本項目ではFC版『スーパーマリオUSA』と、そのGBAリメイク版である『スーパーマリオアドバンス』を共に解説する。
判定はどちらも
良作
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【すーぱーまりお ゆーえすえー】
ジャンル | アクション | |
対応機種 | ファミリーコンピュータ | |
発売元 | 任天堂 | |
開発元 |
任天堂 エスアールディー |
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発売日 | 1992年9月14日 | |
定価 | 4,900円(税別) | |
プレイ人数 | 1人 | |
セーブデータ | なし | |
レーティング |
CERO:A(全年齢対象) ※バーチャルコンソール版より付加 |
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配信 |
バーチャルコンソール 【Wii】2007年8月10日/500Wiiポイント(税5%込) 【3DS】2012年11月28日 【WiiU】2014年3月19日/上記共に500円(税5%込) |
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判定 | 良作 | |
ポイント |
別タイトルのキャラをマリオに差し替えた異色作 海外版ではシリーズ本編『マリオ2』扱い 持ち上げて投げる独特のアクション 本作から誕生した各キャラ定番の要素も |
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マリオシリーズ・関連作品リンク |
本作はマリオシリーズの1作だが成立までの経緯が少々特殊な作品で、もともと純粋なシリーズ作品として制作されたものではない。
かつてフジテレビが主催した万博風イベント『コミュニケーションカーニバル 夢工場'87』の宣伝のために任天堂とのタイアップで制作され、1987年に発売されたディスクシステム用アクションゲーム『夢工場ドキドキパニック』を原作とし、キャラクターをマリオシリーズに置き換えた、いわゆるガワ替え移植作となっている。
ディスクシステム版『スーパーマリオブラザーズ2』が未発売となっていた欧米(*1)において、初代『スーパーマリオブラザーズ』の正式な続編として『SUPER MARIO BROS. 2』のタイトルで1988年に発売されたものを、改題の上で日本国内向けに逆輸入したものが本作『スーパーマリオUSA』である。(*2)
これにより、日本と海外では『スーパーマリオブラザーズ2』の内容が全く異なるというややこしいことになっている。
そのため日本での発売は北米版から4年後と大きく遅れ、既にスーパーファミコンの発売後となり、国内最後のファミコン用マリオシリーズとなった。
『スーパーマリオブラザーズ』の開発スタッフによる作品で、プロデューサーの宮本茂、音楽の近藤浩治を始めとしてスタッフが共通している。
ある晩、マリオは不思議な夢を見ました。
上の方にある扉へと続く、長い長い階段の夢でした。
扉を開けると、いままで見たこともない世界が見渡すかぎり広がっていました。
耳をすますと、かすかに声がします。「夢の国、“Subcon(サブコン)”へようこそ。
私たちはマムーに苦しめられ、国中にひどい魔法をかけられているのです。
あなたが来てくださるのをお待ちしていました。
マムーを倒してSubconをもとの姿に戻してください。
現実の世界でマムーがあなたにかけた呪いは、夢の世界では効果がありません。
いいですか、マムーは野菜が苦手だということを覚えておいてください。どうか私たちを助けてください!」この声と同時に、マリオの目の前に稲妻が走りました。
マリオはびっくりして足をすべらせ、ひっくり返ってしまいます。
はっとおどろいて目が覚めると、ベッドから起きあがっていました。
頭をすっきりさせようと思い、マリオはこの不思議な夢のことをルイージとキノピオとピーチ姫に話しました。
なんと、他の3人も同じ夢を見たというのです。その後マリオたち4人が、近くの山にピクニックに出かけたときのこと。
目的地に着いて、あたりをながめると、近くに小さなほら穴がありました。
ほら穴に入ると上へ上へと続く階段がありました。
これは4人が夢で見たものとまったく同じです。
みんなで階段をいちばん上まで登ると、そこにも4人が夢で見たものと同じ扉がありました。
そして4人が、おそるおそる扉を開けてみると……
驚いたことに、4人が夢で見た世界が目の前に広がっていたのです。
(説明書より)
上述の通り、元々は別のゲームが原作であるため、他の『マリオ』シリーズには存在しない、本作独自の要素が多い。
オリジナル版からの変更点
マリオシリーズとは別物のゲームが原作ゆえ、アクションや雰囲気はシリーズの中でもかなり毛色が異なる異色作だが、開発スタッフがマリオシリーズと共通しているだけあってアクションゲームとしては良質で骨太な出来栄えになっている。いつものマリオと異なる新鮮な感覚で楽しむことができるだろう。
