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DOOM - (2022/06/12 (日) 10:18:32) の編集履歴(バックアップ)


DOOM / The Ultimate DOOM


DOOM

【どぅーむ】

ジャンル FPS(ファーストパーソン・シューティング) ASINが有効ではありません。
対応機種 MS-DOS
発売・開発元 id Software
発売日 1993年12月10日
プレイ人数 1~4人
判定 良作
ポイント FPSを爆発的に普及させた立役者
SFとダークファンタジーを融合させた独特な世界観
大量の敵を撃ちまくる爽快感
クオリティの高い疑似3D
話題作故に社会問題にも
DOOMシリーズ

概要

id Softwareの代表作であるFPS『DOOM』シリーズの第1作。
本作の1年前に発売された『Wolfenstein 3D』のエッセンスを引き継ぎつつ、SFとダークファンタジーが融合した独特な世界観や疑似3Dのマップなど多数の新要素を取り入れている。

当初はエピソード1のみを収録した体験版・MS-DOS用シェアウェアとして公開され、後にフロッピーディスク4枚組のパッケージ版でエピソード3までが販売された。
1995年には、『DOOM II』へと繋がる新エピソードを追加した完全版『The Ultimate Doom』(後述)が販売された。後発の移植版の多くはこちらがベースとなっている。

日本での知名度はやや低いものの、「FPS(ファーストパーソンシューティング)」というゲームジャンルを完全に確立した一作として、世界的に認知度の高い作品である。

ストーリー

火星に基地を構える軍事企業「Union Aerospace Corporation(UAC)」は、火星の衛星フォボスとダイモス間で秘密裏にテレポーテーションの実験を行っていた。
ある日、テレポーテーションのゲートが地獄と繋がってしまい、ゲートから大量の悪魔が侵入。基地の人間は大半が殺されるか、あるいはゾンビと化した。

テレポーテーション技術は悪魔に強奪され、ダイモス基地は地表ごと地獄へと消失。事態の収拾を図るUAC火星基地は、救援のためフォボス基地に海兵隊を派遣する。

防衛用の人員を宇宙港に残して内部へと侵入した海兵隊員だったが、圧倒的な力を持つ地獄の軍勢に襲われて瞬く間に壊滅。主人公の海兵隊員(ドゥームガイ)は救援部隊唯一の生き残りとして、ピストルを手に第二の地獄と化した基地からの脱出を目指す。

ゲームシステム

  • ストーリーはフォボス基地から始まるエピソード1「Knee-Deep in the Dead」、地獄の上空に浮かぶダイモス基地に移動したエピソード2「Shores of Hell」、悪魔が待ち構える地獄の地表に攻め込むエピソード3「Inferno」の3部構成になっている。
    • シェアウェア版及び体験版だとエピソード1のみ遊べるが、製品版では開始エピソードを最初から自由に選択可能。
    • 各エピソードは8+1(隠しステージが9番目)のステージで構成されている。それぞれのステージは内部名から慣例的に「E○M○」と呼ばれる(例:エピソード1・ステージ2=E1M2)。
    • エピソード間は別のゲームという扱いのため、ステージ8をクリアすれば一旦終了となり、武器やステータスを持ち越すことはできない(移植版では統合され通しプレイになっている場合がある)。
  • プレイヤーは道中の敵を倒しながら箱庭型のマップを探索し、「EXIT」と書かれたゴールのスイッチを目指す。
    • 扉には色のついたものがあり、扉の色に対応した鍵が必要。色は赤、青、黄色の3種類で、ステージによりカードタイプとドクロの形をしたタイプに分かれる。色の無い扉は普通に開けられるものもあれば、専用のスイッチを押すと開くものもある。
  • 敵は他の敵の攻撃が当たると時折怒り出し、攻撃を当ててきた相手に攻撃のターゲットを移す「同士討ち」を起こすことがある。
    敵の数が多く弾薬が不足しがちな高難易度では、まず同士討ちを誘うことで戦闘の負担を減らせる。
    同士討ちには法則があり、基本的に同種による発射弾の攻撃では怒らない。ただし、弾速の概念がない即着弾の攻撃にはその制限がなく、ゾンビ兵士など即着弾攻撃しか持たない敵は同種の攻撃でも同士討ちを起こす。
  • 視点の上下変更やジャンプはできず、敵が違う高さの場所にいる場合は自動で斜め方向に弾が飛んでいく(縦軸にのみ、非常に強いオートエイムが働いている)。
  • 残機の概念は存在せず、死亡するとすぐにステージの最初からやり直しとなる。その際所持武器と弾数は全て失われ、ゲーム開始時と同じピストル50発に戻されてしまう。
  • メニューから任意のタイミングでセーブおよびロードが可能。ただしどのような状況でもセーブが行えるため、残り体力や状況によっては死亡による武器ロストが避けられない(=詰む)危険性もある。

武器

  • 武器は8種類。ピストルと素手は最初から所持しており、それ以外は道中に落ちている武器を拾う必要があるが、死亡すると全て失ってしまう。
    素手とチェーンソー以外は弾薬を必要とする。近年のFPSと異なりリロード・装弾数の概念は存在せず、手持ちの弾が無くなるまで撃ち続けられる。
+ 武器一覧

