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DJMAX RESPECT - (2020/06/24 (水) 14:29:49) の編集履歴(バックアップ)


DJMAX RESPECT

【でぃーじぇいまっくす りすぺくと】

ジャンル 音楽ゲーム
対応機種 プレイステーション4
発売元 【海外版】Neowiz
【日本版】アークシステムワークス
開発元 Rocky Studio
発売日 【海外版】2017年7月28日
【日本版】2017年11月9日 
定価 【パッケージ版】5,184 円
【DL版】4,800円
プレイ人数 1~2人(オンライン:2人)
レーティング CEROB: (12才以上対象)
判定 良作
ポイント デフォルトで150を超える豊富な楽曲数 
4ボタンから8ボタンまで幅広いプレイスタイル
従来ファンは嬉しい過去作からの大量移植 
音ゲー初心者やシリーズ未経験者には配慮不足

概要

韓国産音楽ゲーム「DJMAX」シリーズで初の据え置き機専用タイトル。
今作はかつてPSPで発売された『DJMAX Portable』『DJMAX Portable 2』の楽曲に完全新曲を加え、ブラッシュアップを図ったリブート/集大成作。
タイトルのRESPECTはシリーズの歴史と従来のファンへ向けてのものと製作陣は語っており、旧作からの復刻曲の多さやビジュアルギャラリーなどにその姿勢が現れている。


特徴

システム

  • 上から降ってくるノートに合わせて特定のボタンを押す、KONAMIのBEMANIシリーズと似た形式の音楽ゲームである。
    • アーケードの『DJMAX TECHNIKA』シリーズでは独自路線を展開していたが、今作では従来どおりの縦降り型。
  • ノートを拾い損ねると「BREAK」になってHPゲージが減る。ノートを拾うと少し回復するが、BREAKが多すぎるとHPが無くなってゲームオーバーになる。
  • DJMAXシリーズの特徴は、タイミング判定が10%刻みで非常に細かく設定されていることにある。
    • 完璧なタイミングで拾えればMAX 100%だが、タイミングのズレ具合で%がどんどん小さくなっていき、大きく外れるとMAX 1%となる。BEMANI系の「BAD」判定に相当するが、コンボは途切れない。
  • ロングノート ...ノート終点までボタンを長押しする。押し続けるとコンボもどんどんカウントされるが、本作はスコアと達成率は始点と終点のみ計算される。
    • 離すタイミングもしっかり判定されている。早すぎるとBREAK判定になるが、終点を過ぎても押しっぱなしにしているとコンボこそ切れないがMAX 1%扱いになる。
  • アナログノート ...左右のアナログスティックを使って拾うロングノート。レーンの右/左半分を覆う形で降ってくる。
    • 旧作にも登場したノートだが、本作ではアナログスティックを左右の二本使用する。
    • 解説書には「回し続ける」とあるが、旧作と同じくスティック倒しっぱなしでもOK。ロングノート同様終点時も判定される。
    • 低難易度ではアクセント程度にしか使われていないが、高難易度になると他のノートと絡めて出現してくる。

プレイスタイル

  • 4・5・6・8ボタンのスタイルが各曲に用意されている。難易度は★1~15までの15段階。
    • 全ボタン数でアナログノートが出現する譜面が存在するため、厳密には表記+2つ分のレーンが存在することになる。
    • 8ボタンは6ボタンにL1・R1トリガーを使用する赤色ノートが追加されたもので、旧作の6BFXと同じ。類例としてはSOUND VOLTEXシリーズのFXチップ配置をそのままに、BTが6つになったようなもの。
  • 譜面は難易度毎に「NORMAL」「HARD」「MAXIMUM」の3つがあるものの、全ての曲&ボタン数にその3つが存在するとは限らない。
    • 例えば「End of the Moonlight」という曲では、MAXIMUMまで3つあるのは4ボタンと6ボタンの2モードだけで、それ以外はHARDまでの2譜面。
    • まれにHARDだけ抜けている曲・NORMALしかないケースがあるものの、 どの楽曲でも大抵は全モードまとめて4~8譜面以上用意されている と考えて差支えはない。

