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メトロイドプライム2 ダークエコーズ - (2023/03/08 (水) 22:12:46) の編集履歴(バックアップ)


メトロイドプライム2 ダークエコーズ

【めとろいどぷらいむつー だーくえこーず】

Wiiであそぶ メトロイドプライム2 ダークエコーズ

【うぃーであそぶ めとろいどぷらいむつー だーくえこーず】

ジャンル ファーストパーソンアドベンチャー

対応機種 ニンテンドーゲームキューブ
Wii
発売元 任天堂
開発元 レトロスタジオ
発売日 【GC】2005年5月26日
【Wii】2009年6月11日
定価(税抜) 【GC】6,800円
【Wii】3,619円
レーティング 【GC】CERO:12歳以上対象
判定 なし
ポイント シリーズ中でも異色の世界観と設定
使い勝手の悪い各種属性ビーム
倒しづらい敵多数
ゲームの完成度自体はかなり高い
ダークサムスが初登場
メトロイドシリーズ


概要

メトロイドプライム』の続編で、『プライム』シリーズ第2作。
銀河連邦のある部隊を追って惑星エーテルを訪れたサムスが、エーテルにおいて光の種族ルミナスと闇の種族イングの生存をかけた光と闇の戦いに巻き込まれる。
ジャンルは前作と同じFPSだが、システムは全体的にブラッシュアップされている。他、各種様々な要素の追加によりメトロイドシリーズでも異色の存在となっている。
また、シリーズで初めて対戦モードが実装された。


本作の特徴・追加システム

光と闇のエーテル

  • 本作最大の特徴にして、シリーズでも異色とされている要素。各地の「ポータル」と呼ばれる施設から、通常の世界・ライトエーテルと異世界・ダークエーテルを行き来し、それぞれの世界で謎を解き先に進んでいく。
    • 片方の世界で通行できない通路がもう片方では通れたり、片方の世界で仕掛けを起動すると、もう片方の世界も連動して仕掛けが動いたりというものも存在する。
  • ダークエーテルは猛毒の大気に埋め尽くされており、何もしなくとも時間経過でダメージを受けてしまう。
    その為ルミナスが残した「ライトクリスタル」及び「ライトパフ」から発生する「セーフゾーン」を活用しつつ先に進まなくてはならない。セーフゾーンの内側ではダメージを受けず、逆にエネルギーを少しずつ回復できる。
    • ライトクリスタルは常時セーフゾーンを発生するが設置物として固定されている。ライトパフは空間を移動するものもあるが、ビームを撃ち込んでから一定時間の間だけ効果を発揮する。
    • セーフゾーンを発するオブジェクトは、後述する追加装備のビームを撃ち込むことでセーフゾーンの性質を変化させる。
      • ライトビームを撃ち込むと、セーフゾーン内に踏み込んだダーク属性の雑魚敵を一瞬で消滅させる事ができ、アナイアレイタービームの場合はライトビームを撃ち込んだ時の性質に加え、イング族を引き寄せる性質を持つようになる。厄介な敵が多いダークエーテルで効率的な戦闘を行う際は、時にセーフゾーンを活用する必要がある。
      • 逆にダークビームを撃ち込んだ場合は一時的にセーフゾーンが消滅してしまう。アナイアレイタービームを持たない場合にイングをセーフゾーンで倒すには、これを利用しつつおびき寄せる必要もある。
    • ダークエーテルから受けるスリップダメージは最初はかなり大きいものの、進行上で入手する事になる「ダークスーツ」によって大きく軽減する事ができる。「ライトスーツ」はダメージを完全にシャットアウトする事ができるが、その入手は終盤。
  • ダークエーテルの各エリアは概ね3つに大別され、それぞれでキーと惑星エネルギーを奪ったボス敵が存在する。キーを集めてボスへの道を開き→それを倒して惑星エネルギーをライトエーテルの聖堂へと奪還することでそのエリアはクリアとなる。

