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*ダークエスケープ3D 【だーくえすけーぷすりーでぃー】 |ジャンル|ガンシューティング| |対応機種|アーケード| |発売元|バンダイナムコゲームス| |開発元|ネクスエンタテインメント| |稼動開始日|2012年7月| |分類|BGCOLOR(khaki):''ゲームバランスが不安定''| |ポイント|演出や美麗なグラフィックだけは秀逸&br;100円玉を食い尽くす極悪難易度&br;胸糞エンドしかない| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 バンダイナムコゲームスから発売された、固定銃座タイプの3Dホラーガンシューティングゲーム。~ リアルかつ美麗なグラフィックに加えて、臨場感を上乗せする5つの「恐怖ギミック」を実装しており、演出面のレベルは非常に高い。~ これらの要素に引き込まれたプレイヤー達が、『''レッツゴージャングル''』などで痛い目に遭ったガンシューター達やバンナムアンチなどからの制止を他所に、期待に胸を膨らませて筐体にコインを入れた。~ ……が、''案の定別の方向性でプレイヤーは大きな恐怖を味わう''事となった……。~ **ストーリー 拉致されて知らない場所で目覚めた主人公(達)は、自分と同じく拉致されてきた少女と出会う。~ そこで突然モニターがONになり、画面越しに仮面の男が現れて、生きて自分の元へと到達すれば解放する条件で「ゲーム」を強要する。~ 身柄を解放してもらう為その場に用意された銃を手に取り、主人公と少女は化け物の徘徊する危険地帯からの脱出を図る……。~ **登場人物 -少女 --主人公が目覚めた監獄で知り合った少女にして本作のヒロイン。ゲームを攻略し脱出するという共通の目的を達成するために一緒に行動する……''のだが。'' -仮面の男 --モニター越しに主人公達にゲームを強要し、行く先々の監視カメラで主人公達を観戦している男。常にピエロの様な仮面をつけている為にその素顔を見ることは出来ない。物語の舞台が化け物の巣窟と化している原因について非常に詳しい様子だが……。 **5つの恐怖ギミック 筐体内部には、ゲームの臨場感を盛り上げる為の5つのギミックが実装されている。 -ビビリ検知システム --ゲーム中の要所要所にある特定の場面にて、銃座のグリップ部分に搭載されたセンサーで心拍数を計測しビビった回数をカウントする。 --各ステージクリア後のリザルト画面にてビビった回数を発表し、規定回数以上ビビった場合に((2人プレイなら多くビビった方のプレイヤーが対象となる。))応じて「恐怖のお仕置き」が執行される。 -3D映像 --美麗なフルポリゴンをリアルタイムで処理できるのが凄まじいが、筐体付属の3Dメガネを装着することで、それを立体映像で見られるので更に臨場感が増す。 --3Dメガネはかなり余裕のある造りになっているので、通常の眼鏡の上にも無理なく装着出来る。筐体のボタンで任意に2D表示に切り替えるのも可能。 -恐怖のシート --ゲームの場面に連動して、プレイヤーが座っているシートが振動する。ビビリ検知システムで述べた恐怖のお仕置きもこれにより行われる。%%お仕置きと呼ぶにはヌル過ぎるが。%% -2種類のエアー --眼前にクリーチャーの顔面が迫る場面に連動する・インターバルでプレイヤーの不安を煽るなどの用途に合わせて、前後からエアーが吹き付けられる。 -新設計5.1chサラウンド --プレイヤー背後のリアスピーカーを含む7つのスピーカー+ウーハーによる立体音響。音質のリアルさもさることながら、耳元で聞こえるリアスピーカーからの呻きや雄叫びが、プレイヤーの恐怖と緊張を引き立てる。 **ステージ 道中はゾンビやクリーチャーが跋扈しており、最後にはボスも用意されている。 -''監獄:動く死体の恐怖'' --主人公たちが目覚めた場所。本作におけるチュートリアルステージであり明確にボスと言える敵は登場しないが、特定の弱点(サイト)を狙い撃たないと倒せないゾンビが他のステージより多く登場する。 --また、チュートリアルに位置するためか、他の3つのステージを最初に選ぶとこのステージは自動で攻略済みとなる。 -''処刑場:暗闇の恐怖'' --拷問器具の様なものが並び、ステージ最奥のボス戦が行われる場所はまるで闘技場のようになっている。 --このステージでのみ出現する両生類%%やフルフル%%を思わせる4足歩行のクリーチャーの巣と化しており、ここではゾンビよりも多く出現し襲い掛かってくる。 -''山小屋:追い詰められる恐怖'' --廃屋に逃げ込んで籠城戦を挑むも、すぐにバリケードを突破されて大量のゾンビがなだれ込んでくる。 --このステージではボスを除けばゾンビしか出現しないが、その空きを埋めるかのごとくゾンビが立て続けに目の前に現れる。 --ボスまでの道のりが短く敵もゾンビのみの為か、処刑場・研究所と比べると難易度は低めとされている。 -''研究所:群がる虫の恐怖'' --クリーチャーの研究所へと踏み込んだ主人公達は、おびただしい数の蜘蛛を基にした化け物に遭遇する。 --このステージでのみ登場する、人間と蜘蛛を組み合わせたようなクリーチャーは、''極悪難易度と呼ばれる本作でも最強と目される雑魚敵''である。 --一回の攻撃で与えるダメージが最大でライフの半分はデフォルトとして、弱点がない・外殻が閉じている間は銃撃を完全にガード・唯一の攻撃である画面に貼り付いての噛みつきは貼り付く位置にランダム要素あり……と、''色々とおかしいレベル''となっている。 -''????:絶望的な恐怖'' --仮面の男の示した条件通り、生きて彼の居た部屋へと辿りついた主人公達だが……。 --上の4つのステージをすべてクリアすると解放される。