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ゾイドインフィニティ」を以下のとおり復元します。
*ゾイドインフィニティ (AC)
【ぞいどいんふぃにてぃ】
*ゾイドインフィニティEX (AC)
【ぞいどいんふぃにてぃ いーえっくす】
*ゾイドインフィニティEX PLUS (AC)
【ぞいどいんふぃにてぃ いーえっくす ぷらす】

*ゾイドインフィニティ フューザーズ (PS2)
【ぞいどいんふぃにてぃ ふゅーざーず】

*ゾイドインフィニティEX NEO (360)
【ぞいどいんふぃにてぃ いーえっくす ねお】

|ジャンル|アクションゲーム|&amazon(B0006MQ1KA,image);&amazon(B000E3WPWE)|
|対応機種|アーケード(SYSTEM246)&br;プレイステーション2&br;Xbox360|~|
|発売元|トミー(EX PLUS以前)&br;タカラトミー(EX PLUS/EX NEO)|~|
|開発元|タイトー、翔泳社|~|
|稼働開始日【AC】|2004年6月24日|~|
|発売日|【PS2】2005年2月17日&br;【360】2006年3月30日|~|
|定価|【PS2/360】6,800円(税別)|~|
|廉価版|【PS2】トミコレ・ベスト&br;2007年3月29日/2,800円(税別)|~|
|判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~|
|ポイント|ファン納得のゾイドによる3D対戦ゲーム|~|
|>|>|CENTER:''[[ゾイドシリーズ・関連作品リンク>ゾイドシリーズ]]''|
#contents(fromhere)

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**概要
ツインスティック操作による3D対戦ロボットアクションゲーム。((戦闘用ゾイドは正確にはサイボーグだが。))~
『[[ZOIDS VS.シリーズ>ZOIDS VS.]]』では不完全燃焼であった「3Dアクションでゾイドを動かしたい」というファンの願いが叶った作品。~
AC版は専用筐体による高い臨場感を有し、人型ロボットを扱った同系統作品とはまた違った独特の戦闘と操作感を楽しめる。~
数度に分けてバージョンアップが繰り返され、バランス調整と共にシナリオやゾイドの追加が行われた。~
音楽は[[ダライアス>ダライアスシリーズ]]などの作曲でも有名なZUNTATAが担当。
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**特徴
''専用筐体及びツインスティックによる臨場感のある戦闘''
-対戦形式は基本的に1on1。1ラウンド99秒。耐久値力とEN((ブーストや各種武装で消費する))は全機体共通で10000。
-筐体や対戦形式など[[バーチャロンシリーズ>電脳戦機バーチャロン]]を彷彿とさせる所もあるがプレイ感覚はかなり異なる。
-基本操作
--コントローラーはバーチャロンと同じくツインスティック+4ボタン(加えてコンパネ中央の決定ボダン)だが操作方法は独特。
--基本動作はスティック1本で行い、後述のステップやハイパーブレーキ等を行う時に2本目を補助的に使う形式。
--左右どちらかのスティックを前後に倒すと移動。先進にくらべ後退動作はかなり遅い。~
横に倒すと横移動ではなく回頭を行う。斜め前に入力すれば前進+回頭となり旋回することができる。
--2本を同じ方向に倒すとステップを行う。ステップは4方向((慣性を引き継ぐため斜め方向への移動も可能))であり、横ステップは本作でも可能な横移動。
---先述のバーチャロンシリーズに触れたことのあるプレイヤーは、移動するつもりがステップになってしまい返って戸惑うだろう。
--ブーストボタンを押すことでENゲージを消費してブーストによる加速ができる。加速方向は前方のみ。
---通常移動では攻撃の回避は難しいため、基本的にブーストとステップを駆使して移動・回避を行う。
--ダッシュ中に左右のレバーを内側に倒すとハイパーブレーキと呼ばれる動作を行う。~
急ブレーキと同時にドリフトしながら相手の方向に向く。視角外の敵を捕捉し直すのに役立つが、機体が停止するため良い的でもある。((ステップにより中断できるが慣性の乗っていないステップでは回避は難しい))
--ステップがあるとはいえ前進移動を基本とし、人型をしていないといった点からゾイドの操作感覚はむしろ自動車に近い。
--筆者の個人的意見だが、ツインレバーにするより、1レバー+1スロットル(レースゲームでのギアの配置)とデザインした方がプレイヤーが迷わなかったかもしれない。そうすると筐体の値段が上がってしまうとか、家庭用に移植し辛いとかの問題があったのかもしれないが…。
--なお、アニメ版ゾイドのオーソドックスなコックピットがツインレバー式であった((所属国家問わず陸戦機体の殆どがこの形式))ためその再現であった可能性もある。筐体自体もライガーゼロを模している意匠が見て取れる。もっとも、その場合は操縦桿は側面になければならないが。