光と闇のビーム

  • エーテルがそうであるように、キャラクターやビームにも「光と闇の2つの属性」という概念がある。 サムスやルミナス・スペースパイレーツなど、通常の宇宙に存在できるものは「ライト(光)属性」を、イングやイングの乗り移られた対象(ダーククリーチャー)など、ダークエーテル特有の存在のみが「ダーク(闇)属性」として扱われる。
  • サムスが持つ武器にもダーク属性のダークビーム、ライト属性のライトビームが存在しており、敵や状況に応じて上手く使い分けねばならない。
    ただし今作ではビームにもアモ(弾薬)の概念があり、それぞれのビームに対応したアモが通常射撃で1発、チャージビームで5発、チャージコンボで30発消費される。
    ちなみに今作のビームはチャージコンボだけでなく、チャージビームにも固有の名称が存在する。
    • ダークビーム
      • 黒紫の粒子を放つビーム。弾速は遅いが当たった敵を麻痺させて動けなくさせることが可能で、ライトエーテルの多くの敵に対して有効。その特殊効果やアームキャノンの変形から、前作のアイスビームによく似た武器といえる。
      • チャージショットのエンタングラーは「纏わりつくもの」を意味するように、敵の動きを一定時間完全に拘束し、その間にミサイル一発で粉砕する事ができる。また、着弾時にはダークエネルギーが残存し、周囲のライト属性の敵にダメージを与えることができる。
      • チャージコンボのダークバーストは巨大なブラックホールを放ち、敵を吸い込み消滅させてしまう。
    • ライトビーム
      • 虹色の光を放つビームで、射程は短いが敵を貫通し、また当たった敵を燃焼させて追加ダメージを与える。ダーク属性の「イング」やそれに取り憑かれた敵に有効だが、頻繁に登場するため使用頻度はかなり高い。前作のプラズマビームに似ている。
      • チャージビームのライトブラストは広範囲に分散するため一点に集束して撃つのは不向き。ただし、ダーク属性の敵に対しては追尾・収束するため大きなダメージが期待できる。
      • チャージコンボのサンバーストは、ゆっくりと降下する光弾を放ち、着弾と同時に膨大な光と熱で周囲を一掃する。なお、分かり難い上に役に立つ機会はないが、着弾前の光弾からは付近の敵に向かって細いレーザーが自動照射される。
    • アナイアレイタービーム
      • 光と闇の両方のエネルギーを持つ強力な白黒のビームで、ダークエーテル、ライトエーテルの両方に等しく威力を発揮する。さらに自動的にホーミングする性質があるため、動き回る敵やオブジェクトを撃つのに効果的だが、射撃にはダーク・ライト両アモが必要となる。
      • エネルギーを合成する際に音波が発生するため、それによる仕掛けを解除する際に必要となる。非常に強力なため、入手するのはゲームの終盤に差し掛かる頃になる他、ライトとダークの両方の弾を消費するコストの重さもある。
      • 「破壊者」の意味を持つチャージビームディスラプターは弾速が大きく落ち、ホーミング機能も失われる代わりに絶大な威力を発揮する。
        チャージコンボのソニックブームは名前の通り音速の弾を放ち、瞬間的に広範囲の敵に大ダメージを与える。
  • 一応詰み防止のためか、アモが0でもチャージ射撃によって通常弾を発射できる。とはいえ、この状況になるとチャージまでのロスが多いので、アモの管理は重要である。
    • アモは属性ビームで敵を倒したり箱を壊したりすると、その反対属性のアモが出ることを覚えておくと便利かもしれない。その意味でも両方のアモを出せるアナイアレイターは強力。

