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サクラ大戦3 ~巴里は燃えているか~ - (2017/08/02 (水) 15:19:04) の編集履歴(バックアップ)
サクラ大戦3 ~巴里は燃えているか~
【さくらたいせんすりー ぱりはもえているか】
ジャンル
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ドラマチックアドベンチャーゲーム
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対応機種
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ドリームキャスト プレイステーション2
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発売元 開発元【PS2】
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セガ
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開発元【DC】
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オーバーワークス
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発売日
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【DC】2001年3月22日 【PS2】2005年2月24日
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定価
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【DC】8,190円 【PS2】5,040円
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レーティング
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【DC】セガ審査:全年齢推奨 【PS2】CERO:15歳以上対象
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廉価版
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【PS2】SEGA THE BEST 2008年10月23日/2,940円
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判定
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良作
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サクラ大戦シリーズリンク
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概要
セガが発売したサクラ大戦シリーズ3作目。前作までは大正時代風の架空世界の日本を舞台としていたが、本作では同時代のフランス・巴里(パリ)が舞台。新ハードであるドリームキャストの性能を活かした超大作ギャルゲーとなった。
広井王子によれば、本作のストーリーの元ネタは森鴎外の小説「舞姫」とのこと。
ストーリー
本作はシリーズの主人公である大神一郎が、軍の留学派遣で巴里を訪れるところから物語が始まる。本人は知らされていなかったが、過去の2作の戦いで帝国華撃団・花組を率いて「魔」との戦いに勝利した大神を、欧州防衛のために新たに設立された巴里華撃団・花組の隊長として据えるためである。大神は、新たな団員を率いて、新たな花組を一から作り上げ、巴里を狙う敵と戦う。
部下となるヒロインは5人と前作・前々作よりは減っているが、天真爛漫ではあるが少々おバカな修道女エリカ・フォンティーヌ、誇り高い貴族令嬢グリシーヌ・ブルーメール、幼いがしっかり者のサーカス芸人コクリコ、総計すると懲役千年もの罪を犯した大悪人のロベリア・カルリーニ、欧州育ちだが本土の女性以上に大和撫子らしい北大路花火、と個性的かつ魅力的な女性ばかり。前作までの8人のヒロインとは全くキャラが被っていない上に、チームとしての5人のキャラクターバランスがしっかり取れているのも見事といえる。日本に残してきた帝国華撃団のメンバーも、ストーリー中盤でゲストキャラクターとして登場する。
キャストもエリカ役に『タッチ』『トップをねらえ!』『となりのトトロ』でお馴染みの日高のり子、グリシーヌ役に島津冴子、コクリコ役に小桜エツコ、ロベリア役に井上喜久子、花火役には鷹森淑乃など実力派の声優を起用。
とりわけ井上喜久子はそれまでのおっとりした役柄からは想像がつかない程の悪党声を演じ、本作を期に『マクロスF』や『海賊戦隊ゴーカイジャー』で魅力的な悪役を演じている。また、鷹森淑乃は声優業を休業し主婦業に専念していたため本作が事実上の復帰作となる。
本筋とは直接関係のない要素ではあるが、町の住人の多くに連続イベントが設定されており、異邦人である大神に対して、巴里の人々は当初は冷たく当たるが、イベントをこなして親密になっていくことで徐々に巴里の住人として大神を迎え入れるようになる。その変化が実感として感じられるように作られているのも、本作の魅力といえよう。
そして、本作の最大の見せ場は、エピローグである。当初から大神の巴里赴任は一時的なものと決まっており、留学期間が終われば日本に戻ることになる。つまり、ストーリーを通じてヒロインとどれだけ親密になっていても、最後は別れが待っているのだ。
元ネタの小説「舞姫」ほど悲惨ではないが、それでも本作のラストは物悲しく、切ない。だが決して救いようがない訳ではなく、「いつかまた会える」という希望に満ちた雰囲気をプレイヤーに与えてくれる。
実際、『サクラ大戦4』では帝都のピンチに巴里のヒロインが助けに来てくれるというヒーロー番組のような熱い展開が待っている。
戦闘システム
前作までは、スクウェアの升目で区切られたマップ上で駒となる敵味方のユニットを動かして戦いが繰り広げられる、ウォーゲームとしてはよくあるタイプの戦闘システムだったが、本作では「ARMS」と呼ばれるシステムに完全に刷新。3Dポリゴンで構成された升目の存在しない戦闘フィールドの中で、行動力が続く限り自由に移動、攻撃、防御、回復などの行動が取れるようになった。移動できる範囲や攻撃できる範囲は自機を中心とした円で表示され、アナログスティックを使ってドット単位の位置取りが行える。
また、各メンバーの必殺技演出も、ハードの性能向上を活かしてド派手なものになっている。
登場メカ
前作までに登場した主人公側の霊子甲冑は基本的に全員が同じ仕様で、使用する武器と色が違う程度だったが、本作からは各メンバーごとに機影が変わるほどのカスタマイズがされるようになった。メカデザイナーは元サンライズの明貴美加が担当。
評価点
シナリオ&演出面
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舞台の一新
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シリーズ三作目ということでマンネリが出やすい時分ではあったものの、メンバーと舞台設定を一新して(ハード的な意味でも)新天地での新ら第一歩として成功した。
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前作がヒロインの人数が増えた事もあってシナリオが長くなり、周回が更に厳しくなったが、ヒロインの人数が5人となったことで、ヒロイン個別のEDを見るギャルゲー的側面でも遊びやすくなった。
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シナリオの大筋はシリーズの特徴でもある王道展開が多く、前作までの登場人物が救援に駆け付けるシナリオ等、燃える展開も多い。
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巴里の人々
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本作では華撃団の関係者だけでなく、巴里に住む一部の一般市民にも立ち絵が用意され、彼らと交流する事が出来る。これにより舞台が遠い異国の地になったにもかかわらず、今まで以上に街の平和を守るという任務に感情移入出来るようになった。
