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ファイナルファイト」を以下のとおり復元します。
*ファイナルファイト
【ふぁいなるふぁいと】
|ジャンル|ベルトアクション|&image(http://www.capcom.co.jp/cbac/images/common/logo_ff.png,width=250)|
|対応機種|アーケード(CPシステム)|~|
|発売・開発元|カプコン|~|
|稼動開始日|1989年12月|~|
|判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~|
|ポイント|ベルトスクロールアクションを流行らせた名作&br()完成度だけでなく難易度も高い&br()やたらと強い2面ボス「ソドム」&br()耳に残る''「デヤァ!」「エイヤー!」''|~|
|>|>|CENTER:''[[ファイナルファイトシリーズ]]''|

#contents(fromhere)

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**概要
次々に襲ってくる敵を倒しながら、少しずつ進んでいくベルトスクロールアクションゲーム。~
メイン製作者は後に『[[ストリートファイターII]]』を作った西谷亮氏。


**ストーリー
>超犯罪都市メトロシティ。ここは犯罪集団「マッドギア」の暴力によって支配される街である。~
市長であるマイク・ハガーはマッドギアに徹底的な攻撃を加えることで治安を回復させようと試みるも、成果はなかなか上がらなかった。~
ある日、市長室で執務中のハガーのもとに一本の電話がかかってくる。電話の主はマッドギアの幹部の一人・ダムド。~
彼はハガーの娘であるジェシカを拉致したと告げ、ハガーの傍らのテレビに囚われのジェシカの姿が映し出された。
>
>「これ以上警察を介入させるなら娘の命はないと思いな」
>
>元ストリートファイターでもあったハガーは娘を救い出すため、独力でマッドギアの本拠地に乗り込むことを決意する。~
ジムでトレーニング中だったジェシカの恋人であり喧嘩屋のコーディーにも協力を求めると、~
その場に居合わせた彼のトレーニング仲間で古武術「武神流」の使い手でもある忍者・ガイもマッドギアの卑劣な手段に激昂し、義憤により助太刀を申し出る。
>
>こうして3人はさらわれたジェシカを助け出すため、マッドギアに戦いを挑むのであった。

**システム
-基本はレバー操作で左右・上下・斜めの八方向に移動と、攻撃・ジャンプ2つのボタン操作。3人のキャラクターから1人を選択し、全6ラウンドを突破、さらわれたジェシカの救出と犯罪集団「マッドギア」を壊滅させるのが目的。
--通常攻撃は連続で繰り出すことができる。攻撃回数はキャラクターごとに異なり、最後の攻撃がヒットした相手はダウンする。
---レバーを上か下に入れながら連続攻撃をすると、最後の攻撃が相手を逆方向に投げる攻撃に変化する。敵を片方にまとめるための攻略上非常に重要なテクニックであるが、インストカードにはこの事は記載されていない。
--敵の近距離まで移動すると相手を掴むことができる。そこからつかみ攻撃(3発まで)を繰り出し、またつかみ状態で左右にレバーを入れながら攻撃することで相手を投げ飛ばす。これは飛び道具として使うことも可能。
---同ジャンルの先駆作『[[ダブルドラゴン]]』では掴めるのが同じ程度の体格のキャラまでであり、大男は掴めなかったが、本作はやろうと思えばすべての敵を掴むことが可能。
---ただし相手によっては敵が掴んでくる場合もあり、投げられると大ダメージを負う。掴まれた場合はすばやいレバー操作やボタン連打で振りほどくことができる。
--ジャンプ中にも攻撃が可能。通常はリーチが長く敵をダウンさせるジャンプキック。ジャンプの飛距離は画面約1/4ほどあり、ジャンプキックはさらに足を伸ばすため攻撃範囲が広い。
---コーディー・ガイの二人は、レバーを下に入れながらのジャンプ攻撃は敵を怯ませる技になり、リーチは短いがヒット後は着地後追撃することもできる。ハガーはフライングボディプレスになり真下を攻撃できる。
--2つのボタンを同時に押すことで周囲の敵を吹き飛ばす「必殺技」を繰り出す。詳細は後述。

**特徴
-ナイフの扱いに長けバランス型で使いやすい主人公コーディー、動きは遅いが投げが得意なパワータイプのハガー、攻撃力は低いが動きと攻撃連射が素早いガイの中から1人を選び、敵を倒しつつ進んでいく。
--2人協力プレイも可能で、その際はお互いの攻撃がヒットする。ダメージは微々たる物だが硬直時間があるので息が合わないとピンチに陥る原因になることもある。


