが当然のものとして存在した。本シリーズの無印編や極編でもこの流れは変わらなかったが、オープンワールドが導入された事で、それまでのこの一連の流れは''サブミッションの様な存在に変化した。''この任務請負による討伐は、初めから鬼域で限定された場所のみでの討伐任務が殆どの為、素材集め・ハク稼ぎなどはこちらを利用する事がメインとなる。((この仕組み自体は前作までと変わらない。))
-メインストーリーを追う場合、シナリオが進む毎に順次目標が設定され、それに従い拠点から領域へ移動、目標を達成する。マホロバの里周辺から各領域へと一切のロード無しに移動出来る。
--しかしどちらかというと本作のそれはオープンワールドではなく、各マップをシームレス形式で移動できるように繋いだものである。各領域へは特定のルートを通らなければ侵入出来ず、ファストトラベルが解放されるまでは、決まったルートの内から侵入しなければならない。
-前作までと比べてフィールド面積が圧倒的に広くなり、鬼やオブジェクト、ギミックのあるポイントの配置も増えた。
--調べると小型鬼が大量に湧く瘴気の湧く場所、ハク((ゲーム内通貨のようなもの。))溜まり、しるべ、歴史を紐解く為の碑文、オンライン経由で武具・防具を交換できるつづらなど、その他後述の鬼ノ手で掴む事が出来る木々や崖も多数ある。
--フィールド上には中型鬼((今回から追加された鬼の種類で、弱い大型鬼とでも言うべき存在。))・大型鬼の沸きポイントが存在し、付近を通過すると鬼域(戦闘エリア)が区切られその中で戦う事となるのだが、ストーリー上の討伐目標、又は受注任務でなければ、数秒程度鬼域にぶつかり続けていれば脱出可能。ストーリー上のイベント鬼以外はこの方法でスルーしてしまう事も可能である。
---ちなみに、任務受注の失敗条件は「リスポーン3回」と従来通りである((撤退すると任務達成時の報酬ハクが減少するペナルティは廃止。))が、オープンワールド行動時は一度力尽きた場合、前回セーブしたポイントからになるので少々シビア。((オートセーブ・手動セーブ両方ある。里以外でのセーブも勿論可能。ただし、里の外では周囲に敵がいたり、戦闘状態ではセーブは行えない。))
-各領域は瘴気に汚染されている為に行動限界があるが、特定ポイントを解放する事で瘴気の影響を受けない結界・及び里へ戻る事が出来る一方通行のファストトラベルポイントが使用可能。また前作まで地祇石の内、「体力全回復」の石が「瘴気完全浄化(活動限界時間を最大にまで戻す)」効果に変更された。また、ストーリー進行によって各領域に一つだけ「拠点」が解放され、他のファストトラベルポイントと相互に行き来ができるようになる他、武具・防具とミタマの変更が可能となる。
--他にも、フィールドを散策している途中でNPCが討伐任務を進行している時がある。協力して任務を終わらせる事でNPCがその場から同行可能になる他、天狐((シリーズのマスコットキャラ。キツネみたいな見た目をしている。))が懐いて里に来るようになったり、鍛冶屋や大工の製造・修理が一回無料になったり、よろず屋の加入品目が増えたりする。
---戦闘中のNPCは、時にネット上の他プレイヤーデータが反映されたNPCの場合もある。この場合、そのNPCの人別札((『モンスターハンター』におけるギルドカードのものな物。))を受け取れる。
--フィールドが広くなった分、前作まで気力(いわゆるスタミナゲージ)を消費していたダッシュは「気力の自動回復が停止する」という仕様に変更された。また、新たな移動手段として「鬼疾風(おにはやて)」が追加。こちらは気力を消費するが、ダッシュよりさらに速く移動できる。
-また、拠点となるマホロバの里も広くなり、「人里」感がグッと増した。
--この仕様変更に伴い、恒例であった村人からの「依頼」受注の方法も変化。本部受付で受注するスタイルから、里やフィールドに居るNPCに話しかける事で受注・進行が開始されるようになる。
***鬼ノ手
-今作の目玉要素。構えから射出し、様々な物を掴む事で効果を得られる。
--鬼絡(おにがらみ)
---鬼ノ手で鬼や木や崖などの対象を掴み、その場所へ素早く移動出来る。空中で連続して仕様可能。飛びかかり中、空中に浮いた状態で攻撃ボタンを押した場合、特定モーションでターゲットした鬼を攻撃する。
---これにより全武器種において空中での攻撃が可能となった。これに伴い、一部武具のモーションが追加・変更されている。
--鬼喰(おにぐらい)
---五大属性の元素が集まる「地脈」に干渉し、自然の力を取り込む。取り込んだ力は前方に射出出来る他、装備武器に付与して一定時間属性武器としての効果を得られる。
--鬼潰(おにつぶし)
---道を閉ざす巨大なクモの巣や氷柱などを掴み、消滅させる事が可能。
--鬼返(おにがえし)
---突進など特定行動中に鬼が闘気を纏うが、その時に鬼ノ手で鬼を掴むと、地面に引き倒す事が出来る。
--鬼葬(おにはぶり)
---『極』の「鬼千切・極」に代わって実装された特殊攻撃。「共闘ゲージ」が満タンになると発動可能。
---鬼千切・極は複数部位を一気に破壊する事が可能だったが、他のメンバーの近くに居なければ発動出来ず、ゲージもパーティー内で共有だった。~
今作では、ゲージ管理がメンバー単位となり(NPCを同行させても同じ)使い勝手が大きく増した。破壊部位は一箇所だけにグレードダウンしたが、「完全破壊」を狙えるようになった。
---一定条件を満たした状態で鬼ノ手を構えると、足や尻尾など一部分が白く光る。その部位を鬼ノ手で掴むと鬼葬が発動、部位を切り離すのではなく''完全に消滅させる。''~
通常は破壊した部位を鬼祓いしても、生命力は祓った部位の形を留めているが、完全破壊に成功するとそれも無くなる。
---PS4・PS3の場合は、R2ボタンを軽くタップするだけで近くの点滅部位を自動で狙って掴む。
---完全破壊が不可能な部位の場合は、特殊なモーションの鬼千切が発動。どんな武器を使っていても、あらゆる部位をピンポイントで破壊できる。
***武器・ミタマ((日本の歴史上・創作上の偉人が魂となったもの。それぞれ「攻」「防」など固有の戦闘スタイルが存在する。))
-追加された戦闘スタイルは「繰」、追加武器は「盾剣」と「仕込鞭」。仕込鞭は鎖鎌と似通っている部分もあるが、差別化はしっかり図られている。
-ミタマの数は無印編と同様の200種類。削除されたものや新規で追加されたもの、戦闘スタイルが変わっているものもあるが、イラストとボイスは一新されている。
--最大3つのミタマを組み合わせてスキルの編成を行うのは前作までと同様。ただし、3つ全てのミタマを武器に装備していた従来作とは異なり、本作では武器・防具・鬼ノ手にそれそれ1つずつ装備して組み合わせるようになった。
--武器ミタマ
---前作までとほほ同様で、ミタマのスタイルに応じた特性が備わり、特殊技「タマフリ」が使用可能になる。タマフリには回数制限とクールタイムが設けられており、頼り切った戦いはできないようになっている。なお、戦闘中に体力を回復するには、基本的にこのタマフリを使うしかない。
--防具ミタマ
---一定の条件を満たすと「ニギタマフリ」が発動するようになる。プレイヤーの意志に関係なく暴発するリスクもある一方で、タマフリのような回数制限は無く、クールタイムさえ終了すればいくらでも発動可能。
--鬼ノ手ミタマ
---大きな効果を持つ「アラタマフリ」が使用可能になる。任意のタイミングで発動できるのはタマフリと同様で、使用回数はニギタマフリと同じく無制限。ただし、すべてのアラタマフリには必ず何かしらのデメリットが存在し、発動時にも大きな隙を晒す。
***里の設備・その他
-鍛冶屋
--戦闘で「馴染み度(いわゆる熟練度)」を上げる事で鍛錬が可能になった前作から、素材を消費する方式に変更。素材さえあれば時間をかけなくても一気に性能を引き上げる事が出来るようになった。
--下級装備を作る際、足りない素材の代わりに使える「万能の石」が追加。下級装備でさえあれば何にでも使え、本来ひとつしか作成できないレア武器を量産する事も可能。ただし、万能の石自体が個数限定のレアアイテムなので、使いどころを見極めるセンスが求められる。
-大工
--カラクリ人形を整備・強化して、領域へ派遣できる。能力や装備した思考回路に応じて時間経過で素材を拾ってくる、前回までの天狐システムに近い。
-天狐
--おやつをあげてごきげん度を最大に上げると、オープンワールドのフィールドへ連れていく事が出来る。素材を回収したり、鬼祓いをしてくれたりする。その他、親密度を上げる事でミタマを分霊出来る。
-久音
--前作の樒(しきみ)に相当する祭祀堂の巫女で、小料理屋を営んでいる。「玉串」を使用することで一定時間ミタマのドロップ確立や取得経験値量を上げられる。また、前作の賽銭箱に近い役割も担っており、料理を注文することで一定時間能力を強化できる。
--何故かは不明だが、オープンワールドへの同行者選択も彼女に話しかけて行う。
-合成釜
--ハクと素材を合成し、鍛錬素材を作る事ができる。合成する素材ごとにポイントが設定されており、一定の値ごとに入手できる数が増える。
--「カラクリ石」という素材があれば、使用した個数分の素材を必ず入手可能。
-禊
--NPCの装備武器や特徴からスキルを使用出来るようになった前作までと変わり、任務達成時の素材獲得の数や種類が増える仕組みに変わった。また、瘴気に汚染されたエリアでの活動限界時間が僅かに延長されるようになる。
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**評価点
***ゲームデザインの変更に伴う進化
-オープンワールド化という大幅な仕様変更により、マンネリ化を防いだ事の功績は大きい。
--元々同じ作業の繰り返しとなりがちな狩りゲーというジャンルで、目新しい感覚を得られるゲームスタイルは評価されている。
---拠点から異界を散策している途中で突如中型・大型の鬼と遭遇したり、共同任務で思わぬ強敵と戦ったり、里の外に居るNPCに話しかけて依頼を請け負ったりという発見が、「狩りに出かける」というスタイルと上手くマッチしている。
---特に、里周辺での連続討伐・乱戦討伐任務は、他領域と異なり(後述)大きく開けた高低差や段差の多いエリアでの討伐になるので、地形を或る程度生かした戦術や立ち回りが求められるので、臨場感とやりごたえが増している。
--基本的に一度その領域に入ってしまえばストーリーの進行速度を無視して先まで進む事も出来るが、明らかに今の力量に見合っていない鬼と遭遇する場合も。ストーリー進行や依頼請負、共同任務で突発的に沸いた鬼と元々居る沸きポイントの鬼とで高難度の乱戦になったりといったハプニング要素も、この仕様に噛み合っている。
--また、マップがただ広いだけの印象があった前作までと異なり、樹木や崖に鬼ノ手を使って瞬間的に移動したり、鬼疾風を使う事で、移動も思っている程ダレない。マッピングに関しても、非常に高低差のある崖や密集した木々などもあり、鬼ノ手が有効に活用出来るような工夫がなされている。
***戦闘・鬼ノ手に関して
-これまでの本シリーズに共通する問題点として、鬼の挙動が時に理不尽な程素早い・堅い、というのがあった。しかしこれは、シリーズが豪快に鬼の部位を破壊するダイナミックさと爽快感、スピーディーでスタイリッシュなアクションを売りにしている為、それに合わせて鬼の行動も素早くしたり行動範囲・攻撃範囲を広げるなどしなければならない事に起因しており、鬼の行動パターンを劣化させてしまうとゲーム性を壊してしまう。だが鬼ノ手の仕組みを盛り込む事で、このジレンマを完全に解決した。
--鬼ノ手の射程は鎖鎌や仕込鞭の射程よりもずっと長く、鬼を掴んでしまえば一瞬にして飛びかかる事が出来る。本来のスピーディーなアクションの魅力を削がず、同時に鬼も弱体化させずに、「エリアを縦横無尽に駆け回る鬼を追い掛け回さなければならない」「空を飛んだままの鬼相手に飛び道具以外では手が出せない」といった状況をほぼ皆無にして、大幅にストレスを軽減した。
-また、これまでは鎖鎌などの一部武器でしか出来なかった空中での立体的な戦闘が、全武器で可能となったので見栄えもいい。((無論武器によって差はあるが。))これに併せて、新規鬼も高低差のある巨大な鬼や飛行型の鬼が増えている。
--他にも、これまでの鬼は部位破壊・鬼祓いを成功させても、鬼の生命力が消失部位をかたどって消失前とほぼ変わらない行動を取り、タマハミ・マガツヒ状態でなくとも攻撃が通る、突進後にダウンする、一部攻撃が発動しなくなるという程度の恩恵しかなかった。
---しかし鬼ノ手の完全部位破壊により、足をもがれた鬼は終始這いつくばるようにしか動けなくなったり、両翼をもがれたらその場で跳ねるだけで飛び回れなくなったりと、行動面が大きく変化。戦局を動かす大きな要素となった。
-過去作で問題となっていたプレイアビリティとアクション性の両方を改善・向上させたこの一点だけでも、「(出るとしたら)次回作以降の目玉要素として、鬼ノ手以上のアイデアが思いつかない」とユーザーに言わしめる程。
-前作までは処理落ちが頻発したり、他のプレイヤーに悪影響を及ぼす程の過剰エフェクト((視界がエフェクトで塞がれてしまったり、エフェクトの処理が重すぎて処理落ちが起きて操作に支障が出たりがザラであった。))が大きく問題視され、修正を希望するプレイヤーも少なくなかったにもかかわらず完全に無視されてしまっていた。
--しかし、本作ではこの問題も大きく改善を見せ、基本的なエフェクトも自己主張しすぎるようなものではなくなり、更に他のキャラクターの諸々のエフェクトも何をやっているかが解る程度の最低限の簡易表示になったことで、エフェクトが原因で他のプレイヤーが被害を被ることはなくなった。
***物語・登場人物
-異なる時代を行き来する鬼やミタマの謎を解明した前作から更に一歩進み、発見されたカラクリ技術や、鬼が生まれた謎に迫るストーリーに。シリーズ恒例の、キャラの過去を掘り下げつつ少年漫画の様な王道を行く(悪く言えばベタな)シナリオは健在。声優は坂本真綾氏、山寺宏一氏、大塚芳忠氏ら実力派が参加。
