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機動戦士ガンダム ガンダムVS.ガンダムNEXT - (2017/11/29 (水) 18:17:16) の編集履歴(バックアップ)


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依頼内容は評価点の追記です。
2018年2月29日までに改善されない場合は削除対応します。


本稿では元であるアーケード版と、その移植であるPSP版を中心とした紹介をしています。


機動戦士ガンダム ガンダムVS.ガンダムNEXT

【きどうせんしがんだむ がんだむばーさすがんだむ ねくすと】

ジャンル チームバトルアクション
対応機種 アーケード(SYSTEM246・256)
発売元 バンダイナムコゲームス
販売・開発元 カプコン
稼働開始日 2009年3月18日
判定 良作
ガンダムVS.シリーズリンク

概要

初代『連邦vsジオン』から始まったガンダムVSシリーズの8作目。前作『機動戦士ガンダム ガンダムVS.ガンダム』(通称ガンガン)の続編。

前作ガンガンは「全機主役」をついに実現させたお祭りクロスオーバー作品として期待されたが、ゲームバランスが致命的に悪く、以前のVSシリーズのファンから一部そっぽを向かれてしまうこともあるほどであった。その批判を大いに受けて制作されたNEXTは、ロケテストで頻繁にユーザーの意見を聞いて再調整を何度も加えるなどかなり入念にゲームバランスを調整して制作された。
前作でももちろんロケテは行われたのだが、少し触れば明らかにゲームバランスをぶち壊すだろうと分かる「キャンセル覚醒」を搭載したフリーダムガンダムがほとんど手つかずで本稼働に投入されたりなど、ロケテと言っても形だけのものであった。それに比べるとNEXTは新機体の目玉ターンXが日に日に再調整を重ねられて弱くなっていったりなど、かなり万全を期して本稼働に臨んだことが分かるロケテが行われた。

新システムNEXTダッシュによってゲーム性が一気に様変わりはしたが、ゲームバランスは良好になり、対戦ツールとして名高いシリーズの面目を保った作品。

特徴・システム変更

  • NEXTダッシュ(以下ND)という新システムの導入。 NDはざっくばらんに言えば「ほとんどの行動をキャンセルできるダッシュ」。つまり連ザ時代のスピード覚醒が全機体に備わっているようなシステムである。

このNDは前作のフリーダムに備わっていたキャンセル覚醒にもかなり似ているシステムで、そのフリーダムが強すぎてバランスがとれていなかった現状を考慮してか、「そのキャンセル覚醒を全機体に基本システムとして付けました。その上でバランス調整をしました」というのが今作のシステム面のおおまかな発想だと思われる。この荒療治によってゲーム性は一変し、賛否両論を呼ぶことになった。

このシステムの投入により、ゲームスピードは一気に上がった。
これにより爽快感が増したと言われる一方、初心者には取っ付きにくくなったと言われる事がある……が、連ザ以前のほうが小技や覚えるべきセオリーが多く、その熟練度が勝利に直結していた為、どちらがどうとは一概に言えないのではないのかという意見も熟練プレイヤーの中には多数ある。
⇒参考:http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/game/50062/1274097480/69
また、「連ザ」の場合、スピード覚醒状態でなければキャンセルできない技(フリーダムの射撃CSなど)が多く、必中のつもりで使う必要があった。また、格闘をしかけて避けられるとフォローが出来ない為、これらの状況になってしまうと敵からは格好の的になっていたが、NEXTではNDによりキャンセルして逃げる事が可能な為、読みあいの選択肢を増やせたという意見もある。
「連ザ」以前は、ビームライフル1発の当て方も重要であり、じりじりとした攻防が繰り広げられる為、初心者にはハードルの高い一面があったのも事実ではある。
今までのシリーズでの定石が通用しなくなった面もあり、良くも悪くも「NEXTは別ゲー」と言われることが多い。

  • Gクロスオーバー削除、耐久表示など様々な表示が連ザ以前のような渋めな感じに回帰、勝利カットインの追加…など演出面の再考。 演出面では前作より改善され、これに関しては概ね好評であると言える。
    新しく登場した機体もきちんと作り込まれており(前作より勝利モーションが多かったりなど)キャラゲーとして前作よりはクオリティの高い作品となったと言える。また、既存キャラにも新規のヴォイスがかなり増えている。
    特に前作半ばやっつけのような感じで稼動終期に解禁したエクシアは待望のトランザムシステム実装、パイロットの刹那もアニメ中期~終期のようなアツいシャウトを演じてくれるようになった。
  • 全体的に良好な機体バランス 新機体は勿論、前作から続投の機体群もゲーム性の大幅変化に伴った諸々の調整が行われた。
    深くやりこまないと分からないが、トールギス(SB)、ハンマ・ハンマ(サブ射)、エピオン(ND不要コンボ)、ゲドラフ(ステキャン)などNDを逆手に取ったような戦術が出来る機体が新機体には多く、NEXTは「今までのシリーズのゲーム性に単にNDを搭載しただけのゲーム」ではないことに注意。
    全体的に見れば良調整と言えるが、やはり強機体・弱機体と言われる機体もおり、それについて詳しい内容は下記に。後出し調整なしの機体バランスとしてはかなり整っているとの声がかなり多い。
  • 総コスト6000、三段階のコスト制 厳密にいえばこれは前作からのシステムなのだが、あまりにゲームバランスが悲惨だった前作ではあまり日の目を見ず、今作になって「これはもしかして良点では?」と見始められた。連ザまでは全ての機体が全ての機体と組めるわけではなく、どうやってもコスト的に無駄ができ、対人戦では使えない組み合わせが多々あった。しかし今作のコスト制では全ての機体が全ての機体と、とりあえず組めるため、とても多くの組み合わせを考えることができ、戦略の自由度がとても広い。はじめは3000+2000が鉄板では? と思われていたものの、現在では3000+1000、1000+2000なども普通に独自の強みをもってガチ戦で使われており、3000+3000などの同コストコンビも機体の組み合わせをいかせれば(ウイングターンエー、V陸ガンなど)ガチ戦にもっていくプレイヤーが見られる。

