「THE KING OF FIGHTERS 2000」の編集履歴(バックアップ)一覧に戻る

THE KING OF FIGHTERS 2000 - (2023/02/12 (日) 16:16:09) のソース

*THE KING OF FIGHTERS 2000
【ざ きんぐ おぶ ふぁいたーず にせん / つーさうざんど】
//*AC/NG版
|ジャンル|対戦格闘アクション|CENTER:&amazon(B0000AFZJQ)&amazon(B000FA3GFQ)|
|対応機種|アーケード(MVS)|~|
|販売・開発元|SNK|~|
|稼動開始日|2000年7月26日|~|
|レーティング|CERO:B(12才以上対象)|~|
|配信|アーケードアーカイブス&br;【Switch】2017年8月10日/823円&br;【PS4】2018年6月21日/823円&br;【One】2018年6月21日/842円(税8%込)|~|
|判定|BGCOLOR(khaki):''ゲームバランスが不安定''|~|
|~|BGCOLOR(lightsteelblue):''賛否両論''|~|
|ポイント|ザ・キング・オブ・ストライカーズ&br()旧SNK最後のKOF、置き土産のファンサービス&br()質の高い演出・BGM&br()良くも悪くも個性的な新キャラ|~|
|>|>|CENTER:''[[THE KING OF FIGHTERSシリーズ]]''|
----
#contents(fromhere)
----
**ストーリー
>謎の秘密結社『ネスツ』の存在が明るみに出てからしばらくの時が過ぎた。~
だが、それ以来ネスツはこれといった活動を起こすことなく影を潜めてしまう。
>
>それとは対照的に、世界各地でテロ活動が頻発する事態が発生。~
ハイデルンたち傭兵部隊は、その活動がK’とマキシマの二人による物だということを突き止める。~
早速二人の追跡を開始しようとしたハイデルンだったが、ちょうどその時、『KOF開催』の知らせが…!
>
>驚くべき事に、招待チームの中には、K’とマキシマたちのいるチームも存在した。~
その二人に誘き寄せられるように、ネスツも計画の第二段階を発動させる。~
ネスツの活動再開は単なる偶然か?それとも…!?
>
>世界各地でトーナメントを開始する格闘家たち。
>再び波乱の予感を漂わせ、ザ・キング・オブ・ファイターズ、いよいよ開幕……!
----
**概要
SNKの対戦格闘ゲーム『THE KING OF FIGHTERS(以下KOF)』シリーズ第7作目。翌年2001年10月30日に旧SNKが倒産したため、本作が旧SNK製としては最後のKOFとなった。~
7作目ではあるが、オープニングデモではドリームマッチの『[[KOF'98>THE KING OF FIGHTERS '98 DREAM MATCH NEVER ENDS]]』を除いて「EPISODE 6」と銘打たれている。~
今作から2000年代に突入したことで、タイトルの西暦が略されず表記されるようになった。~
前作『[[KOF'99>THE KING OF FIGHTERS '99]]』から始まった新章「ネスツ編」三部作の中編にあたり、前作で追加された4人目のメンバーによる乱入攻撃「ストライカー」システムを発展させた自由度の高さが特徴。~
同社の看板絵師であった森気楼氏が最後にキャラクターイラストを担当したKOFでもある(彼はその後、カプコンに移籍)。

----
**システム
操作系統はネオジオの基本配置である1レバー+4ボタン(弱P・強P・弱K・強K)。~
基本システムは[[前作『'99』>THE KING OF FIGHTERS '99]]を参照。本作では以下の変更が行われた。
-パワーゲージのストック数は再び次のキャラクターに引き継がれるようになった(『'97』~『'98』のADVANCEDと同様)。前作は前のキャラクターが倒されると強制的に空にされていた。
--これに伴い、パワーゲージの溜まり具合が前作より遅くなっている。また、ストックされていないゲージの端数が切り捨てられるのは過去作と同様だが、何人目でも最大3本のままで『'98』のようなストック本数を上下するような要素は一切無い。代わりに本作はストライカー呼び出し(後述)に必要なストライカーボムの最大ストック数と現在のストック数が、メンバーが1人負ける度に1個ずつ増えていく(初期数が3個、最大が3人目の時の5個)。
-MAX超必殺技の発動条件が体力無関係で「ゲージ3本消費」に変更され、任意に出せるようになった(前作では体力が赤点滅時にのみ、超必殺技がMAX版に強制的に切り替わる仕様)。
--ただし、今作より全ての超必殺技がMAX版に対応している訳ではなくなり、一方でラルフの「ギャラクティカファントム」のようにMAX版しか存在しない超必殺技も実装されるようになった。
-「かわし移動」や「かわし移動攻撃」が廃止され、再び『'98』までと同様の「緊急回避」(前転・後転)に戻った。

-カウンターモード・アーマーモード
--発動モーションに無敵判定が付き、ガード不能・受け身不能・ダメージ0の攻撃判定が出るようになった。
--モード終了後、ゲージが消失し一切溜められなくなる「オーバーヒート状態」が大幅に短縮された。

-目玉システムであるストライカーは''アクティブストライカーシステム''と銘打たれ、大きく仕様が変更。
--「挑発」アクションを行うことでパワーゲージを1本消費し、ストライカーボムを回復できる。ただしこのためか、本作は挑発モーションをキャンセルすることが一切できない。
---既にストライカーボムが上限値の時や、パワーゲージが足りない場合は挑発しても何も起きず、隙を晒すだけになる。
--被ダメージ(喰らいモーション)中、ダウン中以外なら''いつでも''ストライカーを呼べるようになった。
--投げ動作・投げ外し中にゲージを1本消費してストライカーによる追撃が可能になった。
--ストライカー専用キャラクターとして「アナザーストライカー」「マニアックストライカー」が追加された。
---順番選択後は、ストライカーを「試合に出さないチームメンバー」か「アナザー/マニアックストライカー」のどちらにするのかが選択できる。

