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※初版作成者はPS4版のみプレイしています、PSV版経験者の追記お待ちしております。 *GOD WARS~時をこえて~ 【ごっどうぉーず ときをこえて】 |ジャンル|シミュレーションRPG|CENTER:&amazon(B01LXUW4EU)&br;&amazon(B01LWVOZZJ)| |対応機種|プレイステーション4&br;プレイステーション・ヴィータ|~| |発売元・開発元|角川ゲームズ|~| |発売日|2017年6月22日|~| |定価|パッケージ版:6,800円&br;ダウンロード版:5,800円(全て税別)|~| |レーティング|CERO:B(12歳以上対象)|~| //|廉価版| : 年 月 日/, 円|~| //|配信| : 年 月 日/ |~| //|備考| |~| |判定|なし|~| |ポイント|和風SRPG&br;FFT寄りのシステムだが独自要素も多い|~| **概要 古事記をベースに、各種日本昔話の要素を取り入れたシミュレーションRPG。~ システムそのものは『[[ファイナルファンタジータクティクス]](以下FFT)』に近いオーソドックスなSRPGだが、独自要素も多い。~ ディレクター・シナリオ・原作は現角川ゲームス及びフロム・ソフトウェア代表の安田善巳氏、モンスターデザインを『[[大神]]』『[[El Shaddai ASCENSION OF THE METATRON]]』の竹安佐和記氏、キャラクターデザインを『[[ラブプラス]]』等の箕星太朗氏(ミノ★タロー)、ナレーションは日本神話造詣が深い佐野史郎氏、主題歌を演歌歌手の坂本冬美氏が担当している。 **あらすじ 美しい自然と八百万の神々が住まう瑞穂国。瑞穂の民は自然を愛し祖霊を敬い争いも好まず平和に暮らしていた。~ しかし、いつのころからか、人々は争いを繰り返すようになり、各地で日照りや台風、地震などの天変地異が起こるようになった。~ 富士国の王女ツクヨミは、争いを繰り返す出雲国と日向国の間に立ち、不戦の誓いを結ばせた。これにより神々の怒りが鎮まり、天変地異も収まるかと思われたが、突然、富士山が鳴動を始める。~ 王女ツクヨミは神託を受け入れ、断腸の思いで娘サクヤを生け贄に差し出すことでようやく富士の鳴動は収まった。~ しかし、悲嘆に暮れたツクヨミは、ある日忽然と姿を消してしまう。キツネと名乗る男に政を任せて。~ それから十三年後、富士国の浅間ノ宮に一人の少女カグヤが囚われていた。次に富士の鳴動が起こったときの生け贄として……~ **キャラクター #region(味方キャラクター) カグヤ(CV:早見沙織) -主人公。富士の女王であるツクヨミの三女。 -強大な霊力を秘めた巫女。母ツクヨミの命により、次の富士山の噴火に備えて、生贄となるべく富士浅間の宮に幽閉されていたが、自由を求めて母に真意を問うための旅に出る。 -モデルは名前・見た目通り「かぐや姫」であるものの、かぐや姫らしいエピソードは「竹の結界に幽閉されていた」ことのみ。 キンタロウ(CV:畠中祐) -カグヤの幼馴染。富士の麓の村で暮す、力自慢の少年。 -村人の一揆に乗じてカグヤを助け出し、共に旅に出る。 -モデルは名前通り「金太郎」。カグヤと違い、モデルとほぼ変わらないイメージとなっている。 クマ(CV:福山潤) -キンタロウの相棒である熊…のような姿の神様。 -「クマァ!」としかしゃべれないが、キンタロウと意思疎通はできる。 -モデルは金太郎のお供の熊。 ハナサカ(CV:伊藤美紀) -かつてツクヨミにも仕えていた八百万神の一柱。隠居をしていたが、ツクヨミ捜索のためカグヤの旅に同行する。 -モデルは花咲爺さんだと思われるが、妙齢の熟女となっており、最もモデルとの差異が大きい。 --ちなみに作中では「老いぼれ」名乗っており、他のキャラにも「ばあさま」と呼ばれているものの、イラストはそこまで老いている訳ではない。 カツラギ(CV:杉村憲司) -たたら場を仕切る大男。かつては気前のいい性格だったが、ある日を境に凶暴になる。 -最序盤のボス的な存在。攻略すると本来の性格に戻り仲間になる。 -モデルは「泣いた赤鬼」の赤鬼に、渡来人の設定を加えた独自のキャラクター。昔話と実際の歴史をミックスさせた、ある意味今作を象徴するデザイン。 アオメ(CV:原由実) -銅山を差配する山師。金髪碧眼という容姿から幼少期はいじめられて育ったためか、紗に構えた性格の女性。 -カツラギと同じく敵として登場し、クリアすると仲間になる。 -モデルはカツラギと同じく「泣いた赤鬼」の青鬼と思われるが、こちらは渡来人の設定が前面に出ている。 イナバ(CV:麦穂あんな) -オオクニヌシに仕える侍女。ドジっ子ではあるが、オオクニヌシの女性問題を的確に捌いている。 -モデルは「因幡の白兎」で間違いないと思われるが、オオクニヌシとの関係性以外のエピソードはほぼカットされている。 オオクニヌシ(CV:國立ミユキ) -出雲の国の王、スサノオの長男。今作の第二主人公。 -いわゆる色男で女好き。カグヤに惚れ込み旅に同行するものの、ストーリーの描写的にはむしろ彼の成長が描かれている場面が多い。 -モデルは「大国主」。スサノオの息子であることは日本書紀準拠の設定になる。 ウズメ(CV:種田梨沙) -佐賀の王宮に仕える踊り子。ハイテンションで軽い性格だが、その舞はどんな堅物な男でも魅了させる腕前。 -また、自警団を結成して、身寄りのない子どもの母親代わりになる等の優しい一面も。 -モデルは日本神話に登場する「アメノウズメ」で間違いないだろう。当然アマテラスと関連するエピソードも再現されている。 