--前作までに登場したキャラも一部登場、ウタカタの里のキャラクターも一部名前だけ登場する事もある。
-また同行NPCの組み合わせによって、今まであった独り言の他、道中の掛け合いの会話が生まれるので、その組み合わせを探してみるのも楽しい。
***ミタマ
-戦闘スタイルが増えた事以外に、武具・防具・鬼ノ手のどれにミタマを装備するかによってアビリティが変わってくるので、単純に組み合わせを探す楽しみが増えた。
--ミタマ自体のレベルは廃止され、スキルのレベルを上げる事で解放される仕様に。また、スキルの習得は戦闘のみでできるようになり、前作までのようにいちいちハクを集めて里に戻る必要は無くなった。加えてスキル効果の格差も解消され、同名スキルであればどのミタマでも同じだけの効果を発揮する。習得したスキルの組み替えもミタマ装備画面で自由に行える。
---アップデート前はミタマを一つずつ選択しなければスキル一覧を確認出来ず非常に手間だったが、アップデート後には表示ウィンドウを切り替えるだけで一覧が参照可能になった。
***グラフィック
-シリーズのオリジナル版であるPSVitaから比べものにならない程レベルは上がった。極編のPS4版と比較しても細部のディテールに磨きがかかっている。処理落ちも無く、フレームレートも安定している。
--ただし、これらはPS4に限った話でPSVita版・PS3版ではカクツキも目立ち、グラフィックも前作のPSVita版よりも落ちている。
-映像の強化に伴い、本シリーズの特徴である部位破壊アクションの爽快感も上がった。
-キャラクターメイキングもかなり進化しており、エディット可能な項目が非常に多く、実に多彩なキャラを作れる。~
公式で顔エディットコンテストも開催された。
--あまりに作り込めるため納得が行くまでゲームを始める事が出来ない人が続出した。
***快適さ
-後述の通り、作り込みの甘さ・調整不足によるストレスはあるが、アクション面に関しては問題の無いレベルに調整されている。先述した通り、大型鬼の動きに対処する鬼ノ手のシステムがとても上手く噛み合っている。そしてシリーズ共通である部位破壊の爽快感は健在。
-流石にローディングの読み込み速度は遅くなったが、前作までの速度が驚異的だっただけであり、十分快適と言える程度の長さ。そのローディングも、ゲーム開始時や戦闘開始・終了時、ファストトラベル使用時にストレスにならない程度の長さがあるのみ。
-インターフェイスも従来通り、使いやすさ・遊びやすさを重視して考えられている。
-地味ながらも大きな改善点として、すべてのタマフリやスキル・素材・装備品などに読み仮名が付与されるようになったことや素材の入手条件が確認出来るようになったことがある。
--『討鬼伝 極』までは素材や装備名が読めないような難解なものであったり、いかようにも読めるようなものが多かったのだが、ミタマの列伝における名前を除いて読み仮名が振られていなかったため、ソート(50音順)で並べ替えた後で数を確認したい目的の素材がどこに行ったのか見失ってしまったり、ボイスチャット中に協力を依頼しようにも目的の素材名がピンポイントで伝えられずに結局鬼と(上級などの)難易度を伝えて…となりがちだったが、これが解消されている。
--入手方法に関しても、これまで装備を作れるようになった際に名前だけ出されてもどの鬼からどうやって入手するのかが見当が付かないものが多く、結局インターネットなりで調べる必要に迫られたが、これも本作では入手方法を確認出来るようになり、所謂マラソン行為もやりやすくなった。勿論、上級(下級)任務である必要があるものはちゃんとその旨も記載されている。
***その他
-禊
--仲間同士で入る事もでき、仲間の友好度を上げるとセリフが変わり、友好度を上げる良い物差しとなっている。
--また、異性の時間にも入る事ができる。友好度が低い内は追い出されるが、高いと一緒に禊をしてもらえる。
--ギャルゲーや乙女ゲーとも言えるセリフを言ってくれることも。
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**賛否両論点
***オープンワールド化に関して
-前述した様に、ただシームレス形式でマップやエリアを繋げただけであり、『[[Grand Theft Auto>Grand Theft Autoシリーズ]]』のようなビッグタイトルが掲げるオープンワールドを想像すると、余りのレベル差に愕然とする。
--領域でNPCがランダムに動いているわけでもなく、依頼を達成してしまえば里やその周辺域以外で人と出会う事は、共同任務を除いて無い。申し訳程度に足したしるべや碑文、ミタマなどの収集要素も、それが終わってしまえばやる事も無くなってしまう。素材集めに関しては従来の任務受注による討伐の方が効率がいい為、最終的にはランダムに発生する共同作戦を消化するかミタマ集めに奔走する以外にオープンワールドのフィールドに行く意味が無くなってしまう。
--また、瘴気に覆われた異界が里と閉ざされているという設定を上手く活用してはいるが、それでも特定ルートからしか行けないエリアばかりで移動に制限が掛かっているのは残念。
---そもそも領域内ですら一本道のルートでエリアが区切られているに等しい。特に「雅」の領域の、一本道が多いにも関わらず無駄に複雑なマップは評価が低い。崩れた塀など、それこそ鬼ノ手があれば難なく超えて移動出来そうに見えてしまう分、余計にそう感じる。
-鬼の沸きポイントは、実は出現する鬼はポイントによって完全固定。特に良く通る道はすぐに鬼の種類を覚えてしまうので、出会うという事の驚きや喜びは薄くなってしまう。唯一共同任務だけが出現鬼がランダムとなっているが、実際に行かなければ何と戦わなければならないかわからない(無論それが今回の仕様の醍醐味なのだが)。
-ビッグタイトル級のオープンワールドを想像していたユーザーからは酷評されているものの、概要にも書いた通りそちら方面に期待していたユーザーは少なく、十分面白いという声が多い。マップ自体の作りも、決して雑だという印象は無い。
--ただしミニマップに関してはロードマーカーが無いので、イベントマークの通り行くと行き止まりということがしばしば起こる。
--だが、オープンワールドがオフラインのみというのは寂しい感があるが、逆にこれでオンラインの任務…となると今度は収拾がつかなくなるのは容易に想像がつくので難しい所か。
***難易度
-前作までと比べ、下級の鬼(特に大型鬼)が非常に脆く、弱くなっており、難易度は下がっている。また、物語本編に登場する鬼はすべて下級で、ソロでの戦闘を強要される事も無い。この為、元々シリーズを通して同行NPCのAIが優秀な事もあって、「ゴリ押しゲー」「ボタン連打」の傾向がやや強くなってしまった。
-本作で追加された大型鬼は、前作から登場している大型鬼と比べ、倒しやすく設定されているものが多い。
--中でも「オヌホウコ」は、最序盤のボスとして登場する事もあってか非常に弱い。大型鬼最低クラスのパラメータに加え、攻撃パターンも見切りやすく、タマハミ状態になっても大して強化されない…と弱点だらけで、たとえアクションゲーム未経験でもそう簡単に負ける事は無いだろう。上級であってもその強さは知れたもので、そこまで辿り着けたプレイヤーならば苦戦する方が難しい。
---結果として付いた渾名が「''サンドバッグ''((実際に指南(チュートリアル)の標的として登場する事があり、公式も意識していた節がある。))」「''攻撃力チェッカー''((アップデートで武器やタマフリの性能が調整された際、よく検証のために倒されたことから。))」。~
恐ろしい容姿やテーマ曲に反し初心者にも優しい鬼、という位置付けから、プレイヤーからは親しみを込めて「オヌホウコさん」と呼ばれている。&s(){癒し枠である。}
-しかし難易度の低さはあくまで「物語本編」に限っての話であり、本編クリア後の上級任務からは難易度がグッと上がる。特に集団任務では、装備やミタマスキルをしっかり考えなければすぐやられてしまう事もあり、歯応えはある。そういう意味では本作の間口は広い。
-実際、『討鬼伝 極』では発売初期のとち狂っているとしか言いようのない難易度調整で猛反発を受けた事もあり、調整の方向性自体はちゃんと反省を活かしているものだと言えるだろう。
--ただし、カガチメ・ダイテンマ・バンケイトの実質3体同時討伐をさせられる進行度十二の任務「暗黒星雲」を始め、悪質な任務もあるのだが…。
---また、進行度十一のキー任務になっている「伏魔殿」はアヤナシ・メズコンゴウ・シンラゴウの3体討伐任務で、こちらは3体同時ではないものの、このうちの2体を討伐するまでは常に2体同時になってしまう。更に、大して広くもないフィールドに巨躯の鬼が何体も出て来るとあって、非常に混沌とした戦闘になってしまう。
***グウェンと盾剣
-オオマガドキは世界規模で起きた災厄であるらしく、西洋にも影響があった。新規キャラであるグウェンはそんなイギリスから来たモノノフなのだが、装備武器である盾剣や西洋由来のミタマ(西洋の英霊は彼女のミタマ以外にも存在する)、彼女と因縁のある鬼(見た目が完全にドラゴン)など、和風アクションを基調とした世界からは若干浮いている。しかしキャラクター自体が嫌われているわけではなく、あくまで目立っているという範囲の話である事に注意したい。
***前作「討鬼伝 極」と比較して
-装備の鍛錬に素材(前作では不要)、カラクリ人形の強化に素材、久音の店で素材、''素材を合成する為に素材''…と、今作の拠点となるマホロバの里で施設を利用する時は、ほぼ必ず何かの素材が必要となる。~
禊場での発動スキルが任務達成時の素材ボーナスに変わったのもこれに起因すると思われるが、利便性が上がった部分がある一方で余計な手間も増えており、里の施設に関して言えば全体的に前作から劣化してしまった印象を受ける。
-''共闘版''
--10月のアップデートに伴い、「共闘版」というオンラインモードのみプレイ可能・スタミナによる一日のプレイ回数制限ありな、課金スタイルの''基本無料版''が配信開始。
--ストーリー部分は一章途中までしかプレイ出来ないという販促程度の差別化は勿論あるので、一概にこの製作決定を悪とは言えない。が、やはり本編製品版購入者にとってはモヤっとする点もある。
--一応配信開始からオンラインに立つ部屋の数が一気に増えたので、一定の効果はあったと思われる。
---しかし、無料故に仕方ないことだが課金要素が割と強烈になっている。
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**不満点・問題点
シリーズの方向転換を図る意味でも大きく変更点を加えた本作だが、実装された仕様が十分機能しているわけではない。
***調整不足に関して
-任務
--受付不在などで任務を受けられない状況が、第一章終了時からエンディング直前まで何度も発生する。ひどい時には、受付担当のキャラクターが窓口の隣で仕事をサボっている事も。
--集団任務はストーリーと無関係にいつでも受けられるため、少なくとも素材集めに困る事はそうそう無いが、不便なことには変わりない。
-鍛冶屋
--前作のような鍛錬ありきの仕様が解消された反動か、本作の鍛錬は面倒な点が目立つ。
---前述の通り、今作では馴染み度が廃止された代わりに鍛錬用の素材が必要になる。作成・打ち直しと同様、必要な素材やその個数は明示されるが、要求される数が多い。~
最初のうちは1~2個とまだ妥当な範囲だが、+8辺りになると一度に5個や7個…任務1回の報酬を上回る量を要求され、あっという間に素材が枯渇する。しかも3~4種類の素材を一度に請求されるため、結局途方もない手間がかかってしまう。
---また、本作の鍛錬は「攻撃力強化」「加護力強化」などのように、特定のパラメータを選択して強化する方式に変更されている。~
が、どんなパラメータをどう強化すればよいかの指標が作中には一切無く、無意味にハードルを上げてしまっている。しかもやり直しが効かないうえ、どのように強化したのか後から確認する事もできない。~
唯一の救いは、"鍛錬によってパラメータが弱体化する事は無い"という点だけである。
--条件を満たすと二人目の鍛冶屋・清麿が登場するのだが、各地の拠点にランダムで配置される為、''とにかく会えない。''。&s(){用がない時に限って出てきやがっt}
---見つけられないと装備を限界まで鍛錬できないので、トロフィーコンプリートやマルチプレイのためには探さざるを得ず、当然ユーザーの反発は大きかった。
---里の鍛冶屋で待っていることもあるが、拠点と違ってファストトラベルポイントの近くではないため、かえって見逃しやすいという本末転倒な事に。
---アップデートにより出会える頻度は上がったものの、あちこち探し回る面倒さに変わりはない。そもそも、完全な上位・下位互換の施設が複数存在している時点で問題外である。
-友好度
--メインキャラクターには友好度が設定されているのだが、その管理方法に問題がある。
--同行者として選択できるキャラクターは、連れ回して鬼を倒すだけで、あっという間に友好度が上がりきってしまう。
---友好度の高さは散策中の台詞に影響しており、何も考えずに友好度を上げると、ネタバレ発言が飛び出してしまう事がある。また、禊イベントでも友好度によって台詞が変化するのだが、上昇ペースの速さが災いし、うまく友好度を管理しないとすべての台詞を見られない。物語の進行に応じて選択される台詞に制限をかける等、やり方はあったはずなのだが。
--一方、同行者にできないキャラクターは「戦闘から帰還した直後に話しかける」という面倒な方法でしか友好度を上げられない。しかもこの方法、友好度を上げる手段としては最も効率の悪いものであり、友好度を一段階上げるだけでも同じ手順を何十回と繰り返す必要がある。~
施設の店員であり、本編でなくとも会話できる久音はまだしも、単なるメッセンジャーでしかなく、帰還地点から離れた所にいるかぐやや九葉の友好度上げには誰もが苦しんだ事だろう。
-カラクリ人形
--性能強化に手間がかかりすぎる。