ゲーム性の誤解

VSシリーズはガンダム対戦ゲーとして屈指の地位を持っている事実があり、当然ながらそれぞれの作品に固有のファンが付いている。
今作はNDという斬新かつ荒療治なシステムが搭載されたが、それによるゲーム性の変化を、あまり深くやりこんでいない(すぐ触ってやめた、など)旧作ファンに誤解されやすい面が多々ある。以下にいくつか挙げると…

  • 今作は弾幕ゲー 稼働初期によく言われていた概念。しかしこのセオリーは間違っており、今作は弾幕では勝てない。
    NDは弾幕を張るためにあるのではなく、どちらかというと「相手の着地硬直に能動的に自分の射撃タイミングを合わせるため」のシステムに近い。
    これを理解するまでが今作で初心者が打開すべき最初の扉と言っていいほど。
    もちろんヘビーアームズや陸戦型ガンダムなど一部の機体には弾幕が一つの戦術として残ってはいる。
  • NDが便利すぎて弱くなったステップが使えなくなった こちらも初期に言われていた概念。ステップだけで勝てた前作ガンガンはさすがにステップの利便性が高すぎたが、連ザに比べてもステップの意味合いが薄くなりすぎではないのか、という批判。
    しかし誘導を切れるというのはやはりかなりのアドバンテージ行動であっため、今作においてもステップを使いこなすのは重要なことに変わりない。
    特に格闘距離では、ほぼすべての敵の攻撃行動をステップで回避できる(NDでは誘導が切れないので銃口補正のよいアシストや格闘はひっかかってしまう)ため、読み合いに必須である。

総じて、旧作からの視点でゲーム性を評価すると誤った見解になってしまうことが多く旧作ファンから誤解されることが多いゲーム性である。特に直接の続編としてガンガン、それ以前の作品の連ザと過剰なバイアスを持って比べたがるファンが多く、VSシリーズファンの間でもこれらは毛嫌いされている。今でこそある程度確立した評価がされているNEXTであるが、出た当初は連ザ以前のプレイヤーからの評価は惨憺たるもので、非常にアンチも多かった事を付記しておく。

新機体

+ ...

今作の新機体はかなり多めで、家庭用のNEXT PLUSも含めると前作の二倍近い機体がいる。いくつか特徴的なものを解説。

  • ガンダムエピオン(コスト3000) 今作の目玉の新機体その1。VSシリーズ初、格闘しかない機体(射撃がない)。一応、リーチが長いヒートロッドはあるが、当然ながらエレガントオーラもといスパークウィンドは無し。
    最高コストでありながら、相手に近づいて切り刻む、という男らしい戦い方しかできない。アシストのビルゴは相手の射撃をある程度防いでくれるが、エピオン自身の機動性が高すぎてついてきてくれなかったり、弾幕が激しすぎて何発か突き抜けてきたりと過信はできない性能。新システムNDがなくても常時格闘を繋げられる唯一の機体でもあり、何か意図的にアウトサイダーな調整がなされている気もする。
    正直上級者同士のガチ戦で使われることは少ないが、そのエレガントな外見と格好良いコンボから使用率は高い。一瞬で250前後ダメージをもっていく火力は素晴らしく、プレイヤーの腕さえあればそこまで勝てない機体ではない。様々な小ネタやストイックな技術が要求されることは間違いないが。また、極端すぎる性能の為、相性の悪い敵には極めて不利になってしまうことも多々あり、特にCPUのMA戦は最早運ゲー同然と化す。但し、Eルートのボスであるザンネックのみダウン値が低い為、格闘→後サブ派生を連発することでどの機体よりも優位に戦える。*1
  • ターンX(コスト3000) 目玉その2。ファンも多い碧色に輝く最凶マシーン。開発陣の愛が覗える出来で、使い捨てで持ち換えるメイン射撃に始まりシャイニングフィンガー、ブラディシージ、月光蝶などなど原作再現は完璧である。
    性能的には変則の万能機といったところで、武装が格闘機に強いものが多く、迎撃性能が高い。ランク的には3000中堅か。
  • ストライクフリーダム(コスト3000) アーケードの隠しボスとしても登場する。ブースト持続は最高でドラグーンでの射撃戦も得意だが、耐久値が3000最低、火力が悲惨、特殊武装「SEED」を上手く使いこなす必要がある、と初心者お断りのピーキーな高機動万能機。全機体最高のブースト性能で前線を引っかき回し、相方のチャンスメイクを行うのが主な仕事となる。
    殆どのスペックが3000の平均性能以下なので2000で登場した方が使う人も多かったはずである…が、前機体のフリーダムが3000であり、フリーダムを超えた性能を持っているという設定上、コストが下がるのは不自然という意見もある。
    ちなみに敵専用技である連続斬り→ドラグーン一斉射撃(通称「キランザム」)は非常に格好良く、「威力が低いネタ技でもいいからプレイヤーにも使わせて欲しい」と言われている。
  • ガンダムDX(コスト3000) ツインサテライトキャノンを装備した一発逆転型万能機。サテライトという恐ろしい武装がある分、素のスペックは並み以下。前作から続投のガンダムXの方はディバイダーに換装可能となり、なかなか面白い中堅機体になった。「サテライトゲー」はこの機体に受け継がれたと言える。
    非常に長い射撃チャージによりサテライトの弾数をストックする仕様であり、相手からすれば溜めているのがバレバレなのが難点。上級者同士の対戦ではサテライトを直撃させるのは厳しいものがあるが、真面目に使ってみると案外に読みあいや闇討ちがスリリングで楽しい機体。基本射撃機体だが、きっちり使い分けられれば一部格闘機を潰せる格闘性能を持っていたりする。新3000は全体的にピーキーな機体が多いように思える。
    余談だが、解禁機体にもかかわらず勝利ポーズが6種類と全機体中最多だったり、解禁機体のパイロットはボイスが大部分流用される中ほぼ流用無しの新録だったりと、前作の不遇っぷりを晴らすかのような手の込みようである。
  • ユニコーンガンダム(コスト3000) 一足お先に登場したガンダムUCの主人公機。バトル開始から一定時間が経過するとユニコーンモードからデストロイモードに覚醒できるようになり、一気に攻め型の機体に変貌する。基本的には万能機かつ射撃が撃ちきり手動リロードなので使いやすいが、ユニコーンモードでは全体的に挙動が重く機動性もそれほど高いわけではないので使いこなすには若干慣れが必要*2。その分デストロイ時の格闘はとてもかっこよく、モーションが非常に凝っている上にコンボ次第ではかなり高いダメージをたたき出せる。さらにデストロイ時の勝利モーションは非常にかっこいい。ちなみにこの機体だけはOVAアフレコ前に作られたからか、パイロット&ボイスなし。PSP版やEXVSシリーズ以降にはパイロットのバナージ・リンクス(CV:内山昂輝)が追加されるものの、「新作の主人公機+変身する謎のガンダム」ということもあり、パイロット無しも不思議と馴染んでいたという声も。
  • ハンマハンマ(コスト2000) 有線インコムによる長距離からの射撃が可能。ファンネルとは違った性質を持ち、L字や着地を狙いやすい。この手の機体のお約束として「接近戦は弱い」というものがあるが、特殊射撃の大型ビームや特殊格闘のアンカーでそこそこ対応可能。癖は強いが後衛援護機としては強い。
    ちなみに棒立ちしているとマシュマーさんよろしく薔薇を取り出して眺めるというファンサービスも。MSサイズなので普通に考えてでかい
  • ガンダムシュピーゲル(コスト2000) 爆弾クナイやアイアンネットを持った、ゲルマン忍者の名に恥じぬトリッキーな機体。Gガンの機体らしく形の上では地走+格闘機ではあるが、ゴッドやマスターのように正面からぶつかるのではなく、個性的な武装と機動力を活かして盤面を撹乱・荒らしで勝つタイプの機体。アシストのレイン(ライジングガンダム)で長距離の硬直取りも行える等、技が多彩。
    無論モビルファイター故に格闘技のレパートリーも豊富で、初段さえ決まれば高威力・カット耐性重視・鈍足付加等様々なコンボも楽しめる。
  • トールギス(コスト2000) ブーストボタン一回だけでNDを発動できる「スーパーバーニア」というシステムを搭載した玄人機体。NDが基本システムである今作だからこそ原作再現の動きができる機体で、今作が安易に「NDを付けただけ」なゲームではないことを物語る機体。
    前作のままのシステムではトールギスは逆に強すぎて登場できなかっただろう。性能的にはかなりピーキーで、対戦で勝つには慣れが必要なキャラ。
  • アッガイ(コスト1000) ガンダムオールスターに紛れ込んでしまった、明らかな公式ネタ機体。マスコット的なかわいさを武器に他に立ち向かう。連ジ時代とは全く違った性能になった。
    一部エンディングなど公式的にネタにされまくっているが、それほど弱くはない。むしろコスト1000の弾幕機としてそれなりに使える機体である。
    • 他、多くの追加機体が存在。

