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マリオ&ソニック AT 北京オリンピック - (2020/05/19 (火) 19:56:09) の編集履歴(バックアップ)


マリオ&ソニック AT 北京オリンピック

【まりおあんどそにっく あっと ぺきんおりんぴっく】

ジャンル スポーツ

対応機種 Wii
ニンテンドーDS
発売元 任天堂
開発元 任天堂
セガ(国内版のみ)
発売日 【Wii】2007年11月22日
【DS】2008年1月17日
定価 【Wii】5,524円
【DS】4,571円(共に税別)
プレイ人数 1~4人
レーティング CERO:A(全年齢対象)
判定 なし
ポイント マリオ&ソニックシリーズ第一弾
難易度バランスはやや不安定
マリオシリーズ
ソニックシリーズ


概要

任天堂のスターことマリオと、セガのスターことソニックがコラボしたゲーム第一弾。
タイトル通りテーマは北京オリンピック。元々「オリンピック」を題したゲームは『ハイパーオリンピックシリーズ』を発売していたコナミが主にリリースしていたが、 こちらのシリーズは2000年のシドニーに合わせて発売された『がんばれ!ニッポン!オリンピック2000』以降オリンピックの名では発売されておらず*1、2008年7月の『北京オリンピック 2008』*2と、2019年7月にセガから『東京2020オリンピック The Official Video Game』以外は20年近くの長きに渡り「オリンピック」を題したゲーム作品はこの『マリオ&ソニックシリーズ』であった。
発売元は任天堂であり、どちらかというと任天堂のゲームにソニック達がゲスト出演という形に近いが、キャラクター数はマリオ側とソニック側で同数になるよう調整されている。

システム

  • 主なモードは3種。それぞれのルールに従い各種目をプレイしていく。
    • ワンマッチ
      • 指定した種目を1種だけプレイする。1~3位に入賞できれば、メダルがもらえる。メダルはプレイしたキャラクターごとに記録される。
    • サーキット
      • あらかじめ用意された種目をクリアしていき、順位に応じて与えられるスコアの合計を競う。「ビギナークラス」「アドバンスクラス」「マスタークラス」の3種があり、それぞれに何種類かのサーキットが用意されている。ビギナーは3種目構成、アドバンスは4種目構成、マスターは5種目構成になっている。
      • メインモードであり、隠された種目を出現させるためには主にこのモードをクリアしていく。総合成績1~3位なら先のサーキットに進め、優勝するとトロフィーがもらえる。
    • ミッション
      • 各キャラクターに設定された特定の種目で特定の条件を満たすことを目標にする。目標は単に勝利しろという単純なものだけでなく、「ハンマー投げで50~55メートルを出す」「2位になる」など、面倒なものも含まれる。
    • ギャラリー
      • オリンピックに関する豆知識を閲覧できる。なぜか見るためにはその豆知識のジャンルごとに用意されたミニゲームをクリアする必要がある。
    • マイレコード
      • 記録を確認できる。獲得したメダルやトロフィーの他、各競技で特定の条件を満たすともらえる「エンブレム」というやりこみ要素も確認できる。また、Wi-Fi通信で世界中のプレイヤーと記録を比較することもできる(現在は終了)。
    • オプション
      • プレイヤーの国籍や名前を変更できる。特にプレイに直結する要素はない。
  • 操作できるキャラクターはマリオファミリーに8人、ソニックファミリー8人の計16名。おおまかに4系統の能力バランスで分類されている他、同じ系統でも個々人で微妙に配分が異なり(全ての能力が等しいマリオに対し同じバランス型でもパワーに少し劣りテクニックに長けるルイージなど)全く同じ能力のキャラクターはいない。
    • バランス型…オールラウンドにどの競技もそつなくこなせるタイプ。
      • マリオ、ルイージ、エミー、ブレイズ
    • スピード型…陸上競技など、純粋な足の速さが求められる競技に強い。
      • ヨッシー、デイジー、ソニック、シャドウ
    • テクニック型…アーチェリーやクレー射撃など、器用さが必要な競技が得意。
      • ピーチ、ワルイージ、テイルス、エッグマン
    • パワー型…ハンマー投げなどのパワーが必要な競技に向いている。
      • ワリオ、クッパ、ナックルズ、ベクター

