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初代熱血硬派くにおくん - (2023/09/03 (日) 16:05:53) のソース

*初代熱血硬派くにおくん
【しょだいねっけつこうはくにおくん】
|ジャンル|アクションRPG|~|
//CENTER:&image(https://gamefaqs1.cbsistatic.com/box/9/2/6/39926_front.jpg,width=100)[[高解像度で見る>https://gamefaqs1.cbsistatic.com/box/9/2/6/39926_front.jpg]]&br;[[裏を見る>https://gamefaqs1.cbsistatic.com/box/9/2/6/39926_back.jpg]]|
//↑リンク切れ
|対応機種|スーパーファミコン|~|
|メディア|8MbitROMカートリッジ|~|
|発売・開発元|テクノスジャパン|~|
|発売日|1992年8月7日|~|
|定価|8,900円(税別)|~|
|配信|[[プロジェクトEGG>https://www.amusement-center.com/project/egg/]]:2010年12月14日/500円(税別)|~|
|セーブデータ|6個(バッテリーバックアップ)|~|
|判定|なし|~|
|ポイント|荒唐無稽な世界観と熱いストーリーが売り&br 戦闘民族、大阪人&br (リアルでもゲーム内でも)''おまえ ええどきょう してるやんけ''|~|
|>|>|CENTER:''[[くにおくんシリーズ]]''|
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#contents(fromhere)
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**概要
アーケードから始まり、ファミコンにおいて一時代を築いた『くにおくんシリーズ』のスーパーファミコン第1作である。~
第一作の『[[熱血硬派くにおくん]]』で暴走族やヤクザ相手に乱闘を繰り広げて((それ以外にはGBの『番外乱闘編』もデフォルメ絵だが同様の作風である。))以降は「ダウンタウンシリーズ」や「スポーツシリーズ」においてデフォルメ姿で様々なスポーツに精を出し健康的な不良として名を馳せていた「くにお」だが、今回は『初代』の名の通り1986年のオリジナル以来のリアル頭身での登場となる。それに伴い本作は「熱血硬派シリーズ」に含まれ、シリーズ生みの親の岸本良久氏がプロデューサーを務めている。
//-タイトルが紛らわしく、単純に「初代」と呼んでしまうと[[第一作>熱血硬派くにおくん]]と混同してしまう。明確に区別するなら「SFC初代」など機種が分かるように呼んだ方が良いだろう。

**ストーリー
>修学旅行で大阪にやってきたくにおたち熱血高校の面々。~
大阪から最近転校してきた「よしひろ」に街を案内してもらうという仲間たちと別れたくにおは、宿泊予定のホテルに向かう途中に地元の不良たちに襲われる。~
難なく撃退するが、なぜ襲われたかも分からないままホテルで休んでいると、今度はクラスメートのひろしが地下の駐車場で襲われていると聞かされる…。

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**特徴
-本作はアクションRPGであり、Yボタンで攻撃、Bボタンでジャンプ、Aボタンで話しかける、決定というシンプルな操作で進めていく。
--ストーリーの進行や特定の敵を倒すことによって手に入れる「武器」、「裏地」、「靴」の3種の装備品や回復アイテムなども存在する。
--『[[ダウンタウン熱血物語]]』とは若干毛色が違い、『[[ファイナルファイト]]』系のベルトアクションゲームに『[[ドラゴンクエスト]]』風RPGの要素を加えた形のゲーム性となる。
---通常のRPGと同様に敵を倒す事で経験値を得てレベルアップし、各パラメーターが成長する。それまでのシリーズであった「ステータス割り振り」や「買い物による成長」は本作では存在しない。
---シリーズの中では珍しく、攻撃の最中に一定の確率で発生する「怒りの一撃(会心の一撃)」の概念も存在する。この際に啖呵を切り、くにおとりきならばお馴染みの「なめんなよ!」だが、それ以外のキャラは「なにさらすんじゃボケェ!」といったバリバリの関西弁でキレる。大阪出身ではない熱血高校の仲間さえも。
--ちなみに二人同時プレイも可能。2Pはシリーズお馴染みの「りき(''たまたまくにおと同じく修学旅行で来ていた''がくにおに同行した後は、''どういうわけか部屋まで一緒'')」でプレイする。

-今までの作品では特定の店で購入するなどして習得していた必殺技だが、今回はレベルアップによって獲得する。
--「決めパンチ((相手が怯んでいる時のみ出せる強力なパンチ。過去作で言うとストレート2発の後のアッパー))」「飛び蹴り」等の基本的な技から「延髄斬り((垂直ジャンプから出すキック。攻撃手段としてよりも相手にふっ飛ばされた時の受け身として重要))」「ジャーマンスープレックス」といった大技、果ては熱血シリーズ由来の「溜めパンチ」や「マッハパンチ」も使えるようになる。

