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熱血硬派くにおくん - (2022/10/06 (木) 13:42:18) の最新版との変更点

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''本稿では、オリジナルのアーケード版及びそのファミコン移植版を併せて解説する。'' ---- #contents ---- *熱血硬派くにおくん 【ねっけつこうはくにおくん】 |ジャンル|アクション|#image(flyer0302.jpg,width=170,height=220)| |対応機種|アーケード|~| |販売・開発元|テクノスジャパン|~| |稼働開始日|1986年|~| |配信|バーチャルコンソール&br;【Wii】2012年3月6日/823Wiiポイント(税8%込)&br;アーケードアーカイブス&br;【PS4】2014年7月24日/838円(税10%込)&br;【Switch】2018年6月28日/838円(税10%込)|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| |>|>|CENTER:''[[くにおくんシリーズ]]''| ---- **概要 なぜか色々な悪人たちに絡まれる難儀な友人「ひろし」の敵討ちのために、熱血高校の番長「くにお」が戦うアクションゲーム。~ 後に同社が出した『[[ダブルドラゴン]]』、カプコンの『[[ファイナルファイト]]』などに代表される「ベルトスクロールアクション」の始祖となったゲームである。~ 本作自体はある程度左右に幅のある固定画面方式で、横スクロールアクションの要素はないが、集団を相手に格闘を駆使して立ち回るという基礎的な部分は既に確立されている。 **操作方法 -8方向レバー+左攻撃、ジャンプ、右攻撃の3ボタン制。 --左右いずれかの攻撃を取る際は、相手に対して体を前に向けている場合、前方に向かってパンチ、相手に背を向けている場合は後方に向かってキックを出して攻撃する。~ 攻撃のために方向転換をわざわざする必要がないのだが、操作感覚が独特なので少々慣れがいる。 --右のどちらかに2回レバーを倒すと、ダッシュ移動できる。 --相手に接近してレバーを前に入れて襟を掴んで動きを封じてみぞおちに連続で蹴りを入れたり、倒れた相手に馬乗りになってタコ殴りにするなど、攻撃方法も多彩である。 **特徴 -アイレムの『[[スパルタンX]]』のように人間同士が殴り合って戦うゲームであるが、本作には「奥行きのあるゲーム画面で、プレイヤーと複数の敵とが大立ち回りを演じる」という点に決定的な差異がある。 --スタイルとしては同社のプロレスゲー「エキサイティングアワー」に近いが、そちらがタイマン勝負であったのに対して本作は集団を相手に立ち回るゲームであり、羽交い絞めにされて他の敵に殴られる、服の襟を掴んで腹に膝をかます、倒れこんだ敵に馬乗りになってボコボコ殴る、など「ケンカ」らしさが存分に発揮されている。こういったアクションは、当時としては異例のものであった。 ---主人公の「くにお」はタイマンならばあらゆる敵を圧倒できる高性能なキャラであり、多少殴られた程度では気にせずに戦える。~ 本作は1対多数のゲームデザインである事から、高性能なキャラを操作して並みいる敵をなぎ倒していくというスタイルとなっている。このスタイルは姉妹作の『ダブルドラゴン』にも引き継がれた他、ベルトアクションゲームの基礎ともなっている。 -ライフ+残機制。制限時間が尽きる、敵の攻撃を受けてライフが0になった状態でダウンする、1面と2面でステージから落ちる、4面でドスや拳銃の攻撃を受けるとミスとなり残機が減ってやり直しとなる。~ 元々のライフが高めである故か、デフォルトの残機は0であるため、スコアによるエクステンド(1UP)をする前にミスをすると即ゲームオーバーとなる。 **戦いの流れとステージ構成 最初に前座のザコと戦い、人数が一定以下になると乱入してくるボスを倒せばクリアとなる。~ ボスを倒すと残ったザコは逃げていくが、敵が画面内から全ていなくなる前に時間切れになるとアウトとなってしまう。~ また、1面と2面のみリングアウトの概念があり、耐久値分の攻撃を当てなくても画面端に敵を突き落とせば倒した事になる。くにお自身が落下しても体力の有無に関わらず問答無用で即死となる。 #region(各面の詳細) -1面:駅構内 --駅のホームにたむろする「花園高校」の不良達が相手。学生服を着たリーゼント男と木刀で攻撃するスキンヘッド男を相手にする。 --リングアウトは駅のホームの下であり、ここから落ちると電車に轢かれる訳でもないのに即死となる(敵、くにお問わず)。 --ボス:花園高校の番長「りき」。くにおよりも早く拳を繰り出す「まっはぱんち」と襟掴み後の顔面パンチが特徴。後にくにおのライバルとして立ちはだかることになる。 -2面:港 --暴走族「横浜ファンキー((後のシリーズでは「ブルーエンペラー」に改名している))」と港で戦う。 --前半はバイクで突撃してくる相手をジャンプキックや後ろ蹴りで倒していく。後半は通常の格闘戦で、素手のグラサン男と鉄パイプを所持した鉢巻き男と戦う。 --リングアウトは左端の海であり、ジャンプキックや背負い投げなどで落とすと豪快な音とともに敵が沈む。 --ボス:特攻隊長((後のシリーズでは総長))の「しんじ」。回し蹴りが強力だが大して強くない。しかし前半で時間を使いすぎるとタイムオーバーになることも。 -3面:繁華街 --カバンやチェーンを持った「太陽学園」のスケバンたちが相手。 ---カバンを持ったスケバンは耐久力があるが、チェーンのセーラー服は耐久力が低く1度ダウンさせた時点で倒れる。 --このステージから全ての雑魚が武器持ちとなる為、ダメージを受けると必ずダウンしてしまう。 --ボス:「みすず」。くにおを有に超える身長とガタイの良さを誇る超巨大女((一応女性なのだが、倒した時は何故か男声でダウンする。この仕様は後の作品である『くにおたちの挽歌』でも再現されている。))((後年のドラマ版、舞台版のどちらでも演じているのはやはり”男性”。因みに舞台版で演じてるのはあの芸人のデッカチャンである。))。接近戦は言うに及ばず、耐久力にも優れるという最強キャラ。突進で距離を詰めた後、くにおの襟を掴んで身動きを封じてから繰り出す往復ビンタ攻撃が強烈で、1度食らうと体力数メモリ分を一気に持って行かれる。~ このステージでは雑魚が弱い分、みすずの強さが際立っており、いかに素早くみすずとのタイマンに持ち込むかが鍵となっている。 -4面:暴力団事務所前及び事務所内部(2エリア構成) --暴力団「三和会」の組員と戦う。前半戦は暴力団の手下であるザコのみが相手となり、後半戦は最初からボスが襲ってくる。 --ザコのドス攻撃を食らうと体力の残量に関わらず一撃で即死となってしまうため、これまでのステージに比べて一気に難易度が跳ね上がり、慎重な立ち回りが求められる。しかも''全員がドス持ちかつ即死攻撃しかしてこないので、体力ゲージの意味はない''に等しい。 ---このステージに限ってはミスをした時の音声がボスの啖呵ではなく、''「くにお」の悲鳴''となっており、もはや不良のケンカではなく''殺るか殺られるかの真剣勝負''である事を思わせる生々しい演出になっている。 --ボス:暴力団組長「さぶ」。事務所内部での勝負。これまでのボスに比べ体力は低めだが、手下の雑魚のドスに紛れて''一撃で即死となる拳銃攻撃''を使ってくる。制限時間も厳しいので正確に立ち回らないと非常に厳しい。 4面をクリアするとエンディングとなり、''デモで刺されたはずの「ひろし」が元気な姿で現れ、''高校の仲間たちの祝福の中、くにおと熱い友情の握手を交わすエンディングシーンとなる。~ その後、2周目に突入し、以後、難易度が上がっていく。 #endregion ボタンが3つあってやや操作が複雑なのと、立ち回りに工夫がいるのとで慣れが必要だが、思い通りに敵を捌けるようになるとスイスイ進めるだろう。 ---- **評価点 -制作者の学生時代が反映されたという、80年代のツッパリ文化をモチーフにした個性的な世界観。 --制作者の岸本良久氏は、学ランを着て喧嘩に明け暮れる学生時代を送っていた((氏曰く、集団で悪さをする族は嫌いだったので、たまにそれらを苛めていたとか…。))といい、その経験を基に、喧嘩の手ごたえを感じられるゲームを作りたいと、本格的な肉弾戦がテーマの本作を企画したという。 --格闘がメインのアクションゲームというのは今では珍しくはなくなったが、当時の時代としては画期的であり、~ 更に、高校という身近な舞台にした学園もので、更に80年代当時のツッパリ文化というエッセンスを用いた昭和の青春漫画的作風の本作は、まさに「喧嘩するゲーム」を体現した作品といえる。後の同ジャンル作品でもなかなか見られない、ユニークで個性的な世界観である。 --ゲーム終了後のハイスコア入力もひらがなで入力でき、順位も「裏番」「総番」という具合に世界観に沿ったものになっている。 ---''禁止用語''を入れると強制的に名前が''なめるなよ''にされてしまう要素もあり。 -敵の動きのリアリティ --複数の敵がいる場合、一人だけが執拗にこちらの背後に回り込もうとしてきたり、無暗に攻撃を繰り返すと即座に間合いを離すもの、仲間が馬のりにされたり、襟掴みを受けていた場合に攻撃して邪魔をしてくるものなど、集団のケンカを意識したリアリティ溢れる動きを繰り出してくる。 --「間合い」を意識して戦わなければなす術もなく翻弄されてしまうが、間合いを制して一方的に敵を殴る爽快感はかなりもの。~ まさに「見るだけのケンカはもう飽きた」のキャッチコピーに違わぬプレイ感覚を味わわせてくれる。 -グラフィック自体はやや大味であるが、大きめに描かれた人間がケンカする様は十分、迫力に溢れている。 --馬乗りパンチをかける度に殴られた敵の首の向きが変わるのも秀逸、連続で殴りつけると独特の爽快感が味わえる。 -BGMは80年代のツッパリ文化のノリを表現した横浜銀蠅((80年代に活動したロックバンド。「暴走族」「ツッパリ」などの80年代当時の若者風俗の風潮に乗って大ブレイクした。))調のロックで統一されており、不良同士のケンカという雰囲気を作り出している。 --SEはやや迫力不足だが、ミス時や掴まれた時などにボスキャラクターが音声付で凄んだり、襟掴み投げの際の「おりゃあっ!」やみすずの往復ビンタ攻撃の際の凄味を聞かせた「なめてんじゃねーぞ!」、クレジット投入時の「がんばってね」など、音声面での演出もインパクト大。~ ボイス自体も明瞭で聞き取りやすく、質がいい。 -1面ごとに友人の「ひろし」が熱血高校の前で敵にタコ殴りにされてノックアウトされるデモが出るのだが、その相手が「近隣高校の番長」→「ゾク」→「スケバン」と来て、最終的には何故か社会の敵である「暴力団」が出てくるというスケールのでかい展開に。この演出は後の『熱血硬派シリーズ』でも定番化された。 --見せしめのように毎回ノックアウトされる「ひろし」だが、''そのステージにおける敵の攻撃方法をあらかじめ見せてくれる''という親切(?)設計。~ 実際、3面と4面では「カバン」や「ドス」でデモと同様に一撃でダウンを取られてしまう他、2周目以降はデモなしでスタートする。 **問題点 -86年当時では仕方がないとはいえ、全4面の無限ループは少しボリュームが薄い。 -残機設定をいじってもゼロか1しかない。またエクステンドは1回こっきり。 --ステージ構成の短さの兼ね合いかもしれないが、慣れるまではそれなりに難しいので少々厳しい。 -最終面の難易度 --最終面の暴力団員は前述の通り即死武器(ドス)を持っている。ドスを振りかぶる→突き刺すの動作がオーバーなので動きは読みやすいが、うっかり襟をつかんだり、馬乗りになった隙に別の暴力団員から後ろから刺されるという事故が多発する。~ ラスボス「さぶ」は唯一の遠距離攻撃となる拳銃をぶっ放し、撃たれるとやはり即死である。その分、懐に潜られると弱いのだが。 ---アーケードゲームである以上、インカムの都合もある為にある面を境に難易度が高くなるのは致し方ないが、最終面に突入した途端に''ダメージを受ける事すら許されない''(1面と2面もステージから転落すると即死だが)というのはやや尖りすぎている。 ---- **総評 生身の人間同士が拳で殴りあって喧嘩する醍醐味をゲームに落とし込んで再現しつつ、80年代のツッパリ文化という独特な世界観をまぶした、まさに80年代ならではのノリとテイストに溢れる個性豊かな1作。~ ボリュームがやや薄いのが残念なところであるが、本作が後のベルトスクロールアクションの原型となったことを鑑みるに、ゲーム史における1つの大きなターニングポイントとなった作品であるのは間違いないだろう。 ---- **移植 -&bold(){ファミリーコンピュータ版(1987年4月17日)} --ハードの制約上、ACそのままの迫力を再現とまではいかないが、様々な追加要素が施されたアレンジ移植となっている。 ---詳細は[[下記を参照>熱血硬派くにおくん#id_9087673c]]。 -&bold(){セガ・マスターシステム版(1993年)} --国内未発売。海外版の『RENEGADE』としての発売だが、移植内容はファミコン版に準拠している。 -&bold(){プレイステーション2版(2006年1月26日)} --『オレたちゲーセン族』シリーズの1つとして移植されたが、移植担当メーカーの問題ある態度により、いろいろと不具合のある劣化移植になってしまった。 -&bold(){バーチャルコンソール版} --&bold(){AC版}(配信開始日:2012年3月6日 / 配信元:D4エンタープライズ) --&bold(){ファミコン版}(配信開始日:2008年3月18日 / 配信元:アークシステムワークス) -&bold(){Windows版} --D4エンタープライズが運営する『プロジェクトEGG』にて、ファミコン版・アーケード版、海外アーケード版『RENEGADE』が配信されている。いずれもミリオン名義。 -&bold(){携帯版} --ウェブドゥジャパンなどによりゲームサイトからコンテンツが配信されアプリがダウンロードできる他、クルーズがソーシャルゲームをモバゲータウンに提供している。 -&bold(){熱血硬派くにおくん すぺしゃる(3DS 2011年12月15日)} --シリーズ25周年記念作品として制作された初代AC版のリメイク作。ダウンタウンシリーズの流れを組んでキャラクターは全てSD化されており、様々な追加ステージが存在する。 --アーケードモード、ストーリーモード、バトルロイヤル、ミッションモードの4つのモードが搭載されており、ストーリーモードではAC版のストーリーを掘り下げたシナリオが描かれる。オリジナルAC版のスタッフも関わっている。 ---[[詳細は当該記事を参照。>熱血硬派くにおくん すぺしゃる]] -&bold(){プレイステーション4版(2014年7月24日)/SWITCH版(2018年6月28日)} --「アーケードアーカイブス」の1つとして配信。 -&bold(){Retro-bit Generations 3(2017年12月23日)} --ステートセーブを本体や別売りのSDカードにセーブ可能。 //--ステートセーブをSDカードにセーブできるが、高価である。中古販売品もプレミアが付いてより高くなっている。 //この手の内臓ゲーム機としては値段は別に高くなく、2022年現在もプレミアはついておらず普通に購入可能。 ---- **その後の展開 その後「くにおくん」シリーズはテクノスジャパンを代表する人気シリーズとなる。~ しかし「くにお」自身は喧嘩よりも専ら様々なスポーツにいそしむことになり、[[ドッジボール部の活動>熱血高校ドッジボール部]]や[[ダウンタウンの抗争>ダウンタウン熱血物語]]を経て「熱血硬派の不良」と言うより「ハチャメチャなスポーツマン」というイメージが定着していった。~ その理由は岸本氏によると、本作で大方の強敵に勝利してしまった為、喧嘩の相手がいなくなったからであるとの事。