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Team Fortress 2 - (2015/11/19 (木) 17:15:09) の編集履歴(バックアップ)


Team Fortress2

【ちーむふぉーとれすつー】

ジャンル FPS
対応機種 Windows 2000/XP/Vista
Mac OSX
Xbox360、プレイステーション3(360とPS3はOrange boxのみに収録)
開発元
現地版発売元
Valve Software
日本語版発売元 【Win】サイバーフロント
【360/PS3】エレクトロニック・アーツ
発売日 【Win】現地版:2007年10月10日、日本語版:2008年4月4日
定価 Steam版(日本語版あり):基本無料
日本語パッケージ版:4,200円(税込)
分類 良作

ここでは主に評価が高いPC版を取り上げる。

概要

  • Half-Lifeの商業MODの一つであるTEAM FORTRESS Classicをベースに再構築された(オンライン対戦FPSの元祖・QuakeのMODを源流とする)作品。長い制作年月を経てようやくリリースされたが、今でも日夜サーバーが満員になるほど人気がある。
  • 一般的にハードルが高いと言われるFPSでどんな層でも手軽に対戦プレイができる傑作。ゲームスピードも遅めで、初めてFPSをプレイする人にもオススメできる。
  • CO-OPモード「Man vs Machine」が導入されており、対人戦が嫌いな人への間口も開かれている。

