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スーパーマリオコレクション - (2021/10/24 (日) 08:43:02) の編集履歴(バックアップ)



スーパーマリオコレクション

【すーぱーまりおこれくしょん】

ジャンル アクション
対応機種 スーパーファミコン
発売・開発元 任天堂
発売日 1993年7月14日
定価 9,500円(税別)
プレイ人数 1~2人
セーブデータ 各4個(バッテリーバックアップ)
判定 良作
ポイント FC時代の名作をもれなくリメイク
挙動も難易度もほとんど忠実に再現
一部の挙動については違和感が目立つ
セーブ機能搭載
マリオシリーズ

概要

スーパーマリオブラザーズ』『スーパーマリオブラザーズ2』『スーパーマリオブラザーズ3』『スーパーマリオUSA』の4作品を一つのソフトにリメイク収録した作品。
各作品はスーパーファミコン用にグラフィックがブラッシュアップされている他、演出面で追加要素があったり、若干のゲームバランスの調整も行われている。
BGMはスーパーファミコンの音源を利用してアレンジされ、他のサウンドや効果音は『スーパーマリオワールド』のものを流用している。


変更点

全作品共通

  • スタートボタンによるポーズ画面にセーブメニューが含まれ、いつでもセーブが出来るようになった。ただしゲーム再開時の挙動にルールがある。
    • 『1』『3』『USA』は、中断セーブした時点のワールドのステージ1から再開となる。
    • 更にファイルセレクト画面中に、左右・Bボタンを押すことでクリア済の過去ワールドへ遡り再開することも可能。事実上のワールドセレクトとして機能する。(例を挙げると、W4まで進行したデータでは、W1~4までの好きなワールドのステージ1から再開可能)*1
      • 『2』に限りワールドに加えステージ単位で選択し再開可能。高難度のための配慮と思われる。
    • 全てのゲームにおいて、セーブ時点の残機量は保存されるがパワーアップ状態は保存されない(再開時はチビ状態で固定)。
  • これらの仕様に伴い、『USA』でのコンティニュー制限は廃止、『1』でもゲームオーバー画面からコンティニュー出来るようになった*2
  • キーコンフィグのタイプを2種類から選択可能。
    • ファイルセレクト画面でセレクトボタンを押すことで切り替わる。
    • 変更できるのはBボタンの扱いをジャンプかダッシュにするかの選択で、X・Yはダッシュ、Aはジャンプで固定。新アクションなどはないため使用ボタン数自体に変更はない。
      • タイプ名称がそのまま、SFC版のBボタンをFC版でのどの役割に当てるかで対応している。デフォルトでは「タイプA」で、Bが『スーパーマリオワールド』に準じてジャンプになっており、Yでダッシュする。もう一方の「タイプB」では原作同様のBダッシュになり、ジャンプはAのみで行う。
      • このボタン選択は後の『スーパーゲームボーイ』にも同様の仕様で搭載された。ただし、SGBでは本作とは逆に「タイプB」がデフォルトになっている。
  • 『1』~『3』までにおいて、オリジナル版ではグラフィック上の差異がなかったマリオとルイージに差異が付けられている。
    • 原作に準じて『1』『2』ではルイージも含め下着とオーバーオールの色が『3』『USA』とは逆転している。
    • 全てが準じているかというとそうでもなく、オーバーオールの配色そのものは4作ともスーパーマリオワールドに準じたカラーに統一されている(ルイージが白ではなく緑を基調としたデザイン等)。
  • 『1』『2』『USA』でステージ開始前画面でステージの背景と登場する敵(『USA』は背景のみ)が1枚絵で表示され、ステージの内容がわかるようになった。
  • 『1』『2』『3』にタイトルBGMが追加された。
    • 『1』『2』の水中面のBGMのアレンジをタイトルBGMに用いていた『USA』にならい、『1』『2』『3』でも同様に水中面の曲にそれそれ異なるアレンジを施したものが用いられている。
  • 残機表示は全タイトルで『1』、『2』と同様の「下限1」(残り1人の状態でミスするとゲームオーバー)に統一。
    • 『3』、『USA』は原作では「下限0」(残り0人で死ぬとゲームオーバー)だったが、これにより見た目上の数値が1つ増えたことになった。
    • また、全てのタイトルで初期残機が「5人」に統一されている。これは『3』原作での初期4人と実質同じ。他タイトルでは増えたことになる。
    • 残機の上限は『1』『2』では128人、『3』『USA』では99人でカンストする。
  • 『スーパーマリオワールド』と同じく、1つのコントローラーを使いまわすことで2Pプレイが可能となった。
    • とはいえこれができるのは実質『1』と『3』本編のみで『3』のバトルモードはプレイできなくなるほか、『2』と『USA』は元から1P用なため、2Pとしての回しプレイは出来ない。
    • 全ての作品において「完全交代制」となっており、クリアをしてもミスをしてもプレイヤーの順番がすぐ次に回る。
  • オリジナル版において特定操作によってクリア不能になる要素を含めたバグ・不具合の修正。
    • 壁抜け、無限増殖といったオリジナル版でできた裏ワザもできる限り再現しているが、『1』の1-2から-1面へのワープ(裏技自体は実行可能だが行き先が変わらないように修正)や「小さなファイアマリオ」、『3』の特定の場所で笛アイテムを使った後特定の操作をするとゲーム進行ができなくなるといった裏ワザの中でも致命的な不具合に値するものは修正されている。
    • 『1』の水中面では「しゃがみ泳ぎ」をすると出口の土管のところで隙間にハマってしまうバグがあったが、「しゃがみ泳ぎ」を再現した上で地形が修正されたのでハマらなくなっている。

