このページではGC専用ソフト『メトロイドプライム』と、Switch向けHDリマスター版である『メトロイドプライム リマスタード』について紹介し、Wiiへの移植版も参考記述という形で紹介する(判定は全て良作)。
【めとろいどぷらいむ】
【うぃーであそぶ めとろいどぷらいむ】
ジャンル | ファーストパーソンアドベンチャー | ![]() ![]() |
対応機種 |
ニンテンドーゲームキューブ Wii |
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発売元 | 任天堂 | |
開発元 |
Retro Studios 任天堂 |
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発売日 |
【GC】2003年2月28日 【Wii】2009年2月19日 |
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定価(税抜) |
【GC】6,800円 【Wii】3,619円 |
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レーティング | CERO:全年齢対象 | |
備考 |
Game Developers Choice Awards 2002 Game of the Year受賞作品 |
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判定 | 良作 | |
ポイント |
3Dで新生した『メトロイド』 『プライム』3部作の幕開け 主観視点による一体感・臨場感 探索と世界観を彩るバイザーシステム 高品質なグラフィックとBGM 高い難易度と達成感は健在 |
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メトロイドシリーズ |
前作『スーパーメトロイド』から長い年月を経て発表された、アメリカのレトロスタジオ(*1)によるシリーズ初の3Dアクション。
『フュージョン』とほぼ同時期に発売されており、同作との連動要素もある。
ジャンルとしてはFPS(ファーストパーソンシューティング)に分類されるが、任天堂はFPA(ファーストパーソンアドベンチャー)を公称する。詳しくは余談へ。
『プライム』シリーズ3部作の第1作で、時系列的には初代『メトロイド』と『II』の間の物語。
未知のエネルギー「フェイゾン」をめぐるサムスとスペースパイレーツの戦いを描く。
また、『プライム』3部作の中では唯一のCERO:A(全年齢対象)のゲームである。
CMで「目に見える物だけを信じるな」とキャッチコピーが打たれているように、本作は普通に見ただけでは対処法はおろかその存在さえわからないような仕掛け・敵が数多く存在する。
これらに対応するのが「バイザーシステム」という視界切り替え機能で、これは『プライム』シリーズ最大の特徴であり最も重要な要素の1つとなっている。
コンバットバイザー
スキャンバイザー
サーモバイザー
Xレイバイザー
どのバイザーも特定の状況下では見づらかったりと一長一短で、うまく使い分けなければならない。
またこのバイザーシステムはゲームだけでなく、演出にも一役買っている。
一部のクリーチャーを目の前で倒すとバイザーにクリーチャーの体液が飛び付く、蒸気が噴き出ているところに立つとバイザーに水滴が付く、光の反射でサムスの顔がバイザーに映し出されるなど、サムスから見た視点がリアルに演出されている。
本作では4つの属性のビームが登場し、敵の掃討や仕掛けの解除などに適宜使い分けていく。
各ビームにはそれぞれ色が設定されており、その色に対応した部屋の出入り口や仕掛けのスイッチ、そして敵も存在する。
そのため、どのビームを使えば効果があるのかが一目で分かりやすい。
パワービーム
ウェイブビーム
アイスビーム
プラズマビーム
+ | ネタバレ注意 |
シリーズ初の3D作品であり、日本では物珍しいFPS系統のゲームでありながら、バイザーシステムをはじめとした数々の新要素はいずれも高い完成度でまとまっている。
特にスキャンバイザーで周囲の情報を読み取るという要素により、本作ならではの形で世界観に深みを持たせることに成功している。
その上でエリアを探索してパワーアップアイテムを探し、道を切り開くという『メトロイド』シリーズの肝はしっかりと押さえている。
さらに美しいグラフィック、優れた操作性、シリーズ恒例の硬派で歯応えのある難易度と、正統進化した『メトロイド』の魅力を楽しめる、シリーズを代表する良作の1つと言っていいだろう。