評価点

  • 日本語訳ほぼ完備。総じて読みやすく外国製のゲームと肩肘張らず遊べる。
  • ウォレットチャージがクレジットカード・ウェブマネー・コンビニ決済・銀行振り込みに対応しており、誰でも気軽に課金できる。アイテム購入はウォレットを通して行う。
  • 対戦FPSは一般的にAIM(狙い撃ちの腕前)が上手い人間が一人勝ちしがちだが、このゲームではキャラ間の性能を極端に特化する事で1キャラ1芸というバランス。
    AIMが下手でも当てること自体は簡単な武器も多い(威力を最大限にまで引き出そうとすると話は別)。戦闘が不得意でも、味方の回復や支援施設の構築といったサポートでチームに貢献できる。
  • 基本無料アイテム課金だが、課金したからといって有利になることは一切ない。
    • PC版なら直接性能と関係しない装備品を集めてカスタマイズできる為、キャラを着飾ることで没個性化しにくくできるが、それにこだわらなければ無料でも課金者とずっと対等にプレイできる。
    • アンロック武器もあるが「攻撃力が高くなるが、弾薬が減る」「防具として機能するが、サブ武器が使えなくなる」など必ず目に見えるメリットとデメリットを併せ持つためクセが強い。
      • デフォルト武装の方が癖がなくて扱いやすく十分強いので、アンロック武器が無くても何の問題も無く対戦が可能。むしろ慣れると余計にデフォルト武装の方が強い場合もある。
    • 普通のFPSにありがちなアサルトライフル/グレネードの様な万能的な武器は一切存在せず、装備の共通点にはかろうじて半数キャラがショットガンを持っている事のみ。
      したがってグレネードの投げ合いによる膠着(いわゆる雪合戦)は起こり得ない、というかグレネードは1キャラしか持っていない。そのような状態でもキャラクターの固有能力とチーム連携によって打破可能なデザインである。 これらは特定の状況下でのみ威力を発揮するものが多く、イコール有利といったものは少ない。
  • 殺されたときに殺した相手の顔が映るため、誰に殺されたかがわかる。試合中自分を連続キルしたプレイヤーには自動でマーキングされるので、競争心を煽る構成になっている。
  • 自陣に引きこもり多く殺すチキン中級者より、チームのために死ぬ初心者がラウンドの勝利に貢献するマップ=ルールが多い。
    このゲームではマップごとにルールが対応しているが、その多くは敵拠点を制圧する「コントロールポイント」、味方を回復させる爆弾トロッコを敵陣まで押す「ペイロード」など、
    kill数=チーム貢献度ではなく、初心者でも活躍しやすいチーム対戦ルールマップがメインに押し出されている。
    • 「攻撃側チームでは死んだ時のリスク(待ち時間など)が低減される傾向にある」「引き分けは両チーム敗北扱い」「累計のキル/デス率が記録されない」ことからも本作の姿勢が伺える。
    • killや戦闘技術の比重が重いルールマップ(ARENA/KOTHなど)もあるにはあるが、いずれも副次的な要素になっており、それらにすらコントロールポイント拠点が必ず存在するため、ただ撃ちあうだけのモードは公式には事実上存在しないと言っていい。
  • マップは戦略的な観点でも作りこまれており非常にやりがいがある。当初はやや数が少なかったが、武器と同様にアップデートや秀逸なユーザーカスタムを採用することで数を増やしていった。
    • 非公式サーバーやカスタムサーバーに起用されているユーザー作成のカスタムマップはさらに豊富で飽かせない。
      --のみならずカスタムサーバーではマップだけでなく、ルール、装備やグラフィック・仕様までも、自由に・独自にいじることが可能となっている。
      故に全く別のゲームが展開されているサーバーも多い。
      • プレーヤーの一人が通常より強化されたボスとなって他のプレーヤーと戦うサーバーや、MAPやクラスキャラが別ゲーのものに置き換えられていたりするサーバーまで多種多様。
      • 今でこそ公式化されているARENA/KOTHマップは元々はカスタムマップの独自ルールだった。
    • 所謂MODが存在するゲームとされるが、導入はサーバー接続時に全自動で行われるため、全く意識することなく遊べる。PC初心者には嬉しい構造。
  • FPSといえばリアルなデザインのものが多くどちらが敵なのかわかりにくい場合も多かったが、
    今作はトゥーンレンダリングも合わせたカートゥーンチックな60年代のスパイアクション風のデザインであり、さらに両陣営を明確に色分けしているためキャラを見て判別がつきやすい。
    単純に観戦してるだけでも楽しい。
    • 各キャラも非常に個性的。セリフも状況に応じて多数用意されており、ラジオチャットとは別に喋りまくるため賑やかで、他のFPSにはない独特の雰囲気を持っている。
  • 下のクラス一覧を見てもらえばわかるが、PC版オリジナルにおけるバランス設計・調整はとても上手い。
    例えば他のゲームにありがちな安全なところから隠れて撃つ、所謂「芋スナイパー」を防止する策が何重にも取られているのがそのひとつである。
    • 先述通り、公式ではキル数重視のルールは殆ど無く拠点重視のルールが多い。加えてマップデザインが入り組んでいるため、ある程度前に出なくては敵を見つけられない。
      • これらにより例えスナイパーであっても、状況により前線に出ることを余儀なくされる。
    • スコアも(倍率補正がかかっているとはいえ)キル数だけではそうそう上がらないようになっている。
      • つまり上位に立ちたいなら、スナイパーでも敵拠点を占拠したりするなどの直接的な貢献に出る必要がある。。
    • スナイパーライフルにはチャージゲージがある。一定時間スコープを覗いていなければダメージが下がり、敵を一撃で殺せないようになっている。
      • この機能には裏を取ったにも関わらずAIM能力の差で撃ち負ける、いわゆるノンスコ即死を防止する役割を持っている。
    • 姿を消せる「スパイ」という、スナイパーの天敵が存在している。
      • いずれにせよ安全なところに隠れて撃つ芋は、このスパイによる洗礼を受けることになるだろう。
+ クラス一覧

『プレイヤークラスは、TF2 のゲームプレイの中軸を成しているんだ。デザイン上、クラスがなぜ便利なのか、理由は山ほどあるよ。
クラスは経験を詰め込んだもので、ゲーム内で他のクラスと比較してユニークになるようにデザインされている。
あるクラスに飽きたプレイヤーは、別のクラスに切り替えて新たな経験ができる。
クラスのおかげで、さまざまなスキルや欲求を持つプレイヤーを満足させることができるんだ。 初心者も上級者も、一緒に楽しめるってこと。
慎重で知的な思想家も、戦略に長けた防御者も、早撃ちのアドレナリンジャンキーも、誰もが自分にふさわしい場所を見つけることができる。
Team Fortress 2 のクラスデザインの決定によって、ゲーム内でプレイヤーができることを増やす一方で、プレイヤー単独の決断は管理可能なレベルに抑えることができた。』 ――開発者、プレイヤークラスを語る