**キャラクター
-キャラクター一人ひとりに対応するストライカー限定の別キャラクター「アナザーストライカー」が登場。
--ストライカーになった控えキャラクターは、試合前に本来のキャラクターかアナザーストライカーかを選択することができる。
--ストライカー専用枠には過去のKOFシリーズに登場したキャラクター、およびKOFに一切登場しなかった他作品を出典または元ネタとするキャラクターが多数割り当てられている。中には本来のキャラクターの別衣装が割り当てられているケースもある。
--さらに特定のキャラクター限定で「マニアックストライカー」も存在し、アナザーから隠しコマンド入力で出現するようになる((ただし、アーケード/ネオジオ版は隠しコマンドを一回入力するとその試合ではアナザーストライカーを選択できなくなる(アナザーから置き換わる形で出現するため)。))。
---ちなみにDC版やPS2版だとマニアックストライカーが特に入力無しで最初から選択可能。
---さらに、PS2単体版限定の隠し要素として、一定条件で解禁される新マニアックストライカーも登場している。

-下記の表のうち、新規参戦のプレイアブルキャラクターは&bold{太字}、PS2単体版限定マニアックストライカーは&u{下線}を付けている。
#region(参戦キャラクター&ストライカー一覧)
//表が縦長なんで隠し
|''チームまたは所属''|''プレイアブルキャラクター''|''アナザーストライカー''|''マニアックストライカー''|h
|主人公チーム|K'|アナザーK'((開発中のK'の没デザイン案のひとつ。髪は焦げ茶色のオールバックで肌は色白。))|&u(){クリザリッド}|
|~|マキシマ|ロッキー(『[[ロボアーミー]]』)((『ロボアーミー』の2P主人公。ちなみに1P主人公の名前はマキシマ。「身体を機械に改造された人間」という設定も、本作のマキシマと共通している。))||
|~|&bold(){ラモン}|デューク(『[[バーニングファイト]]』)|ネオ&ジオ(『[[クイズ大捜査線>クイズ迷探偵NEO&GEO クイズ大捜査線パート2]]』)|
|~|&bold(){ヴァネッサ}|フィオ(『[[メタルスラッグ]]』)||
|紅丸チーム|二階堂紅丸|アナザー紅丸((長い髪を下ろし肌を露出して短パンを履いた、一見女装のようにも思わせるような姿。))|&u(){ツキノヨルオロチノチニクルフイオリ}|
|~|矢吹真吾|コスプレイヤー京子((京のコスプレをした謎の少女。後に『SVC CHAOS』にて京のブリス姿として登場。))||
|~|&bold(){麟}|如月影二||
|~|&bold(){セス}|大門五郎||
|餓狼伝説チーム|テリー・ボガード|ギース・ハワード|&u(){ブライアン・バトラー}|
|~|アンディ・ボガード|ビリー・カーン|&u(){ラッキー・グローバー}|
|~|ジョー東|ダック・キング|&u(){ヘビィ・D!}|
|~|ブルー・マリー|山崎竜二||
|龍虎の拳チーム|リョウ・サカザキ|楓(『[[幕末浪漫 月華の剣士]]』)|ゲーマント(ネオジオイメージキャラクター)((ネオジオ発売当時のポスターやテレビCMで、「凄いゲームを連れて帰ろう。」のキャッチコピーと共に大々的に登場。他にもイメージキャラクターという立場を買われてか、様々なネオジオゲームの背景やデモにカメオ出演していた。))|
|~|ロバート・ガルシア|アナザーロバート((道着姿で挑発をしまくるロバート。2Pはピンク。『ストリートファイター』シリーズのダンのパロディ返しということか。))||
|~|キング|獅子王(『[[風雲黙示録 格闘創世]]』)||
|~|タクマ・サカザキ|天童凱(『武力~BURIKI ONE~』)|&u(){Mr.BIG}|
|怒チーム|レオナ・ハイデルン|ゲーニッツ|&u(){オロチ}|
|~|ラルフ・ジョーンズ|七枷社|&u(){ヤミノナカオロチノチニメザメルレオナ}|
|~|クラーク・スティル|シェルミー((本作のみ衣装が独自のものに変更されている。))||
|~|ウィップ|クリス|&u(){ハイデルン}|
|サイコソルジャーチーム|麻宮アテナ|初代アテナ(『[[アテナ]]』)||
|~|椎拳崇|ケンスウ(『[[サイコソルジャー]]』版衣装)||
|~|鎮元斎|白湯(『[[ジャンボウ]]』)((同作のタイトル画面に登場していたパンダだが、名前は本作で名付けられた。余談だが、鎮元斎はプロフィールにてパンダを嫌いなものに挙げているにもかかわらず、パンダがアナザーストライカーを務めている。))||
|~|包|渡部薫((『KOF'97』のサイコソルジャーチームのストーリーで初登場した、歩けない障害を抱えていた少女(本作の時点では手術成功により完治)。それ以降でもストーリーやデモで度々登場し、本作でもサイコソルジャーチームのストーリーに登場している。なぜかメイド服。))||
|韓国チーム|キム・カッファン|キム・スイル(『[[風雲スーパータッグバトル]]』)||
|~|チャン・コーハン|キム・ドンファン(『[[餓狼 MARK OF THE WOLVES]]』)|スマート・チャン((名前のとおり、スマートな体型になっているチャン。頭頂部の髪が生えて、髭と髪を短く切り整えている。衣装は独自のものを着ている。))|
|~|チョイ・ボンゲ|キム・ジェイフン(『餓狼MOW』)|クール・チョイ((名前のとおり、『'95』以前の姿を長身かつカッコ良くしてクールになったチョイ。))|
|~|ジョン・フーン|カン・ベダル((新規オリジナルキャラクターだが、『ファイトフィーバー』の主人公「ハン・ベダル」の名前を元ネタにしている。ジョン・フーン自身も同作のキャラクター「キム・フーン」が元ネタ。))||
|女性格闘家チーム|不知火舞|神楽ちづる|&u(){ヴォルフガング・クラウザー}|
|~|ユリ・サカザキ|ナコルル(『[[サムライスピリッツ]]』)((『KOF』参戦はGB版『熱闘KOF'95』以来。))||
|~|藤堂香澄|李香緋|アンノウン((「重ね当て」を放つ赤胴の男。顔が影のように隠されているが、その姿はどう見ても、SNKの背景キャラクター部門の大御所とも言える「あの人物」である。後に『2002UM』の香澄のある新技にてこの姿で彼が再登場し....))|
|~|&bold(){四条雛子}|リリィ・カーン((ビリーの妹。餓狼シリーズのエンディングに登場する他、後の『KOF MI』シリーズでプレイヤーキャラクターになる。そちらでも本作と同じく声優はかかずゆみ氏が担当。))||
|エディット専用|草薙京|霧島翔((京の初期案・没キャラクター。「AKIRA」の金田正太郎を意識した暴走族のようなキャラクター。声優も金田と同じく岩田光央氏が担当している。))|草薙柴舟|
|~|八神庵|マチュア&バイス((投げ追撃時以外はどちらかがランダムで出現。))|アナザー庵((バンド活動でのステージ衣装として設定されている、黒いトレンチコートを羽織った姿。ちなみにお披露目は本作が初ではなく、過去に『KOF'96』の一部CD媒体ハード移植版のロード画面や、一部版権イラストにてこの姿を披露していた。))|
|乱入ボス|&bold(){クーラ・ダイアモンド}(アーケード版のみ隠しキャラクター)((「ウィップ」→「ヴァネッサ」→「セス」→「マキシマ」→「K'」→「ルーレット」の順にそれぞれカーソルを動かしてスタートボタンを押した後に、上→下と入力すると出現))|キャンディー・ダイアモンド(ノーマルストライカー)((クーラ自身はストライカーとして登場しないため、代理として登場する女性型サポートロボット。))&br;フォクシー|ルガール・バーンシュタイン|
|最終ボス|ゼロ&br;(AC版およびネオジオ版では使用不可((家庭用でも他のキャラクターと異なり、ストライカーとしての使用不可。)))|||
#endregion
#br
----
**評価点
-演出の質の高さ。
--このゲームが発売された頃になるとMVS(ネオジオ)は旧式ハードと化しており、全面的なパワー不足は明らかなのだが、その中でも演出は非常に頑張っている。~
「演出だけならシリーズ最高傑作」との声も。
---その中でも特に評価が高いのがオープニングデモで、内容は下記の通り。~
前半はポケットに手を突っ込んでうつむき加減にレンガ造りの壁の前を歩くモノクロのK'と、背景に次々と浮かんでは消える出場キャラクターたちのカラーのポートレートとの対比。~
後半になるとフェードアウトして草薙京・八神庵とK'がすれ違う瞬間がストップモーションで描かれ、物語のキーパーソンであるクーラの姿が一瞬浮かび上がった後に、K'が手前側を蹴り上げると共にタイトルロゴが表示される。~
尺としては短いデモ画面ながら、各登場人物が上手く引き立てられており、非常にセンスが良い。
---キャラクター選択画面の各キャラクターの顔も一枚絵をドットで描いており、鮮やかな色合いと、キャラクターの特徴をよくつかんだ構図となっており、どれも魅力的。特にK'や雛子などのキャラセレ絵は今見ても色あせない。
---近未来的な描写を強調した中間デモや、各チームごとに用意されたエンディング演出の評価も高い。~
特に主人公チーム、怒チーム、クーラ、エディット用のエンディングなどは構成の良さもさることながら、次回作での新たな展開を期待させるものに仕上がっている。~
もっとも実際に出た[[次回作>THE KING OF FIGHTERS 2001]]は(諸事情があったとはいえ)酷いものだったが…。