スーパーマリオブラザーズ1・2共通

  • グラフィックのリメイク。4つの作品の中では『2』と合わせて最も印象の異なるものになっている。
    • ステージの昼夜や土地柄などがよりわかりやすくなっている。
  • 初期の残機が5へと増加。また、残機が10以上になった時もバグらずちゃんと表示され、128人で打ち止めになるようになった。
    • FC版では残機130人以上*3でミスすると残機がマイナス扱いとなって強制的にゲームオーバーになったが、本作では単純に128人を超えて増えることはない*4
  • ループ面において、進んだルートが正解か不正解によってSEが鳴るようになった。
    • これによってループ面なのかどうなのかが分かりやすくなり、初心者に優しくなっている。
  • クッパ戦とボーナスステージのBGMが追加された。クッパの曲は本物と偽物とで異なっている。
    • またキノピオ救出時の演出がワールドごとに違ったものになり、囚われている人数がワールド数と同じになったりなどの演出も加わっている。そのため後半ステージでは「お前らどうやって入ってたんだ?」と思いたくなる…かもしれない。
  • レンガブロックを壊した時の挙動がFC版と完全に異なる。
    • オリジナル版ではレンガブロックを壊した時は、壊せないときと同様に反動で跳ね返るのだが、マリコレ版ではそのベクトルが逆転しており、レンガブロックを壊した時はブロックを突き抜けながら、ふわりと少し浮く。
  • 下降するエレベーターリフトに乗り続けた時の挙動が変更された。
    • 原作では『1』ではリフトに乗り続けると必ずそのまま落ちてしまいミスになり、『2』では必ずループして上から落下して現れるという挙動だったが、マリコレ版では『1』『2』関係なく狭いリフトでは転落死、広いリフトでは上下ループが起こるようになっている。

スーパーマリオブラザーズ

  • 『2』と同じように、お城ステージのクリア時に制限時間のスコアボーナスが入るようになった。
    • 残りタイム0でクリアすると1000カウントと見なされ5万点が入る裏技もそのまま使える。
  • 裏ワールド時の仕様が変更された。
    • 8-4をクリアすると、裏1-1がすぐ始まり周回プレイが行えるようになった。
    • 裏ワールドの表記が変更され、「★1-1」のように星印で表記され区別されるようになり、一目でわかりやすくなっている。

スーパーマリオブラザーズ2

  • 副題に「FOR SUPER PLAYERS.」が追加されている。『2』は高難易度である事が視覚的に解りやすくなった。
  • 毒キノコの外観が描き直され、一目でマイナスアイテムとわかるようになった。
  • セーブ機能の実装(4作共通だが『2』の特記事項について記載)。
    • オリジナル版『2』は非常に難易度が高かったためか、収録4作品の中で本作のみワールド単位ではなくステージ単位での再開が可能になっており、1面ずつじっくりと進めていくことが可能になった。
  • プレイするのに8回クリアする必要のあったワールドA~Dも、一度のクリアだけでプレイできるようになった。また、ワールド9の条件はそのままだが、残機は減らされずに引き継がれ、クリアした後にAワールドへ直行できるようになった。
    • 原作通りワープは禁止だがセーブは何度しても問題ない。その代わりワールド9が出た後であっても1度でもワープをするとワールド9は消えてしまうので注意。
      • また、ステージ内容は同じだが背景等は通常のステージと同じ仕様になっており、海の面はそのまま海の見た目、地上面は普通の地上面にされているので、オリジナル程外見上のインパクトはない。
    • ちなみにワールド9を通った形でワールドA~Dへ行くと敵の行動スピードがFC版より早くなり、かつFC版のクリボーがメットになっている(いわゆる1の裏面仕様)うえに途中死亡時の中間ポイントも全て削除されるため、FC版と比べて難易度が上昇している。
  • FC版のエンディングと残り人数の清算が削除され、『1』とほぼ同じエンディングになっている。
  • 最終面D-4ではエンディングが8-4とは若干違い、ピーチ姫から顔中にキスマークを付けられるというなかなか情熱的な物となっている。