ウラシマ(CV:柿原徹也) -日向国の第二王子。兄のモモタロウが優秀すぎるため、世をすねて僻みっぽくなっているが、根は思いやりのある素直な青年。 -日向の宮廷は居心地が悪いため、龍宮に逃げ出している。 -モデルは文字通り「浦島太郎」。またネタバレになるが「ニニギノミコト」の要素も含まれている。 カメ(CV:麦穂あんな) -ウラシマの親友で、宮に仕えるオトヒメの眷属にして八百万の神の一柱。 -ちょっと拗ねたウラシマとは対照的に、素直な性格。クマと異なり人語も話せる。 -モデルは浦島太郎が助けた亀。今作でも龍宮城へご招待してくれる。 サヨリ(CV:氷青) -瀬戸内海運を仕切る海の女。子供のころから宮廷に出入りしていたため、オオクニヌシやイナバからは姉のように慕われている。豪気な姉御肌。 -中盤で一度スポット参戦するものの、本格的に仲間になるのは後半から。 -モデルは日本神話に登場する水の女神「イチキシマヒメ(別名サヨリヒメノミコト)」と思われる。 イッスン(CV:福山潤) -八百万の神の一人。現在は出雲に仕え地方を巡察して治水や医薬について指導している。オオクニヌシの器にほれ込み、彼の治世を支えるのが自分の仕事だと思っている。 -無口で独特な喋り方をする。 -モデルは「一寸法師」。モデル通り、戦闘では「自身のサイズを変更する」という独自の技を持つ。 サクヤ(CV:佳村はるか) -ツクヨミの二女であり、カグヤの姉。富士の火口に生け贄として捧げられる。霊力も美貌もカグヤに匹敵するが、性格はカグヤと対照的に穏やかで大人しい。 -モデルは「コノハナノサクヤビメ」で間違いないだろう。 #endregion #region(その他重要キャラクター) モモタロウ(CV:石川界人) -日向国の第一王子で、ウラシマの兄。今作の第三主人公という扱いであるが、本編中はスポット参戦のみで、むしろ敵として立ちはだかるシーンが多い。 -文武両道に長け、覇気に満ちた一代の英傑。集権的な支配を理想とし、理想国家の建設に向けて邁進する。そのためカグヤやオオクニヌシと意見の違いで衝突することも。 -モデルは文字通り「桃太郎」。 --大型DLC「黄泉の迷宮」で本格的に参戦することがアナウンスされている。 イヌ・サル・キジ -モモタロウと共に登場する3匹のお供。イヌとサルは獣人のようだが、キジは雉の格好をした女性というデザイン。 ツクヨミ(CV:中村千絵) -富士国の女王。サクヤ、カグヤの母。優しく慈愛に満ちた女王。 -13年前、神々の怒りを鎮めるために、富士の火口へ生け贄として娘のサクヤを捧げる。それ以後、行方知れずに。 -モデルは「ツクヨミノミコト」。今作では女性として描かれている。 スサノオ(CV:てらそままさき) -出雲の国王であり、オオクニヌシの父。無敵の戦士であり、一代で出雲を強国にした英雄。国力を得てからは軍事よりも経済、技術に根ざした国造りを進める。 -生まれつき最強だったため、暴力に固執せず、優秀な家臣に内政を任せる度量がある。一方で愛妻家という一面も。 -モデルは「スサノオノミコト」であり、有名なエピソードもそれなりに再現されている。また、味方NPCとしてスポット参戦するシーンも。 アマテラス(CV:園崎未恵) -日向国の女王。モモタロウとウラシマの母。三大国の君主の中では最も若くて気力に満ちている。 -噴火の被害にあった国土では民の生活が成り立たないため、豊穣な出雲や富士の領域への進出を狙っている。次世代の王となるべき二人の息子の養育にも熱心。 -モデルは「アマテラスオオガミ」。 #endregion **システム 前述通り、FFTをなぞったクォータービュー・箱庭3DマップタイプのSRPGなので、今作独自のシステムを説明する。 ''けがれ'' -ヘイト値が数値化したもの。攻撃や回復などの行動を行うと上昇して、敵に狙われやすくなる。 -キャラが育っていない序盤では特にけがれ数値の管理が重要。前衛キャラは「挑発」でけがれを上昇してタンク役となり、後衛は「みそぎ」で減少させて狙われにくくする…等。 ''スキル'' -いわゆる魔法・技。ターン開始時に回復するMPを消費して攻撃や回復を行う。 -今作は通常攻撃が弱いため、攻撃は主にスキルで行うこととなる。 ''奥義'' -中盤から解禁するシステム。画面上に表示される花びら状の奥義ゲージを消費して放つ強力なスキル。 -消費が少ないものは「単体に大ダメージの物理技」「広範囲攻撃技」等の使いやすいものから、「味方全員を大回復」「全画面攻撃」等派手なものまで。 ''職業システム'' -キャラクターの性能に直接決める「主職業」、覚えたスキルを使用可能にする「副職業」、キャラクター固有で変更不可能な「固有職業」の3種が存在。 -主職業・副職業にセット可能なものは職業レベルを上げることで上位職に変更することが可能。 --例えば前衛職である「戦人(モノノフ)」をLv6まで上げると中級職「侍人(サムライ)」「弓人(ユミト)」が解禁される。 -純粋な下級・上級職の他、特定の中級・上級職のLvを上げることで解禁される特殊職も。 -固有職はキャラクターによって固定されており、そのキャラのおおまかな方針を決定付けている。 --例えばカグヤは主人公らしくある程度の攻撃・回復を行えるバランスタイプ、キンタロウはイメージ通りの前衛戦士タイプの攻撃技を覚える。 -また、各職業で体得したパッシブスキルは現在の主職業・副職業に関係なく3つまで装備可能。 --単純な能力アップから、反撃・反射ダメージ等も存在する。 **評価点 ''SRPGとしては万人向けの難易度'' -育成・戦略のバランスが良く、単純な力押しでは苦戦する歯応えのあるゲームバランスとなっている。 --上記通りけがれシステムが独自の駆け引きを生んでおり、うまくコントロールする必要性が出てくる。 -苦戦するのであればスキルを見直したり、やしろで行える依頼(フリーマップ)で貰える強力な装備で味方側を強くすることで突破可能。 -それでも厳しいのであればオプションで難易度を下げたり、無料DLCで確保できる救済装備を使うという手もある。 ''ユニットのカスタマイズ性は高い'' -基本の能力値はキャラクターごとにある程度決まっているものの、おおまかな能力の決定は主職業で決定される。~ このため、戦士タイプのキンタロウやカツラギを術師として育てたり、術師タイプのハナサカやアオメを戦士タイプに育てることも可能。 -この他、副職業やパッシブ装着で自分の望むようにカスタマイズできる。 ''独特な解釈・世界観は好評'' -日本神話+日本昔話というありそうであまりない世界観だが、うまくミックスされて調和がとれている。 -各種キャラクターの設定も独自解釈が利いていて面白いデザインが多い。 --例えば主人公のカグヤは「ツクヨミの娘かつイワナガとサクヤの妹((解釈によっては「コノハナノチルメ」の立ち位置となる。))で天真爛漫な勇者タイプ」という類を見ない設定。 --仲間キャラを例に挙げると、カツラギは童話「泣いた赤鬼」と渡来人の設定をうまくミックスさせている。 --その他「妙齢の女性になったハナサカ」「アマテラス・スサノオ・ツクヨミの兄弟設定が皆無」「モモタロウとウラシマが兄弟設定」といった独自過ぎるデザインも。 --昔話を代表する英雄、モモタロウはクールなライバル的立ち位置でカグヤ一向に立ち塞がる…のだが、今作のモモタロウは問題点が多いので後述。 -日本神話・昔話のお約束的なエピソードもしっかり取り入れている。 --例を挙げると「気は優しくて力持ちなキンタロウとクマのタッグ」「女好きなオオクニヌシ」「カメを助けて龍宮城へ出向く」等。 -竹安氏の描くボスモンスター「祟り神」のデザインも迫力があり好評。ゲーム中の至るところでパーティ達に立ち塞がる。 -坂本冬美氏の歌う主題歌や、佐野史郎氏による語りは世界観に合致していて好評。 **賛否両論点 ''SRPGとしての難易度は低い部類'' -キャラクター育成の自由度の高さや育成のし易さ、手に入る強力な装備やアイテムの存在からSRPGとしてはかなり難易度は低い。 -全体的に回復アイテムが強力で、スキルは攻撃や妨害・バフに振り分けても全く問題がない。 -やしろで貰える装備アイテムも強力なものがほとんどで、依頼をこなして育成と装備を整えるとサクサク進めることができる。 --あくまで「難易度を下げる要素が多い」ということであり、極端なヌルゲーというわけではない。特にボス戦では厄介な技を使う敵が多かったり、マップ構成が不利な状況から始まるというステージも多く、生半可な育成や戦略では突破できない。 ---特に後半のボスは厄介な異常状態を多く使うため、力押しがしづらくしっかりと対策が必要。 ''癖のあるキャラクターデザイン'' -竹安氏のモンスターデザインは上記通り好評だが、箕星氏の人間キャラクターのイラストやデザインは賛否が分かれる。 -カグヤ、サクヤ、イナバといった少女キャラはそこまでではないのだが、アオメ、ウズメ、サヨリと露出度が高い女性キャラについては批判の声が多い。 -男性キャラではキンタロウの立ち絵がポーズのせいで「常時鼻ほじってるみたいで変」とよく言われる。 ''演出面'' -ゲームシステムこそ「古き良き」といえるものであるが、グラフィックや演出面も前世代的…下手をするとPS2並で、かなり古臭い。 -エフェクト等は、シンプルにまとまっていてテンポを阻害してはいないのだが。 -ボイスパターンについても異様に少ない。汎用的キャラはともかく、味方キャラは攻撃や回復のスキルでボイスを増やしてよかったのではないのだろうか。 -BGMの質も低いわけではないのだが、曲数の少なさや、1ループの短さ等で、聴き続けると飽きやすいと言われている。 ''キャラクター間の格差が大きめ'' -職業システムである程度好きなキャラを使っていけるバランスになっているが、固有職の差が無視できるほど小さいものではなく、キャラ間の強さにはそれなりに差がある。 -強いと言われるのはカグヤとオオクニヌシ、次点でハナサカとウラシマ。 --カグヤは固有職のパッシブスキル「戦姫の才((Lv10になっている職業の数において全能力上昇。))」の上昇効率が異常に高く、何をやらせるにも最強クラス。「戦姫の才」の仕様から大器晩成型に見えるが、序盤は固有職で魔法攻撃・回復共に行えるため序盤の時点で主人公らしく万能に立ち回ることが可能。 --オオクニヌシも副主人公らしく攻撃・回復・援護を行える。カグヤと合わせて加入からほぼ強制出撃ということもあり、意図的に強くされたという可能性も。 --序盤で仲間になるハナサカはある程度のバフ・デバフ・攻撃魔法を覚え、''けがれが最大状態のデコイユニット召喚''する「苔人召喚」が非常に便利で、今作の肝であるけがれ管理を半分以上無視できる。そのまま術師系に育ててしまえば終盤まで第一線で戦える。 --ウラシマは中盤加入なものの、各種バフである「舞踊」系統と、高命中率を誇る全能力デバフ「厭かずの匣」が非常に使いやすく、こちらも援護キャラとして扱いやすい。 --その他、後半加入のイッスンやサクヤも強力と言われることも多いが「後半加入で育てるのが面倒」という問題点も。 -逆に弱いと言われるキャラがキンタロウとクマ、イナバ、カメの三動物。 --キンタロウは固有職のスキルが攻撃技ばかりで、最終的に上位職のスキルに食われる結果となる。