-また、「きりょく」のパラメーターはRPGでいうMPに該当し、レベルを上げる事で覚える「きあい(体力回復)」、「なぐる(攻撃力一時アップ)」、「たえる(防御力一時アップ)」といった気力技を使用するのに使う。
--変わっているのが「ねる」という特技で、使用すると''本当にその場で寝てしまう。''一定時間、邪魔されなければ体力が全快出来る特技だが、安全な場所を選ばないと''寝ている最中に襲われる''。まるで浮浪者である。

-暴力で大阪を、ゆくゆくは全国を制覇しようとする組織「大阪連合」と、その野望を阻止し、大阪の高校に自由を取り戻さんとするレジスタンス「大阪同盟」の戦いに巻き込まれたくにお。圧倒的な戦力差、仲間の裏切り、新たな仲間との出会い…大阪全土を股にかけた死闘を繰り広げることになる。
--ちなみに選択肢次第で''くにおが仲間を裏切ることも可能''。…ソレでいいのか熱血硬派。

-「りき」「ひろし」「こうじ」と言ったお馴染みのキャラ以外にも『[[熱血高校ドッジボール部 サッカー編]]』から「まさ」と「げんえい」もゲスト出演しており、くにおと共闘する見せ場もある。例に漏れず関西弁でケンカしているが。

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**魔都OSAKA

-舞台は前述のとおり大阪。ホテルのある梅田の地下街ウメチカをはじめ心斎橋の戎橋から見えるグリコっぽい看板、根元に中華料理屋がある通天閣など背景は非常にリアルに再現されている。
-後半に出てくる甲子園の駅から球場までの風景は知っている人間ならニヤリとできるほどリアルに作られている。さらにはゲーム発売当時はリニューアル前なので球場全体が蔦に覆われている往年の姿を見る事が出来る。
--移動手段は基本的に地下鉄(終盤でどこからでも移動できる「バイクのキー」というアイテムが手に入る)で、ストーリーを進めることによって新たな定期券を入手して行動範囲が広がる仕組みになっている。
---路線名も実在するものを使用している(ただし一部の駅が省かれていたり存在しない乗り換えがある。例えば大阪港は現実では普通に地下鉄で行けるのにこのゲームでは行けない(バイクで行く)など)。
--BGMも全体的に大阪の雑多な雰囲気を醸し出すことに一役買っている。…どこかで聞いたような感じの曲もあるが。
---サラリーマンでごった返す「梅田」やミナミの繁華街をイメージさせる「難波」、昔ながらの新世界を感じさせる「恵美須町」、(大阪ではないが)甲子園に至っては「''六甲おろし''」のアレンジが流れるので雰囲気は抜群である。