素手
ナックルダスターを装備した素手でパンチを繰り出す。近接攻撃でリーチは短く、威力・連射速度ともに低い。
ただし「バーサクパック」を取得すると、そのステージが終わるまで一時的にロケットランチャー直撃分を上回る威力になる。

チェーンソー
素手と同じく近接攻撃。攻撃ボタンを押している間、素手と同じ威力の攻撃を高速で繰り出しており、怯みやすい敵を倒すのに適している。
特に遠距離攻撃を持たず怯みやすい「デーモン」や「スペクター」に有効。

ピストル
使用弾薬はbullet。初期装備の一つで、即着弾。キー押しっぱなしで連射していないときは視点の中央に確実に当たるほど精度が非常に良いが、連射速度は低い。
他の武器(特にチェーンガン)が手に入ると出番がなくなるが、狙いがかなりブレにくいという利点から、一部ギミックに使うことも。

ショットガン
使用弾薬はshell。ポンプアクションの散弾銃で、1回毎に7発の即着弾を発射する。
弾1つごとの威力は(ランダムのブレを除けば)一律なので、全部当てられる近距離で大ダメージを与えられるが、連射は非常に遅い。
弾が水平かつ適度に拡散する*1ため、カコデーモンといった横幅の大きい敵にはある程度離れていても散弾を全弾命中させやすいし、威力は落ちるが中距離で複数の敵を巻き込んだり、遠距離の敵を狙撃するといった使い方も可能。
前半は足回りを生かしてのメイン武器として活躍するが、後半になると複数の敵には隙の多さが、体力が多い敵には火力不足が目立つ。

チェーンガン
使用弾薬はピストルと同じbulletだが、ピストルの4倍近い連射速度を持ち、ショットガンにも負けない火力を持つ機関銃。
高い連射速度と弾速が売りの中盤向け武器で、中距離からの敵の掃討に最適な武器。長時間撃ち続けると狙いがブレやすいが、射撃後の硬直時間がないため、細かく連射を刻む使い方もできる。

ロケットランチャー
使用弾薬はrocket。敵や地形に当たると爆発する強力なロケット弾を発射する武器。
弾速が遅めなので動き回る敵には当たりにくいが、1発当たりのダメージはBFG9000に次いで高い。
さらに爆風は周囲の敵にも大きなダメージを与えるため、雑魚敵の集団にも有効。ただし、サイバーデーモンとスパイダーマスターマインドには爆風ダメージは無効化される(直撃のみが有効)。
爆風はプレイヤーも巻き込むため、離れて撃たないとプレイヤーにも致命的な被害が及ぶ。特に至近距離で自爆した場合、アーマーが0だと体力の最大128%が一瞬で消し飛んでしまう。

プラズマライフル
使用弾薬はcell。近接攻撃の2倍の単発威力を持つ青いプラズマ弾を連射する武器。チェーンガンよりも連射速度が高く、攻撃力もチェーンソーを一回り上回る上、弾道が全くぶれない。
cellはbulletより大量に持てるため後半でのメイン武器として十分な性能。
ただし、ロケットランチャーほどではないが弾速が遅め、単発ごとの威力のばらつきが非常に大きい、撃ち終わった後に長い硬直時間が発生する、cell弾薬の配置は比較的少ないといった欠点もある。

BFG9000
使用弾薬はcell×40。緑色の巨大なプラズマ弾を発射する、DOOMで一番威力の高い武器。
プラズマ弾自体がロケットランチャーの数倍の威力を持ち、そのうえ着弾後に特殊な爆発による強力なダメージが発生する。
着弾した瞬間に視界内の敵全体に大ダメージを与えられる他、決して自爆せず*2、密着して放つとボス敵ですら1~2発で倒す絶大な威力を誇る。
ただし、弾速・発射までがそれぞれ遅いうえ1回の発射でcellを40も消費するのが難点。
その強力さゆえ終盤の隠し武器扱いであり、シークレットエリア*3以外にこれを手に入れる方法はチートコマンド/コンソールコマンド以外に存在しない。
ちなみにBFGとは"Big Fucking Gun"、つまり“クソデカい銃”の略。

アイテム

  • 道中には武器以外にも多数のアイテムが落ちており、プレイヤーの助けとなる。
    一部を除き、ステージクリア時に表示されるアイテム取得率に影響する。
+ アイテム一覧

スティムパック/メディキット
赤い十字が描かれた救急箱。前者はライフを10%、後者は25%回復する。回復できる上限は100%までで、それ以上のライフだと拾うことはできない。
共にアイテム取得率には影響しない。

ヘルスポーション
ライフを1%増やす瓶。ライフが100%以上でも拾うことができ、最大200%まで増加する。

アーマーボーナス
アーマーを1%増やす兜。アーマーは残っている限りダメージを軽減するが*4、軽減したダメージ量によって減少する。アーマーが100%以上でも拾うことができ、最大200%まで増加する。

セキュリティアーマー/コンバットアーマー
緑のセキュリティアーマーは、ダメージを3分の1肩代わりするアーマー値を最大100%まで増加。青のコンバットアーマーは200%まで増加するとともに、アーマーが尽きるか緑のアーマーを取得するまでダメージ肩代わり率が2分の1に上がる。
共にアイテム取得率には影響しない。