このステージでのラスボス戦の途中で発生する殲滅イベントの成否が、エンディング分岐の条件となる。 --イベントの難易度自体は、これまでの道中にあった監視カメラを破壊した数でVERY EASYからHARDまで変化する。 ---- **評価点 -非常に高い演出のレベル --既に前述したが、リアルなグラフィックと恐怖ギミックが織りなす演出は、相乗効果も相まって凄いの一言。大型筐体を用いた他のACでもそうそう味わえない臨場感を生み出している。 --特にグラフィックに関しては、上記の処刑場限定ザコの描写においてそのリアルさが顕著に表れる。歯茎のヌメヌメしたテカり具合を始めとする「気持ち悪さ」が十二分に伝わる質感は実に見事である。 -豪華なメインキャスト --大半がクリーチャーゆえか本作に出演した声優は6人とかなり少ないが、少女と仮面の男の声を演じたのはそれぞれ前田愛女史と増谷康紀氏というゴージャスな顔ぶれである。 **賛否両論点 -ヒロインの言動 --本作では、オープニングにて同じ部屋で眠らされていた少女と、エンディングまで行動を共にして行く。 --だが、用意されたマシンガンを手にとって以降、少女は常にそれを持ち歩いているにも関わらず、クリーチャー相手に銃撃を行うといったシーンがほとんどない。 --それどころか、逃げ回りながら「早くやっつけて!」と泣き叫んだり、処刑場のボス戦では自分は棒立ちのうえで危険な指示を飛ばしたりと、''あまり役に立ってない描写が目立つ。'' ---一応フォローすると、ヒロインはあくまで「いきなり異常なゲームに巻き込まれた、ごく普通の少女」であることを踏まえれば、恐怖から積極的に戦わない(戦えない)というゲーム中の行動にも一定の説得力はある。また、山小屋ステージでは扉や窓を自分からふさいでゾンビの侵入を止めようとしたり、上記の処刑場ボス戦では天井の照明を利用して、ボス2体を一網打尽にする方法を閃くなど、''決してただの足手まといとは呼べない点も存在する。'' **難易度に関する問題点 -強過ぎるクリーチャー達 --プレイヤーのライフが低すぎる、あるいは敵の攻撃力が高過ぎる。ゲーム開始直後では1回のダメージでライフが1/4~1/3程減るが、''ステージクリアしないうちに1回のダメージがライフの半分まで上昇する''((一部の小型クリーチャーや、ビンや胃酸などの飛び道具でのダメージは、最大でおよそ2~3割ほどと低めではある。))。 ---これは、「ダメージを受けないでいる時間が長いほど内部ランクが上昇し、クリーチャーの体力・攻撃力も強化されていく」という、『[[バイオ4>biohazard 4]]』にも似たシステムが組み込まれている為とされる。ただし、''立て続けに2回ダメージを受けてライフが満タンから0になった''という事例もあるため、「被弾による内部ランク低下の度合いが小さい、あるいは実質的に機能してないのでは?」という意見もある。 --また、クリーチャーからは知性などまるで感じられないにも関わらず、集団で襲い掛かるだけならまだしも「突然画面上に現れて不意討ちを仕掛ける」「フェイントでこちらの攻撃を本命からそらす」などの戦法を駆使してプレイヤーを翻弄する。 --極めつけに、クリーチャー達は頭にどれ程鉛玉を撃ち込まれようと基本的に怯むことがなく、死ぬまで(あるいは画面上のサイトを全破壊するまで)撃ちまくるしか動きを止める術はない。そのため、突然現れたクリーチャーに''早急かつ的確にヘッドショットを当て続けなければダメージを受けてしまう''という状況がままある。激しく動いて狙いを定めるのが困難だろうとお構いなしである。 --ボス戦においては、ボスが攻撃する前にサイトを全て破壊すればダメージを与える事が出来るが、道中のザコ敵同様''こちらの難易度も相当高い''。失敗してダメージを受けた場合、次に表示されるサイトの耐久値がかなり低くなっているので幾分か良心的ではあるが、それなら''「最初から程よい硬さのサイトを撃たせろよ」''という話である。 -極端な「覚えゲー」である --敵の出現パターンを熟知していないとダメージ必至の場面がとにかく多い。 ---早くもステージ1の序盤から、「右からゆっくりとゾンビが出現し、数瞬後に左の超至近距離から別のゾンビが急襲」というパターンがある。初見ではまず対処できないだろう。 ---敵が頭を出す位置を覚えてあらかじめ照準を置いておき、出現と同時に連射で片付けないとダメージを受けるという場面もザラ。上の例もこれに当たる。 ---複数の敵が出現する場面では、撃破の正解パターンはおおむね決まっている。そして本作ではほぼ常に複数の敵が立て続けに出現する。 --覚えゲーであることの良し悪しは好みの問題とも言えるが、本作がコンティニューのつど料金が発生するアーケード機であることを考えると、アドリブが許されないほどの覚えゲーであるのは良心的設計とは言えない。 -二人プレイ --『デッドストームパイレーツ』同様本作の二人プレイでは「合体ショット」「合体サイト」が存在し、それぞれ「二人のサイトを近づけている間は、攻撃力が強化された二人同時の銃撃で集中攻撃できる」「合体ショットでしか破壊出来ない特殊なサイト」というシステムなのだが、この合体サイトの存在により二人プレイでの難易度が跳ね上がる結果を招いてしまっている。 ---合体サイト持ちの雑魚敵が2体同時に出現した・ボス戦にて通常サイトと合体サイトが同時に表示されたなどの状況下では、二人で同じ合体サイトを同時に狙う(または通常サイトからまっ先に潰していく)必要がある。うっかり合体サイトと通常サイトを別々に攻撃しようものならば、ほぼ確実にダメージを受けてしまうというシビアなものになっている。 ---さらに、合体サイトが表示されている最中に他のクリーチャーの攻撃でパートナーのライフが0になった場合でも、合体サイトが通常サイトに置き換わるという救済手段はない。