スーパーマリオブラザーズ3

  • セーブ機能の実装によるゲームバランス変化(4作共通だが『3』の特記事項について記載)。
    • 『3』のセーブは上記の共通部分に加え
      ・手持ちの保存アイテム
      ・"現行到達ワールド"の砦系ステージ(W8なら戦車・戦艦も含む)のクリア状況
      ・"現行到達ワールド"のマップ上のハンマーブロス系の討伐状況
      これらの3要素も保存される。(砦・ブロスの状況は、遡ったワールドでは保存されない)
      (例を挙げると、「飛行船まで進行した状態でセーブし中断」した場合は、再開時は砦が陥落済み+鍵ゲートが開通済みであるものの通常ステージマスは復活する。)
    • ファイルセレクト画面からクリア済のワールドに遡り、キノピオの家から保存アイテムを回収して現行ワールドに持ち帰るプレイングも可能となった。
      • 手間はかかるものの、本来なら数個しか入手できない保存アイテムを何度も入手することも可能。その気になればワールド1にハンマースーツなどのアイテムを持ち込むこともできる。
  • 海外版『3』に準じた変更点。
    • 日本オリジナル版と違い、ダメージ時のパワーダウンは1段階しか下がらない。これは海外版『3』の仕様と合わせたもので、しっぽマリオやファイアマリオなどでダメージを受けてもスーパーマリオになる。そのため、実質的に難易度が下がっている。
    • オリジナル版の不具合の影響で海外版『3』は、不具合の原因となっていた一部の面のマップ構成が変更されている部分があるがこれも反映されている。
  • 魔法にかけられた各ワールドごとの王様の姿がオリジナル版から一新された。
    • 基本的には本作に収録されている『USA』の敵キャラのグラフィックから流用されているが、チョロプーのように『ワールド』からの流用もある。
    • 今作でのサプライズ要素として、とあるワールドの王様がヨッシーの姿にされている。ちなみにここでのヨッシーのグラフィックは『ワールド』のものではなく、当時まだ開発中であった『ヨッシーアイランド』のグラフィックのプロトタイプが使用されている。
  • キー割り当ての都合上、Bボタンに相当するボタンが2つあるために「物を持ったまま攻撃」することが可能になった。
    • 具体的には甲羅を持ったまま尻尾で弾いて、復活までの時間を簡単にリセットできる。
  • ゲーム中の対戦ゲーム(『マリオブラザーズ』由来)を、対戦単独のモードで遊ぶことができる。
    • 基本的なルールは当時のものと同じだが、システムは一部大きく変わっている。
      • スーパーキノコが登場し、スーパー状態になれる(つまり1回食らってもミスにならない)。
      • 新登場したノコノコは踏めるうえに甲羅を蹴飛ばすことが可能。元のFC版『3』ではカメの代わりにトゲゾーが登場していたが、今作で両者が共存したことになる。ちなみに甲羅を食らっても敵キャラは少しはねるだけで死なない。
      • 火の玉の代わりにテレサが登場する。効果自体は変わらない。
    • 「?キノコ」も存在。とるとチビとスーパーの状態を入れ替えたり、位置を入れ替えたり、メリットにもデメリットにもなる効果がランダムで起こる。
      • 当時と同様にコイン争奪のルールも加味されており、非常に駆け引きの熱い内容となっている。
  • エンディングのワールド紹介の1枚絵が全て刷新されており、ステージ中のキャラグラフィックを用いたものに変更された。
    • オリジナル版では手を合わせて地蔵マリオを拝むノコノコや横に転げたクリボー、巨大プクプクにおいかけられて水上を泳いで逃げるマリオなどの独自グラフィックが使われていたが、変更により見られなくなった。