動物キャラは固有スキルが異様に少なく、どれも「何かが超強化されてスキルが使用不可」と、スキルが重要な今作と全く噛み合っていない。 --但し、キンタロウとクマは初期メンバーということもあり仲間が揃うまでば前線で活躍する。イナバとカメも特殊な移動性能を持っており宝探しに活用できるという強みはある。戦闘面でイナバとカメの移動性能が活きるステージがないのが問題だが…。 ---キンタロウ、クマ、カメや後半加入で育てるタイミングがないイッスン、サクヤもゲームクリア後にプレイできる初回特典DLCの追加シナリオに強制出撃ということもあり、育てて損はない。但し、''イナバだけ出番が無いので更に不遇。'' -[[女尊男卑>スーパーファミコン ドラゴンクエストIII そして伝説へ…]]…というほどではないが、性別専用職業のうち「戦乙女」が基本能力・スキルの強さが両立しており非常に強力。逆に男性専用の「益荒男」は攻撃面は強力なもののMPが低く、スキルも癖があってやや使いづらい。 --結果的に、後半は「戦姫の才をつけた戦乙女カグヤが無双すればなんとかなる」と言えなくもないゲーム性になってしまう。 --極端な話、前述したイナバも戦乙女にしてしまえば十分戦力になる。 ''いわゆる「汎用ユニット」は作れない'' -あくまで「日本神話+昔話オールスター」という方向性のためか、味方側に汎用ユニットは作れない。 タイトルについて -個性的な和の世界観と相反して「GOD WARS」という陳腐なタイトルに疑問を持つプレイヤーも少なくない。 --『[[GOD OF WARシリーズ]]』と無駄に混合したりして紛らわしいという声も多い。 -安田氏曰くしっかり意味をもってこのタイトルにしたと答えている。 **問題点 ''全体的なボリューム不足感'' -今作のストーリー・ルートは完全に一本道で、本筋に関わるステージはそこまで多くない。上記通り、SRPGに慣れたプレイヤーならサクサク進めてしまう難易度調整ということもあり「ボリューム不足」という声が多い。 -やり込み要素といえる点がDLCコンテンツなしではやしろの依頼しかなく、報酬も「強力な装備品」であるため、「育てたキャラが腕を振るう」というシーンはないといっていい。 ---初回特典の追加シナリオDLCが有料であるものの購入可能になったり、大型追加シナリオが既に告知されている等、ある程度のフォローはされている。 ''ストーリーの問題点'' -世界観こそ緻密な設計となっているが、あらすじ自体は日本神話を完全になぞったもので、無難かつ面白みのないと言われている。 --日本神話を知るプレイヤーであれば、中盤ほどで黒幕の正体がわかってしまうのもマイナス。 -キャラクターの掘り下げがほとんどなされず、プレイヤーキャラについては「成り行きでついてくるだけ」NPCは「一言しゃべって終わり」というキャラクターの使い捨てがやや酷いものになっている。 --物語のほとんどがカグヤ、オオクニヌシ、ウラシマの3人で進んでしまい、他のキャラはたまに一言二言しゃべるだけでほぼ空気。初期メンバーかつ、一見重要な位置にいるキンタロウすら中盤以降出番が少ない。 -前述のモモタロウはその被害をもろに受けており、ライバルキャラ及びダークヒーローという面が弱く、単なるヒール…もっとひどく言えば「かませ」と言われてもおかしくない立ち位置になってしまっている。 --また、パッケージ裏側で主人公のような書かれ方をしているものの''本編中でプレイヤーキャラになることは一度もない''。((一応、NPCとして共闘するシーンはある。))前述もした大型追加シナリオでプレイヤーキャラとして昇格することはアナウンスされている。 ''クロスセーブが対応していない'' -PS4とPSVitaの2機種で発売されたが、何故かクロスセーブが対応していないため、PS4版の続きを外出中に楽しむことができず、PSVita版の続きを自宅で楽しむこともできない。 **総評 ゲームとしては歯応えのあるSRPGと独特な和の世界観の融合という、ありそうでなかった作品。~ SRPGとしては楽しめる内容なのだが、ストーリーが難有りでボリューム不足という2点が惜しい。~ ところどころ惜しい点はあるが「一昔前のSRPGを楽しみたい」「昔話や日本神話が好き」といったプレイヤーなら楽しめるであろう。 **余談 ''2度の発売延期'' -本来は2017年2月に発売予定だったが延期して4月予定に、そして2度目の延期で6月発売となった。 -発売前に出した体験版が「やたらと敵が回復行動を行う」というテンポが悪くストレスが溜まる仕様で、バランス調整に力を入れたとのこと。その分テンポやバランスはかなり向上している。 ''敵キャラクター「サルタヒコ」'' -中盤に出てくるボスキャラクターの一人で、日向の女王であるアマテラスの忠臣…とここまでなら日本神話通りの設定なのだが、演技があまりにも酷すぎる棒読みで話題になった。 -他の声優陣は人気の若手や、アニメや吹き替えでもよく耳にする実力派の役者で揃ってはいるので非常に落差が激しい。 --初登場シーンでは柿原徹也氏演じるウラシマと対話となるため、吹き出すプレイヤーが。 -それが原因か、公式サイトのキャラクター紹介で彼だけ声優の名前が記載されていない。 -登場ステージの難易度は高く、ボスとしての威厳は保っており、本筋でも重要な立ち位置にいるため「どうしてこうなったのか」という声が絶えない。 --が、現在では「''この独特な棒読みでないと味が出ない''」というプレイヤーもおり、謎の人気を確保している。 ''その他'' -偶然か意図的か、「早見沙織氏演じる箕星氏デザインのヒロイン」という点で『ラブプラス』の高嶺愛花と被っている。