新バイザー

  • 前作の「サーモバイザー(熱探知)」「Xレイバイザー(X線探知)」は新たに「ダークバイザー」「エコーバイザー」として登場する。
  • ダークバイザーは次元の狭間に不安定な状態で存在する、不可視の物体を視覚化するバイザー。一部の姿を消す敵に対してもロックオンし続けることが可能。しかし強力なダークエネルギー、またはフェイゾンの放射線を放つ物体があると、白光化により視認不能になってしまう。
  • エコーバイザーは音波を発しその反響音を捉える事で、周囲の物体を視覚化するバイザー。反響音のみで物体を捕捉するため、定期的にしか通常の物体を見ることは出来ない他、その色彩や行動の変化などは一切分からなくなる。またビームエネルギーなど実体を持たない物も非常に視認しにくくなる。
    • 基本的にアナイアレイタービームと併用して仕掛けを解くことにもなる。

マルチモード

  • 対戦モード。倒した対戦相手の数を競う「デスマッチ」と、スマブラシリーズのようにダメージを与えて出現したコインの所持枚数を競う「コインモード」の2種類がある。
  • ステージも豊富で、様々な仕掛けがある。中にはシングルプレイではできないアクションや武器も存在している。

その他の新要素

  • 2D『メトロイド』ではお馴染みの「スクリューアタック」がプライムシリーズで初登場。スペースジャンプからさらにBボタンを押すことで発動する事が出来、より遠く離れた足場に到達する事が可能となる。
    • 発動中はカメラがサムスの後方に切り替わり、接触した敵に大ダメージを与える事ができる。
    • 2D『メトロイド』のようにスペースジャンプで移動し続けられるが、高さを稼ぐ事は出来ない。しかし特定の箇所では、壁を跳ね返りながら登る2Dメトロイドではおなじみのアクション「キッククライム」が出来る。
  • スーパーミサイルなどのチャージコンボとは別に、ミサイル自体の溜め撃ち装備として「シーカーミサイル」が新たに登場。
    • 最大5つのターゲットにミサイルを一斉発射し、同時に着弾させることで仕掛けを解く。1つの敵に対して集中発射する事も可能。
  • 前作で登場した「ブーストボール」と「スパイダーボール」の併用が可能となった。スパイダーレールに張り付いている際にブーストボールを使用する事で垂直方向に飛び出す事ができる。これにより、よりアクロバティックなアクションが可能となり、レールからレールへ飛び出して進まなければならない場所も幾つか登場する。
  • 前作における「グラビディスーツ」は「グラビディブースト」としてサブアイテムに割り当てられた。性能はグラビディスーツと同様だが、今作では水中で一定時間上昇出来るようになった。
  • その他細かい点として、環境的危険を知らせてくれる警告ゲージがモーフボール中にも表示されるようになった事や、装備が左手に設置されたということでグラップリングビーム使用中にもビームが撃てるようになった事が挙げられる。