  • scout(スカウト)『草は育ち、鳥は大空を舞い、太陽は光り輝く。そして俺は敵をブチのめすのさ!
    • 足の速さと二段ジャンプで敵の懐にスキャッターガン(強化ショットガン)をブチ込む、ヒットアンドアウェイ戦法を得意とするクラス。なので操作に慣れた上級者向け。
    • 元々はスナイパーやメディックといった要人排除と倍速でのポイント制圧を兼ねるサイドアタッカーだったのだが、アップデート追加された装備によってチームの攻撃を援助するサポーターも可能になった。
    • チーム最年少でそこそこ顔もいい。ただし、母親はスパイに寝取られる、童貞であるなど不遇な設定もちらほら。
+ スカウトへのこだわり
  • スカウトについて1 [Dave Riller]

    スカウトのクラスを考慮すると、マップにオープンスペースが必要なんだ。それがあることで、他のクラスには不可能なルートをスカウトはダブルジャンプで進める。
    このエリアにはいろんな屋根や岩がある。スカウトはそれらを渡ることでスカウト以外の敵の頭上を行くことができるんだ。
    スカウトはよく、スピードのメリットを活かして逃げ、ヘルスを取り戻す。だからここでは、狭く閉鎖的なエリアにヘルスを配置することで、スカウトが多少のリスクを犯さざるを得ないようにしたんだ。こういう所では移動の自由が制限されるからね。

  • スカウトについて2 [Andrew Burke]

    スカウトは、ターゲットを追跡しながらすばやく動き回りたいプレイヤーのためにデザインされた。
    他の戦闘クラスが武器に頼るような場面でも、スカウトは、敵の砲火から身をかわすため、移動速度の速さとダブルジャンプの能力に頼る。
    スカウトの戦闘スタイルは、主力武器の散弾銃によるところが大きい。 散弾銃は大打撃を与えることができるけど、弾が広く飛び散るんだ。
    その威力を最大限に発揮するには敵に近付かなければならない。敵に近付けばスカウトが負傷するリスクもかなり大きくなる。散弾銃は連射できないから、立ち止まって発射し、敵の攻撃をかわして、また立ち止まる、の繰り返しなんだ。だから、その間に敵に殺られる確率も高くなる。
    おまけに、散弾銃のクリップは小さいから、リロードに時間がかかる。たいてい、スカウトは戦線から離脱してリロードしなくちゃならない。
    スカウトのスピードがあれば離脱は簡単だけど、戦線復帰するまでに負傷した敵を逃してしまう可能性があるんだ。

  • Soldier(ソルジャー)『俺は6,078人の敵兵を冷酷に殺し、1,455のグレネードを飛び越え、ハラワタを14フィートぶん食った。
    これを聞いてなお、お前がそのピンクのフリルのついたレオタードを脱ぎ捨てて怖がらないってんなら、お前は大馬鹿者だ! アメリカの恐ろしさを教えてやる!!!
    • ロケットランチャーによる単純明快な破壊力が特徴。機動力よりも体力に寄った中重量系だが、その爆風を利用して体力と引き換えに高所へハイジャンプする「ロケットジャンプ」が使えれば、スカウトとは違った移動力を手に入れられる。
      ただ装弾数や弾速はショットガンに劣る上、発射から相手が遠いほど爆風の威力もある程度弱まる(これはショットガンほどではない)ので、基本的にチキンプレーでは務まりにくい。使えるソルジャーとは先陣に切って立ち自軍を導く勇者のことを指す場合が多い。
      とはいえ爆風により見た目以上に広範囲にダメージを与えやすいこともあり、積極的にドンパチしたいプレイヤーには腕前問わずお勧めできるクラスといえる。
    • 上のセリフのように鬼軍曹キャラであるが、実際は軍人に憧れるエセ軍人である。軍に入ったことがないのは徴兵検査でハネられたからなのだが、
      その実力は伊達ではなく、大戦中に単独で欧州に渡り数多くのドイツ兵を(勝手に)ブチのめしていた歴戦の猛者である。
+ ソルジャーへのこだわり
  • ソルジャーについて1 [Jake Nicholson]