スーパーマリオUSA

  • グラフィック面の変更。
    • やや不自然だったちびキャラの頭身の修正、ステージの昼夜の変更等。
  • 各エリアクリア後のスロットでリールの回転速度が下がって視覚的にリール回転が見えるようになり、絵柄に「7」が追加された。
    • それに伴い、残機の増える絵柄の組み合わせのパターンと、残機の増加数もFC版より増えている。
    • また、FC版では取得コインが10枚以上になった場合は表示がバグっていたが、正常に表示されるようになり上限も99枚となった。
  • エリア単位であったキャラクター選択が、ミスした後のリトライ時にも追加された。
    • これにより、ステージに合わないキャラを選択してしまった際にわざと死亡し、違うキャラを選びなおして再挑戦することが可能になった。
  • 本作の仕様を利用すると、W1→W4にワープした後セーブ・リセットしてW3に遡り、W3→W5→W7とワープする最短クリアルートが利用できる。

評価点

  • オリジナルの雰囲気を崩さず良質な改良がなされている。
    • スーパーマリオワールド』からグラフィックはより精細となり、かつオリジナル版の雰囲気再現を重視し、『1・2』『3』『USA』と3種のグラフィックスキンが本作には用意されている。 特に『3』『USA』はほとんどオリジナルの雰囲気を損なっていない。
      • 『1・2』のグラフィックについては若干の癖はあるものの、決してグラフィックの内容が悪いわけではない。
    • BGMもスーパーファミコンの音源を活かし、より豊かなメロディーの独自のアレンジが施されつつ、オリジナルの雰囲気を崩していない。
    • 細かい所だが、『1』と『2』の「旗らけ」と呼ばれる半バグテクニックもしっかり移植されている。
  • セーブ機能の追加によりプレイのハードルが下がった。
    • FC版では長丁場にも拘らずセーブ手段が皆無だった『3』で特にその恩恵が強い。救済措置のワープを使わずに通しでプレイするのは時間的な問題で厳しかったが、セーブ機能の追加によりワープなしでの通しプレイが容易になった。
  • セーブ機能により、まとまった残機の確保が容易になった。
    • 残機量が心許ない場合は無限1UPができるステージへ遡り、残機を確保した後にセーブ・再開することで大量の残機をそのまま現行ワールドに持ち帰るというプレイングも可能となった。腕前に自信の無いプレイヤーのクリアへの大きな助けとなる。
    • 特に1-1冒頭から無限1UPが可能な『2』での恩恵が強い手法である。
    • 無限1UPが出来ずとも、序盤ステージの1UP回収を周回する地道なプレイでも時間を要するが効果はある。
      • 残機稼ぎが容易になった分、難易度は大きく下がるが、これに頼りたくなければ使わなければよしと自分のスタンスで選べる。
  • SFC初期のソフトとしては高価だが原作ソフト4本分の豪華収録であり、後にROMカセットの価格高騰でソフト1本1万円越えが当然のようになってくることを考えれば十分にお得な値段である。
  • 『2』に関しては、コレクション発売当時から既にディスクシステム自体が入手困難になっていたので移植そのものが歓迎された。

賛否両論点

  • ループ面で正解・不正解の効果音が鳴る。
    • 正しいルートを進んでいるのかがはっきりと分かり初心者に優しくなった反面、該当の面は難易度が大幅に低下してしまった。
    • さらに、ループに見せかけて実はそうではないという面では効果音が鳴らないため、偽ループであることがはっきりと分かってしまい、ギミックがほぼ無意味になってしまっている。