--専用素材の入手が難しい事((手間のかかる集団任務の報酬か、領域で拾うかしかない。キー素材となる「○号カラクリ回路」はよろず屋で購入できるものの、ストーリー終盤にならないと全種類揃わない。))に加え、強化しても派遣の成功率がなかなか上がらない事、成功したところで大したものは手に入らないと、完全な死に要素だった。また、総合本部((『モンスターハンター』における集会所のようなもの。集団任務はオン・オフ問わず総合本部に移行して行う。))からカラクリ人形の派遣・報酬の受け取りができない事も併せ、全く注目される事は無かった。
---現在はアップデートで大幅に改善され、必要な素材がすべて里のよろず屋で販売されるようになった。また、上級フィールドの実装に伴い、手間に見合った派遣報酬を得られるようにもなった。
-合成釜
--調整不足が特に際立っており、システム自体が機能不全に陥っている。トロフィー獲得のためにしか使った事が無いプレイヤーも多いだろう。
--問題となっているのが素材の変換レートの渋さ。鍛錬素材1個に対し、最低でも3~4個、多い時では20個もの素材が必要となる。しかも、合成に使えるのは指定された一部の素材だけで、完成する鍛錬素材よりはるかにレアな素材を要求される事が多い。そのため''合成釜で使う素材を集めていたら、目的の鍛錬素材が大量に手に入った''などという本末転倒な事態が頻発する。
--前述したカラクリ石は入手に手間がかかり、1回の鍛錬に必要な素材を揃える事さえままならない。
-ミタマ
-多様過ぎるスキルに対して実際の選択肢が少な過ぎる。
--前作と比べタマフリやアビリティなどが大幅に増加しているが、セット可能なスキルは1ミタマにつき3つと変わっていない。固有スキルに専用のセット枠が用意されなくなった点を加味すると、組み合わせの自由度は減っているとすら言える。
--強化スキルだけであっても持続時間延長・待ち時間減少・効果量増加などなどあまりに多いため必然的に目標を立てて吟味するしかない状態なのだが、「とあるスキルを持ったミタマが一人か二人しか居ない」という極端な割り振りがかなり多く、結果として「この戦法を選ぶとこのミタマを選ぶしかない」という状況が頻発する。
--ミタマの数が少ない内はその限りではないが、高い実用性を求めれば最終的には選べる選択肢と言えば「どの武器を使ってどんな戦法で戦うか」程度であり、それだけでほぼ組み合わせは固定されてしまう。
-新たに導入されたニギタマフリ、アラタマフリはスタイルによって実用性に差があり、特にアラタマフリではあからさまな格差がみられる。
--特に優秀とされるアラタマフリが、攻スタイルの「破軍星光(はぐんせいこう)」。~
「体力ゲージの赤い部分(以下"赤ゲージ")が回復しなくなる((本作では、ダメージを受けた際にその一部が赤ゲージとして残り、時間経過によって体力ゲージに還元される。格闘ゲームなどの「ヴァイタルソース」と同じシステムである。))代わりに、攻撃で与えるダメージが大幅に強化される」というもので、効果自体の強力さ・扱いやすさに加え、デメリットも軽微((この赤ゲージの自動回復は、活用するためには鬼の攻撃をうまく回避し続ける必要があるが、回避がうまければそもそも攻撃を喰らわない…というジレンマを抱えており、あまり重要視されない事が多い。タマフリの副作用で大量の赤ゲージダメージを被る献スタイル使用時など、自動回復の存在が死活問題になるケースもあるが、そんな状況であえて破軍雷光を使う理由もまた存在しない。))と非常に優遇されている。
--迅スタイルの「残影(ざんえい)」や、繰スタイルの「五霊明神(ごれいみょうじん)」も人気。~
残影は「各アクションの気力消費量が増加する代わりに、攻撃時に分身が追随し、ヒット回数が実質2倍になる」という効果で、純粋な火力では破軍星光に譲るものの、武器ゲージ・共闘ゲージの回収率を大きく上げられる。五霊明神は「属性攻撃で受けるダメージが増える代わりに、鬼から体力・気力を吸収する繰鬼((いわゆる自立支援兵器。『ガンダム』シリーズの「ファンネル」を妖術で作り出している、とでも言えばよいか。))を使役できる」という効果。攻守一体で使い勝手の良いアラタマフリだが、クールタイムも比例して長い。発売当初はダメージ効率が非常に高かったため、五霊明神を使用するプレイヤーが溢れかえっていた。
--逆に弱いとされるアラタマフリは癒スタイルの「生刀生弓(いくたちいくゆみ)」と、賭スタイルの「天運天啓(てんうんてんけい)」。
--生刀生弓は「攻撃の威力に応じて、体力と引き換えに追加ダメージを与える」というものだが、体力の減少量に対して追加ダメージがあまりにも少ない。強化スキルはあるもののどれも的を得ない効果で、そちらも生刀生弓の評価を落とす一因となっている。
--天運天啓は「他のスタイルのアラタマフリがランダムで発動する」という、いかにも賭スタイルらしいネタ技。生刀生弓と違って話題にすらならないあたり、プレイヤー側も弁えているのだろう。強力なアラタマフリも発動する分、生刀生弓よりはマシと言えなくもないが…。
-また、ミタマの最大スロット自体は前作と変わっていないものの、前作と違ってスキル以外は影響を及ぼさなかったサブスロットが鬼ノ手にセットするアラタマフリ・防具にセットするニギタマフリとして設定されたことの弊害として、そのミタマが持つスキルは優秀(もしくは組もうとしているビルドと合致している)だが、戦闘スタイルのせいで組み込みを断念するか、アラタマフリもしくはニギタマフリを封印もしくは妥協せざるを得ないという事態も起こりうる。
-前作から続投のミタマはイラスト・ボイスが一新されているが、一部のミタマに対しては「イラストとボイスのイメージが合っていない」という声がある。~
特に「桃太郎」と「宮本武蔵」はイメージの剥離が甚だしく、物議を醸した。
-領域
--本編には昼夜の概念があるのだが、異界は常に昼扱いで変化しない。一部の依頼には夜にしか進行しないものもあるが、やはり里周辺のみ。
---「夜になると鬼が強くなる」という要素も存在するのだが、目立った変化を示すのはガキ系の小型鬼だけで、前述の仕様もあり有名無実と化している。
--オープンワールド部分は発売当初、下級レベルのフィールドしか用意されていなかった為、鬼由来の上級素材を集める際は任務を受注するしかなかった。任務報酬で素材が用意されている中型・大型鬼はともかく、小型鬼は散発的に表れるものを地道に倒すしかなく、やりこみの大きな妨げとなっていた。
---この点はアップデートで改善され、エンディング後にファストトラベルポイントでフィールドレベルを上級に切り替えられるようになった。
--ストーリーが進むにつれて、大型鬼の配置箇所が増えていくのだが、なぜか''共同作戦の発生ポイントの近くにばかり配置される。''大型鬼の設置場所が増えるストーリー後半以降は、共同作戦の討伐対象と合わせて2体・3体同時討伐を強いられることも珍しくない。
---フィールドを上級に切り替えていれば勿論出てくるのは上級の大型鬼になるが、それに合わせて配置を変更するなどといった配慮は当然ないため、とても任務にできないような無茶苦茶な組み合わせの鬼と闘わされることも。
---ただし遭遇鬼・共同作戦共にいざとなったらさっさと鬼域を突破して逃げてしまえばいいだけなので、任務では味わえない猛烈な難易度の戦闘をプレイヤーの意志で楽しめるとも言える。
-鬼葬
//厄介になる奴が居るのは確かな問題点だが、厄介者に比べて弱体化している鬼の方が遥かに多いから、「まるで」って評価は流石に有り得ないので修正
--目玉の一つとしてアピールされていた「完全破壊」だが、一部の鬼は破壊しても意味が無い、または破壊してしまった方が厄介になるケースが存在する。
--普段は使わない強力な攻撃を隠し持っていたり、鬼によっては「完全破壊可能だが、しても全く効果が無い」というダミーターゲットが設定されている場合もある。
--クエヤマ系・イテナミ系・センザンオウのように''完全破壊によって明らかに強くなる''鬼すらいる。それでもたかが知れているクエヤマ系はともかく、後者2種はかなり悪質で、武器によっては一気に窮地に陥ってしまう。
---これらの点は一般的な感覚や印象((異形の鬼と言えども、人や獣のような姿をしている以上、手足などの部位を失えば悪あがきは出来てもまともに戦えない…と考えるのが普通だろう。))を利用した"罠"と化してしまっている。
---この件について、開発サイドは「[[完全破壊後に鬼が一方的に攻撃を受けるだけになるのは避けたかった>https://www.jp.playstation.com/blog/detail/3396/20160728-toukiden2.html]]」と発言しており、ユーザーの認識との齟齬が浮き彫りとなってしまった。
--また、この完全破壊というシステムは、銃をメインで使うプレイヤーにとって思わぬ逆風となった。~
銃を使っている場合は、大きなダメージを与えられる「霊脈」が鬼の体に出現するのだが、"鬼によっては部位破壊で霊脈の数が減ってしまう"という問題を抱えている。~
完全破壊が追加され消滅する部位が増えた事で、霊脈減少のリスクも大きくなってしまったのである。
--鬼葬はNPCも使用するのだが、無暗に完全破壊をしたり、かと思えばいきなり部位破壊できない場所を狙ったりと、扱いは決して上手ではない。~
前者はNPCを「援」指示にすれば回避可能((「援」指示にすると、NPCが完全破壊可能部位を掴んでも鬼葬が発動しない。))だが、共闘ゲージは武器ゲージと異なり、自分のものしか確認できないため、適切なタイミングで指示を切り替える事は不可能。((「援」指示にしたNPCは鬼祓いを最優先するため、ずっと「援」指示のままだと部位破壊の度にNPCが全員鬼祓いしに行ってしまうため、それはそれで面倒な事になる。))
--「鬼絡が成功した瞬間に発動する」という性質上、普通に鬼ノ手を使おうとして暴発するパターンに陥りやすい。鬼返のタイミングがわずかにずれて暴発、という深刻なケースも十分に発生しうる。~
「R2ボタンを押しながら□ボタン」というコマンドで共闘ゲージに関係なく鬼絡を使えるが、鬼葬にそちらのコマンドを割り当てていれば、デメリットをほぼ解消出来ていたはずである。
-NPC
--里のモノノフはともかくとしても、人別札のモノノフを同行させるときちんと行動しないことがある。
---癒スタイルの人別札モノノフを連れて行けば体力が減っても回復をしてくれない、そもそも治癒で自身の回復すらしなくなる…等のように明らかに異常な挙動((里のモノノフの中での癒スタイルの「真鶴(まなづる)」がタマフリ「女神ノ社(めがみのやしろ)」の効果範囲を拡大するスキル「女神ノ社強化・広域」を修得していないせいか、特にこのスキルを持たせた癒スタイルの人別札のモノノフは高確率でこの挙動を見せる。))を見せることも少なくなく、そのため、「札ノフ(人別札のモノノフ)」を使う事が敬遠されることがある。
-遺跡
--前作「極」で言うところの無限討伐・特殊任務にあたる「遺跡」がアップデートで追加された。~
遺跡は登場する中型・大型鬼を討伐する毎に次の階層に移動するという流れを遺跡探索なら地下10階到達まで、無限探索なら帰還するまで繰り返すのだが、移動がその階層の鬼の亡骸を祓ってから3秒で勝手に移動してしまうため、自分勝手なプレイヤーがマルチプレイに混ざってしまうと、地祇石でタマフリを回復させたい…と思っていたプレイヤーが回復し損ねる事態が発生してしまう。
---一応、フリーチャットが使えるようになり、定型文も弄れるので前もってその旨を知らせる定型文を仕込んでおけば討伐後に地祇石を使いたい旨は通達出来るが、それでも結局、終わるのを待って貰えなければどうしようもない。~
戦闘中でも使えるのでそうしろと言うことなのだが、戦闘後に補給を行うというのはこういったゲームで珍しい事ではない自然な考えのため、次の階層に行くまでの移動時間をせめて『討鬼伝 極』の無限討伐・特殊調査任務の時のように地祇石を使うに充分なくらいは取るべきでは無かっただろうか。
--遺跡探索限定で「ヤトノヌシ」と「オカミヌシ」の2体が復活しているが、遺跡探索では大型鬼の部位や亡骸を祓ったり全部位破壊報酬で貰えるアイテムがかなりの確率で換金素材や汎用素材に化ける。
---これ以外の鬼は登場する任務をこなせば、その報酬でほとんどの部位の素材をひとつずつくらい獲得出来るので、それ由来の装備が作りやすい((前作と異なり、上級任務を受注しているのに下級素材が出ることはなくなり、通常の任務であれば汎用素材に化けることはあってもその確率もそこまで高いわけでは無いので、上級アヤナシなど単体討伐任務が無い一部の鬼を除いて任務のマラソンで装備一式を揃えるのも容易である。))が、この2体はそれが無いため、この2体由来の装備が非常に作りにくくなってしまっている。~
前作のコガネムジナ同様にまず安定して出現させる術が無く、出現した所で素材が高確率で化けるので素材が集まらず、更に遺跡探索の報酬では大型鬼の部位素材は手に入らないので、いくら遺跡探索を繰り返そうが入手できないときはとことん入手出来ない。
---この2体に関しては未だ救済措置が無いという状況である。
--無限探索では5階層ごとに帰還するか否かを選べるのだが、こちらは逆に猶予時間が30秒と長すぎると指摘される。
---これ自体は『討鬼伝 極』の無限討伐でも同様の仕様だったため、好みの問題の部分はあるが、平時の移動が前述の通り3秒と短すぎるため、余計に印象が悪くなっている物と思われる。また、無限討伐の時は広いマップで行われていたため、位置によってはそれでも帰還エリアに到達するのがギリギリになることもあったが、遺跡の場合はそんな広くないマップであることも大きい。
---更に、無限探索では帰還すると問答無用でサーバーから切断されてしまうため、無限探索を特定の階層まで行って戻るのを特定メンバーで(例えばフレンドなど)繰り返すといったプレイが困難になっている。
-天狐
--任務同行が出来るのは前作と同じだが、体力という概念がなかった前作と違い、今作の天狐には体力があり、大型の鬼の攻撃一発当たっただけで撤退してしまう。アップデートで倒れにくくなったが、それでも数発で撤退するのであまり意味がない。