    ソルジャーのために、高さには特に注意を払って空間をデザインしたよ。 通常ソルジャーは、ロケットランチャーの爆風によるダメージを最大限に活かすために、敵を上から撃つことを好む。
    ここでは屋根の上がそのポイントだ。それに、ここはソルジャーのロケットジャンプでしかたどり着けない場所でもある。普通は他のクラスが利用することはできないんだ。
    ソルジャーは自分のロケットジャンプの爆風によってダメージを受けるから、高さというメリットをヘルスと引き換えにしなくてはならない。 このメリットを、ヘルスの欠乏というデメリットと組み合わせることで、マップのバランスを崩すことなく、屋根を有効なスポットにすることができた。
    ソルジャーは、ヘルスを維持するために屋根から下りてメディックに頼る必要があるからだ。

  • ソルジャーについて2 [Dhabih Eng]

    ソルジャーは、中心的な戦闘クラスだ。動きが万能で、遠くからものすごいダメージを与えることができる。
    ソルジャーは、ほぼどんな戦闘にも対応できるようになっている。そして遠距離からセントリーガンに対処するという点においては最も優れたクラスだ。
    主な弱点は、主力武器のロケットランチャーによるものだ。ロケットランチャーのクリップ(装弾数)は小さいから、ソルジャーはリロード時に注意しなきゃならない。
    しかも、発射したロケット弾の速度は比較的遅いから、近距離以外では、スカウトのような動きの速い敵には効果がないんだ。

  • Pyro(パイロ)『ホッホッロ、ホッホ、ホロホロホロー
    • このクラスが持つ火炎放射器は待ち伏せや防御に最適な特性を持ち、近接戦では類を見ない活躍をする。
      さらにこのバーナーは炎を出す以外にも空気砲を撃つことで、接近してきた敵・ソルジャーのロケット弾・デモマンの爆弾等を吹き飛ばせる。その性質から後述のメディックのユーバーチャージにただ一人対抗できるクラスでもある。
    • ただし持っている武器はこれとショットガンだけでHPも小さい。攻撃系クラスに分類されているが遠距離では使いものにならない上、敵の弾幕を横切ろうものならすぐ死んでしまうため、実態は奇襲・対策に効果を発揮する、防御的な役目を求められやすい。
    • ガスマスクで顔を隠しているうえ、花柄のバッグを持っていたりするなど、性別不明と思われていた。女と言われたりするとか。
      上のような口調がかわいくTF2のアイドルのような扱いが定着したのだが、一番最後に公開された公式のキャラ紹介PVではそれを皮肉るかのようにPyroの脳内お花畑が展開されていた。つまるところ仲間ですら恐れる最凶のサイコキラー的な設定をされていたことが発覚したわけである。
+ パイロへのこだわり
  • パイロについて [Marc Scaparro]

    パイロは、接近戦に最適なクラスになっている。待ち伏せというプレイスタイルをプレイヤーに促す狙いだ。
    これを実現するために、パイロをオープンスペースに弱くし、プレイヤーが閉鎖的なエリアや出入口付近を探さなければならないようにしたよ。
    接近戦でのパイロの優位性に加えて、火炎放射器の効果を見た目に派手なものにした。この視覚効果は、焼き尽くすまでの間、敵を混乱させるのに役立つんだ。