このため、「合体サイト攻撃中にプレイヤーが死亡→生き残った側のプレイヤーに合体サイトを破壊する術がない→''合体サイト破壊失敗時の攻撃をなすすべもなく食らってもう一人も死亡''」というパターンが起こりうる。 ---一応、二人プレイ時のみの特権的なシステムとして、二人同時に死亡するダメージを受けても一人はミリ残りで持ちこたえる根性システムや、後述するコンティニューボーナスがあるのだが……。 -回復手段 --プレイヤーを助けるはずのライフ回復手段は''「ステージごとに1箇所((しかも2択のランダムイベントで当たりを引かなければ回復出来ない。))」「2人プレイ時にパートナーがコンティニューした時(コンティニューボーナス)」のみ''と少なく、そして''肝心の回復量も2割強''という有様。繰り返しになるが、内部ランクが高い状態でダメージを受けるとライフが半分削られてしまうのである。 --それでも、回復してライフが半分以上になれば1回は攻撃を耐えられるというケースがあるので、この回復量でも全く役に立たない訳ではない。だが、コンティニューボーナスでパートナーを支援しようにも、元々のクリーチャー達の苛烈な攻撃に加えて、ライフが0になってコンティニュー画面が出るまで2~3秒の間があるため、急いで回復させようとしても間に合わずにパートナーが倒されてしまう事がある。……''何のためのシステムなのだろうか?'' ---付け加えると、ステージ間のロード画面にてコンティニュー回復の説明が表示される事があるのだが、その画面ではなぜか''半分ほどのライフが全快''している。明らかに本来の仕様と食い違っており、''下手すれば詐欺と言われても文句は言えない。''ロード画面の「パートナーを救え!」という文章が余計にプレイヤーの怒りを誘う。 -装備品について --道中ではマシンガン・マグナム・ロケットランチャーの3種類の武器が手に入るのだが、ステージ進行に合わせて使える武器は固定化されてしまっている。山小屋ステージの実例を挙げれば、「ステージ開始時に用意されたマグナムを''必ず''手に取り、地下室に降りる少し前にマシンガンを''必ず''拾い、ボス戦の途中でその場に落ちていたロケットランチャーに''必ず''持ち替える」という流れである。 --プレイスタイルや好みに合わせて他の武器に切り替える事が出来ず、拾うか否かの選択も許されない不便なシステムであるほか、「ロケランは仕方ないにしても残りの2つは普通に携帯可能な武器なのに持てるのはどちらか1種類」という仕様もより不快感に拍車をかけている。 --また、無数の小型クリーチャーを相手にする場面の半分位では連射の効かないマグナムで戦わされるなど、明らかに状況に適した武器を使わせてもらえない。 --なお、武器そのものの性能(マシンガンは除く)にも不満点が多い。 ---マグナムは本来破壊力の強い武器だが、上記の通りタフさに定評のある本作のクリーチャーにはまるで通用しない。弾丸の当たり判定自体はマシンガンよりも大きく、うまく狙えばハエやヒルの様な小さな敵も効率的に排除する事も出来るが、このような利点としては弱すぎる要素にプレイ中に気付けたプレイヤーはどれほどいたのだろうか? ---特に槍玉に挙げられるのが実質ボス戦専用のロケットランチャーで、「弾速の遅さゆえに偏差射撃を求められる」「ボス戦ではサイトの全破壊がダメージを与え動きを止める方法なので直撃させただけでは全く怯まない」「爆風で複数のサイトを効率的に同時攻撃しなければ絶対に間に合わない場面がある」「そんな毛色が違い過ぎる上に強みも感じられない武器をボス戦の途中で''いきなり強制的に持たされる''」など、枚挙にいとまがない。 これらの要素が複合した結果、本作の難易度はまさに''『理不尽そのもの』''と表現しても差し支えないレベルにまで達してしまっている。~ ガンシュー界隈のトッププレイヤーが幾人も挑み続けたにも関わらず''稼働開始して3年以上経つまでノーコンティニュークリアの報告がなかった''という事実からも、その凶悪さの片鱗が伺えるといえよう。~ #region(ノーコンクリアの様子を録画した動画シリーズ(の1ステージ目)) #nicovideo2(sm27594845) #endregion **難易度以外の問題点 -エンディング --ラスボス戦の途中で、ボスが吐き出した大量の敵を撃ち漏らすことなく全滅させる緊急ミッションが発生するのだが、ここの結果で2つのエンディングに分かれる。ただし、''その内容は2種類とも評判が悪い。'' --この緊急ミッションは、道中の監視カメラを破壊した数によって難易度がVERY EASYからHARDまで変化するが、HARDだとほぼ確実に失敗するので注意。 --しかも悪質なことに、''監視カメラの存在及び破壊の必要性(難易度の変化)について、緊急ミッションが発生するまで全く説明されない。((筐体内の説明書きや公式サイトでの解説はおろか、ゲームのロード中に表示されるTipsといった形ですら説明されず、バッドエンド時に監視カメラの存在と破壊時の効果が明記される。))''「ステージ各所にある監視カメラを破壊しておくと良いかも(例)」といった、ネタバレにならない程度の説明すらないため、''ここまで心理的・金銭的に粘ってきたプレイヤーを絶望の淵に叩き落す初見殺しになっている''。 #region(ネタバレ注意・エンディング) -1.BAD END --1つでも逃して被弾すると、「ヒロインが細菌に感染→ラスボス撃破後にゾンビ化→主人公に襲い掛かり画面が暗転→仮面の男が高笑い」……と、''非常に胸糞悪い''。ある意味ホラーらしいともいえるが。 -2.GOOD END --監視カメラを破壊して難易度を下げた上で緊急ミッションに臨み、大量の敵を全滅させればヒロインの細菌感染を防ぐことが出来る。当然撃破後にゾンビ化する心配もない。 --ただし、「奥へ進むドアを開ける→ドアから光が溢れてホワイトアウト」の後はスタッフロールに突入し、仮面の男と対面する事なくゲームクリアになってしまう。 --こちらも消化不良の打ち切りエンドで釈然としない。「極悪難易度のゲーム本編を乗り越えて、加えて人によっては上記の胸糞エンドを経験した上で見せられるエンド」という点を踏まえれば、''こちらの方が不快感は上''という意見も。 --因みに少女はここで初めて名を名乗る。 #endregion ---- **総評 御大層な筐体で、中に入ってみると3D映像を始めとしたギミックで非常に臨場感があり、デモを見ているだけでも楽しい。「実際にやってみたい」と期待感を膨らませた人も多いだろう。~ だがいざプレーしてみると、とにかく死にまくる。散々100円玉を投入してようやく到達したエンディングもあれでは……。バランスさえ悪くなければ良作・名作となりえた可能性もあったと思われる。~ 家庭用への移植がされていない(''システム的に難しいかも'')為、もしプレイするならばあくまで「雰囲気を楽しむアトラクションの一種」と考えた方が無難であろう。それでもなお攻略を目的とするならば100円玉を大量に食われるのを覚悟すること。ホラー映画を見た方が建設的かもしれないが……。~ **余談 -処刑場ステージの序盤終わりに登場するゾンビの内の1体の動きが、お笑い芸人小島よしおの披露したネタ「そんなの関係ねぇ!」に酷似していると動画サイトなどで話題となった。「こいつがこの作品の唯一の癒し」との意見もある。 -本作の(事実上の)後継作として、''AKB48とコラボした誰得ゲーム『セーラーゾンビ』がある''。 --こちらの難易度も極悪無比で、バンナムとAKBの''商法がコラボしている''と表現したほうがふさわしい集金ゲームぶりは、下手すれば本作以上とも(最低難易度でもダメージ不可避としか思えない攻撃が容赦なく襲ってくる)。 -その後、『デッドストームパイレーツ』が追加要素を加えた『スペシャルエディション』として稼働開始。ひょっとして本作も……?
*ダークエスケープ3D 【だーくえすけーぷすりーでぃー】 |ジャンル|ガンシューティング| |対応機種|アーケード| |発売元|バンダイナムコゲームス| |開発元|ネクスエンタテインメント| |稼動開始日|2012年7月| |判定|BGCOLOR(khaki):''ゲームバランスが不安定''| |ポイント|演出や美麗なグラフィックだけは秀逸&br;100円玉を食い尽くす極悪難易度&br;胸糞エンドしかない| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 バンダイナムコゲームスから発売された、座ったままプレイ可能なボックス筐体固定銃座タイプの3Dホラーガンシューティングゲーム。~ リアルかつ美麗なグラフィックに加えて、臨場感を上乗せする5つの「恐怖ギミック」を実装しており、演出面のレベルは非常に高い。~ これらの要素に引き込まれたプレイヤー達が、セガの『レッツゴージャングル((こちらは2006年に稼働。海外向けに調整された激烈難易度から比較されることが多いが、同時に「本作よりは簡単」と評されている。この作品がきっかけでセガとバンナムからボックス筐体固定銃座ゲームが“何故か”乱造される事となる。))』などで痛い目に遭ったガンシューターやバンナムアンチなどからの制止を他所に、期待に胸を膨らませて筐体にコインを入れた。~ ……が、''案の定別の方向性でプレイヤーは大きな恐怖を味わう''事となった……。~ ---- **ストーリー 拉致されて知らない場所で目覚めた主人公(達)は、自分と同じく拉致されてきた少女と出会う。~ そこで突然モニターがONになり、画面越しに仮面の男が現れて、生きて自分の元へと到達すれば解放する条件で「ゲーム」を強要する。~ 身柄を解放してもらう為その場に用意された銃を手に取り、主人公と少女は化け物の徘徊する危険地帯からの脱出を図る……。~ ---- **登場人物 -主人公 --セリフとボイスは無く、その姿が画面中に映る事も無い。作中で詳細は語られないが、少女と行動を共にする。 -少女 --主人公が目覚めた監獄で知り合った少女にして本作のヒロイン。ゲームを攻略し脱出するという共通の目的を達成するために一緒に行動する……''のだが。''&color(white){エンディングで「コートニー・ウォル」と名乗っている。} -仮面の男 --モニター越しに主人公達にゲームを強要し、行く先々の監視カメラで主人公達を観戦している男。~ 常にピエロの様な仮面をつけている為にその素顔を見ることは出来ない。物語の舞台が化け物の巣窟と化している原因について非常に詳しい様子だが……。 **5つの恐怖ギミック 筐体内部には、ゲームの臨場感を盛り上げる為の5つのギミックが実装されている。 -ビビリ検知システム --ゲーム中の要所要所にある特定の場面にて、銃座のグリップ部分に搭載されたセンサーで心拍数を計測しビビった回数をカウントする。 --各ステージクリア後のリザルト画面にてビビった回数を発表し、規定回数以上ビビった場合に((2人プレイなら多くビビった方のプレイヤーが対象となる。))応じて「恐怖のお仕置き」が執行される。 -3D映像 --美麗なフルポリゴンをリアルタイムで処理できるのが凄まじいが、筐体付属の3Dメガネを装着することで、それを立体映像で見られるので更に臨場感が増す。 --3Dメガネはかなり余裕のある造りになっているので、通常の眼鏡の上にも無理なく装着出来る。筐体のボタンで任意に2D表示に切り替えるのも可能。 -恐怖のシート --ゲームの場面に連動して、プレイヤーが座っているシートが振動する。ビビリ検知システムで述べた恐怖のお仕置きもこれにより行われる。%%お仕置きと呼ぶにはヌル過ぎるが。%% -2種類のエアー --眼前にクリーチャーの顔面が迫る場面に連動する・インターバルでプレイヤーの不安を煽るなどの用途に合わせて、前後からエアーが吹き付けられる。 -新設計5.1chサラウンド --プレイヤー背後のリアスピーカーを含む7つのスピーカー+ウーハーによる立体音響。音質のリアルさもさることながら、耳元で聞こえるリアスピーカーからの呻きや雄叫びが、プレイヤーの恐怖と緊張を引き立てる。 **ステージ 道中はゾンビやクリーチャーが跋扈しており、監獄ステージを除いて最後にはボスも用意されている。 -''監獄:動く死体の恐怖'' --主人公たちが目覚めた場所。本作におけるチュートリアルステージであり明確にボスと言える敵は登場しないが、特定の弱点(サイト)を狙い撃たないと倒せないゾンビが他のステージより多く登場する。 --また、チュートリアルに位置するためか、他の3つのステージを最初に選ぶとこのステージは自動で攻略済みとなる。 -''処刑場:暗闇の恐怖'' --拷問器具の様なものが並び、ステージ最奥のボス戦が行われる場所はまるで闘技場のようになっている。 --このステージでのみ出現する両生類%%やフルフル%%を思わせる4足歩行のクリーチャーの巣と化しており、ここではゾンビよりも多く出現し襲い掛かってくる。 -''山小屋:追い詰められる恐怖'' --廃屋に逃げ込んで籠城戦を挑むも、すぐにバリケードを突破されて大量のゾンビがなだれ込んでくる。 --このステージではボスを除けばゾンビしか出現しないが、その空きを埋めるかのごとくゾンビが立て続けに目の前に現れる。 --ボスまでの道のりが短く敵もゾンビのみの為か、処刑場・研究所と比べると難易度は低めとされている。 -''研究所:群がる虫の恐怖'' --クリーチャーの研究所へと踏み込んだ主人公達は、おびただしい数の蜘蛛を基にした化け物に遭遇する。 --このステージでのみ登場する、人間と蜘蛛を組み合わせたようなクリーチャーは、''極悪難易度と呼ばれる本作でも最強と目される雑魚敵''((一回の攻撃で与えるダメージが最大でライフの半分はデフォルトとして、弱点がない・外殻が閉じている間は銃撃を完全にガード・唯一の攻撃である画面に貼り付いての噛みつきは貼り付く位置にランダム要素あり…と、色々とおかしいレベルとなっている。))である。 -''????:絶望的な恐怖'' --仮面の男の示した条件通り、生きて彼の居た部屋へと辿りついた主人公達だが…。 --上の4つのステージをすべてクリアすると解放される。このステージでのラスボス戦の途中で発生する殲滅イベントの成否が、エンディング分岐の条件となる。 --イベントの難易度自体は、これまでの道中にあった監視カメラを破壊した数でVERY EASYからHARDまで変化する。 ---- **評価点 ***最高峰の演出効果 -非常に高い演出のレベル --既に前述したが、リアルなグラフィックと恐怖ギミックが織りなす演出は、相乗効果も相まって凄いの一言。大型筐体を用いた他のACでもそうそう味わえない臨場感を生み出している。 --特にグラフィックに関しては、上記の処刑場限定ザコの描写においてそのリアルさが顕著に表れる。歯茎のヌメヌメしたテカり具合を始めとする、「気持ち悪さ」が十二分に伝わる質感は実に見事である。 --音楽の方も充実しており、不気味な静寂を表現した曲から激しい曲まで緩急を付けて流れて来るためプレーヤーが怪物と戦わされている恐怖を更に掻き立たせてくれる。ボス戦でも各ボス毎に異なる曲が用意されている。 -豪華なメインキャスト --大半がクリーチャーゆえか本作に出演した声優は6人とかなり少ないが、少女と仮面の男の声を演じたのはそれぞれ前田愛氏と増谷康紀氏というゴージャスな顔ぶれである。 ---- **賛否両論点 -全体を通して頼りなさが目立つヒロイン --本作では、オープニングにて同じ部屋で眠らされていた少女と、エンディングまで行動を共にして行くが、''プレイヤーの足を引っ張る描写があまりにも目立っている。''~ あくまで「いきなり異常なゲームに巻き込まれた、ごく普通の少女」とは言え、冒頭で用意されたマシンガンを手にとって以降、彼女は常にそれを持ち歩いているにも拘らず、敵相手に銃撃を行うといったシーンが殆ど無い。~ 道中で拾った武器を温存している様子も無く、ゲーム中は「ただただ逃げ回りながら『早くやっつけて!』と泣き叫ぶ」、「自分は棒立ちのうえでプレイヤーに危険な指示を飛ばす」と彼女の印象が悪くなるような場面が多い。 ---ただし、恐怖から積極的に戦えない、戦闘能力的に戦いの役に立つほどではない、というゲーム中の行動や扱いにも一応の説得力はあり、''決してただの足手まといとは呼べない点も存在する。''~ 山小屋ステージでは扉や窓を自分から塞いでゾンビの侵入を止めようとしたり、爆発物をプレイヤーが放置していると代わりに銃撃したり、処刑場ボス戦では天井の照明を利用してボス2体を一網打尽にする方法を閃いている。 -主人公の行動力や戦闘能力 --戦闘についていけていない少女と比べると、ゲームの都合上ながら明らかに「不気味な殺人クリーチャーが跋扈するデスゲームに巻き込まれた単なる一般人」ではない八面六臂の活躍を見せる。~ 物陰や盾に隠れて攻撃を回避する能力が無かったり、性能の異なる武器に変更したり出来ないという点はあるが、それこそ『[[タイムクライシス>タイムクライシスシリーズ]]』シリーズの「高度な軍事訓練を受けた主人公」に比肩する、''超人的な戦闘能力の持ち主''である。 ---主人公がどのような来歴の持ち主で、作中支給される銃火器以外に何を装備しているかの描写が全く無いので、実際はどうとでも解釈できるというフォローはある。 ---- **問題点 ***理不尽そのものの高難度 -あらゆる敵が強すぎる。 --プレイヤーのライフと敵の攻撃力のバランスが悪すぎる。