【めとろいどぷらいむ りますたーど】
対応機種 | Nintendo Switch | ![]() |
発売元 | 任天堂 | |
開発元 |
Retro Studios 任天堂 |
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発売日 |
ダウンロード版:2023年2月9日 パッケージ版:2023年3月3日 |
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定価 |
ダウンロード版:4,300円(税込) パッケージ版:4,378円(税込) |
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レーティング | CERO:B(12才以上対象) | |
判定 | 良作 | |
メトロイドシリーズ |
※共通項目は省略
2023年2月9日のNintendo Directにて電撃的に発表されたリマスター版。同日中にSwitchのダウンロード版が配信され、同年3月3日にはパッケージ版も発売された。
移植作業はGC版を開発したレトロスタジオを中心として複数の企業が開発協力を行っている。
なお、前作『Wiiであそぶ~』ではレーティングはCERO:Aだったが、今作は他の『プライム』シリーズ作品と同じCERO:B(12歳以上対象)になっている。
注意点として、発売経緯に関するインタビューやリマスター版に用いられた技術面での公式での解説などが無いため、以下の記述内容はプレイヤー側の推測を中心としたものである。
そのため、記述内容が必ずしも正確とは限らないことを留意してほしい。
また「オリジナル版」という表記は、GC版とWii版をまとめた記述として見ていただきたい。
オリジナル版が高い評価を得ながらも年々遊びにくい状況になっていたが、本リマスターによって装い新たに現行機でプレイできるようになった。
オリジナル版の面白さはそのままに、グラフィックは2023年現在の新作タイトルと比べても見劣りしないものになっている。
高騰しているオリジナル版と比べても非常に安価なので、今から『プライム』を遊びたいという人にはこちらをオススメする。
*1 1998年にアクレイム傘下のデベロッパー、Iguana Entertainmentの創業者の1人であるジェフ・スパンジェンバーグ氏が独立後に興した。設立当初から任天堂の出資を受けていたが、2002年に任天堂の完全子会社となった。
*2 本作では右スティックをカメラ操作に当てることができない仕様になっている。
*3 パワービームをセットした状態でショット・ミサイルを交互に連打すると、本来よりも高速でミサイルを連射できる裏技。Wii/Switch版でも可能だが、『プライム2』以降では使用できない。
*4 主に新しいアイテム、あるいはそれを守るボスがいるフロア。
*5 スペースジャンプは空中2段ジャンプ能力として名前を残しているが、無限ジャンプはできなくなった。
*6 ただし、『スーパー』にもグラビティスーツで防げない酸液が存在するため、ゲーム的な要素としては大差ないが。
*7 残っている未踏破の方面はフェイゾンマインズの最深部とインパクトクレーターのみ。
*8 ゲーム中盤から登場するスペースパイレーツ戦闘員の実験体で、黄色いボディのパワートゥルーパーにはパワービームのみ効く…というように色・名前と同じビームしかダメージを与えることができない。
*9 ゲーム終盤で登場するメトロイドの一種。攻撃を受けると名前の通り分裂し、分裂後の個体はランダムな体色と同じ色のビームしか効かない。しかも分裂時は一時的に無敵状態になる上、大量に湧いてくるのでパワーボムを浪費させられる非常に厄介なザコ敵と悪名高い。
*10 進行上必ず通るゲートを開いた時に入るムービーであり、絶対に飛ばせない。
*11 初通行時の停電前に回収すれば回避可能だが、取り逃す・後回しにしてしまうと…。
*12 『プライム2』以降は対象物そのものが発色する形に変更された。
*13 一部は攻略順序の制限で仕方のない箇所もあるにはあるが。
*14 振動カートリッジ単体の店頭販売はなされておらず、単体購入が可能なのは公式サイトのオンライン販売のみであった。
*15 ログブック画像と、そこから確認できるモデルを確認するとたしかに違う。
*16 パワービームは最大3発、ウェイブ・プラズマビームは2発まで連射される。最も連射力の低いアイスビームは連射されずに1発発射されるのみ。