ゲームモード

  • ARCADE ...ランダムに出現する楽曲リストから3曲を遊ぶモード。
    • 最初にボタン数を決め、その後60曲の候補から1曲ずつプレイ。3曲目まで完走すればゲームクリア。
      • 合計スコアが100万以上でスタッフロールが流れる。ただし、フィーバーを使わないと素点だけでは届かない。
    • 未解禁の楽曲も選択肢に出てくるため、どうしても解禁出来ない曲がある場合はこちらのモードで粘るとプレイ可能。
  • FREESTYLE ...制限なしで黙々とプレイできるメインのモード。
    • いくつかの楽曲はロック状態で選択できないが、レベルアップか特定ミッションのクリア、あるいはコレクションモードで確認できる解禁条件のいずれかを満たせばアンロックされてプレイできるようになる。
    • 2つコントローラーがあればこのモードでローカル対戦もできる。流れはオンラインと同じ。
  • MISSION ...指定された曲を連続でプレイし、ノルマを達成する上級者向けモード。
    • 各ミッションごとに条件(コース全体でのスコア・精度・最大コンボ数・BREAK数制限、曲ごとのフィーバー最高段階)があり、これを達成した状態で全曲完走するとクリアとなる。
    • ミッションが進むにつれクリア条件が厳しくなるだけでなく、手動FEVERや妨害系オプションの強制など、難易度が大幅に上昇していく。
      • さらに終盤では精度100%のパーフェクトプレイを要求したり、専用モードのXB*1が登場するなど、いわゆるエンドコンテンツのような扱いとなっている。
    • クリア報酬と実績があるものの、プレイ回数といった他の条件でも解禁できる救済要素がある*2ので、無理に挑む必要はない。
    • アップデートで到達済みならその曲だけを練習できるようになったため、専用譜面を無駄にやりこむこともできる。
    • 過去作DLCを購入するとそのDLC曲を使ったミッションパックが追加される。この中には過去作を意識した専用モードや専用譜面が含まれており、完走クリア直後にボーナスビデオが流れるミッションがあるなど、プレイバリューはそこそこ。
      • 特に複数のDLCを揃えると出現する「LINK DISC」ミッションはトッププレイヤー級の実力を要求する超高難易度で、最終ミッションクリアで解除される実績は0.1%の超レアと化している。
  • ONLINE ...オンライン上の他プレイヤー1人と一緒にで楽曲をプレイするモード。
    • 本作では1P→2P→1P…の順番で好みの楽曲を選択しプレイを開始する形式に。プレイヤーは互いに自分の力量にあわせて譜面やプレイスタイルを変更できる。
      • このとき、自分が購入しているDLC曲を選択可能。相手はDLCを未購入でも譜面は好きなものを選んで遊べる。
    • フィーバーシステムの影響で、譜面が違うとスコアにも差が出てしまう。よって対戦の体裁をとってはいるものの、勝負度は薄い。ガチ勝負をするなら、譜面を合わせるか両者FEVER OFFで遊ぶことになる。
    • 勝敗数は記録されないので部屋を抜けると消える。よって勝ち負けをあまり気にせず遊ぶことができる。
  • COLLECTION ...アートワークやムービーなどを閲覧できるモード。
    • 総プレイ回数、実績および解禁要素の進捗状況などといった個人の詳細記録も確認できる。オンラインで使うプロフィールの変更もここで行う。
    • 今作のアートワークはコンセプトアートや原画・絵コンテなどの制作資料も含まれ、従来よりボリュームが上がっている。
  • RANKING ...アーケードモードや曲・譜面ごと・全譜面総計のスコアランキングを閲覧できる。