評価点

  • 収録されている競技数はそこそこ多い。陸上種目主体ではあるが『ハイパーオリンピック イン アトランタ』とは雲泥の差。
    • ボート(シングルスカル)やフェンシング(Wii版はエペ、DS版はフルーレ)、トランポリンと言った少しマイナー気味の競技もしっかり触れられている。
    • 定番の陸上競技も、100メートルと400メートルでは単に距離が違うだけではなく、スタミナの概念が追加されてゲーム性がかなり異なっているなど、ゲームとして飽きないよう工夫がさえている。
    • なんといっても見所は「ドリーム競技」。マリオとソニックだから出来るオリジナルの競技であり、フェンシングや卓球に必殺技が追加されていたり、アイテムを使用できるレースゲームなど、ゲーム性の高い競技が収録されている。使用できるアイテムが『マリオカート』が元ネタだったりと細かいネタも。
      • ちなみになぜかドリーム競技のみメダルのデザインが異なる。実在しない競技で与えられるメダルが本物で与えられるものと同じでは駄目なのだろうか?
        実在する競技でのメダルも実際に使われたメダルとは異なるデザインなのだが…。

Wii版独自の評価点

  • 操作性は良好。反応が悪くて困ることはほとんどない。
    • Wii版は基本的に全てリモコンだけでプレイできるようになっている。一部ヌンチャク必須の種目もあるが、ヌンチャク必須種目は全て一人ずつ計測する形式で、最悪人数分のリモコンとヌンチャクが一つあればヌンチャクを使い回してプレイすることは可能。
  • グラフィックレベルはそこそこ高く、キャラクターの動きも見ていて不自然なところがほとんどない。リアクションも豊富。
    • ただ、手足の長いエッグマンがシャカシャカと走る姿だけは少々不気味。ワルイージも長い手足を奇妙に曲げた走り方をしており、攻略本でも「不器用な走り方」と書かれている。クッパもドタドタと少々情けない走り方である。

DS版独自の評価点

  • 問題点として挙げられているギャラリーのミニゲームだが、携帯機なので暇つぶしににはなる。

賛否両論点

  • 身体を動かす要素がかなり強い。
    • 全体的に動きの激しいものが多く、Wiiならリモコンを全力で振る操作を、DSなら高速で下画面をスライドする操作を要求される。スポーツゲームだと思えば、これもある意味リアルだが…。
    • 不評だったのか、次作『バンクーバー』ではボタン操作のスポーツが大半になっている。