-そんな大阪の街中をぶらついていると、誰からともなく喧嘩を売られる。その瞬間固定画面になり喧嘩を売ってきた奴らを全滅させないと移動できなくなる。全滅させると経験値やアイテムが手に入ったりする。要するに他のRPGでいうエンカウントである。『[[龍が如く3]]』に先駆けること16年、ほぼ同じ流れでシームレスバトルを実現させていたのだ。
--その『[[龍が如くシリーズ]]』との大きな違いは「エンカウントしてないときでも道行く一般人を攻撃、撃破できる」こと。当然のように経験値も入る(アイテムは落とさない)。これは前述の『熱血物語』でも出来なかったことであり、どうやら硬派を謳うくにおからして「大阪の通行人にはいきなり殴りかかっても良い」、ひいては''大阪人は魔物も同然''という認識らしい。
---なので、''エンカウントするまでは無抵抗の通行人をひたすら殴り倒して経験値にしていく''という修行が当たり前のように行われる。
--もっとも酒瓶やチェーンなど明らかに危険なものを平然と持ち歩いている一般人も多いため、くにおも「それくらいしないと生き残れない」と思っているのかもしれない。
---ケンカを売られる際も「なにメンチきっとんねん!」「いてまうぞカス!」「''ええコトしよかぁ''」という''実に理不尽な口上''で襲われる。
---後の『[[すぺしゃる>熱血硬派くにおくん#id_60002c3b]]』以降の熱血硬派シリーズにもこの点は受け継がれ、一般人への暴行が当たり前のように出来るようになった。『[[乱闘協奏曲>熱血硬派くにおくんSP 乱闘協奏曲]]』では暴行によって相手の反応が変わったり特殊なイベントまで用意されたほど。~
そして『[[熱血物語SP>ダウンタウン熱血物語SP]]』ではとうとうダウンタウンシリーズでも一般人への暴行が可能になってしまった。
--ちなみに、いきなり喧嘩をふっかけてくる通行人にはいかにもヤンキーな感じの学生から普通のOL、挙句にスーツ姿のサラリーマンや只のオバハン、''阪神ファン''((阪神ファンがモブキャラとして登場する事から、シリーズでも珍しくメガホンが武器として登場している。しかし、協力している企業のファンを殴り倒してもいいものか))、どう見ても初老に達しているであろうオッサンなどバリエーションに富んでおり、くにおが全ての大阪人を敵に回しているようにしか見えない((大阪連合のアジトになっているという地下道などでもこのオッサンやオバハンがワラワラ出てきたりするため、ひょっとしたら本当に大阪人すべてが敵なのかもしれない。))。逆に言えば、どんな外見の人間にも攻撃できるということでもあるのだが。
--攻撃可能なのは敵やモブのみならず、''護衛対象の同行者''も含まれる。おなじみの「ひろし」やヒロインの「みほ」とて例外ではなく、非戦闘時でも彼らを攻撃することが可能。戦闘中に殴られた(後述)憂さ晴らしをしたりする事も出来る。
---ラストバトルではラスボスに拉致された「みほ」もその場に居るのだが、ラスボスそっちのけで''「みほ」をシバき倒したり、ラスボスに銃で撃たせたり''もできてしまう。
--[[梅田>バーニングファイト]]はサラリーマン等が多いが、南に行くほどヤンキーや''特攻服を着た暴走族やスキンヘッド''といった危ないキャラが多くなり、通行人も強くなる。%%ミナミに行くほど、気性が荒い所まで再現してどうする%%
---このゲーム、基本的に難易度は低め(特に街でのランダムエンカウント)なのだが上で挙げた女性タイプの敵の攻撃手段である往復ビンタや突っ張りが妙に強く、運が悪いと2体に挟まれて嬲り殺されることも。さすが大阪のオバハンと言ったところか…。
---とある場所で警察官とも戦えるのだがこのポリさん、技は殴るのみという漢らしさにもかかわらず''尋常じゃないくらいに強い''、戦えるのは中盤の短い間のみだが、耐久力がすさまじく高い上に''殴られると一撃で即死''させられるほど。そのためシナリオでも仲間が「くにおたちを逃がすために無謀にもポリさん相手に足止めをする」という場面以外は、敵味方共にポリさんからは逃げるのも致し方ない。%%あと[[見た目がやばいポリさん>こちら葛飾区亀有公園前派出所 ハイテクビル侵攻阻止作戦!の巻]]が1人…%%
--ちなみにくにおはケンカでやられてしまっても''夢オチとして''ホテルから再開されるので負けた事にはならない。ケンカでは負けた事がない(ひろし談)は伊達ではないのだ。
---また、2P時に片方がやられるとその場は消えてしまうのだが、ホテルの「こうじ」の部屋に行くと''平然とくつろいでいて、何事も無かったように復帰する''。

-前述の通り移動は地下鉄を利用するが、別に電車に乗る必要はなく線路沿いを直接歩いて進むことができる((一部歩けない路線も存在する。ただし大阪の地下鉄は大半が第三軌条集電(電線が線路脇にある方式)なので線路沿いを歩くこと自体が非常に危険なのだが…。))。
--むしろ喧嘩を売られたら画面移動ができない関係で、電車に乗るほうがよっぽど難しい。
--そして一般人も当たり前のように歩いているため喧嘩も普通に売られ、くにおや一般人が''走ってきた電車に轢かれる事は日常茶飯事''である。跳ね飛ばされると「カッッ、コォォォーーーン!!」と非常にリアルな効果音付き。
---電車にはねられるとパラメーター関係なく''即死''。しかし、くにおやりきがはねられても何事もなかったかのようにホテルから復活する''。だって夢だもの。''
---喧嘩中だろうがお構いなしに電車が走ってくるので「敵が口上を喋っている→電車に敵がはねられる→何事も無かったかのように戦闘終了」というシュールな出来事も…
---また、バグでたまに''透明な電車''が走ってくるという恐ろしいことがあり、当然はねられると死ぬ。電車の音が聞こえたら即座に線路から離れなければ危ない。
---ちなみに後述のように同行者の体力ゲージはいくら攻撃されても減らないのだが、電車に撥ねられると''体力0の状態になるが死なない''。瀕死の体を押して付いてきているのだろうか…?