-ゾイドの耐久力は他の同タイプのゲームと比較して高めに設定されており、初心者でもワンプレイをそれなりに長い時間楽しみやすい

''所属国家という概念''
-へリック共和国・ガイロス帝国・ネオゼネバス帝国のうちから一つ所属国家を選択してゲームを開始する。
--ストーリーに若干の差異がある程度で、大きく差の出る要素ではない。
--所属国家によって使用機体が制限されたりアイテムのドロップ率が変わるといった要素はない。
--ゲームや後述のベンダーのデモ画面などで国家別の勝敗やBPランキングなどが表示される程度。

''キャラクターゲームとしての側面''
-AC版の稼働がアニメシリーズ3~4作目の放映時期にあたることもあって、アニメシリーズの登場人物が多数登場する。
-「ゾイドサーガ」等の他ゲームシリーズの登場人物まで選択できる。一部はプレイヤーの行動に合いの手を入れることも。
--単に敵キャラクターとして登場するだけで無く、ゾイドの能力を変化させる相棒キャラクターとしても設定できる。
-オリジナルの登場人物(と言っても3人しかいないが)にも人気声優や実力派声優が担当するなど、かなり力が入っている。
--アーケード版のオリジナルキャラクター担当声優は、田村ゆかり、檜山修之、郷里大輔と錚々たる顔ぶれである。
-流石に声やグラフィックは存在しないが、バトルストーリーの登場人物も名前のみだが登場する。((本作自体はバトルストーリー寄りの世界観である))

''ICカードを用いたプレイデータの記録''
-筐体とセットで配置されている専用端末「カスタマイズベンダー」でICカードを購入し使用ゾイドを登録できる。
--このカードにはプレイヤーの戦績・BP(バトルポイント。主にゾイドカスタマイズに使用する)・所有ゾイド・その他ゲームの進行情報が記録される。
---カードの使用可能回数は100回で、使い切った場合も引継ぎは可能。また、最終プレイ日時から60日が経過するとカード情報自体が無効になり、更新も不可能となる。
--カードなしでのプレイも可能だが、当然戦績は記録されないので、初期ゾイドしか選べないうえ、カスタマイズも不可能。ストーリーモードも進行できない((本作は1コインでストーリーが完結しないため。尤もストーリー無しモードの方がCPU戦を多く遊べるが…。))。
-カード1枚ごとに登録できるゾイドの系列は3体まで。
--鈍足だが遠近万能なレッドホーン、近接戦闘の鬼のゴジュラス、スピードスターのライガーゼロ…etc。どのゾイドを使うか、人によって選択肢は様々。

''ゾイドカスタマイズ''
-100を越える多くの武装を選択し、自分だけのオリジナルゾイドを製作できる。~
武装を変更すれば外見にもしっかりと反映され、機体カラーリングの変更なども可能。
--アニメやバトストと同一の装備をするも良し、勝ちに拘ったカスタマイズにするも良し。
--高圧濃硫酸噴射砲、三連電磁砲、マクサービームキャノンなどバトルストーリーやゾイドの設定そのままの武器も多い。原作再現が捗るだろう。
--ゾイドの種類と武器の組み合わせもあり、プレイヤー毎にオンリーワンなゾイドを使うことになるだろう。((原作再現や最強に拘ると、似たような武装になってしまうが。))
--ただし、ゾイド毎に搭載可能キャパシティという物もあり、際限なく好きな武装が可能なわけでは無い。
---キャパシティを超えての搭載も可能だが超過量が増えるほどゾイドのEN値の回復速度が落ちる。EN値は攻守ともに重要な要素でありそれにペナルティが掛かるのは1on1という対戦形式もあって致命的。
---元々のEN効率が良好な機体で実弾主体にカスタマイズするなど、それこそプレイヤー次第ではある程度は許容範囲というスタイルもあった。
---残念ながら武装のパージというシステムが無いため、それを前提に過積載で出撃という戦法は存在しなかった。
-武器の他、ゾイドの機能を様々に強化させるオプションも設定できる。
--わかりやすいもので言えば装甲やレーダーの強化。ただしオプションは外見には反映されない。
--デメリット付のものも存在する他、全体的に使用キャパシティが高めに設定されている。
--一部の登場人物などもこの枠に存在し各種能力を向上させてくれる。((ゾイドの潜在能力を引き出す設定の古代ゾイド人や戦闘補助AIなど))