ゲーム開始直後では1回のダメージでライフが1/4~1/3程減るが、''ステージクリアしないうちに1回のダメージがライフの半分まで上昇する''((一部の小型クリーチャーや、ビンや胃酸などの飛び道具でのダメージは、最大でおよそ2~3割ほどと低めではある。))。 ---これは、「ダメージを受けないでいる時間が長いほど内部ランクが上昇し、クリーチャーの体力・攻撃力も強化されていく」という、『[[バイオハザード4]]』にも似たシステムが組み込まれている為とされる。~ ただし、''立て続けに2回ダメージを受けてライフが満タンから0になった''という事例もあるため、「被弾による内部ランク低下の度合いが小さい、あるいは実質的に機能してないのでは?」という意見もある。 --また、''クリーチャー達は頭にどれ程鉛玉を撃ち込まれようと基本的に怯むことが無い。''死ぬまで(あるいは画面上のサイトを全破壊するまで)撃ちまくるしか動きを止める術はない。~ 極めつけに、クリーチャー達は知性など無いはずだが「集団で襲い掛かる」「突然画面上に現れて不意討ち」「フェイントでこちらの攻撃を本命からそらす」などの戦法を常時駆使してプレイヤーを翻弄する。~ そのため、突然現れたクリーチャーに''早急かつ的確にヘッドショットを当て続けなければダメージを受けてしまう''…という状況が頻発する。激しく動いて狙いを定めるのが困難だろうとお構いなしである。 ---チュートリアルステージの最初に単体で登場するゾンビですら、ヘッドショットを数秒間当てないと倒せない固さを誇る。 ---ザコが単体でゆっくり登場するのはここが最後で、後は敵が集団で現れるか、画面がスクロールした瞬間に飛びついてくるか、おちついて対処できる場面は皆無である。 --ボス戦においては、ボスが攻撃する前にサイトを全て破壊すればダメージを与える事が出来るが、道中のザコ敵同様こちらの難易度も相当に高い。~ 失敗してダメージを受けた場合、次に表示されるサイトの耐久値がかなり低下するという仕様はあるが、初回のサイトはこの仕様を見越したような硬さになっている。 -敵の出現パターンを熟知していないとダメージ必至の場面がとにかく多い。 --早くもステージ1の序盤から、「右からゆっくりとゾンビが出現し、数瞬後に左の超至近距離から別のゾンビが急襲」というパターンがある。初見ではまず対処できないだろう。 --敵が頭を出す位置を覚えてあらかじめ照準を置いておき、出現と同時に連射で片付けないとダメージを受けるという場面もザラ。上の例もこれに当たる。 ---複数の敵が出現する場面では、撃破の正解パターンはおおむね決まっている。そして本作ではほぼ常に複数の敵が立て続けに出現する。 -2人プレイがシングルより難しくなる。 --『デッドストームパイレーツ』同様、本作の2人プレイでは「合体ショット」「合体サイト」が存在する。合体ショットは「2人のサイトを近づけている間は、攻撃力が強化された2人同時の銃撃で集中攻撃できる」、合体サイトは「合体ショットでしか破壊出来ない特殊なサイト」というもの。そしてこの合体サイトの存在により、2人プレイではシングルに比べて難度が跳ね上がる。 ---合体サイト持ちの雑魚敵が2体同時に出現した・ボス戦にて通常サイトと合体サイトが同時に表示されたなどの状況下では、2人で同じ合体サイトを同時に狙う(または通常サイトから真っ先に潰す)必要がある。~ うっかり合体サイトと通常サイトを別々に攻撃しようものならば、ほぼ確実にダメージを受けてしまうというシビアなものになっている。 ---さらに、合体サイトが表示されている最中に他のクリーチャーの攻撃でパートナーのライフが0になった場合でも、合体サイトが通常サイトに置き換わるという救済手段はない。~ このため、「合体サイト攻撃中にプレイヤーが死亡→生き残った側のプレイヤーに合体サイトを破壊する術がない→''合体サイト破壊失敗時の攻撃をなすすべもなく食らってもう一人も死亡''」というパターンが起こりうる。 ---一応、2人プレイ時のみの特権的なシステムとして、2人同時に死亡するダメージを受けても1人はミリ残りで持ちこたえる根性システムや、後述するコンティニューボーナスがあるのだが……。 -回復手段が貧弱すぎる。 --プレイヤーを助けるはずのライフ回復手段は、''「ステージごとに1箇所((しかも2択のランダムイベントで当たりを引かなければ回復出来ない。))」「2人プレイ時にパートナーがコンティニューした時(コンティニューボーナス)」のみ''と少なく、そして''肝心の回復量も2割強''という有様。~ 繰り返しになるが、内部ランクが高い状態でダメージを受けるとライフが半分削られてしまうのである。それでも、回復してライフが半分以上になれば1回は攻撃を耐えられるというケースがあるので、この回復量でも全く役に立たない訳ではない。~ だが、コンティニューでパートナーを支援しようにも、元々のクリーチャー達の苛烈な攻撃に加えて、ライフが0になってコンティニュー画面が出るまで2~3秒の間がある。~ その為、急いで回復させようとしても間に合わずにパートナーが倒されてしまう事がある。…''何のためのシステムなのだろうか?'' --付け加えると、ステージ間ロード画面のtipsとしてコンティニュー回復について表示される事があるのだが、その画面では''明らかに本来の仕様と食い違う「ライフ半分が回復」しており、いわゆる詐欺演出となっている。'' ---ロード画面の「パートナーを救え!」という謳い文句も、この詐欺演出を知らないプレイヤーにとっては更なるコイン投入を、知っているプレイヤーにとってはある種の呆れを誘うものと言える。 -装備品の自由度が低く、マシンガン以外の武器性能にも弱点が多い。 --道中ではマシンガン・マグナム・ロケットランチャーの3種類の武器が手に入るのだが、ステージ進行に合わせて使える武器は固定化されてしまっている。