-コーディー・ガイの二人は通常攻撃のパンチが非常に早く連打が効き、敵の突進攻撃を止める事もできる。一方ハガーは攻撃回数が少なくパンチも遅いが、長いリーチと一発ごとの攻撃力が高く、敵を掴んだまま移動可能で、そこからバックドロップやジャンピングパイルドライバーといった大技を繰り出せる。
--投げた敵の体にぶつかった敵は、将棋倒しの如く巻き込まれる。投げのモーション中は無敵であるため、敵に囲まれそうなときは片方の敵をもう一方に向かって投げることで、ダウンさせつつ一方向にまとめるテクニックが有効である。
--コーディー・ガイは投げた後の隙に攻撃を受けることがある。一方ハガーは投げた後の無敵時間中にパンチが打てるほど無敵時間が長く残るので、上記のレバーを上か下に入れながらの連続攻撃を行うことで、敵の大群を次々にバックドロップで投げていくことができる。その様は「引っこ抜き」と呼ばれる。

-敵に囲まれた状態でも、完全無敵で回転しながら敵を蹴散らす「必殺技」で切り抜けやすくなっている。
--ただし、代償として命中した場合少しだけバイタリティが減るようになっているため、多用は出来ない。攻撃を受けてのけぞっている最中に出せるのはこの技のみで、後世の対戦型格闘ゲームの「必殺技」とは意味合いが異なっており、いわゆる「メガクラッシュ」のようなもの・緊急回避的なものとなっている。当然、バイタリティが少なすぎる場合は、この技を繰り出すことは出来ない。
--この「必殺技」を出す方法は、攻撃とジャンプのボタン2つを同時に押すだけというシンプルなもの。そのためとっさに出しやすく、初心者が複雑な入力が出来ずにピンチを切り抜けられない、などといったことはあまりない。
---ただし敵が密集している状況下でダウンした場合、必殺技を出す余裕もなく再び蹂躪される事も多々ある。

-武器アイテムは、ナイフ・日本刀・鉄パイプがある。それぞれコーディー・ガイ・ハガーの得意武器として設定されており、得意武器を手にした場合は振りが早くなる。
--ナイフだけは例外で、ガイとハガーでは投げつけるため使い捨てだが、コーディーのみ至近距離では突き刺して使う。
---よってコーディーの場合、敵からの攻撃を受けて地面に落とすか、敵との距離が離れている場合には)敵に向かって投げつける、あるいはエリア突破で手放すまで持ち続けることが出来る。
--武器はステージに落ちているのを拾ったり、敵の手から落とさせ奪い取ったりして入手する。
--なお特定敵専用の武器として火炎瓶があるが、落とさせた時にも割れて炎が燃え広がるためプレイヤー側は入手できない。燃え上がった炎はプレイヤー・敵とも触れると体が炎上し強制ダウンになる。

-敵の攻撃を防御することは出来ない。攻撃こそが最大の防御である。
--敵キャラクターの中にはごく一部、こちらの通常攻撃のみ防御する者もいる。しかし武器攻撃やつかみ(投げ)、必殺技を防御されることはない。

-道中にはタイヤやドラム缶などのオブジェクトがあり、破壊することでスコア(得点)アイテムやバイタリティ回復アイテムの食べ物が出現する。食べ物は、バイタリティが満タンのときだけ得点になるため、ハイスコアを狙うなら極力ダメージも受けず必殺技も使わずに進めねばならない。
--ステージ2・4クリア時にはボーナスステージがある。
--ちなみに本作には隠しフィーチャーとして、オブジェクトを破壊したときタイミング良く(具体的には破壊したほんの一瞬後であり、同時ではない)いずれかの方向にレバー入力しつつどれかのボタンを押すと、最高得点(10000pts.)のアイテムが必ず出てくるという要素があり、通称「錬金術」と呼ばれハイスコアチャレンジの要となっている。開発者曰く「『ワンダーボーイ モンスターランド』が好きだったから」とのこと((同作には特定の場所でレバガチャするとゴールドが手に入るという隠し要素がある))。

