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スーパーロコモーティブ」を以下のとおり復元します。
*スーパーロコモーティブ
【すーぱーろこもーてぃぶ】
|ジャンル|アクション/シューティング|
|対応機種|アーケード|
|発売・開発元|セガ・エンタープライゼス|
|稼動開始日|1982年|
|判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|
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#contents(fromhere)
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**概要
-上部画面と下部画面で分かれ、しかもまったく異なるジャンルが繰り広げられるものの、一つのゲームとして成り立っている稀有なゲーム。
--残機制4方向レバー2ボタン式。

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**システム
-自機は機関車のロコモーティブ。ロコモーティブは機関車なので、当然線路の上しか走る事ができない。
--画面上部のトップビューで線路図を走りぬける。線路上には分かれ道や信号機があり、分かれ道は斜め前方の分かれ道には進む事ができるが、斜め後方の分かれ道に進む事は出来ない(後退する必要がある)。信号は赤だと障害物になり、ミスになる。
---青信号機は列車が通過すると即座に赤信号機に変わる(現実の閉塞信号と同じ仕様)。赤信号機は敵も通過できず破壊される。
---他にも下部画面のオブジェやアイテム、ゴール地点も表示される「地図」になっている。
--画面下部はサイドビューで、上空から飛行機や飛行船が、後方から敵列車が迫り来る。

-スモッグボタンを押す事でスモッグを飛ばす事ができる。スモッグに接触すると敵や敵の投下した爆弾を破壊する事ができる。
--スモッグは基本的に後方へと流れていくか、ボタンを押した長さに応じて高さが変化する。敵の投下した爆弾等はこれで狙い打つ必要がある。

-ターボボタンでスーパーロコモーティブに変身。移動速度が速くなり、完全無敵状態になるが、エネルギーゲージが減少していく。
--エネルギーゲージがなくなるとスモッグを出せなくなる。もちろん変身もできなくなる。エネルギーゲージはトップビュー線路図に表示される補給車両または補給塔に接触するかステージクリアで回復する。
---補給車両は自機や敵機の攻撃で破壊可能な上、敵機が取得しても消滅する。補給塔は破壊されない。
--スーパーロコモーティブ中は赤信号機を破壊することも出来る。

-後退も可能だが、永パ防止キャラの戦車が出現するので後退を続けることはできない。

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**特徴
-上下二つに分断した画面を採用した事により、特異なゲーム性を有している。
--トップビューで分かれ道を使って線路を移動する事で、敵が投下した爆弾をサイドビューの画面上から消滅する、擬似緊急回避行動が取れる。
---それでいてトップビューで表示されているが、赤信号や障害物がサイドビュー画面に突如として出現する構成は、どちらか一方を注視しているだけでは攻略できないという、二画面の有用性と合理性を構成している。
---爆弾が線路よりも微妙にずれたラインにあるとサイドビュー画面には表示されているがトップビュー画面では当たっていないので、サイドビュー画面で当たっているように見えても当たることはない。逆に、斜行時サイドビュー画面に表示されていないのにトップビュー画面で当たっているように見えるとき、内部的な高度が一致しているとミスになる。
--この上下二つに分断されたゲームという発想は、本作を知ってか知らでか、ニンテンドーDSにて採用されている。

-BGMにイエロー・マジック・オーケストラ(YMO)の「ライディーン」を採用している。&bold(){ちゃんとJASRACの許諾も取っており、正規品のインストカードにその旨の記載とJASRAC許諾証のシールが貼ってある。}
//いくら当時の風潮が「著作権? 何それ?」みたいな時代だからといって全部が全部無許可使用だと頭から決めつけるのは愚の骨頂なので慎むように。
--イントロ部分が機関車の走る音に似ている事、シンセサイザーがゲームミュージックと相性が良かった事もあって、まるで本作のために作られたかのように似合っている。

-ステージクリア後はボーナスステージに突入するが、この時出現するターゲットはステージ中に撃破した敵の数と同じになっている。
--すべて破壊するとパーフェクトボーナスであるが、ステージ中敵を撃破していないとボーナスステージに突入しないので、パーフェクトボーナスをタダ取りすることはできない。

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**評価点
-現代においてなお遜色無い秀逸なゲーム性。
--スモッグによるシューティングとしての要素がありながらも、状況に応じて線路を変更、時として移動速度を下げて自らを窮地に立たせる必要があるゲーム展開等、プレイヤーの性格が露骨に現れる戦略的自由度がある。
--スモッグによる精密射撃で丁寧に敵や爆弾を排除していくか、線路を切り替えてダイナミックに回避していくか。スーパーロコモーティブ状態になった際は一気に駆け抜けていくか、停止して敵や爆弾を破壊していくか等。
-グラフィックは割と綺麗。
--同年代のアーケードゲームと比較すると、背景が丁寧に描かれており、キャラクターも人間が「人間」とわかる程はっきりしている。

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**問題点
-常時二つの画面を見ていなければならず、難易度はそれほど高くないものの、システムへの慣れが必要。
-敵の爆弾や敵の破壊、変身等で特に効果音が鳴るような事は無いので、爽快感にやや欠け、展開もわかりづらい。

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**総評
 アーケードゲーム黎明期としてはかなり複雑なシステムで、現代においてなお、プレイヤーの性格が展開に現れる程の戦略的自由度のある、珍しいアクション(orシューティング)ゲームである。~
 他に類を見ないゲーム、滅多に見かけないゲームというのもあるのだが、軽快な音楽とスピード感あふれる展開も、見る者の心をくすぐる。ハイスコアを意識せず、単純に触るだけでも楽しい逸品。プレイする機会があるなら是非触っておきたい。

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**余談
-元々このゲームは当時セガが主催したゲームアイデアコンテストで優秀賞を獲得した内容を元に製品化したもので、BGMが「ライディーン」なのも、その入賞者のリクエストから採用されたという経緯がある。

-現在ではプレイが困難である。
--そもそも出回りが悪いというのもあるが、この時代のアーケード基板は中古市場に出回らず破棄される事も多かったため、現存数は少ない。
--画面を二つに分けて、全く異なった展開を描写するのに要求されるハードスペックはかなり高く、家庭用移植も一切行われていない。

-移植されない理由にはBGMの権利及び許諾契約が関係していると思われる。
--なお、本作はSG-1000/SC-3000発売前の発売予定ソフトのラインナップにも上がっていたが、結局発売されることはなかった。

-出回りと完成度と移植の難度等が重なり、基板の取引価格が15万を超える高額ゲームとしても知られる。
--『セガ3D復刻アーカイブス3 FINAL STAGE』にてM2の社長である堀井氏から『三輪サンちゃん』とともに本作の完全移植版の収録の提案があったがセガ側のディレクションを担当する奥成氏から却下されたとインタビューで語られている。
--後に先述の『三輪サンちゃん』を含めて『メガドライブ ミニ2』に初めて移植されることが発表。移植を阻んでいたBGMについては「YMO」の「RYDEEN」ならぬ「OMY」((正式名称は「オリエンタル・マグネチック・イエロー」。『リッジレーサー』等を手掛けていた細江慎治氏や佐野信義氏らナムコの音楽スタッフ数名によるYMOのパロディバンド。))の「RYZEEN」((タイトル通りのRYDEENっぽい曲で、1996年発売のアルバム『オリエンタル・マグネティック・イエロー』に収録。))に差し替える事で解決している。

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