''巨大ゾイド''
-ゾイドのアニメでは、キットの設定((ゾイドはプラモキット付属の「バトルストーリー」が原作(故に原作:タカラトミー)であり、アニメの方が派生作品扱いである。))よりも遙かに巨大な姿のゾイドが多数登場したが、本作でも巨大ゾイドがストーリーモードのボスキャラとして登場する。
--特に最初のボスであるデススティンガーは、広大なはずの戦闘フィールドが狭く感じるほど軽快に走り回り、様々なアクションを見せてくれる。
--近寄ればハサミによる近接攻撃やジャンプしてからの全周囲攻撃を行い、離れれば極太の荷電粒子砲を使ってくる強敵。

''攻撃・防御''
-武器は右武器2種類、左武器2種類、中央(同時押し)武器1種類の計5種類まで搭載できる。ゲージは全て独立している。
--2種類ある右左武器の武器の切り替えはブーストボタン同時押しで行う。片方だけ切り替えると言うのは不可能。
-バーチャロンと同じく、一定以内の距離だと自動的に格闘攻撃((実は距離による武器の切り替えは『ウルフファング』の方が先。あとは『ストリートファイターII』(距離で技が変わる)を如何見るかだが。))。
--多くの機体で左右の格闘で性質が異なり発生速度や攻撃力、攻撃範囲といった要素が異なる。中央武装に相当するものは2種類存在し、後述の投げ入力と両レバーを前に倒しながら入力することでジャンプ格闘が出せる。
--基本的に敵機方向を向かなければ射撃が出来ないことと、前方以外への移動と咄嗟の方向転換がシステム上難しいことも相まって、戦闘距離が遠距離一辺倒になりづらいものの、射撃武装を搔い潜って格闘間合いまで接近すること自体が難しく格闘を主軸に戦える機体は極少数。
--そもそも、余程の鈍足機体相手であっても移動中の敵機に振って当たる格闘は殆ど無く、攻撃前後に隙を晒すこともあってリスクが非常に高い。後述の通り射撃と違い防御出来ることもあって、近距離で戦う機体であっても格闘ではなく接射(一瞬だけ射角を逸らすことで格闘間合いでも射撃が可能)が主流であった。
-やはりバーチャロンと同じくレバーを内側に倒す事で格闘のみを防御出来る。
--バーチャロンとの違いとして防御不能の投げ技に相当する技が全ゾイドに存在する((バーチャロンにも実質ガード不可能な「回り込み斬り」と言うテクニックが存在するが、攻撃自体は普通の格闘であり仕様かバグかは不明。))。構え中に独特のエフェクトを纏うため判別でき、誘導は強いものの間合いは短いため離脱は容易だったりする。通常格闘では転倒させられないデススティンガーをも転倒させる事もできる。
---アニメ版シールドライガーの必殺技であるシールドアタックはこの分類。ブレードライガーもシールドアタックを使う。
-一部機体はレバーを外側に倒して武装ボタン同時押しをすることで独自の特殊技が発動する。例を挙げると、ブレードライガーに代表されるブレード持ち機体はこれによってブレードを展開し格闘判定を出したまま移動が可能になる。
--なお、アニメ版では猛威を振るった荷電粒子砲だが本作では普通の射撃武装であり特殊武装ではない。それどころか、キャパシティが重く、実戦での命中が期待できないこともあって(本来固定武装のはずだが)装備されないことも多々ある。とはいえ、その威力は全武装中最高クラスで、シールドでの防御は出来ないしまれに壁を貫通することもあるあたりは流石と言ったところか。