-登場する敵キャラクターはいかにもチンピラ風のモヒカンやスキンヘッド、バイカールック、女性(後述)、デブに巨漢にゲリラ風と多彩。それらが画面狭しと襲い掛かってくる。場所によっては同時に10人以上が出現することもある。
--敵キャラクターは画面外から歩いて登場するのみではなく、背景に溶け込むかの様に立っている、または地下鉄の座席や道の端に座っていてプレイヤーが近づくと構えて襲ってくる、ボスキャラクターが合図の口笛を吹くと背景の建物から出てくる、などパターンも豊富。
--それら敵キャラクターの配置も絶妙であり、もちろん難易度の高い場所はあるが、理不尽ではなく、練習と研究によって、あるいは仲間との協力によって必ず突破口が開ける。

**評価点
-各キャラクターのトータルバランスはきちんと調整されており、選択キャラクターによってクリアが容易(あるいは辛い)といったことはない。
//-前述の通りベルトスクロールアクションゲームは本作以前にもあるが、キャラクターごとに性能差や個性をつけ、かつ選択式にしたものは本作が初。
//ゴールデンアックスが先との指摘有。

-キャラクター・背景とも細部まで描き込まれており、個性的で骨太なグラフィックも好評。
--あくまで一例だがラウンド2のボスキャラクター「ソドム」は、着用しているアメフトの防具にジーパンという衣装にそぐわぬ戦国武将風の兜に面頬までつけ足袋草鞋を履き、さらに二刀流という一度見たら忘れられないほどのインパクトがある格好をしている。
--この他にも警棒で殴りつけたり銃を発砲する悪徳警官のエディ・Eや、素早い動きで翻弄する元軍人のロレント、力任せの脳筋男アビゲイルなどありがちながらも世界観にマッチしたボスキャラクター達が行く手を阻む。
--ステージは荒れたスラム街に始まり地下街、地下鉄、地下プロレス会場、繁華街、バー、工事現場、深夜→夜明けの海岸、そして敵組織の本拠地と戦いの場は目まぐるしく変化していきプレイヤーを飽きさせない。
---こうした個性豊かなキャラクター達が「暴力と退廃」という設定に即した劇画タッチで描かれ、さらに多くのパターンアニメーションで動きまわる。
--コンティニュー画面では、導火線に火が点いたダイナマイトの束を目の前にしたプレイヤーが拘束されているのだが、まさに「死にたくない」と言わんばかりに首を左右に振り続ける者、導火線の火を消そうと必死に息を吹きかける者とさまざま。さらに時間が少なくなるにつれ動作が速くなっていく。またコンティニューした場合、助かったことに安堵しほっとした表情を浮かべる、という芸の細かさ。
---2人同時プレイまでのゲームに3人のキャラクターをつけたのは孤軍奮闘・孤立無援という状況で「誰が助けたのか?」という疑問の答えにもなる設定の妙である。

-見た目の派手なアクション、特に投げや必殺技などの巻き込み攻撃で本作の重視点「群がる敵をまとめて蹴散らす爽快感」を心行くまで味わうことが出来る。
--「左右から襲い掛かる最大十人の敵を、印象的な掛け声とともに一撃でなぎ倒す」という豪快さはストレス解消にもってこいである。とかく本作の声ネタは印象的なものが多く、頻繁に聞く''「デヤァ!」''の雄叫びは耳に残ること間違いなし。

-ラウンド2クリア時のボーナスステージ「一定時間以内に車を破壊する」は後にカプコンにおける定番となり、『ストリートファイターII』などにも登場している。

-荒廃した犯罪都市での大立ち回りという舞台設定にマッチした、荒々しくも熱いBGMの数々。
--担当は後にストリートファイターIIも手掛ける下村陽子氏。熱く燃える曲調を得意とする彼女の作風が発揮されている。

**問題点
''残機設定が厳しい''~
-デフォルト設定で残機「1」であり、残機を増やすアイテムは無く得点によるエクステンド(残機アップ)も1回のみなので、合計「2」しかない。全体的に一歩間違えると一方的に蹂躙されて終了という場所が多発するこのゲームにおいて、この残機数では厳しい。
--ただしエクステンドの点数は非常に低く設定されており、稼ぎを意識せずとも、ラウンド1をクリアする頃にはエクステンドするような数値である。