バーサクパック
黒い救急箱。取るとしばらくの間画面が赤くなるが、 ゴールして次のステージに進むまでの間 素手の威力が10倍になる。さらにライフも100%まで回復する。

バックパック
全ての弾薬の最大所持数を2倍に増加させ、さらに各種弾薬を入手できるリュック。保有数2倍の効果は重複せず、エピソード終了まで持続する。弾薬の取得量はそれぞれ小弾薬アイテムと同じ。アイテム取得率には影響しない。

コンピューターマップ
ミニマップの全域が表示される。取得したステージでのみ有効。

対放射能スーツ
60秒の間画面が緑色になり、歩くとダメージを受ける床に入ってもダメージを受けない。

暗視ゴーグル
120秒の間画面が明るくなり、暗所でも視界が明瞭になる。

ソウルスフィア
不気味な顔が描かれた青色の球。ライフを100%増やす。ライフが100%以上でも拾うことができ、最大200%まで増加する。

Blur Artifact(透明の球)
赤と青をした球。60秒の間透明になり、敵の攻撃の狙いがズレやすくなる。

Invulnerability(不死身の球)
不気味な顔が描かれた緑色の球。30秒の間画面がネガポジ反転+モノクロ化し、無敵となる。

弾薬
bullet、shell、rocket、cellの4種類。それぞれで取得量の異なる大小2種類があり、大きい方は5倍分の補給となる。

マルチプレイ

  • ネット通信によるマルチプレイに対応しており、協力プレイやプレイヤー同士の対戦が楽しめる。
    ただし、通信コードがIPX/SPXという古いイントラネット向けのコードのため、現在は利用不可。
    • ネットコード周りをTCP/IPに変更するMODや、「Zdaemon」「Zandronum」などの有志による改造エンジンはインターネットによるオンラインマルチプレイが可能になっている。

評価点

  • よく練られたステージ構成とシステム
    • システム自体は非常にシンプルだが、各ステージの敵配置や仕掛けが凝っており、飽きることなく楽しめる。
      • 敵はただ進路上で待ち構えているとは限らず、時としてプレイヤーがキーを取るなど特定箇所を通ると、背後の部屋入口などに突然ワープ出現してくるステージもある。
    • 戦闘も単に撃って避けるだけに留まらず、敵に見合った武器を使用する、同士討ちを誘うなど状況に応じて戦術を考える楽しさがある。
  • 大量の敵をなぎ倒す爽快感
    • 操作性と動作ともに軽快。ゲームエンジンの制限によりfpsは35が上限であるものの、武器の切り替えも含め、あらゆるアクションがスムーズに行える。
    • ステージ内の敵が多く、難易度によっては一つの場所に10体以上の敵が群れていることも多い。それでも操作に影響が出ることは稀で、武器の強さも相まって敵を倒す爽快感が味わえる。
    • 本作の軽快な操作感が、ステージ内を激しく動き回るタイプのFPS、いわゆる「スポーツ系FPS」の基礎になったと言っても過言ではない。
  • クオリティの高い疑似3D
    • 本作のマップはいわゆる疑似3Dで構成されており、プログラムで高さの概念があるように見せかけているだけである。それでも違和感は少なく、全てのステージが平面的であった『Wolfenstein 3D』と比べると技術の進歩が窺える。
    • クロスヘアがなく縦に強いオートエイムがあるという仕様も、近年のFPSに慣れていると違和感を感じるかもしれないが、裏を返せば細かい狙いを必要とせず他の動作に集中できる利点がある。
  • 初心者から上級者まで幅広く楽しめる難易度調整
    • 難易度を5段階から選択可能、初心者から上級者まで幅広く楽しめる。敵の数は3段階だが、その内2段階には更に追加効果を施すか否かで分かれている。
      • 最低難易度の「I'm too young to die(死ぬには若すぎる)」は「Hey, Not too rough.(あまり激しくするな)」と同じ敵が少ないパターンに「被ダメージ半分」「弾薬アイテムの回復量2倍」がつく。FPS初心者でも余裕を持ってプレイできる。
      • 「Ultra Violence」は「Hurt me plenty(存分にやってくれ)」と比べても敵が大幅に増えており弾が不足しやすいが、要所要所で敵の同士討ちを活かして弾を節約していくことでシングルプレイ、かつ全ステージがそれぞれ初期状態(ピストル50発のみ)スタートでもクリアできるように調整されている。
      • 最高難易度の「Nightmare!」はマルチプレイを前提とした難易度で「Ultra Violence」準拠の敵増量に加え「敵の速度アップ」「弾薬アイテムの回復量2倍」「倒した敵が一定時間後に復活」がつき、敵配置やステージ構成を熟知していないとクリアすらままならない別次元の難易度となる。
        とはいえ、一人プレイでのクリアもすでに達成されている。
  • 豊富な隠し要素
    • 各ステージには「シークレット」と呼ばれる隠しエリアがいくつか存在する。これを探しながらマップを探索・攻略するのも醍醐味の一つである。
      シークレット内には強力なアイテムや先行入手できる武器が隠されていることが多く、見つければクリアが楽になる。
    • シークレットを見つける難易度はまちまちで、マップの形状から位置を調べられるものも多いが、場所は分かっていても入り方が分からない、場所がマップからでは分からない場合も多く、中には通常攻略では必要のないテクニックを使わないとたどり着けないものまで存在する。
    • シークレットの数はマップから確認可能。ステージクリア時には敵の撃破率・アイテムとシークレットそれぞれの回収率、経過時間とタイムアタック目標時間が表示される。
  • SFとダークファンタジーを見事にマッチさせた世界観
    • 当時としては他に例がない、近未来SFとダークファンタジーを融合させた独特な世界観が特徴であり、ゲームシステムと合わせて強烈な個性を放っている。
    • 世界観を分かりやすく表しているのがステージデザイン。フォボスの軍事基地を舞台としたエピソード1は大半が人工物で構成されているが、地獄に近づいたエピソード2ではゴシック調のデザインが混ざっていき、地獄そのものが舞台のエピソード3では石の城壁以外はマグマや血の池・肉の壁などいかにも禍々しい風景となる。
    • 敵のデザインも個性的で印象に残りやすい。
      • 特に悪魔ながら愛嬌のある顔をした「カコデーモン」や、体の一部が機械となったサイボーグの悪魔であり凄まじい火力を持つボスキャラ「サイバーデーモン」「スパイダー・マスターマインド」は本シリーズを代表する敵キャラとなった。
  • メタルとホラーの個性が入り混じったBGMと不気味感ありのSE
    • ロバート・プリンス氏が手掛けたBGMは、メタルとホラーが絶妙なバランスで融合されており評価が高い。
      • メインテーマの「At Doom's Gate」を初め、「Kitchen Ace (And Taking Names)」、「On The Hunt」、「I Sawed The Demons」などテンポの速い曲もあれば、「The Imp's Song」や「Dark Halls」といった不気味さを全面に押し出した曲もある。
    • SEも銃火器関連やモンスターの鳴き声がリアルで、臨場感を出している。
  • オリジナルのDOOMを作れる
    • DOOMが今もなお衰えぬ人気を持つ最たる要因。有志開発の専用ビルダーソフトを始め様々なツールを用いる事で、続編のDOOM II共々自分だけのオリジナルのDOOMが制作できる。
      単純にマップの構造のみならず、武器やアイテム、モンスターのグラフィック・挙動、BGM等々最低限のDOOMの下地以外のほぼ全てを改造する事ができ、中には凄まじいゴア表現を実現したものやぶっ飛んだ威力の兵器を大量投入したものまである。
    • このゲーム改造はスタッフの公認するところとなっており、その数たるや到底数えきれない程存在する。当然玉石混交だが、数あるWAD*5の中から秀逸なものをピックアップする企画が2004年から有志の手で開催されている。