また「モビルアシスト」(限られた回数だけ使用MSに関係あるMSを呼び出せる)も前作から健在であり、プレイヤーをサポートしてくれる。特徴的なものを挙げると…

  • ザメル(コスト2000ガンダム試作2号機のアシスト) ザメルが砲撃を行う。呼び出されてから発射までが凄く短く、弾速も誘導も威力も十分であり、格闘機であるガンダム試作2号機を強力にバックアップしてくれる。むしろ有能すぎて「ザメルが本体、試作2号機は核を撃つアシスト」等と言われる有様。後述のガンダムキュリオスとは真逆である。
  • レジェンドガンダム(コスト3000デスティニーガンダムのアシスト) ドラグーンシステム(宇宙世紀系のファンネルと効果は同様)でビームスパイクを発射する。ビームスパイクがヒットするとスタンするため、後述の通り「追う」面で有力なデスティニーガンダムにはまさにうってつけのアシストである。
  • Gファルコン(コスト3000ガンダムDXのアシスト) ガンダムDXの変形移動をサポートするだけでなく(とはいえこの用途で使われることはほとんど無いが)、通常より発生と威力がよいツインサテライトキャノンを発射してくれるアシスト。その分1回しか使えないが。
  • ガンダムキュリオス(コスト2000ガンダムヴァーチェのアシスト) 本作最大の能なしネタアシスト。このアシストのダメっぷりは群を抜いている。呼び出されるとすぐにミサイルを空に放ち、そのミサイルは時間差(約1秒)で落ちてくる。ここまではいい。そのミサイルの着弾点は「発射された瞬間に敵がいたところ」である。
    本作(というよりガンダムVSシリーズ全般に言えることだが)ではMSは動き回るのが普通であり、発射されてから着弾までの間に当然相手は動くワケで、普通に使えばまず当たらない。有効に使える時とは、ガンダムヴァーチェがアーマーをパージしてガンダムナドレになってから使える「トライアルシステム」(周りのMSを強制的にスタン)で方追いをし始める時に置いておくくらい。もしくはキュリオス本体で相手を迎撃するなど。CPU戦の巨大MAとの戦いでは結構使える。PSP版ではある程度相手の位置をサーチして着弾するようになっており、多少パワーアップした。
    それでもまるで役に立たない。まあ、ヴァーチェ自体は砲撃機→万能機でそれなりに活躍できるのだが。
    • 新規参戦MSにも新規アシストがつき、一部アシストは変更。
    • 今回記述しなかったアシストの中で有能と言われるものは前作から続投したベルガ・ギロス(コスト1000ビギナ・ギナのアシスト)や、今作初登場のルナマリア機ガナーザクウォーリア(コスト2000インパルスガンダムのアシスト。前作から変更。彼女の場合原作イメージが崩壊しているが気にすることではない)など。

