マリオ&ソニック AT 北京オリンピック
【まりおあんどそにっく あっと ぺきんおりんぴっく】
| ジャンル | スポーツ |  
  
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| 対応機種 | Wii ニンテンドーDS
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| 発売元 | 任天堂 | 
| 開発元 | 任天堂 セガ
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| 発売日 | 【Wii】2007年11月22日 【DS】2008年1月17日
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| 定価 | 【Wii】5,524円 【DS】4,571円(共に税別)
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| プレイ人数 | 1~4人 | 
| レーティング | CERO:A(全年齢対象) | 
| 判定 | なし | 
| ポイント | マリオ&ソニックシリーズ第1弾 再現度の高いスポーツとド派手なドリーム競技
 難易度バランスがやや不安定
 マリオ・ソニックらしさはまだ薄め
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| マリオ&ソニックシリーズ | 
 
概要
任天堂のスターことマリオと、セガのスターことソニックがコラボしたゲーム第一弾。タイトル通りテーマは2008年北京オリンピック。 
発売元は任天堂であり、どちらかというと任天堂のゲームにソニック達がゲスト出演という形に近いが、キャラクター数はマリオ側とソニック側で同数になっている。
システム
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主なモードは3種。それぞれのルールに従い各種目をプレイしていく。
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ワンマッチ
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指定した種目を1種だけプレイする。1~3位に入賞できれば、メダルがもらえる。メダルはプレイしたキャラクターごとに記録される。
 
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サーキット
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あらかじめ用意された種目をクリアしていき、順位に応じて与えられるスコアの合計を競う。「ビギナークラス」「アドバンスクラス」「マスタークラス」の3種があり、それぞれに何種類かのサーキットが用意されている。ビギナーは3種目構成、アドバンスは4種目構成、マスターは5種目構成になっている。
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メインモードであり、隠された種目を出現させるためには主にこのモードをクリアしていく。総合成績1~3位なら先のサーキットに進め、優勝するとトロフィーがもらえる。
 
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ミッション
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各キャラクターに設定された特定の種目で特定の条件を満たすことを目標にする。目標は単に勝利しろという単純なものだけでなく、「ハンマー投げで50~55メートルを出す」「2位になる」など、工夫を要するものもある。
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ミッションの内容によっては順位を全く無視して良い場合もあり、全く別のゲームとして楽しめる。
 
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ギャラリー
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ミニゲームで遊べるモード。ミニゲームのクリア状況に応じて、オリンピックに関する豆知識を閲覧できる。マリオとソニックそれぞれのBGMを流せるオマケ付き。
 
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マイレコード
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記録を確認できる。獲得したメダルやトロフィーの他、各競技で特定の条件を満たすともらえる「エンブレム」というやりこみ要素も確認できる。また、Wi-Fi通信で世界中のプレイヤーと記録を比較することもできる(現在は終了)。
 
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オプション
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プレイヤーの国籍や名前を変更できる。特にプレイに直結する要素はない。
 
 
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操作できるキャラクターはマリオファミリーに8人、ソニックファミリー8人の計16名。おおまかに4系統の能力バランスで分類されている他、同じ系統でも個々人で微妙に配分が異なり(全ての能力が等しいマリオに対し同じバランス型でもパワーに少し劣りテクニックに長けるルイージなど)全く同じ能力のキャラクターはいない。
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バランス型…オールラウンドにどの競技もそつなくこなせるタイプ。
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スピード型…陸上競技など、純粋な足の速さが求められる競技に強い。
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テクニック型…アーチェリーやクレー射撃など、器用さが必要な競技が得意。
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パワー型…ハンマー投げなどのパワーが必要な競技に向いている。
 
評価点
収録競技のバリエーション
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収録されている競技数はそこそこ多い。陸上種目主体ではあるが『ハイパーオリンピック イン アトランタ』とは雲泥の差。
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ボート(シングルスカル)やフェンシング(Wii版はエペ、DS版はフルーレ)、トランポリンといった少しマイナー気味の競技もしっかり触れられている。
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定番の陸上競技も、100メートルと400メートルでは単に距離が違うだけではなく、スタミナの概念が追加されてゲーム性がかなり異なっているなど、ゲームとして飽きないよう工夫がされている。
 