賛否両論点

  • きつめのゴア表現
    • 当時のゲームとしてはゴア要素を前面に押し出しており、銃火器やチェーンソーなどのリアルな描写もあって暴力的な印象が強い。
      • 顕著なのが各キャラの死亡時。出血描写は当たり前、ロケットなどの爆発やBFGなど強力すぎる攻撃を浴びせれば全身がバラバラになる敵、普通に倒しても目玉や内臓を垂れ流して死ぬなどかなり生々しい死に方をする敵もいる。良くも悪くもインパクトが強く好みが分かれるところ。
      • マルチプレイぐらいでしか見る機会はないが、主人公の死亡スプライトも「頸動脈から血が吹き出し、首を押さえながら血の海に倒れ込む」という中々エグいもの。主人公もロケットやBFGでオーバーキルされるとバラバラの肉塊と化す。
  • 強調される悪魔崇拝要素
    • 上述のゴア表現と共に、主にキリスト教圏で問題とされた要素。当のゲーム内容こそ「地獄へ殴りこみ、悪魔たちを滅ぼす」と極めて明快な勧善懲悪ものだが、その悪魔たちの基地にはところどころにペンタグラムや山羊の頭蓋骨、儀式の跡といったヘヴィメタルの影響を受けた冒涜的な表現描写が抜かりなく満載されている。これが悪魔崇拝(サタニズム)を嫌悪する人々からの批判を招いた。
      • その反面、前作のような過激で強烈な内容を気に入ったid Softwareのファンには歓迎され、Jaguar移植版などでは宣伝広告にもサタニズムの文字が躍るようになった。結局批判によってその方向性が修正されることはなく、「人間 VS 悪魔」はDOOMシリーズの代名詞として定着した。

問題点

  • 環境によっては視認性が悪い
    • 当時のDOSの解像度は320x200であるが、この解像度では至近距離や遠方のグラフィックが粗くなり、状況が把握しづらい。動作を軽くするなどの目的で画面サイズを縮小させた場合はさらに顕著となる。
      後発の移植やGZDoom、Zandronum等の最新のソースポート(有志の手掛けた改良版エンジン)ではこれよりも高い解像度を選択可能で、一部の移植版はフルHD(1920×1080)に、GZDoomでは4K画質(4096×2160)にまで対応している。