オプション

  • SPEED ...音楽ゲーム定番のオプション。
    • 0.25刻みでx0.5~x5まで存在する。BPMに対する掛け算形式で、例えばBPM150の楽曲にx3を適用した場合とBPM200の楽曲にx2.25を適用した場合でノーツの落下速度が同じになる。
    • 楽曲の途中でも変更可能であり、アップデートによって楽曲毎にスピードオプションが保存されるようになった。
  • FEVER ...DJMAXシリーズお馴染みのオプション。
    • 後述するFEVERモードを設定できる。全自動のFEVER AUTO、手動で発動するFEVER x5、FEVER OFFの3種類。
    • 自動手動に大した差異はない。一部の譜面で手動のほうがスコアを伸ばせることもあるが、基本的に自動固定で問題ない。
    • ミッションで手動を強制されるものが多いため、多少は操作に慣れておいたほうがよい。
  • FADER ...FADE IN、FADE OUTなど、ノートの表示に関わるオプション。
    • BEMANIシリーズのHIDDEN・SUDDEN系に相当する。これが強制セットされるミッションがあるため慣れておくとよい。
  • CHAOS ...適用するとノートの落下速度が変則的になるオプション。
    • 特にボーナスがないためハンデ用ぐらいしか使い道がないものの、やはりこれが強制されるミッションがある。
  • 譜面を左右反転させたり、ランダムにするオプションは本作では無くなったため、いわゆる正規譜面のみとなる。
  • 従来のシリーズにあったキャラクター装備などによる補助効果は本作にはない。

評価点

豊富な収録楽曲数

  • 公式の最大級という謳い文句通りver1.21現在デフォルトでは 159曲 が収録されており、シリーズは勿論、他の家庭用の音ゲーと比べても最大規模の収録数を誇る。
  • かつてPSPで発売された『Portable』『Portable 2』で収録された曲に新曲を加えたもの。さらにそれ以降の過去作品の曲や、他社ゲームとのコラボパックもDLCとして配信されている。
  • 現在は12種のDLCが配信されており、それら全てを購入した場合 300曲 を超える楽曲がプレイ可能になる。
    • 加えて、4ボタン~8ボタンの4スタイルと各難易度を全て合わせると譜面の総数は3000に迫る。
  • 基本的にはボタン数が多いほど敷居が高く、高難易度。ただし、4Bや5Bでも上位譜面は6B/8Bと大差無い密度で降ってくるため、初心者専用というわけではなく、難易度の幅は想像以上に広い。
    • 高難易度ほどより密度が高いのはどのボタン数も同じだが、5Bは中央の連打やロングノートの処理、8BはL1R1との複合ノートなど、ボタン数の大小以外にも特色を持たせてある。
    • この様に、ボタン数の大小がそのまま単純に難易度と結びつかない点はDJMAXシリーズの特徴の一つとなっている。

楽曲

  • 楽曲の出来については個人差はあれど、概ね高評価。
  • 韓国制作と聞くといわゆる「K-POP」を連想しやすいが、日本人作曲家も多数参加しており、意外とそういった楽曲は少ない。
  • ジャンルはポップソングやトランス系など音ゲーの定番となっているジャンルから、ハウスやヒップホップ調の楽曲など現代の音ゲーには珍しくなったジャンルの楽曲も多く収録されている。
  • 特に黎明期の名曲とされている「風にお願い」「Blythe」「Memory Of Beach」「Seeker」「SIN」「Oblivion」「Sunny Side」などがまとめて収録されている。シリーズのファンは懐かしさに感慨を覚えるだろう。
  • 新規製作分については過去のシリーズに関わったベテランと新参の手堅いメンバー構成で、シリーズの血脈を継承しつつも流行を取り入れた新曲となっている。
    • 十数年ぶりのカムバックとなった作曲家もおり、この辺も昔からのファンには嬉しいところ。