問題点

  • 機体の相性差が大き目
    • 全ガンダム参戦というゲーム性ゆえに特徴的な武装が多いため仕方ない部分もあるが、「この機体であの機体と戦うのは厳しい」ということは多々ある。故にジャンケンゲーの要素が強いと指摘する人もいる。
      • 例としては「ターンXとエピオン」などがあげられる。ターンXは特殊射撃で分離射撃が可能で、かなりの格闘攻撃を狩ることが出来る。そのため格闘攻撃しかないエピオンにはかなりつらい相手となる。
      • またウイングゼロ、ゲドラフ、陸ガンなどは接近拒否能力が異常に高く、基本的に格闘機では手も足もでない。エピオンやノーベルでこれらに挑もうものなら単なる相性差では片づけきれない理不尽さに包まれること請け合い。
    • 前作での自動盾から再び手動盾に戻ったのだが、機体において盾が使えるものとそうでないものがいる。これにより使用機体によって敵からの攻撃への対抗策で格差が生じてしまった*3
      • さらに盾を持たない機体はというと回避性能に難がある地走機と接近戦に持ち込んで何ぼのMFなどに集中している。激しく飛び交う弾幕に対して身一つで何とかしなくてはならないという悪夢。
    • CPUのMA戦は、使用する機体とその時の運によっては勝ち目が無い状況になることもしばしば。全体的に射撃機とシールドのある機体が圧倒的に有利であり、格闘機とシールドの無い機体がMAに挑むのは非常に厳しい。
      • 例として延々と高い位置を移動し続けるザンネックやエルメスは、格闘機では「相手がどれだけ低い位置にいるか」、MAの中では最も弱いとされているサイコガンダムですら、高威力・回避困難なCSを有しており、シールドがない機体だと「敵がどれだけCSを使ってこないか」という運要素がかなり絡んでしまうことがあげられる。
  • 処理落ち・ラグの問題が割と深刻
    • NDを導入した関係上、今までのシリーズ作品と比べ物にならないほど多くの弾が飛び交う事になった今作は極めて処理落ちが多いゲームとなっている。EXVS以降はPS3クラスのシステム357に移行したためこの問題はある程度緩和されており、VSシリーズで最も処理落ちが起きやすいのはPS2クラスなのに弾が多く飛び交うNEXTと言っていい(Gクロスオーバーで処理落ちしまくる前作ガンガンも酷かったが)。
    • さらにこの処理落ちと一部筐体では表示遅延が相乗し、まともなレスポンスでゲームが出来ない事すらある。
      • ブラウン管筐体(いわゆる白くてデカい昔ながらのゲーム台)ではまだマシなのだが、遅延が強いと言われるHD筐体でははっきり分かるレベルで遅れる(3F以上)事すらある。処理落ちが起きているときにこの遅延が合わさると「え?今ボタン押したよ!?」という事になってしまうことも(特にジャンプ2回押しのNDが1回押しの上昇に化け、最速でズンダできなくなるのは頻発する)。
      • ヘビアやキュベレイや∀やゲドラフなど、強機体に処理落ちしやすかったり、処理落ちの入力影響が深刻な機体が多いのも問題。レバー・ボタンのメンテが悪いのが他作以上に問題になりやすい。全国大会では処理落ち+遅延+ボタンのメンテが悪いという三重苦により、「筐体が悪いんです」という上位プレイヤーの名言も生まれた。
  • NDに内部硬直が(ほぼ)存在しない。それにより格闘を生当てするという行動がシリーズで屈指に弱い
    • 今作以降、VSシリーズは高速戦闘を可能にするND(後発作ではBDという名で続投)がほぼ基本仕様になったが、実はNDに内部硬直がほとんど設けられていない。これは現在、今作のみである。
    • つまりはNDから即ステップを出すことが可能。これにより、近接において敵のとっさの格闘などにステップを間に合わせることができる。そして今作はEXVSとは違って格闘をステップキャンセルできない。つまり、格闘は基本的にほとんどの場面でステップでかわし放題であり、一度かわしたら格闘側は誘導が切れないNDを挟むことになるため、回避側が極めて有利。ひいては、生で格闘を振るという択が非常に弱い
    • さらにアシスト置き(隣接でフレーム猶予があればアシストをおいて"暴れ"ができること)が存在。これによって格闘生当ての地位はますます悪化。
    • そもそも迎撃側となる上位万能機の格闘が格闘機並みに判定が強い。
      • たとえばウイングゼロに生格闘を当てるには「そもそも高い機動性にバックブーストペナルティを生かして何とか追いつき、地走を詰ませるロリバス(射撃CS)をかいくぐり、射線を作り続けられるメインを何とか回避、アシストはゲロビなので隣接での置きが非常に強力、しかも最後の最後で敵が振ってくる横格の判定が格闘機並みに強い」……苦行である。キュベレイなどには完全無敵の読みあい拒否択のプレッシャーなども存在する。
    • このせいで格闘を生当てすることをコンセプトとした格闘機がとても不遇。その極致が今作最弱と言われるノーベルガンダムである。
      • 今作で「格闘機」というカテゴリで活躍できているグフとマスターはどちらもアシストを中心にした「射撃始動のコンボダメージが高い機体」(つまり近接射撃機)といったほうが、他シリーズとの比較でみるとコンセプトとして正しい。つまり今作で強い格闘機は、格闘機のようで、格闘機ではないのである。