''1人対多人数という構成ゆえの厳しさ''~
-道中は何人もの敵キャラクターが一斉に寄ってくる場面の連続であり、1人を処理する間に他数人から蹂躙されてそのまま終了という状況に陥る事もよく起こる。ラウンド1をクリアすれば、そこはもう初心者お断りの無法地帯となる。
--高い攻撃頻度のみならず、こちらの攻撃を防御、回避する者やプレイヤーのアウトレンジ、あるいは画面外から攻撃する者、一部のジャンプ攻撃を撃ち落とす者や姿勢を低くして突進してくる者も存在する。画面外からの突進や大ジャンプ攻撃を受けてダウンし、立ち上がった時には四方を敵に囲まれ、立ち上がりと同時に再び袋叩きに遭う、というケースも決して珍しくない。
--必殺技で切り抜けようにも、前述の通りタイミングと敵の位置取りによっては必殺技すら出せないまま次の攻撃を受けて再びダウンすることもある。下手をすると、一度ダウンしたら残機数が減るまで一方的に蹂躪されてしまう。あらゆる意味で、オープニングデモ画面で謳われていた''「平和も秩序もない。あるのは暴力と死だけだ」''という言葉に嘘偽りは無い。早い話が''コンティニューによる継続プレイを前提とした死ね死ね金払えゲーと言って差し支えない''ゲームバランスである。
---必殺技も、前述の仕様から多用出来るものではないため、全体的に敵の配置と対処法を覚えられるかどうかがゲームをやり込む鍵となるが、敵の動きは毎回変わる為パターン化も非常に難しい。


''初見殺しのボスキャラクター達''~
-各ラウンドのボスキャラクターは、ラウンド1の「ダムド」こそ誰でも倒せるレベルだが、以後はそれぞれ一癖も二癖もある個性的な者ばかりで、専用の特殊攻撃の判定や威力が高く、初対決ではなす術もなくやられることが多い。
---ただし、決して理不尽といえる強さではなく、何度か戦って行動パターンを把握すれば対処法が見えてくる。強敵だからこそ倒した時の達成感や爽快感もひとしお。~
しかし、そこまで到達するにはかなりやり込む必要があるのも事実であり、相応にコインを投入する覚悟が必要になる。
--特に前述の「ソドム」は攻撃判定・攻撃力・防御力((ソドムは打撃に対し強い耐性を持っており、つかみからの攻撃以外ではごく僅かしかバイタリティを減らせない。))とも極めて高く、ゲーム全体で見れば、まだ序盤であるラウンド2にしては場違いなほどの強さを持っており、その奇抜な風貌も相まって数多くのプレイヤーに強烈な印象を残した。
---なお、このソドムから「カプコン製ベルトスクロールアクションゲームに登場する2番目のボスキャラクターは強敵」という法則が受け継がれていくことになる。

**総評
このジャンルでは本作以前にも『ダブルドラゴン』などが存在していたが、「『ファイナルファイト』はベルトスクロールアクションの基礎を作った」と言われるほどの大成功となった。事実、カプコンのベルトスクロールアクションは本作の特徴を踏襲しており、また他社作品においても本作を手本に独自の味付けを施したものばかり、と言えるほど『ファイナルファイト』の完成度と影響力は高い。~


本作の成功によりベルトスクロールというジャンルが一気に知れ渡り、シューティングゲームと並んでアーケードゲームの定番となった。
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**その後の展開
現在でも一部のゲームセンターでプレイする事が可能。人気作品だったこともあり、いくつかの機種に移植されている。

***スーパーファミコン版
-家庭用初移植。アーケード版からかなり多くの要素が削られているが、爽快感を重視した良移植となっている。
--詳細は[[こちら>ファイナルファイト (SFC)]]から参照されたし。

***ゲームボーイアドバンス版
-『[[ファイナルファイト ONE]]』というタイトルでGBAに移植されている。
--どちらかといえばSFC版をベースにした完全版に近く、アーケードの完全再現には至らないが、作品の魅力を損ねることなく再現している良移植である。
---詳細はタイトル名のリンク先を参照されたし。

***他機種移植作品
-X68000版(1992年7月17日発売、カプコン/開発:SPS):カプコンのX68000初参入作品。同時出現する敵キャラが4人までという点以外は移植度は高い。
-メガCD版『[[ファイナルファイトCD]]』(1993年4月2日発売、セガ・エンタープライゼス):仕様はX68k版に近い。パンチが遅いことや敵の同時出現数がかなり抑えられたこと、バグが多いこと、敵と味方のアニメーションにズレがあることなど爽快感をかなり失う移植であり評価は低い。BGMはCD-DAによるアレンジ版に差し替えられており、こちらは一聴の価値あり。