総評

順当に発展した奥深いゲームシステム、シンプルながらも巧妙なレベルデザイン、独特で魅力的な武器・キャラクター造形、雰囲気にマッチしたBGM、そして何よりも優秀な疑似3D描画を90年代早期に実現した高性能なゲームエンジンとあらゆる面で完成度が高く、シリーズの原点にしてFPSというジャンルそのものの基礎を創り上げた名作。
その過激さゆえ社会的な議論も引き起こしているが、それもまた本作の人気による影響の裏返しである。

日本では当時一部の層にしか受けなかったものの、世界的な影響力の大きさとしてはゲーム史を語る上で欠かせない作品の一つと言える。



The Ultimate DOOM

【じ あるてぃめっと どぅーむ】

ジャンル FPS
対応機種 MS-DOS
Windows(Steam/GoG.com)
発売元 GT Interactive
【Steam】id Software
【GoG】Bethesda Softworks LLC
開発元 id Software
発売日 1995年4月30日
定価 【Steam】498円
配信 Steam/GOGにてダウンロード販売中
判定 良作
ポイント 『DOOM』完全版
新規エピソード追加
既存マップの構造も部分的に変更

概要(UD)

1993年の『DOOM』に、複数の追加要素を加えて発売された完全版。当時の発売は『DOOM II』も担当したGT Interactiveが行った。
開発自体にはオリジナル版のジョン・ロメロとアメリカン・マギーが参加し、元著名DOOM用WAD開発者であったジョン・アンダーソンとティム・ウィリッツの新メンバー2人によって開発・調整が行われた。

オリジナル版はApogee伝統のシェアウェア体験版を通じた通信販売方式だったが、本作では初めから店頭販売用のパッケージソフトとして発売された。
また、オリジナル版所有者向けにも『Ultimate』にアップグレードするパッチが配布された。

開発当初の名称は『The Definitive Doom SpecialEdition』であり、インストーラー起動時のデフォルトのインストールディレクトリ名などにその名残が見られる。


追加要素・評価点(UD)

新規エピソード追加

  • 『Thy Flesh Consumed』と銘打ったエピソード4が新たに追加。全9マップとなっており、合計マップ数は9×4=36と『DOOM II』を上回るボリュームに。
    • 新たに『DOOM II』で新登場したギミックが逆輸入されており、開錠に鍵が必要なスイッチ、高速で展開するドアなどが追加されている。またエピソード中盤にてBFG9000をシークレット外で手に入れることができる。
    • オリジナル版のクリア経験者を想定した内容であり、かなり歯ごたえのある高難度マップとして仕上がっている。特に難易度「Ultra Violence」ではカツカツの弾薬で戦うことになるE4M1から既に鬼門。

既存マップ調整

  • 当時デスマッチの主戦場であったE1M1に手が加えられ、新たに中庭を通じてスタート地点とゴール地点を繋ぐルートが追加。
    • これによりマップが円形となり、一本道の撃ち合いだったオリジナル版よりも対戦がしやすくなった。

問題点(UD)

互換性排除

  • エピソード4のボス死亡フラグ追加などでソースコードに微調整が加えられた結果、当時のいくつかのWADがIWADへの互換性を失った。
    • 有名なものでは映画『エイリアン』を題材にした『Aliens TC』などがこの弊害によって新バージョンの公開を行っている。
    • 現在世の中に出回っているほぼすべてのWADはこの対応後となる『DOOM II』か『The Ultimate DOOM』のどちらかの利用を前提としている。現在ではこの種の問題にぶつかる可能性はほぼない。
  • またこちらもさほど影響はなかったが、ロストソウルのバグ挙動を修正した結果、ロストソウルが出てくるマップのリプレイデータが再生不可となる現象も発生、スピードラン記録の集計などに影響した。

モンスター・武器の逆輸入はなし

  • 『II』の見所だった新武器や新モンスターの追加はなく、新規エピソードのボスもオリジナル版のラスボスであるスパイダーマスターマインドの使い回し。
    • 内容はほぼオリジナル版と同一であり、『II』ほどの進化を感じられる点はない。

ストーリーの矛盾

  • オリジナル版メンバーが開発にあまり関わっていないため、設定の整合性はあまり取れていない。
    • 本来オリジナル版のEP3エンディングにおいて、ラスボスを倒したドゥームガイは直後に地球へと転移し、『II』ではそのまま地球での戦闘を行うはずなのだが、その間のはずのEP4の情景はEP3で見られる地獄のそれに近い。
    • ステージクリア時に表示されていたステージ全体のマップはなく、エンディングも暗に『II』の宣伝をするだけと簡素であるため、おまけステージと言った雰囲気が消えていない。

総評(UD)

EP4も追加され、36ステージの大ボリュームとなったDOOM完全版。
後の複数の移植作品も本作を基準としており、Steam版などもこちらをDOOMとして発売しているため、目にする機会は比較的多い。

当初こそオリジナルとの互換性を巡って問題が噴出したが、現在は特に問題ではないため、気軽に購入し遊ぶことができる。
傑作シリーズの原点であるEP1~3、そして歯ごたえのある追加エピソードのEP4を両方楽しめる、お買い得な作品となっている。


移植

人気の高さと優れた内部設計から、『DOOM』が移植されないハードはないと言われる程公式・非公式問わず無数の移植作が存在する。
主なメーカー公認の移植作については以下の通り。