問題点

  • 属性ビームの弾数
    • 本作の難点として筆頭に挙げられるのが、前述のとおり初期装備であるパワービーム以外は全て弾数の制限が導入された事。これまでのシリーズのように主力のビームとして使い続ける事はできず、何も考えず連発していればあっという間に尽きてしまう。
    • 弾数の最大値は初期50発・MAXで250発。終盤に入るまでは顕著に不足しており、とても気軽に使っていける弾数ではない。さらにチャージショット使用時の消費は5発分・チャージコンボは30発分と莫大で、かつ序盤以外の敵は各ビームのチャージショット1発でも倒せない敵が増えるためアモタンクに対して消費が激しい。せっかくの特殊ビームを気軽に撃てないもどかしさに苛まれる。
    • 弾数や爽快感不足を後押しするのが回復アイテム「ビームアモ」の仕様。
      • ダーク・ライトビームを用いて敵やポッド(容器)を破壊した際に逆属性のアモをドロップするようになっており、自分が現在使っている弾を補充するにはわざわざ属性を切り替えなければならない。探索中に補充するには小まめなポッド破壊作業が必須となってしまい、その度に切替の手間が発生してしまう。*1
      • アモをドロップさせるために逆属性のアモを消費するという事は、活動中に両属性のアモタンクを満タンにするのは難しいという事でもある。さすがに賽の河原のような状況になる事は早々ないが、ボスに挑む際・新たなマップに挑む際はアモを満タンにしておきたいのがプレイヤーの心理であり、その意味でも不満が重なりやすい。*2
    • 後述するように倒しづらいザコ敵が増えている事もあり、結果的にアモ消費量が増大している。
      • 「ダークサイドの敵にはライトビームを使えば良い」とゲーム中に説明があるが、それでも結構な数の弾を撃ち込まなければならず、本当に効いているのかいまひとつ実感しにくい。終盤に手に入るアナイアレイタービームでさえ火力面で見ると今一つで*3、折角新たな装備を入手してもパワーアップした感に乏しい。
      • 他にも前作経験者には弾速・弾道・追加効果共にダークビームは前作のアイスビーム、ライトビームは前作のプラズマビームと酷似しており、前作で主力に使えていた各種ビームが気軽に使えなくなった印象もある。
    • こうした点からドロップ時のビーム属性制限、ドロップ数、回復量、弾数に対する火力…ひいては弾数制限そのものの是非について指摘する声も根強い。
  • 敵が非常に倒しづらい
    • 各種ビームも含めて敵に有効打を与えているか判別する術が少なく、有効な武器の選定が難しい。
      • 特に無敵状態や瞬間移動直前の「喰らい判定が消失する状態」の分かりづらさが問題。若干半透明になったり、判別しづらいオーラやバリアーを張る程度で、平常時と殆ど見分けがつかない。外見的には同じ状態に見えるのに攻撃が通じたり弾かれたりと安定せず、混乱する事も多い。
      • ザコ敵の時点で「一部分にしか攻撃が効かない」「特定の武器でなければ倒せない」「あるバイザーを装備しないと視認すらできない」などの要素を複数持っている種が珍しくない。前作ではあまり見られなかった「無敵状態」や「瞬間移動」など、ロックオンを頻繁に解除してくる種もザコ敵として登場する。
      • ダークバイザーを使用してもただロックできるだけで射撃を完全無効化するモードを持つ、偏差射撃を認めずシーカーミサイル以外を受け付けない、スキャン結果では「強い衝撃を与える」とあっても強力な武装であるスーパーミサイルやパワーボムなどは一切無効で「ブーストボールを使用しての体当たりだけ有効」といった面倒な要素や融通の利かない要素も見られる。
      • 特にブーストボールは説明書やゲーム中の解説では移動についてしか記述されておらず、攻撃に使用できる事が書いていない*4。前作でも一部のボスの隠し攻略に使われていたのみであり、該当する敵以外に体当たりすれば自分がダメージを受けるだけである。
    • ダーク・ライトのビームを活用する事でそれなりに攻略は楽にはなるのだが、わざわざビームアモを消費して後で補充する手間まで考えると、戦うよりも完全無視で逃げる方が効率的になる場面が多い。