-SNKが誇るサウンドチーム「新世界楽曲雑技団」によるBGMの出来も文句なし。
--世界観のSF化に合わせて打ち込みをイメージした方向にシフトした((「オロチ編」と呼ばれる『'98』までは生音をイメージした曲調のものが多く、実際にアレンジサウンドトラックでも生楽器率が高かった。))前作では良い曲もあった反面、全体的に統一性がなかったきらいもあったが、本作ではゲームの雰囲気とのシンクロ性も抜群。~
個々の曲の出来も粒揃いで、ファンの間では(BGM面で)傑作と言われる『KOF'96』に匹敵する高評価を得ている。
--シリーズと比較すると全体的に落ち着いた曲調のBGMが多いが、裏大会としての設定や退廃的な背景とマッチしており好評。
---また旧SNKの事情を知っていたからなのか、草薙京のテーマBGMである「''Goodbye Esaka''」など、ネーミングも含めて哀愁を感じさせる曲もいくつかある((このような後に倒産する当時の旧SNKの事情を風刺したような演出は、本作のエディットチームのエンディングや、約半年前に稼働開始した『餓狼MOW』の一部エンディングでも見られた。))。
--エンディングBGM「CRYSTAL」はそれぞれのチームのエンディング導入にうまく合わせるため、''イントロ部分をチーム毎に作っている''という手の凝りよう。前述した通り、本作のエンディングの演出の高さに貢献している。
---音質が桁違いに上昇するアレンジサウンドトラック版も人気が高い。

-''ストライカーを使ったコンボ自体は爽快で面白い''。
--基本的にプレイヤー同士の対戦が重視される格闘ゲームにおいて対戦バランス面を荒らしまくったアクティブストライカーシステムだが、~
一人プレイでCPUをボコボコにする事の痛快さを引き立てる要素にもなっており、%%%「対戦格闘」としてではなく%%%「格闘アクション」として遊ぶなら悪くないゲームと評価されている。~
実際、対戦バランス面を考慮しての調整と完成度はともかく、本シリーズが元々チームバトルというシステムを敷いていることもあって、「複数メンバーが一度に干渉することによって、よりチーム戦を前面に出した演出ができる」などの理由でこのストライカーシステムを気に入っているファンも存在する((複数メンバーが一度に干渉するシステムは後に『2003』と『XI』で「マルチシフト」というストライカーとは異なるものが登場している。))。
--本作限定のアナザー/マニアックストライカーはファンサービスの方面が非常に強い要素である。
---というのも、このストライカー限定で設定完全無視の大量の客演キャラクター、更にその中にはマニアしか知らないであろうマイナーなキャラクターや没キャラクターまでもが含まれている。~
そして、''これによって総出演人数が80~90名を超えている''。ただでさえ調整が難しい格闘ゲームなのに、この膨大なラインナップでまともにバランスを取ろうというのが無茶な話である。
---このような何でもアリの大放出状態になったのは、本作の開発段階で既に旧SNKの経営状況は致命的に悪化しており((同年に旧SNKは経営悪化のためアルゼ(現ユニバーサルエンターテインメント)の子会社となっていた。))、出来がどうあれ本作が最後のKOFになるであろうことをスタッフが認識していたためだと思われる。操作キャラでないながらも本作を彩ったアナザー/マニアックストライカーの面々は正しく「旧SNKの置き土産、最後のファンサービス」と言えるだろう。

