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格闘料理伝説ビストロレシピ 激闘★フードンバトル編/決闘★ビストガルム大陸編」を以下のとおり復元します。
*格闘料理伝説ビストロレシピ 激闘★フードンバトル編/決闘★ビストガルム大陸編
【かくとうりょうりでんせつびすとろれしぴ げきとうふーどんばとるへん/けっとうびすとがるむたいりくへん】
|ジャンル|ロールプレイング|&image(http://cdn.www.tsutaya.co.jp/images/jacket/00356/4983164730845_1L.jpg,height=160)|&amazon(B000069THR)|
|対応機種|ゲームボーイカラー(全GB共通)|~|~|
|発売元|バンプレスト|~|~|
|開発元|レッドカンパニー|~|~|
|発売日|フードンバトル編:1999年10月8日&br()ビストガルム編:1999年12月10日|~|~|
|定価|各3,980円|~|~|
|判定|BGCOLOR(lightsalmon):''クソゲー''|~|~|
|ポイント|2つを合わせても薄いボリューム&br()集めたモンスターの存在意義がない&br()眠り攻撃を先に当てるかどうか''だけ''で決まる勝負|~|~|
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#contents
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**ストーリー
料理から生まれるモンスター「フードン」の存在する世界。世界は「ドン・クック」率いるフードンを悪用する悪の軍団「ビショッカー」に悩まされていた。~
主人公「まくのうち ゼン」の父で、優秀な料理人であった「ツキジ」はビショッカーに目を付けられ、さらわれてしまう。~
父をビショッカーの手から救い出すべく、かけだしの料理人「ゼン」は妹「カリン」や仲間たちと共に、フードンを駆使してビショッカーに挑んでゆく。

**概要
当時隆盛を誇った[[ポケモン>ポケットモンスターシリーズ]]フォロワーのRPGの一つ。二つのバージョンが発売されたが、二本のソフトで前編・後編のストーリーが分けられており、後編に当たるビストガルム編はフードンバトル編より二カ月後の発売である。
漫画・アニメなどのメディアミックスも行われている。

**特徴
-フードン
--料理に「レシピカード」と呼ばれるカードを貼って命名することで、「フードン」と呼ばれるモンスターを生み出すことができる。
--敵を倒した後に手に入れたレシピと食材を基に、食材を集めて料理をする。ミニゲームをし、その結果によってフードンの初期レベルが変わる。
---規定の点数に足りなかった場合、料理は失敗し、料理名「だいしっぱい」のフードン「マックロン」という実用性のないモンスターが生まれてしまう。
--レシピに必要な食材以外を使ってオリジナル料理に挑戦することもできる。特定の組み合わせだと、通常の料理で生まれるのと違うフードンが生まれる。
---「ハンバーグ」+「パン」=「ハンバーガー」、「オムレツ」+「こめ」=「オムライス」のような納得できるものが多いが、「ななくさがゆ」+「チーズ」=「リゾット」や、「ホットケーキ」+「りんご」=「アップルパイ」のような少々疑問なものもある。

-トッピング
--通常のRPGにおける、いわゆるアイテム使用にあたる。戦闘中にフードンに食材を投げて「トッピング」する。外れることもある。
--基本的には「チャーハン」なら「こめ」「たまご」など、フードンに使われている食材を与えれば回復し、その他の相性の良い食材を与えると能力アップなどが起こる。
--トッピングは相手に投げつけることもでき、明らかに合わない調味料は状態異常を与えることができる。例えば、「さとう」は相手を眠らせる、「わさび」は相手をしびれさせる効果がある。
---しかし、上記の料理の相性を考えないと逆に相手の能力を上げることになりかねない。前述の「さとう」ならおかし系、「わさび」ならおすし系の敵は逆に能力をアップさせてしまう。
--相手が何の料理のモンスターなのかを考えながら、料理に合う食材、合わない食材を考えながら戦う必要があり、この作品の独自の面白みの一つと言えるだろう。
--状態異常はどの料理でも基本的に「ハーブ」をトッピングすれば回復できるが、「ハーブ」を使った料理は上記の「料理に使われた食材を使うと回復」が優先されてしまい、戦闘中の状態回復ができない。
--前編ではトッピングの効果を戦闘中に試すしかなかったが、後編ではアイテムを消費せず実験できるモードが追加された。
--体力回復したい場合でも、トッピングが外れる場合があるので運次第である。