  • ボスもダメージを与えるまでの手順が前作に比べ1手ないし2手も増え、毎回この面倒な手順を踏襲しなければならない。しかも敵が高速移動を行ったりなどで頻繁にロックオンが外れる。
    • また、多くのボスは手順の複雑さに比してこちらの攻撃が通る時間は非常に短い。外した時のロスを考慮するとチャージショットやチャージコンボよりもビーム連射の方がダメージ効率が良いことも。
+ 特に顕著な敵
  • ダークコマンド
    • イングに取り憑かれたスペースパイレーツの特殊戦闘員。元となるコマンドパイレーツが強力な近接攻撃、バイザー障害・追加ダメージ付の誘導弾、瞬間移動などの厄介な攻撃を使いこなす強敵であることも相まって非常に強力なモブ敵。耐久力もかなり高く、弾を惜しまずガンガン攻めていかないと倒すのは難しい。
    • 「エンタングラーの拘束発生中にミサイルを受けると即死」という弱点はあるのだが、スナッチ状態にあるダーククリーチャーという設定故に多くのプレイヤーはまさかダークビームが効果的だとは思わず、苛烈な攻撃に晒されながらもライトビームを撃ち込むのが有効打だと思い込んでしまい、こちらの攻撃できる隙が少ないのも相まって結果的にただ戦うのが苦痛な難敵という印象が強まることになる。
    • 問題なのが通行頻度の高いエリアや岐路となるエリアにも出没する事。フォーゴットンブリッジなど広大で高低差の大きいフロアでは瞬間移動先を追うのも一苦労で、苦労して追い詰めても時間で撤退し逃げられてしまう。悪い事にそのフロアは出現と同時にゲートがロックされ、撃破か撤退するまで解除されない。撃破に成功しても一時的にいなくなるだけでゲーム再開時には復活する。
    • 結局、遭遇するたびに身を隠し、撤退するまで待つという対策がセオリーになりがち。
  • グランチュラー
    • 中盤に登場するザコ敵。腕がなく頭部と後ろ足が発達した凶暴な肉食生物・背中の装甲を破壊して弱点を露出させる・背中以外の部位は攻撃が通らないなど、デザインや戦い方が前作の「ベビーゴース」と酷似している。
      • ベビーゴースも前作中盤の難敵だったが、寒冷地に適応しているという設定故に、高熱のプラズマビームを入手すれば背中の弱点を無視して瞬殺できる文字通りのザコ敵と化していた。しかし、グランチュラーの場合は弱点であるはずのダークビームを使用いてもさほど実感が得られない。強いて挙げるなら背中の破壊が若干楽になるという程度で、しかも背中の破壊に成功すると僅かながら無敵時間が発生してしまう。
      • 背後を取られると一瞬で振り向いたりするなど行動ルーチンも中々嫌らしい。この「背後を取られると一瞬で振り向く」というのがかなりの曲者で、ダークビームは弾速が遅いため、距離や撃つタイミングによっては背中をロックオンで捉えても弾が当たる前に振り向かれて弾かれるという事態が往々にして発生する。
    • イングによってスナッチされた「ダークグランチュラー」も存在する。基本的な性質はそのままに、攻撃力、耐久力がさらに上昇しており、より手強くなっている。だがこちらは極一部のエリアでしか出現せず、ダーク化した影響で弾速と連射性能に優れるライトビームに弱いので、むしろ通常のグランチュラーより幾分かマシになっている。
  • ハンターイング
    • イング族の上位体。触手による突き刺し、回転しながらの突進攻撃を仕掛けてくる。高い攻撃力、耐久力を誇り、半透明状になってこちらの攻撃を無効にする、つまり前述した「無敵状態」を活用してくる。あろう事かライトビームやスーパーミサイルといった強力な攻撃に対して高確率で発動する。結果、倒すには低威力のパワービーム連射で時間をかけてダメージを蓄積していく事が効率的という事になる。
      • その上、通常のイング族は恐れて踏み込まないセーフゾーン内にも触手攻撃を仕掛けてくるばかりか、ゲームの中盤からは一つのフロアに複数出現する。またログブックの情報に反して多くのエリアに出現する。