      • 一応、生当て狙いでもデスサイズは、誘導を切り続けるジャマーから繰り出される右格闘の圧倒的な攻撃範囲から生当てが比較的現実的である。ただしここまで性能的なお膳立てをしてようやく…であり、そもそもデスサイズはメイン射撃が普通に中距離で優秀であるため、これまたカテゴリ的には際どい。
      • エピオン、試作2号機も格闘生当て組で逆風気味だが、ノーベルに比べればまだマシな部類*4
      • ZDXのジオ、連ザのSスト・SI、ガンガンのMF勢、EXVSでのマスターやクアンタなど、他シリーズでは格闘生当てが主要な択として機能している強機体がある程度存在することを考えると、この点はNEXTの特色であり、欠陥でもあると言わざるを得ない。
    • 次回作EXVSはこの点を、虹ステ追加・NDに内部硬直を付ける・アシスト置き暴れが汎用的というほどではなくなった・・・といった点で改善しようとしている部分が見られる。ちなみにこれだけやっても格闘だけで戦っていけるゲームかというとそうでもないのだから、NEXTのノーベルガンダムの地獄と悲哀は相当なものだったはずだ。
  • ステップをジャンプキャンセルできない。
    • いわゆるステキャンが(それぞれの作品で強い弱いかはおいておいて)全くできないのはステキャン導入以後のシリーズでは、今作のみである。
    • このため今作は左手(レバーの持ち手)の動きがそれほど重要視されない。あくまでND+ステップで戦ってくださいというゲーム性であり、回避の自由度という面でEXVSなどにやや劣る。
  • 最大の問題は、こういったゲームスタンスな割に、疑似ステキャンと言ってもいい「ステサブ」というテクニックを扱える機体が存在する事である。
    • ∀とゲドラフがこれに当たる。他のほとんどの機体が「誘導切り+慣性移動(落下)」という動きが不可能なのに、出来る機体が存在してしまっているのである。案の定、この2機はコスト帯最強クラスとなっており、数値スペックで単純に飛び抜けているウイングと初代ガンダムに同コストで見劣りしない唯一の機体でもある。
    • これがゆえ、「髭とタイヤだけステキャンできるゲーム。その時点でおかしい」などと言われる事も多い。
      • ただしこの2機はレバーとボタンの職人的な動かしが楽しいので、機体の作りこみという面では好評。だがこれは「ステキャンは楽しいし他の機体にもステサブほど高性能でなくとも付けるべきだった」という裏返しでしかないともいえるが・・・
  • 強力すぎるNDに食われる形で変形が非常に弱い
    • 過去作では可変による機動力のアドバンテージや、射撃の曲げ撃ち・置き撃ち等のテクニックもあったのだが、今作ではそれらの強さ・必要性が変形時の機動力<NDの機動力という上下関係で食われる形で無くなっている。
    • ウィングゼロを始めZ・ヴァサーゴ・イージス等の可変機は強い部類に入る。が、あくまでそれは本体性能の高さ故の話であり、「可変を頼る必要が無い」と言った方が正しい。
      今作に「可変を主体に戦う機体」(過去作でのメッサーラや、セイバーガンダム等)がほぼ皆無なのが救いか。
  • 過去作に比べタイムアップになる頻度が高い。
    • 1000コストなどが過去作の低コスト帯と比べ強めであることもあいまって、1対1ではかなりタイムアップになりやすい。
    • 設定を変えて対戦時間を長くすることで解決できるが、店側の都合でデフォルトのままということも少なくない。こうなるとプレイヤー側の努力だけでは如何ともしがたいため、ゲーセン側の設定は確認しておくといいだろう。
  • 連携要素が薄いと言われることがある。
    • このシリーズは2on2ゲームであり、コンビで戦略を煮詰めていくのが最大の面白みである。この点においてNEXTは他作よりやや薄いと非難される事が多い。
      • 第一の理由として、NDによって射撃の軸(4人の位置関係と考えればよい)が変わりまくる割に射撃の誘導が弱めなため、クロス(L字射撃の事。シリーズでは常道の戦法)が大して機能しない、というのが挙げられる。
      • 第二の理由として、他作にあるいわゆる覚醒(一定時間パワーアップ要素)が存在しないため、だらだらと体力調整だけしていればいい、逆に言えば2人の連携によってそれ以外の荒らし・片追い戦法などを志向しても、だらだらとした射撃戦に勝るリターンが少ないというのが挙げられる。
      • これらにより、EXVS以降や連ザに比べて、深く考えないで二人で足並みを揃えて戦えばOKなゲームになってしまっている感が否めない面がある。
      • さらにガチ戦では実質ブースト無限の地走と誘導を切りまくって前に出られるステサブ勢が氾濫することもあり、戦法の多彩さに乏しく、はっきり言ってしまえば「ファンネルや初代DQNや陸砲での事故を延々と続けるだけ」といった試合になりがち。それがゆえに全体的な機動性が高いはずなのに試合が長引きまくる。
    • この特徴により2on2ゲーというよりは1&1vs1&1ゲーといった感覚が他作より強いのだが、これがシャッフル戦においては初心者・中級者には優しいといった面も無きにしも非ずなので、賛否両論といった形。