~ これにより、くにおくんシリーズは本作の流れを汲む硬派な喧嘩アクション「熱血硬派シリーズ」、ドッジボールを始めとする様々なスポーツにいそしむ「スポーツシリーズ」、個性的でハチャメチャな学生達を描く「ダウンタウンシリーズ」に分岐していく事になる。~ ~ -1面のボスだった「りき」も改心し、後に「くにおくん」シリーズの名ライバル役兼2Pキャラとして、くにおに付き合いスポーツに喧嘩に活躍して行く。 --更に2面のボス「しんじ」、3面のボス「みすず」、そしてラスボスの「さぶ」は『[[新・熱血硬派 くにおたちの挽歌]]』・『[[くにおの熱血闘球伝説>SUPER DODGE BALL]]』(※日本未発売)にて再びくにお&りきの前に立ちはだかることとなる。そして「しんじ」「みすず」は長き時を経て『[[熱血硬派くにおくんSP 乱闘協奏曲]]』にて「りき」に続く「くにお」の相棒に。「さぶ」は「くにお」の最大の敵として対峙し続けるのだった。 --「ひろし」も多くのシリーズに登場し、スポーツ系作品ではチームメイトとして活躍、喧嘩アクションでは殴られ役になったりくにおの舎弟になったりメッセンジャー的役割になったりと様々な設定でくにおの友人として登場している。 ---- **余談 -タイトル名はコナミの『[[新入社員とおるくん]]』が元ネタである。当初は『熱血硬派』というタイトルで発売予定だったが、それだと堅苦しいので、「くにお」の名前自体は当時のテクノスジャパン社長、瀧邦夫氏から取られた((小学館から出版されたSFC用ソフト『初代熱血硬派くにおくん』攻略本のインタビュー記事による。))。 --「りき」のモデルは岸本氏の地元で最も恐れられていた不良のりきさん。「みすず」は岸本氏の地元に実在した喧嘩が強くてデカいブスな女子高生がモデルで、製作中にその人物と漫画『嗚呼!!花の応援団』の同名キャラが重なった事で生まれたとか。 -海外版はタイトーアメリカから『RENEGADE(裏切り者)』の題で出されている。 --基本的な内容は日本国内版と同じだが、友人の敵討ちというテーマが削除された((海外版ではステージ開始前のデモが削除されている。))上キャラの外見がほぼ一新されており、ストリートギャングの抗争風に変更されている。~ それに伴いエンディングは''主人公の彼女が迎えに来てくれる''シーンに変更された。%%一部で性転換した「ひろし」とネタにされている。%% --アメリカの人に「ツッパリ」とか「スケバン」とか説明しても理解を得られないだろうから、仕方がないと言える。~ ただし、「みすず」の服装と最終面の暴力団員の肌色以外変わっておらず、更に「さぶ」はそのまんまである。こちらも主にプレイ動画では海外に移住した「さぶ」とネタにされている。 --他にも体力ゲージの名前が「1P」と「BOSS」で固定されていたり、背景のグラフィックに至っては2面の港に停まっている「竹槍マフラーの族車」だけはそのまんまだったりと無国籍感を漂わせている。 --『アーケードアーカイブス』では『熱血硬派くにおくん』と配信中のテクノスジャパン作品2種類を購入すると海外アーケード版『RENEGADE』が非売品として配信されている。 -このゲームの広告にはくにおと敵キャラ一同が描かれているが、1人謎の人物がいる。 --くにおから向かってすぐ左の「眉毛のない茶色に黄色い輪の模様の服を着た男」は本編未登場((髪型は2面ボスのしんじが近いが、こっちは水色の襟付き服を着ている。))。~ この絵を描き直したこのゲームのサウンドストーリーの箱絵(「りきの子分(スキンヘッド)」が追加)にもいるのだが、いったい何者なのだろうか… -2004年に平和からパチンコ機「CR熱血硬派くにおくん」として登場(残念ながら既にこの頃にはテクノスジャパンは倒産していた)。 --上記機種が導入された頃は「確率変動割合50%撤廃」で有名な規則改正の直後だった中「確変割合50%」の旧規則で作られていたことも災いして人気は得られなかった。もちろんそれ以外にも問題山積みだったが… -2013年に全13話で実写ドラマ化され、DVDも発売されている。 --世界観のベースは前述の『すぺしゃる』だが、他のシリーズ作品の要素やオリジナルキャラなどを取り入れた独自の物語になっている。作風はコメディ調ながら、不良の物語だけあって相応にシリアス描写も存在する。 --「くにお」以外のレギュラーは「りき」、「ひろし」、「みさこ((元々は『熱血高校ドッジボール部 サッカー編』のキャラだが、その後のシリーズでもちょくちょく登場し、『すぺしゃる』では本編のキャラとして追加。以降は熱血硬派シリーズのヒロイン的存在となっている。))」、オリキャラの「田所」。回が進むと「みすず」「しんじ」「きょうこ((『新・熱血硬派くにおたちの挽歌』で初登場した、熱血硬派シリーズにおける「りき」の恋人。))」などの熱血硬派キャラの他、スポーツシリーズ、ダウンタウンシリーズのキャラも登場した。「さぶ」は勿論、最大の宿敵として登場。 ---但し、実写ドラマという性質上、登場人物の外見は一部を除いてゲームと大きく変わっている。 -2018年には『熱血硬派くにおくん 乱闘演舞編』のタイトルで舞台化もされた。 --こちらも熱血硬派シリーズをベースにしつつダウンタウンシリーズのキャラも登場させているが、ドラマと違って役者の外見もかなり本編のキャラに近付けている。また、ドット絵調の小道具と言ったゲーム的演出をそのまま舞台演劇に持ち込むなど、くにおらしいぶっ飛んだ内容となっている。 ---- *熱血硬派くにおくん (ファミコン) 【ねっけつこうはくにおくん】 |ジャンル|アクション|&amazon(B000068HK5)| |対応機種|ファミリーコンピュータ|~| |販売・開発元|テクノスジャパン|~| |発売日|1987年4月17日|~| |定価|5,300円|~| |配信|バーチャルコンソール&br;【Wii】2008年3月18日/514Wiiポイント(税8%込)&br;【3DS】2013年4月3日/524円(税10%込)&br;【WiiU】2014年1月15日/524円(税10%込)|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| |ポイント|さらにぶっとんだ展開|~| |>|>|CENTER:''[[くにおくんシリーズ]]''| ---- **概要(FC) ファミコンに移植された「熱血硬派くにおくん」。~ アーケードとファミコンのスペックの差を考慮し、様々な追加要素が施されたアレンジ移植となっている。~ **ストーリー >熱血高校に通うヒロシは、いつもみんなにいじめられていた。~ そんなある日、一人の男が転校してきた。~ 彼の名はくにお!!生まれながらの熱血硬派である。~ 見た目はこわいが、弱い者いじめが大キライな心やさしい男である。~ いつのまにか二人は、親友となっていくのであった。~ ところが、ある日ヒロシが何者かに誘拐されてしまったのだ。~ くにおは、ヒロシを救いだすためたちあがった。~ (FC版説明書より引用) **変更点 -操作の変更 --ハードの都合上、ジャンプボタンが廃止され、攻撃ボタンのみになった。ただしABボタン同時押しでジャンプキックが出せるため、従来の操作から大きな変更はない。 -アイテムの追加 --特定の条件を満たすとステージ中にアイテムが出現することがあり、様々な効果が得られるようになった。 ---''P'':取ると一定時間、「くにお」が点滅し、攻撃した相手が''マンガのように吹っ飛んでいく''ようになり、リングアウトを狙いやすくなる。ただし自身の無敵効果はないので注意。 ---''ハート'':取ると1UP。相手に腰掛けしないと出てこないが、特定の法則にしたがって何度も出す事が出来るので残機を稼げるようになっている。但し129人以上増やすと1度ミスしただけでゲームオーバーとなってしまう(これは"スーパーマリオブラザー"などと同様2進数の仕様のため)。 ---''おにぎり'':取ると体力回復。特定のタイミングで壁にジャンプキックをすると出現。 ---''S'':後述のバイクシーンのみ登場、取るとターボ状態になり、Bボタンを押す事でハイスピードでぶっちぎり敵に当たると一撃で倒す事が出来る。 -難易度 --3段階の難易度が用意されており、難易度によって敵の体力が増す他、ステージの背景が変わる(LEVEL:1→昼、LEVEL:2→夕方、LEVEL:3→夜)といった変化がみられる。~ この演出は[[次作>熱血高校ドッジボール部]]の一部モードでも導入している。 -演出 --ステージ中でミスをするとアーケード版ではボスの音声ボイスで罵られていたが、ファミコンでは音声ボイスがカットされた都合上、~ 真っ黒な画面に敵の啖呵が字幕で表示されるという形になった。 ---ステージをクリアした際は劇画調のくにおの顔グラフィックが現れ、敵に対して啖呵を切り、逆にボスとのタイマンに負けると、劇画調のボスの顔グラフィックが表示され啖呵を切られる。 ---アーケード版では啖呵のなかった「くにお」と「さぶ」にも新たに啖呵が追加されている。 ---この演出により、ミスをした際のインパクトの強さをファミコンなりに表現できている。 -ステージの内容の追加 --ステージのおおむねの流れはアーケード版と同じだがそれぞれのステージに追加要素があり、1画面で完結しなくなっている。 --特にボスとはタイマン勝負になり、複数の雑魚を相手にしながらボスと戦う事はなくなった。 ***ステージの変更 #region(各面の変更点) -1面:新宿駅 -駅構内でケンカをするのは同じだが、全滅させた後に電車に乗り、電車の中でもケンカを繰り広げるステージが追加された。 また全面共通で1画面クリアする毎にタイムと体力が全回復するようになった。 -2面:港 -アーケード版では「最初にバイクに乗った敵を蹴り落としてから通常通りの雑魚戦」の流れだったが順序が逆になり、最後に蹴り落としたバイクに乗ってボス戦の開始地点まで爆走する''バイクチェイスステージ''が追加された --高速スクロールする画面で、相手のバイクをひたすら蹴りでふっとばしていくというハチャメチャなものであり、『新・熱血硬派 くにおたちの挽歌』でも同様のシーンがある。 ---蹴っ飛ばされたバイクは''ライダーごと木っ端微塵に爆発する''。敵に蹴られてライフがなくなったり画面下部の崖から落ちるとバイクごと爆発しミスになってしまう。 -3面:繁華街 --ステージ分岐が分岐が追加された。雑魚を全滅させた後に2つの扉に入れるようになり、選択次第で戦う相手が変化する。 --片方はバーの中でひたすら雑魚を相手に戦い、もう片方は和室内で「みすず」とタイマン勝負する。 ---その為、選択次第では「みすず」が全く登場せずにゲームをクリアする事が可能。「みすず」はAC版同様に最強クラスに強いため、強敵を相手にするか回避するかという選択肢が与えられている。 -4面:暴力団事務所 -ドスを持った暴力団員は登場しなくなり、これまでのステージの雑魚を相手にするものになっている。 --事務所内は雑魚を全滅させる毎にいくつかの扉が開き、分岐していくという迷路状になっている。 --この迷路は非常に迷いやすく、道を間違えると3面のバーへ戻されたり、いくつか前の部屋へ戻されたりとマッピングが必須のものとなっている。 ---この仕様変更により、''室内なのにバイクを乗り回す雑魚''や''何故か増殖した「りき」2人''と同時に戦うというツッコミどころ満載の展開になっている。 ---また、難易度によって部屋の構成が変わり、高難易度になるほどボスの「さぶ」の部屋へ行くのに多くの部屋を通らなければならない。~ 同時に部屋の内容も''6人の「りき」や「しんじ」''を相手にしたり、「みすず」を3回連続で倒さないといけない%%ネタステージ%%厳しいものになっていく ---ボスの「さぶ」はやはり拳銃装備、ここまで来て''即死させられるとキツい''ので注意して倒そう。~ なお、ファミコン版ではさぶの拳銃が唯一の即死攻撃である(1面と2面の転落死を除く)。 アーケード版では懐に入ると弱かったのだが、ファミコン版では迂闊に近づくと「ヤクザキックで怯まされた上に''拳銃で即死''」という鬼畜コンボを使う他、拳銃の弾速も上がり、かなり強くなっている。~ ちなみに高難易度だと「さぶ」も増(ry #endregion ---- **評価点(FC) -ストーリーやゲーム性はアーケードとは異なる展開だが、変更された分、原作以上のハチャメチャぶりでよりぶっ飛んだ方向へパワーアップしており、新たな魅力となっている。 --移植に伴って追加された「電車内でのケンカ」や「バイクチェイスシーン」は以後のリメイクにも採用されており、定番化している。 -バイクチェイスやエンディング等追加されたBGMの質が高い -アーケード版に比べてとっつきやすくなった部分 --アイテムの追加により、より遊びやすくなった。とくに何度でもエクステンドが出来るようになっているのはありがたい。~ 裏技でステージセレクトも可能。 --場面が切り替わる度に体力が全快するのでそれぞれの場面を全力で挑める。 -アーケード版よりもフレームレートが高く、なめらかに動いている。 **問題点(FC) -同時に出る敵の人数が3人に減り、大勢を相手にケンカするという醍醐味が失われてしまった --ボスもタイマンになりアーケード版より強化されているが、まわりの強い取り巻きを先に倒しておくといった特有の立ち回りが無くなり、戦略性がなくなってしまっている。 -キャラクターのグラフィックも小さくなって迫力が損なわれている。 -ジャンプキック無双 --アーケード版よりも敵の反応が鈍くなったためにアーケード版で強力だったジャンプキックがより強化され、ボスを含む全ての敵がジャンプキック一本で何とかなるようになっている。 ---ただし、高難易度になるとジャンプキックだけでは時間制限に間に合わずにミスになりがちなので「ダッシュパンチ」や「馬乗りパンチ」などを駆使する必要がある。 -4面の迷路の難易度 --最低難易度のLEVEL1でも、初見ではマッピングは必至な構造となっており、ひとつ間違えると何度も増殖したボスと戦わされる事になり、テンポを損なってしまう。 --クローン化したボスは強さもそのままな上に体力ゲージが表示されないので倒し時がわかりづらく、難易度が高い。 ---- **総評(FC) アーケードとファミコンのスペックの差ゆえに完全移植は無理だったもののアーケード版の雰囲気を残しつつ、様々な追加要素で劣化部分を補っている。~ ステージ後半の迷路要素などに若干の難はあるが、操作性、ゲーム性の両面で原作を著しく損ねてしまった部分もなく、ハードにあわせて程よいアレンジの効いた良移植といって差し支えないだろう。 特に今作でパワーアップしたぶっとんだノリは今後もシリーズの定番として受け継がれていく事になる。 ---- **その後の展開(FC) -海外ファミコンNESでも『RENEGADE』が移植された。 --主な変更点は上記海外アーケード版の通りだが、キャラクターに名前が付き主人公が「''Mr. K''」でボスはそれぞれ「''Jack''」「''Joel''」「''Kim''」でありラスボスの「''Sabu''」はこちらではスーツの色が緑に変更されている。~ アイテムはおにぎりからハンバーガーに変更された。説明書でもhamburgerと書かれているが''その写真はどう見てもおにぎりである。''(なおその説明書には''ステージセレクトの裏技も堂々と載っている。'') --アーケード版の彼女が迎えにくるシーンがカットされており、ラスボスを倒すと即スタッフロールに入ってしまう。 --さらに海外限定で続編として『Target: Renegade』が発売されている。~ 開発は『[[ソルスティス>ソルスティス 三次元迷宮の狂獣]]』のSoftware CreationsでBGMもTim Follinが担当している。