-アーケードでは『ファイナルファイトリベンジ』が続編として出たものの、内容は対戦格闘ゲームになっている。((ST-V、すなわちセガサターン互換基板。))
--因みに、ファミ通の評価はというと…
「カクカクしたモデリングに安っぽいテクスチャー。オリジナルのファンの嘆く顔が目に浮かぶ」
「制作意図が見えない格闘ゲーム」
「ハッキリ言って格闘ゲームとしてのデキはプレイステーション初期のレベル。演出もコミカルというよりふざけ過ぎ」
…と、辛辣を通り越している。
-ベルトスクロールアクションを踏襲した続編は『[[ファイナルファイト2]]』『[[ファイナルファイト タフ]]』としてSFCでリリースされた。初代の人気には遠く及ばなかったものの、2人同時プレイや3人(以上)のプレイヤーキャラクター、そしてSFC版でステージごと削除されていたロレントの登場など、初代移植版で果たせなかった要素が実現されている。
-FCではキャラクターの2.5頭身化・1人プレイ専用・必殺技&レベルの導入など大幅なアレンジ移植が施された『[[マイティファイナルファイト]]』がリリースされた。
-アーケード版の完全移植は、2006年にPS2で発売の『[[カプコン クラシックス コレクション]]』が初である。

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**余談
-本作には「カプコンUSAのスタッフから『[[ストリートファイター]]』の続編を作ってほしいという依頼があったため、製作された」という裏事情がある。「対戦ゲームの続編を作れ」とは言われなかったため、西谷氏はベルトスクロールアクションを題材に選び、このゲームを製作する。AMショーに出展された時のタイトルは『ストリートファイター'89』であったが、ゲーム性が異なることからネーミングで非難を受け、その後タイトルが『ファイナルファイト』に変更された。
--『ファイナルファイト』は国内外問わず好評で、基板も飛ぶように売れた。しかし、例のスタッフは『ファイナルファイト』を見て「オレは対戦ゲームを作ってほしかったんだ…」とコメント。それに対し西谷氏は「なら最初からそう言えって!(笑)」と愚痴をこぼしている。
---その後西谷氏が製作したのが、かの有名な『[[ストリートファイターII]]』である。

-ベルトスクロールアクションの元祖は「[[熱血硬派くにおくん]]」(1986年)だが、知名度はあれどそこまでのヒットではなかった。後にダブルドラゴンやセガの[[ゴールデンアックス]]等が該当するが、ファイナルファイト程のヒットには至らなかった。

-本作の大ヒット後ブームが巻き起こり、各ゲームメーカーはこぞって同タイプのアクションゲームをリリース。ベルトスクロールアクションという一大ジャンルが一気に活性化した。
--ベルトスクロールアクションというジャンルは他のTVゲームジャンルと比べて知名度はあまり高くないが、一部ちょっとコアな人種の間ではベルトスクロールアクションの事を「ファイナルファイト系」と言う風潮もあったりする。
---同ジャンルの先駆者であったテクノスジャパンも例に漏れず積極的にリリースしたが、『コンバットライブス』や『ダブルドラゴン3 ロゼッタストーン』などの出来があまり良くなく、カプコンに大きく水をあけられることとなった。