&bold(){収集ゲーム要素}
-相棒や武器は、戦いの中でランダムに入手したり、実績を稼ぐことで手に入れることができる。
--強力な武器、原作再現するための特殊な武器など望み通りのゾイドをカスタマイズするのは大変だが、集める楽しみもある。
--たとえ所有する武器が少なくても、ジェノザウラーの荷電粒子砲やブレードライガーのブレードなど、デフォルトで装備された武器もあるため、最低限の戦闘力は十分に確保できる。
//---バランスブレイカーな武器も、もちろんあったりするが。
//↑具体例が無い。
**評価点
''システム''
-実際にゾイドのコクピットに座って戦っているような臨場感が素晴らしい。
--筐体デザインはゾイドの頭部を模しており、家庭用限定版に付属したゾイド「インフィニティレオ」は筐体のミニチュアに組み替える事も出来る。
-アーケードのサービスは終了したが、多くのゾイドを題材にしたゲームが誕生した現在(2017年)になっても、ゾイドゲームの最高傑作と評価するファンも多い。
-照準システムが独特、かつサイドステップや急ブレーキなど攻撃前後の挙動もあり、対戦相手との駆け引きが非常に重要。鍔迫り合いをしているような緊張感が楽しめるだろう。

''豊富な登場ゾイド''
-それまで放送されたゾイドのアニメから、多数の登場人物と彼らの乗機が登場している。
--アニメにも登場して人気のコマンドウルフ、セイバータイガーやジェノブレイカーだけでなく、ゴジュラス、アイアンコングなど30以上のゾイドがプレイヤー機として使用可能。
--AC版は『EX』でアニメ『フューザーズ』のゾイド((バスターフューラーや(敵専用だが)セイスモサウルス等。ただしフューザーズゾイドは(色違いとバスターフューラーを除き)全てバトルストーリーに登場しているゾイドである。))、『EX PLUS』で『ジェネシス』のゾイド((ムラサメライガーとハヤテライガー(生憎、ムゲンライガーは追加されなかった)。))が追加された。
---移植版の『フューザーズ』や『EX NEO』では、更に多数のゾイドが追加されている。
-ゾイドだけで無くゾイドが装備する各種武器やパーツも登場しており、それも●▲□砲みたいなとってつけたような名前と設定の武器はほとんど登場しない((そもそも原作の時点であらゆる武装全てに名前が設定されている。))。

''アニメからの登場人物''
-新録されたボイスも多く、アニメ本編ではあり得ない作品をまたいだクロスオーバー的な会話などもある。
--一方で主人公は非常に寡黙で出しゃばらない一方、ライバル兼同僚のチャクト(CV:檜山修之)はよく喋り、場を盛り上げる。

''ハイクオリティなBGM''
-タイトー開発ということもあり、BGMの制作はZUNTATAが担当。
--「OGR」こと小倉久佳氏がサウンドディレクターを努めた。氏がZUNTATA在籍時代に務めた最終期の作品でもある。

**賛否両論点
''ジャンプができない''
-ゲームシステム上、ジャンプに相当する操作をすることができない。
--そのため基本的に平面的な戦いしかできない。
--原作で飛行可能だった一部のゾイドは前ステップからの滑空が可能だが、とても立体的な戦いとは言えないだろう。
--尤も原作が陸戦重視だったので仕方のないことではあるが。
-実はブーストからの前ステップが(現実的な意味での)ジャンプと言えるのだが、ロボット物で言う「ジャンプという名の浮遊や飛行」が出来ないと言う意味である。
//((逆の『機動戦士ガンダム 連邦vsジオン』では、原作で対ドップ(戦闘機)戦でしかやらなかった様な動きで戦ったりもしている。『エゥーゴvsティターンズ』以降は全MSが空中ダッシュやホバーダッシュ(地上)までするし。))。
#co{
-一部ゾイドにはジャンプ攻撃という物もあるが所謂、防御不可攻撃でしかない。
--ロードゲイル、ライガーゼロ・フェニックスという原作で飛行していたゾイドはジャンプどころか、短時間なら飛べる((飛行と言うより、スーパージャンプ後の滑空に近い。))。
--反撃できない上空からの一方的な攻撃は、対処法を知らない人には脅威と言うほかは無い。反面、知っている人にはボーナスに近い行動だったりする。
そういったメリハリの無さ故か、対戦ではプレイヤーの力量差は勿論、武器の種類によっては一方的な戦いになることが多かった。
--強くなるための武器の収集をするには、対戦に勝たなくてはいけないのだが、その1勝をもぎ取るのが難しい。
---特に遅れてゲームを始めたプレイヤーの場合、先に始めた(つまり経験と装備の豊富な)プレイヤー相手に勝利を上げるのは困難だった。
}