  • Demoman(デモマン)『俺を捕まえてみやがれ!硫黄の匂いを漂わせて待ってるからよ!俺のクソッタレなグリム童話の中でとびっきりのバッドエンドをお見舞いしてやるぜ!』
    • 全クラスの中で唯一「間接攻撃」といえる行動が可能。敵建造物に、壁越しに、曲がり角にグレネード、また任意タイミングで起動できる粘着爆弾といったクレバーな戦法をとれる。
      ソルジャーとはHPや違った意味での即効性に劣るが、上手く動けばヘビーやソルジャーにも引けをとらない活躍ができるクラス。ソルジャーと同様のボムジャンプもできるので万能性は最も高い。
      • 防御クラス分類だがセントリーガン破壊にも一役買う攻撃性を持っている。また、追加されたアンロック装備を装備することで近接戦に特化する等、装備変更も合わせると特性はさらに広がる。
    • 爆弾ジャンキーであると同時に爆破のエリートであり、恐ろしい義理の親を爆殺したことを切欠に実家で爆破の英才教育を受けている。結果、隻眼になりながらも年収五億ドル。チーム一のリア充かもしれない。
+ デモマンへのこだわり
  • デモマンについて [Wade Schin]

    デモマンは、最も万能な戦闘クラスだ。激しく攻撃していたかと思うと、さっと切り替えて防御エリアで敵を撃退することができる。
    ゲーム内で唯一、間接攻撃の能力を持ち、物陰からセントリーガンを破壊できる。さらに、デモマンの粘着爆弾は、ソルジャーのロケットジャンプに匹敵するグレネードジャンプを可能にする。
    粘着爆弾は、デモマンが別の場所にいるときでも、出入口付近で敵の侵入を防いだり、退却を援護したり、コントロールポイントを防御したりできるんだ。

  • Heavy(ヘビー)『俺を出し抜けるとか、考えているヤツもいるみたいだが、…まぁそうだろうな…しかし俺の弾幕をくぐり抜けられたヤツは1人もいないぜ
    • ガトリングガンの圧倒的制圧力と作中最高のHP上限が魅力の歩く要塞。ガトリングガンは相当に弾がバラけるが、その連射力から広範囲を蜂の巣にできる。
      チーム一の巨漢という見た目どおり一番足が遅く、ガトリングガンもすぐには・そこまで長くは撃てないので、立ち回り次第でこのクラスがでかい置物と化すか恐怖の化身となるかがはっきり分かれる。
    • ショットガンの代わりに戦場にサンドイッチを持っていく事ができる。近接武器は己の拳。
    • 普段は物静かで大人しい童話に出てくるクマさんの様な男だが、一たび戦闘となればまさしくクマさんの如く暴れまわる。
      • 自身のガトリングガン(弾一発だけでも200ドルもする超高級特注品)にサーシャと名前をつけてこよなく愛しており、他の人間はサーシャやサンドイッチに手を出すだけで彼にボコボコにされる。
+ ヘビーへのこだわり
  • ヘビーについて [Keith Huggins]

    ヘビーのミニガンは射界が広いから、すばやく照準を合わせるスキルがないプレイヤーでも、戦闘の真っ只中に加わることができる。
    このことで、プレイヤーの照準スキルの価値が低下するから、それを埋め合わせるために他のスキルの重要性を高くした。
    たとえば、ミニガンは発射までに時間がかかるし、発射中は移動の速度が落ちるから、プレイヤーは、戦闘の開始と敵の襲来の両方を予測する方法を学ばざるを得ないんだ。

  • Engineer(エンジニア)『やぁ、皆。俺がEngineer、問題解決こそが生業さ。 「美とは何か?」てのは勘弁してくれよ?そいつは哲学の分野だからな。 俺が得意なのはもっと現実的なヤツなのさ…
    • 射撃のかわりに建築物によって味方をサポートする戦略的クラス。腕の良いエンジニアの存在・数が勝利を左右するともいわれ重要なクラスである。逆もまた然りである。
      • 味方を回復させつつ弾丸も提供するディスペンサー、目前に立った迂闊な敵をミンチにするセントリーガン、そして拠点から最前線へ味方を送るテレポーターにより味方にありがたがれ、敵にうざがられるクラスだ。
    • チーム内屈指で頭が良く、セントリーガン等のガジェットは彼が全て開発したもの。味方でも罵倒しないなど紳士的でチームの中で一番大人な雰囲気だが、背は一番小さい。
+ エンジニアへのこだわり
  • エンジニアについて [Eric Kirchmer]

