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ガラクタ名作劇場 ラクガキ王国 - (2019/09/15 (日) 10:35:17) の編集履歴(バックアップ)


ガラクタ名作劇場 ラクガキ王国

【がらくためいさくげきじょう らくがきおうこく】

ジャンル ラクガキRPG
対応機種 プレイステーション2
発売元 タイトー
開発元 タイトー(ガラクタスタジオ)
発売日 2002年3月20日
定価 7,140円(税込)
廉価版 Playstation2 the Best
2003年1月16日/3,045円(税込)
判定 良作
ラクガキ王国シリーズ
ガラクタ名作劇場 ラクガキ王国 - 天才ビットくん グラモンバトル -ラクガキ王国2 魔王城の戦い


概要

「落書き」をテーマとした異色のRPG作品。
プレイヤーが描いた落書きをそのまま3Dキャラクター化して戦わせるというユニークなシステムが大きな話題となった。


ゲーム内容

ラクガキ

  • プレイヤーが自由に描いたキャラクターが3D立体として変換され3D空間に反映されるというシステムが本作の大きな特徴であり、ゲーム性の根幹をなしている。
    • 作成するキャラクターは「からだ」「あたま」「あし」「はね」「うで」などのパーツに大別され、「からだ」を基調として各部位を描いて付け足していくことによりキャラクターを作っていく。
      • ゲーム開始直後は「からだ」と「かたい」しか使用できないが、ストーリーを進める事で使用できるパーツが増えていく。
    • 描いた部位に応じた動きが自動的に付加されるようになっている。
      • 「あし」はくの字に曲げた部分が膝に、「うで」の先端に付けたパーツは指になり、「あたま」に「かたい」を付けると角になったりする。 プレイヤーの発想次第で基本の動き以外にも様々な動作を表現することもできる。
    • ラクガキのサイズ及び使用した色は、後述のラクガキファイトにおける自作のラクガキの強さに影響する
    • 最後に描いたラクガキは、自動的にホームに放牧される。

描いたラクガキで対戦する『ラクガキファイト』

  • 描いたラクガキは一般的なRPGに近いシステムの「ラクガキファイト」で自分側の駒として使うことができる。
    • 前述の通り、キャラの性質は基本的に使う色のバランスや大きさによって決定される。
      • タイプはメインに使った色で3種に分かれ、赤系・黄色系はこうげきタイプ、青系・緑系はまほうタイプ、白・黒・灰色はバリアタイプになる。
  • 戦闘システム
    • 手持ちのラクガキから最大3体を選び、「こうげき」「まほう」「バリア」「チャージ」の4種のワザをターンごとに選んで戦う。
    • ルールはじゃんけん方式だが、連続で同じワザは選べないなど独自のルールが存在する。
      ワザはこうげき→バリア→まほう→こうげき…の三すくみになっており、有利なワザを選んだ方はそのターン一方的に攻撃を行える。同種のワザを選んだ場合はすばやさ順で互いにワザを打ち合う。
      • 「こうげき」:直接攻撃する高威力ワザ。
      • 「まほう」:PP(いわゆるMP)を消費して相手にダメージ+状態変化を与えるワザ。
      • 「バリア」:相手にダメージを与えつつまほうワザをガードできるワザ。
      • 「チャージ」:相手にダメージを与えられず、全ワザに勝てないが、HP・PP回復+次のワザの攻撃力アップ効果がある。
    • ラクガキは色や形によってタイプや得意ワザなどが変化するため、シンプルながらロジックや読みが重要となっている。
  • ラクガキファイト終了後にはラクガキを描くのに必要な「カラー石」が戦闘結果に応じた量をもらうことができる。
    • お金はカラー石を換金することで入手でき、ラクガキやペンを購入することができる。

評価点

  • 自分の書いた「ラクガキ」を戦わせるという斬新なシステム
    • 誰もが一度はイメージする自分の頭の中のキャラクターを描き、それを戦わせることができる。
    • 適当にパーツを組み合わせるだけでもちゃんと動くが、工夫をすることで色々な動きを作れるので非常に楽しい。
    • オリジナルや二次創作のキャラ、バトル特化のキャラを描いたり単純に面白い動きをする物体を描くなど、自由度は高い。
  • シンプルな戦闘
    • コマンド選択式のバトルなので複雑な操作はいらず、システム自体もシンプルでわかりやすい。
      そこにラクガキのタイプによる得意技の違いを設けることで変化をつけている。
  • 綺麗な風景、魅力的なストーリー
    • 温かみのある風景が物語を彩る。
    • メインストーリーは、「ラクガキ」と「人間」の関係や、ヒバナとタローのガリレオへの思いなどが描かれており評価も高い。
    • ゲーム内アニメーションはスタジオジブリが手掛けている。
  • 敵として出てくる沢山の魅力あるラクガキ達。
    • 3000体以上のラクガキが収録(公式ソース)されていて、様々なデザインとそれらの生み出す動きを眺めるのも楽しい。
      • スタッフ以外に、一般の人からプロの漫画家・イラストレーター等(公式ソース)といった幅広い人から寄せられたラクガキが収録されており、デザインのバリエーションは非常に豊富。
    • ゲーム終盤や裏ボスとして登場するラクガキは不気味さやかっこよさが際立ち、通常のラクガキとは違った魅力を持っている。