-戦闘面
--本作から登場した大型鬼のウシヲキナとその変異種のアケハワニはタマハミ後に非常に細長い体つきになるのだが、そのせいでロックオンを使用するとあらぬ位置にロックオンがされてしまうため、非常に動きを追いかけにくくなっている。
---実際は鬼ノ手や弓などの照準を合わせる際にロックオン操作をすればその照準の位置にロックオンが出来るが、それをやっても全体像が長すぎてかなりカメラが振られるため、ロックオンを使って戦うのが基本になっているプレイヤーからは不満意見が挙がっている。
--また、上で過剰エフェクトが改善された点を評価点に上げたが、それ自体は確かに評価されるべきなのだが、「虚空ノ顎(こくうのあぎと)」のシンボルがとても小さいものとなったことで確かに処理落ちなどの問題は解消されたのだが、なんと''当たり判定までシンボルの小ささに合わせて弱体化させられてしまい''、「''部位破壊などでダウンを奪った鬼相手の追撃に使ってもヒットしない''」と言う調整を受けたことで、前作とは違った意味で産廃と化してしまった。
---しかし、ユーザー側が攻撃判定は弱まっていても虚空ノ顎に付与される鬼の吸引効果が弱まっていないことを利用したミタマの熟練度稼ぎのテクニックが生み出された時期もあったが、現在はアップデートで諸々のバグ諸共攻撃判定の強化という形で消滅している。
***ストーリーに関して
-簡素な造りで、単純にボリュームが不足している。なんとなく画面の指示を追っているだけで、あっという間にエンディングを迎えてしまう。
-ストーリーの中身についても「地味で無難」という表現がぴったりで、短さも手伝って印象に残りにくい。
--しかも、「何かしらの問題が起こり、主人公達や里の住民が悩む→博士の案で解決」というワンパターンな展開が非常に多い。~
博士の居る居ないに関わらずストーリー上でも活躍する「鬼ノ手」も、作中では博士が作り出したカラクリという扱いである。
--無論、主人公たちがいたからこそ成せたこともあるのだが、結局は博士や鬼ノ手の後押し・駄目押しに終始しているのは否めない。
---何より、半ばオムニバス形式で各キャラの話になるストーリーで毎回展開が被るのはあまり良い事とは言えないだろう。
***バグ関連
-発売当初は、仕様とバグの区別が付かないとまで言われてしまう程不具合が多かった。
--進行不能バグ、ミタマに関わるバランス崩壊バグ、解放した筈のファストトラベル先が表示されない、ストーリーのADVパートでキャラクターのグラフィックが消失したままシナリオが進む、などなど。
---特にアクション面に関するバグは、通称破天バグを代表とするとんでもないものもあった。
--引き継ぎ体験版と製品版のバージョン1.01まではで特定の指南を受けてしまうと一部のNPCキャラクターがプレイヤーが侵入出来ない場所に移動してしまうことでストーリーが進行出来なくなるバグがあり、これを修正するバージョン1.02を適用すると今度は「''すべての任務を達成すると獲得出来るはずのトロフィー「金眼四ツ目の守り人」が取得出来ない''」バグに見舞われる。
---この件を除いてもアップデートを適用する度に何かしら別のバグを産み出しているような状態が続いた。
-大型アップデートの際には、遺跡探索限定で復活を遂げたヤトノヌシやオカミヌシに鬼葬でトドメを刺すか、鬼葬を当てた後のダウン中にトドメを刺してしまうと、なぜか亡骸が鬼祓い出来なくなることで進行不能になるバグも実装されてしまった。
--当然のようにこの2体が出現しうる領域の遺跡探索を目的としたマルチプレイの部屋には「''(ヤトノヌシとオカミヌシの)ヌシ系に鬼葬厳禁''」の旨が伝達に書かれるようになってしまった。
-''進行不能バグを含む多くのバグはアップデートで修正済み。''
***演出
-会話シーンの不備
--本作では「主人公の名前の部分だけ、初めからテキストが無かったかのようにボイスが再生される」という、手抜きじみた事になっている。にもかかわらず会話シーンでは主人公の名前が頻出するため、イベントのあちこちで不自然なシーンが頻発する。
--「お前」「おい」などのボイスを充てる、会話で主人公の名前を極力出さないなど、いくらでも工夫はできたはずだが。
---本作はこれまで以上に主人公の名前を呼ばれるケースが多いので、余計に気になってきてしまう。
***DLC
-過去作までは非常に好評だったDLC「追加任務集」だが、本作では盛り上がりに欠ける結果となった。
--前作までは「戦闘開始時からタマハミ状態」「速攻任務((制限時間が大幅に短縮された任務。))」「本編になかった組み合わせの鬼で高難度の乱戦・或いは連続討伐」など、工夫が見て取れた事でコアなファンから高く評価された。((ちなみに既存鬼のモーション変化の亜種二体、完全新規鬼一体の追加は無料アップデートでなされている。))無料キャンペーンを行った事で多くのプレイヤーの目に触れたことも、高評価の理由の一つと言えるだろう。
-本作の追加任務集は、本作でリストラされていた大型鬼の再収録がメインとなった。ここで問題なのは、一つの任務集で追加鬼が一種類だけであり、属性と見た目が違うその変異種の鬼さえも別のDLCとして小分けに配信された((ちなみに、ここまでしておいてで原種だけ配信されて変異種が配信されていないというパターンがある。))事。そして一つの任務集の中身が、単体だけの「下級任務」・「上級任務」「本作既存鬼との乱戦」の3種をワンセットとして、第伍集まで捻りの無い任務を毎回ワンパターンに配信した事であった。前作までと比べ強気な価格設定や、それでいて最後まで無料キャンペーンが開催されなかった点も併せて評価が低迷。
--また、本編にて武器作製ツリーで「???」の表示になっていてユーザーに期待を持たせた武器も、DLCで解放される前作武器だった事が判明。
---第八集から、ようやく凶暴化した条件での鬼の討伐任務・及び新防具が配信されたが、手遅れ感が否めない。
-広いマップに複数人で行ける「巡回ノ任、再び」も配布されたが、一部領域だけ抜けていたりもしている。
--更に問題なのは、これまで同様にマルチプレイでDLC任務をプレイする場合は''総合本部に入室しているプレイヤー全員がそのDLCを購入・適用している必要がある''点である。
---「討鬼伝 極」までは無料配信期間があったことで、オンラインマルチプレイでもDLC任務をプレイしやすい環境で、ほかのプレイヤーの手を借りやすかったが、本作では上記諸々の事情で導入したプレイヤーの数が少なかったのだろうか、DLC任務がマルチでプレイしにくい状態であった。
-制作費の回収の為、無料期間の有無に関しては理解出来るが、せめて内容についてはもう少し購入するプレイヤーのことを考えて作れなかったのだろうか。
--追加される装備はゲーム内の入手時期・作成難易度を考えれば比較的強めに作られており、それでいてゲームバランスを崩壊させるような強すぎるものは存在しない。~
DLCとしては本来評価されるべき点なのだが、本作の場合は「買わなくてもいい」という風潮をより強くしてしまった。導入率の低さにより、限られたユーザーの否定的な意見だけが取りざたされてしまっている現状も、マイナスイメージを際立てる一因となっている。
---加えて、前述したDLC任務の仕様により、実質オフラインでプレイする前提で購入しなければならないのもキツいものがある。
***その他
-エンディング曲
--過去作のような和風オーケストラから一転、中川翔子氏の歌う和風ロック「十六夜の先に舞え」が採用されているが、評価は低い。
---というのも、中川氏は本作でメインキャラクターの声優として参加しており、楽曲に対する非難(および中傷)は全てその点に起因すると言っても過言ではない。ただでさえ槍玉に挙げられやすいタレント声優(しかもネット上で誹謗・中傷に晒されている人物)を起用したことに加え、同じ人物にテーマ曲まで担当させたともなれば、バッシングも十分に予測できる話である。
-完全版の発売を見越して作っているのが疑われる要素
--分霊イベントが無く、過去もあまり掘り下げられないキャラが居る。
---後半から仲間になる数名は仕方が無いが、序盤から登場する2名の過去は多くは語られず、分霊イベントも無いので、「『極((あくまで『討鬼伝』に対する完全版として『討鬼伝 極』が発売された事を受けての呼び名。『討鬼伝2 極』が出ると決まったわけでも、仮に完全版が出るにしてもこのタイトルで出ると決まっているわけでもない。))』を出す前提」と見られる事がある。
--作中の手引きで''素材や武器、防具にはランク1~9まで設定されている''という旨が表示されるが、本作では一部のDLC報酬や里のモノノフが友好度が最大になった時にくれる特別な素材などに例外はあるが、''基本的にランク7以降の素材や装備品が存在していない''。
---これは前作の『討鬼伝 極』のランク設定ルールに則ると説明が付くもので、当時は下級で取れる素材やそれ相応の装備品はランクが1~3、上級は4~6、そして極級が7~9となっておいた。そして本作においては下級の素材や装備品は1~3の間に、そして上級のものは4~6に収まっており、極級に相当するランク7以降の素材や装備品が存在していないのである。((当然だが、『討鬼伝』の時はちゃんとランク9までの設定がされていた。それに伴い、『討鬼伝 極』では既存装備のランクが設定し直されている。))
--それ以外の所だと分かりやすいところでトロフィー(=作中での勲章)の説明文((ただし、本作では作中で勲章の説明文を見ることが出来ない。あくまで勲章名とトロフィー名が同じという意味でのイコール表記である。))もある。
---例えば『討鬼伝 極』の勲章説明文は、討鬼伝の要素で満たす必要があるものに対して「『討鬼伝』における、~」という文言が付け加えられている((『討鬼伝』において一系統の武器をすべて入手する事で獲得出来る、「一意専心」の討鬼伝でのトロフィー・勲章説明文は「いずれかの種類の武器をすべて獲得した」だが、『討鬼伝 極』の勲章説明文は「『討鬼伝』における、いずれかの種類の武器をすべて獲得した」となっている。))。しかし、本作はそういう意味では表記する必要の無い「『討鬼伝2』における、~」の形の説明文がかなり目立つ。
---狩りゲーの本家たる作品からして「''G級商法''」とも称される完全版商法はお約束の所はあるが、最初からそれを見越して制作するというのは褒められた事ではないのは当然で、流石にユーザーに反感を持たれても仕方が無いだろう。
-なお、実際の制作状況がわからない以上あくまでこれらは「ユーザーが勝手にそう思っただけ」の被害妄想の域を出ない点は留意されたい。
//表記の違和感やランク上限の違いが「手抜き」の意味がわからないので削ります
----
**総評
これまでの狩りゲーというジャンルにオープンワールドのシステムを導入し、過去作の持ち味を十二分に活かしつつ、続編として上手く進化させた印象を抱かせる。新要素を取り入れた事で評価された部分も多いが、荒削りな部分は多い。~
しかし、「前作までは、先行の狩りゲーに追いつく為のゲーム」「新しいものを作るには、モーションや敵を追加しただけじゃ駄目」「他ゲームの先を行く為にも、IPを殺す覚悟で新しい事に挑戦しなければならなかった」と[[開発が語った>http://www.4gamer.net/games/317/G031752/20160805134/]]通り、決して手抜きから生まれた粗さという印象は無く、シリーズ経験者も新規プレイヤーも概ね満足出来る仕上がりとなっている。
惜しむらくはDLCによる盛り上がりが過去作と比べて極端に低く、その他調整不足な点が目立つことだろうか。
実際の作品を見る限り、完全版ありきと取られる仕様が多すぎたことや、いくらアップデートで改善したとは言えてんこ盛りだったバグなど、作りが雑すぎた部分はあるが、アクション面での快適さは他の同ジャンルのゲームとは段違いに高く、組み合わせや収集の楽しみも増えた事も事実。~
狩りゲー特有の単調さに抵抗が無いのであれば、是非一度プレイしてみてはどうだろうか。
*討鬼伝2
【とうきでん つー】
|ジャンル|ハンティングアクション|#amazon(B01D9FFPTI)|#amazon(B01D9FFMO6)|#amazon(B01D9FFMJG)|
|対応機種|プレイステーション4&br;プレイステーション3&br;プレイステーション・ヴィータ|~|~|~|
|発売元|コーエーテクモゲームス|~|~|~|
|開発元|コーエーテクモゲームス(オメガフォース)|~|~|~|
|発売日|2016年7月28日|~|~|~|
|定価|【PS4/PS3】7,800円&br;【PSV】6,800円|~|~|~|
|レーティング|CERO:C(15歳以上対象)|~|~|~|
|判定|なし|~|~|~|
|ポイント|大幅に改善されたプレイアビリティ&br;前作までの長所を残しつつ正統進化&br;明らかに見切り発車のバグ地獄|~|~|~|
|>|>|>|>|CENTER:''討鬼伝シリーズ'' : [[討鬼伝]] - [[討鬼伝 極]] - ''討鬼伝2''|
----
#contents(fromhere)
----
**概要
PSVitaで展開を続けていた和風ハンティングアクション『[[討鬼伝]]』の新作で、初めて据え置き機を主軸として作られた作品。~
既存の狩りゲーには無かったオープンワールド化を大きく宣伝していたが、その制作発表時期が、PS4の性能に物を言わせてオープンワールドに手を出すメーカーが増え始めた時期だった事もあり、出来に関しては不安視する声もあった。しかし総合的に見れば、ゲームシステムを上手く組み合わせた続編に仕上がっていた。
本項ではPS4版を中心としてまとめていく。
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**ストーリー
時は明治――
世界を滅ぼしたオオマガドキの災厄。
連綿と続いてきた「表の歴史」が滅び、
魑魅魍魎が闊歩する「裏の歴史」が世界を飲み込み始める。
