「サマーカーニバル'92 アルザディック」の編集履歴(バックアップ)一覧はこちら
追加された行は緑色になります。
削除された行は赤色になります。
*サマーカーニバル'92 アルザディック
【さまーかーにばるきゅうじゅうに あるざでぃっく】
|ジャンル|シューティング|~|
|対応機種|PCエンジン CD-ROM2|~|
|メディア|CD-ROM 1枚|~|
|発売・開発元|ナグザット|~|
|発売日|1992年7月17日|~|
|定価|2,980円|~|
|ポイント|お値段リーズナブル&br()ハイスコア目的に特化&br()烈火とは真逆の存在|~|
|>|CENTER:&color(black){サマーカーニバルシリーズ}&br()[[精霊戦士スプリガン]]/[[烈火>http://www23.atwiki.jp/ksgmatome/pages/402.html]]/''&color(black){アルザディック}''/ネクスザール|~|
**概要
-ナグザットが1991年から93年にかけてリリースした「サマーカーニバル」シリーズの一つ。あの伝説のファミコンソフト『サマーカーニバル'92 烈火』の姉妹作にあたる。
-当時のPCエンジンのソフトとしてはソフトの値段が破格の安さなのだが、実はこれには大きな理由が存在する。
-一人プレイ専用、ステージクリアの概念は存在しない(詳しくは下記、主なルールにて)
**主なルール
-自機の主な攻撃はショットとサブショットの二つ。
--ショットはステージ中に出現する4種類のアイテムを取る事により、専用の多方向ショットが撃てる。同じアイテムを連続で取ると最大二段階までパワーアップもする。また、アイテム取得中にダメージをもらうと、1ランクのパワーが下がる。
--サブショットはステージ開始前に4種類のものから選択可能。各ステージにて使用できるのは一回ぽっきりで、いわばボンバーに近い存在。
--他にもセレクトボタンにて4段階のスピード調整が可能。
-ゲームモードは主に4種類存在する。内容は以下の通り。
--スコアアタックモード…制限時間2分(オプション項目にて時間変更が可能)以内でどれだけのスコアを出せるかを競う。
--タイムアタックモード…スコア100万点に達するまで時間を競う。
--ビギナーアタックモード…取得スコアにランダム要素が絡み、腕前に関係なく高スコアを出せる可能性を持つ。競技方法はスコアアタックモードと同じ。
--ストーリーモード…ステージの前後に専用イベントが挟まれる。ストーリー(ステージ)を2種類から選べる。
-本作には原則としてハイスコアを目指す事を目的としたゲームであり、ステージ途中でも条件を満たすか、ゲームオーバーになれば強制終了となる仕掛けである。
**評価点
-概要でも述べた通り、ソフト価格が安い。当時のPCエンジンソフトの価格相場は大体は6,000円以上だった事を考えると、2,980円という価格設定は相当安価である。今でいうところのSIMPLEシリーズのルーツと呼べる存在かと。
-時間内にハイスコアを競うという目的上、短時間に非常にお手軽感覚でプレイできる。ロード時間も皆無。
-シューティングとしての基本的な作りはしっかりしている。敵破壊の爽快感はなかなかのもの。
-グラフィックはそこそこのレベル。多重スクロールやボス戦の演出などは結構凝ってる。
-BGMのクオリティは非常に高い。オプション項目にてサウンドテストも可能。
**問題点
-価格相当の薄さで、まとまったシューティングを求めると確実にクソゲーになると思われる。上記ルールにも述べたが、何といっても''ステージクリアの概念が無い''という時点でボリュームの少なさを露見しているようなものであろう。
--ステージの種類は「スコア」「タイム」「ビギナー」各モードの3つのみであり、これが本作のすべてのステージ収録という事になる。
--ストーリーモードも実は「スコア」「ビギナー」の完全使いまわしであり、専用ステージでもなんでもない。しかも、例によって条件を満たすと、ステージ途中でも強制的にゲーム終了(ステージクリア扱い)となり、絶対最後までプレイできない仕様となっている。ちょっとした体験版と同じ感覚といったところか…。