-一応、前作で明らかにおかしい性能だったプレイヤーキャラクターについては調整が行われている。
--拳崇の龍連打や穿弓腿、チョイの骸突き、ジョン・フーンのふっとばし攻撃やレオナのハートアタックなど。とはいえ、本作ではストライカーが致命的なまでに対戦バランスを崩壊させてしまった為(詳細は後述する「問題点」にて)、結局焼け石に水に終わってしまった感は否めないが…。
--他、『99』では『98』と比較してマイルド調整が目立ったのに対し、本作では全体的にキャラクターの性能の向上がはかられている。

-CPU戦の難易度がややマイルドになった。
--ラスボスのゼロも各必殺技性能自体は十分高いものの、KOFボスの常であるワンパターンでのはめ殺しがしやすくわかってしまえばあっさり倒せる。~
もちろん手慣れた人ならストライカーを駆使して即死連続技で葬ることも可能。

-森気楼氏が手掛けたイラストはやはり素晴らしい。
--36人ものキャラクターイラスト+カバーアートも描いているにもかかわらず、一人一人の構図や描き込みのクオリティが極めて高く、まさしくプロの技である。%%特に不知火舞の谷間。%%
---本作に限ったことではないが、彼の旧SNKへの貢献度はそれはもう計り知れないものがあった。

----
**賛否両論点
//当時の基準で評価するので賛否へ
-新キャラクターは濃い連中が揃っており、稼働当時は賛否両論だった。しかし、現在はいずれも一定の人気を得ている。
--タイガーマスク((漫画・アニメのタイガーマスクではなく、続編『タイガーマスク2世』とのタイアップで新日本プロレスのリングに上がっていた実在のレスラー・タイガーマスク(初代)がモデル))なラモン、三十路人妻ボクサーのヴァネッサ、爽やかなチームメイトの紅丸や真吾まで色物に見える程に濃い麟((彼の血液型は毒である))とセス、相撲部のお嬢様女子高生の雛子らは設定がかなり飛んでいるが、うち何人かは後の作品にも深く絡んだり、再登場も果たしている。
---ラモンのモーションは非常に凝っておりソバットやサマーソルト((格ゲープレイヤーが想像しやすいガイルタイプではなく、現実のプロレスのモーション))、四次元殺法とまで言われたタイガースピン等、ぶっちゃけ佐山のモーションまんまだが、再現度は非常に高い。
--その他の新キャラクターも特色の出たモーションが作成されており、どのキャラクターも使って楽しい出来になっている。
---特に隠し中ボスとして、「主人公と対を成す」というオロチ編における八神 庵に近いポジションと、ストーリーの軸を担う、氷を操る少女クーラ・ダイアモンドは、演出やプレイヤーキャラクターとしての調整に力が入っていたことも相まって、今やシリーズやネスツ編を代表する人気キャラクターの一人に至っている。

-通常プレイヤーキャラクターに新規の客演キャラクターがいない。
--いくら『KOF』シリーズが『'96』以降から独自色を強めてきたとはいえ、『'97』では当時の各ゲーム雑誌上で外部作からの参加希望キャラクターを決める投票企画まで行ってその結果『餓狼伝説』シリーズからマリーと山崎、『'99』からは同じく『餓狼伝説』シリーズから香緋が客演初参戦していた((『'98』と『2002』は総集編を兼ねたストーリー無しのオールスターなので例外。))。しかし今作ではアナザー/マニアックストライカーシステムを導入したせいか、通常の新キャラクターが全員KOFオリジナルキャラクターなのは仕方ないかもしれない。
--続編の『2001』も新規の客演キャラクターは1人もいなかった(代わりに完全新規キャラクターと過去の『KOF』シリーズからの復活キャラクターはそこそこいるが)。~
その後、本作から実に3年の時を経て『2003』以降のアッシュ編にて新たに『餓狼MOW』などから数人のキャラクターがKOFに初参戦している。