賛否両論点

  • 戦闘がシンプル過ぎる点
    • 評価点の一つでもあるが、「単調過ぎてつまらない」「同じようなバトルの繰り返しでダレた」と言う意見も少なからず上がっている。
    • 前述の戦略性を理解できなかった人からは運ゲーと思われている事も。

問題点

  • ロードが長い。
    • エリアを移動するたびに長いロードが入るため非常にストレスがたまる。
      • 育成のために海ギャラリー(ラクガキファイトができる)を何度も利用することになるので嫌でも悩まされるハメになる。
  • 行動範囲が狭く、できることが少ない。
    • ストーリーやマップは作りこまれているものの、プレイヤーが移動できるマップがとても少ない。
    • できることは『ラクガキを書く』『ラクガキを戦わせる』位なので魅力ある世界観を能動的に楽しめないのが寂しい。
    • 町にはたくさんの個性的な住人が居るが、ほとんどは対戦相手としてしか関われない。ストーリーに絡むのもほんの一部。
  • クリア後に100万ゴールドを集めると裏ボスラクガキ達と戦う事ができるが、それだけのゴールドを集める事は困難。
    • カラー石を売る以外にゴールドを稼ぐ方法は無いため、ラクガキファイトをひたすら繰り返すことになり、作業感がとても強い。
    • やり込み要素と言えばそれまでだが、100万ゴールドを稼がないと魅力溢れる裏ボスの姿を拝めないのは残念な点である。
      • ちなみに裏ボスには余談の「ハクレイのミコ」や、地下ギャラリーのムービーでとあるキャラが使用するラクガキも含まれる。
  • プレイヤーが使用できない「半透明」の色がある。
    • 「半透明」のパーツは「エミリオ」と言うラクガキと、とあるボスラクガキに使用されている。
    • 半透明パーツは見栄えが良く、デザインの幅が広がるため、使いたかったと言うプレイヤーは多かった。
      • この意見を受けてか、後発作の『天才ビットくん グラモンバトル』『ラクガキ王国2 魔王城の戦い』では使用可能になった。

総評

簡単かつ自由に3Dで描けるラクガキと、じゃんけんを元にしたシンプルで奥深い戦闘システムで幅広い層に配慮がされており、ゲームに入り込みやすい。
その一方で、好きな版権キャラをラクガキで再現してみたり、まほうの種類などを厳選したバトル向けラクガキを極めたりなどと、やり込み好きの人を満足させる要素も満載している。
本編攻略中においても魅力的なストーリーに加えて、描けるようになるパーツの増加でラクガキを強化していく醍醐味も味わえるなど、プレイヤーを強く惹き込む魅力にあふれている。多くの人にお勧めできる良作である。



余談

  • 開発側は絵が上手でなくても楽しめるようにとの理由でタイトルに「ラクガキ」と付けたそうだが、各ゲーム雑誌でプロの絵かきなどが描いたラクガキを大々的に取り上げていた影響もあってか、一般層よりマニア層の方が受けがよく、コアな作品と見られ易い傾向にあった。
  • ニンテンドーDSが発表された当初、開発タイトルとして本作が発表されていたが、結局発売されなかった。本作のコンセプトはタッチスクリーンとの相性抜群であると思われるだけに残念である。
    • 2019年冬には同コンセプトのスマートフォン向けRPG『ラクガキキングダム』が展開予定。
  • 発売元であるタイトーは本作のタイトルと同じ「ラクガキ王国」の名称でアミューズメント施設を経営している。

その後の展開

  • TV番組『天才ビットくん』の中でこのゲームのシステムを利用したコーナーが存在した。
    • 視聴者投稿のキャラを描き、このゲームの戦闘システムで戦わせるというもの。このゲームを知らなくても戦闘システムなどを知っている人がいたりする。
    • 後に『天才ビットくん グラモンバトル』として独立したゲームソフトとなった。本ソフトのラクガキデータを流用する事も出来る。