キー音

  • 歴代DJMAXシリーズでは音楽ゲームでは珍しく「キー音」と呼ばれるシステムが搭載されていたが、本作でも健在。
    • これは楽曲内で一部の音がノート側に割り振られていて、プレイ中タイミング良くボタンを押してノートを処理していくと楽曲が完成するというシステム。楽曲を自分で演奏しているような感覚が得られる。
    • キー音がある音楽ゲームはBEMANI系を除けはほとんどなく、キー音がないタイプが標準的となりつつある時世、本作は貴重な存在といえる。

BGA

  • 各曲にはそれぞれ固有のムービーが用意されており、上述した約300曲全てにおいて 使いまわしはほとんど存在しない
  • アニメーション、実写、3Dなど表現方法は様々。各曲ごとに個別の世界観を構築しており、印象深くさせることに成功している。
  • 本作収録の旧作BGAは解像度1280x720/60fpsでリマスタリングされ、過去に発売された作品よりも絵がハッキリ見えるようになった。
  • オープニング曲でもある新曲「Glory Day」のBGAは過去曲のMVに出たキャラ・構図・グッズなどシリーズネタが詰まった内容で、ゲーム起動直後から最大限のファンリスペクトを以て迎えてくれる。
  • BGAはその曲を1回ノーミス(MAX COMBO)でクリアすることでコレクションモードで鑑賞できる。譜面は問わないので4BのノーマルでOK。5B/6B/8Bのほうが譜面難易度が低い曲もあるのでそっちをあたるのもいい。

譜面

  • 譜面は全て新規製作で、PS4での発売となったためDUALSHOCK4でのプレイを前提にしたものとなっている。
  • 高難易度になると密度と共に同時押しや指を滑らせる動きを要求する難配置が増えてくるが、それらもDS4で全て捌けるようにデザインされており、不可能ではない。
    • ハードウェア的に不可能な、←と→の同時押しは絶対に出てこないなど十分テストプレーがなされている。
      • 5ボタンのみ全押し配置が出現するものの、こちらは←↑+□△〇で押せる。

充実したファンサービス

  • 過去作からの多数の楽曲移植やBGAの設定画公開など、従来のファンにとってはたまらない要素が多数存在する。
  • いくつかの楽曲には隠しBGAが存在し、選曲時にランダム低確率で出現する。出現した状態で通常版同様MAX CONBOできればコレクションで閲覧できる。
    • 内容は旧作で使われていた差し替え前ムービーがほとんどだが、まれに差し替えのために作られた新ムービーや未使用版、はたまた絵コンテになる曲も存在する。
  • ゲーム内のテーマスキンを切り替える機能があり、旧作のテーマにするとBGMも旧作のものになる。BGMは当時のスタッフが手がけており評価が高いものの、ほとんどが音源化されていないためこうして日の目を見たのは嬉しい。
    • コラボDLCのテーマスキンも存在するが、こちらも中々手の込んだつくりとなっている。

賛否両論点

BGAのクオリティの差が大きい

  • DJMAXシリーズは2008年の「Clazziquai Edition」でBGAの方式が変わってクオリティが急上昇した経緯があるため、それ以前の古い形式*3で作られた楽曲のBGAは、どうしても見劣りしてしまう。
    • ゲーム中の区分では「Portable 1」「Portable 2」「Trilogy」「Emotional Sense(Online)」が該当する。
    • 特に「Portable 1」は2004年の「Online」が初出の曲を多く含むため、(好みによるが)今見るにはかなりキツイ絵柄のBGAが少なからず存在する。
    • よって本作は(デフォルトでは)最古のBGAが中心に収録されているものと新作のBGAが混在しているため、クオリティのムラがかなり極端になっている。慣れ親しんだ往年のファンはともかく、新規プレイヤーはその差が気になってしまうだろう。
  • 一部リメイク・新規製作されているBGAもあるものの、ほとんどはリマスタリング止まりである。
    • リマスタリングしたものは、解像度もFPSも上がって滑らかに動くようにはなったが、演出力を埋めるほどには至っていない。
  • そうでなくとも、強烈だったり奇抜に走り過ぎたりと癖が強過ぎて人を選ぶものもそれなりにある。
  • 幸い、アップデートによりBGAを非表示できるオプションが導入されている。見たくない場合はカットすれば良い。
  • ただし本作は資料的価値もある作品なので、初期の頃の曲・BGAの多くを収録した事自体は評価点にあたる*4