    • そのビジュアルも『赤い光を放ちながら迫ってくる』という点が大問題。このゲーム(というより任天堂の殆どのゲーム)では敵の体力を削っている時は体が赤く発光するため、攻撃が効いているのか効いていないのかが分かりにくい。
      • イング族に共通して、「ライト/アナイアレイタービームで活性化しているセーフゾーンに触れると即死」という弱点はあるものの、ライトビームによる活性化では敵の誘導にコツがいるため、実用的にこれを利用するには入手が終盤になるアナイアレイタービームが欠かせない。加えてライトクリスタル・ライトパフのないエリアにも出現するため常用可能な攻略法でもない。
      • こうした点が重なりダークエーテルでの探索の際に非常に煩わしい敵となっている。
  • また今作のライトビームとダークビームは、両方とも最初のエリアで手に入る。逆に言えば前作の属性ビームのような「ゲーム後半でないと入手できない代わりにそれまで苦戦していた敵を簡単に封殺・瞬殺できる」というような爽快感を味わうことはできないということでもある。
  • マップが複雑。
    • もともとメトロイドシリーズのマップ構成は複雑で広大だが、本作はそれぞれのエリアでさらにダーク・ライトの2つを行き来することになる。
    • 一見すると表と裏を行き来するだけで目的地に辿り着けそうに思えるが、ダーク側の世界は基本的にルートが制限されており、行きたい場所や目的地が分かってもルートの探索で延々と迷わされる事が多くなっている。近場にポータルがなかったり、奇妙な位置にあったり、目的地と関係ないものがある等の迷わせる要素も目立つ。場合によってはポータルを複数回往復しなければならない箇所もある。これにより迷子時の解決策であるはずのリモートスキャンがほとんど役に立たない。
    • ストーリー上、本作はキーアイテムの収集がメインであるが、これが各エリア両方に散らばっているため、マップ把握とアイテム探しがより難解になっている。
      • 終盤のキーアイテム収集は前作のように場所のヒントこそあるのだが、前作より言い回しが難解で深く考えるとドツボに嵌ってしまう。実際はそれまでの過程で必ず発見するルミナス族戦士達の亡骸があるエリアと、ダークエーテルでの同じポイントのエリアにあるのだが、ヒントの表現が変化球なせいで逆に気付かなかったプレイヤーも多かった。
    • マップ構成もエレベーターなどで繋がった多層構造が多く、当然ながらダーク・ライトでは同じ形状でも通路の接続が異なるエリアも多い。
      • マップ確認で目的地を調べたらやけに自分の居るエリアから近い→真上・真下の階層にあるエリアで、特にダーク側は結構な遠回りを強いられるというのはよくある話。
        とりわけルミナス大聖堂周辺はマップ確認で見間違いを起こしやすい。
  • 「光と闇」といったテーマがファンタジーを髣髴させるためメトロイドシリーズにマッチしていないと感じやすい。
    • 一応、宇宙を舞台とした近未来SFでは極端な質量や時間、次元を超越するテーマを扱う事は珍しくはない。光と闇というテーマの正確な状況は「ある惑星に隕石衝突によって生じた巨大な歪みが別次元の境界を作り、その相似形の惑星から侵略者が襲撃してきた」というものであり、「光と闇」はあくまでこの次元間の勢力を短く比喩した表現に過ぎない。
    • 付け加えるなら、その他の作品や設定でも霊体化やアストラル体を扱ったり、死亡後も消滅せず機械に取り憑くオカルトめいた生物は存在している。
  • マルチプレイのゲームバランスが少々悪い。
    • 敵にロックオンされてもモーフボールに変形するだけでロックオンを外すことができる上に、初期装備されているブーストボールを使うだけであっという間に敵を振り切れてしまう。
    • ランドマイザーから入手できるアイテムの中に「ハッカーモード」(敵をしばらくロックオンすることで敵にウィルスを植え付け徐々にダメージを与える)が存在するが、上記の要因から成功させるのはかなり困難。しかも、ハッカーモード中は一切の攻撃、及びモーフボールの使用ができないため実質ハズレアイテムといえる。