-昼夜の概念があり、時間の経過とともに切り替わる。イベントで「昼に心斎橋に来て欲しい」といった待ち合わせが行われる他、夜になるとエンカウント率が高まると言った差が出てくる。
--一説によると、''夜には酔っぱらいが増えるのでエンカウント率が上がる''という至極説得力のある理由付けがなされている。

-なお、この通行人たちは別にドツきあうためだけに存在するわけではなく、話しかけてなんらかの情報を得ることもできる…が、「勝ったぁ!阪神が勝ったでぇ!」、「誰がカバやねん!」など、''九割方ただの独り言レベル''であり、ほぼ無意味な要素である(実際は漢字まじりではなくひらがなとカタカナのみ)。たまに次の目的地を言ってくれる事もあるが、現在地が目的地でも「○○が怪しいんやないの?」というニュアンスで教えてくれる。
--たまにケンカになった際に助太刀として一緒に戦ってくれる事もあるが、''平然とこちらを殴ってくるため、むしろ敵と一緒にまとめて倒した方が経験値が儲かってよい。''
---補足すると、一応、仲間として戦ってくれてはいるのだが、全てのキャラに対して攻撃判定があるため、同じ敵を攻撃する際に一緒に殴られるといった事が起こる。''何故か殴られる場合もかなりある''が
-くにおもくにおで、この街の%%毒気に当てられて%%雰囲気につられてか、売店にて
 くにお「おはようさん がりあ」
 店員 「お前誰にクチきいてんねん!」
などという心あたたまる会話を交わしたりもする((関西を中心に展開している清涼飲料水メーカー「サンガリア」とかけたギャグ。))。
--ちなみにこの売店で買い物は出来ない。
--熱血高校の仲間が参戦するイベントバトルも存在するが、''全員が戦闘中にコテコテの関西弁を喋る''。%%宿泊中に毒されたか。%%

-本作にはお金は存在せず、''硬派は1円も持たずに大阪の町を練り歩く''。買い物はプリペイドカードで行い、イベントで貰ったり、ケンカを売ってきたヤツらからの%%カツアゲ%%落し物を使用する。
--自販機やゲームセンターのゲームですら、プリペイドカードで支払うので、ある意味未来を先どっている。
---なお、ゲームセンターや自販機を使う際はくにおはこちらを向きながら「○○をつかうのか?」とメタなセリフを喋ったり、自販機を使わせなかったり、ゲームで負けると''関西弁でキレる''。
--ちなみに電車は''ケンカ相手から入場券や定期を奪う''か、協力関係にある仲間から''定期券を気前よく貰ったりする''事で乗れるようになる。%%もちろん現実ではアウトな行為である。%%

-くにおの仲間といえるのは梅田のホテルにいる熱血高校の生徒だけだが、どういうわけかセーブ役の「こうじ」を除いてイベント以外に全く顔を出さない。
--こうじは話しかける事で現状をセーブ出来るが、「''バッチリおぼえておくぜ!''」としか言わないので、説明書なしではこれがセーブである事に気づきにくい。
---さらにはこうじにも''普通に攻撃出来る''上に反撃してこない、さらには不死身であるため、''覚えた技の練習台にされる''事が多い悲劇のキャラである。
---テレホンカードを持って各地にある電話を使う事でこうじに電話をかけてセーブすることも可能。その際に''くにお「ばっちぐぅ!」''などと言ってしまいCOLOR(red){''キレた大阪人にケンカを売られる''}ありがた(?)要素がある。

-「ふしぎのゆびわ」というアイテムを使用すると、大阪どころか世界観を完全に無視した「シャガーン」というアラビアンな魔王((「大魔王シャザーン」のパロディ))が現れて願い事を一つかなえてくれる。
--中には「おんなのこになりたい」なんてものも…。

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**評価点
-同時プレイが楽しい
--「くにおくん」シリーズらしく、二人同時プレイが楽しい。本作では「違うセーブデータの主人公」が参加する。
---違うデータの主人公を参加させる事自体は、『ダウンタウン熱血物語』でもパスワード(とターボファイルによるセーブ)で出来たが、パスワードを入れるのが面倒だったり、所持品や必殺技が再現されないという難点があり、ハードルが高かった。
---強いデータのプレイヤーが強い敵を弱らせて、弱いデータのプレイヤーでとどめを刺す(倒した方に経験値が入る)といった修行等、プレイの幅は広い。
---後述のセーブデータの仕様を駆使すれば強くなった状態でストーリーの序盤に戻れるので、無双プレイをする事も可能。
---セーブデータの数も6個あり、この時代のゲームにしては多いので様々な遊び方に挑戦出来る。
--一度に出てくるキャラが多めなので2人同時プレイでも多くの大阪人を相手にケンカをする爽快感は健在。