遥か北の地に大量の“鬼”が出現し、人里を蹂躙しながら南下を始めた。
それを迎え撃つために横浜に展開した“鬼”を討つ戦士モノノフたちは、
“鬼”と激闘を繰り広げながら横浜の市街を防衛していく。
その最中、巨大な“鬼”が上空に現れ、
一人のモノノフが“鬼”が開いた鬼門に飲み込まれる。
そして十年後――
西の果てにある「マホロバの里」に、
一人の記憶喪失のモノノフが流れ着く。(公式サイトより)
----
基本的なシステムは、『[[討鬼伝]]』を参照。
**追加点・変更点
***オープンワールド化
- 『モンスターハンター』シリーズで火が付いたハンティングアクションというジャンルでは同作に倣い、拠点で準備→ギルド等の本部で任務を受注→指定されたフィールドへ向かう→エリアを移動しながら目標達成、という流れが当然のものとして存在した。本シリーズの無印編や極編でもこの流れは変わらなかったが、オープンワールドが導入された事で、それまでのこの一連の流れは''サブミッションの様な存在に変化した。''この任務請負による討伐は、初めから鬼域で限定された場所のみでの討伐任務が殆どの為、素材集め・ハク稼ぎなどはこちらを利用する事がメインとなる。((この仕組み自体は前作までと変わらない。))
-メインストーリーを追う場合、シナリオが進む毎に順次目標が設定され、それに従い拠点から領域へ移動、目標を達成する。マホロバの里周辺から各領域へと一切のロード無しに移動出来る。
--しかしどちらかというと本作のそれはオープンワールドではなく、各マップをシームレス形式で移動できるように繋いだものである。各領域へは特定のルートを通らなければ侵入出来ず、ファストトラベルが解放されるまでは、決まったルートの内から侵入しなければならない。
-前作までと比べてフィールド面積が圧倒的に広くなり、鬼やオブジェクト、ギミックのあるポイントの配置も増えた。
--調べると小型鬼が大量に湧く瘴気の湧く場所、ハク((ゲーム内通貨のようなもの。))溜まり、しるべ、歴史を紐解く為の碑文、オンライン経由で武具・防具を交換できるつづらなど、その他後述の鬼ノ手で掴む事が出来る木々や崖も多数ある。
--フィールド上には中型鬼((今回から追加された鬼の種類で、弱い大型鬼とでも言うべき存在。))・大型鬼の沸きポイントが存在し、付近を通過すると鬼域(戦闘エリア)が区切られその中で戦う事となるのだが、ストーリー上の討伐目標、又は受注任務でなければ、数秒程度鬼域にぶつかり続けていれば脱出可能。ストーリー上のイベント鬼以外はこの方法でスルーしてしまう事も可能である。
---ちなみに、任務受注の失敗条件は「リスポーン3回」と従来通りである((撤退すると任務達成時の報酬ハクが減少するペナルティは廃止。))が、オープンワールド行動時は一度力尽きた場合、前回セーブしたポイントからになるので少々シビア。((オートセーブ・手動セーブ両方ある。里以外でのセーブも勿論可能。ただし、里の外では周囲に敵がいたり、戦闘状態ではセーブは行えない。))
-各領域は瘴気に汚染されている為に行動限界があるが、特定ポイントを解放する事で瘴気の影響を受けない結界・及び里へ戻る事が出来る一方通行のファストトラベルポイントが使用可能。また前作まで地祇石の内、「体力全回復」の石が「瘴気完全浄化(活動限界時間を最大にまで戻す)」効果に変更された。また、ストーリー進行によって各領域に一つだけ「拠点」が解放され、他のファストトラベルポイントと相互に行き来ができるようになる他、武具・防具とミタマの変更が可能となる。
--他にも、フィールドを散策している途中でNPCが討伐任務を進行している時がある。協力して任務を終わらせる事でNPCがその場から同行可能になる他、天狐((シリーズのマスコットキャラ。キツネみたいな見た目をしている。))が懐いて里に来るようになったり、鍛冶屋や大工の製造・修理が一回無料になったり、よろず屋の加入品目が増えたりする。
---戦闘中のNPCは、時にネット上の他プレイヤーデータが反映されたNPCの場合もある。この場合、そのNPCの人別札((『モンスターハンター』におけるギルドカードのものな物。))を受け取れる。
--フィールドが広くなった分、前作まで気力(いわゆるスタミナゲージ)を消費していたダッシュは「気力の自動回復が停止する」という仕様に変更された。また、新たな移動手段として「鬼疾風(おにはやて)」が追加。こちらは気力を消費するが、ダッシュよりさらに速く移動できる。
-また、拠点となるマホロバの里も広くなり、「人里」感がグッと増した。
--この仕様変更に伴い、恒例であった村人からの「依頼」受注の方法も変化。本部受付で受注するスタイルから、里やフィールドに居るNPCに話しかける事で受注・進行が開始されるようになる。
***鬼ノ手
-今作の目玉要素。構えから射出し、様々な物を掴む事で効果を得られる。
--鬼絡(おにがらみ)
---鬼ノ手で鬼や木や崖などの対象を掴み、その場所へ素早く移動出来る。空中で連続して仕様可能。飛びかかり中、空中に浮いた状態で攻撃ボタンを押した場合、特定モーションでターゲットした鬼を攻撃する。
---これにより全武器種において空中での攻撃が可能となった。これに伴い、一部武具のモーションが追加・変更されている。
--鬼喰(おにぐらい)
---五大属性の元素が集まる「地脈」に干渉し、自然の力を取り込む。取り込んだ力は前方に射出出来る他、装備武器に付与して一定時間属性武器としての効果を得られる。
--鬼潰(おにつぶし)
---道を閉ざす巨大なクモの巣や氷柱などを掴み、消滅させる事が可能。
--鬼返(おにがえし)
---突進など特定行動中に鬼が闘気を纏うが、その時に鬼ノ手で鬼を掴むと、地面に引き倒す事が出来る。
--鬼葬(おにはぶり)
---『極』の「鬼千切・極」に代わって実装された特殊攻撃。「共闘ゲージ」が満タンになると発動可能。
---鬼千切・極は複数部位を一気に破壊する事が可能だったが、他のメンバーの近くに居なければ発動出来ず、ゲージもパーティー内で共有だった。~
今作では、ゲージ管理がメンバー単位となり(NPCを同行させても同じ)使い勝手が大きく増した。破壊部位は一箇所だけにグレードダウンしたが、「完全破壊」を狙えるようになった。
---一定条件を満たした状態で鬼ノ手を構えると、足や尻尾など一部分が白く光る。その部位を鬼ノ手で掴むと鬼葬が発動、部位を切り離すのではなく''完全に消滅させる。''~
通常は破壊した部位を鬼祓いしても、生命力は祓った部位の形を留めているが、完全破壊に成功するとそれも無くなる。
---PS4・PS3の場合は、R2ボタンを軽くタップするだけで近くの点滅部位を自動で狙って掴む。
---完全破壊が不可能な部位の場合は、特殊なモーションの鬼千切が発動。どんな武器を使っていても、あらゆる部位をピンポイントで破壊できる。
***武器・ミタマ((日本の歴史上・創作上の偉人が魂となったもの。それぞれ「攻」「防」など固有の戦闘スタイルが存在する。))
-追加された戦闘スタイルは「繰」、追加武器は「盾剣」と「仕込鞭」。仕込鞭は鎖鎌と似通っている部分もあるが、差別化はしっかり図られている。
-ミタマの数は無印編と同様の200種類。削除されたものや新規で追加されたもの、戦闘スタイルが変わっているものもあるが、イラストとボイスは一新されている。
--最大3つのミタマを組み合わせてスキルの編成を行うのは前作までと同様。ただし、3つ全てのミタマを武器に装備していた従来作とは異なり、本作では武器・防具・鬼ノ手にそれそれ1つずつ装備して組み合わせるようになった。
--武器ミタマ
---前作までとほほ同様で、ミタマのスタイルに応じた特性が備わり、特殊技「タマフリ」が使用可能になる。タマフリには回数制限とクールタイムが設けられており、頼り切った戦いはできないようになっている。なお、戦闘中に体力を回復するには、基本的にこのタマフリを使うしかない。
--防具ミタマ
---一定の条件を満たすと「ニギタマフリ」が発動するようになる。プレイヤーの意志に関係なく暴発するリスクもある一方で、タマフリのような回数制限は無く、クールタイムさえ終了すればいくらでも発動可能。
--鬼ノ手ミタマ
---大きな効果を持つ「アラタマフリ」が使用可能になる。任意のタイミングで発動できるのはタマフリと同様で、使用回数はニギタマフリと同じく無制限。ただし、すべてのアラタマフリには必ず何かしらのデメリットが存在し、発動時にも大きな隙を晒す。
***里の設備・その他
-鍛冶屋
--戦闘で「馴染み度(いわゆる熟練度)」を上げる事で鍛錬が可能になった前作から、素材を消費する方式に変更。素材さえあれば時間をかけなくても一気に性能を引き上げる事が出来るようになった。
--下級装備を作る際、足りない素材の代わりに使える「万能の石」が追加。下級装備でさえあれば何にでも使え、本来ひとつしか作成できないレア武器を量産する事も可能。ただし、万能の石自体が個数限定のレアアイテムなので、使いどころを見極めるセンスが求められる。
-大工
--カラクリ人形を整備・強化して、領域へ派遣できる。能力や装備した思考回路に応じて時間経過で素材を拾ってくる、前回までの天狐システムに近い。
-天狐
--おやつをあげてごきげん度を最大に上げると、オープンワールドのフィールドへ連れていく事が出来る。素材を回収したり、鬼祓いをしてくれたりする。その他、親密度を上げる事でミタマを分霊出来る。
-久音
--前作の樒(しきみ)に相当する祭祀堂の巫女で、小料理屋を営んでいる。「玉串」を使用することで一定時間ミタマのドロップ確立や取得経験値量を上げられる。また、前作の賽銭箱に近い役割も担っており、料理を注文することで一定時間能力を強化できる。
--何故かは不明だが、オープンワールドへの同行者選択も彼女に話しかけて行う。
-合成釜
--ハクと素材を合成し、鍛錬素材を作る事ができる。合成する素材ごとにポイントが設定されており、一定の値ごとに入手できる数が増える。
--「カラクリ石」という素材があれば、使用した個数分の素材を必ず入手可能。
-禊
--NPCの装備武器や特徴からスキルを使用出来るようになった前作までと変わり、任務達成時の素材獲得の数や種類が増える仕組みに変わった。また、瘴気に汚染されたエリアでの活動限界時間が僅かに延長されるようになる。
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**評価点
***ゲームデザインの変更に伴う進化
-オープンワールド化という大幅な仕様変更により、マンネリ化を防いだ事の功績は大きい。
--元々同じ作業の繰り返しとなりがちな狩りゲーというジャンルで、目新しい感覚を得られるゲームスタイルは評価されている。
---拠点から異界を散策している途中で突如中型・大型の鬼と遭遇したり、共同任務で思わぬ強敵と戦ったり、里の外に居るNPCに話しかけて依頼を請け負ったりという発見が、「狩りに出かける」というスタイルと上手くマッチしている。
---特に、里周辺での連続討伐・乱戦討伐任務は、他領域と異なり(後述)大きく開けた高低差や段差の多いエリアでの討伐になるので、地形を或る程度生かした戦術や立ち回りが求められるので、臨場感とやりごたえが増している。
--基本的に一度その領域に入ってしまえばストーリーの進行速度を無視して先まで進む事も出来るが、明らかに今の力量に見合っていない鬼と遭遇する場合も。ストーリー進行や依頼請負、共同任務で突発的に沸いた鬼と元々居る沸きポイントの鬼とで高難度の乱戦になったりといったハプニング要素も、この仕様に噛み合っている。
--また、マップがただ広いだけの印象があった前作までと異なり、樹木や崖に鬼ノ手を使って瞬間的に移動したり、鬼疾風を使う事で、移動も思っている程ダレない。マッピングに関しても、非常に高低差のある崖や密集した木々などもあり、鬼ノ手が有効に活用出来るような工夫がなされている。
***戦闘・鬼ノ手に関して
-これまでの本シリーズに共通する問題点として、鬼の挙動が時に理不尽な程素早い・堅い、というのがあった。しかしこれは、シリーズが豪快に鬼の部位を破壊するダイナミックさと爽快感、スピーディーでスタイリッシュなアクションを売りにしている為、それに合わせて鬼の行動も素早くしたり行動範囲・攻撃範囲を広げるなどしなければならない事に起因しており、鬼の行動パターンを劣化させてしまうとゲーム性を壊してしまう。だが鬼ノ手の仕組みを盛り込む事で、このジレンマを完全に解決した。
--鬼ノ手の射程は鎖鎌や仕込鞭の射程よりもずっと長く、鬼を掴んでしまえば一瞬にして飛びかかる事が出来る。本来のスピーディーなアクションの魅力を削がず、同時に鬼も弱体化させずに、「エリアを縦横無尽に駆け回る鬼を追い掛け回さなければならない」「空を飛んだままの鬼相手に飛び道具以外では手が出せない」といった状況をほぼ皆無にして、大幅にストレスを軽減した。
-また、これまでは鎖鎌などの一部武器でしか出来なかった空中での立体的な戦闘が、全武器で可能となったので見栄えもいい。((無論武器によって差はあるが。))これに併せて、新規鬼も高低差のある巨大な鬼や飛行型の鬼が増えている。
--他にも、これまでの鬼は部位破壊・鬼祓いを成功させても、鬼の生命力が消失部位をかたどって消失前とほぼ変わらない行動を取り、タマハミ・マガツヒ状態でなくとも攻撃が通る、突進後にダウンする、一部攻撃が発動しなくなるという程度の恩恵しかなかった。
---しかし鬼ノ手の完全部位破壊により、足をもがれた鬼は終始這いつくばるようにしか動けなくなったり、両翼をもがれたらその場で跳ねるだけで飛び回れなくなったりと、行動面が大きく変化。戦局を動かす大きな要素となった。
-過去作で問題となっていたプレイアビリティとアクション性の両方を改善・向上させたこの一点だけでも、「(出るとしたら)次回作以降の目玉要素として、鬼ノ手以上のアイデアが思いつかない」とユーザーに言わしめる程。
-前作までは処理落ちが頻発したり、他のプレイヤーに悪影響を及ぼす程の過剰エフェクト((視界がエフェクトで塞がれてしまったり、エフェクトの処理が重すぎて処理落ちが起きて操作に支障が出たりがザラであった。))が大きく問題視され、修正を希望するプレイヤーも少なくなかったにもかかわらず完全に無視されてしまっていた。