強・弱機体バランス

ゲームバランスがある程度良いと言われる今作にも、今までのVSシリーズ同様に何体か強機体は存在する。
最終的に「4強」と言われていたのは、

  • ウイングゼロ(コスト3000)
    • NDと抜群に相性が良い射撃武装をいくつも持つ。特に照射系ダウン属性持ちで10発も撃てるメイン射撃と俗に「ロリバス」と言われるローリングバスターライフル(射撃CS)が凶悪*5。耐久700でアシスト5回、差し込みやすい横格、高い火力・機動力と弱点がなく、ほぼすべての機体と気兼ねなく組める超万能機。おまけに地走・格闘機に異常に強くそいつらをゲームから締め出す一因にもなった。
  • ターンエー(コスト3000)
    • 「ステサブ」と言われる独自テクを扱うことによって飛躍的に回避性能が上昇する格闘機。しかも格闘機としては射撃武装に恵まれすぎていて、月光蝶による火力パンプアップも強力で耐久も最高値の750。要するに火力、防御力、回避力が全て最上級の万能寄り格闘機兼ミサイル爆撃機というちょっと意味が分からない機体。ステサブで滞空しつつ誘導を切りながらこちらへ近づいてくるターンエーの常軌を逸したキモすぎる動きは必見。
  • 初代ガンダム(コスト2000)
    • 一部では意図的に強めに調整されたと言われる。ブースト性能はやや低めだが格闘・射撃共に隙がなく、ありがちな「スタンダードな性能」ではない、ハイスペックな機体。一般的なBR、BZ、強めの格闘だけでも十分2000級なのだが、凶悪射撃CS通称「DQN砲*6」こそがこの機体の十八番。単純なスペックとして考えればこのゲームで一番優秀と言われる。3000のサポートとしての働きでは初代の右に並ぶものはいない。
  • 陸戦型ガンダム(コスト1000)
    • 弾幕作業機体の代表。ズサキャンとされるテクニックを扱うことにより、大きな硬直なしに雨のようなキャノン弾幕を降らせる。アシストも強力で、寄られても差し込む武装がない敵には普通に有利。さらには単発高威力、補正率良好、敵の機動力を低下させるネットガンという優秀な武装を持つ。1000コスながら相性が良い相手には鬼のように強く、ある程度使いこなせばすぐそれなりに戦えてしまうほど間口も広いため、一部では一番壊れてるのはコイツじゃないか?と言われていたりする。そして一番の問題はこいつと対戦する場合は、やる方もやられる方も動きがワンパターンになりゲームが作業化してしまうということ。

この4体である。「勝ちに行く大会での使用に耐えうる性能を持つ機体」という意味ではもう少し候補は多くなるが突き詰めるとこれらが明らかにとびぬけた性能を持っていると言える。

以下、元からポテンシャルが高かったり、研究が進むにつれて見いだされた「強い」と言える機体

+ ...
  • キュベレイ(コスト3000)
    • 稼働当初は中堅機体扱いだったが、全国大会で優勝するまで評価をあげた機体。特殊なファンネル・プレッシャー・すかしコン・癖はあるが高い運動性などが特徴。プレッシャーとアシストが近距離において重宝され、使いこなされたキュベレイはまさに難攻不落。
  • νガンダム(コスト3000)
    • 射撃戦が得意な万能機。回転率の良いフィンファンネルが強力。機動性と射撃武装はハイスペック。格闘は弱めだが、全体的な射撃のレスポンスがとても良いので使いやすさ抜群。なお、本作ではνガンダムとキュベレイのみ、射撃の発生が最も早い機体の部類に入る模様。
  • デスティニーガンダム(コスト3000)
    • 強誘導&スタンのアシスト、格闘からの派生が可能で威力も高い特格、BRや格闘からの派生が可能なサブ射、チャージが速く強制ダウンを持つ射撃CS・銃口補正が高い照射系ビームの格闘CS・高ダメを誇る格闘コンボ・左右に振ることで誘導を切りつつ一気に接近できる残像ダッシュと「追う」ことに関しては右に出る者はいない攻め型3000。ただしブースト持続とロック距離が短いのが玉にキズ。シャッフルでは高い火力が生きるが、固定戦では相方と共に連携して攻め上がることが求められる。
  • ヘビーアームズ改(コスト2000)
    • 自衛力と待ちゲー化が得意な弾幕機体。格闘機に対して強い。また、ダウン力・自衛力の高さから陸戦型ガンダムやグフなど1000と組まれることがよくある。
  • ゲドラフ(コスト2000)
    • ステサブ・格闘CSによる爆走・弾幕性能・特格による格闘迎撃・後格浮きなど様々な武装・セオリーのある玄人ガチ機体。かなり使いづらいが、使いこなすととにかく自衛力が高く、胡散臭い角度から引っかけることができる特格の強さに気付く。
  • デスサイズヘル(コスト2000)
    • ジャマー・クロークという生存にも接近にも便利な武装を持った格闘機。高い機動力・広すぎる格闘範囲・普通に強いメイン射撃と総じて格闘機としては立ち回りやすい。機体のコンセプト通りロックされていない相手への闇討ちで真価を発揮する。また万能機に強く、格闘機に弱め*7と言われる。以前は四強の一角に数えられたが他機の研究が進み相対的に評価が下がった。
  • シャア専用ザク(コスト1000)
    • 「通常の三倍」発動によって高コスト顔負けのスピードを誇る機体。稼動当初の評価は低めだったが、評価が確立された現在ではガチ機体と周知され、3000とよく組んでいる。ステップを利用した技術「ステマシ」で射角をいじりながらのマシンガンが強い。
  • グフカスタム(コスト1000)
    • こちらも1000とは思えない機動力の格闘機。ワイヤーアクションでブーストは3000並み。近距離では射撃もそこそこ有効に使え、アシストが格闘機最強クラス。