問題点

  • 難易度バランスに難がある
    • というより、一部の競技がやたら簡単すぎると言う方が正確と思われる。走り高跳びや棒高跳びはあっさりと最高の高さをクリア可能で(もちろんそれ以上の記録を残すことは出来ない)、トランポリンも9点台後半を簡単にたたき出せる。
    • 一方でスキート(クレー射撃)やアーチェリーの難易度は高い。特にアーチェリーは操作性が非常に複雑で厄介な上NPCのスコアがかなり高く、一本でも矢を外すと1位を取るのは絶望的。しかもランダムに向きと強さが変わる風という要素まであり、明らかにこの競技だけ飛び抜けて難しい。
      • 走り幅跳びと棒高跳びは難易度自体は低いものの、「ウォームアップ度」という独自の要素があり成功を重ねることで身体が温まって良い記録が出せるようになっている。逆に言うといきなり最高の高さに挑戦してもまず成功しないため、必ず低い高さから順番に挑戦する必要がありかなり面倒。特に棒高跳びはリモコン振り操作が強く要求されるためリアル体力を消耗しやすい。
    • また、マリソニシリーズでは最初となる本作のみ、COMの強さの設定が実装されていない。上述のアーチェリーを除いて簡単にCOMに勝ててしまう。
  • キャラクター性能の差があまり実感できない。スピードタイプのキャラでも陸上競技でなかなか勝てないということはザラ。
    • ドリーム競技で使用できる必殺技はキャラごとに異なるが、演出が地味な上こちらの効果の差も今ひとつわかりにくい。
  • 演出面。
    • オリンピックらしい演出もゲームらしい演出もあまりなく、全体的なゲーム進行が非常に地味。
      • 最後の表彰式ですら、表彰台に上っている3人以外に全くキャラクターが写っていない始末。報道陣などを配置すればもう少しそれらしくなると思われるのだが…。
    • マリオファミリーは英語で喋り、ソニック側は日本語で喋るため、やや違和感がある。
      • 台詞パターンが少なく、競技中同じアクションを繰り返す競技(シングルスカルなど)では、延々同じ事を喋り続けるため鬱陶しい。
    • カメラワークが今ひとつ。陸上競技でクッパなどのデカいキャラの隣に自キャラが配置されると、スタート時の姿がほとんど見えなくなるレベル。
  • システム面。
    • 2人以上で遊ぶと競技の記録を残せなくなってしまう。基本的にパーティーゲームでありながら、多人数プレイで好記録が出ても反映されない。
      • 確かに、他のプレイヤーの協力を得ることで八百長行為などが簡単になるので多人数プレイで記録が残せないゲーム自体は珍しくないが、本作の競技はほとんどが個人競技なので明確に他プレイヤーの協力で有利になるのは精々フェンシングと卓球程度。どちらも元々成績の残らない競技である。
    • ワンマッチでのメダル獲得履歴はレコードからしか確認できない。全キャラクターのメダルコンプなどを狙っている場合にキャラクター選択画面からメダルの履歴を確認できないのが非常に面倒。
    • 任天堂製にしては珍しくロード時間が少し長い。頻度も多めなので、結構気になる。
  • 正直なところ、『マリオ』と『ソニック』のゲームである必然性があまり感じられない。
    • ストーリーモードなどはなく、せっかくのコラボなのにキャラクター同士の絡みも皆無。確かに元々マリオシリーズは台詞が少ないがコラボしている意味があるのか怪しく感じる。
    • 実質的には「オリンピック競技をマリオとソニックの好きなキャラで遊べるよ」程度でしかなく、前述のキャラクター性能の差を感じにくい部分も含めて、マリオとソニックそれぞれのファンアイテムとしてはかなりガッカリ。
    • ゲーム内容的にも「Mii」を使っても成り立つ物であり上記のドリーム競技以外はマリオシリーズやソニックシリーズ特有のシステムというのはないので別にマリオとソニックを使わなくてもよかったのでは? という声もあった。
    • 一応、続編である『バンクーバー』『ロンドン』では、ストーリーモード等で掛け合いとなるセリフも出る。ただし、マリオやルイージ*3、メタルソニックは全く台詞を発さずに代わりの者が代役で喋る。この3人は良いとして、DS版『バンクーバー』のアドベンチャーツアーズや、3DS版『ロンドン』のエピソードモードでは何故かソニックも喋らない*4
  • ギャラリーのミニゲームは携帯アプリレベル。極めて単純なミニゲームが5種類収録されているだけ。
    • しかし「しんけいすいじゃく」だけは鬼畜な制限時間とミス可能回数のせいで滅茶苦茶に難しい。
    • 知識の内容も軽い豆知識本程度。わざわざ隠すほどとは思えない。

DS版独自の問題点

  • グラフィックの質は極めて低い。
    • 観客はただの色パネルで表現。3Dモデルも粗いことこの上なく、陸上競技のトラックに至っては線がつながっていない
    • 次作以降大幅に改善された。

総評

記念すべきコラボシリーズ一作目ではあるが、全体的な作りはやや雑。
スポーツ競技の再現度自体は全体的に良く、スポーツゲームとしての評価は高めなのだが、「マリオらしさ」「ソニックらしさ」というものが欠けている傾向にあるのが残念なところ。
ただし「両社の代表的人気シリーズのオリンピックゲーム」ということもあり、世界売上は2008年7月時点で両機種合わせ1,000万本以上という大ヒットを収めている。


その後の展開

シリーズはその後も続き、『バンクーバー』『ロンドン』『ソチ』『リオ』と北京以降開催された全てのオリンピック版が出ていたが、2018年の平昌オリンピック版はゲーム化のフランチャイズ権をUBIが取得していたために発売できなかった*5。その後2020年に開催予定だった『東京』は早々に任天堂が販売権を獲得、予定通り発売された。

余談

  • ソニックには公式にカナヅチ設定があり泳げないため、水泳競技を入れるかどうかはかなり揉めたらしい。
    • 最終的に水泳競技にはライフジャケット着用で参加する形で解決している。それだけで泳げるのか。
    • ちなみにソニックと似た姿のシャドウは普通に泳げる。当時ファンの間ではシャドウもソニックと同様にカナヅチだと思われており、このことに驚いたファンも多かったとか。