''本稿では、オリジナルのアーケード版及びそのファミコン移植版を併せて解説する。'' ---- #contents ---- *熱血硬派くにおくん 【ねっけつこうはくにおくん】 |ジャンル|アクション|#image(flyer0302.jpg,width=170,height=220)| |対応機種|アーケード|~| |販売元|タイトー|~| |開発元|テクノスジャパン|~| |稼働開始日|1986年5月|~| |配信|バーチャルコンソール&br;【Wii】2012年3月6日/823Wiiポイント(税8%込)&br;アーケードアーカイブス&br;【PS4】2014年7月24日/838円(税10%込)&br;【Switch】2018年6月28日/838円(税10%込)|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| |>|>|CENTER:''[[くにおくんシリーズ]]''| ---- **概要 なぜか色々な悪人たちに絡まれる難儀な友人「ひろし」の敵討ちのために、熱血高校の番長「くにお」が戦うアクションゲーム。~ 後に同社が出した『[[ダブルドラゴン]]』、カプコンの『[[ファイナルファイト]]』などに代表される「ベルトスクロールアクション」の始祖となったゲームである。~ 本作自体はある程度左右に幅のある固定画面方式で、横スクロールアクションの要素はないが、集団を相手に格闘を駆使して立ち回るという基礎的な部分は既に確立されている。 **操作方法 -8方向レバー+左攻撃、ジャンプ、右攻撃の3ボタン制。 --左右いずれかの攻撃を取る際は、相手に対して体を前に向けている場合、前方に向かってパンチ、相手に背を向けている場合は後方に向かってキックを出して攻撃する。~ 攻撃のために方向転換をわざわざする必要がないのだが、操作感覚が独特なので少々慣れがいる。 --左右のどちらかに2回レバーを倒すと、ダッシュ移動できる。ダッシュ中に進行方向の攻撃ボタンを押すとダッシュパンチが出せる。 --相手に接近してレバーを前に入れて襟を掴んで動きを封じてみぞおちに連続で蹴りを入れたり、倒れた相手に馬乗りになってタコ殴りにするなど、攻撃方法も多彩である。 **特徴 -アイレムの『[[スパルタンX]]』のように人間同士が殴り合って戦うゲームであるが、本作には「奥行きのあるゲーム画面で、プレイヤーと複数の敵とが大立ち回りを演じる」という点に決定的な差異がある。 --スタイルとしては同社のプロレスゲー「エキサイティングアワー」に近いが、そちらがタイマン勝負であったのに対して本作は集団を相手に立ち回るゲームであり、羽交い絞めにされて他の敵に殴られる、服の襟を掴んで腹に膝をかます、倒れこんだ敵に馬乗りになってボコボコ殴る、など「ケンカ」らしさが存分に発揮されている。こういったアクションは、当時としては異例のものであった。 ---主人公の「くにお」はタイマンならばあらゆる敵を圧倒できる高性能なキャラであり、多少殴られた程度では気にせずに戦える。~ 本作は1対多数のゲームデザインである事から、高性能なキャラを操作して並みいる敵をなぎ倒していくというスタイルとなっている。このスタイルは姉妹作の『ダブルドラゴン』にも引き継がれた他、ベルトアクションゲームの基礎ともなっている。 -ライフ+残機制。制限時間が尽きる、敵の攻撃を受けてライフが0になった状態でダウンする、1面と2面でステージから落ちる、4面でドスや拳銃の攻撃を受けるとミスとなり残機が減ってやり直しとなる。~ 元々のライフが高めである故か、デフォルトの残機は0であるため、スコアによるエクステンド(1UP)をする前にミスをすると即ゲームオーバーとなる。 **戦いの流れとステージ構成 最初に前座のザコと戦い、人数が一定以下になると乱入してくるボスを倒せばクリアとなる。~ ボスを倒すと残ったザコは逃げていくが、敵が画面内から全ていなくなる前に時間切れになるとアウトとなってしまう。~ また、1面と2面のみリングアウトの概念があり、耐久値分の攻撃を当てなくても画面端に敵を突き落とせば倒した事になる。くにお自身が落下しても体力の有無に関わらず問答無用で即死となる。 #region(各面の詳細) -1面:駅構内 --駅のホームにたむろする「花園高校」の不良達が相手。学生服を着たリーゼント男と木刀で攻撃するスキンヘッド男を相手にする。 --リングアウトは駅のホームの下であり、ここから落ちると電車に轢かれる訳でもないのに即死となる(敵、くにお問わず)。 --ボス:花園高校の番長「りき」。くにおよりも早く拳を繰り出す「まっはぱんち」と襟掴み後の顔面パンチが特徴。後にくにおのライバルとして立ちはだかることになる。 -2面:港 --暴走族「横浜ファンキー((後のシリーズでは「ブルーエンペラー」に改名している))」と港で戦う。 --前半はバイクで突撃してくる相手をジャンプキックや後ろ蹴りで倒していく。後半は通常の格闘戦で、素手のグラサン男と鉄パイプを所持した鉢巻き男と戦う。 --リングアウトは左端の海であり、ジャンプキックや背負い投げなどで落とすと豪快な音とともに敵が沈む。 --ボス:特攻隊長((後のシリーズでは総長))の「しんじ」。回し蹴りが強力だが大して強くない。しかし前半で時間を使いすぎるとタイムオーバーになることも。 -3面:繁華街 --カバンやチェーンを持った「太陽学園」のスケバンたちが相手。 ---カバンを持ったスケバンは耐久力があるが、チェーンのセーラー服は耐久力が低く1度ダウンさせた時点で倒れる。 --このステージから全ての雑魚が武器持ちとなる為、ダメージを受けると必ずダウンしてしまう。 --ボス:「みすず」。くにおを有に超える身長とガタイの良さを誇る超巨大女((一応女性なのだが、倒した時は何故か男声でダウンする。この仕様は後の作品である『くにおたちの挽歌』でも再現されている。))((後年のドラマ版、舞台版のどちらでも演じているのはやはり”男性”。因みに舞台版で演じてるのはあの芸人のデッカチャンである。))。接近戦は言うに及ばず、耐久力にも優れるという最強キャラ。突進で距離を詰めた後、くにおの襟を掴んで身動きを封じてから繰り出す往復ビンタ攻撃が強烈で、1度食らうと体力数メモリ分を一気に持って行かれる。~ このステージでは雑魚が弱い分、みすずの強さが際立っており、いかに素早くみすずとのタイマンに持ち込むかが鍵となっている。 -4面:暴力団事務所前及び事務所内部(2エリア構成) --暴力団「三和会」の組員と戦う。前半戦は暴力団の手下であるザコのみが相手となり、後半戦は最初からボスが襲ってくる。 --ザコのドス攻撃を食らうと体力の残量に関わらず一撃で即死となってしまうため、これまでのステージに比べて一気に難易度が跳ね上がり、慎重な立ち回りが求められる。しかも''全員がドス持ちかつ即死攻撃しかしてこないので、体力ゲージの意味はない''に等しい。 ---このステージに限ってはミスをした時の音声がボスの啖呵ではなく、''「くにお」の悲鳴''となっており、もはや不良のケンカではなく''殺るか殺られるかの真剣勝負''である事を思わせる生々しい演出になっている。 --ボス:暴力団組長「さぶ」。事務所内部での勝負。これまでのボスに比べ体力は低めだが、手下の雑魚のドスに紛れて''一撃で即死となる拳銃攻撃''を使ってくる。制限時間も厳しいので正確に立ち回らないと非常に厳しい。 4面をクリアするとエンディングとなり、''デモで刺されたはずの「ひろし」が元気な姿で現れ、''高校の仲間たちの祝福の中、くにおと熱い友情の握手を交わすエンディングシーンとなる。~ その後、2周目に突入し、以後、難易度が上がっていく。 #endregion ボタンが3つあってやや操作が複雑なのと、立ち回りに工夫がいるのとで慣れが必要だが、思い通りに敵を捌けるようになるとスイスイ進めるだろう。 ---- **評価点 -制作者の学生時代が反映されたという、80年代のツッパリ文化をモチーフにした個性的な世界観。 --制作者の岸本良久は、学ランを着て喧嘩に明け暮れる学生時代を送っていた((彼曰く、集団で悪さをする族は嫌いだったので、たまにそれらを苛めていたとか…。))といい、その経験を基に、喧嘩の手ごたえを感じられるゲームを作りたいと、本格的な肉弾戦がテーマの本作を企画したという。 --格闘がメインのアクションゲームというのは今では珍しくはなくなったが、当時の時代としては画期的であり、~ 更に、高校という身近な舞台にした学園もので、更に80年代当時のツッパリ文化というエッセンスを用いた昭和の青春漫画的作風の本作は、まさに「喧嘩するゲーム」を体現した作品といえる。