問題点

  • 明らかにオリジナルと違う挙動がある。
    • 基本動作はFC版のほぼ忠実再現であり、難易度的には『3』でのダメージ挙動が上方修正されたくらいしかシステム上の大きな変更はないが、細部に目をやるといくつか仕様が変わっている。
    • 特に上記の『1』『2』のレンガブロック突き上げの挙動やリフトの上下ループに関してはあまりにも感覚が違うため不評である。
  • 原作で微妙に異なっていた『1』と『2』のグラフィックが同一のものになった。
    • 『1』と『2』のグラフィックはオリジナル版ではそれぞれ細部が異なっていたが、本作では両作とも同じものに統一されたため新鮮味が薄れている。
  • 敵キャラのグラフィックについて
    • 原作版の『1』『2』にいた青いクッパが再現されておらず、通常のクッパと全く同じ外見になった。
      • これは元々FCのカラーパレット切り替えにより、「クッパ戦のある橋が画面に入る前のエリアまでクッパを誘導すると青緑になる」というハードの仕様上意図せずに発生する現象だったため、スタッフが「意図的な色違い」と認識していない可能性がある。
    • また、FC版ではクリボー・ノコノコ・メット・パックンフラワーも地上・地下・城ステージでそれぞれ色が違っていたが、コレクションでは地下で青くなるクリボー以外は同色のままである。
  • 『2』の裏ステージの仕様変更。
    • 9Wのグラフィックは原作のような水に沈んだ地上面のグラフィックではなく、完全に水中面仕様のブロックに置き換わってしまったため独特な印象が薄れている。
    • AW以降の裏ワールドの難易度上昇*5についても、オリジナル版の再現を行っていないという点で批判がある。
    • また、W9クリア時にWA以降に直行するようになったことにあわせ、W9冒頭とゲームオーバー時のメッセージが削除されている。
  • 『2』の8-3で、背景の城壁が削除されてしまったため隠しブロックの位置がわかりづらくなってしまっている。特にボーナスステージに繋がる豆の木の隠しブロックは初見ではまず発見できない。
  • 『3』は手間さえかければ難度が下がりすぎてしまう。
    • 手間はかかるとはいえ、セーブと再開を繰り返せば、事実上の面飛ばしアイテムである「P羽」や「雲」などの貴重アイテムの量産は十分可能で、難関ステージのスキップ・強引クリアが気軽に行えてしまう。
      • 一方で、ワールド1でカエルスーツやタヌキスーツが使えるといった、FC版では不可能なことが出来る点は面白いという意見もある。
      • 保存アイテムありはヌルいと思えば縛れば良いだけだが、アイテムなしではそれだけ厳しい難易度ということでもある。
  • 『USA』の4-3の特定のマップで、バグにより城のグラフィックが化けて表示されてしまうことがある。

総評

リメイクとしては大変良質な作品で、売上もシリーズ内で相当誇れるものとなっている。
リメイク作品という性質故に、原作と異なる挙動・グラフィック・効果音等、オリジナルに思い入れがある人の場合には違和感を覚えてしまう部分もあるものの、スーパーファミコンの性能に合わせ、忠実移植のみならず正当進化させた作品であることに異論はないだろう。


余談

  • 海外SuperNES(スーパーファミコン)版『Super Mario All-Stars』では、日本で言う『USA』が『2』だったため、未発売だった日本の『2』が『THE LOST LEVELS』というタイトルで初収録となった。
    • さらに海外版に限りSuperNES本体同梱の特別バージョンとして、通常の4作品以外に『スーパーマリオワールド』も同時収録されたお得な限定版ソフトも存在する。
      • この限定版では『ワールド』もルイージのグラフィックの差別化*6など一部変更が加えられている。
      • こちらは『ワールド』もセーブファイルを他のタイトル同様にゲーム開始前に4つから選択する形式(原作より1つ増加)。ただし元々SFCソフトのためキーコンフィグは不可になっている。
      • なお、このカップリング自体は日本でも『ニンテンドウパワー』の書き換えサービスを用いる事で実現可能だった。
  • オープニングでキャラクターが集合している場面のバックにガヤガヤというざわめきの効果音が流れているが、実はここに英語で 「One more beer please!(ビールおかわり!)」 という音声が聞こえる箇所があるという。
    • 海外版のチェックの際にマズイのではないかとの声が上がったため向こうでは修正されたが、日本語版はそのままになっているとのこと。このため日本版と海外版ではガヤの音声が異なっている。
+ 聞き取れるだろうか

