【どぅーむ】
ジャンル | FPS(ファーストパーソン・シューティング) | ![]() |
対応機種 | MS-DOS | |
発売・開発元 | id Software | |
発売日 | 1993年12月10日 | |
プレイ人数 | 1~4人 | |
判定 | 良作 | |
ポイント |
FPSを爆発的に普及させた立役者 SFとダークファンタジーを融合させた独特な世界観 大量の敵を撃ちまくる爽快感 クオリティの高い疑似3D 話題作故に社会問題にも |
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DOOMシリーズ |
id Softwareの代表作であるFPS『DOOM』シリーズの第1作。
本作の1年前に発売された疑似3DFPS『Wolfenstein 3D』のエッセンスを引き継ぎつつ、SFとダークファンタジーが融合した独特な世界観、そして非線形の複雑な形状を持つマップなど多数の新要素を取り入れている。
当初はエピソード1のみを収録した体験版・MS-DOS用シェアウェアとして公開され、後にフロッピーディスク4枚組のパッケージ版でエピソード3までが販売された。
1995年には、『DOOM II』へと繋がる新エピソードを追加した完全版『The Ultimate Doom』(後述)が販売された。後発の移植版の多くはこちらがベースとなっている。
日本での知名度はやや低いものの、「FPS(ファーストパーソンシューティング)」というゲームジャンルを完全に確立した一作として、世界的に認知度の高い作品である。
火星に基地を構える軍事企業「Union Aerospace Corporation(UAC)」は、火星の衛星フォボスとダイモス間で秘密裏にテレポーテーションの実験を行っていた。
ある日、テレポーテーションのゲートが地獄と繋がってしまい、ゲートから大量の悪魔が侵入。基地の人間は大半が殺されるか、あるいはゾンビと化した。テレポーテーション技術は悪魔に強奪され、ダイモス基地は地表ごと地獄へと消失。事態の収拾を図るUAC火星基地は、救援のためフォボス基地に宇宙海兵隊を派遣する。
防衛用の人員を宇宙港に残して内部へと侵入した海兵隊だったが、圧倒的な力を持つ地獄の軍勢に襲われて瞬く間に壊滅してしまった。プレイヤーは唯一の生き残りである海兵隊員(ドゥームマリーン/ドゥームガイ)となり、ピストルを手に第二の地獄と化した基地からの脱出を目指すこととなる。
+ | 武器一覧 |
+ | アイテム一覧 |
順当に発展した奥深いゲームシステム、シンプルながらも巧妙なレベルデザイン、独特で魅力的な武器・キャラクター造形、雰囲気にマッチしたBGM、そして何よりも優秀な疑似3D描画を90年代早期に実現した高性能なゲームエンジンとあらゆる面で完成度が高く、シリーズの原点にしてFPSというジャンルそのものの基礎を創り上げた名作。
その過激さゆえ社会的な議論も引き起こしているが、それもまた本作の人気による影響の裏返しである。
日本では当時一部の層にしか受けなかったものの、世界的な影響力の大きさとしてはゲーム史を語る上で欠かせない作品の一つと言える。
【じ あるてぃめっと どぅーむ】
1993年の『DOOM』に、複数の追加要素を加えて発売された完全版。当時の発売は『DOOM II』も担当したGT Interactiveが行った。
開発自体にはオリジナル版のジョン・ロメロとアメリカン・マギーが参加し、元著名DOOM用WAD開発者であったジョン・アンダーソンとティム・ウィリッツの新メンバー2人によって開発・調整が行われた。
オリジナル版はApogee伝統のシェアウェア体験版を通じた通信販売方式だったが、本作では初めから店頭販売用のパッケージソフトとして発売された。
また、オリジナル版所有者向けにも『Ultimate』にアップグレードするパッチが配布された。
開発当初の名称は『The Definitive Doom SpecialEdition』であり、インストーラー起動時のデフォルトのインストールディレクトリ名などにその名残が見られる。
新規エピソード追加
既存マップ調整
互換性排除
モンスター・武器の逆輸入はなし
ストーリーの矛盾
新エピソードについて
EP4も追加され、36ステージの大ボリュームとなったDOOM完全版。
後の複数の移植作品も本作を基準としており、Steam版などもこちらをDOOMとして発売しているため、目にする機会は比較的多い。
当初こそオリジナルとの互換性を巡って問題が噴出したが、現在は特に問題ではないため、気軽に購入し遊ぶことができる。
傑作シリーズの原点であるEP1~3、そして歯ごたえのある追加エピソードのEP4を両方楽しめる、お買い得な作品となっている。
人気の高さと優れた内部設計から、『DOOM』が移植されないハードはないと言われる程公式・非公式問わず無数の移植作が存在する。
主なメーカー公認の移植作については以下の通り。
特に記載がない場合、括弧内は日本における発売日と販売会社を示す。
*1 BFGの爆発ダメージは実際にはプレイヤーの位置から放射される大量の即着弾である。これによる即着弾は、例外的に単発威力も高い。
*2 E3M3のシークレットエリアのみ。
*3 ただし厳密にはこちらも122,713,351秒という時間制限がある。約1420日も同じステージに滞在し続けることなどないとは思うが
*4 DOOMのデータが一括で入っているファイルの事で、“Where's All the Data?”の略
*5 マップ6に関しては、エピソード4で最も難しいと声が挙がることも多い。
*6 地形の当たり判定と音楽の再生が同じプロセッサーで処理される仕様から並行処理が不可能なため。
*7 プログラマー1人でかつ10週間という短い期間の中での半ば突貫工事レベルに近い無茶な移植作業だったことが関係者の証言にある
*8 補足すると、『REKKR』にはSteamで有料で販売されているバージョン(REKKR: Sunken Land)があるが、これは第4エピソードが無料配布版とは別の物に置き換わった物で、無料配布版とは別物である。
*9 武器や敵などのシステムは上位互換である『II』ベースのため、適用しても不都合が生じることはない。逆に『II』のソフトで『I』のWADを適用した場合は全武器取得チートでスーパーショットガンを『I』のステージに持ち込めるようになる。
*10 各プラットフォームの『DOOM』もしくは『DOOM II』購入済みの場合、無償でダウンロードが可能。
*11 とあるソシャゲの「おしらせ」内にハイパーリンクが記述されていたため、それをフックしてWEBページ上で動くDOOMのサイトに飛ばしたもの(現在は対策済み)。なおこのゲームのイベントでは「あらゆる機器にインストールするBOOMチャレンジが流行っている」というネタがあり、逆に成功させたとも言われた。
*12 現在の最新版は2020年発売の『DOOM Eternal』で使われているid Tech 7。
*13 modの適用元となり、単独で作動するベースゲームパッケージ。反対にmodパッケージはPWADと呼ばれる。
*14 余談だがFreedoomはBSDライセンスである。
*15 ちなみにエピソード4(公式ではチャプター4表記)の『Double Impact』はCacowards 2011トップ10を受賞し、Unityソースポート版のアドオンとしても収録されている同名のWADを、マップの順序を一部変更して流用している。
*16 他にも『Quake』、『DukeNukem 3D』、『Postal』のファンであることを公言しており、この事件以降『Postal』が全米で発売禁止になった。
*17 要は大型Modの一種で、元のゲームからは基本的なシステムだけ残し、キャラやグラフィックなど全体部分を全くの別物に置き換えたものを指す。
*18 ちなみにその後2020年5月18日にUnreal Engine4でHDリメイクされた『Chex Quest HD』がSteamで無償配布されている。