特に記載がない場合、括弧内は日本における発売日と販売会社を示す。

  • DOS/V版(1994年2月1日、イマジニア)
  • PC-98版(1994年12月1日、イマジニア)
    • いずれもMS-DOS版に忠実な移植。無印の移植だが、ファイル形式の違いからUltimate版へのアップデートは不可。
    • 日本向け移植としては珍しく日本語ローカライズが行われており、アイテム取得時のメッセージとエピソードクリア時のデモが日本語に訳されている。
  • スーパー32X版(1994年12月3日、セガ)
    • 家庭用ゲーム機初の移植であり、スーパー32Xのローンチタイトルの一つ。
      「1994年最大の問題作 君はこの恐怖に耐えられるか?」という挑戦的なキャッチコピーが特徴。
    • エピソード1と2の17ステージで構成され(エピソード2のステージ8のみカット)、これら全ステージを通しでプレイする形となっている。隠しステージ2つを除く全ステージの中から好きなステージを選んでプレイ可能。
    • 操作性に関してはMS-DOS版並に快適だが、BGMの迫力が薄い、解像度が低く遠方が見えにくい、エピソード2のボスとエピソード3が丸々消滅、同士討ちが実装されていないなど物足りない点も多い。
  • Atari Jaguar版(1995年2月17日、ムーミン/アタリ)
    • 全24ステージで、一部オリジナルのステージが含まれている。スーパー32X版同様、全ステージを通しでプレイする形である。
    • 動作自体はスーパー32X版より滑らかなのだが、Jaguarのコントローラー自体が操作しにくい形状なので、操作性があちらより優れているとは言い切れない。
    • ゲーム機本体の処理の都合上*6、全てのBGMが削除されている。
  • スーパーファミコン版(1996年3月1日、イマジニア)
    • MS-DOS版と同様にエピソード制を採用しており、カットされたステージはあるが全3エピソードを収録。スーパー32X版やジャガー版ではカットされたボスモンスター2種も登場。
    • スーパーマリオ ヨッシーアイランド』にも使用されている「スーパーFXチップ」の改良版に当たる「SUPER FX GSU-2(スーパーFXチップ2)」を搭載することで疑似3Dを再現している。
      しかし、グラフィックが粗く遠方がかなり見づらい、fpsが低く動きがもっさりとしている、ボタン入力に遅延が起きるなど、視認性と操作性に難がある。
    • BGMはSFCの音源に合わせたアレンジがなされており、原曲の激しさが再現されているとして好評。
  • プレイステーション版(1996年4月19日、ソフトバンク)
  • セガサターン版(1997年7月11日、ソフトバンク)
    • Ultimate版と『DOOM2』の同時収録。Ultimate版は全33ステージ(隠しステージ3つを含む)で、一部ステージのカットや変更のほか、オリジナルステージが追加されている。スーパー32X版やJaguar版同様、全ステージを通しでプレイする形である。
    • Jaguar版がベースではあるが、視認性や操作感が更に快適となり、MS-DOS版とほぼ変わりないレベルに。
    • 最大の特徴として、BGMがオーブリー・ホッジズ氏によるダークアンビエント調のものに一新され、同様に一新された重苦しいSEと共にホラー要素が強くなっている。
    • セガサターン版はプレイステーション版と同内容だが、動作のもっさり感が目立つ。
  • 3DO版(1996年4月26日、バショウハウス)
    • Jaguar版をベースにした移植作。BGMとしてオリジナルの曲をヘビーメタル調にアレンジしたものが使用されており、中々格好いい。
    • しかしその代償としてフレームレートが物凄く低い(15fpsすらまず行かない)。どうやら開発期間の短さによるものだった。*7
    • 国内では海外版に日本語マニュアルを付けたものが通販限定で販売された。発売時期が3DO末期であり、流通量が少なく非常に希少なソフトとなっている。
  • ゲームボーイアドバンス版(2001年10月26日、アクティビジョン)
    • 日本未発売。初の携帯機向け移植版。
    • ステージ構成はJaguar版と同じ24ステージ。
    • 解像度がSFC並に低いが操作性は快適で、携帯版SFC相当のスペックからすれば良移植と言える。
  • Xbox版(2005年、アクティビジョン)
    • 『Doom 3 Limited Collector's Edition』(日本未発売)に収録。
      Ultimate版の移植だが、解像度や音質が悪くバグが存在するなど移植度は低い。
  • Xbox 360(Xbox LIVE ARCADE)版(2006年9月27日、アクティビジョン→ベセスダ・ソフトワークス)