その他の問題点

  • ポーズメニューUIと相まってログブックが見辛い。大きな項目から小さい項目へと分岐していく形となっているのだが、その項目が細分化され過ぎていて調べたい用語が中々見つからない。
    • 例を挙げるとライトエーテルでスキャンしたメカ型の敵を閲覧したい場合、バイオロジー→エーテル→メカノイドと進み、そこから固定型・単純思考型・複雑思考型の3つに細分化されている中から探す必要がある。ここまで種類を把握しているのならば調べる必要は無いのではないのだろうか。本末転倒である。
    • 中心に置かれた大項目から細い線に繋がった小項目が放射状に配置され、選んだ項目が手前に流れてくるという、まるで連想ゲームの結果を3Dで図示したような表示形式も独特で、見たい情報を見つけづらい。
    • 前作では大項目から一つ下ると全ての見出しが縦一列に表示される、一度に5項目しか表示されないのにページ送りができないなど本作とは違った形で見辛い部分があり(見出しの多いクリーチャーの項目が顕著)、ツリーの細分化でシステム上は改善された部分もある。
    • しかし、表示形式・操作方法ともに独特すぎる本作のメニューUIと前述の細かすぎる分類が噛み合わず、情報を見返すには使いにくいものになっている。
  • レーティングがCERO:B(12歳以上対象)であるため、少し表現がきつい部分がある。
    • 敵の中にイングに憑依されたパイレーツや連邦兵(平たく言うならゾンビ化した人)といったものがいる等。
  • SEの音量が小さくBGMにかき消され、アイテム音が聞き取りにくい。
    • 『プライム』シリーズではアイテムが存在すると、唸るような独特の音を発するのでアイテム探しのヒントになるのだが、それが聞こえづらいのは問題。
  • 前作同様、特定のビームで開くゲートは通過する度にそのビームに切り替える必要がある。
    • 本作では各ビームに弾数制限があるので、むしろ悪化している。

評価点

  • グラフィック
    • 前作同様グラフィックは非常に美麗。
      • フィールドも絶え間ない流砂と岩石が行く手を阻むアーゴン、降り続く雨が神秘性を醸し出すトーバス、ハイテク機械の巨大要塞と化したホレイトなど、個性的で細部まで凝って作り込まれている。
      • トーバスは「雨の降り注ぐ原生林」という景観やアンビエント調のBGMが前作のターロンオーバーワールドと丸被りだが、より広大な水中探索や豊富なギミックで上手く差別化している。
      • 武器のエフェクトも幾つかは前作に酷似しているものの、チャージビームやチャージコンボはその限りではない。弾数制限の影響でロマン武器と化しているとはいえ、着弾地点にブラックホールを発生させるダークバーストや、距離を無視して一瞬に着弾する音速のソニックブームなど見応えがある。
    • エコーバイザーも使い勝手はともかく、その特徴的な描写は見事。
  • 改善・洗練されたシステム
    • 前作ではスキャン可能物はスキャンマークが小さめで少々分かりづらかったが、本作では対象物全体が着色され分かりやすくなった。
    • パワービームのチャージショットが最大まで溜まるとエフェクトが掛かるようになった。
  • BGM
    • BGMも前作同様クオリティが高い。
    • オープニングのBGMは、コーラスとエレキギターの静かな演奏が癒しや安らぎを感じさせる穏やかで落ち着いた曲調であり、ファンからは本作を象徴するテーマ曲として非常に高い人気を誇っている。本作と次作『プライム3』のエンディングでもアレンジ版が流れ、印象に残りやすい。
      • 尚、前作ではオープニングよりもメニュー画面で流れるBGMがそのキャッチーなメロディと人気の高さ故にテーマ曲と認知されており、その点で本作とは対照的になっている。隠れがちだが、本作のメニュー画面のBGMも、電子コーラスをふんだんに使ったスタイリッシュでカッコいい良曲である。
    • 各フィールドのBGMは、今作ではフィールドごとに聖堂や礼拝堂のような施設が多数存在するためか、全体的にコーラスを多用した重厚なBGMが多め。それでもフィールドの雰囲気に遺憾なく溶け込んでいる。戦闘BGMも、前作をベースにより迫力と激しさの増したスペースパイレーツ戦のBGM、2つ存在する中ボス戦のBGMなど、不気味な緊迫感に溢れたメトロイドらしい曲調に仕上がっている。ボス毎の専用BGMなど曲数も豊富で、中でもラスボス戦のイントロは非常に印象深い。
    • 前作にもあった、一部のエリアで『スーパーメトロイド』の人気BGMが流れるというファンサービスもバッチリ。
      • トーバスの地下エリアでは人気の高いブリンスタ赤土湿地エリアのBGM、マルチプレイ時には同じく人気の高いブリンスタ密林エリアのBGMのアレンジ版が流れる。こちらもゲームの雰囲気を盛り上げるのに大きく貢献しており、旧作プレイヤーには嬉しい要素である。
  • シナリオ演出
    • 連邦軍の調査を発端としたイング族と戦いが軸で説明書にある解説以上の意外性はないが、スキャンによって得られる情報からルミナス族の抵抗記録や、イング族からの防衛の為に作られた機械までがイング族に乗っ取られる絶望など様々な感傷を覚える演出に秀でている。
    • 特に各マップそれぞれにおいてイングから惑星エネルギーを取り返した際の清々しい達成感は素晴らしく、追い詰められた惑星エーテルの天候が回復していくと共に、ルミナス族がサムスの後ろにホログラムとなって現れて礼をして成仏する様など、それまでの情報で絶望の深さを窺い知る事ができるだけに段階的な達成感もひとしおである。
    • 前作から引き続き、スペースパイレーツも登場する。本作のパイレーツは同じくイング族によって苦境に立たされていることもあり主要な敵勢力ではないが、ログからは彼らの気苦労苦悩が垣間見える。
  • ダークサムスの初登場作品でもある。
    • 謎の多い設定や神出鬼没さ、サムスのパワードスーツを基に有機的な意匠を取り入れた禍々しくもカッコいいデザイン、スタイリッシュなBGMから非常に人気が高く、今やリドリーやマザーブレインに並ぶシリーズの名悪役として君臨するに至る。