後の同ジャンル作品でもなかなか見られない、ユニークで個性的な世界観である。 --ゲーム終了後のハイスコア入力もひらがなで入力でき、順位も「裏番」「総番」という具合に世界観に沿ったものになっている。 ---''禁止用語''を入れると強制的に名前が''なめるなよ''にされてしまう要素もあり。 -敵の動きのリアリティ --複数の敵がいる場合、一人だけが執拗にこちらの背後に回り込もうとしてきたり、無暗に攻撃を繰り返すと即座に間合いを離すもの、仲間が馬のりにされたり、襟掴みを受けていた場合に攻撃して邪魔をしてくるものなど、集団のケンカを意識したリアリティ溢れる動きを繰り出してくる。 --「間合い」を意識して戦わなければなす術もなく翻弄されてしまうが、間合いを制して一方的に敵を殴る爽快感はかなりもの。~ まさに「見るだけのケンカはもう飽きた」のキャッチコピーに違わぬプレイ感覚を味わわせてくれる。 -グラフィック自体はやや大味であるが、大きめに描かれた人間がケンカする様は十分、迫力に溢れている。 --馬乗りパンチをかける度に殴られた敵の首の向きが変わるのも秀逸、連続で殴りつけると独特の爽快感が味わえる。 -BGMは80年代のツッパリ文化のノリを表現した横浜銀蠅((80年代に活動したロックバンド。「暴走族」「ツッパリ」などの80年代当時の若者風俗の風潮に乗って大ブレイクした。))調のロックで統一されており、不良同士のケンカという雰囲気を作り出している。 --SEはやや迫力不足だが、ミス時や掴まれた時などにボスキャラクターが音声付で凄んだり、襟掴み投げの際の「おりゃあっ!」やみすずの往復ビンタ攻撃の際の凄味を聞かせた「なめてんじゃねーぞ!」、クレジット投入時の「がんばってね」など、音声面での演出もインパクト大。~ ボイス自体も明瞭で聞き取りやすく、質がいい。 -1面ごとに友人の「ひろし」が熱血高校の前で敵にタコ殴りにされてノックアウトされるデモが出るのだが、その相手が「近隣高校の番長」→「ゾク」→「スケバン」と来て、最終的には何故か社会の敵である「暴力団」が出てくるというスケールのでかい展開に。この演出は後の『熱血硬派シリーズ』でも定番化された。 --見せしめのように毎回ノックアウトされる「ひろし」だが、''そのステージにおける敵の攻撃方法をあらかじめ見せてくれる''という親切(?)設計。~ 実際、3面と4面では「カバン」や「ドス」でデモと同様に一撃でダウンを取られてしまう他、2周目以降はデモなしでスタートする。 **問題点 -86年当時では仕方がないとはいえ、全4面の無限ループは少しボリュームが薄い。 -残機設定をいじってもゼロか1しかない。またエクステンドは1回こっきり。 --ステージ構成の短さの兼ね合いかもしれないが、慣れるまではそれなりに難しいので少々厳しい。 -最終面の難易度 --最終面の暴力団員は前述の通り即死武器(ドス)を持っている。ドスを振りかぶる→突き刺すの動作がオーバーなので動きは読みやすいが、うっかり襟をつかんだり、馬乗りになった隙に別の暴力団員から後ろから刺されるという事故が多発する。~ ラスボス「さぶ」は唯一の遠距離攻撃となる拳銃をぶっ放し、撃たれるとやはり即死である。その分、懐に潜られると弱いのだが。 ---アーケードゲームである以上、インカムの都合もある為にある面を境に難易度が高くなるのは致し方ないが、最終面に突入した途端に''ダメージを受ける事すら許されない''(1面と2面もステージから転落すると即死だが)というのはやや尖りすぎている。 ---- **総評 生身の人間同士が拳で殴りあって喧嘩する醍醐味をゲームに落とし込んで再現しつつ、80年代のツッパリ文化という独特な世界観をまぶした、まさに80年代ならではのノリとテイストに溢れる個性豊かな1作。~ ボリュームがやや薄いのが残念なところであるが、本作が後のベルトスクロールアクションの原型となったことを鑑みるに、ゲーム史における1つの大きなターニングポイントとなった作品であるのは間違いないだろう。 ---- **移植 -&bold(){ファミリーコンピュータ版(1987年4月17日)} --ハードの制約上、ACそのままの迫力を再現とまではいかないが、様々な追加要素が施されたアレンジ移植となっている。 ---詳細は[[下記を参照>熱血硬派くにおくん#id_9087673c]]。 -&bold(){セガ・マスターシステム版(1993年)} --国内未発売。海外版の『RENEGADE』としての発売だが、移植内容はNES版に準拠している。 -&bold(){プレイステーション2版(2006年1月26日)} --『オレたちゲーセン族』シリーズの1つとして移植されたが、移植担当メーカーの問題ある態度により、いろいろと不具合のある劣化移植になってしまった。 -&bold(){バーチャルコンソール版} --&bold(){AC版}(配信開始日:2012年3月6日 / 配信元:D4エンタープライズ) --&bold(){ファミコン版}(配信開始日:2008年3月18日 / 配信元:アークシステムワークス) -&bold(){Windows版} --D4エンタープライズが運営する『プロジェクトEGG』にて、ファミコン版・アーケード版、海外アーケード版『RENEGADE』が配信されている。いずれもミリオン名義。 -&bold(){携帯版} --ウェブドゥジャパンなどによりゲームサイトからコンテンツが配信されアプリがダウンロードできる他、クルーズがソーシャルゲームをモバゲータウンに提供している。 -&bold(){熱血硬派くにおくん すぺしゃる(3DS 2011年12月15日)} --シリーズ25周年記念作品として制作された初代AC版のリメイク作。ダウンタウンシリーズの流れを組んでキャラクターは全てSD化されており、様々な追加ステージが存在する。 --アーケードモード、ストーリーモード、バトルロイヤル、ミッションモードの4つのモードが搭載されており、ストーリーモードではAC版のストーリーを掘り下げたシナリオが描かれる。オリジナルAC版のスタッフも関わっている。 ---[[詳細は当該記事を参照。>熱血硬派くにおくん すぺしゃる]] -&bold(){プレイステーション4版(2014年7月24日)/SWITCH版(2018年6月28日)} --「アーケードアーカイブス」の1つとして配信。 ---Switch版では海外版の『RENEGADE』も収録されている。 -&bold(){Retro-bit Generations 3(2017年12月23日)} --ステートセーブを本体や別売りのSDカードにセーブ可能。 //--ステートセーブをSDカードにセーブできるが、高価である。中古販売品もプレミアが付いてより高くなっている。 //この手の内蔵ゲーム機としては値段は別に高くなく、2022年現在もプレミアはついておらず普通に購入可能。 ---- **その後の展開 その後「くにおくん」シリーズはテクノスジャパンを代表する人気シリーズとなる。~ しかし「くにお」自身は喧嘩よりも専ら様々なスポーツにいそしむことになり、[[ドッジボール部の活動>熱血高校ドッジボール部]]や[[ダウンタウンの抗争>ダウンタウン熱血物語]]を経て「熱血硬派の不良」と言うより「ハチャメチャなスポーツマン」というイメージが定着していった。~ その理由は岸本によると、本作で大方の強敵に勝利してしまった為、喧嘩の相手がいなくなったからであるとの事。~ これにより、くにおくんシリーズは本作の流れを汲む硬派な喧嘩アクション「熱血硬派シリーズ」、ドッジボールを始めとする様々なスポーツにいそしむ「スポーツシリーズ」、個性的でハチャメチャな学生達を描く「ダウンタウンシリーズ」に分岐していく事になる。~ ~ -1面のボスだった「りき」も改心し、後に「くにおくん」シリーズの名ライバル役兼2Pキャラとして、くにおに付き合いスポーツに喧嘩に活躍して行く。 --更に2面のボス「しんじ」、3面のボス「みすず」、そしてラスボスの「さぶ」は『[[新・熱血硬派 くにおたちの挽歌]]』・『[[くにおの熱血闘球伝説>SUPER DODGE BALL]]』(※日本未発売)にて再びくにお&りきの前に立ちはだかることとなる。