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映像の出来もシリーズ随一
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アニメ部分とCGの違和感もなく、特にOPムービーは製作費数億円とも噂されゲーム史上屈指の名作と名が上がる事も。
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また技術力の向上により、ムービーの再生が画面の暗転を経ずにシームレスに行われるようになった。これを更に応用し、ムービーを再生→途中で選択肢を挟む→再びムービーを再生するといった場面もあり、臨場感が増した。
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戦闘パートのユニットとマップの全てがポリゴンで作られるようになった事に伴い、自由なカメラワークとロボットの豊かなモーション表現が可能となり、アニメさながらのイベントシーンがムービーに頼らずにリアルタイムで描写出来るようなった。
システム面
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サブキャラクターの仕様
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今まで隊員のみだった信頼度のシステムが、上述の巴里の人々を含めたサブキャラクターにも適応されるようになった。
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個別EDを迎える事は出来ないが、彼らの信頼度を一定値まで上げる事でラストに特別なイベントが用意される他、後述の2週目以降のやり込み要素の条件にも関わってくる。
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アドベンチャーパートのフリー移動の改良
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今まで一部のシナリオを除き、華撃団の施設内のみに限られていたフリー移動だが、本作では本部のテアトル・シャノワールとその周辺のモンマルトル一帯を探索することが出来、巴里の街の雰囲気を楽しめる。
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探索範囲が増えた事でイベントの見逃しが懸念されたが、移動経路にイベントがある場合は移動を中断して立ち会うかスルーするかが選択出来るといった配慮がなされている。
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戦闘システムの一新
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今までは必殺技や「かばう」コマンド等、演出は凝っていたがSRPGとしては特徴の薄いゲームだった。アクションゲームのような操作感の「ARMS」を採用する事で、シリーズ独自の魅力を打ち出すことに成功した。
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大幅に増えたミニゲーム
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各ヒロインのミニゲームだけでなく、本作ではカジノでポーカーやブラックジャック、スロットを遊べる他、更には『ベア・ナックル』をベースにした2Dアクションゲームが収録されており、ミニゲームの作り込みに関しては間違いなく歴代最高となっている。
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やり込み要素の強化
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仕様上、信頼度適用の対象外となっていた主人公の大神に対して、独自の要素となる隊長値と経験値が新たに設けられた。共にアドベンチャーパートの行動によって変動し、前者は必殺技のタイプ、後者はパラメータや必殺技の威力に影響を及ぼす。
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2周目以降、隊長値と経験値に加え、メインとサブキャラクターの信頼度が一定値を超えている場合、終盤にて最強の必殺技を使えるようになる。
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射程こそ短いものの、範囲はなんとマップ全域、威力も雑魚であれば確実に一撃で倒せる等、文字通りの必殺技である。これまでのシリーズを踏まえた演出が施され、この必殺技の解禁を目指すのが1つの目標となる。
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更に、ゲーム発売後に半年以上に渡ってドラマダウンロード(DLC)が配信される等、ゲームクリア後も長期に渡って楽しめるように意欲的な試みも行われた。
問題点
シナリオ&演出面
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大神とヒロインが結ばれない
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今まではヒロインと結ばれたその後とも取れるEDだったのだが、本作はヒロインの手紙を胸に日本へ帰るEDであり、別れが強制されてしまう事には残念な声も多かった。
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『2』の続編という設定上ある意味仕方がないのだが、大神とヒロインの行く末は続編の『4』に委ねる結果となった。
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終盤のシナリオ
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終盤にて、黒幕から敵の怪人に纏わるある真相が明かされるが、『1』程ではないにしろその部分がかなり唐突。
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黒幕自身は中盤辺りから登場し、真相に関する現実の歴史とも符合するある単語を繰り返すのだが、その単語について知識があったとしても終盤の真相を突き止めるのは難しい造りとなっている。
システム面
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戦闘パートが簡単すぎる
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SRPGとしては比較的優しい難易度のサクラ大戦シリーズだが、その中でも本作は最も簡単な部類に入る。爽快感は確かにあるが、それ以上に歯応えが無いという意見も多い。
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原因として挙げられるのが敵の攻撃力不足がある。加えて、前2作まで有限だった回復が行動ゲージを消費する代わりに何ターンでも使用可能な他、隊長コマンドの「山」が優秀過ぎる(防御と回復に必要な行動ゲージがそれぞれ1つと3つに減る)等、初めて「ARMS」を採用した所為か、明らかに練り込み不足な点が見受けられる。
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これらは、『熱き血潮に』や『V』で修正や改良が加えられた。
総評
ヒロイン総入れ替え・新規の舞台と、大胆な刷新を行いながら、旧来のファンからも広く受け入れられ、シリーズの中興の祖ともいえる作品となった。シリーズ最高傑作との呼び声も高く、今でも根強い支持を集めている1作である。
余談
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プロダクションIGが製作したオープニングは上記の通り非常に評価が高く、このOPの製作費は1億とも3億とも噂されている。
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2017年現在、金額に関してはっきりとしたソースは存在しない。ただ、そんな異常とも言える製作費でも納得してしまうほどの出来である。
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本作のPS2版の初回プレスには、『V』の体験版が収録されている。