    • Ultimate版の移植だが、フルHDおよび5.1chサラウンド、実績などに対応。
    • 『DOOM3 BFG Edition』にも収録されている。
    • Xbox One版の配信に伴い、2019年7月に配信が終了した。360版を購入している場合、Xbox Oneに無料でインストール可能。
  • Windows(Steam)版(2007年8月4日)
    • ロゴはオリジナル版DOOMだが中身はUltimate版の忠実移植。MS-DOS版をそのまま収録しエミュレーター(DOSBOX)で動作させているため、ソースポートを利用するユーザーにとってIWAD目的で導入される。
      • 2020年9月5日のアップデートにてUnityソースポート版(下記のコンシューマー版と同一内容)が追加され、Unity版とオリジナルDOS版(Legacy Version)のどちらかを選択して起動できるようになった。
    • 続編である『DOOM2』、『Master Levels for Doom II』『FINAL DOOM』が同時収録された『DOOM CLASSIC COMPLETE』も販売されている。
  • プレイステーション4/Nintendo Switch/Xbox One版(2019年7月27日、ベセスダ・ソフトワークス)
    • Unity経由で動作する公式ソースポートと言ったところ。開発はNerve Softwareが担当。
      • システム面において近代的調整が加わっており、レベルセレクト機能や、エンディング後のスタッフクレジットの追加、クイック武器選択機能、アドオン機能(後述)などが実装されている。基本的にオリジナル版よりも快適に遊べるようになっているが、WADそれぞれのデータがBGMのみMIDIから録音(OGG形式)に差し替えられたためシームレスループが実現されていない、赤十字ロゴの規制(初期版はピル・後に緑十字に変更)という問題がある。
    • 『DOOM』名義だが、内容はUltimate版と同一。Xbox360版同様、フルHDおよび5.1chサラウンドに対応。
      さらに人数分のコントローラーがあればオフラインでマルチプレイが可能。
    • CERO:C (15歳以上対象)。本編のグロさからするとこの判定で済んだのは奇跡というべきか……。
      • ちなみに『DOOM2』はCERO:D (17歳以上対象)。
    • 配信当初はベゼスダのアカウントに登録しないと遊べない仕様に加え、BGMの再現度の低さによりユーザーから大きな反発を受けた。後日のアップデートでアカウントの登録が不要となり、BGMも改善された。
      • 2020年9月5日のアップデートで、ジャイロエイムへの対応、クロスヘア(照準)の表示、メニューからのチート実行、難易度Nightmareにおける敵高速化の復活、などの機能が追加された。
      • さらに、アドオン機能によって公式から配信されているWADを適用してのプレイも可能。『II』のWADも配信されており*8、他にも『FINAL DOOM』の『TNT:Evilution』と『Plutonia Experiment』まで収録している。
  • 『DOOM Eternal』収録版(2020年3月20日、ベセスダ・ソフトワークス)
    • 条件を満たすと、ゲーム中のとある場所で初代『DOOM』と『DOOM II』が遊べるようになるという隠し要素がある。内容に関してはXbox版や『BFG Edition』に収録されたものに準拠している。
  • この他、個人レベルの非公式な移植ではデジカメ、iPod、プリンター、関数電卓、カーナビ、ATM、オシロスコープなどありとあらゆる機器に移植されており、「It Runs DOOM」というインターネットミームが存在する様にモニターと十分なボタンさえあればどんなデバイスにでも移植されると海外ではネタにされる。流石にデジタル式妊娠検査キットの小さい画面で動く『DOOM』はガセっぽく見えるが。
    • 真偽は定かではないが、中にはピアノで操作できる様にした物や実際に走らせると車の運転とゲーム内の操作が連動するポルシェ、GZDOOMの中で動く『DOOM』なんて珍品まで制作されている。
      • 地球上に存在する全ての工業製品は『DOOM』が移植される余地がある!」と言っても過言ではない。
    • そして2020年、ファミコンのROM部分に小型PCである「Raspberry Pi」を搭載、プログラム処理はラズパイ、グラフィック処理はファミコンという分業でDOOMを稼働させたのも話題となった。
    • FM-TOWNSへの非公式移植を行った有志いわく「プログラムの機種依存部分が少なく、かつわかりやすくまとめられていた」とのこと。