フィーバーモード

  • DJMAXシリーズ恒例のシステムで、ハイスコアを出すには避けては通れない要素。
  • ノートを処理するとFEVERゲージが溜まっていき、ゲージ一杯で発動。フィーバー発動中はコンボ数のカウントが2倍になる。時間制限があるが更にフィーバーを重ね掛けすればずっと維持することができ、上限倍率はFEVER x5(5倍)。この状態では1つのノートでコンボ数には5つ分としてカウントされる。
    • フィーバー発動中にミス(BREAK)を出すとフィーバーモードが強制終了する。よって発動後はノーミスでプレイしていくことになる。
    • 本作のスコア計算式は基礎点30万点+コンボ数ボーナスなので、フィーバーを切ってプレイするとコンボ数が増えずスコアが大幅に低下する。
  • フィーバー発動中はコンボ数が凄まじい勢いで増加していく。これがプレイ中の爽快感に繋がっているのだが、いくつか問題点もある。
    • 一度でもミスすればフィーバーが終了してコンボも切れてしまう。こうなるとスコアが大きく落ち込んでしまうため、 ミスした瞬間負けが確定したり、ミッションクリアが絶望的になったり とゲームバランスが大味になってしまっている。
      • よってノーミスで曲をクリアできることがゲームデザイン上でも前提となっており、やや異質な判断基準である。
  • FREE STYLEでは曲をまたいでコンボ数を引き継ぐことができ*5、この累積コンボ数で解禁される 実績 もあるのだが、なんと 100万コンボ超
    • 楽曲解禁に累積コンボ数が絡むものがある。例えば「Nightmare」は 20万コンボ超 を要求してくる*6
    • 中級譜面でフィーバーを常時発動してノーミスクリアしても1曲2000~3000コンボ程度しか溜まらない。よってフィーバーを切ってプレイする選択肢はまずあり得ず、ノーミスで何十回もクリアする必要が出てくる。これにより「FREE STYLE」なのに遊べる楽曲や譜面、ボタン数が大幅に制限される不可解な事が起きる。低難易度の譜面を選びがちだが低難易度ではノート総数が少ないため、累積コンボが増えにくいジレンマがある。
    • 不評だったのか、アップデートにより設定画面で蓄積コンボ数を一時保存して中断できるようになった。またコンボが切れてもRESTART→曲開始前にMUSIC SELECTでコンボ数を維持したまま離脱できる。ただしゲーム中ロクな説明がないため気付きにくい。最終手段として、全曲&全ミッション解禁の有料DLC(税込1500円)を買う手もある。
  • 過去作には「アバター」系のアイテムがあり、ミスを帳消しにしたり(ANTI BREAK)、判定を緩くしたり出来たため、上述の問題点は特段気にはされていなかった。これらの要素が本作で削除されたことにより、初めて露呈した問題点と言えなくもない。
  • FEVER発動時、発動中のエフェクト演出が派手なため「目が散る」、「邪魔」だとする意見もある。

コラボDLCについて

  • 今作では過去作品だけでなく、他社作品とのコラボレーション楽曲も有料DLCとして収録している。
    コラボ先 曲数 キー音
    GUILTY GEARシリーズ 3曲 有り
    ドールズフロントライン(少女前線) 3曲 有り
    GROOVE COASTERシリーズ 10曲 有り
    DEEMO 10曲 無し
  • コラボDLCそれ自体は「新鮮味がある」と概ね好評なものの、以下の問題点もあり賛否が分かれる。
  • DEEMOのDLCにはキー音が無い。BGAも1枚絵が少し動くだけで、DJMAXのコンセプトに合致していないと批判されることがある。
  • 「過去作の楽曲をDLCにして配信する」「DLCを出し切ってから新作に取り掛かる」としていた発売前の計画が、コラボDLCを横入りさせる形になったため遅延状態にあり、発売から2年経った2019年現在でも「Portable 3」「TECHNIKA TUNE」「RAY」「TECHNIKA Q」の過去作パックが未配信*7。更なるコラボとして「CHUNITHM」「ESTiMATE」が控えている上にPC版「DJMAX RESPECT V」まで発表されてしまったため、今後もますます計画が遅れていくと思われる。