-シンプルな操作
--今までのダウンタウンシリーズの操作性を捨て、タイトル名通りに第一作の『熱血硬派くにおくん』に近づけようとした節が窺える(羽交い締めや襟つかみ投げ等の、ダウンタウンシリーズでカットされたアクションが復活しているなど)。~
第一作とは操作性こそ異なるが、ジャンプとパンチボタンだけで多彩なアクションを実現し、ケンカアクションとしての爽快感を保っている。

-データの作り込み
--その辺に歩いているNPCだが、自動生成されているわけではなく、全てのキャラに名前とステータス、容姿、出現範囲、友好的かどうか等が細かく設定されている。
---サラリーマンでも若年、壮年、ハゲ、といった顔のパーツを細かく変えていたり、色が違っていたりするので意外と全く同じ容姿を持つキャラは少ない。
---そのため、%%辻斬り%%修行している内に自然にNPCキャラの名前とパラメーターが思い出せるようになる。雑魚といえど「いつもケンカを売ってくるヤツ」、「よく助けてくれるヤツ」といった個性がしっかりと感じられるようになっている。
---学生キャラは『[[ダウンタウン熱血物語]]』と同様に、数パターンの顔グラで服の色が学校ごと別々(ただし名前が出てこない学校が大半((味方になってくれる大阪同盟の連中から「桜宮高校」「野田工業高校」「戎高校」「千里女子高校」の4校のみ名前が判明。)))という方式だが同じ学校内で男子と女子・普通の子と不良っぽい子などの作り分けがある他、紫服(千里&b(){女子}高校の制服)は男子タイプが出てこないなど細かいところでしっかりしている。
---阪神ファンに何故か実在の阪神の選手の名前をつけるといったお遊びもある。ファンならば元ネタがわかって楽しめるだろう。(「まゆみ」を女性にするなど、ギリギリ言い訳が通る部分もあれば「かめやま」「ゆふね」とかいったあからさまなものもある)。
--NPCの専用アクションも豊富。同じアクションでも、キャラの種類によってグラフィックは全く異なる。女子高生はビンタをして来たり、オバハンは突っ張りをしたり等らしいアクションが多い。
---OLに抱きつかれるのはまだいいが、''初老のおっさんやオバハンに抱きつかれてパワーが減る''のは精神的に辛い
---後半に登場する青い特攻服の暴走族は多くの専用必殺技を持ち、アクションも豊富。

-ストーリー
--全体的にバカゲーテイストな部分が目立つ本作だが、ストーリーは全体的にシリアスで熱い。
---どんでん返しもあり、分岐もあり、リアル等身で登場した事によってダウンタウンシリーズのコミカルな部分が鳴りを潜めシリアスな空気を作るのに一役買っている。~
通天閣を舞台に一人で部隊を相手に大暴れするシーンといった熱血硬派の名に恥じない熱いシチュエーションもある。
---作中に流れるBGMも非常に良質であり熱い曲が多い。特にボスBGMはストーリーと相まって非常に燃えるBGMとなっている。
--大阪に対する''ネタのような描写''も上述の通りだが、関西弁のセリフ回しや各場所のイメージ等はしっかりとリサーチした上で作られているので雰囲気はよく出ており、けっしてむやみに茶化しているわけではない。%%それだけに腹立つんやけど%%
--実際のところ、''上記のOSAKA演出と関西弁のせいでバカゲー化''していると言えるほど、ゲーム自体はシリアスなのである。

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**問題点
-とにかくバグが多い。フリーズやハマリなど、危険なものも数種類存在している。
--特に危険なのが「アイテムキャッチャーバグ」と呼ばれる進行不能バグ。ゲームセンターで遊べるクレーンゲームでたまに「を てに いれた!」と名前の無いアイテムを入手することがある。これが起きてしまうと''アイテム欄を開く際に確実にフリーズする''というもの。このバグアイテムを手に入れてからセーブするとクリアが不可能になってしまうのだ。
---「うみのさる((海の猿=シーモンキー。当時ではなく一昔前に流行した、勝手に増える生き物。))」というアイテムを持っていると、知らない間に増殖してアイテム欄をいっぱいにする。使っても「これはつかえないぞ」と出るだけで、どう対処すればいいのかもわからない。なぜこんな意味のないアイテムを入れたのか。
--大抵のバグは知っていれば避けられるが、下水道のエリア移動時に暗転したまま固まるバグは防止策がなく発生率も低くないので危険。
---もっとも危険なのはストーリーを進めている際心斎橋がポリさんだらけになり、唯一残された難波へ通ずる下水道へ行こうという提案で進んでいる道中なのだが、扉がなぜか開かなくなることがある。そうなってしまった場合ポリさんに追われているため戻ることもできない。完全にそのエリアに閉じ込められた形になるのでリセットするしか手段がなくなる。このバグも防止策がなく発生率も低くないので起こらないことを祈りながらプレイするしかない。少し前のポリさんと戦える状態の時、倒して奥に行っても難波に行けないように会話した時点で奥のドアがロックされる。このロックは一度死ぬかセーブして終了するまで解除されないのでこれらの処置をしないままストーリーを進めてしまうとロックされたまま開かない、と言うのがこのバグの真相である。
--下水道のバグには、くにお達が透明になるものもある。フリーズしたわけではなく操作は出来るし、何らかの拍子に元に戻る事もある。しかし対処を知らなければ焦ってリセットしてしまう事も多いだろう。