----
**問題点
-''ストライカーによる対戦バランス崩壊。''本作が『キング・オブ・ストライカーズ』と言われた最大の所以。
--ストライカーシステム自体は前作『'99』で導入されたものだが、前作では出すときに硬直があり、出せる回数・場面も限定されていたため使い勝手はあまり良くなく、「蛇足」の域を出ないシステムだった。
--そこで本作では『[[MARVEL VS. CAPCOM 2>MARVEL VS. CAPCOM 2 New Age of Heroes]]』のアシストのように技の動作中などいつでも出せるようにし、挑発を行いゲージを消費することで使用回数の補充もできるようになった。が、案の定、''余裕で相手を即死させられる壊れた連続技が大量発生''。~
即死までには至らずとも相手の体力を8~9割方奪う連続技はザラにある。
--なまじ自由度が上がりまくったため、小技から、投げから、対空から、切り返しから、隙の大きい技の隙消しから…とあらゆる場面でストライカーを用いた狂った連続技が可能である。~
ストライカーとして特に猛威を振るったのは以下の二人。
---ジョー東:飛び蹴りから「爆烈拳」(その場でフックの連打を放つ必殺技)を繰り出す。~
この飛び蹴り→爆裂拳が何故か''ダウン中の相手にも当たる''上に、爆裂拳部分を当てると相手を''強制的に立ち喰らい状態にする''ため、ダウン回避不能の技を持っているキャラは、ストライカージョーで起こしてコンボを継続する事が出来てしまう。~
具体的な例を挙げると、ラルフは「近立ち強P>コマンド投げ>ジョー>馬乗りバルカンパンチ>ジョー>馬乗りバルカンパンチ」であっさり即死コンボ完成。ゲーセンで「超絶」というにふさわしいほどの猛威をふるっていた。~
ジョー以外にもラモンやロバート等も同様の性質を持つが、拘束時間が長いジョーが一番連続技を決めやすいため、圧倒的に使用率が高かった。~
下記のアレンジ移植では追撃不能になるばかりか、''ジョー自体が削除される''という方法でバランス調整が行われたことからも、いかに本作でジョーが猛威を振るっていたのかが分かる。
//セスを始めとした割り込み性能のストライカーの防御的な使い方は「隙消し」に近い。なので「喰らいモーション中の緊急脱出手段」であるXIのセービングシフト(似たのだとギルティギアシリーズのサイクバースト)は不適切な例えなため変更します(そもそもストライカーは喰らいモーション中は召喚できない)。
---セス:プレイヤー後方の画面外から飛び蹴り→アッパーを行う。~
この飛び蹴りの性能が非常に良く、お手軽かつ安全な割り込み・対空技・隙の大きい技をガードされた際のフォローとして機能する。飛び蹴りだけならまだ前述のような用途の技の範疇で済むが、~
アッパーがヒットすると簡単に追撃ができてしまうため、キャラクターによっては『セスを呼び出す→連続技を叩き込んで1ゲージ溜める→セスで繋ぐ→挑発でストライカーボム補充→(繰り返し)』という''永久機関''が成立する。~
割り込みに適した技を持つストライカーは他にもいるが、その中でもズバ抜けた強さ。~
ジョーはコンボ接続に特化した攻撃型ストライカーだが、セスは攻防一体を地でゆくストライカーであり、これら以外にもストライカーを利用したガード不能連携、チキン戦術など、問題点を挙げれば枚挙に暇が無い。
//そもそも、基本的に1対1で勝負するものである格闘ゲームにおいて、画面外から飛び込んできたキャラクターと共に数人がかりでフルボッコが行われるという構図は''絵面的にも大変よろしくない''。
//MVCシリーズとかでも人気のある要素だし、ストライカー(アシスト)の存在自体は他の格ゲー同様別に見た目が悪い訳じゃない。
--このため使いやすいストライカーと、そのストライカーと相性の良いキャラが本作の強キャラとなっていることが多く、システムがキャラ性能までもを食っているという点で度々批判される。後の『2002』でもどこキャンについて似たような批判を受けることがあるが、ここまで極端ではない。
---例として庵はストライカージョー以外ではまず使われることは無い性能と言われており、逆にロバートはストライカーを交えない純粋な性能ではトップクラスと言われている。
--なお、本作に限らずKOFシリーズのプレイが盛んな中国では、禁止行為として「1回のコンボにおいて2回以上のストライカーの使用禁止」「ガーキャンふっとばし攻撃から直接ストライカーに繋げる行為の禁止」が制定されている。ようするに先述のような即死コンボがほぼ組めなくなっているのだが、&bold(){それをもってしてもジョーの使用率は高い。}
--上記に加え、「挑発をすることで、ゲージ一本をストライカーボム一個に変換できる」というストライカーボムの補充方法から『'96』((『'94』〜『'96』までは、挑発をすると相手のゲージを減らすことが可能であり、他作品とは異なり演出におけるオマケではなく戦術に影響するシステムの一つとして導入されていた。さらに元を辿るとこのシステムは同社の『龍虎の拳』シリーズが元祖である。))以来に挑発が飛び交う事にもなった。『'97』以降ではわざわざモーションと専用ボイス付きで存在する割に特に効果がなく、あくまでも演出におけるオマケの一つ((厳密には『'98』でもエキストラモード同士なら挑発でゲージを減らすことができたが、前述したように条件が極めて限定されているせいもあり、蛇足の域を出ないレベル))で使う機会が滅多にない物ではあったが、相手を挑発する物に変わりなく、それを合間合間に何度も使い使われるのは嫌な人もいた事も事実である。
--先述で記載したような強いストライカーがとことんなまで強い一方で、弱いストライカーは救いようがないまでに弱い。~
そもそもKOFの伝統ではあるとはいえ操作キャラの数の時点で大所帯な上に、今作はストライカーの数も各キャラに存在するアナザー/マニアックストライカーを含めたら規格外な規模である。そんな短期間で整理するのが困難な数だというのに、短い開発期間でバランスを調整するなんて、無理・無茶・無謀ともいえる。

-ストライカー以外のバランス面における難点
--『ストライカーを使用禁止にすると意外とバランスは悪くない』と言われることはある。だがそれも『当時のKOFシリーズの平均で』という話であり、アーマーモード・カウンターモードの相性を含めたキャラクター格差が決して小さくないため、''全員を底上げして穴を埋めるストライカーがいたほうがむしろバランスはマシ''とも見れる。~
結局のところ、ACでの対戦ではストライカー禁止ルールはあまり普及しなかったのだが…。
--そもそも新キャラクターの一人・麟は調整不足から来るバグが目立つ。ゲージが無い時に「飛賊奥義影向」を入力するとガード不能になるバグが存在し、これによる永久連続技が可能。
--同じく新キャラクターのヴァネッサも永久連続技は理論上可能だが、こちらは猶予0F(1F=1/60秒のズレなく完璧のタイミングで入力し続けていかないと成立しない)のため実戦投入は実質的に不可能である。&s(){もしもそれができたらそのプレイヤーは精密機械と揶揄されて賞賛されるだろう。}