    エンジニアが作る AI 制御のセントリーガンの威力のバランスをとることは、Team Fortress 2 のデザインにおける難問の 1 つだったよ。
    セントリーガンが強力すぎると、それに対抗できるのはよっぽど腕の立つプレイヤーだけになってしまう。弱すぎると、エンジニアは腕の立つプレイヤーに歯が立たない。そもそも、セントリーガンを作る理由が事実上なくなってしまうんだ。
    この解決策は、セントリーガンに本質的に 2 つの要素を持たせることだった。つまり、物陰に隠れていない敵には死をもたらすけれども、物陰から出たり隠れたりする敵に対応できるほど賢くないものにしたんだ。
    だからエンジニアは、コーナーというセントリーガンの弱点を補うために別の武器の腕を発揮しなきゃならない。単純に傍を駆け抜けようとする敵に対しては、セントリーガンは依然として大きな効果を発揮するけどね。

  • Medic(メディック)『この治療法についてあなたにお伝えできることはただ1つですな・・・痛いですよぉぉぉぉ!!!!!
    • 軍医という名のとおり味方を回復させる、自軍の維持には欠かせない存在。回復に使うメディガンは選んだ味方をホーミングするうえ、自身も自動回復能力を持っている。戦闘苦手なプレイヤー向けに近いが、攻撃以外の「死なない」立ち回りが最重要視されるので初心者向けかというと微妙なところはある。
      • このゲームではその回復を一定時間続けた相手を、同じく一定時間だけ自分とともに無敵にするユーバーチャージが行える。これにより戦線維持だけではなく、反撃ののろしまで上げることができる極めて重要なクラスである。
    • なにかとドイツ人であることを強調し、英語の中にドイツ語を混ぜたりするほどに訛りが強い。先のユーバーチャージもその一語。
      正規のライセンスを持っていないが、ある時執刀していた患者を医療ミスで死なせて逃亡した結果、無免許医となったらしい。
      • 見た目はインテリな名医に見えるが、「医学による殺人」の熱心な信奉者である。ユーバーチャージも仲間の心臓を改造して開発したものだったりと、やってることは作中屈指でえげつない。
+ メディックへのこだわり
  • メディックについて1 [John Morello]

    メディックは、主要なサポートクラスだ。 前作のサポートクラスのデザインにはいろんな問題があった。防御エリアに引っ込んでいたからあまりスキルがいらなかったし、そのことでゲームで一番面白い部分から締め出されてもいたんだ。
    最悪なことに、これは前作のメディックが大して役に立たなかったことを意味する。一番回復を必要としているプレイヤーの近くにいないのが普通だったからだ。
    Team Fortress 2 のメディックは、これらの問題を解決するために戦闘の真っ只中に身を置くことを最も重視してデザインしたよ。
    さらに、メディックがチームメイトを回復させている間、自分が生き残ることに集中できるように、メディガンをできるだけ使いやすくしたんだ。
    実質的に狙いを定める必要がないから、メディックは回復させるターゲットを追うことに集中できるし、ターゲットの方には、メディックという恩人を守る動機が大いにあるのさ。

  • メディックについて2 [Aaron Halifax]

    メディガンのデザインの目標は、メディックと回復させるターゲットとの絆を深めることだった。
    単純にもっと大きなチームを連携させる代わりに、2 人のプレイヤー間に親密な関係を作ることに力を注いだらどうなるか、見てみたかったんだ。
    メディガンのデザイン上、メディックとそのターゲットは互いを十分に意識して、ヘルスと相対位置を見守り、慎重に戦術的な選択ができるようになっている。
    優れた回復のターゲットとなることにスキルをからめたかったから、メディックがそのスキルのあるターゲットを探し出して密着するようにしたよ。
    こんな風に、僕たちが求めていた関係が育まれるのさ。