--大勢の敵を相手に無双する戦闘イベントもあるが、戦闘終了直後にエンカウントするとそのまま戦闘が終わらなくなるといった『[[聖剣伝説2]]』のような恐ろしいバグも存在する。
//---詳しく言うと難波での大群を相手にした後に発生する。そのイベント直後に同じエリア内でエンカウントで発生した敵の中に、一度ダウンさせるとなぜか起き上がらない敵が存在する。その敵を画面外に吹っ飛ばしたらアウトというのが真相。バイクでさっさと別エリアへ移動すれば防げる類のバグ。
//↑やや違う。難波での学生部隊との戦いの後は透明のNPCが残っており、ケンカを売られた際にこれが敵にカウントされてしまい終了判定に引っかからなくなってしまう。
--あまり害がないバグもある。一例を挙げると「あまりストーリーが進められてないデータを1P側に、ストーリーを進めたデータを2P側に選択してスタート、開始直後に2Pがセーブするとストーリーがその地点まで戻されてしまう」というもの。重要アイテムのフラグも戻ってしまうようで、その時点で持っていないはずのアイテムは失われる。要は「強くてニューゲーム」である。
--また、扉に入った瞬間に「バイクのキー」を使う事で立ち乗りor無人バイクといったお遊び的なバグも豊富に存在する。
--バグと言うよりはフラグミスだろうが、せっかくのマルチシナリオなのに突然、辻褄が合わなくなるシーンも存在する。「敵の幹部からもらった手紙がいつの間にか仲間が書いた物にすりかわっている」等。
--いくつかのバグが修正されたリビジョンが再出荷時に作られたようだが、初回と比べて出回っている数が非常に少ないらしくまずお目にかかれない。
---プロジェクトEGG配信版にこのデータが使われているかは不明。

-エンカウント率が高い
--''10人に1人はケンカを売ってくる''ほどエンカウント率は高い。
---道端にたむろっているヤンキーや、ラストダンジョン(?)の敵は100%ケンカを売ってくる。
---特に、甲子園に行き来する際は、絶対に電車に乗らなければならず、乗車するまでにケンカを売られると電車に乗ることができぬまま発車されてしまうのでストレスが溜まる。
---2Pプレイで片方が建物に入るなどして画面から消えている間はケンカを売られないテクニックが存在する。これを利用してケンカを売ってきそうなヤンキーや暴走族に話しかけることができるのだが、殆どはケンカ口調の暴言しか言ってこない。
---ただ敵のドロップアイテムを入手しようと思うと必ず喧嘩しなければならないため、特にレアドロップを狙う場合はこのテクニックが使用できない。

-戦闘時に逃げる事が出来ない
--エンカウントした場合、敵を全滅させるか、こちらが全滅するまで逃げる事が出来ない。~
そのため、レベルが足りない状態で強い敵に遭遇した場合、殴っても1ミリ以下のダメージしか与えられれず、~
逆に殴られると即死級のダメージを受けることになる。
---幸い、全滅した場合のペナルティはなく、梅田のホテルに戻されるだけである。
--2人プレイの場合、やられたプレイヤーの復活は梅田のホテルに戻るまで行われないので慎重なプレイが要求される。