--さらにはストーリーモードのイベントも、「ステージ前後に文章が一枚ずつ表示されるだけ(しかも断片的で文章の状況が理解し辛い)」であり、全然ストーリーになっていない。はっきりいって、やっつけで入れたのがバレバレである。
**賛否が分かれそうな点
-やはり、ロープライス、ローボリュームなところだろうか。2,980円といえば聞こえはいいが、果たしてそれ分の価値があるのかどうかは非常に疑問だ。ソフト価格を倍額にしてでもまとまったステージや目的を入れて欲しかったという願いは当初から結構あった模様。
--ちなみにハイスコア目的専用のサマーカーニバルシリーズは本作のみであり、他3作はハイスコア目的+まとまったステージ構造を持つモードを持っていた。
-CD-ROM2の特権であるビジュアルシーンやボイスなどの演出は一切無く、ディスクメディアでリリースする意味が皆無である(せいぜいCD音源の恩威位しか特徴がない)。Huカードでも良かったんじゃね?と指摘される事が多かったが、上記の評価点に示した通り、ロード時間がほぼ無くプレイ環境が快適だった事を考えると、あながちCD-ROM2で出したのは間違いではなかったかも?という意見も聞かれる。
**総評
-本作は繰り返しプレイしてハイスコアを叩き出す楽しみを見出せるか否か、これによりその批評に転地の差が出るゲームであろう。
-シューティングとしては決して悪くはないので、お手軽にさくっとプレイしたい時にはプレイしておきたいゲームではある。
-ハードスペックの限界を超越した無茶っぷりと、自称「スーパーハードシューティング(スタッフロール画面にて表記されている)」としてあまりにも地獄の難易度を誇り、インパクトの面では凄まじかった『烈火』。クリアの概念もなく、敵もあまり大きな攻撃もしてこず、パワーアップアイテムが頻繁出現しミスする機会も少なく、ひたすらに安心で地味な性質を持つ本作。同じ年のサマーカーニバルシリーズなのに、両者の性質は180度違う方向性を持っているのが興味深い。
*サマーカーニバル'92 アルザディック
【さまーかーにばるきゅうじゅうに あるざでぃっく】
|ジャンル|シューティング|&amazon(B0000ZPVV8)|
|対応機種|PCエンジン CD-ROM2|~|
|メディア|CD-ROM 1枚|~|
|発売・開発元|ナグザット|~|
|発売日|1992年7月17日|~|
|定価|2,980円|~|
|判定|なし|~|
|ポイント|お値段リーズナブル&br()ハイスコア目的に特化&br()深刻なステージ不足|~|
|>|>|CENTER:&color(black){サマーカーニバルシリーズ}&br()[[精霊戦士スプリガン]]/[[烈火>サマーカーニバル'92 烈火]]/''&color(black){アルザディック}''/[[ネクスザールSP>ネクスザール]]|
|>|>|CENTER:''[[ナグザットSTGシリーズ]]''|
----
#contents(fromhere)
----
**概要
ナグザット(現:加賀テック)が1991年から1993年にかけてリリースしたPCエンジンソフト。『サマーカーニバルシリーズ』の一角にあたる縦スクロールシューティング。~
本作と同日に発売され、一部カルトな人気を誇るファミコンソフト『[[サマーカーニバル'92 烈火]]』の姉妹作にあたる。
地球連合軍防衛部隊「アルザディック」の主力戦闘機「プログレス」を操作し、敵である「バルデア軍」の最終防衛ラインの撃破に挑むというストーリー設定。
当時のPCEソフトとしては異色ともいえる安い定価だが、これには特別な事情がある。
一人プレイ専用。
----
**ゲームルール
-''操作体系''
--十字キーにてプログレス(以下:自機)の移動。ボタンは各自、ショットボタンとサブウエポンボタンに使用し、SELECTボタンも使用対象に含まれる。
---十字キーで8方向移動操作。
---ショットボタン押しっぱなしで連射性能に長けたショットを撃つ(ボタン連射は不要)。初期段階でのショットは前方2方向のみ。
---ストックのある状態でサブウエポンボタンを押すと「サブウエポン」を放出する。
---SELECTボタンで自機の移動速度を4段階まで調整できる。また、ボタンを押す度に自機後方へと発射される「バックファイヤー」に攻撃判定が発生する。