''攻め側不利によるタイムアップ''
-本作でのステップには誘導を切るといった効果は無く、敵機から発射された射撃はプレイヤーが機体を操作して回避しなければならない。そのため、射撃の誘導性能や弾速は(一部例外を除き)相応に設定されており、直進して突っ込んでくる相手でもない限りブースト移動している相手に射撃は基本的に当たらない。
-本作では(急ブレーキを使わない限り)ブースト終了時に硬直が存在しない代わりに、ブーストにはENゲージを要求するというシステムである。そのため回避のためにブースト移動を続けていればENが枯渇し隙を晒してしまう・・・はずなのだが。
--ステップ及びステップ中はENゲージを消費しない(ENは常時回復なので結果的に回復する)うえ、ステップ中は慣性に従って直進しか出来ないが旋回は可能。これを利用したステップ旋回と呼ばれる技術により、ENの消費を大幅に軽減してブースト時と同程度の速度と旋回を維持することが可能。
--そのためある程度の機動性(移動速度、慣性の乗り、旋回性能、ステップ性能)を持つ機体であれば、回避に徹すれば延々と逃げ続けれてしまう。
--もっとも、あくまで明確な隙を晒さない安定行動でしかなく、システム的に相手方向へ向かなければ(≒被弾のリスクを被らなければ)攻撃が出来ないこともあって、コレだけでは問題にはならず、むしろ基本的な操作テクニックと呼べるものではある。
--ロック外しによる偏差射撃やばら撒き武装で削る方法も存在するが、回避側も使える手段でしかなくその上で自動回復効果のオプションを積むなど徹底されると機動力で劣る機体では延々と勝ち目のない追いかけっこを続けることになる。
-ステージやカスタマイズによっては、高防御と瞬間火力に優れる籠城側に対して、高機動側が攻めを強要されるという展開もあり一概に高機動側が有利というわけではない。
-結果的にリスクを嫌った立ち回りをしていると戦闘時間が間延びし易く、さりとてリスク承知で攻めに行ってもリターンが取れなければその後は無理にでも攻めるしかなくジリ貧に陥ってしまうため、対戦カードによってはタイムアップ付近まで戦況が硬直することも少なくなかった。

#co{
問題はステップそのものではないのでは?
起き撃ちに関する記述(機体が限られる上に前後の隙が大き過ぎる荷電粒子砲での置き撃ちは非常にマイナー、断続発射系武装のばら撒きの方が主流)やゴジュラス系の評価(ジ・オーガはダイアグラム上位)なども現実に即していないと思われる
''ステップが強すぎる''
-本作では(急ブレーキを使わない限り)ブースト終了時に硬直が存在しない代わりに、ブーストにはENゲージを要求するというシステムである。
-しかしステップ中はブーストゲージが回復する(前述の滑空ではゲージを消費する)うえ、ステップ開始時にブーストゲージを消費することもない。ステップ中は直進しか出来ないが回頭は可能なので、(レバー操作は忙しいが)使いこなせるプレイヤーなら通常ブースト時と同程度の旋回は可能。
--そのため上級者の操作するゾイドはピョンピョンと跳ねながら常にブースト速度で走り回っており、一度リードされると「置き荷電粒子砲」以外では((「誘導能力を持たず梁状の判定を持つ荷電粒子砲」以外の武器での「置き」は非現実的。))ほぼ逆転が不可能。
---結果的に速度が遅く、ステップ能力の低いゾイド(ゴジュラス((一応、ゴジュラスギガに乗り換える事で改善されるので「所詮は旧式機」と捉えることもできるが。))等)は弱キャラである。
}

''所属国選択''
-ゲーム開始時、どの国に所属するのか選択する必要があるが、これによりストーリーモードの難易度が若干変わる。
--誤差の範囲なので、それほど気になる訳ではないが…。
---そもそも一部の敵が変わるぐらいで、ストーリーの違いは殆ど無い。カノン(ヒロイン)もザルカ博士(ラスボス)も最初から最後まで無所属(チャクトは必ず主人公と同じ国)なので…。
--アーケード版は専用の大型筐体だった故に無印の頃は基本的に1プレイ200円だった。序盤が難しい所属国は他と比べて慣れるまで、財布にダメージが大きかった。
---尤も財布へのダメージに関しては[[対人戦の方が大きかった>バーチャファイター]]だろうが。