-AC版ではOPで拉致されたジェシカの一枚絵は''下着''姿だったが、一部を除いた移植版ではドレス姿に変更された。さすがに色々とヤバかったらしい。

-本作に登場する敵キャラクターのうち「ポイズン」と「ロキシー」はその設定に関して紆余曲折がある。
--アメリカでの稼働時に、夫からドメスティックバイオレンスを受けていた女性から「女性に対する暴力を促している」という旨の抗議を受けた際、カプコンサイドは「''(ポイズンとロキシーは)女に見えるが、実際は男だから問題ない''」と突っぱねた((この他、「元々女性として設定していたが、カプコンUSAから「女性を殴るなどとんでもない!」という意見を受けて急遽ニューハーフ設定になった」という話もある。現在では真相を探るのは極めて困難であると言わざるを得ないだろう。))。
---これにより、ポイズンとロキシーの2名はニューハーフキャラクターとして扱われるようになったが、元々はあくまでアメリカでの抗議に対処するための言わばでっち上げであるため、''日本版においてはあくまで女性である''とされていた。
--だが、それ以降の作品によっては、日本版でも明確にニューハーフ扱い((SFC版『ファイナルファイト』取説内表記にはニューハーフとあり、三人称が「彼?」になっている、『マイティファイナルファイト』に登場する妹に当たるキャラクター・ポイズンキッスの設定内に「(ポイズンは)兄」と設定、『SNK VS. CAPCOM カードファイターズDS』のポイズンのカードテキスト。))されることもあれば女性((『ファイナルファイト リベンジ』・『ストリートファイター X 鉄拳』(の公式サイト)では完全に女性と設定。))とされることもあり、更にはぼかされる((『ストリートファイターIII 2nd IMPACT -GIANT ATTACK-』でヒューゴーのセコンドとして登場するが、性別に関しては触れられない。))ことがあったりと、実際の所が曖昧になっている。
---また、開発スタッフ内でも二転三転しており、特に『ストリートファイター4』や『ストリートファイター X 鉄拳』のプロデューサーを務めた小野義徳氏は2007年に受けたインタビューでは「北米版の設定では元男性で性転換手術を経て女性になり、日本版では「上手いこと隠して」女装している」(意訳)としていたのが、2011年に受けたインタビューでは「カプコンからの公式な回答を持たない。ミステリーのままにしておく」(意訳)と回答している。
--これの煽りか、海外でのスーパーファミコンなどへの移植の際にはポイズンとロキシーはそれぞれ「シド」と「ビリー」というパンクファッションの男性に変えられているが、動きは流用されている。
---更には『ファイナルファイト2』でも同様に「マリー」と「エリザ」という女性の敵が出て来るが、これもやはり「レオン」と「ロバート」という男性に動きは流用のまま変えられている。
--しかし肝心のアメリカでは、当時の海外アーケード版はマイナーであり、SNES版でも上記のようにポイズン達が存在自体を消されてしまったため、本来海外用の設定であった筈のニューハーフ設定はほとんど知られることがなく、逆に日本では「美女が実はニューハーフ」という意外性から攻略本などで度々取り上げられるようになり広く浸透してしまう逆転現象が起きてしまった。
---そしてポイズンが『ストリートファイターIII』や『ファイナルファイトリベンジ』等に性別を明記せずゲスト出演して海外でも人気を得ていく中、2006年の『[[カプコン クラシックス コレクション]]』で17年越しに海外でもゲーム内でニューハーフ設定が明記されることになる。以降、ポイズンが実は男なのか否かと海外でも取り上げられるようになり、カプコンがこれに関するコメントを出し始めた時期と一致している。
---近年のLGBT配慮の風潮などもあり、現行設定ではポイズンの性別について男性とも女性とも明記せず深く触れない方針を取っているようで、『ストリートファイターV』に出演した際も性別が「Unknown」になっていたりとデリケートな扱いとなっているようだ。

-マッドギア首領、ベルガーについても車椅子を使用している事から「障害者を虐待している」という抗議を受けた逸話がある。
--このせいか英語版では車椅子から安楽椅子に変更されている。ちなみに車椅子を使用しているのは開発スタッフ曰く「歩くモーションを入れる容量が無かったため」とのことであり、事実車椅子で移動する以外ではジャンプしつつボーガンを連射する動きしか取らない。

-本作のROM容量は様々な事情により、本作で使われた基板であるCPシステム第1弾の『ロストワールド』の半分程度しか用意されなかったことを、西谷氏がTwitterにて語っている。→[[該当リンク>https://twitter.com/nin_arika/status/874635462832345089]]

-難易度の高さに加えて人気作という事もあり、コンティニューでの連コインが問題になった。
--同年にヒットした『[[ダライアスII]]』がプレイの順番待ちで殆ど問題が起こらなかったのとは対照的である。客層が違うというのもあるが…((ゲームセンターの常連に人気だった『ダライアスII』、中高生に人気だった『ファイナルファイト』。))。


-アイルランドのメタルバンド・Gama Bombのアルバム「シチズンブレイン」の楽曲に「ファイナルファイト」というタイトルがあり、歌詞がゲームのファイナルファイトの事を歌っている。((他にも、日本のアクション映画のシーンをPVに取り入れたりと何かと日本をひいきにしている。))


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