+ | ... |
+ | ネタバレ注意 |
詳細は『スーパーマリオコレクション』の項目を参照。
【すーぱーまりおあどばんす】
ジャンル | アクション | ![]() ![]() |
対応機種 | ゲームボーイアドバンス | |
発売元 | 任天堂 | |
開発元 |
任天堂 エスアールディー |
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発売日 | 2001年3月21日 | |
価格 | 4,800円(税別) | |
プレイ人数 |
【GBA】1人(マリオブラザーズは1~4人) 【WiiU】1人 |
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セーブデータ | 3個(EEPROM) | |
レーティング |
CERO:A(全年齢対象) ※バーチャルコンソール版より付加 |
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周辺機器 | GBA専用通信ケーブル対応 | |
配信 |
バーチャルコンソール 【WiiU】2014年7月16日/702円(税8%込) |
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判定 | 良作 | |
ポイント |
GBAロンチタイトルの1つ 『スーパーマリオUSA』+『マリオブラザーズ』を収録 |
ゲームボーイアドバンスのロンチタイトルの一つ。パッケージに記載がある通り『スーパーマリオUSA』と『マリオブラザーズ』の2本を収録したカップリング移植である。 『スーパーマリオUSA』は『スーパーマリオコレクション』でリメイクされたバージョンを元にしているものの、ゲームボーイアドバンスの機能を知らしめるための実験作のような役割もあってか、巨大キャラやボイスの追加など様々な本作オリジナルの追加要素があり、純粋な移植というよりはリメイクに近い。
様々なハードに移植・リメイクが行われている『マリオブラザーズ』は、移植したハードによってオリジナル版とは異なる独自の要素やアレンジが存在し、本シリーズでもその特徴が見られる。
基本的なゲーム内容に変化はなく、それでいてやり込み要素を始めとするボリュームもしっかり増えている。
一方でマリオアドバンスシリーズ最初期の作品という事もあってか、オリジナル版からアレンジされた要素が複数存在しており、オリジナル版に慣れ親しんだプレイヤーだと引っかかりを覚える部分が多いかもしれない。
マリオコレクションベースの移植版は現在のところ、アドバンス版かWii版の『マリコレスペシャルパック』かしかでていない。携帯機で手軽に遊びたいのならばこちらを、マリコレ版に忠実な作風のゲームを遊びたいならWii版を選択するのがよいだろう。
*1 欧米ではディスクシステム自体が未発売だった。
*2 日本における『2』はスーパーマリオコレクションの海外版に『The Lost Levels』のタイトルで収録されたことにより海外初お目見えとなった。
*3 それぞれ『夢工場』のイマジン・ママ・リーナ・パパに対応。
*4 夢工場ドキドキパニックでは、絵本の中の世界「夢宇界」が舞台であり、イマジンファミリーの双子の兄弟ピキとポキが本の取り合いをして最後のページを破いてしまったため、破かれたページにあたる7-3が存在しないという設定になっている。
*5 クリア人数が4人未満ではマムーに囚われた妖精を解放した時点でエンディングが中略される。
*6 原作ではそのチャプターのボスは「ドン・チュルゲ」との3度目の対決だった(地形が変わっているので以前より難易度が上昇している)。
*7 ポーズをかけ、2Playerコントローラーで上・A・Bを同時に押し、ポーズを解除するとキャラが強制的にミスとなる。
*8 この描写は沢田ユキオ氏の漫画『スーパーマリオくん』で公式に先んじて登場しており、それを逆輸入したものと思われる。
*9 公式画ではかなり異なるとはいえ、ゲーム中のドットからではさほど大した変化は見えないが。
*10 草が多く生えているので場所自体は分かりやすい
*11 攻略本でも「このエリアはきのこが一つしかない」と誤解されていた。
*12 リメイク版の『スーパーマリオコレクション』収録のものや『スーパーマリオアドバンス』では倒せるようになった。
*13 更に「ドアを開けないとカギが手放せない」という仕様上上記の手段が使えず、半永久的に追いかけ回されることになる……と、地味に凶悪化している
*14 こちらもオリジナル版や原作の『夢工場』では「ドン・チュルゲ」がボスだったチャプターで登場する。
*15 外見や足場になる要素含め『ヨッシーストーリー』のニョロロンが一番近いが、同作にはこのような「乗ると動く」タイプの物はいなかった。