-アーマーモード・カウンターモード
--アーマーモードは凶悪だが、おかげで立ち回りでストライカーにも対抗できる。用途の違うカウンターモード共々、即死コンボに持ち込むことが可能。
--初心者でも比較的容易に大ダメージ~即死に持ち込めるストライカーばかりが目を引くが、用途とコンボがわかっていればこれらも比肩しうるほどに強力。
---一例を挙げるとすれば、チャン・コーハンがアーマーモード中にパンチボタンを連打するだけで一部のキャラは成すすべなく詰むことがある。このような「鬼に金棒」とも言える強力な組み合わせに前述のストライカーも組み合わせれば、即死コンボの構築も比較的楽。
--とはいえ先述のとおり本作で猛威を振るうストライカーに対するほぼ唯一といっていい共通の対抗手段であり、「パワーゲージをMAXまで溜めないと発動できない上に、終了後は数秒間オーバーヒートでゲージを溜められない」「アーマーモードは一部の技が多段ヒットしてしまい通常よりも多く体力を減らされる」といった弱点もあるため、一概にバランスを崩しているだけの要素とも言い難い。

-ストーリー展開がかなりややこしい。
--そしてその複雑な内部事情がACゲーム特有のテンポの早い描写・一部の断片が複数のチームをまたいで語られるため、小説版や補足情報なしでしっかり把握できたプレイヤーは皆無と言っても良いだろう。~
当時多くの人には''「最後にチョビヒゲのおっさんが出てきて倒したらなんか勝手に死んだ」''程度にしか理解されなかった。しかしこれでも続編の『2001』よりは整合性が取れている方だったが…。

#region(本作ストーリーを簡単に説明すると以下の通りになる)
悪の組織「ネスツ」に反旗を翻した元戦闘員たち(主人公であるK'ら)を捕獲してネスツ対策に利用するため、「リング機関」という組織が(ネスツ主催と見せかけて)KOFを開催。~
…が、ラスボスであるネスツ幹部・ゼロ((なお『KOF2001』では「『KOF2000』に登場したゼロは「01」のコードネームを持つクローンであり、オリジナルのゼロ(「00」)が別に存在する」と設定された。つまり『2000』のゼロが「01」で『2001』のゼロが「00」という非常にややこしいことになっている。))が司令官のリングを暗殺して入れ替わり、リング機関を掌握すると共に対ネスツの切り札として用意された衛星兵器「ゼロ・キャノン」を奪取する。ここまではネスツの狙い通りだった…。~
しかしゼロ本人はネスツへの反乱を企んでおり、リングのクローン人間にリング機関の掌握を継続させて自らは裏に回り、KOFを通じて格闘家達から生み出されたエネルギーをゼロ・キャノンに転送することでネスツ乗っ取りの武器にしようとした。~

ゼロが優勝チームに倒された後、リングとすり替わっていたクローンはハイデルンによって排除されたが、~
時を同じくしてネスツ内偵のクーラ・ダイアモンドたちによってゼロは粛清され、ゼロキャノンは街一つをゼロもろとも消し飛ばした後にクーラに破壊される。~
それはリング機関と手を組んでネスツを追い詰めようとしたハイデルンたちにとっては完全敗北…ネスツへの対抗力と街1つ、そしてプライドを失ったことを意味した。

''…全然簡単じゃない''。

-この内容の複雑さについては旧SNKもしっかり把握していた節がある。そのためかコメディ寄りのチームのEDは今までになく酷く、投げやりとしか思えないものになっている。
--韓国チームのEDはチャンとチョイがゼロ・キャノンのビームを喰らい、そのショックで互いの人格が入れ替わってしまうもの。キムとジョンがゼロに戻し方を聞こうとするも、ゼロは黒焦げになって頭から地面に突き刺さっていた。なお、続編の『2001』ではストーリーで数行触れられた程度で元に戻っている。
---いくらチャンとチョイがKOFシリーズ屈指の色物・悪役かつギャグ担当キャラクターとはいえ、この扱いはひどすぎる。
--また、サイコソルジャーチームのEDは包に飽和しきった気を拳崇が受け止めるシーンがあるが、その時の絵が同性同士でキスしているようにしか見えない。包自体がショタキャラかつ一定の層を狙った外見のため、露骨だと批判もあった。
--龍虎チームのEDはゼロ・キャノンの砲撃をキングが受けかけるも、タクマが覇王至高拳でビームをカット。直後、「極限流の世継ぎをキングが産むかもしれないから((変な意味ではなく、キングはリョウを想っているように描かれている。))」と理由を聞かされたリョウとロバートがあきれて変顔という締め。
---もっとも龍虎チームのEDは初代作品である『'94』の時点ですでにギャグ色の強いものとなっており、本作に限らずKOFシリーズ全体における問題点とも言える。一方で、タクマが街一つを消し飛ばす衛星兵器を相殺する程の実力者として描写されていることを評価する向きもある。このシーンは印象的だったためか、後の『2002UM』の裏タクマには実際にそのシーンを元ネタにしたMAX2が搭載されている。
--極め付きはエディットチームのエンディングで、これはハイデルンが今回の事件の捜査、真相を探り仮説を立てるという、彼が語り部になっているような内容だが、彼の台詞が、当時の倒産寸前の旧SNKの社内事情を風刺したような内容にもなっている。
---この風刺も込められた台詞は、約半年前に稼働開始した現時点の餓狼伝説シリーズの最終作、『餓狼 MARK OF THE WOLVES』でも見られた(特にロックのエンディングが顕著)。
#endregion


----
**総評
とにかくストライカーひとつで対戦バランスが完全に崩壊しており、格闘ゲームとしての評価は当然低い。~
あまりにも永久連続技や即死連続技がありすぎるので最低限の攻守バランスも取れていないが、『'99』よりもシステムがコンボに繋がるそのわかりやすいゲーム性は今でも地味に愛好者は存在する。~
実際、ストライカーシステムを用いたネスツ編ストーリー作の中では一番遊ばれた作品ではあった。~

また、デモ演出やBGMではハード性能の限界を感じさせないセンスの良い作りが光っており、CPU戦の面白さや、ギリギリまで詰め込まれたストライカーによるファンサービスを評価する向きもある。~
''当時のSNKの状況を考慮すると、本作は最初からバランス度外視で作られている''とも言えるため、色んな意味で世紀末な対戦でワイワイしたり、あるいはストライカーを封印して真剣勝負したり…と、アクションゲームとしての楽しみ方は十分に広い作品である。~
兎にも角にも本作が、かつてアーケードで一時代を築いた旧SNKの最後の格闘ゲームとしての色を示した事に変わりはないだろう。