~ 山小屋ステージの実例を挙げれば、「ステージ開始時に用意されたマグナムを''必ず''手に取り、地下室に降りる少し前にマシンガンを''必ず''拾い、ボス戦の途中でその場に落ちていたロケットランチャーに''必ず''持ち替える」という流れ。 --プレイスタイルや好みに合わせて他の武器に切り替える事が出来ず、拾うか否かの選択も許されない不便なシステムである。~ 「大型であろうロケットランチャーは仕方ないにしても、残りの2つは普通に携帯可能な武器なのに持てるのはどちらか1種類」という仕様も、より不快感や違和感に拍車をかけている。 --また、無数の小型クリーチャーを相手にする場面の半分位では連射の効かないマグナムで戦わされるなど、明らかに状況に適した武器を使わせてもらえない。 ---マグナムは本来破壊力の強い武器だが、上記の通りタフさに定評のある本作のクリーチャーにはまるで通用しない。~ 弾丸の当たり判定自体はマシンガンよりも大きく、うまく狙えばハエやヒルの様な小さな敵も効率的に排除する事も出来るが、このような利点としては弱すぎる要素にプレイ中に気付けたプレイヤーはどれほどいたのだろうか? ---その''マグナムをも超える役立たず武器と評されているのが実質ボス戦専用のロケットランチャー。''~ 「弾速の遅さゆえに偏差射撃を求められる」「ボス戦ではサイトの全破壊がダメージを与え動きを止める方法なので直撃させただけでは全く怯まない」~ 「爆風で複数のサイトを効率的に同時攻撃しなければ絶対に間に合わない場面がある」「そんな毛色が違い過ぎる上に強みも感じられない武器をボス戦の途中で''いきなり強制的に持たされる''」など、枚挙にいとまがない。 -これらの要素が複合した結果、本作の難易度はまさに''「理不尽そのもの」''と表現しても差し支えないレベルにまで達してしまっている。~ ガンシュー界隈のトッププレイヤーが幾人も挑み続けたにも拘らず''稼働開始して約3年も経つまでノーコンティニュークリアの報告がなかった''という事実からも、その凶悪さの片鱗が窺えるといえよう。 --しかもこの''最早選ばれた者しかクリアできないレベルの理不尽難易度でありながら、「ノーコンクリア」の実績マークが存在してもいる''ことがその最初の報告者による動画及びTwitterの写真にて発覚。テストプレイをしっかり行ったのか疑問に残る。%%或いは単に適当に他のゲームに倣う形で入れただけなのかもしれないが%%((ノーコンティニューでクリアすると、スコアランキングにて登録した名前の右横に、星のマークが表示される。ちなみにこの星マークがノーコンクリアの実績になっているのは同社の同ジャンルにおける一種のお約束でもあったりする(『タイムクライシス』シリーズ、『デッドストームパイレーツ』など)。)) #region(ノーコンクリアの様子を録画した動画シリーズ(の1ステージ目)) #nicovideo2(sm27594845) #endregion ***大量課金前提の「覚えゲー」 -硬すぎる敵を常時ほぼ唯一の正解パターンで倒し続けなければならない本作では、何よりもまず「覚える」ことが要求される。正確な射撃などのテクニックを磨く以前に、全編にわたってまずは敵の出現パターンを覚えなければ話にならない。 -覚えゲーであることをどう捉えるかはプレイヤーの好みの問題ではあるが、本作では覚えなければどうにもならない局面があまりにも多く、初見エリアに費やすコインは、実質的に''「覚える時間を買う金」''と言っても過言ではない。 -本作がコンティニューのつど料金が発生するアーケード作品であり、加えてとにかくすぐ死ぬ高難度ゲーであることを考えると、アドリブが許されないほどの覚えゲーであるのは、良心的設計とはとても言いがたい。 ***エンディングに関して -ラスボス戦の途中で、ボスが吐き出した大量の敵を撃ち漏らすことなく全滅させる緊急ミッションが発生するのだが、ここの結果で2つのエンディングに分かれる。ただし、''その内容は2種類とも評判が悪い。'' -この緊急ミッションは、道中の監視カメラを破壊した数によって難易度がVERY EASYからHARDまで変化するが、HARDだとほぼ確実に失敗するので注意。 --しかもタチの悪いことに、''監視カメラの存在及び破壊の必要性(難易度の変化)について、緊急ミッションが発生する時(及びバッドエンド時)まで全く説明されない((筐体内の説明書きや公式サイトでの解説はおろか、ゲームのロード中に表示されるTipsといった形ですら説明されない。))。''~ 「ステージ各所にある監視カメラを破壊しておくと良い事があるかも(例文)」といった、ネタバレにならない程度の説明すらないため、''ここまで心理的・金銭的に粘ってきたプレイヤーを絶望の淵に叩き落す初見殺しになっている''。 --監視カメラ自体が敵集団の真っ只中にあることも多く、のんびり撃っていると敵の対処が間に合わないため、緊急ミッションを知らないプレイヤーではまず監視カメラを撃とうなどとは思わず、知っているプレイヤーですら対処する余裕はない。 --敵の攻撃をかいくぐって監視カメラを破壊して勝ち取った「VERY EASY」ですら、字面から連想できるほど優しくはない。とはいえ、本作の雑魚敵の群れの密度と比べれば簡単には違いないだろう。 --ちなみにこの「緊急ミッションから先へ進むには特定のオブジェクトをできるだけ多く撃つ(破壊or獲得する)必要がある」条件制は同社かつ同ジャンルに限定して見ても実は本作が初ではなく、本作より約3年前に稼働開始した『[[レイジングストーム]]』にも存在していた。しかも特定のオブジェクトを撃った数が影響するヒントをそのミッションが発生して初めて教えてくれる不親切な点までそっくりそのまま存在してもいる。~ そしてゲーム自体は全体的に良好な難易度調整で概ね高い評価を得ているそちらでもその要素は数少ない難点として批判されていた。