  • Sniper(スナイパー)『プロってのには、掟があるんだ:「何事も礼儀正しく、効率的に、出会うもの全てを殺せ」ってね』
    • その名の通り遠距離から敵を狙撃し、一撃で葬る死神のようなクラス。意図的にゲームデザインとの相性が非常に悪くなっているが、型に嵌めれば相変わらず凶悪な上級者向けクラスといえる。
    • このゲームのそれがそれまでのFPSで類を見なかった画期的な点は、「スコープを覗く時間に応じてダメージが変化する」チャージ機能を持っている事である。このため懐に飛び込まれると明確に弱くなる。
      これにレーザーポインターが全員に可視化されていることで、狙われているかどうかがわかりやすいといった弱点なども持たされている。
    • 冷静沈着でプロの流儀を重んずる彼はこの殺人ゲームに対してはビジネスであると割りきっている。
      チーム内では(割と)常識的に見えるが、妻をゴルフコンペのトロフィーで撲殺したことを暗に語っているなど、やはりただならぬというかイカれているというか…。
      • 孤独をこよなく愛する由縁か無類のアウトドア派であり、家を持たずキャンピングカーで生活するなどその度合は並々ならぬものがある。
+ スナイパーへのこだわり
  • スナイパーについて [Dave RIller]

    スナイパーを考慮すると、マップには広いオープンスペース、長い照準線、身を隠す場所が必要になる。
    スナイパーのターゲットには、スナイパーの照準線を回避する別のルートが必要だ。移動時間が増えるとか、その代償は高くつくのが通常だけど。
    これによってプレイヤーに選択肢が残される。直接的だけど危険なルートをとるか、安全だが時間のかかるルートをとるか。
    また、スナイパーには通常、対応する敵のスナイパーがいて、アリーナ(戦いの舞台)の反対側に陣取っている。だから、一方のスナイパーが他方を迎え撃ち、身を隠す場所のない所で戦っている味方を援護することができるんだ。

  • スナイパーライフルについて [Charlie Brown]

    スナイパーのスナイパーライフルにも、デザイン上厄介な問題があったよ。 プレイヤーの期待に応えるには、頭部への 1 発で敵を仕留められるようにしなきゃならない。
    その一方で、腰の位置からすばやく撃っても同じ効果が得られないようにしないといけない。これができてしまうと、経験豊富なプレイヤーの手にかかったら、ゲームで一番殺傷力の高い短距離武器にもなって、スナイパーの最大の弱点がなくなってしまうからね。
    この問題を解決するために、スナイパーのズーム時にだけ表示される、パワーチャージメーターを導入したんだ。この解決策には思いもよらない良い効果がいくつかあったよ。 ズームしていないときや、ズームしたばかりのときに銃のパワーを落とすことで、スナイパーがぶっつけの速撃ちでは敵を倒せないようにすることができた。
    チャージに時間を要するということは、つまり、ダメージの低いショットを短い間隔で放つか、ダメージの大きいショットを長い間隔で放つか、ということになる。うまく突進すれば、敵にもスナイパーを圧倒するチャンスがあるんだ。
    十分にチャージすれば、スナイパーらしく行動できる。そこそこ見晴らしのきくポイントに陣取り、じっくりと狙いを定めて撃つ、ってようにね。

  • Spy(スパイ)『奴はすでに我々の守りを突破したと見るべきだろうな。私たちの仲間も既にやられていると考えるべきだろう。そして最悪なことに奴は我々の内の誰にでも成りすますことができるのだ
    • 敵陣奥深くに潜入し、気の抜けた要人の暗殺を行う紳士。
      一番ピーキーなクラスで、上手くハマれば敵の要をすっぱ抜いて一気に流れを打ち崩せるが、余程立ち回りが得意な人でないと役に立たないクラス。
    • 透明になって敵の懐に入り、敵に成りすまし、敵陣に潜り込んでメディックやスナイパーの背後からナイフを立て即死させるのと、
      敵のエンジニアが建てた施設を無力化+破壊するサッパーが唯一の戦闘能力にして特色である。ピストルはほとんど役に立たない。
    • スパイだけにパイロと同じレベルで謎な人物。気は狂ってこそいないが、たとえ寝室でも顔につけているマスクを外さず、スカウトの母とヤっちゃっていたりと多くのネタを持つ。フランス系スペイン訛りで喋るが正真正銘のフランス人だということは確かなようで、紹介PVにもフランス絡みのネタが散りばめられている。
+ スパイへのこだわり
  • スパイについて [Matt Boone]