--しかし、本作ではこの問題も大きく改善を見せ、基本的なエフェクトも自己主張しすぎるようなものではなくなり、更に他のキャラクターの諸々のエフェクトも何をやっているかが解る程度の最低限の簡易表示になったことで、エフェクトが原因で他のプレイヤーが被害を被ることはなくなった。
***物語・登場人物
-異なる時代を行き来する鬼やミタマの謎を解明した前作から更に一歩進み、発見されたカラクリ技術や、鬼が生まれた謎に迫るストーリーに。シリーズ恒例の、キャラの過去を掘り下げつつ少年漫画の様な王道を行く(悪く言えばベタな)シナリオは健在。声優は坂本真綾氏、山寺宏一氏、大塚芳忠氏ら実力派が参加。
--前作までに登場したキャラも一部登場、ウタカタの里のキャラクターも一部名前だけ登場する事もある。
-また同行NPCの組み合わせによって、今まであった独り言の他、道中の掛け合いの会話が生まれるので、その組み合わせを探してみるのも楽しい。
***ミタマ
-戦闘スタイルが増えた事以外に、武具・防具・鬼ノ手のどれにミタマを装備するかによってアビリティが変わってくるので、単純に組み合わせを探す楽しみが増えた。
--ミタマ自体のレベルは廃止され、スキルのレベルを上げる事で解放される仕様に。また、スキルの習得は戦闘のみでできるようになり、前作までのようにいちいちハクを集めて里に戻る必要は無くなった。加えてスキル効果の格差も解消され、同名スキルであればどのミタマでも同じだけの効果を発揮する。習得したスキルの組み替えもミタマ装備画面で自由に行える。
---アップデート前はミタマを一つずつ選択しなければスキル一覧を確認出来ず非常に手間だったが、アップデート後には表示ウィンドウを切り替えるだけで一覧が参照可能になった。
***グラフィック
-シリーズのオリジナル版であるPSVitaから比べものにならない程レベルは上がった。極編のPS4版と比較しても細部のディテールに磨きがかかっている。処理落ちも無く、フレームレートも安定している。
--ただし、これらはPS4に限った話でPSVita版・PS3版ではカクツキも目立ち、グラフィックも前作のPSVita版よりも落ちている。
-映像の強化に伴い、本シリーズの特徴である部位破壊アクションの爽快感も上がった。
-キャラクターメイキングもかなり進化しており、エディット可能な項目が非常に多く、実に多彩なキャラを作れる。~
公式で顔エディットコンテストも開催された。
--あまりに作り込めるため納得が行くまでゲームを始める事が出来ない人が続出した。
***快適さ
-後述の通り、作り込みの甘さ・調整不足によるストレスはあるが、アクション面に関しては問題の無いレベルに調整されている。先述した通り、大型鬼の動きに対処する鬼ノ手のシステムがとても上手く噛み合っている。そしてシリーズ共通である部位破壊の爽快感は健在。
-流石にローディングの読み込み速度は遅くなったが、前作までの速度が驚異的だっただけであり、十分快適と言える程度の長さ。そのローディングも、ゲーム開始時や戦闘開始・終了時、ファストトラベル使用時にストレスにならない程度の長さがあるのみ。
-インターフェイスも従来通り、使いやすさ・遊びやすさを重視して考えられている。
-地味ながらも大きな改善点として、すべてのタマフリやスキル・素材・装備品などに読み仮名が付与されるようになったことや素材の入手条件が確認出来るようになったことがある。
--『討鬼伝 極』までは素材や装備名が読めないような難解なものであったり、いかようにも読めるようなものが多かったのだが、ミタマの列伝における名前を除いて読み仮名が振られていなかったため、ソート(50音順)で並べ替えた後で数を確認したい目的の素材がどこに行ったのか見失ってしまったり、ボイスチャット中に協力を依頼しようにも目的の素材名がピンポイントで伝えられずに結局鬼と(上級などの)難易度を伝えて…となりがちだったが、これが解消されている。
--入手方法に関しても、これまで装備を作れるようになった際に名前だけ出されてもどの鬼からどうやって入手するのかが見当が付かないものが多く、結局インターネットなりで調べる必要に迫られたが、これも本作では入手方法を確認出来るようになり、所謂マラソン行為もやりやすくなった。勿論、上級(下級)任務である必要があるものはちゃんとその旨も記載されている。
***その他
-禊
--仲間同士で入る事もでき、仲間の友好度を上げるとセリフが変わり、友好度を上げる良い物差しとなっている。
--また、異性の時間にも入る事ができる。友好度が低い内は追い出されるが、高いと一緒に禊をしてもらえる。
--ギャルゲーや乙女ゲーとも言えるセリフを言ってくれることも。
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**賛否両論点
***オープンワールド化に関して
-前述した様に、ただシームレス形式でマップやエリアを繋げただけであり、『[[Grand Theft Auto>Grand Theft Autoシリーズ]]』のようなビッグタイトルが掲げるオープンワールドを想像すると、余りのレベル差に愕然とする。
--領域でNPCがランダムに動いているわけでもなく、依頼を達成してしまえば里やその周辺域以外で人と出会う事は、共同任務を除いて無い。申し訳程度に足したしるべや碑文、ミタマなどの収集要素も、それが終わってしまえばやる事も無くなってしまう。素材集めに関しては従来の任務受注による討伐の方が効率がいい為、最終的にはランダムに発生する共同作戦を消化するかミタマ集めに奔走する以外にオープンワールドのフィールドに行く意味が無くなってしまう。
--また、瘴気に覆われた異界が里と閉ざされているという設定を上手く活用してはいるが、それでも特定ルートからしか行けないエリアばかりで移動に制限が掛かっているのは残念。
---そもそも領域内ですら一本道のルートでエリアが区切られているに等しい。特に「雅」の領域の、一本道が多いにも関わらず無駄に複雑なマップは評価が低い。崩れた塀など、それこそ鬼ノ手があれば難なく超えて移動出来そうに見えてしまう分、余計にそう感じる。
-鬼の沸きポイントは、実は出現する鬼はポイントによって完全固定。特に良く通る道はすぐに鬼の種類を覚えてしまうので、出会うという事の驚きや喜びは薄くなってしまう。唯一共同任務だけが出現鬼がランダムとなっているが、実際に行かなければ何と戦わなければならないかわからない(無論それが今回の仕様の醍醐味なのだが)。
-ビッグタイトル級のオープンワールドを想像していたユーザーからは酷評されているものの、概要にも書いた通りそちら方面に期待していたユーザーは少なく、十分面白いという声が多い。マップ自体の作りも、決して雑だという印象は無い。
--ただしミニマップに関してはロードマーカーが無いので、イベントマークの通り行くと行き止まりということがしばしば起こる。
--だが、オープンワールドがオフラインのみというのは寂しい感があるが、逆にこれでオンラインの任務…となると今度は収拾がつかなくなるのは容易に想像がつくので難しい所か。
***難易度
-前作までと比べ、下級の鬼(特に大型鬼)が非常に脆く、弱くなっており、難易度は下がっている。また、物語本編に登場する鬼はすべて下級で、ソロでの戦闘を強要される事も無い。この為、元々シリーズを通して同行NPCのAIが優秀な事もあって、「ゴリ押しゲー」「ボタン連打」の傾向がやや強くなってしまった。
-本作で追加された大型鬼は、前作から登場している大型鬼と比べ、倒しやすく設定されているものが多い。
--中でも「オヌホウコ」は、最序盤のボスとして登場する事もあってか非常に弱い。大型鬼最低クラスのパラメータに加え、攻撃パターンも見切りやすく、タマハミ状態になっても大して強化されない…と弱点だらけで、たとえアクションゲーム未経験でもそう簡単に負ける事は無いだろう。上級であってもその強さは知れたもので、そこまで辿り着けたプレイヤーならば苦戦する方が難しい。
---結果として付いた渾名が「''サンドバッグ''((実際に指南(チュートリアル)の標的として登場する事があり、公式も意識していた節がある。))」「''攻撃力チェッカー''((アップデートで武器やタマフリの性能が調整された際、よく検証のために倒されたことから。))」。~
恐ろしい容姿やテーマ曲に反し初心者にも優しい鬼、という位置付けから、プレイヤーからは親しみを込めて「オヌホウコさん」と呼ばれている。&s(){癒し枠である。}
-しかし難易度の低さはあくまで「物語本編」に限っての話であり、本編クリア後の上級任務からは難易度がグッと上がる。特に集団任務では、装備やミタマスキルをしっかり考えなければすぐやられてしまう事もあり、歯応えはある。そういう意味では本作の間口は広い。
-実際、『討鬼伝 極』では発売初期のとち狂っているとしか言いようのない難易度調整で猛反発を受けた事もあり、調整の方向性自体はちゃんと反省を活かしているものだと言えるだろう。
--ただし、カガチメ・ダイテンマ・バンケイトの実質3体同時討伐をさせられる進行度十二の任務「暗黒星雲」を始め、悪質な任務もあるのだが…。
---また、進行度十一のキー任務になっている「伏魔殿」はアヤナシ・メズコンゴウ・シンラゴウの3体討伐任務で、こちらは3体同時ではないものの、このうちの2体を討伐するまでは常に2体同時になってしまう。更に、大して広くもないフィールドに巨躯の鬼が何体も出て来るとあって、非常に混沌とした戦闘になってしまう。
***グウェンと盾剣
-オオマガドキは世界規模で起きた災厄であるらしく、西洋にも影響があった。新規キャラであるグウェンはそんなイギリスから来たモノノフなのだが、装備武器である盾剣や西洋由来のミタマ(西洋の英霊は彼女のミタマ以外にも存在する)、彼女と因縁のある鬼(見た目が完全にドラゴン)など、和風アクションを基調とした世界からは若干浮いている。しかしキャラクター自体が嫌われているわけではなく、あくまで目立っているという範囲の話である事に注意したい。
***前作「討鬼伝 極」と比較して
-装備の鍛錬に素材(前作では不要)、カラクリ人形の強化に素材、久音の店で素材、''素材を合成する為に素材''…と、今作の拠点となるマホロバの里で施設を利用する時は、ほぼ必ず何かの素材が必要となる。~
禊場での発動スキルが任務達成時の素材ボーナスに変わったのもこれに起因すると思われるが、利便性が上がった部分がある一方で余計な手間も増えており、里の施設に関して言えば全体的に前作から劣化してしまった印象を受ける。
-''共闘版''
--10月のアップデートに伴い、「共闘版」というオンラインモードのみプレイ可能・スタミナによる一日のプレイ回数制限ありな、課金スタイルの''基本無料版''が配信開始。
--ストーリー部分は一章途中までしかプレイ出来ないという販促程度の差別化は勿論あるので、一概にこの製作決定を悪とは言えない。が、やはり本編製品版購入者にとってはモヤっとする点もある。
--一応配信開始からオンラインに立つ部屋の数が一気に増えたので、一定の効果はあったと思われる。
---しかし、無料故に仕方ないことだが課金要素が割と強烈になっている。
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**不満点・問題点
シリーズの方向転換を図る意味でも大きく変更点を加えた本作だが、実装された仕様が十分機能しているわけではない。
***調整不足に関して
-任務
--受付不在などで任務を受けられない状況が、第一章終了時からエンディング直前まで何度も発生する。ひどい時には、受付担当のキャラクターが窓口の隣で仕事をサボっている事も。
--集団任務はストーリーと無関係にいつでも受けられるため、少なくとも素材集めに困る事はそうそう無いが、不便なことには変わりない。
-鍛冶屋
--前作のような鍛錬ありきの仕様が解消された反動か、本作の鍛錬は面倒な点が目立つ。
---前述の通り、今作では馴染み度が廃止された代わりに鍛錬用の素材が必要になる。作成・打ち直しと同様、必要な素材やその個数は明示されるが、要求される数が多い。~
最初のうちは1~2個とまだ妥当な範囲だが、+8辺りになると一度に5個や7個…任務1回の報酬を上回る量を要求され、あっという間に素材が枯渇する。しかも3~4種類の素材を一度に請求されるため、結局途方もない手間がかかってしまう。
---また、本作の鍛錬は「攻撃力強化」「加護力強化」などのように、特定のパラメータを選択して強化する方式に変更されている。~
が、どんなパラメータをどう強化すればよいかの指標が作中には一切無く、無意味にハードルを上げてしまっている。しかもやり直しが効かないうえ、どのように強化したのか後から確認する事もできない。~
唯一の救いは、"鍛錬によってパラメータが弱体化する事は無い"という点だけである。
--条件を満たすと二人目の鍛冶屋・清麿が登場するのだが、各地の拠点にランダムで配置される為、''とにかく会えない。''。&s(){用がない時に限って出てきやがっt}
---見つけられないと装備を限界まで鍛錬できないので、トロフィーコンプリートやマルチプレイのためには探さざるを得ず、当然ユーザーの反発は大きかった。
---里の鍛冶屋で待っていることもあるが、拠点と違ってファストトラベルポイントの近くではないため、かえって見逃しやすいという本末転倒な事に。
---アップデートにより出会える頻度は上がったものの、あちこち探し回る面倒さに変わりはない。そもそも、完全な上位・下位互換の施設が複数存在している時点で問題外である。
-友好度
--メインキャラクターには友好度が設定されているのだが、その管理方法に問題がある。
--同行者として選択できるキャラクターは、連れ回して鬼を倒すだけで、あっという間に友好度が上がりきってしまう。