つまりその難点をそっくりそのまま受け継いでしまった本作は反省してないか確信犯だったということになる。 #region(ネタバレ注意・エンディング) -1.BAD END --1つでも逃して被弾すると、「ヒロインが細菌に感染→ラスボス撃破後にゾンビ化→主人公に襲い掛かり画面が暗転→仮面の男が高笑い」……と、''非常に胸糞悪い''。ホラー映画などでは定番のオチではあるが……。 -2.GOOD END --監視カメラを破壊して難易度を下げた上で緊急ミッションに臨み、大量の敵を全滅させればヒロインの細菌感染を防ぐことが出来る。当然撃破後にゾンビ化する心配もない。 --ただし、「奥へ進むドアを開ける→ドアから光が溢れてホワイトアウト」の後はスタッフロールに突入し、仮面の男と対面する事なくゲームクリアになってしまう。 --こちらも消化不良の打ち切りエンドで釈然としない。「極悪難易度のゲーム本編を乗り越えて、加えて人によっては上記の胸糞エンドを経験した上で見せられるエンド」という点を踏まえれば、''こちらの方が不快感は上''という意見も。 ---一方で、近年のバンナム製ガンシューの傾向から「打ち切りエンド=家庭用移植版でストーリーの全貌が明かされる伏線では?」という声も一部で存在したのだが、結局家庭用への移植は2024年現在も一切行われず、仮面の男との対峙やストーリーの真相解明には至らぬままに終わった。 --因みに少女はここで初めて名を名乗る。 #endregion ---- **総評 目を引く大型筐体で、中に入ってみると3D映像を始めとしたギミックで非常に臨場感があり、期待感を膨らませるデモがコイン投入を誘ってくる。~ しかし、いざプレイしてみれば強すぎる敵が無茶な配置で息つく間もなく押し寄せ、大量の100円玉を溶かした果てに迎えるエンディングも明らかな消化不良と、プレイヤーに理不尽さや徒労感を抱かせるような要素がかなり多い。~ 無茶な難度や豪華な演出を軽く楽しむ分にはいいが、攻略を目的とした途端、本作の集金ゲーと断じられても仕方のないデザインが目に付いてくる。~ 根本的なゲームバランスさえ悪くなければ、セガの『[[THE HOUSE OF THE DEAD]]』シリーズに真っ向から対抗できるシリーズとなりえた可能性もあっただけに、ある意味では惜しい作品かもしれない。 ---- **余談 -処刑場ステージの序盤終わりに登場するゾンビの中の1体が、お笑い芸人小島よしお氏の披露したネタ「そんなの関係ねぇ!」を行っていると動画サイトなどで話題となった。「こいつがこの作品の唯一の癒し」との声もある((もっとも実際にプレイするとわかるが、その場面は同時に出現する他の敵への対処を意識せねばならない場面なので、悠長に動きを楽しむ余裕などないが))。 -本作の事実上の後継作として、''AKB48とコラボした誰得ゲーム『セーラーゾンビ』''、冒険映画をテーマとした『ロストランドアドベンチャー』がある。どちらも本作より約2年後の2014年稼働開始。~ 前者は本作と筐体の大部分や固定銃座型のガンコンも本作と共通してもいる(所謂コンバージョンキットによる相互互換が可能)((一方でビビリ検知とそれによるお仕置きのギミックや、3D仕様に切り替えもできる画面は撤廃された。))。後者は完全に独自の筐体で、『[[機動戦士ガンダム 戦場の絆]]』『マッハストーム』と構造が共通する半球スクリーン筐体を使用し、ガンコンも形状は独自のものでありながら『タイムクライシス』シリーズ同様のケーブル接続式となっている。 --肝心の難易度の方だが、やはりと言うべきか、どちらも''本作に比肩し得る''ほど理不尽極まりない。~ 特に前者は''バンナムとAKBの商法がコラボしていると表現したほうがふさわしい極悪無比な集金ゲームぶり''で、難度は下手すれば本作以上とも称された(最低難易度でもダメージ不可避としか思えない攻撃が容赦なく襲ってくる)。また余談だが、先程紹介した小島よしお氏のネタムーブそっくりの動作を行う敵も、ご丁寧に?そっくりそのまま受け継がれている。 --一方で後者も本作や前者に匹敵するほどの理不尽難易度の集金ゲー。%%しかし本作に存在する救済措置として、バナパスポートカード対応でそれを使用すれば、同社の『[[湾岸ミッドナイト MAXIMUM TUNE]]』のようなゲームを有利にするアイテムをプレイの都度獲得して使用できるシステムもあり、「貢ぎによるやりこみ必須」ではあるがバナパスを用いて根気強くプレイを続けていればいずれクリアには近づく....はずである。%% ---と思いきや、''2019年11月25日を以て、残念ながらネットワークサービスが終了してしまったためバナパスも使用不可''になってしまった。従って貢ぎとそれで得たアイテムに頼る手段も使えなくなってしまっている。結局これも本作と同様の理不尽難易度の集金ゲーの一つに数えられる''(悪い意味での)不動の地位''を築いてしまったことに。因みに日本以外では4~20桁の暗証番号を筐体の内部記録に読み書きさせるという方式である。この場合、ネットワーク関係無く続きから遊べるが、他の店(筐体)にセーブデータを持ち出せないのが欠点。 //2019年11月でネットワークサービスが終了し現在はバナパスが使えなくなったため修正かつ追記 ---ちなみに理不尽難易度以外のゲーム内容は遺跡と財宝発掘モノのストーリーで、敵など一部のグラフィックが『デッドストームパイレーツ』から流用されてもいる。 -その後、『デッドストームパイレーツ』が追加要素を加えた『スペシャルエディション』として稼働開始。 --本作も同様にバージョンアップするかと思われたが、2017年8月にネットワークサービスが終了したため((公式サイトの設置店舗一覧から全ての店舗名が消えている))、その可能性は途絶えた。

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