-''サブウエポンとショット性能について''
--各モードのステージが始まる前に4種類の「サブウエポン」を選び、1回だけステージ中に使用できる。
---どのサブウエポンも強力な性能であるが、ストックの増加ができないので"ここぞ"という場面の使用が推奨される。
--地上に配置されたアイテムキャリアーを破壊すると対応した「A」~「D」の4種類のプレートアイテムが出現し、それを取得すると自機のショット強化が行える。
---取得したアイテムによってショットの攻撃範囲が多方面へと変化する。連続で取得すると2段階までパワーアップし、フルパワー状態ではスコアボーナスが入る。
---本作のアイテムはこの4種がすべてであり、他のアイテムは存在しない。その代わりに破壊すると多大なスコアボーナスが入る地上物が頻繁に配置されている。
--以下、サブウエポンとショット性能の一覧を表記する。
#region(サブウエポン・ショット性能の一覧)
|>|BGCOLOR(#cccccc):CENTER:''サブウエポン''|~|
|CENTER:''TORRID FLASH''|画面内にいる空中物(敵)を全滅させる。|~|
|CENTER:''STRIKE FORM''|6連弾が発射され地上物を次々と破壊する。|~|
|CENTER:''ROLLING BUSTER''|4発の回転弾が発射され主に空中物(敵)を破壊する。|~|
|CENTER:''DOME BLAST''|広範囲爆弾が発射され地上物を破壊する。|~|
|>|BGCOLOR(#cccccc):CENTER:''アイテム・ショット性能''|~|
|CENTER:''Aプレート''|最大で自機の「前方2方向」「前方左右斜め1方向ずつ」「後方左右斜め1方向ずつ」にショットを撃つ。|~|
|CENTER:''Bプレート''|最大で自機の「前方2方向」「左右1方向ずつ」「後方2方向」にショットを撃つ。|~|
|CENTER:''Cプレート''|最大で自機の「前方2方向「前方左右斜め1方向ずつ」「左右1方向ずつ」にショットを撃つ。|~|
|CENTER:''Dプレート''|最大で自機の「前方2方向」「左右1方向ずつ」「後方左右斜め1方向ずつ」にショットを撃つ。|~|
#endregion
-''ミス条件について''
--残機制を採用しており、残機がすべてなくなるとゲームオーバー。ミス後は全モード共通で途中復活となる。
---自機が空中物や敵弾に触れるとダメージ。パワーアップ状態でダメージを受けるとパワーランクが1段階下がり、初期段階のダメージでミスとなる。
--ゲームシステムの関係上、コンティニューは存在しない。
**ゲームモード
-''スコアアタックモード''
--本モード専用のステージを舞台に、制限時間2分(デフォルト時)以内でどれだけのスコアを稼ぐかを競うモード。
---ゲームオーバーになるか制限時間を超えるとステージが終了し、ステージスコアとそれまでのハイスコアが表示される。
---制限時間はオプションで変更可能。
-''タイムアタックモード''
--本モード専用のステージ((厳密にいえばスコアアタックモードの延長版といえるステージ構造。))を舞台に、100万点を到達するまでのクリア時間を競うモード。
---100万点に到達するとステージが終了し、ステージクリアタイムと最速クリアタイムが表示される。
---ゲームオーバーになるか5分経過しても100万点に到達しないとリタイアとなり、クリアの記録がされないままステージ終了となる。
-''ビギナーアタックモード''
--もう一つのスコアアタックといえるモード。ステージ舞台は本モード専用となる。
---このモードでは入手スコアにランダム性が絡み、腕前によるスコア差が出にくい特徴がある。それ以外のルールはスコアアタックモードに準じる。
-''ストーリーモード''
--ステージ前後にイベントを交えてゲームを行うモード。
---「THE 14TH PLANET」と「BATTLE OF VALDER」どちらかのシナリオを選択できる。ステージ内容はビギナーアタックとスコアアタックの各モードの流用となる。