**問題点
''がっかりなボス戦''
-デススティンガーを除いたボスキャラ(ウルトラザウルス、デスザウラー、セイスモサウルス)との戦闘が酷い。
--これらの敵とは専用の円形MAPでの戦闘となっており、ボスキャラはその中央にある昇降する足場から攻撃を行う。
早い話が身動きしない固定砲台であり、ボスの足場へは渡ることが出来ないため対岸から射撃を撃ち込むことで撃破する。
--ボス側の攻撃は相応に激しく格闘判定の衝撃派も織り交ぜてきたりと緊迫感が無い訳では無いものの、強大な敵との激しいぶつかり合いを期待したユーザーは肩透かしを食らう事請け合い。
---ボスに接近できないためブレードアタックやファイブレード・ストームといった近接攻撃最大の見せ場はない。
---近接攻撃特化タイプのゾイドで戦った場合、勝つことは不可能では無いが撃破に時間が掛かるため、高ランククリアは困難である。
---また、この戦闘に限って言えば上級者であっても攻略法は殆ど変わらず搭載火器の火力のみがモノを言う。作業と言っても過言ではない。((ボス側の射撃の切れ間に射撃を撃ち込み、攻撃が再開される前に回避の繰り返し))
--デススティンガーとの戦闘で存在した、位置取りや、接近戦をするタイミングを含めた駆け引き要素などは皆無である。
--なまじデススティンガー戦の出来が良かっただけに、非常に悔やまれる部分である。
---もっとも、アニメ同様100メートル越えの巨大ゾイドに接近戦を挑んでも、立体的な機動の困難な本作では足首を切りつけるくらいしかできなかった可能性はあり、それはそれで画的に退屈な戦闘になっていたかもしれない。

&bold(){ゾイドのバージョンアップ}
-初期から選択できる機体以外へは機体の乗り換えという形式で移行するのだが、これにはかなりの制約が存在する。
--まず、ゲームシステム的な制限として乗り換え元の機体から乗り換え可能な機体は分岐することはあれど固定されている。~
また、機体の乗り換えには専用のアイテムが必要となり、乗り換え条件となる階級を満たしている必要がある。((階級は戦績やポイントによる))
---乗り換えアイテムのドロップには所属国家や使用機体による偏りは無く、自分の機体から乗り換えすることが不可能なアイテムもドロップする。
---乗り換える前の機体に戻す場合にもその機体に対応したアイテムが必要となる。
--そして乗り換えを行う際には''機体の登録されているICカードを更新する必要がある''。つまり有料である。~
上記、そして下記の様な難点があるにも拘らず、気軽に行うことも戻すこともできないシステムとなっている。
-システム上は上位機体への乗り換えとなっているものの、完全上位互換となりうるパターンは少ない。
--参戦機体の都合から、順当に後継機へと乗り換えが可能な組み合わせは殆ど存在していないという事情もあるにはある。~
このあたりが明確に判別できる様な機体に関してはしっかりと乗り換えが可能になっている。((ゴジュラス⇒ジ・オーガ、ライガーゼロ⇒各換装機など))
--逆にそれ以外の機体の場合、乗り換え前後の機体に関連性があまりなく、所属国家の枠さえ超えて乗り換える場合もある。
---例えば、帝国ゾイド「レッドホーン」の乗り換え先の機体は「ダークホーン」では無く、共和国ゾイド「ディバイソン」となっている。
---二脚、四脚といった縛りも無く、全く成り立ちの異なるブロックスゾイドへの乗り換えなどもある。
---このため著しく操作性が異なる機体に乗り換える場合もあり習熟に苦労することもある。~
また、装備可能な武装がガラリと変わってしまい、乗り換え後に装備できる武装基本装備しかないといった事も有り得る。
--たとえステータスの総合値が高くなっていても実際の戦闘で強いかどうかは別の話なのがアクションゲームである。~
まして、愛着のある機体・武装からは易々と乗り換え難いという感情もある。
---「設定上では強機体だが、ゲーム内では弱機体」というのは本作に限らずままあることだが……。
//((例としてはアルュメの『機動戦士ガンダム』(格闘ゲーム)。))。


''初心者狩り''
-対戦ゲームで初心者狩りが存在するのはある程度仕方のない事だが、本作の最終機体であるエナジーライガーの解放条件の一つが「対人戦100戦以上で勝率5割以上」という長い道のりだったため、手っ取り早く対戦数を稼ぎつつ勝率をキープ、あるいは引き上げる為の初心者狩りを助長してしまった。