※初版作成者はPS4版のみプレイしています、PSV版経験者の追記お待ちしております。 *GOD WARS~時をこえて~ 【ごっどうぉーず ときをこえて】 |ジャンル|シミュレーションRPG|CENTER:&amazon(B01LXUW4EU)&br;&amazon(B01LWVOZZJ)| |対応機種|プレイステーション4&br;プレイステーション・ヴィータ|~| |発売元・開発元|角川ゲームズ|~| |発売日|2017年6月22日|~| |定価|パッケージ版:6,800円&br;ダウンロード版:5,800円(全て税別)|~| |レーティング|CERO:B(12歳以上対象)|~| //|廉価版| : 年 月 日/, 円|~| //|配信| : 年 月 日/ |~| //|備考| |~| |判定|なし|~| |ポイント|和風SRPG&br;FFT寄りのシステムだが独自要素も多い|~| **概要 古事記をベースに、各種日本昔話の要素を取り入れたシミュレーションRPG。~ システムそのものは『[[ファイナルファンタジータクティクス]](以下FFT)』に近いオーソドックスなSRPGだが、独自要素も多い。~ ディレクター・シナリオ・原作は現角川ゲームス及びフロム・ソフトウェア代表の安田善巳氏、モンスターデザインを『[[大神]]』『[[El Shaddai ASCENSION OF THE METATRON]]』の竹安佐和記氏、キャラクターデザインを『[[ラブプラス]]』『[[√letter]]』『イグジストアーカイヴ』等の箕星太朗氏(ミノ★タロー)、ナレーションは日本神話造詣が深い佐野史郎氏、主題歌を演歌歌手の坂本冬美氏が担当している。 **あらすじ 美しい自然と八百万の神々が住まう瑞穂国。瑞穂の民は自然を愛し祖霊を敬い争いも好まず平和に暮らしていた。~ しかし、いつのころからか、人々は争いを繰り返すようになり、各地で日照りや台風、地震などの天変地異が起こるようになった。~ 富士国の王女ツクヨミは、争いを繰り返す出雲国と日向国の間に立ち、不戦の誓いを結ばせた。これにより神々の怒りが鎮まり、天変地異も収まるかと思われたが、突然、富士山が鳴動を始める。~ 王女ツクヨミは神託を受け入れ、断腸の思いで娘サクヤを生け贄に差し出すことでようやく富士の鳴動は収まった。~ しかし、悲嘆に暮れたツクヨミは、ある日忽然と姿を消してしまう。キツネと名乗る男に政を任せて。~ それから十三年後、富士国の浅間ノ宮に一人の少女カグヤが囚われていた。次に富士の鳴動が起こったときの生け贄として……~ **キャラクター #region(味方キャラクター) カグヤ(CV:早見沙織) -主人公。富士の女王であるツクヨミの三女。 -強大な霊力を秘めた巫女。母ツクヨミの命により、次の富士山の噴火に備えて、生贄となるべく富士浅間の宮に幽閉されていたが、自由を求めて母に真意を問うための旅に出る。 -モデルは名前・見た目通り「かぐや姫」であるものの、かぐや姫らしいエピソードは「竹の結界に幽閉されていた」ことのみ。 キンタロウ(CV:畠中祐) -カグヤの幼馴染。富士の麓の村で暮す、力自慢の少年。 -村人の一揆に乗じてカグヤを助け出し、共に旅に出る。 -モデルは名前通り「金太郎」。カグヤと違い、モデルとほぼ変わらないイメージとなっている。 クマ(CV:福山潤) -キンタロウの相棒である熊…のような姿の神様。 -「クマァ!」としかしゃべれないが、キンタロウと意思疎通はできる。 -モデルは金太郎のお供の熊。 ハナサカ(CV:伊藤美紀) -かつてツクヨミにも仕えていた八百万神の一柱。隠居をしていたが、ツクヨミ捜索のためカグヤの旅に同行する。 -モデルは花咲爺さんだと思われるが、妙齢の熟女となっており、最もモデルとの差異が大きい。 --ちなみに作中では「老いぼれ」名乗っており、他のキャラにも「ばあさま」と呼ばれているものの、イラストはそこまで老いている訳ではない。 カツラギ(CV:杉村憲司) -たたら場を仕切る大男。かつては気前のいい性格だったが、ある日を境に凶暴になる。 -最序盤のボス的な存在。攻略すると本来の性格に戻り仲間になる。 -モデルは「泣いた赤鬼」の赤鬼に、渡来人の設定を加えた独自のキャラクター。昔話と実際の歴史をミックスさせた、ある意味今作を象徴するデザイン。 アオメ(CV:原由実) -銅山を差配する山師。金髪碧眼という容姿から幼少期はいじめられて育ったためか、紗に構えた性格の女性。 -カツラギと同じく敵として登場し、クリアすると仲間になる。 -モデルはカツラギと同じく「泣いた赤鬼」の青鬼と思われるが、こちらは渡来人の設定が前面に出ている。 イナバ(CV:麦穂あんな) -オオクニヌシに仕える侍女。ドジっ子ではあるが、オオクニヌシの女性問題を的確に捌いている。 -モデルは「因幡の白兎」で間違いないと思われるが、オオクニヌシとの関係性以外のエピソードはほぼカットされている。 オオクニヌシ(CV:國立ミユキ) -出雲の国の王、スサノオの長男。今作の第二主人公。 -いわゆる色男で女好き。カグヤに惚れ込み旅に同行するものの、ストーリーの描写的にはむしろ彼の成長が描かれている場面が多い。 -モデルは「大国主」。スサノオの息子であることは日本書紀準拠の設定になる。 ウズメ(CV:種田梨沙) -佐賀の王宮に仕える踊り子。ハイテンションで軽い性格だが、その舞はどんな堅物な男でも魅了させる腕前。 -また、自警団を結成して、身寄りのない子どもの母親代わりになる等の優しい一面も。 -モデルは日本神話に登場する「アメノウズメ」で間違いないだろう。当然アマテラスと関連するエピソードも再現されている。 ウラシマ(CV:柿原徹也) -日向国の第二王子。