**問題点
-あまりにも内容が薄い
--前後編に分けられて販売されたにもかかわらず、両方合わせても他のGBで販売されたRPGより内容が薄い。特に前編は、あからさまに続編前提の終わり方をしている。
--フィールドを歩き回るようなことはなく、すごろくのようなマップを1マスずつ進んでそのマスの敵を倒し、次のマスに進むという形で、謎解きや探索のような通常のRPGにある要素はない。
--クリア後のイベントはなく、ラスボスを倒した後は同じモンスターを出す雑魚敵を延々と倒すくらいしかすることがない。
---ラスボスとの再戦すらできない。本作は後述のように戦略性が薄く、レベルが非常に重要になってくるのだが、この仕様のせいで最大レベルにあげるまではまさに地獄。
--全体的にキャラの掘り下げが足らず、とってつけたような設定が多い。
---ビショッカーに両親をさらわれたためビショッカー打倒を目指している「ピータン」というキャラが仲間になるが、彼の両親は一切登場していない上に、結局両親の所在は不明。にもかかわらず、彼が仲間になった後は話題にすら上がらない。結末でも彼はビショッカー撃破を喜びこそすれ、両親のことには一切触れない始末である。
---ビショッカーのトップである「ドン・クック」は、ラスボスとして唐突に登場するのみである。
---同様に「ハオヂィ」も、主人公たちについてくる理由や後編で勝負を挑んでくる理由が薄い。


-フードンのデザイン
--イラストのタッチやゲーム中のドット自体は悪くないのだが、料理を基にしたモンスターではどうしても格好良さに限界のあるデザイン。
--頭に「トム」「ヤム」と書かれた二人の子供の「トムヤムくん」、ライオンとカバとブタが串に刺さっている「シシカバブン」など、単なるダジャレフードンも多い。
--料理モチーフという中で頑張ってモンスターを作ろうとはしているようだが・・・。

-技モーションの使いまわしが多い
--技モーションが少なく、「ラッシュ」「にぎりつぶし」などの腕を使う技は全て同じパンチのモーションなど、使い回しが多い。酷いところだとラスボス専用技「ダークスピン」は「たいあたり」と同じモーションである。
--モーションや効果は使いまわしで名前のみではあるが、一応フードンごとの専用技は多い。

-戦闘関連
--大味すぎるバランス。
--他RPGでいうHPの「FP」は、いわゆるMPと共用のステータスであり、初期技以外の技を使うたびに自分の体力も消費してしまう。
--技の説明が最低限しかなく、威力や命中率、属性がわからない。
---なぜかと言えば、はっきり言って''説明するほどの内容がないからである''。威力はせいぜいFP消費技の方が強いといったレベルでしか差がなく、命中率は全技で共通。属性に至っては「何の属性も持たない技」「フードン自身と同じ属性の技」の2種類しか扱えない。
--おかし系のうちバニラアイスなどが使える氷攻撃、マンゴープリンが使える眠り攻撃などの技は重ね掛けがきいてしまうので一方的にハメ殺せてしまう。((氷攻撃なら持続ターン数が元に戻り、眠り攻撃ならばFF5の魔法剣スリプルよろしく「攻撃されたので起きる」→「追加効果でまた寝る」の繰り返し。なお、攻撃外れで眠りからは覚めない。あくまでヒットしたときだけ起きる))
---ごくまれに技が外れることもあるが、どのみち1ターン外れた程度で解除はされないので意味はない。
--ハメ技よりはマシであるが、能力変化に限界がないのでまもりアップで防御をあげ切られると状態異常しか打つ手がない。
---そのまもりアップでさえ、まもりが上がりきる前にはめられたらなす術がない。
--「うん」というパラメータを「うんアップ」で上げることができる。だが、「うん」の存在意義が不明。クリティカルは存在しないゲームであり、回避は時たまあるが「うんアップ」を連打しても回避する様子はない。
--まともな戦術もそれを使えるフードンも限られておりパーティが固定化されがち。
---というか、突き詰めていくと最強パーティーは''マンゴープリン×5''という面白味も何もないメンツになる。マンゴープリンは凍らない((おかし系のうち、アイスやプリンの類は凍らない))うえにおかし系の特徴として素早さが高く、無効化される相手のいない眠り攻撃を先制して使って後は永眠というパターンにするのが一番お手軽かつ最強だからである。ふつうポケモンやそのフォロワーは相性の概念でこういった事態を防いでいるのだが、本作でおかし系を得意とするやさい系はおかし系に比べ遅いので何もできずにハメ殺されるだけである。結果マンゴープリンに対処するにはよりレベルの高いマンゴープリンで先制してやられるまえにやるという身も蓋もない事態となる。当然レベル最大のマンゴープリン×5同士で戦ったらあとは''完全なる運ゲーとなる''。
---ならばハメ技を封印したらまともな勝負になるのか。残念ながら答えはNOである。なぜならば''本作の戦略性はハメ技以外にないと言っても過言ではない''からである。その他には「まもりアップで泥仕合」「焼け石に水レベルのその他の能力アップ技」「やけどやカビでスリップダメージを与える」「FP消費技での単なる殴り合い」''以上''。誇張抜きでこのレベルである。戦闘で使えるコマンドは「たたかう」「トッピング」のみで、交代すらできない((通信対戦ではトッピング使用不可の可能性あり。))ため、満足に弱点を突くことすらできない。