問題点

全体的に説明不足なゲームデザイン

  • 今作PS4版にはチュートリアルが存在しない。確かに上から落ちてくるノートを下のラインに来たタイミングで押す、という音楽ゲームの基本さえ分かっていれば最低限遊べるが、DJMAX独自のフィーバーシステムや、ハイスピード変更に対してもロード時のTIPSでしか教えてくれない。
  • 特に音ゲー未経験者に、ハイスピードの必要性を説明なく理解するのは厳しいであろう。
  • 今回はシリーズファンをメインターゲットにしている為かもしれないが、過去作ではちゃんとチュートリアルが存在していた。
  • WEB取扱説明書も、システム面など必要最低限の解説しかしていない。

初心者お断りな難易度設定

  • 上述の説明不足もそうであるが音ゲー初心者への配慮がほとんどされていない。
  • まず★1~3の低難易度譜面の絶対数が少なすぎる上、イージー判定など救済措置もない。これではゲームオーバーの連続で初心者は投げ出してしまいたくなるだろう。
    • その低難易度譜面も密度こそ低いものの平気で左右に振り回したり、同時押しが出現したりと割と容赦がない。ノーマル譜面であってイージーではないから、ということか。

一部BGAが極端に眩しい

  • 特に名前が挙がるのは「My Alias」「NB Rangers -Returns-」「NB POWER」辺りだろうか。 ポケモンショックを起こすのではないかと思うほど フラッシュを多用する演出のため、フラッシュに弱いプレイヤーは注意が必要である。
  • リマスタリング作業のときに考慮しなかったのだろうか。その点を考えると批判は大きい。
  • アップデートでBGAの明るさを調整する機能とBGAそのものをOFFにする機能が追加されたため、一応回避は可能。

一部楽曲のキー音がない

  • 具体的には「Always」「Tok! Tok! Tok!」「Void」「『Deemo』DLCの全曲」「『Respect V』から逆輸入したNCSの3曲」が挙げられる。
  • 本作は他社コラボはもちろん、韓国SIEとタイアップしたプレステをひたすら褒め称えるDLC曲「Only On」*8にもキー音を付けるなど異常なまでのこだわりを見せているため、これらは異質である。
  • キー音がない曲は、主旋律やドラムパターンなど聞き取りやすい音だけで譜面が構成されているため、他の曲よりも遊びごたえにやや欠ける。
  • 「Always」は「マスタートラックを紛失した」ともっともらしい理由が説明されたが、それ以外の曲は特に説明はない。
    • 「Always」「Tok! Tok! Tok!」「Void」は親会社のNEOWIZ社がサービスしているゲームの曲なので、それ絡みの追加かもしれない。
    • 「Deemo」は発表から実装までかなり時間がかかっていたため、当初はキー音をつける予定があったのではないかと推察があった。

楽曲のソート機能が乏しい

  • ソート機能は作品別フォルダとアップデートによって追加されたFAVORITEフォルダ程度しかなく、まだまだ他のゲームに比べて充実しているとは言い難い。
  • 曲選択時も○曲ジャンプ機能がないのでボタン長押しでスクロールする必要がある。上述のように豊富な楽曲数が魅力なのだが、それゆえに楽曲の検索に時間がかかる。
  • 難易度別フォルダやアルファベット別フォルダなどは他の音ゲーでは定番のものであるため欲しいという意見は多い。