---友好度の高さは散策中の台詞に影響しており、何も考えずに友好度を上げると、ネタバレ発言が飛び出してしまう事がある。また、禊イベントでも友好度によって台詞が変化するのだが、上昇ペースの速さが災いし、うまく友好度を管理しないとすべての台詞を見られない。物語の進行に応じて選択される台詞に制限をかける等、やり方はあったはずなのだが。
--一方、同行者にできないキャラクターは「戦闘から帰還した直後に話しかける」という面倒な方法でしか友好度を上げられない。しかもこの方法、友好度を上げる手段としては最も効率の悪いものであり、友好度を一段階上げるだけでも同じ手順を何十回と繰り返す必要がある。~
施設の店員であり、本編でなくとも会話できる久音はまだしも、単なるメッセンジャーでしかなく、帰還地点から離れた所にいるかぐやや九葉の友好度上げには誰もが苦しんだ事だろう。
-カラクリ人形
--性能強化に手間がかかりすぎる。
--専用素材の入手が難しい事((手間のかかる集団任務の報酬か、領域で拾うかしかない。キー素材となる「○号カラクリ回路」はよろず屋で購入できるものの、ストーリー終盤にならないと全種類揃わない。))に加え、強化しても派遣の成功率がなかなか上がらない事、成功したところで大したものは手に入らないと、完全な死に要素だった。また、総合本部((『モンスターハンター』における集会所のようなもの。集団任務はオン・オフ問わず総合本部に移行して行う。))からカラクリ人形の派遣・報酬の受け取りができない事も併せ、全く注目される事は無かった。
---現在はアップデートで大幅に改善され、必要な素材がすべて里のよろず屋で販売されるようになった。また、上級フィールドの実装に伴い、手間に見合った派遣報酬を得られるようにもなった。
-合成釜
--調整不足が特に際立っており、システム自体が機能不全に陥っている。トロフィー獲得のためにしか使った事が無いプレイヤーも多いだろう。
--問題となっているのが素材の変換レートの渋さ。鍛錬素材1個に対し、最低でも3~4個、多い時では20個もの素材が必要となる。しかも、合成に使えるのは指定された一部の素材だけで、完成する鍛錬素材よりはるかにレアな素材を要求される事が多い。そのため''合成釜で使う素材を集めていたら、目的の鍛錬素材が大量に手に入った''などという本末転倒な事態が頻発する。
--前述したカラクリ石は入手に手間がかかり、1回の鍛錬に必要な素材を揃える事さえままならない。
-ミタマ
-多様過ぎるスキルに対して実際の選択肢が少な過ぎる。
--前作と比べタマフリやアビリティなどが大幅に増加しているが、セット可能なスキルは1ミタマにつき3つと変わっていない。固有スキルに専用のセット枠が用意されなくなった点を加味すると、組み合わせの自由度は減っているとすら言える。
--強化スキルだけであっても持続時間延長・待ち時間減少・効果量増加などなどあまりに多いため必然的に目標を立てて吟味するしかない状態なのだが、「とあるスキルを持ったミタマが一人か二人しか居ない」という極端な割り振りがかなり多く、結果として「この戦法を選ぶとこのミタマを選ぶしかない」という状況が頻発する。
--ミタマの数が少ない内はその限りではないが、高い実用性を求めれば最終的には選べる選択肢と言えば「どの武器を使ってどんな戦法で戦うか」程度であり、それだけでほぼ組み合わせは固定されてしまう。
-新たに導入されたニギタマフリ、アラタマフリはスタイルによって実用性に差があり、特にアラタマフリではあからさまな格差がみられる。
--特に優秀とされるアラタマフリが、攻スタイルの「破軍星光(はぐんせいこう)」。~
「体力ゲージの赤い部分(以下"赤ゲージ")が回復しなくなる((本作では、ダメージを受けた際にその一部が赤ゲージとして残り、時間経過によって体力ゲージに還元される。格闘ゲームなどの「ヴァイタルソース」と同じシステムである。))代わりに、攻撃で与えるダメージが大幅に強化される」というもので、効果自体の強力さ・扱いやすさに加え、デメリットも軽微((この赤ゲージの自動回復は、活用するためには鬼の攻撃をうまく回避し続ける必要があるが、回避がうまければそもそも攻撃を喰らわない…というジレンマを抱えており、あまり重要視されない事が多い。タマフリの副作用で大量の赤ゲージダメージを被る献スタイル使用時など、自動回復の存在が死活問題になるケースもあるが、そんな状況であえて破軍雷光を使う理由もまた存在しない。))と非常に優遇されている。
--迅スタイルの「残影(ざんえい)」や、繰スタイルの「五霊明神(ごれいみょうじん)」も人気。~
残影は「各アクションの気力消費量が増加する代わりに、攻撃時に分身が追随し、ヒット回数が実質2倍になる」という効果で、純粋な火力では破軍星光に譲るものの、武器ゲージ・共闘ゲージの回収率を大きく上げられる。五霊明神は「属性攻撃で受けるダメージが増える代わりに、鬼から体力・気力を吸収する繰鬼((いわゆる自立支援兵器。『ガンダム』シリーズの「ファンネル」を妖術で作り出している、とでも言えばよいか。))を使役できる」という効果。攻守一体で使い勝手の良いアラタマフリだが、クールタイムも比例して長い。発売当初はダメージ効率が非常に高かったため、五霊明神を使用するプレイヤーが溢れかえっていた。
--逆に弱いとされるアラタマフリは癒スタイルの「生刀生弓(いくたちいくゆみ)」と、賭スタイルの「天運天啓(てんうんてんけい)」。
--生刀生弓は「攻撃の威力に応じて、体力と引き換えに追加ダメージを与える」というものだが、体力の減少量に対して追加ダメージがあまりにも少ない。強化スキルはあるもののどれも的を得ない効果で、そちらも生刀生弓の評価を落とす一因となっている。
--天運天啓は「他のスタイルのアラタマフリがランダムで発動する」という、いかにも賭スタイルらしいネタ技。生刀生弓と違って話題にすらならないあたり、プレイヤー側も弁えているのだろう。強力なアラタマフリも発動する分、生刀生弓よりはマシと言えなくもないが…。
-また、ミタマの最大スロット自体は前作と変わっていないものの、前作と違ってスキル以外は影響を及ぼさなかったサブスロットが鬼ノ手にセットするアラタマフリ・防具にセットするニギタマフリとして設定されたことの弊害として、そのミタマが持つスキルは優秀(もしくは組もうとしているビルドと合致している)だが、戦闘スタイルのせいで組み込みを断念するか、アラタマフリもしくはニギタマフリを封印もしくは妥協せざるを得ないという事態も起こりうる。
-前作から続投のミタマはイラスト・ボイスが一新されているが、一部のミタマに対しては「イラストとボイスのイメージが合っていない」という声がある。~
特に「桃太郎」と「宮本武蔵」はイメージの剥離が甚だしく、物議を醸した。
-領域
--本編には昼夜の概念があるのだが、異界は常に昼扱いで変化しない。一部の依頼には夜にしか進行しないものもあるが、やはり里周辺のみ。
---「夜になると鬼が強くなる」という要素も存在するのだが、目立った変化を示すのはガキ系の小型鬼だけで、前述の仕様もあり有名無実と化している。
--オープンワールド部分は発売当初、下級レベルのフィールドしか用意されていなかった為、鬼由来の上級素材を集める際は任務を受注するしかなかった。任務報酬で素材が用意されている中型・大型鬼はともかく、小型鬼は散発的に表れるものを地道に倒すしかなく、やりこみの大きな妨げとなっていた。
---この点はアップデートで改善され、エンディング後にファストトラベルポイントでフィールドレベルを上級に切り替えられるようになった。
--ストーリーが進むにつれて、大型鬼の配置箇所が増えていくのだが、なぜか''共同作戦の発生ポイントの近くにばかり配置される。''大型鬼の設置場所が増えるストーリー後半以降は、共同作戦の討伐対象と合わせて2体・3体同時討伐を強いられることも珍しくない。
---フィールドを上級に切り替えていれば勿論出てくるのは上級の大型鬼になるが、それに合わせて配置を変更するなどといった配慮は当然ないため、とても任務にできないような無茶苦茶な組み合わせの鬼と闘わされることも。
---ただし遭遇鬼・共同作戦共にいざとなったらさっさと鬼域を突破して逃げてしまえばいいだけなので、任務では味わえない猛烈な難易度の戦闘をプレイヤーの意志で楽しめるとも言える。
-鬼葬
//厄介になる奴が居るのは確かな問題点だが、厄介者に比べて弱体化している鬼の方が遥かに多いから、「まるで」って評価は流石に有り得ないので修正
--目玉の一つとしてアピールされていた「完全破壊」だが、一部の鬼は破壊しても意味が無い、または破壊してしまった方が厄介になるケースが存在する。
--普段は使わない強力な攻撃を隠し持っていたり、鬼によっては「完全破壊可能だが、しても全く効果が無い」というダミーターゲットが設定されている場合もある。
--クエヤマ系・イテナミ系・センザンオウのように''完全破壊によって明らかに強くなる''鬼すらいる。それでもたかが知れているクエヤマ系はともかく、後者2種はかなり悪質で、武器によっては一気に窮地に陥ってしまう。
---これらの点は一般的な感覚や印象((異形の鬼と言えども、人や獣のような姿をしている以上、手足などの部位を失えば悪あがきは出来てもまともに戦えない…と考えるのが普通だろう。))を利用した"罠"と化してしまっている。
---この件について、開発サイドは「[[完全破壊後に鬼が一方的に攻撃を受けるだけになるのは避けたかった>https://www.jp.playstation.com/blog/detail/3396/20160728-toukiden2.html]]」と発言しており、ユーザーの認識との齟齬が浮き彫りとなってしまった。
--また、この完全破壊というシステムは、銃をメインで使うプレイヤーにとって思わぬ逆風となった。~
銃を使っている場合は、大きなダメージを与えられる「霊脈」が鬼の体に出現するのだが、"鬼によっては部位破壊で霊脈の数が減ってしまう"という問題を抱えている。~
完全破壊が追加され消滅する部位が増えた事で、霊脈減少のリスクも大きくなってしまったのである。
--鬼葬はNPCも使用するのだが、無暗に完全破壊をしたり、かと思えばいきなり部位破壊できない場所を狙ったりと、扱いは決して上手ではない。~
前者はNPCを「援」指示にすれば回避可能((「援」指示にすると、NPCが完全破壊可能部位を掴んでも鬼葬が発動しない。))だが、共闘ゲージは武器ゲージと異なり、自分のものしか確認できないため、適切なタイミングで指示を切り替える事は不可能((「援」指示にしたNPCは鬼祓いを最優先するため、ずっと「援」指示のままだと部位破壊の度にNPCが全員鬼祓いしに行ってしまうため、それはそれで面倒な事になる。))。
--「鬼絡が成功した瞬間に発動する」という性質上、普通に鬼ノ手を使おうとして暴発するパターンに陥りやすい。鬼返のタイミングがわずかにずれて暴発、という深刻なケースも十分に発生しうる。~
「R2ボタンを押しながら□ボタン」というコマンドで共闘ゲージに関係なく鬼絡を使えるが、鬼葬にそちらのコマンドを割り当てていれば、デメリットをほぼ解消出来ていたはずである。
-鬼返
--タマハミ状態になったオノゴロやアヤナシの使ってくる回転攻撃に対して鬼返をすると、鬼返をしたプレイヤーの方に転がってくるのだが、発売当初は''この転がりに何故か攻撃判定が設定されていた''ため下手に鬼返をすると''鬼返をしたプレイヤーだけでなく位置取りによっては軌道上にいたプレイヤーが逆に轢かれる''というあまりにも馬鹿げた事態が発生していた。
---鬼葬で鬼を強化するといった事態共々、それぞれのアクションに罠のような要素を仕込む必要性が皆無であり、しかもこのカウンター攻撃がやたら大ダメージを受けるというおまけ付だったこともあって多くのユーザーから批判意見が寄せられたのか、アップデートで回転攻撃に対して鬼返された際のモーションは変わらないがこの馬鹿げた攻撃判定が削除された。
-NPC
--里のモノノフはともかくとしても、人別札のモノノフを同行させるときちんと行動しないことがある。
---癒スタイルの人別札モノノフを連れて行けば体力が減っても回復をしてくれない、そもそも治癒で自身の回復すらしなくなる…等のように明らかに異常な挙動((里のモノノフの中での癒スタイルの「真鶴(まなづる)」がタマフリ「女神ノ社(めがみのやしろ)」の効果範囲を拡大するスキル「女神ノ社強化・広域」を修得していないせいか、特にこのスキルを持たせた癒スタイルの人別札のモノノフは高確率でこの挙動を見せる。))を見せることも少なくなく、そのため、「札ノフ(人別札のモノノフ)」を使う事が敬遠されることがある。
-遺跡
--前作「極」で言うところの無限討伐・特殊任務にあたる「遺跡」がアップデートで追加された。~
遺跡は登場する中型・大型鬼を討伐する毎に次の階層に移動するという流れを遺跡探索なら地下10階到達まで、無限探索なら帰還するまで繰り返すのだが、移動がその階層の鬼の亡骸を祓ってから3秒で勝手に移動してしまうため、自分勝手なプレイヤーがマルチプレイに混ざってしまうと、地祇石でタマフリを回復させたい…と思っていたプレイヤーが回復し損ねる事態が発生してしまう。
---一応、フリーチャットが使えるようになり、定型文も弄れるので前もってその旨を知らせる定型文を仕込んでおけば討伐後に地祇石を使いたい旨は通達出来るが、それでも結局、終わるのを待って貰えなければどうしようもない。~
戦闘中でも使えるのでそうしろと言うことなのだが、戦闘後に補給を行うというのはこういったゲームで珍しい事ではない自然な考えのため、次の階層に行くまでの移動時間をせめて『討鬼伝 極』の無限討伐・特殊調査任務の時のように地祇石を使うに充分なくらいは取るべきでは無かっただろうか。
--遺跡探索限定で「ヤトノヌシ」と「オカミヌシ」の2体が復活しているが、遺跡探索では大型鬼の部位や亡骸を祓ったり全部位破壊報酬で貰えるアイテムがかなりの確率で換金素材や汎用素材に化ける。