  • 「当たりロム」の噂
    • 本作には低確率で「セレクトボタンを押すと自由にマリオが変身できる裏技」を実行可能なロムが存在するという噂がある。
    • 実際に発生したという報告例もいくつか存在し、これにより「開発中のロムが流出して製品版に混入した」だの「財政界の大物の息子のために任天堂が特別に製造したものが間違って出回った」等といった都市伝説が流れることになった。
    • しかし後年、解析により本件の真相が判明。実は本体RAMが特定の値の時のみ、『3』においてセレクトボタンで変身切り替え可能、ABXYのいずれかのボタンを入れながらだとブーツ状態になるという「デバッグモード」が発動するのである。(参考サイト様)
      • この本体RAMの値はスーパーファミコンの電源投入時に設定され、それぞれの本体の個体差によってある程度偏りがあり、この値が出やすいSFC本体では高確率でこのデバッグモードが発動する。つまりロムではなくSFC本体そのものが当たりだったのである。
      • なお、実はこのデバッグモードはFC版にも実装されていたのだが、そちらは電源投入時に該当の値が必ず0になるため通常プレイで出現することはなかった。
    • 上記の値が出やすい特別なSFC本体を用意せずとも、SFCの電源を切った直後はしばらくRAMの値が残ることを利用し、別のゲームソフトでこの値が設定された直後に素早く本作に入れ替えるというプレイをすることで、意図的にデバッグモードを出現させることも可能になっている。
  • CMはアカデミー賞授賞式をイメージしたもので、マリオをはじめ、正装したキャラクターたちがレッドカーペットの上を歩いて一堂に会し、会場のモニターに映し出されるソフトに注目するというゴージャスなもの。
    • ラメのスリッド入りドレスを着て投げキッスしつつセクシポーズを決めるピーチ姫や、スーツとサングラスを着込んだ渋いいで立ちで登場するクッパ、毛皮を首に巻いてマム―にエスコートされるキャサリンなど、派手な雰囲気でゲーム内容をアピールしていた。
      さらに締めにはあのハリウッド版『スーパーマリオ 魔界帝国の女神』の宣伝までしていた
    • また、このCM映像を流用したプロモーションビデオも作られており、原作とオリジナル版の比較という形で作品解説されている。
      • ちなみに、ゲストコメンテーターという設定で、マリオがナレーションと共に音声付きでペラペラしゃべるという、公式の映像では珍しい一幕が見れる。
  • 本作のグラフィックは後に発売されたGBA版『スーパーマリオアドバンス』シリーズの『1』『4』のベースとなっているが、そちらはさらに追加要素が加えられている。
    • 詳細については当該記事にて。
  • 『スーパーマリオブラザーズ』の35周年記念企画の一環として、2020年9月3日に『スーパーファミコン Nintendo Switch Online?』のラインナップに本作が追加された。
    • スーファミ版では『ワールド』も遊べる他、『ファミリーコンピュータ Nintendo Switch Online』の方では『マリオブラザーズ』と本作の原作4本が全て遊べるため、Switchに2Dマリオのファミコン版とスーファミ版が揃い踏みしたことになる。
  • TETRIS 99』とのコラボ祭が開催された。

スーパーマリオコレクション スペシャルパック

【すーぱーまりおこれくしょん すぺしゃるぱっく】

ジャンル アクション
外箱

ソフトパッケージ
対応機種 Wii
販売元 任天堂
開発元 任天堂
エスアールディー
発売日 2010年10月21日
定価 2,381円(税別)
プレイ人数 1~2人
レーティング CERO:A(全年齢対象)
判定 良作
ポイント まさかのPKG復刻
多数のおまけ付き
一部不便も

概要(Wii)

バーチャルコンソールとしての配信が望まれていたが、配信ではなく『スーパーマリオコレクション スペシャルパック』として、Wii向けにパッケージ販売がなされた。
シリーズの主要曲をまとめたサントラCDとブックレットが付いた特別な復刻版となっている。

評価点(Wii)

  • 当然なことではあるが、SFC版からの変化は一切なく、きちんと内容を忠実に収録している。
    • 唯一変化したところといえば、時勢に合わせてフラッシュ表現が使用されている箇所は全てスローモーション化や点滅エフェクトに変更されているといった程度。

問題点(Wii)

  • 他のバーチャルコンソール配信作品と比べて割高なわりに機能が整っていない。
    • 元々Wiiに内蔵されたシステムであるバーチャルコンソールには、中断セーブ機能があり、前回終了した状態から再開することで残機の保持などが可能だった*7が、本作のWii版のメディアはディスクであるため、バーチャルコンソールのシステムに起因する機能などは一切使えない。
      • これがあることにより、ゲームが苦手な人間でもハードルが良い塩梅で下がることを考えると、少々勿体無い仕様である。
    • スーパーファミコンのバーチャルコンソール価格は800円だが、本作は丁度それら4つ分程度の値段で販売されており、ちょっと割高。
    • 値段が微増した点についてはサントラやブックレットも入っているためでもあり、貴重な資料がおまけとついているのだから一概に損と切り捨てられるものでもない。おまけとはいえ内容が少々薄いという意見もないではないが。

総評(Wii)

ネット配信ではなくディスクメディアでのパッケージ販売であるため、バーチャルコンソールに由来する便利機能を使えない点は少々不便だが、原作をきちんと収録しており、サントラやブックレット等の豪華なおまけもついているため、値段はやや上がれど、損はさせないパッケージ作品となっている。