そして「しんじ」「みすず」は長き時を経て『[[熱血硬派くにおくんSP 乱闘協奏曲]]』にて「りき」に続く「くにお」の相棒に。「さぶ」は「くにお」の最大の敵として対峙し続けるのだった。 --「ひろし」も多くのシリーズに登場し、スポーツ系作品ではチームメイトとして活躍、喧嘩アクションでは殴られ役になったりくにおの舎弟になったりメッセンジャー的役割になったりと様々な設定でくにおの友人として登場している。 ---- **余談 -タイトル名はコナミの『[[新入社員とおるくん]]』が元ネタである。当初は『熱血硬派』というタイトルで発売予定だったが、それだと堅苦しいので、「くにお」の名前自体は当時のテクノスジャパン社長、瀧邦夫から取られた((小学館から出版されたSFC用ソフト『初代熱血硬派くにおくん』攻略本のインタビュー記事による。))。 --「りき」のモデルは岸本の地元で最も恐れられていた不良のりきさん。「みすず」は岸本の地元に実在した喧嘩が強くてデカいブスな女子高生がモデルで、製作中にその人物と漫画『嗚呼!!花の応援団』の同名キャラが重なった事で生まれたとか。 -海外版はタイトーアメリカから『RENEGADE(裏切り者)((元の意味は「反教者」という意味だが、転じてスラングとしては「反逆者」「ならず者」「アウトロー」といった意味でも使われる))』の題で出されている。 --基本的な内容は日本国内版と同じだが、友人の敵討ちというテーマが削除された((海外版ではステージ開始前のデモが削除されている。))上キャラの外見がほぼ一新されており、ストリートギャングの抗争風に変更されている。~ それに伴いエンディングは''主人公の彼女が迎えに来てくれる''シーンに変更された。%%一部で性転換した「ひろし」とネタにされている。%% --アメリカの人に「ツッパリ」とか「スケバン」とか説明しても理解を得られないだろうから、仕方がないと言える。~ ただし、「みすず」の服装と最終面の暴力団員の肌色以外変わっておらず、更に「さぶ」はそのまんまである。こちらも主にプレイ動画では海外に移住した「さぶ」とネタにされている。 --他にも体力ゲージの名前が「1P」と「BOSS」で固定されていたり、背景のグラフィックに至っては2面の港に停まっている「竹槍マフラーの族車」だけはそのまんまだったりと無国籍感を漂わせている。 --『アーケードアーカイブス』PS4版では『熱血硬派くにおくん』と配信中のテクノスジャパン作品2種類を購入すると海外アーケード版『RENEGADE』が非売品として配信されている。 --その後、『RENEGADE』は本家テクノスジャパンの手を離れ、Ocean Softwareの手によって海外独自のシリーズとしてさらに2作がリリースされている。 -このゲームの広告にはくにおと敵キャラ一同が描かれているが、1人謎の人物がいる。 --くにおから向かってすぐ左の「眉毛のない茶色に黄色い輪の模様の服を着た男」は本編未登場((髪型は2面ボスのしんじが近いが、こっちは水色の襟付き服を着ている。))。~ この絵を描き直したこのゲームのサウンドストーリーの箱絵(「りきの子分(スキンヘッド)」が追加)にもいるのだが、いったい何者なのだろうか… -2004年に平和からパチンコ機「CR熱血硬派くにおくん」として登場(残念ながら既にこの頃にはテクノスジャパンは倒産していた)。 --上記機種が導入された頃は「確率変動割合50%撤廃」で有名な規則改正の直後だった中「確変割合50%」の旧規則で作られていたことも災いして人気は得られなかった。もちろんそれ以外にも問題山積みだったが… -2013年に全13話で実写ドラマ化され、DVDも発売されている。 --世界観のベースは前述の『すぺしゃる』だが、他のシリーズ作品の要素やオリジナルキャラなどを取り入れた独自の物語になっている。作風はコメディ調ながら、不良の物語だけあって相応にシリアス描写も存在する。 --「くにお」以外のレギュラーは「りき」、「ひろし」、「みさこ((元々は『熱血高校ドッジボール部 サッカー編』のキャラだが、その後のシリーズでもちょくちょく登場し、『すぺしゃる』では本編のキャラとして追加。以降は熱血硬派シリーズのヒロイン的存在となっている。))」、オリキャラの「田所」。回が進むと「みすず」「しんじ」「きょうこ((『新・熱血硬派くにおたちの挽歌』で初登場した、熱血硬派シリーズにおける「りき」の恋人。))」などの熱血硬派キャラの他、スポーツシリーズ、ダウンタウンシリーズのキャラも登場した。「さぶ」は勿論、最大の宿敵として登場。 ---但し、実写ドラマという性質上、登場人物の外見は一部を除いてゲームと大きく変わっている。 -2018年には『熱血硬派くにおくん 乱闘演舞編』のタイトルで舞台化もされた。 --こちらも熱血硬派シリーズをベースにしつつダウンタウンシリーズのキャラも登場させているが、ドラマと違って役者の外見もかなり本編のキャラに近付けている。また、ドット絵調の小道具と言ったゲーム的演出をそのまま舞台演劇に持ち込むなど、くにおらしいぶっ飛んだ内容となっている。 ---- *熱血硬派くにおくん (ファミコン) 【ねっけつこうはくにおくん】 |ジャンル|アクション|&amazon(B000068HK5)| |対応機種|ファミリーコンピュータ|~| |販売・開発元|テクノスジャパン|~| |発売日|1987年4月17日|~| |定価|5,300円|~| |配信|バーチャルコンソール&br;【Wii】2008年3月18日/514Wiiポイント(税8%込)&br;【3DS】2013年4月3日/524円(税10%込)&br;【WiiU】2014年1月15日/524円(税10%込)|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| |ポイント|さらにぶっとんだ展開|~| |>|>|CENTER:''[[くにおくんシリーズ]]''| ---- **概要(FC) ファミコンに移植された「熱血硬派くにおくん」。~ アーケードとファミコンのスペックの差を考慮し、様々な追加要素が施されたアレンジ移植となっている。~ **ストーリー >熱血高校に通うヒロシは、いつもみんなにいじめられていた。~ そんなある日、一人の男が転校してきた。~ 彼の名はくにお!!生まれながらの熱血硬派である。~ 見た目はこわいが、弱い者いじめが大キライな心やさしい男である。~ いつのまにか二人は、親友となっていくのであった。~ ところが、ある日ヒロシが何者かに誘拐されてしまったのだ。~ くにおは、ヒロシを救いだすためたちあがった。~ (FC版説明書より引用) **変更点 -操作の変更 --ハードの都合上、ジャンプボタンが廃止され、攻撃ボタンのみになった。ただしABボタン同時押しでジャンプキックが出せるため、従来の操作から大きな変更はない。 -アイテムの追加 --特定の条件を満たすとステージ中にアイテムが出現することがあり、様々な効果が得られるようになった。 ---''P'':取ると一定時間、「くにお」が点滅し、攻撃した相手が''マンガのように吹っ飛んでいく''ようになり、リングアウトを狙いやすくなる。ただし自身の無敵効果はないので注意。 ---''ハート'':取ると1UP。特定のザコに腰掛けしないと出てこないが、何度も出す事が出来るので無限に残機を稼げるようになっている。但し129人以上増やすと1度ミスしただけでゲームオーバーとなってしまう(これは[[スーパーマリオブラザーズ]]などと同様2進数の仕様のため)。 ---''おにぎり'':取ると体力回復。特定のタイミングで壁にジャンプキックをすると出現。 ---''S'':後述のバイクシーンのみ登場、取るとターボ状態になり、Bボタンを押す事でハイスピードでぶっちぎり敵に当たると一撃で倒す事が出来る。 -難易度 --3段階の難易度が用意されており、難易度によって敵の体力が増す他、ステージの背景が変わる(LEVEL:1→昼、LEVEL:2→夕方、LEVEL:3→夜)といった変化がみられる。~ この演出は[[次作>熱血高校ドッジボール部]]の一部モードでも導入している。 -演出 --ステージ中でミスをするとアーケード版ではボスの音声ボイスで罵られていたが、ファミコンでは音声ボイスがカットされた都合上、~ 真っ黒な画面に敵の啖呵が字幕で表示されるという形になった。 ---ステージをクリアした際は劇画調のくにおの顔グラフィックが現れ、敵に対して啖呵を切り、逆にボスとのタイマンに負けると、劇画調のボスの顔グラフィックが表示され啖呵を切られる。 ---アーケード版では啖呵のなかった「くにお」と「さぶ」にも新たに啖呵が追加されている。 ---この演出により、ミスをした際のインパクトの強さをファミコンなりに表現できている。 -ステージの内容の追加 --ステージのおおむねの流れはアーケード版と同じだがそれぞれのステージに追加要素があり、1画面で完結しなくなっている。 --特にボスとはタイマン勝負になり、複数の雑魚を相手にしながらボスと戦う事はなくなった。 ***ステージの変更 #region(各面の変更点) -1面:新宿駅 -駅構内でケンカをするのは同じだが、全滅させた後に電車に乗り、電車の中でもケンカを繰り広げるステージが追加された。 また全面共通で1画面クリアする毎にタイムと体力が全回復するようになった。 -2面:港 -アーケード版では「最初にバイクに乗った敵を蹴り落としてから通常通りの雑魚戦」の流れだったが順序が逆になり、最後に蹴り落としたバイクに乗ってボス戦の開始地点まで爆走する''バイクチェイスステージ''が追加された --高速スクロールする画面で、相手のバイクをひたすら蹴りでふっとばしていくというハチャメチャなものであり、『新・熱血硬派 くにおたちの挽歌』でも同様のシーンがある。 ---蹴っ飛ばされたバイクは''ライダーごと木っ端微塵に爆発する''。敵に蹴られてライフがなくなったり画面下部の崖から落ちるとバイクごと爆発しミスになってしまう。 -3面:繁華街 --ステージ分岐が分岐が追加された。雑魚を全滅させた後に2つの扉に入れるようになり、選択次第で戦う相手が変化する。 --片方はバーの中でひたすら雑魚を相手に戦い、もう片方は和室内で「みすず」とタイマン勝負する。 ---その為、選択次第では「みすず」が全く登場せずにゲームをクリアする事が可能。「みすず」はAC版同様に最強クラスに強いため、強敵を相手にするか回避するかという選択肢が与えられている。 -4面:暴力団事務所 -ドスを持った暴力団員は登場しなくなり、これまでのステージの雑魚を相手にするものになっている。 --事務所内は雑魚を全滅させる毎にいくつかの扉が開き、分岐していくという迷路状になっている。 --この迷路は非常に迷いやすく、道を間違えると3面のバーへ戻されたり、いくつか前の部屋へ戻されたりとマッピングが必須のものとなっている。 ---この仕様変更により、''室内なのにバイクを乗り回す雑魚''や''何故か増殖した「りき」2人''と同時に戦うというツッコミどころ満載の展開になっている。 ---また、難易度によって部屋の構成が変わり、高難易度になるほどボスの「さぶ」の部屋へ行くのに多くの部屋を通らなければならない。~ 同時に部屋の内容も''6人の「りき」や「しんじ」''を相手にしたり、「みすず」を3回連続で倒さないといけない%%ネタステージ%%厳しいものになっていく ---ボスの「さぶ」はやはり拳銃装備、ここまで来て''即死させられるとキツい''ので注意して倒そう。~ なお、ファミコン版ではさぶの拳銃が唯一の即死攻撃である(1面と2面の転落死を除く)。 アーケード版では懐に入ると弱かったのだが、ファミコン版では迂闊に近づくと「ヤクザキックで怯まされた上に''拳銃で即死''」という鬼畜コンボを使う他、拳銃の弾速も上がり、かなり強くなっている。~ ちなみに高難易度だと「さぶ」も増(ry #endregion ---- **評価点(FC) -ストーリーやゲーム性はアーケードとは異なる展開だが、変更された分、原作以上のハチャメチャぶりでよりぶっ飛んだ方向へパワーアップしており、新たな魅力となっている。 --移植に伴って追加された「電車内でのケンカ」や「バイクチェイスシーン」は以後のリメイクにも採用されており、定番化している。 --電車内やバイクチェイスで追加されたBGMも良曲である。 //バイクチェイスやエンディング等追加されたBGMの質が高い //FCエンディング曲はアーケード版デモ画面のBGMであり、新規の曲ではない -アーケード版に比べてとっつきやすくなった部分 --アイテムの追加により、より遊びやすくなった。とくに何度でもエクステンドが出来るようになっているのはありがたい。~ 裏技でステージセレクトも可能。 --場面が切り替わる度に体力が全快するのでそれぞれの場面を全力で挑める。 -アーケード版よりもフレームレートが高く、なめらかに動いている。 **問題点(FC) -同時に出る敵の人数が3人に減り、大勢を相手にケンカするという醍醐味が失われてしまった --ボスもタイマンになりアーケード版より強化されているが、まわりの強い取り巻きを先に倒しておくといった特有の立ち回りが無くなり、戦略性がなくなってしまっている。 -キャラクターのグラフィックも小さくなって迫力が損なわれている。 -ジャンプキック無双 --アーケード版よりも敵の反応が鈍くなったためにアーケード版で強力だったジャンプキックがより強化され、ボスを含む全ての敵がジャンプキック一本で何とかなるようになっている。 ---ただし、高難易度になるとジャンプキックだけでは時間制限に間に合わずにミスになりがちなので「ダッシュパンチ」や「馬乗りパンチ」などを駆使する必要がある。 -4面の迷路の難易度 --最低難易度のLEVEL1でも、初見ではマッピングは必至な構造となっており、ひとつ間違えると何度も増殖したボスと戦わされる事になり、テンポを損なってしまう。 --クローン化したボスは強さもそのままな上に体力ゲージが表示されないので倒し時がわかりづらく、難易度が高い。 ---- **総評(FC) アーケードとファミコンのスペックの差ゆえに完全移植は無理だったもののアーケード版の雰囲気を残しつつ、様々な追加要素で劣化部分を補っている。~ ステージ後半の迷路要素などに若干の難はあるが、操作性、ゲーム性の両面で原作を著しく損ねてしまった部分もなく、ハードにあわせて程よいアレンジの効いた良移植といって差し支えないだろう。 特に今作でパワーアップしたぶっとんだノリは今後もシリーズの定番として受け継がれていく事になる。 ---- **その後の展開(FC) -海外ファミコンNESでも『RENEGADE』が移植された。 --主な変更点は上記海外アーケード版の通りだが、キャラクターに名前が付き主人公が「''Mr. K''」でボスはそれぞれ「''Jack''」「''Joel''」「''Kim''」でありラスボスの「''Sabu''」はこちらではスーツの色が緑に変更されている。~ アイテムはおにぎりからハンバーガーに変更された。説明書でもhamburgerと書かれているが''その写真はどう見てもおにぎりである。''(なおその説明書には''ステージセレクトの裏技も堂々と載っている。'') --アーケード版の彼女が迎えにくるシーンがカットされており、ラスボスを倒すと即スタッフロールに入ってしまう。 --さらに海外限定で続編として『Target: Renegade』が発売されている。~ 開発は『[[ソルスティス>ソルスティス 三次元迷宮の狂獣]]』のSoftware CreationsでBGMもTim Follinが担当している。 -永らく『熱血硬派くにおくん』の海外版は『RENEGADE』という図式だったが『くにおくん ザ・ワールド クラシックスコレクション』の海外版となる『Double Dragon & Kunio-kun Retro Brawler Bundle』において日本版11本のゲーム全てがローカライズされ『熱血硬派くにおくん』も『Nekketsu Renegade Kunio-kun』として英語表記で遊べるようになっている。

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