キャラ性能の違いによる遊び応え
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後の作品に比べるとキャラごとの能力の違いが大きく、一部のゲームではやるべきことが大きく変わる。
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キャラによって泳ぎ方(=操作方法)が違う「100m自由形」や、照準の移動速度ブレやすさが大きく変動する「アーチェリー」などが顕著。
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メダルコンプリートを目指す際に飽きがこない利点も。
ドリーム競技
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マリオとソニックだから出来るオリジナルの競技であり、必殺技やアイテムの概念が追加されている。
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フェンシングや卓球の必殺技は各キャラの個性が出る形となっており、1本のゲームにも匹敵する完成度。必殺技ゲージを貯める駆け引きも熱い。腕に自信があれば相手の必殺技を防御することも可能。
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アイテムを使用できる「ドリームレース」や、崖を飛び出してそのまま飛行し、なるべく遠くの島に着地する「ドリーム走幅跳」(DS版)など、もはや元となった競技の原型がないほどダイナミックな種目も。使用できるアイテムが『マリオカート』が元ネタだったりと細かいネタも多数。
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ドリーム競技はメダルのデザインが大幅に異なり、通常のオリンピックのような金銀銅ではない。
 ちなみに、実在する競技でのメダルも実際に使われたメダルとは微妙に異なる。
 
Wii版独自の評価点
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操作性は良好。反応が悪くて困ることはほとんどない。
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Wii版は基本的に全てリモコンだけでプレイできるようになっている。一部ヌンチャク必須の種目もあるが、ヌンチャク必須種目は全て一人ずつ計測する形式で、最悪人数分のリモコンとヌンチャクが一つあればヌンチャクを使い回してプレイすることは可能。
 
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グラフィックレベルはそこそこ高く、キャラクターの動きも見ていて不自然なところがほとんどない。リアクションも豊富。
DS版独自の評価点
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ドリーム競技の種類がWii版より多い。ソニックシリーズでお馴染みの敵を撃ちまくる「ドリームシューティング」、宙に浮いた3つのバスケットゴールめがけてフリースローのスコアを競う「ドリームバスケ」など、オリンピック感は無いが爽快感のある種目が追加されている。
賛否両論点
身体を動かす要素がかなり強い
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全体的に動きの激しいものが多く、Wii版ならリモコンを全力で振る操作を要求される。スポーツゲームだと思えば、これもある意味リアルだが…
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DS版に多いのは高速で下画面をスライドする操作。強くこすると画面を傷つけてしまうことがあり、保護フィルムを貼っていない人は細心の注意が必要。
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不評だったのか、次作『バンクーバー』ではボタン操作のスポーツが大半になっている。
問題点
難易度バランスに難がある
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一部の競技がやたら簡単すぎる。走り高跳びや棒高跳びはあっさりと最高の高さをクリア可能(もちろんそれ以上の記録を残すことはできない)。
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スキート(クレー射撃)やアーチェリーの難易度が高い。特にアーチェリーは操作性が非常に複雑で厄介な上NPCのスコアがかなり高く、一本でも矢を外すと1位を取るのは絶望的。しかもランダムに向きと強さが変わる風という要素まであり、明らかにこの競技だけ飛び抜けて難しい。実際には風向きを読む必要のある競技であるのだが…
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走り幅跳びと棒高跳びは難易度自体は低いものの、「ウォームアップ度」という独自の要素があり成功を重ねることで身体が温まって良い記録が出せるようになっている。逆に言うといきなり最高の高さに挑戦してもまず成功しないため、必ず低い高さから順番に挑戦する必要がありかなり面倒。特に棒高跳びはリモコン振り操作が強く要求されるためリアル体力を消耗しやすい。
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体操競技はなぜか古い10点満点(実際の北京五輪からは採点基準が変わり、10点以上が出せるようになった)ルールを採用。特にトランポリンでは9点台後半までは簡単に出せるのに、そこから極端に点が伸びなくなる。
 
演出面
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オリンピックらしい演出があまりなく、全体的なゲーム進行が地味。
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最後の表彰式ですら、表彰台に上っている3人以外に全くキャラクターが写っていない始末。報道陣などを配置すればもう少しそれらしくなると思われるのだが…。
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どの競技でも服装がほぼ同じ。一部の競技は服装を変えればそれらしくなるはずだが…
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特にフェンシングで顕著。説明書で「本来は防具を付けてやるスポーツです。ゲーム内のキャラクターの行為を真似するのは絶対にお止めください」とある。注意書きよりもゲーム内のキャラクターにも防具を付ける方がよほど得策なはずだが…
 