総評

異色の世界観や、残弾数を気にしなければいけないなどファンからの評価は大きく分かれている。
しかし、問題点で上げられている項目は開発スタッフの意図とプレイヤーの実感の差により生まれてしまったものが多く、阿漕な手抜きや技術力不足を窺わせるような難点はほぼ無い。
作り込みの深さならそこいらの良作ゲーに匹敵、もしくは凌駕するレベルである。
設定や演出もしっかりと練り込まれており、総評するならばゲームとしての完成度自体はかなり高いといえる。
それだけに、アモの弾がもっと多かったら、いやアモの補給がもっと楽なら、いやいやスーツの進化で燃費が良くなったら、アモが徐々に自動回復したら、新バイザーがもっと攻略を楽にできるよう活用できるシステムなら…等々、名作に至るには「惜しい」点が複数ある事が悔やまれる作品である。

主力である各種ビームにかけられたシリーズ初の弾数制限が不評であったためか、後の『ハンターズ』ではビームアモが共通化、『プライム3』以降は制限のない無限のビームに戻った。


余談

  • 先行発売された海外での副題は「エコーズ(Echoes)」であったが、そのおよそ半年後に発売された日本では「ダークエコーズ」に変更されている。
    • 続編の『プライム3』にて、ダークサムスが繰り出す分身に「ダークエコーズ」という名称が付いている。
  • 当時の『コミックボンボン』にて、本作のコミカライズ版『メトロイドプライム EPISODE OF AETHER』が連載されていた。作者は松本久志氏。
    • ゲーム中にいないオリジナルキャラの連邦軍兵士が登場し、彼らの奮戦が描かれているほか、オリジナル展開で一般人から見たサムスの印象といった貴重な描写もあるのが特徴。
    • ただし話数が少ないこともあってか、本作の序盤を描いた後は中盤をすっ飛ばして最終決戦に移行する。既に掲載誌は廃刊で、単行本化も為されていないのが惜しいところ。

Wii版

  • GCソフトのWii移植シリーズ『Wiiであそぶセレクション』の最終作として発売された。
    • 前作のWii版同様GCコントローラには対応しなくなったが、『プライム3』をベースとしたWiiリモコン + ヌンチャクを使用した操作方法により、操作性が大幅に向上している。
      • なお、『Wiiであそぶセレクション』で唯一のCERO:Bの作品でもある。また、現在では中古価格に5000円近くの高値が付いている場合もある模様。