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RPGツクール - (2014/05/02 (金) 08:07:01) の編集履歴(バックアップ)


クソゲー専用意見箱にて、分類について検討中。
開始日:14/5/2、初回〆日:14/5/8


RPGツクール

【あーるぴーじーつくーる】

ジャンル コンストラクション
対応機種 プレイステーション2
発売元 エンターブレイン
開発元 Runtime
発売日 2004年12月16日
定価 7,140円
ポイント 確かに簡単には作れる
制作自由度が大幅ダウン
さらにロード地獄
オッサン顔な主人公向けグラフィック
文字打ちが最大の苦痛
ツクールシリーズリンク


概要

  • RPGツクールシリーズ初の無印タイトル(ツクールシリーズ第一弾には 『SUPER DANTE』の副題が付いている、またSFC版の初代と区別するために通称「PS2版」「無印」などと呼ばれている。)。
  • 開発はRuntimeという他ツクールでも起用されていない、恐らく新規参入の会社である。
  • 最大の特徴として、フィールドや街など全画面が3Dとなっている点が挙げられる。また『5』はドラクエ風の作りだがこちらはFF風である。
  • 『5』の反省から難度を下げるとしたこと、また頭身を大幅に上げ、3Dの美麗なグラフィックと戦闘シーンが公開されたことで期待されたのだが…。

問題点

自由度の大幅低下

  • 簡単さを重視したせいで下記のような様々な制約があり、自由度を下げている要因となっている。
  • 登場人物を100人までしかつくれない。これは主人公などプレイヤーキャラのみならず、 町人・イベントキャラ含めて 100人である。これに加えて容量もそんなに多いわけではない。
  • 主人公の武器はそのモデリングに合わせたものでないと装備させられない。例えばシリーズ定番の勇者グラフィックには剣しか装備出来ず、斧などは装備設定してもちゃんと反映出来ないor装備されない。
  • キャラクターのグラフィックデザインが洋ゲーを意識したものが多く、顔が全般的に濃い。
    • シリーズではほぼ毎回そうだとはいえ、パッケージのような正統派主人公のグラフィックは存在すらしない。
    • 顔グラも癖が強く、おまけに歩行グラフィックとデザインが合わないものもいる。ちなみに顔グラフィックという要素自体は『4』からの復活したものではある。
    • 主人公・勇者向けに製作されたと思われるグラフィックNo.1は髭を生やしており、どう考えても30代のオッサンにしか見えない。にも関わらず、サンプルゲームでは学校に通う少年に設定されている。サバ読みすぎ。

常に付きまとうロード地獄

  • 3D化の弊害からかロードが異常に長く何をするにもロードが必要なロード地獄に陥る。サンプルグラフィックでもロード、建物間を移動するときにも生じるロード、とにかくロードが差し込まれる。しかも一つ一つが長い。
  • ツクールシリーズでは珍しいサイドビュー的な戦闘シーンを採用しているが、テンポがとにかく悪い。
    • RPGツクール4のようなアクティブタイムバトル(以下ATB)方式を採用。しかしバトルのテンポはRPGツクール4とは比べ物にならないくらいに劣化。
    • そもそも戦闘に入るにもロードがかなり長い。下手すると10秒くらいのロードがかかることも。
    • スキルを使った時、ムービーを設定すると、その度少しロードが入るので一瞬映像が止まる。
  • これらのことから、ロード時間>制作時間とすら言われる。

その他の問題点

  • 文字入力のインターフェイスが歴代最悪。もはや筆舌に尽くしがたい面倒くささ。
  • スティックを倒して文字を選択するのだが、まずスティックを下に倒して「あかさたなはまやらわ」そして「記号」といったように文字の列を選択し、その後でさらにスティックを倒し、表示されたあいうえおでの中で、使いたい文字をスティックを倒して選択するという方式。一度体験すればわかるが、とにかく面倒なだけ。
    • デザイン自体はオシャレだが、オシャレなのは外見だけにしてもらいたかったものである。
    • にも関わらず、5のようにUSBキーボードには対応していない。
  • マップが広大な割に主人公の歩行スピードが遅い。ダッシュは出来るのだが、その肝心のダッシュすらいかんせん遅い。

好評点

  • マップ制作は3D設定ながら意外と簡単に作られており、それっぽい広大マップが気楽に作れる。
  • 3D自体は人間などのデザインを除けば当時としては綺麗な方。
  • BGMはプロの楽団が手がけたオーケストラ調なので良曲揃い。
    • 後に『RPGツクールXP』のバリュー版にサンプル素材として再録された。

余談

  • ツクール魂2005で『RPGツクール』部門のコンテストが開催された。
    • コンテスト入賞作品発表されその後入賞作品の配信が行われるはずだったのだが、入賞作品の発表後、公式サイトが更新されず入賞作品の配信も行われてないまま2013年4月8日のツクラー広場サービス終了と同時にツクール魂2005公式サイトも閉鎖されてしまった。

総評

3Dのゲームが増加傾向にあった時代に、3DのRPGが手軽に作れるというコンセプトを持って生まれた本作。また、ツクラーの間では3度目の正直として『4』『5』の不評を覆す事も期待されていた。
だがその出来は、自由度の低さ、操作性、ロードの回数・長さといった、製作作業面のみならず作った作品をプレイさせるためのプレイ環境面でも大きな問題点を抱えていた。
大元のコンセプトを実現するノウハウ不足が徐々に露呈していき、本作は「使えないRPG製作ツール」として認知される。初心者ツクラーはおろか、今まで慣れていたベテランツクラーでさえ、仕様上の問題で製作を断念する作者が続出してしまった。結果、家庭用ツクール最低のレッテルを貼られ、2度あることは3度あると期待を大きく裏切る形となった。

なお、開発元自体、ツクールに参加するのは初めて…というかほとんど無名の会社である。前後の作品の出来の悪さから、それ以降は「空想科学にカムバックして欲しい」と望むツクラーが絶えない。

3DタイプのRPGが作れるというコンセプトには大きな需要があったはずなのだが、『5』と本作と2作連続不評だった結果だけが残ってしまい、これ以降のRPGツクールシリーズも基本的に見下ろし型2DRPG製作ソフトとなっている現状から、今後3DタイプのRPGツクールが発売される見込みはPC版も含めて極めて低いと思われる。

次の家庭用版RPGツクールは、2010年発売の『RPGツクールDS』までお預けとなる。本作の発売から6年の歳月を要したうえ、開発元は自社なのだが、結果は…。