 
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マリオ側は英語で喋り、ソニック側はほぼ日本語で喋るため、仕方ないとはいえやや違和感がある。
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台詞パターンが少なく、競技中同じアクションを繰り返す競技(シングルスカルなど)では、延々同じ事を喋り続ける。
 
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カメラワークが今ひとつ。陸上競技でクッパなどの体が大きいキャラの隣にそこまで大きくないキャラが配置されると、スタート時の姿がほとんど見えなくなるレベル。
システム面
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2人以上で遊ぶと競技の記録を残せなくなってしまう。基本的にパーティーゲームでありながら、多人数プレイで好記録が出ても反映されない。これは後の作品にも継続している点である。
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他のプレイヤーの協力を得ることで八百長行為などが簡単になるので多人数プレイで記録が残せないゲーム自体は珍しくないが、本作の競技はほとんどが個人競技なので明確に他プレイヤーの協力で有利になるのは精々フェンシングと卓球程度。どちらも元々成績の残らない競技である。
 
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ワンマッチでのメダル獲得履歴はレコードからしか確認できない。全キャラクターのメダルコンプなどを狙っている場合にキャラクター選択画面からメダルの履歴を確認できないのが非常に面倒。
ドリーム競技以外のキャラゲー要素の薄さ
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ストーリーモードなどはなく、せっかくのコラボなのにキャラクター同士の絡みも皆無。確かに元々マリオシリーズは台詞が少ないがコラボしている意味があるのか怪しく感じる。
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元々マリオシリーズは日本人の声優がほぼ起用されず、日本語の収録が絶望的な為であるが、それでも字幕程度は付ける事が出来たであろう。
 
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実質的には「オリンピック競技をマリオとソニックの好きなキャラでできる」程度でしかなく、マリオとソニックそれぞれのファンアイテムとしての魅力はほぼドリーム競技のみに集中している。別にマリオとソニックを使わなくてもよかったのでは? という声もあった。流石にキャラごとの得意不得意は設定されているが。
その他
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ギャラリーのミニゲームは極めて単純なミニゲームが5種類。暇つぶしには向いているが、一度ノルマを達成したら遊ぶ理由があまりない。
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「しんけいすいじゃく」だけ、鬼畜な制限時間とミス可能回数のせいで滅茶苦茶に難しい。
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知識の内容も軽い豆知識本程度。わざわざ隠すほどとは思えない。
 
総評
記念すべきコラボシリーズ一作目。荒削りながらも、ゲームとしてのボリュームは第一作とは思えないほど。
基本のスポーツ競技は再現度の高さが持ち味。そしてドリーム競技は演出、戦略性ともに優れ、突き詰めれば単体のゲームにもできそうな完成度を誇る。
とはいえ、コラボ要素や細部の作り込みには改善や拡張の余地を残しており、シリーズの魅力が確立するのはもう少し先の続編を待つことになる。
「両社の代表的人気シリーズのオリンピックゲーム」ということもあり、世界売上は2008年7月時点で両機種合わせ1,000万本以上という大ヒットを収めた。
その後の展開
マリオ&ソニックによるオリンピックゲームとしては、本作に続いて冬季オリンピック版である『バンクーバー』も発売。
その後もシリーズは継続していき、夏季オリンピックのゲーム作品については本作『北京』以降も欠かさず発売されて皆勤賞が続いている。
余談
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ソニックには公式にカナヅチ設定があり泳げないため、水泳競技を入れるかどうかはかなり揉めたらしい。
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最終的に水泳競技にはライフジャケット着用で参加する形で解決している。それだけで泳げるのか。
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ちなみにソニックと似た姿のシャドウは普通に泳げる。当時ファンの間ではシャドウもソニックと同様にカナヅチだと思われており、このことに驚いたファンも多かったとか。
 
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後にセガからも、2008年7月31日に非キャラクターもの五輪ゲーム『北京オリンピック 2008』がPS3/360で発売された。
最終更新:2025年02月08日 21:27