''高性能な追加機体''
-ゲームという商品の性質上仕方のないことであり多くのゲームに共通することだが・・・
--やはり本作においても一部機体、一部武装が突出して高いという事態が発生した。ここでは2つの例を紹介。
---''凱龍輝''・・・専用武装の弾速と衝撃値が非常に高く、一定距離以内では回避が非常に困難な上に確定でダウンを取られてしまい、起き攻めで延々とダウンを奪われ続けるハメが成立してしまう。機動力もあるため回避も困難な上、ビーム兵器(基本的に高弾速であり高機動へのアンチ武装)を軽減する機体特性で不利が付きにくい。
---''ブラストルタイガー''・・・専用武装の塊でありミサイル系武装最上位の誘導性を持つミサイルや高衝撃値のビーム武装でダウンを取り易く、特殊兵装の全弾発射(武装ゲージに関係なく撃てる)はダウン追撃でも高ダメージを取れるため引っ掛けて削る戦法が凶悪。挙動もトップクラスに軽快と隙が少ない。
-また、既存機体へのアップデートの方向性が優劣問わず尖っていた性能をマイルド化する方向性であることが多く、ユーザー側から見れば乗り慣れた機体が下方修正され、そこに強力な追加機体が投入される形になったため不満を余計に煽ってしまった面もある。

**総評
 3D対戦アクションゲームとしての完成度は高い。ゾイドという原作の存在を別にしても、広く勧められる良作と言える。
対人戦や各ゾイドの能力のバランスに若干の問題はあるが、ある意味原作再現なので仕方が無い一面と言える。アニメの影響もあって、ライガー系、ジェノザウラー系だらけになったのは一部のファンには残念なところだろう。&br()
 一方で、各ゾイドや武装を細かく見ていくと、その性能スペックも原作に忠実とは言い難いところもある(でないとコマンドウルフでデスザウラーの撃破は不可能である((バトルストーリーで勝ったこともあるが、あくまでも作戦勝ちであって、正面切って戦ったわけではない。)))。その点は原作設定を重視する人には不満なところだろうが、1on1かつコストの概念の無い対戦ゲームという特性上、やたらと原作にこだわってバランスを崩壊させるわけにもいかなかったのだろう。&br()
 そういった細かい問題はあるものの、ゲームとしての出来が今一つだった[[ZOIDS VS.]]と比較して非常に優れた「ゾイドのアクションゲーム」である点は高く評価できる。一体感の高い筐体、息詰まる駆け引きのあるバトルなど、多くのゾイドファン待望の作品だったといっても過言ではない。
選出ゾイドのミーハーさや、挙動・性能の細部はコアなゾイドファンにはやや不満ではあったかもしれないが、そこを踏まえてもゾイド史に残る良作と断言して間違いないだろう。

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**移植
-2005年にPS2版『ゾイドインフィニティ フューザーズ』が、2006年にXbox360版の『ゾイドインフィニティEX NEO』が発売された。
--従来のアーケードモードに加え、当時放映されたアニメのストーリーに沿ったオリジナルのストーリーモード、歴代ゾイド乗りと戦い続けるサバイバルモードを遊ぶことができる。
--単純にストーリーをクリアしていくだけで無く、合間合間で野良ゾイド狩りをする、ギルドの討伐依頼をこなすなど寄り道のような遊びも可能。
--アイアンコング一つとっても、アイアンコング・イエティなど色違い強化型などが多数登場し、コレクター魂をくすぐる内容になっている((各ステージを高ランククリアーする必要があり、入手条件はかなり厳しい。))。
--2P対戦可能なVSモードも存在する。
---画面が上下二段に分かれ、当時の家庭用テレビのサイズを考慮した地面とほぼ並行のカメラアングルになっている。そのため、ゾイド自身が正面の視界を遮る形となり、お世辞にも見えやすいとは言いがたかった。
---このカメラアングルは、なぜかストーリーモードの方でも採用されており、ストーリーモードの大きな不満点の一つである。
-アーケードは移植版発売後も更新が繰り返されて、『EX PLUS』ではアニメ『ジェネシス』のゾイドも登場するようになったが、家庭用ゲーム機にはオンラインアップデートが存在しなかった時代なので、『EX』の移植であるPS2版にジェネシスゾイドが追加されることはなかった。

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