-仲間キャラクターが邪魔
--ゲーム中、仲間の「ひろし」や本作のヒロイン「みほ」((いずれもケンカが出来ない弱い存在である位置づけがされている))に「○○に行きたいのでついて来て欲しい(護衛して欲しい)」と頼まれる事があり、目的地に着くまでの間、こちらの後について来るが、彼らはケンカになると''関西弁で暴言を吐きながら率先して敵を殴りに行ってしまう。''どこが弱い存在だ…。
---そして本作では仲間同士でも攻撃が当たるため''平然とこちらを殴り、護衛しているはずの「ひろし」にくにおが殴り殺される事がしばしある''(特に序盤に加わる「ひろし」の一撃はこちらの紙耐久も相まってかなりの脅威になる)。AC版みたいにただボコられてればいいのに。
---ちなみに彼らは''無敵''なので護衛する必要はなく倒す事も出来ないため、ひたすら邪魔な存在になる。おまけに彼らが敵を倒すと経験値も入らない。
---ヒロインの「みほ」は''電車に轢かれようが、拳銃で撃たれようが平然と立ち上がり''、しかもそこそこ強いので、ケンカになると''その辺のヤンキーを次々に張り倒していく''[[並み居る敵と渡り合う彼女達>新・熱血硬派 くにおたちの挽歌]]も[[冷峰学園のスケ番>ダウンタウン熱血物語]]も[[恐怖の怪力巨女>熱血硬派くにおくん]]も真っ青の''シリーズ最強ヒロイン''である。
---大阪同盟の仲間が参戦してくれるイベントバトルもあるが、バトル内に''仲間と全く同じグラフィックのモブ敵が登場するのでほぼ確実に勘違いで殴られる''運命にある。というよりもやはりこちらが殴られるので、仲間ごとボコボコにする乱戦がデフォルトとなる。
---攻略本では「''敵と味方の区別が付かない場合は敵味方区別せずに戦闘しよう''」とアドバイスされている。
--また好評な2Pプレイも互いに当たり判定があり、余程のレベル差がないとすぐに倒されてしまうほどにプレイヤーの攻撃力が高い(当然高い方が殴ったらほぼ一撃)ため、よく相談してプレイしないと乱戦の中で相手を殴り殺してリアルでケンカになってしまう事も。
---レベル1同士でも4発ほど殴れば相手は死ぬ。さらにレベルが上がるとマッハパンチやジャーマンスープレックスの巻き込みなどほぼ全ゲージを持って行くような危険な技を覚えるので離れて戦わざるを得ない。

-くにおのアクションが地味
--くにおくんシリーズといえば派手で多彩な必殺技が魅力だったが、今回はその殆どがカットされた。確かに2.5頭身で繰り出していた技なので、今回の設定ではあまりやりすぎる訳にも行かないのかも知れないが、それにしても「マッハパンチ」はあるのにくにおの代名詞である「マッハキック」が無いのには首を傾げざるをえない。
---これについては操作系の問題もある。前述のとおり攻撃に使うボタンが一つだけで、パンチとキックの使い分けは相手との距離依存であるためマッハパンチと両方使えるようにするのが難しかったのかもしれない。
---だがそもそもFC時代のようにパンチとキックのボタンを分けてくれたらこんな問題も発生しないのだが。第一、せっかくのSFCなのに使用ボタンの数が「A、B、同時押し」で動かしていたFC時代と実質一緒というのが…。


-お金に相当するプリペイドカードの残度数が見えない。さらには自販機で消費する際の使用度数もわからない。~
おまけにアイテムを選び、「買うのか?」と聞かれた後キャンセルしてもアイテムの値段分度数が減ってしまうバグがある。
--よって手持ち金額も商品の値段もわからないまま、手探り状態で買い物することになる。
--ちなみに買えるアイテムも「''あたりまえクラッカー''」といった''効果が全く想像できないものばかり''である。

-装備品が意図的に外せない上に装備してもパラメーターの変化がわかりづらい。
--中には操作性やステータスに異常をきたす''呪われた''装備品もあるのでタチが悪い。
---呪われていても装備がはずせなくなることは無いため、すぐに交換すれば問題ない。
--また、「[[さいごのファンタジー5>ファイナルファンタジーV]]」や「[[ガンガンクエスト5>ドラゴンクエストV 天空の花嫁]]」さらに''クレーンゲーム''で取れる景品が「[[はりねずみ>ソニックシリーズ]]のぬいぐるみ」といったきわどいネタアイテムもある。

-''説明書がウソだらけ''
--存在しないシステム、必殺技、アイテムが紹介されていたり、気力技のパラメーターがメチャクチャになっているなど、~
[[某黒本>http://www.amazon.co.jp/dp/4757702221]]並にウソ情報が書かれており、何を信じていいのかわからない。~
開発当初の仕様と実際の仕様の食い違いの修正に間に合わなかったと思われる。
--一番迷惑なのが''羽交い絞め落とし''。羽交い絞め後にYボタンを押すと可能と説明書に書いてあるが''不可能''。敵意のないポリさんにうっかり羽交い絞めしてしまうとジャーマンスープレックスを覚えていない限り羽交い絞めをし続ける。そのまま待ち続ければ(数時間単位になりかねないが)倒せはするので詰みではないが、ポリさんと戦えるのは序盤のとある場面のみなので前述の強くてニューゲームをしていない限りは序盤で高レベルのジャーマンを覚えているプレーヤーなど皆無である。迷惑な記載の代表。