----
**移植
ネオジオ版以外は全て旧SNK倒産後に版権を受け継いだ後継会社であるプレイモア(後のSNKプレイモア、現在のSNK(新社、2代目))からの発売である。
-家庭用ネオジオ版(2000年12月21日発売、39900円)
--MVS(アーケード版ネオジオ)の完全互換機であるため、当然ながら移植度は完璧。
--これまでの家庭用と同様、アーケード版では基板設定変更でしか遊べないシングルモード(1キャラクター&1ストライカーの複数ラウンド制)も自由に遊べる。

-ドリームキャスト版(2002年8月8日発売、6090円)
--プレイモアが新規で発売した他社ハード向けソフトの第一弾。追加要素としてパズルモードが搭載。バラバラのピースを、移動させたりLRトリガーで回転させたりして絵を完成させる。完成した絵はギャラリーモードで観覧できる。
--アナザーストライカーに対応した過去SNK作品のステージが登場する。固有BGMの過去ステージはパズルモードをクリアすることで解禁される。
--プラクティスモード限定でゼロが使用可能。
--バックステップ中に空中必殺技を出せない等の謎の仕様変更があり、AC版の再現という点では劣る箇所がある。

-プレイステーション2版(2002年11月28日発売、7140円)
--シリーズ初のPS2版であり、プレイモアのPS2参入第一弾ソフト。追加の隠し要素としてアーケード版KOF2000に登場していない過去のKOFキャラクター(アメリカンスポーツチームやオロチ等)などがマニアックストライカーとして追加されている。
---これらの追加マニアックストライカーは、パーティーモードの勝ち抜き数に応じて解禁されていく。
---PS2に移行されたことで、PS1時代の劣悪なロード時間は改善された。全く無い訳では無いが、ロード画面に移行しなければいけない程度のものは無い。
--一定条件を満たすことで歴代のオープニングが鑑賞できる。
--ゼロが対戦モードとプラクティス限定で使用可能。ただし前提として上記の追加マニアックストライカーを全て解禁する必要がある。

-プレイステーション2版『THE KING OF FIGHTERS -ネスツ編-』(2007年4月19日発売、5,040円)
--『KOF'99』『KOF2000』『KOF2001』を1本に収録したコンピレーション版。
--ネオジオ版・ドリームキャスト版が両方収録されており、アレンジサウンドトラックス収録の高音質BGMも選択可能。現在プレイするならかなりお得だが、移植度はあまり高いとは言えないのでその点は注意。
--DC版ベースのため、過去作ステージは収録されているものの、PS2単体版に登場した追加マニアックストライカーは使用できない点は注意。バックステップ絡みの変更もそのまま。
--DC版側では、新たにゼロが全モードで使用可能になっている(戦闘専用でストライカーとしての選択は不可)。
--また、『ネスツ編』のDC移植版共通事項として音質がやや低下しており、ボイスも一部低くなっているなど不評点がある。単体移植版と比較すると本作に関しては一長一短といったところである。
--一方でネオジオモードは完全にほぼそのままベタ移植のオマケ収録であり、キーコンフィグすらできない。

----
**続編
-''[[THE KING OF FIGHTERS 2001]]''(2001年11月稼動)
--旧SNKの倒産によって誰もがKOFは終わったと思っていた中、突如登場したまさかの続編。~
旧SNKの子会社であったプレイモア((2020年5月時点において存在するSNKの元となった会社。2001年8月1日設立。2003年7月に商号を「株式会社SNKプレイモア」、2016年12月1日に商号を旧SNKと同じ「株式会社SNK」に変更している。))を中心にブレッツァソフト、サン・アミューズメント、ノイズファクトリーが韓国のゲームパブリッシャー、イオリスの資金提供を受けて開発したもの。
---その開発環境の厳しさ、開発期間の極端な短さから無理矢理ひねり出されたような作品であるため、黒歴史とも言えるような出来だが、とりあえずでもKOFを存続させ、現在に繋いだことは評価されている。

-''THE KING OF FIGHTERS EX'' シリーズ
--前作と本作のシステムをベースとして作られたゲームボーイアドバンス版。当時の携帯機の格闘ゲームとしては珍しく、AC版とほぼ同じ頭身でキャラクターが描かれている。
---こちらはシステムのベース自体は『2000』だが、ストーリーそのものは「オロチ編とネスツ編をつなぐ」という触れ込みでオロチ編の要素が色濃い。
--[[1作目>THE KING OF FIGHTERS EX NEO BLOOD]]の出来は問題点しかないレベルだが、[[2作目>THE KING OF FIGHTERS EX 2 ~HOWLING BLOOD~]]は携帯機の格闘ゲームとしては高評価。

----
**余談
-ラスボスのゼロは『[[北斗の拳>北斗の拳 (AC)]]』に出てくる''羅将ハン''ほぼそのままの見た目。
--使う技の名前も全く同じ名前である(技自体は全然違うものだが)。