続編

余談

  • id Softwareのゲームエンジンである「id Tech」の初採用作品。以後もテクノロジーの進化に伴いアップデートされ、今もなお同社の作品に名を冠している伝統のゲームエンジンである*9
    • 本作「id Tech 1(Doom Engine)」の時点では敵キャラクターやその死体、アイテムの画像はビルボード方式で描写されており、基本的にプレイヤーの位置に関わらず常に正面からの画像が表示される。
    • ただし、こちらに気づいていない敵キャラクターや同士討ち中の敵キャラクターは他の方向を向くこともあり、それら向けの画像も用意されているため、違和感が少なくなる工夫がされている。
    • 前作『Wolfenstein 3D』ではプレイヤーに向かって発砲する正面のグラフィックしか用意されておらず、同士討ちも発生しない仕様だったが、本作では全てのキャラクターの直立・移動・攻撃それぞれで8方向別々のグラフィックが用意されている。
    • なお、本作のキャラクタースプライトは粘土で造形された人形をベースにした手描き。クレイアニメーションのように動かしたものを画像として取り込んで使用しており、実際に使用されたマンキュバスなどの一部モデルは現在も映像を見ることができる。
  • ゲーム画面下のHUDには主人公の顔が表示されており、武器アイテムを取るとニヤつき、体力が減ると血まみれになるなど表情豊か。回復アイテムを拾えばケロッと元通りになるのもまたシュール。
    • この演出は前作の『Wolfenstein 3D』、遡るとさらなる原型となる『Catacomb 3D』から引き継がれた要素でもある。
    • プレイヤーの体力の状態を簡易的に表したステータスであるが、DOOMでは攻撃された方向を向くという要素もある。
  • エピソード1及び2の舞台である衛星フォボスとダイモスは、実在する火星の衛星である。
    • 直径はフォボスが約22km・ダイモスが約12kmと小さく重力も地球と比べ物にならない程低い為、作中の様な基地の建設は今の地球人類の技術では不可能に近い。
      • これを踏まえたのか『DOOM3』では火星そのものが舞台となった。一方『DOOM ETERNAL』ではフォボスが舞台の一つとして返り咲いた。
  • 90年代後半にソースコードがGNU General Public Licenseのもと公開され、ファンの手でゲームエンジンの改造が盛んに行われた。
    • インターネットの普及による配布のしやすさも相まって人気は爆発的に高まり、21世紀に入ってなお衰えることなく活動が続けられている。
      • 現在では、ゲームエンジン(ソースポート)としてはいくつかが存在するが、MODに関してはGZDoom(またはマルチプレイ向け派生版であるZandronum)、タイムアタックなどで再現性を重視する場合はPrBoom+やChocolateDoomが主流であるとされる。
      • このオープンソース版エンジンに対応し、かつ製品版Doomの著作権に触れるところを作り直した無料IWAD*10のひとつとしてFreedoom*11がある。一部のDOOM(GZDoom)エンジンで動作するゲーム(例:Hedon)はこれをベースにしている。マップやテクスチャ、キャラクターデザインは本家よりは劣ると言われるが、『I』と『II』に対応するPWADとの互換性を保っているため、試しにDOOMとそのMODゲームをやってみたい方は体験版的に導入するのも良いかもしれない。
  • 2005年に『DOOM3』を原案とした映画『DOOM』が公開された。
    • 但し主人公はドゥームマリーンではなく、敵も地獄の悪魔ではなく“人間の実験によって生まれたクリーチャー”となっている。
      • 主人公のリーパーを演じたのは映画『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズでエオメル役を演じたカール・アーバン氏。また、主人公の上官であるサージ役をかのロック様ことドウェイン・ジョンソン氏が演じている。
      • アメリカでは週末興行成績で初登場1位を獲得。翌年に日本でも公開されたが知名度の低さからか不振に終わった。
    • 2019年10月には『ドゥーム:アナイアレーション』が公開。世界観の繋がりはなく、またしても主人公はドゥームマリーンではないが、敵はちゃんと地獄の悪魔となっている。
  • ストロング国立演劇博物館が毎年選定する「ビデオゲームの殿堂(World Video Game Hall of Fame)」にて記念すべき第1回目の2015年の6つの候補から本作が選ばれた。
    • 選定の理由には「PC-DOS用のシェアウェアで公開された後にゲーマーの間で大流行し、FPSというジャンルのゲームをメジャージャンルに押し上げた作品」、「暴力的な描写が含まれているため、当時の批評家や政治家の中にはゲームの内容を批判する人もいました。いわゆる、ゲーム内の暴力的描写がプレイヤーに影響を与えるのではないか、と批判された最初のゲームであり、社会に与えた影響も大きかったとのこと」、「ゲームシステムが多くのゲームで採用され、FPSのスタンダードになったと言っても過言ではない」とある。
  • 総括にもあるように本作のゴア描写は社会的に問題視され、何かとマスメディアに取り上げられていた。
    • Mortal Kombat』と共に北米のレーティング機関であるESRBの設立に影響を与えたとよく言われているが、これは誤りで、実際は「Mortal Kombat」と同時に米国上院議会で槍玉に挙げられたのはセガCD版の『ナイトトラップ』である。*12
    • また、1999年に起きたコロンバイン高校銃乱射事件では、主犯の生徒二人のうち片方が本シリーズのWAD製作者だったことから証拠品として挙げられ、ゲームの暴力表現に関する議論や販売規制が行われるようになり、現在に至るまで続いていくこととなる。*13
    • 言うまでもないが、本作に罪は無い
  • 本作のゲームエンジンを使用したFPS作品で有名なものにジョン・ロメロがプロデューサーとして参加した、Raven Software開発による『Heretic』と『Hexen』があり、DOOMに対応した派生ソースポートはこれらにも対応していることがある。こちらはid Softwareがパブリッシャーとして販売したことや、根幹部分はDOOMを踏襲している部分から「ファンタジー版DOOM」などと言われることがある。
    • また、アメリカで現在も販売されている朝食向けシリアル食品である「Chex(チェックス)」の6~9歳児向けのプロモーションとして、1996年に『The Ultimate Doom』のトータルコンバージョンIWAD*14であり、残虐描写を完全に排除した『Chex Quest』が制作されており、キャンペーン期間中の商品にCD-ROMが付属する形で配布された。*15
  • 2019年5月にはRomero Gamesより、本作の第5エピソードに相当するマップを追加する『SIGIL』というWADが無料配信されている。マップデザインは、本作の開発者の一人でRomero GamesのCOOでもあるジョン・ロメロが担当。
    • EP4とEP5:SIGILでの舞台が「悪魔の侵略で地獄と寸分ない姿に変えられた地球の地域」であることが言及されている。