兄のモモタロウが優秀すぎるため、世をすねて僻みっぽくなっているが、根は思いやりのある素直な青年。 -日向の宮廷は居心地が悪いため、龍宮に逃げ出している。 -モデルは文字通り「浦島太郎」。またネタバレになるが「ニニギノミコト」の要素も含まれている。 カメ(CV:麦穂あんな) -ウラシマの親友で、宮に仕えるオトヒメの眷属にして八百万の神の一柱。 -ちょっと拗ねたウラシマとは対照的に、素直な性格。クマと異なり人語も話せる。 -モデルは浦島太郎が助けた亀。今作でも龍宮城へご招待してくれる。 サヨリ(CV:氷青) -瀬戸内海運を仕切る海の女。子供のころから宮廷に出入りしていたため、オオクニヌシやイナバからは姉のように慕われている。豪気な姉御肌。 -中盤で一度スポット参戦するものの、本格的に仲間になるのは後半から。 -モデルは日本神話に登場する水の女神「イチキシマヒメ(別名サヨリヒメノミコト)」と思われる。 イッスン(CV:福山潤) -八百万の神の一人。現在は出雲に仕え地方を巡察して治水や医薬について指導している。オオクニヌシの器にほれ込み、彼の治世を支えるのが自分の仕事だと思っている。 -無口で独特な喋り方をする。 -モデルは「一寸法師」。モデル通り、戦闘では「自身のサイズを変更する」という独自の技を持つ。 サクヤ(CV:佳村はるか) -ツクヨミの二女であり、カグヤの姉。富士の火口に生け贄として捧げられる。霊力も美貌もカグヤに匹敵するが、性格はカグヤと対照的に穏やかで大人しい。 -モデルは「コノハナノサクヤビメ」で間違いないだろう。 #endregion #region(その他重要キャラクター) モモタロウ(CV:石川界人) -日向国の第一王子で、ウラシマの兄。今作の第三主人公という扱いであるが、本編中はスポット参戦のみで、むしろ敵として立ちはだかるシーンが多い。 -文武両道に長け、覇気に満ちた一代の英傑。集権的な支配を理想とし、理想国家の建設に向けて邁進する。そのためカグヤやオオクニヌシと意見の違いで衝突することも。 -モデルは文字通り「桃太郎」。 --大型DLC「黄泉の迷宮」で本格的に参戦することがアナウンスされている。 イヌ・サル・キジ -モモタロウと共に登場する3匹のお供。イヌとサルは獣人のようだが、キジは雉の格好をした女性というデザイン。 ツクヨミ(CV:中村千絵) -富士国の女王。サクヤ、カグヤの母。優しく慈愛に満ちた女王。 -13年前、神々の怒りを鎮めるために、富士の火口へ生け贄として娘のサクヤを捧げる。それ以後、行方知れずに。 -モデルは「ツクヨミノミコト」。今作では女性として描かれている。 スサノオ(CV:てらそままさき) -出雲の国王であり、オオクニヌシの父。無敵の戦士であり、一代で出雲を強国にした英雄。国力を得てからは軍事よりも経済、技術に根ざした国造りを進める。 -生まれつき最強だったため、暴力に固執せず、優秀な家臣に内政を任せる度量がある。一方で愛妻家という一面も。 -モデルは「スサノオノミコト」であり、有名なエピソードもそれなりに再現されている。また、味方NPCとしてスポット参戦するシーンも。 アマテラス(CV:園崎未恵) -日向国の女王。モモタロウとウラシマの母。三大国の君主の中では最も若くて気力に満ちている。 -噴火の被害にあった国土では民の生活が成り立たないため、豊穣な出雲や富士の領域への進出を狙っている。次世代の王となるべき二人の息子の養育にも熱心。 -モデルは「アマテラスオオガミ」。 #endregion **システム 前述通り、FFTをなぞったクォータービュー・箱庭3DマップタイプのSRPGなので、今作独自のシステムを説明する。 ''けがれ'' -ヘイト値が数値化したもの。攻撃や回復などの行動を行うと上昇して、敵に狙われやすくなる。 -キャラが育っていない序盤では特にけがれ数値の管理が重要。前衛キャラは「挑発」でけがれを上昇してタンク役となり、後衛は「みそぎ」で減少させて狙われにくくする…等。 ''スキル'' -いわゆる魔法・技。ターン開始時に回復するMPを消費して攻撃や回復を行う。 -今作は通常攻撃が弱いため、攻撃は主にスキルで行うこととなる。 ''奥義'' -中盤から解禁するシステム。画面上に表示される花びら状の奥義ゲージを消費して放つ強力なスキル。 -消費が少ないものは「単体に大ダメージの物理技」「広範囲攻撃技」等の使いやすいものから、「味方全員を大回復」「全画面攻撃」等派手なものまで。 ''職業システム'' -キャラクターの性能に直接決める「主職業」、覚えたスキルを使用可能にする「副職業」、キャラクター固有で変更不可能な「固有職業」の3種が存在。 -主職業・副職業にセット可能なものは職業レベルを上げることで上位職に変更することが可能。 --例えば前衛職である「戦人(モノノフ)」をLv6まで上げると中級職「侍人(サムライ)」「弓人(ユミト)」が解禁される。 -純粋な下級・上級職の他、特定の中級・上級職のLvを上げることで解禁される特殊職も。 -固有職はキャラクターによって固定されており、そのキャラのおおまかな方針を決定付けている。 --例えばカグヤは主人公らしくある程度の攻撃・回復を行えるバランスタイプ、キンタロウはイメージ通りの前衛戦士タイプの攻撃技を覚える。 -また、各職業で体得したパッシブスキルは現在の主職業・副職業に関係なく3つまで装備可能。 --単純な能力アップから、反撃・反射ダメージ等も存在する。 **評価点 ''SRPGとしては万人向けの難易度'' -育成・戦略のバランスが良く、単純な力押しでは苦戦する歯応えのあるゲームバランスとなっている。 --上記通りけがれシステムが独自の駆け引きを生んでおり、うまくコントロールする必要性が出てくる。 -苦戦するのであればスキルを見直したり、やしろで行える依頼(フリーマップ)で貰える強力な装備で味方側を強くすることで突破可能。 -それでも厳しいのであればオプションで難易度を下げたり、無料DLCで確保できる救済装備を使うという手もある。 ''ユニットのカスタマイズ性は高い'' -基本の能力値はキャラクターごとにある程度決まっているものの、おおまかな能力の決定は主職業で決定される。~ このため、戦士タイプのキンタロウやカツラギを術師として育てたり、術師タイプのハナサカやアオメを戦士タイプに育てることも可能。 -この他、副職業やパッシブ装着で自分の望むようにカスタマイズできる。 ''独特な解釈・世界観は好評'' -日本神話+日本昔話というありそうであまりない世界観だが、うまくミックスされて調和がとれている。 -各種キャラクターの設定も独自解釈が利いていて面白いデザインが多い。 --例えば主人公のカグヤは「ツクヨミの娘かつイワナガとサクヤの妹((解釈によっては「コノハナノチルメ」の立ち位置となる。))で天真爛漫な勇者タイプ」という類を見ない設定。 --仲間キャラを例に挙げると、カツラギは童話「泣いた赤鬼」と渡来人の設定をうまくミックスさせている。 --その他「妙齢の女性になったハナサカ」「アマテラス・スサノオ・ツクヨミの兄弟設定が皆無」「モモタロウとウラシマが兄弟設定」といった独自過ぎるデザインも。 --昔話を代表する英雄、モモタロウはクールなライバル的立ち位置でカグヤ一向に立ち塞がる…のだが、今作のモモタロウは問題点が多いので後述。 -日本神話・昔話のお約束的なエピソードもしっかり取り入れている。 --例を挙げると「気は優しくて力持ちなキンタロウとクマのタッグ」「女好きなオオクニヌシ」「カメを助けて龍宮城へ出向く」等。 -竹安氏の描くボスモンスター「祟り神」のデザインも迫力があり好評。ゲーム中の至るところでパーティ達に立ち塞がる。 -坂本冬美氏の歌う主題歌や、佐野史郎氏による語りは世界観に合致していて好評。 **賛否両論点 ''SRPGとしての難易度は低い部類'' -キャラクター育成の自由度の高さや育成のし易さ、手に入る強力な装備やアイテムの存在からSRPGとしてはかなり難易度は低い。 -全体的に回復アイテムが強力で、スキルは攻撃や妨害・バフに振り分けても全く問題がない。 -やしろで貰える装備アイテムも強力なものがほとんどで、依頼をこなして育成と装備を整えるとサクサク進めることができる。 --あくまで「難易度を下げる要素が多い」ということであり、極端なヌルゲーというわけではない。特にボス戦では厄介な技を使う敵が多かったり、マップ構成が不利な状況から始まるというステージも多く、生半可な育成や戦略では突破できない。 ---特に後半のボスは厄介な異常状態を多く使うため、力押しがしづらくしっかりと対策が必要。 ''癖のあるキャラクターデザイン'' -竹安氏のモンスターデザインは上記通り好評だが、箕星氏の人間キャラクターのイラストやデザインは賛否が分かれる。 -カグヤ、サクヤ、イナバといった少女キャラはそこまでではないのだが、アオメ、ウズメ、サヨリと露出度が高い女性キャラについては批判の声が多い。 -男性キャラではキンタロウの立ち絵がポーズのせいで「常時鼻ほじってるみたいで変」とよく言われる。 ''演出面'' -ゲームシステムこそ「古き良き」といえるものであるが、グラフィックや演出面も前世代的…下手をするとPS2並で、かなり古臭い。 -エフェクト等は、シンプルにまとまっていてテンポを阻害してはいないのだが。 -ボイスパターンについても異様に少ない。汎用的キャラはともかく、味方キャラは攻撃や回復のスキルでボイスを増やしてよかったのではないのだろうか。 -BGMの質も低いわけではないのだが、曲数の少なさや、1ループの短さ等で、聴き続けると飽きやすいと言われている。 ''キャラクター間の格差が大きめ'' -職業システムである程度好きなキャラを使っていけるバランスになっているが、固有職の差が無視できるほど小さいものではなく、キャラ間の強さにはそれなりに差がある。 -強いと言われるのはカグヤとオオクニヌシ、次点でハナサカとウラシマ。 --カグヤは固有職のパッシブスキル「戦姫の才((Lv10になっている職業の数において全能力上昇。))」の上昇効率が異常に高く、何をやらせるにも最強クラス。「戦姫の才」の仕様から大器晩成型に見えるが、序盤は固有職で魔法攻撃・回復共に行えるため序盤の時点で主人公らしく万能に立ち回ることが可能。 --オオクニヌシも副主人公らしく攻撃・回復・援護を行える。カグヤと合わせて加入からほぼ強制出撃ということもあり、意図的に強くされたという可能性も。 --序盤で仲間になるハナサカはある程度のバフ・デバフ・攻撃魔法を覚え、''けがれが最大状態のデコイユニット召喚''する「苔人召喚」が非常に便利で、今作の肝であるけがれ管理を半分以上無視できる。そのまま術師系に育ててしまえば終盤まで第一線で戦える。 --ウラシマは中盤加入なものの、各種バフである「舞踊」系統と、高命中率を誇る全能力デバフ「厭かずの匣」が非常に使いやすく、こちらも援護キャラとして扱いやすい。 --その他、後半加入のイッスンやサクヤも強力と言われることも多いが「後半加入で育てるのが面倒」という問題点も。 -逆に弱いと言われるキャラがキンタロウとクマ、イナバ、カメの三動物。 --キンタロウは固有職のスキルが攻撃技ばかりで、最終的に上位職のスキルに食われる結果となる。動物キャラは固有スキルが異様に少なく、どれも「何かが超強化されてスキルが使用不可」と、スキルが重要な今作と全く噛み合っていない。 --但し、キンタロウとクマは初期メンバーということもあり仲間が揃うまでば前線で活躍する。イナバとカメも特殊な移動性能を持っており宝探しに活用できるという強みはある。戦闘面でイナバとカメの移動性能が活きるステージがないのが問題だが…。 ---キンタロウ、クマ、カメや後半加入で育てるタイミングがないイッスン、サクヤもゲームクリア後にプレイできる初回特典DLCの追加シナリオに強制出撃ということもあり、育てて損はない。但し、''イナバだけ出番が無いので更に不遇。'' -[[女尊男卑>スーパーファミコン ドラゴンクエストIII そして伝説へ…]]…というほどではないが、性別専用職業のうち「戦乙女」が基本能力・スキルの強さが両立しており非常に強力。逆に男性専用の「益荒男」は攻撃面は強力なもののMPが低く、スキルも癖があってやや使いづらい。 --結果的に、後半は「戦姫の才をつけた戦乙女カグヤが無双すればなんとかなる」と言えなくもないゲーム性になってしまう。 --極端な話、前述したイナバも戦乙女にしてしまえば十分戦力になる。 ''いわゆる「汎用ユニット」は作れない'' -あくまで「日本神話+昔話オールスター」という方向性のためか、味方側に汎用ユニットは作れない。 タイトルについて -個性的な和の世界観と相反して「GOD WARS」という陳腐なタイトルに疑問を持つプレイヤーも少なくない。 --『[[GOD OF WARシリーズ]]』と無駄に混合したりして紛らわしいという声も多い。 -安田氏曰くしっかり意味をもってこのタイトルにしたと答えている。 **問題点 ''全体的なボリューム不足感'' -今作のストーリー・ルートは完全に一本道で、本筋に関わるステージはそこまで多くない。上記通り、SRPGに慣れたプレイヤーならサクサク進めてしまう難易度調整ということもあり「ボリューム不足」という声が多い。 -やり込み要素といえる点がDLCコンテンツなしではやしろの依頼しかなく、報酬も「強力な装備品」であるため、「育てたキャラが腕を振るう」というシーンはないといっていい。 ---初回特典の追加シナリオDLCが有料であるものの購入可能になったり、大型追加シナリオが既に告知されている等、ある程度のフォローはされている。 ''ストーリーの問題点'' -世界観こそ緻密な設計となっているが、あらすじ自体は日本神話を完全になぞったもので、無難かつ面白みのないと言われている。 --日本神話を知るプレイヤーであれば、中盤ほどで黒幕の正体がわかってしまうのもマイナス。 -キャラクターの掘り下げがほとんどなされず、プレイヤーキャラについては「成り行きでついてくるだけ」NPCは「一言しゃべって終わり」というキャラクターの使い捨てがやや酷いものになっている。 --物語のほとんどがカグヤ、オオクニヌシ、ウラシマの3人で進んでしまい、他のキャラはたまに一言二言しゃべるだけでほぼ空気。初期メンバーかつ、一見重要な位置にいるキンタロウすら中盤以降出番が少ない。 -前述のモモタロウはその被害をもろに受けており、ライバルキャラ及びダークヒーローという面が弱く、単なるヒール…もっとひどく言えば「かませ」と言われてもおかしくない立ち位置になってしまっている。 --また、パッケージ裏側で主人公のような書かれ方をしているものの''本編中でプレイヤーキャラになることは一度もない''。((一応、NPCとして共闘するシーンはある。))前述もした大型追加シナリオでプレイヤーキャラとして昇格することはアナウンスされている。 ''クロスセーブが対応していない'' -PS4とPSVitaの2機種で発売されたが、何故かクロスセーブが対応していないため、PS4版の続きを外出中に楽しむことができず、PSVita版の続きを自宅で楽しむこともできない。 **総評 ゲームとしては歯応えのあるSRPGと独特な和の世界観の融合という、ありそうでなかった作品。~ SRPGとしては楽しめる内容なのだが、ストーリーが難有りでボリューム不足という2点が惜しい。~ ところどころ惜しい点はあるが「一昔前のSRPGを楽しみたい」「昔話や日本神話が好き」といったプレイヤーなら楽しめるであろう。 **余談 ''2度の発売延期'' -本来は2017年2月に発売予定だったが延期して4月予定に、そして2度目の延期で6月発売となった。 -発売前に出した体験版が「やたらと敵が回復行動を行う」というテンポが悪くストレスが溜まる仕様で、バランス調整に力を入れたとのこと。その分テンポやバランスはかなり向上している。 ''敵キャラクター「サルタヒコ」'' -中盤に出てくるボスキャラクターの一人で、日向の女王であるアマテラスの忠臣…とここまでなら日本神話通りの設定なのだが、演技があまりにも酷すぎる棒読みで話題になった。 -他の声優陣は人気の若手や、アニメや吹き替えでもよく耳にする実力派の役者で揃ってはいるので非常に落差が激しい。 --初登場シーンでは柿原徹也氏演じるウラシマと対話となるため、吹き出すプレイヤーが。 -それが原因か、公式サイトのキャラクター紹介で彼だけ声優の名前が記載されていない。 -登場ステージの難易度は高く、ボスとしての威厳は保っており、本筋でも重要な立ち位置にいるため「どうしてこうなったのか」という声が絶えない。 --が、現在では「''この独特な棒読みでないと味が出ない''」というプレイヤーもおり、謎の人気を確保している。 -病気療養中のはずの種田梨沙氏が何故かウズメを演じた。 ''その他'' -偶然か意図的か、「早見沙織氏演じる箕星氏デザインのヒロイン」という点で『ラブプラス』の高嶺愛花と被っている。

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