-処理落ち
--GBにもかかわらず、中盤以降FPが多くなるとダメージを受けた後のゲージの減りが必ず処理落ちしてガクガクになってしまう。

-後半手に入れたレシピの意義が薄い
--料理ミニゲームの出来で仲間にしたキャラの初期レベルが変わるが、高得点を出してもレベルは1ケタにしかならない。序盤ならともかく、中盤以降はフードンを仲間にしてもまず使えないだろう。
---ラスボス戦直前にある人物から「ダークレシピ」に対抗できる伝説のレシピ「ワンダーレシピ」を教えてもらえるイベントがあるが、この時点でレベル1ケタのフードンを作っても対抗のしようがない。
---せっかく、作ったフードンの種類数などによって主人公の肩書き(さらあらいなど)が変わるシステムなのだから、初期レベルを高くして料理の上達を表すなどやり方はいくらでもあったはずだ。

-やたら多い属性
--ごはん、パン、にもの、フライ、カレー、たまご、おすし、パスタ、めん、やさい、おかし、スープ、にく、てんしん、てっぱん、どんぶり、だいしっぱい、???と、[[やたら属性が多い>ラストリベリオン]]。「カレーはやさいに強く、スープに弱い」などの相性も法則性がなく、覚えづらい。属性によっては属するフードンがほとんどいないものすらある。
---なぜかパスタ系のみ、素早さが最低レベルなのに他の能力も高くないと理不尽な扱いを受けている。
---というかハメ技のせいで本気で戦うと''おかし以外は存在価値なし''になる。
--そのほかに、和食・洋食・中華・エスニックといった分類のようなものも存在するが、ほとんど活用されていない。四天王の所持フードンがこれに則って決められているぐらいだろうか。

-パスワード専用モンスターが多い
--後編終盤のボス専用モンスターや「ホイコロン」「にくジャガー」「ピザーラン」はゲーム内で入手する方法がなく、コミックボンボンに掲載されたパスワードを使う以外入手方法がない。ボンボン読者以外は前後編両方プレイしたとしてもコンプリートできなかった。
--また、前編・後編の間でレシピの引き継ぎはできないため、片方のソフトのフードンをもう片方で使いたい場合、一体ずつパスワードや通信を使って引き継がなければならない。
--そのパスワードも、フードン数は160程度とポケモン並みに存在する割には預かってもらえる限界が40ほどしかなく、いちいちわかれる作業が必要となる。
--「だいしっぱい」以外の料理はすべて片方のバージョン限定なので、カタログを完成させるためにはかなりの回数のパスワード入力が必要。
--フォントが見辛いうえにパスワードが長く、入力に時間がかかるうえに見間違いでの失敗もしやすい。

**評価点
-ケーキやどらやきのキャラなどは、かわいいマスコットキャラとして見られるデザインではある。
-クソゲーの常か、BGMは特別高い評価でないにしてもまずまず。
-ドットの公式絵再現率や、一枚絵は当時のGBソフトにしては出来が良い。
-前述のハメ技や「まもりアップ」が使えるキャラは早い段階で手に入るようになっており、ストーリー中で「まもりアップ」の対抗手段となるやけど攻撃の手段を持つフードンが最序盤に手に入るなど、味方が限られていてもチョイス自体は悪くない。

**総評
料理モチーフの新しい要素はあるものの、当時の水準でもポケモンフォロワーのRPGとして低水準であり、ただでさえ薄いストーリーを前後編に分ける意味も薄い。~
前編からわずか二ヵ月でほとんど改善点のない後編を販売したことから見ても、開発期間があまりにも短く完成度も低いと言わざるを得ない。~
また、モンスター収集要素はあるものの、料理したフードンのレベルが低すぎる仕様により序盤以外のキャラがどうしても使いようがないのはポケモンフォロワーのゲームとして致命的だと言えよう。


**余談
-1999~2000年にかけて、コミックボンボン誌上で津島直人によるコミカライズがされている。ストーリーはゲームとの関わりが薄く、オリジナル展開が多い。理由は不明だが、打ち切りのような形で最初の四天王を倒したところで終わってしまった。
--漫画版の評価自体は高く、お色気シーンなどは今でも語り草である。
-2001年にNHK衛星放送でアニメ版も放送されている。漫画版のストーリーを原作としており、こちらは最後まで完結した。
-アニメ版は『Fighting Foodons』のタイトルでアメリカでも放送された。
-1999年9月にワンダースワン版も発売されている。GB版の前編より発売が早いが、内容は前編と後編の間の時系列となっている。こちらにはマップ上の移動なども存在している。

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