-処理落ち
--通行人や敵の数が多ければ当たり前の様に発生し、特に水のある下水道でジャンプを繰り返されると究極に重い。

-ボイスがない
--スーパーファミコンのベルトスクロールアクションゲームと言えば攻撃、ダメージ、必殺技などによるボイスが定番だが、本作には収録されていない。
---おそらくこれは容量の都合上で採用しなかったからだろう。

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**総評
全体的に出来が粗い部分が多くバグがマイナス要素として目立つ難点だが、その破天荒な世界観、アツいストーリーなど今なおファンは多い。~
ゲームの内容としては『[[ファイナルファイト]]』+RPGと、わかりやすい事に加えて''どつく事に関しては妙に自由度が高い''など、とにかく笑える部分が多いゲームであり、ハードルも低い。~
バグや未完成な部分がしっかりとしていれば良作になりうる素質は十分にある惜しい作品でもある。

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**余談
-攻略本は小学館の公式ガイドブックと双葉社の必勝攻略法シリーズの2冊がある。
--特に公式ガイドブックは当時くにおくんの漫画を描いていた穴久保幸作先生によるストーリー漫画や描きおろしイラスト、実際の大阪のコラムにスタッフインタビュー、果てはFC版『[[熱血新記録>びっくり熱血新記録! はるかなる金メダル]]』とGB版『[[熱血行進曲>ダウンタウン熱血行進曲 それゆけ大運動会#id_94932c82]]』の攻略まで載せている豪華な内容となっている。
---その公式ガイドブック内で敵のボスの一人「なかざき」が&bold(){2度にわたり}「ながさき」と
誤記されている。

-残念ながら権利関係(阪神タイガースの協力でタイガースショップが実名で登場している等)の事情でリメイクなどは行えないらしく、本作は今に至るまでリメイクされていない。
--配信もプロジェクトEGGのみであり、バーチャルコンソール等での配信はされていない。

-いかにもな施設や台詞、アイテムなどはあるのに結局投げっぱなしになっているもの、いわゆるボツ要素も多い。
--データを解析すると、そのあたりに繋がりそうなのに本編で出てこない台詞などがROM内にいくつか残っていることも確認されている。

-基本的に他の「くにおくんシリーズ」との関係が薄い本作だが、『[[ダウンタウン熱血行進曲>ダウンタウン熱血行進曲 それゆけ大運動会]]』のリメイク作品であるPS3版『ダウンタウン熱血行進曲 それゆけ大運動会 ~オールスタースペシャル』では本作のヒロインである「みほ」と主要人物の「よしひろ」が登場している。
--「よしひろ」はネタバレのため一応伏せるが、同じ立ち位置のキャラを集めたチームに。「みほ」は「みすず」「みさこ」「きょうこ」など、同じく熱血硬派シリーズの女性キャラを集めた「チーム・ミスズ」の所属となっている。
--どちらも所属チームの6番手であり影が薄い((よしひろに関してはチーム内最強のステータスを持つため実用面で言えばかなりの存在感を示していたが。))存在だったが、『乱闘行進曲マッハ』では性能面が刷新され、「よしひろ」には原作を再現した必殺技「ラストゲーム」や「二段蹴り」、固有の攻撃モーションが用意されるなど大幅なテコ入れが行われた。%%残念ながら「みほ」の不死身ヒロインぶりは再現されなかった((むしろ体力や防御力に関してはチーム内最弱であり、全キャラ中でも平均以下という扱い。なお本作で共演した「ひろし」はゲーム内2位の防御力を誇る打たれ強いキャラになっている。))が…。%%

-3DS版『[[熱血硬派くにおくん すぺしゃる]]』では、作中のゲームセンターに貼られているポスターの中に本作のパッケージ絵がある。

-ゲームボーイ版『[[熱血高校ドッジボール部 強敵!闘球戦士の巻]]』にはドッジボール部の「よしひろ」というキャラが登場しているが、本作の「よしひろ」とは別人とされることが多い。

//**その後の展開
//-本作発売から数ヶ月後、スーパーファミコンに参入したダブルドラゴンシリーズ『リターン オブ ダブルドラゴン』が、アーケードで稼働されたベルトスクロールアクションゲーム『コンバットライブス』のスーパーファミコン版が発売された。
//--こちらはボイスも採用されているなど、アーケード版が再現されている点があるが、一部のステージがないかわりにVSモードを追加した点もある。
//テクノスジャパンのその後の展開であってくにおくんシリーズの展開ではない