競技性が低い

  • 近年e-sportsの隆盛が著しいが、本作は対戦についての機能は簡素で、純粋な対戦ツールとして見ると難がある。
  • ゲーム内のキーコンフィグで他の指を使うようにコンフィグすると譜面難易度が下がってしまう。
    • デフォルト配置では親指に動きが集中しているため、密度の高まる高難易度では親指の筋力が求められるようになる。しかしコンフィグすると指の負担が分散し、難易度が下がるわけである。8ボタン以外では、↑と△ボタンをL1・R1ボタンに変える(例えば6ボタンでは←L1→□R1〇または←L1↓×R1〇)のがプレイヤー間では主流。
    • つまり デフォルト配置では相対的不利 になっているため、コンフィグプレイヤーとの対戦は完全にフェアな状態とは言い難い*9
  • また、DUALSHOCK4以外のコントローラーを排除できていない。例としてはコンバーター、アーケードスティックなど。これらを使うと、さらに難易度が低下する。本来e-sportsで入力デバイスは裁量が広くとられるものだが、今作ではDUALSHOCK4以外を使われると対戦バランスが崩壊することになる。

スコアシステムにバグがある

  • ロングノートを早めに押したり、遅めに離すことでコンボが過剰にカウントされる不具合があり、これを使うことで理論値を超えたスコアを出すことできてしまう。
  • 後発のPC版でもそのままだったため仕様かと思われたが、そちらは正式発売直前のギリギリのタイミングで修正された。
  • もっとも、今から修正するにはランキングの全リセットは避けられず、そうなれば多くの批判が出るのは明らかなため、やむをえないか。

判定調整機能が役立たず

  • 設定画面に「判定調整」があるが、これは嘘で全く調整してくれない。
  • 実際には判定ではなく「ボタンが押されてからキー音が鳴るまでの時間」を変える。変更すると曲とキー音のタイミングが不一致を起こして曲が滅茶苦茶になるため、いじらないほうが無難。
  • 音ズレ問題についてはDS4のステレオジャックから直接出力すれば大抵は解決するため、あまり気にはされていない。
  • PC版では「ノーツ出力時間の調整」と正しい説明に修正されている。

ゲーム容量が大きい

  • アップデートに全DLCのデータを含んでいるため、ゲーム容量が凄まじいことになっている。
  • オンラインでDLC未所持曲が遊べることとのトレードオフであるため仕方がないものの、DLCも全く持たずPSPlusにも加入していないユーザーにとっては無駄喰いでしかない。
  • 開発側も問題だと認識したのか、「TECHNIKA 3」DLC以降は譜面データだけでBGAはダウンロードしないようなった。ただしそれでも数GBあるため、あまり改善にはなっていない。

総評

シリーズとファンへのRESPECTというタイトルのもと豊富な収録楽曲・充実したプレイスタイル・多数のコレクション要素などを備え、過去最高クラスに充実した作品となったことは間違いない。
音楽ゲームという広い分野の中を見ても、家庭版の音楽ゲームが減少している今、これだけのクオリティを発揮しているタイトルは非常に貴重。
初心者に対して不親切なところは存在するものの、操作にうまく慣れれば圧倒的なボリュームでのめり込める作品なので、従来のファンには勿論、音楽ゲームが好きな人・興味のある人にもおすすめできる作品である。

余談

  • 本作のOP曲「Glory Day」や韓国版パッケ絵を手掛けたイラストレーターが、発売後ラディカル・フェミニストだったとして韓国のネットで炎上、降板した。
    • 発売直後の一部絵を除き、以降「Glory Day」絡みのイラストやBGAは全て別のイラストレーターが描いたものである。
    • なお公式Twitterは(「Glory Day」のBGAも含めた)全てのイラストを取り替えると発表しているが、その発表から2年が過ぎた2020年4月現在、BGAを取り替える動きはない。
  • その後Steamで、PC版となるDJMAX RESPECT Vが発売された。詳しくはそちらを参照。