-本作の翌年に旧SNKは倒産した((なお負債総額は約380億円で、これは1998年に経営破綻したコンパイルの約75億円の負債の5倍にも及ぶものであった。))…とはいえ(しばしば勘違いされるが)、旧SNKの経営状況が悪化したのは本作などのアーケードゲームの出来云々や、キャラクター商法への傾倒が直接的な原因という訳ではない((元々MVSの圧倒的な普及による下地があったため、格闘ゲームブームが終息したこの時期でもオペレーターからの支持率は非常に高く、ソフト事業自体は一定の収益を維持していた。))。
--主な原因として挙げられるのは''無謀な多角経営''(特に莫大な資金が投入されたお台場の遊園地''「ネオジオワールド」の大失敗'')である((実のところ、黄金期を迎えていた90年代中頃から旧SNKは盛んにアミューズメント事業進出を試みていたのだが、成功したと言えるのは地元を中心に展開したゲームセンター「ネオジオランド」ぐらいのものであった。ネオジオワールドの失敗は、SNKが得意としていたキャラクター性やネオジオゲームとは一切関係ないアトラクションばかりだったのが原因とされている。))。
//と''新規ハードの相次ぐ不発''といった企業戦略レベルでの失敗
//--新世代ハードの展開はかなり酷いもので、凄まじいコケっぷりを見せた「ハイパーネオジオ64」((ハイパーネオジオ64の大失敗のせいもあり、結果的にネオジオMVS/AESは超長寿ハードの運命を背負うことになった。))、任天堂に正面から喧嘩を売って惨敗した「ネオジオポケット」((発売当初のキャッチコピーが「誰だって、BOYを捨てる時が来る」という、明らかにゲームボーイを意識したものだった。なお同時期にバンダイも携帯ゲーム機「ワンダースワン」を発売したが、これもネオジオポケット同様に大コケしていた。))などは記憶に新しい人も多いだろう。
//---SNKの新世代ハードはどの機種も優秀な部分は持っていたのだが、「コスト重視による''等速ドライブ''採用の結果ロード地獄(ネオジオCD((一応、ネオジオCDに関してはROMカセットがあまりにも高額だったネオジオの廉価版・下位互換機としての需要が無かった訳ではないが、すでに他社ディスクハードでSNKゲーが移植されていたこともあり、結果的にネオジオROMカセットよりも早くソフト供給が終了した。))((一応倍速ドライブ採用の「ネオジオCD-Z」も登場したが、それでもロード時間の根本的な改善には至らなかった。)))」「''2D特化のネオジオ後継機''として開発したはずなのに何故か''3D機''として売り出す(ハイパーネオジオ64)」((1997年当時は『バーチャファイター』『鉄拳』等3D格闘ゲームが台頭してきた時期でもあり、それに触発されて3D進出を目論んだものと思われるが、明らかに3D機としてはスペック不足で『サムライスピリッツ』『餓狼伝説』と3D版はどれも駄作に終わってしまった。))「モノクロ版発売''翌月''にカラー版発売を正式発表(ネオジオポケット)」((ちなみにワンダースワンも発売当初はモノクロで、後にカラー版を発表するという同じ失敗をしてしまっていた。))と、もはや擁護不可能なレベルの戦略ミスが悉く新ハードをコケさせてしまった。
//---これらの失敗が積もり積もってネオジオ系のソフトで築いた貯金を食い潰し、アーケード市場以外での売れ線を作るどころか逆に重くのしかかった…というのが決定的な敗因である((なお負債総額は約380億円で、これは1998年に経営破綻したコンパイルの約75億円の負債の5倍にも及ぶものであった。))。
//ソースが怪しいのでCO。アミューズメントパーク関連で赤字を出したのはおそらく事実だが、ゲーム事業はどれも利益が出ていたとも言われている。
//一応新規ハードも一定の評価はあったものの、同世代のライバル機と比べて売り上げがあったとはお世辞にも言えず、少なくとも企業体力を削いだ原因でもあっため(特にハイパーネオジオ64は倒産の原因の一つになったと思われる)、批判表現を抑え目にしつつ記述しておく(下記)。
--また、家庭用、アーケード共に、ネオジオに取って代わる新規/後継ハードも幾つか投入したものの、ネオジオポケットやネオジオCD(Z)みたいに一定の固定ファンから評価を得た機種も確かにあったのだが、難点が目立ったのも確かで((ネオジオポケットはソフトラインナップで同世代のゲームボーイに太刀打ちできず、ネオジオCDは等速ドライブや元々未圧縮で膨大なデータ量を扱うロムカセット前提で造られていたネオジオのソフトをそのままCD媒体に移したため、ロード時間が非常に長い点がかなりの不評で、加えてソフトラインナップも主にジャンルの種類において同世代のライバル機(プレイステーションやセガサターン、NINTENDO64など)に比べると乏しいという難点を抱えていた。))、同世代のライバル機に太刀打ちできたとはお世辞にも言えない結果だった。
---極め付きはアーケードにおいてMVS(アーケード版ネオジオ)の後継基板になるはずだったハイパーネオジオ64の失敗で、こちらは本来はMVSの正統進化機種として2Dに特化したスペックで3Dグラフィックはあくまでオマケ程度の性能だったものの、何故か上部が3D向けとして売り出すことを決行したため、結果的に当時のライバル社が出していた3Dの格闘ゲーム((主にセガの『バーチャファイター』シリーズ、ナムコの『鉄拳』シリーズ))と比べるとグラフィックが明らかに劣っており、~
さらにアーケード基板としてはハード/ソフト共に低価格であったMVSとは対照的にかなりの高価であった欠点ものし掛かり、一部マニアからの支持はあったものの、お世辞にもヒットしたとは言えない結果に終わってしまった。

-タイトルを略して『KOF'2000』と書かれる事もあるがこれは間違い。
--「'」は年号の上2桁を略しているため、入れるなら『KOF'00』となる

-本作では前作から引き続き、キャラの台詞や技名に[[当時流行していた某音楽ゲームブランド>BEMANIシリーズ]]の影響が見受けられている。
--ストライカーすらも、「アナザーからコマンド入力でマニアックが選べる」という要素は名称まで[[某ダンスゲーム>Dance Dance Revolution]]そのままである。
--うち、チャンの勝利台詞にはそれら機種の中でも特に人気のあった某シンガーの曲の歌詞が引用されているのだが、[[その某氏や>http://dic.nicovideo.jp/a/%E8%A7%A6%E3%82%8C%E3%81%AA%E3%81%84]][[KOFシリーズのその後>THE KING OF FIGHTERS 2001]]を踏まえると、現在は笑うに笑えないネタになってしまっている感は否めない。

-今作で初登場しセスと共に紅丸チームで凄まじい存在感を見せたキャラである麟を演じた黒田崇矢氏はこの年に声優としてのキャリアを始めたとの事。氏は後に『[[龍が如く]]』シリーズで主人公を務めるなど一躍人気声優の一人となった。

----
//ザ・キング・オブ・ファイターズ ザキングオブファイターズ キングオブファイターズ(検索用、消さないこと)