と、この辺りまでがだいたい「強機体」とされる。また、最近では以下の機体も割とガチ戦で見かける。

  • ガンダムF91、ガンダムヴァサーゴ、百式、インパルスガンダムなど(コスト2000)
    • 2000万能機はそれぞれに強みがあり、初代ガンダムまでといかなくとも十二分にガチで活躍できる。
  • マスターガンダム(コスト2000)
    • 射撃に非常に乏しいが、他を圧倒する格闘性能・金ピカ時の火力が素晴らしいモビルファイターのエース。圧倒的な攻撃範囲を持つ横格と優秀なアシスト、リターンが非常に大きい特射と近距離戦での武装が充実している。
  • Zガンダム(コスト2000)
    • 火力の悲惨さから最初は残念扱いだったものの、3連射可能なビームライフル、高誘導・強制ダウンのハイメガ、弾幕張りのアシストなど、射撃武装の引っ掛けやすさではトップクラス。その特性上、ターンエーのステサブ・陸ガンのズサキャンを食える、ウイングのロリバス・初代のCSを牽制できるという面で、現在は固定戦においての評価が高い。
  • ハンマハンマ(コスト2000)
    • 援護機体として高評価。特性上逃げ撃ちがしやすく、高性能な射撃武装が揃っている。待ちゲーで強い。
  • ザク改(コスト1000)
    • 格闘機に対する耐性・マシンガンの火力が強み。射撃戦での自衛力は並み以下なので基本的に2000、あるいは1000コスト上位クラスと組ませて使われる。
  • Vガンダム(コスト1000)
    • こちらも格闘機に対する耐性が高く、ダウン力もあることから1000+1000などでもたまに運用される。自衛力は高いほう。
  • ビギナ・ギナ(コスト1000)
    • 1000における初心者にも扱いやすい中堅ビームライフル機体。1000下位組よりは優位性があり、組みやすさの面でシャッフルでも扱いやすい。
  • デュエルガンダムAS・デュエルガンダム(コスト1000)
    • コスト1000だけあって耐久力は低いが、使いやすく威力も高いCS、特殊格闘、アシストを持つ。1発限りの必殺技、原作でフォビドゥンを撃破したアーマーパージアタックも再現された。

…と、機体間のバランスは一部を除き全体的に伯仲している。ガチ戦に投入できるコンビのバリエーションは、VSシリーズでも多い部類である。
結局何が一番強いの? と問われれば、評価は分かれやすいだろうが、扱いやすさと単純なスペックという面では「初代とウイングゼロと陸戦型ガンダム」、扱いづらいものの理論値は最強クラスという面で「ターンエー、ゲドラフ、シャアザク」などが本当の意味での強機体だろう。

弱い側の機体としては

  • ノーベルガンダム(コスト2000)
    • 弱機体筆頭。直接格闘を決める以外の攻撃手段がほぼなくNEXTのシステムからとことん嫌われている。MF特有の機動性以外はあらゆる面で厳しい部分が目立つ。
  • キュベレイMK-IIプルツー機(コスト2000)
    • エピオンとは逆に格闘がない機体。ファンネルのリロードが遅すぎて一度使い切るともう再出撃までまともに撃てない有様。CS・機動性は良好。一部では「所詮はBR持ちだからそこまで酷くない。ケンプファーとかのほうが弱い」とも言われる。
  • ガンダム試作1号機&フルバーニアン(コスト1000/2000)
    • シリーズ初「撃墜されると性能が変化する機体」という異色の機体だが、そのシステムのせいでコスオバや立ち回りが複雑で扱いづらい。しまいには最良の相方は自分自身と言われる始末。2機を独立して見てみると所属コスト帯でも強い方なので「分離させて別々に使わせて」とよく言われる。
  • ガンタンク(コスト1000)
    • 一言で言えば「小回りが効かな過ぎる陸ガン」。相変わらず歩きでほとんどの射撃をかわせるが、圧倒的な空中機動性の低さにより運ゲー&相性ゲーを強いられる。単発高威力でダウンを奪えるメインや、ブースト消費がないサブ射、自衛に使えるアシストなどの武装は一応あるため、初心者は食える。

などがある。これらは中堅機体相手もしくは強機体とコンビを組めばなんとか戦えるレベルではあるが、正直なところ真剣勝負で用いるには厳しいものがある。上記の「バランスがいい」というのはこれら下位機体をなかったことにした上での話という部分はある。 ただ固定大会においてキュベ2、ガンタンクがらみのコンビが最強の一角であるW0初代を倒してしまったりしているので、目安としては中堅機体であれば腕の差が多少あればどうにかなるレベルではある。腕が同レベルの場合は厳しいだろうが。
ただし弱機体の場合は流石にかなりの技量と運がいる。上記の例はキュベ、タンク側が一流プレイヤーだったために出来た芸当で、そこら辺の一般プレイヤーが同じことをやろうとしてもまず返り討ちになる。

ちなみに人気のエピオンは良くも悪くも中堅といったところ。格闘戦に持ち込めれば右に出るものはいないが、そこまでが辛い上、何よりも上位陣(ウィングゼロ、ターンエー、ゲドラフ辺り)にほぼ詰みという欠点がある。


総評

新システムNDによるゲームセオリーの変化により、連ザ以前とは別ゲーと言われ、プレイヤーの間でもND肯定派、否定派が出る作品となった。
とはいえ意欲的な機体数増加、もろもろの演出面も強化でキャラゲーとして完成度の高い作品となっている。
突き詰めると「ウイングゼロ、ターンエー、初代ガンダム、陸戦ガンダムの4択。他はいらない」とは言われるが、それでも当時のVSシリーズとしてはゲームバランスが良く、対戦ツールとしての人気も高かった。

PSP版発売でアーケードプレイヤーが減り、次回作の稼働等でおおよそ撤去されてしまったものの、今でも一部店舗では稼働を続けている。


余談

  • 次回作、『機動戦士ガンダム EXTREME VS.』発表の席でプロデューサーである馬場Pは「ガンネクは一つの指針を示すことができたが、前作ガンガンは対戦ツールではなかったかもしれない」と、自己批判ともとれる発言をしている。
  • グフカスタムのパイロットであるノリス・パッカードを演じた市川治氏が2009年1月2日に逝去。本作が遺作となった。
  • 本作ではBGMの「モビルスーツ戦」はアニメ機動戦士Zガンダムに使用された音源をそのまま使用していたが、家庭用移植された時は権利関係からか微妙にアレンジのかかった曲となっている。これ以降のVSシリーズはアーケード版もアニメのBGMはアレンジのかかったものとなっている。

機動戦士ガンダム ガンダムVS.ガンダムNEXT PLUS

【きどうせんしがんだむ がんだむばーさすがんだむ ねくすとぷらす】

ジャンル チームバトルアクション
対応機種 プレイステーション・ポータブル
発売元 バンダイナムコゲームス
開発元 カプコン
発売日 2009年12月3日
定価 6,279円(税込)
判定 良作