---各シナリオ共に1ステージ構成の疑似ステージクリア方式。制限時間は設けられておらず、特定条件を満たすとクリア名目でステージが強制終了する。
----
**評価点
-''お手頃な販売価格''
--概要でも述べた通り、本作の定価は数あるPCEソフトの中でもかなりのお手頃感があった。
---当時のPCEソフトの定価は6,000~7,000円台が相場だった事を考えると、2,980円という価格設定は極めて安価である。
---当然ながら安い理由には裏がある訳で素直に喜べるものではないが、そこそこ完成されたシューティングが低価格で遊べるというインパクトは大いにあったといえる。
-''敵を大量に破壊する楽しみ''
--ハイスコア特化のゲーム性だけあって、とにかく撃って撃ちまくって敵どもを破壊するという単純明快な面白さを堪能できる。
---各モードのプレイ時間は長くても5分なので、短時間でさくっとプレイするにはもってこいの内容といえる。
---適当に撃っているだけでも、画面内の破壊物が豪快な音と共に壊れる様が気持ちいい。ストレス発散としてプレイするのも十分ありだと思われる。
---もちろんスコア稼ぎのための攻略パターンを練らないと好成績には繋がらないので、本気で高嶺を目指すとなると相当のプレイスキルが必要となるだろう。
-''王道なグラフィックとオシャレなBGM周り''
--全編通して短いステージのSF空間でバトルが行われるため、グラフィック関連は地味な印象は拭えないが書き込みはしっかりとしている。
---素朴ながらも「これぞシューティング」というべき王道的なグラフィック使いで、良くいえば昔ながらの硬派な雰囲気が感じられる。
---オープニングデモで表示される様々なアングルから見た自機の絵柄が非常にかっこいい。また、ステージ内での多重スクロールやボス登場時の演出が結構凝っている。
--BGMはかっこよさとオシャレ感を両立させた感じの楽曲メインで、ゲームを大いに盛り上げてくれる。
---CD-ROM2の生音源で演奏されるBGMの数々はどれもクオリティが高い。嬉しい事に各モード別で専用楽曲が用意されており、その都度新鮮な気分でプレイができる。
**問題点
-''低価格相当のボリュームの薄さ''
--やはり低価格であるが故に、それに正比例したプレイボリュームの薄さはどうしても目についてしまう。
---事実上、スコアアタック・タイムアタック・ビギナーアタックの3モード(ステージ)しか収録されておらず、「ステージをクリアする」的なモードは未収録。
--収録する必要性が全く感じられないストーリーモードの存在意義についても批判が多い。
---ストーリーと銘打っているものの、その実態はステージ前後にストーリーの文章が数行表示されるだけで、ほとんどストーリー描写になっていない。
---ゲームとしてもビギナーアタックとスコアアタックにおける各モードのステージをそのまま流用しただけで、このモード専用のステージがない。
---しかも、どうプレイしても強制的にステージ終了となり、目的を達成したという実感もないままにストーリー文章が表示された後に終わってしまう。
--そもそも本作自体が「''1992年度におけるサマーカーニバルの競技用ゲーム''」として開発されており、それ以上の作り込みが想定されていない。
---定価が安い最大の理由がまさしくこれで、「安くするからまとまったボリュームは期待しないように」という意味を込めて発売されたというのが事情である。
----
**総評
シューティングとしては決して悪い出来ではなく、いかにハイスコアを出せるかという楽しみを見出せるのならばプレイの価値はあるだろう。~
まとまったボリュームは確実に期待できないので、そこをどう見るかで価値観が大きく変わるゲームといえる。
----
**余談
-ハイスコア特化専用のサマーカーニバルシリーズは本作のみであり、他の3作は「ハイスコア特化のモード」と「複数のステージをクリアしていくモード」を持っていた。
--他にシリーズものにおけるハイスコア特化専用として発売されたシューティングは、後にWiiウェアとして配信された『スターソルジャーR』がある。
//-近年相場が平均1,500円ほどと並の中古レトロゲームよりは高めになっている。
//近年での中古市場が高騰し定価越えしてる事がほとんど