    スパイは、敵の裏をかくのが好きなプレイヤーのためにデザインされたんだ。ハイレベルなプレイヤーなら、敵チームに潜入し、変装して動き回り、敵を即死させることができる背後からの一撃で主な敵(たいていはスナイパー、エンジニア、メディック)を排除する、という流れのプレイになる。
    スパイの透明マントは、主に 2つの状況で役に立つようになっている。1つは、前線を通過する場合だ。前線は、敵に対する警戒が一番厳しく、あらぬ方向に向かう味方が最も疑われる場所だ。2つ目は、敵陣にいるときに敵に変装を見破られて逃げる場合だ。
    スパイのサッパーは、敵のセントリーガンを無人で簡単に破壊できるようにとデザインされた。こいつのおかげで敵のエンジニアは、自分が作った装置に目を光らせてないといけなくなるんだ。

賛否両論点

  • ランダムクリティカルの存在(通常の3倍ダメージ)。FPSには珍しいRPGのようにランダムでクリティカルが発生するのだが、初心者にとっては上級者にも対抗できて嬉しい反面、中・上級者からは公平でないという意見もある。事実クラン戦や大会では無しの設定で行われることが多い。

問題点

  • 初心者向けでもあるとはいえ、他のFPSに比べると上記のようにキャラ間の性能がかなり極端・クセが強く独特なので、
    FPSの経験がある新規プレイヤーでも戸惑うことも多い。 手始めはソルジャー・デモマン、戦闘が苦手ならメデイックで大まかな流れとマップに慣れてみると良い。
  • Steam導入が必須。
  • 家庭用はValve社が管理していないせいでバージョンやアップデートが全然ない状態。
  • コミカルなデザインだが、やはり洋ゲーというべきかValveゲーというべきか、爆発物で敵を倒せばバラバラになるなどのゴア表現は健在(ドイツ版など一部地域向けに、キャラが爆ぜるとプレゼント箱とかになる設定が存在し、PC版でも使用可能)。
  • PCではTF2というよりもValve社製ゲームに使われているsourseエンジンの不具合なのだが、スペックの過不足に関係なくサウンドループからのフリーズや強制終了が発生することがある。
  • プレイサーバーとは別にアンロックアイテムを管理しているアイテムサーバーが落ちる時があり復旧するまでデフォルト武器しか使用できなくなることも。
  • オートバランス機能により人数格差(基本的に人数の少ないチームが不利)を緩和してくれるのだが、決着がつく土壇場になって突然劣勢チームに移動させられることがある。人が多いチームから少ないチームへ移動するわけだが、基本的に人が減るのは自チームが劣勢になり萎え抜けすることにあるので、劣勢チームから優勢チームへの移動はまず起こらない。
    • 勝敗数などは重視されていないとはいえ、目前で勝利を逃すと腑に落ちないモノがある。

総評

「新規プレイヤーにはハードルが高い」と敬遠されがちな既存のFPSのゲーム性を、大胆に余分さをカットして取っ付きやすく間口を広めたことが大いに評価できる。
外国に限らず国内でも夜にもなると人気サーバーは常に満員で接続待ちするほどの人気振りからも、FPSに対する新たなValveのアプローチは成功したといえるだろう。

余談

このゲームに使用されているSourceエンジンを流用したアニメーションソフト『Source Filmmaker』により、本作のキャラクターとレンダリングによるムービーが公式・ファンメイドともに数多く製作されている。
本作が持っているバカゲー的なノリが大きく表出している分野で開発中から長いスパンで制作・公開されている。ファンメイドにもかなりクオリティの高いものもあるので興味のある方は調べてみるといいだろう。
因みにこのアニメーションソフトは元々はTF2ベータ版にうっかり付属して流出した完全自社用ソフトだったが、Pyro紹介PV公開後の2012年7月11日よりSteamでパブリックベータ扱いとして無料配布が開始されている。