概要(PLUS)

  • PSPにも(当然のように)移植された。移植面はほぼ完璧でかつ追加要素も豊富である。

機体面(PLUS)

  • プレイヤーが使用できる追加機体として『新機動戦記ガンダムW Endless Waltz』からウイングガンダムゼロカスタムとナタク(アルトロンのEW仕様)、『1st』からジオング、『Ζ』からジ・O、『SEED』からプロヴィデンスガンダム、『00』セカンドシーズンからダブルオーライザーとリボーンズガンダム、『UC』からクシャトリヤの計8機が追加された。
    • この8機も個性を加えた上でしっかりと創られている。ゼロカスタムはウイングゼロのコンパチではなくほとんど別機体といえる性能だったり*8、ジ・Oは『ZDX』をそっくり持ち込んだ3種類の覚醒があったり、ダブルオーライザーはトランザム発動中に量子化で一瞬無敵になれたり、リボーンズガンダムはリボーンズキャノンに「変形」できるなど、機体ごとの特色を再現したものになっている。
    • また、『UC』の第1話公開に先駆けてバナージとマリーダのボイスが収録された*9
    • 発売直後は追加機体のうちダブルオーとナタクが「4強」を超える程の強機体とされていたが、研究が進むにつれ評価は中堅程度に落ち着いた。それぞれ尖った強みを持ち、新機体であるため対策が進んでおらずその強みを押し付けやすかったため過大評価されていた節がある。
  • CPU戦で登場する追加のボス機体として、『F91』からラフレシア、『0083』からデンドロビウム、『08MS小隊』からアプサラスIII、『∀』からウォドムの計4機追加。また追加モード『NEXT PLUS』専用のザコ敵扱いで量産型MSが多数登場。機体のテクスチャが荒かったりモビルアシストからの流用をしたりするなど、グラフィックや性能面で使用可能機体との差別化がなされている。
    • その中ではガンダムサンドロック改、バスターガンダム、ブリッツガンダム、ガナーザクウォーリア、アヘッド・サキガケらは攻撃モーションなどが豊富(過去シリーズからの流用?)でテクスチャを除けば「使用できてもおかしくない」レベルの完成度であるため、ファンからは惜しむ声が聞こえる*10
  • 過去の家庭用VSシリーズのお約束だった「(条件を満たせば)対戦モード限定でMAやボス機体が使える」という仕様は今作ではすべてカット。(PSP版のウリの一つである通信対戦のためにこの要素が削除されているのではないかと言われている。)
    • 当然稼働当初話題となったボス性能のストライクフリーダムも使用不可。「携帯機用なんだから使用できても良いのではないか」という意見もちらほら。
      • データ上はMA系統のパイロットの勝利ボイス、敗北ボイスや機体の勝利ポーズや敗北ポーズなどもしっかりと用意されている事から、開発中は使用できるように調整しようとしていたのではないかと言われている。
  • 公式発表はないものの、アーケード版からある程度の機体調整が行われている。アーケード版では悲惨といわれたストライクフリーダムのBR、CSの性能が改善された(と言われている)り、当たらないアシストの代名詞だったヴァーチェのアシストの誘導性が改善された(と言われている)り、エピオンの性能が全般的に気持ちよさげに強化された(と言われている)など。
    • ただしアーケード版での問題点だった一部の弱機体はほぼそのまま。キュベレイMkII(プルツー機)の残念すぎるファンネルのリロード時間やノーベルガンダムの性能面はまったく変わらず。
    • 逆にアーケード版ではバグもなかったウイングゼロでは、射撃を特殊射撃でキャンセルすると射撃の弾道が残ったまま特射が発動してしまうと言うバグが登場してしまった。これにより凶悪と言われたウイングゼロがさらに凶悪になってしまった。
    • 他にも、敵及び味方AIに手が加えられており、敵は弱く、味方は強くなっている。
      • 具体的に言うと、アーケード版の味方僚機は極端な機体性能差が無い限りは、ギリギリ時間稼ぎができる程度の賢さしかなかった物の、PSP版ではちょっとサポートしてやると単騎で敵機を撃破してくれる。

その他追加要素(PLUS)

  • アーケードモードにI~Lの4コースが追加された。
  • 『ZZ』からタイガーバウム、『F91』からフロンティアI外壁、『V』から渓谷、『X』からフォートセバーンの4ステージが追加された。
    • また、NEXT-PLUSモード専用で砂漠、ネオホンコン、マウンテンサイクル地下なとのステージも登場。

NEXT-PLUSモードの追加(PLUS)

  • 従来のミッションモードにあたる。これまでのミッションモードと異なり、任意の4機でチームを編成し各マップに配置されたミッションをクリアしていく。形式としては『スーパーマリオブラザーズ3』のシステムが近い。また、プレイヤー同士の協力プレイや対戦プレイも可能。
    • ミッションはモビルアーマーとの戦闘や名だたる主役機体との1対3、ターゲット機体の撃破といったガチなものから核ミサイル迎撃ミッションのような無茶振り、体力の続く限り敵と戦い続けるエンドレスミッションのほか、百式に紛れ込んだアカツキを撃破するなどのネタミッション、原作再現ミッションとバリエーション豊か。
      • 内容に合わせてブースト無限、体力極少、チャージ攻撃以外使用不可などの特殊条件が課されるミッションもある。
    • このモード限定だが、各機体は攻撃力や体力、CPUとしての思考能力などを強化できるほか、各能力を強化する「スキル」も使える。スキルはブースト量強化や攻撃力強化など様々で、中には体力の自動回復や僚機CPUの思考強化といった変わり種も。効果範囲も自機のみ、同じ作品の機体のみ、味方全体、ガンダム系のみなど様々なので、チーム編成には単に自分の使いやすい機体だけでなくミッション内容やスキルとの相性も考慮に入れる必要がある。
    • また、ザコ敵としてリーオーやザクIIなど、このモード限定の機体も登場する。