---これ以外の鬼は登場する任務をこなせば、その報酬でほとんどの部位の素材をひとつずつくらい獲得出来るので、それ由来の装備が作りやすい((前作と異なり、上級任務を受注しているのに下級素材が出ることはなくなり、通常の任務であれば汎用素材に化けることはあってもその確率もそこまで高いわけでは無いので、上級アヤナシなど単体討伐任務が無い一部の鬼を除いて任務のマラソンで装備一式を揃えるのも容易である。))が、この2体はそれが無いため、この2体由来の装備が非常に作りにくくなってしまっている。~
前作のコガネムジナ同様にまず安定して出現させる術が無く、出現した所で素材が高確率で化けるので素材が集まらず、更に遺跡探索の報酬では大型鬼の部位素材は手に入らないので、いくら遺跡探索を繰り返そうが入手できないときはとことん入手出来ない。
---この2体に関しては未だ救済措置が無いという状況である。
--無限探索では5階層ごとに帰還するか否かを選べるのだが、こちらは逆に猶予時間が30秒と長すぎると指摘される。
---これ自体は『討鬼伝 極』の無限討伐でも同様の仕様だったため、好みの問題の部分はあるが、平時の移動が前述の通り3秒と短すぎるため、余計に印象が悪くなっている物と思われる。また、無限討伐の時は広いマップで行われていたため、位置によってはそれでも帰還エリアに到達するのがギリギリになることもあったが、遺跡の場合はそんな広くないマップであることも大きい。
---更に、無限探索では帰還すると問答無用でサーバーから切断されてしまうため、無限探索を特定の階層まで行って戻るのを特定メンバーで(例えばフレンドなど)繰り返すといったプレイが困難になっている。
-天狐
--任務同行が出来るのは前作と同じだが、体力という概念がなかった前作と違い、今作の天狐には体力があり、大型の鬼の攻撃一発当たっただけで撤退してしまう。アップデートで倒れにくくなったが、それでも数発で撤退するのであまり意味がない。
-戦闘面
--本作から登場した大型鬼のウシヲキナとその変異種のアケハワニはタマハミ後に非常に細長い体つきになるのだが、そのせいでロックオンを使用するとあらぬ位置にロックオンがされてしまうため、非常に動きを追いかけにくくなっている。
---実際は鬼ノ手や弓などの照準を合わせる際にロックオン操作をすればその照準の位置にロックオンが出来るが、それをやっても全体像が長すぎてかなりカメラが振られるため、ロックオンを使って戦うのが基本になっているプレイヤーからは不満意見が挙がっている。
--また、上で過剰エフェクトが改善された点を評価点に上げたが、それ自体は確かに評価されるべきなのだが、「虚空ノ顎(こくうのあぎと)」のシンボルがとても小さいものとなったことで確かに処理落ちなどの問題は解消されたのだが、なんと''当たり判定までシンボルの小ささに合わせて弱体化させられてしまい''、「''部位破壊などでダウンを奪った鬼相手の追撃に使ってもヒットしない''」と言う調整を受けたことで、前作とは違った意味で産廃と化してしまった。
---しかし、ユーザー側が攻撃判定は弱まっていても虚空ノ顎に付与される鬼の吸引効果が弱まっていないことを利用したミタマの熟練度稼ぎのテクニックが生み出された時期もあったが、現在はアップデートで諸々のバグ諸共攻撃判定の強化という形で消滅している。
***ストーリーに関して
-簡素な造りで、単純にボリュームが不足している。なんとなく画面の指示を追っているだけで、あっという間にエンディングを迎えてしまう。
-ストーリーの中身についても「地味で無難」という表現がぴったりで、短さも手伝って印象に残りにくい。
--しかも、「何かしらの問題が起こり、主人公達や里の住民が悩む→博士の案で解決」というワンパターンな展開が非常に多い。~
博士の居る居ないに関わらずストーリー上でも活躍する「鬼ノ手」も、作中では博士が作り出したカラクリという扱いである。
--無論、主人公たちがいたからこそ成せたこともあるのだが、結局は博士や鬼ノ手の後押し・駄目押しに終始しているのは否めない。
---何より、半ばオムニバス形式で各キャラの話になるストーリーで毎回展開が被るのはあまり良い事とは言えないだろう。
***バグ関連
-発売当初は、仕様とバグの区別が付かないとまで言われてしまう程不具合が多かった。
--進行不能バグ、ミタマに関わるバランス崩壊バグ、解放した筈のファストトラベル先が表示されない、ストーリーのADVパートでキャラクターのグラフィックが消失したままシナリオが進む、などなど。
---特にアクション面に関するバグは、通称破天バグを代表とするとんでもないものもあった。
--引き継ぎ体験版と製品版のバージョン1.01まではで特定の指南を受けてしまうと一部のNPCキャラクターがプレイヤーが侵入出来ない場所に移動してしまうことでストーリーが進行出来なくなるバグがあり、これを修正するバージョン1.02を適用すると今度は「''すべての任務を達成すると獲得出来るはずのトロフィー「金眼四ツ目の守り人」が取得出来ない''」バグに見舞われる。
---この件を除いてもアップデートを適用する度に何かしら別のバグを産み出しているような状態が続いた。
-大型アップデートの際には、遺跡探索限定で復活を遂げたヤトノヌシやオカミヌシに鬼葬でトドメを刺すか、鬼葬を当てた後のダウン中にトドメを刺してしまうと、なぜか亡骸が鬼祓い出来なくなることで進行不能になるバグも実装されてしまった。
--当然のようにこの2体が出現しうる領域の遺跡探索を目的としたマルチプレイの部屋には「''(ヤトノヌシとオカミヌシの)ヌシ系に鬼葬厳禁''」の旨が伝達に書かれるようになってしまった。
-''進行不能バグを含む多くのバグはアップデートで修正済み。''
***演出
-会話シーンの不備
--本作では「主人公の名前の部分だけ、初めからテキストが無かったかのようにボイスが再生される」という、手抜きじみた事になっている。にもかかわらず会話シーンでは主人公の名前が頻出するため、イベントのあちこちで不自然なシーンが頻発する。
--「お前」「おい」などのボイスを充てる、会話で主人公の名前を極力出さないなど、いくらでも工夫はできたはずだが。
---本作はこれまで以上に主人公の名前を呼ばれるケースが多いので、余計に気になってきてしまう。
***DLC
-過去作までは非常に好評だったDLC「追加任務集」だが、本作では盛り上がりに欠ける結果となった。
--前作までは「戦闘開始時からタマハミ状態」「速攻任務((制限時間が大幅に短縮された任務。))」「本編になかった組み合わせの鬼で高難度の乱戦・或いは連続討伐」など、工夫が見て取れた事でコアなファンから高く評価された。((ちなみに既存鬼のモーション変化の亜種二体、完全新規鬼一体の追加は無料アップデートでなされている。))無料キャンペーンを行った事で多くのプレイヤーの目に触れたことも、高評価の理由の一つと言えるだろう。
-本作の追加任務集は、本作でリストラされていた大型鬼の再収録がメインとなった。ここで問題なのは、一つの任務集で追加鬼が一種類だけであり、属性と見た目が違うその変異種の鬼さえも別のDLCとして小分けに配信された((ちなみに、ここまでしておいてで原種だけ配信されて変異種が配信されていないというパターンがある。))事。そして一つの任務集の中身が、単体だけの「下級任務」・「上級任務」「本作既存鬼との乱戦」の3種をワンセットとして、第伍集まで捻りの無い任務を毎回ワンパターンに配信した事であった。前作までと比べ強気な価格設定や、それでいて最後まで無料キャンペーンが開催されなかった点も併せて評価が低迷。
--また、本編にて武器作製ツリーで「???」の表示になっていてユーザーに期待を持たせた武器も、DLCで解放される前作武器だった事が判明。
---第八集から、ようやく凶暴化した条件での鬼の討伐任務・及び新防具が配信されたが、手遅れ感が否めない。
-広いマップに複数人で行ける「巡回ノ任、再び」も配布されたが、一部領域だけ抜けていたりもしている。
--更に問題なのは、これまで同様にマルチプレイでDLC任務をプレイする場合は''総合本部に入室しているプレイヤー全員がそのDLCを購入・適用している必要がある''点である。
---「討鬼伝 極」までは無料配信期間があったことで、オンラインマルチプレイでもDLC任務をプレイしやすい環境で、ほかのプレイヤーの手を借りやすかったが、本作では上記諸々の事情で導入したプレイヤーの数が少なかったのだろうか、DLC任務がマルチでプレイしにくい状態であった。
-制作費の回収の為、無料期間の有無に関しては理解出来るが、せめて内容についてはもう少し購入するプレイヤーのことを考えて作れなかったのだろうか。
--追加される装備はゲーム内の入手時期・作成難易度を考えれば比較的強めに作られており、それでいてゲームバランスを崩壊させるような強すぎるものは存在しない。~
DLCとしては本来評価されるべき点なのだが、本作の場合は「買わなくてもいい」という風潮をより強くしてしまった。導入率の低さにより、限られたユーザーの否定的な意見だけが取りざたされてしまっている現状も、マイナスイメージを際立てる一因となっている。
---加えて、前述したDLC任務の仕様により、実質オフラインでプレイする前提で購入しなければならないのもキツいものがある。
***その他
-エンディング曲
--過去作のような和風オーケストラから一転、中川翔子氏の歌う和風ロック「十六夜の先に舞え」が採用されているが、評価は低い。
---というのも、中川氏は本作でメインキャラクターの声優として参加しており、楽曲に対する非難(および中傷)は全てその点に起因すると言っても過言ではない。ただでさえ槍玉に挙げられやすいタレント声優(しかもネット上で誹謗・中傷に晒されている人物)を起用したことに加え、同じ人物にテーマ曲まで担当させたともなれば、バッシングも十分に予測できる話である。
-完全版の発売を見越して作っているのが疑われる要素
--分霊イベントが無く、過去もあまり掘り下げられないキャラが居る。
---後半から仲間になる数名は仕方が無いが、序盤から登場する2名の過去は多くは語られず、分霊イベントも無いので、「『極((あくまで『討鬼伝』に対する完全版として『討鬼伝 極』が発売された事を受けての呼び名。『討鬼伝2 極』が出ると決まったわけでも、仮に完全版が出るにしてもこのタイトルで出ると決まっているわけでもない。))』を出す前提」と見られる事がある。
--作中の手引きで''素材や武器、防具にはランク1~9まで設定されている''という旨が表示されるが、本作では一部のDLC報酬や里のモノノフが友好度が最大になった時にくれる特別な素材などに例外はあるが、''基本的にランク7以降の素材や装備品が存在していない''。
---これは前作の『討鬼伝 極』のランク設定ルールに則ると説明が付くもので、当時は下級で取れる素材やそれ相応の装備品はランクが1~3、上級は4~6、そして極級が7~9となっておいた。そして本作においては下級の素材や装備品は1~3の間に、そして上級のものは4~6に収まっており、極級に相当するランク7以降の素材や装備品が存在していないのである((当然だが、『討鬼伝』の時はちゃんとランク9までの設定がされていた。それに伴い、『討鬼伝 極』では既存装備のランクが設定し直されている。))。
--それ以外の所だと分かりやすいところでトロフィー(=作中での勲章)の説明文((ただし、本作では作中で勲章の説明文を見ることが出来ない。あくまで勲章名とトロフィー名が同じという意味でのイコール表記である。))もある。
---例えば『討鬼伝 極』の勲章説明文は、討鬼伝の要素で満たす必要があるものに対して「『討鬼伝』における、~」という文言が付け加えられている((『討鬼伝』において一系統の武器をすべて入手する事で獲得出来る、「一意専心」の討鬼伝でのトロフィー・勲章説明文は「いずれかの種類の武器をすべて獲得した」だが、『討鬼伝 極』の勲章説明文は「『討鬼伝』における、いずれかの種類の武器をすべて獲得した」となっている。))。しかし、本作はそういう意味では表記する必要の無い「『討鬼伝2』における、~」の形の説明文がかなり目立つ。
---狩りゲーの本家たる作品からして「''G級商法''」とも称される完全版商法はお約束の所はあるが、最初からそれを見越して制作するというのは褒められた事ではないのは当然で、流石にユーザーに反感を持たれても仕方が無いだろう。
//表記の違和感やランク上限の違いが「手抜き」の意味がわからないので削ります
//ゲーム中でランク表記が1~9までって出てるのに、なんでランク7以降の装備がないのって話なんだわ。どう考えてもおかしいでしょ。それなら最初から装備品は1~6までってやれば良いのに9までってしておいて7以降の装備品がないという時点で7以降は完全版で追加すること前提だってなるのはごく自然なことなんだよなあ…。
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**総評
これまでの狩りゲーというジャンルにオープンワールドのシステムを導入し、過去作の持ち味を十二分に活かしつつ、続編として上手く進化させた印象を抱かせる。新要素を取り入れた事で評価された部分も多いが、荒削りな部分は多い。~
しかし、「前作までは、先行の狩りゲーに追いつく為のゲーム」「新しいものを作るには、モーションや敵を追加しただけじゃ駄目」「他ゲームの先を行く為にも、IPを殺す覚悟で新しい事に挑戦しなければならなかった」と[[開発が語った>http://www.4gamer.net/games/317/G031752/20160805134/]]通り、決して手抜きから生まれた粗さという印象は無く、シリーズ経験者も新規プレイヤーも概ね満足出来る仕上がりとなっている。
惜しむらくはDLCによる盛り上がりが過去作と比べて極端に低く、その他調整不足な点が目立つことだろうか。
実際の作品を見る限り、完全版ありきと取られる仕様が多すぎたことや、いくらアップデートで改善したとは言えてんこ盛りだったバグなど、作りが雑すぎた部分はあるが、アクション面での快適さは他の同ジャンルのゲームとは段違いに高く、組み合わせや収集の楽しみも増えた事も事実。~
狩りゲー特有の単調さに抵抗が無いのであれば、是非一度プレイしてみてはどうだろうか。