【ざ きんぐ おぶ ふぁいたーず にせん / つーさうざんど】
ジャンル | 対戦格闘アクション | ![]() ![]() |
対応機種 | アーケード(MVS) | |
販売・開発元 | SNK | |
稼動開始日 | 2000年7月26日 | |
レーティング | CERO:B(12才以上対象) | |
配信 |
アーケードアーカイブス 【Switch】2017年8月10日/823円 【PS4】2018年6月21日/823円 【One】2018年6月21日/842円(税8%込) |
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判定 | ゲームバランスが不安定 | |
賛否両論 | ||
ポイント |
ザ・キング・オブ・ストライカーズ 旧SNK最後のKOF、置き土産のファンサービス 質の高い演出・BGM 良くも悪くも個性的な新キャラ |
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THE KING OF FIGHTERSシリーズ |
謎の秘密結社『ネスツ』の存在が明るみに出てからしばらくの時が過ぎた。
だが、それ以来ネスツはこれといった活動を起こすことなく影を潜めてしまう。それとは対照的に、世界各地でテロ活動が頻発する事態が発生。
ハイデルンたち傭兵部隊は、その活動がK’とマキシマの二人による物だということを突き止める。
早速二人の追跡を開始しようとしたハイデルンだったが、ちょうどその時、『KOF開催』の知らせが…!驚くべき事に、招待チームの中には、K’とマキシマたちのいるチームも存在した。
その二人に誘き寄せられるように、ネスツも計画の第二段階を発動させる。
ネスツの活動再開は単なる偶然か?それとも…!?世界各地でトーナメントを開始する格闘家たち。
再び波乱の予感を漂わせ、ザ・キング・オブ・ファイターズ、いよいよ開幕……!
SNKの対戦格闘ゲーム『THE KING OF FIGHTERS(以下KOF)』シリーズ第7作目。翌年2001年10月30日に旧SNKが倒産したため、本作が旧SNK製としては最後のKOFとなった。
7作目ではあるが、オープニングデモではドリームマッチの『KOF'98』を除いて「EPISODE 6」と銘打たれている。
今作から2000年代に突入したことで、タイトルの西暦が略されず表記されるようになった。
前作『KOF'99』から始まった新章「ネスツ編」三部作の中編にあたり、前作で追加された4人目のメンバーによる乱入攻撃「ストライカー」システムを発展させた自由度の高さが特徴。
同社の看板絵師であった森気楼氏が最後にキャラクターイラストを担当したKOFでもある(彼はその後、カプコンに移籍)。
操作系統はネオジオの基本配置である1レバー+4ボタン(弱P・強P・弱K・強K)。
基本システムは前作『'99』を参照。本作では以下の変更が行われた。
+ | 参戦キャラクター&ストライカー一覧 |
+ | 参考動画 |
+ | ネタバレ注意。本作ストーリーを簡単に説明すると以下の通りになる |
とにかくストライカーひとつで対戦バランスが完全に崩壊しており、格闘ゲームとしての評価は当然低い。
あまりにも永久連続技や即死連続技がありすぎるので最低限の攻守バランスも取れていないが、『'99』よりもシステムがコンボに繋がるそのわかりやすいゲーム性は今でも地味に愛好者は存在する。
実際、ストライカーシステムを用いたネスツ編ストーリー作の中では一番遊ばれた作品ではあった。
また、デモ演出やBGMではハード性能の限界を感じさせないセンスの良い作りが光っており、CPU戦の面白さや、ギリギリまで詰め込まれたストライカーによるファンサービスを評価する向きもある。
当時のSNKの状況を考慮すると、本作は最初からバランス度外視で作られているとも言えるため、色んな意味で世紀末な対戦でワイワイしたり、あるいはストライカーを封印して真剣勝負したり…と、アクションゲームとしての楽しみ方は十分に広い作品である。
兎にも角にも本作が、かつてアーケードで一時代を築いた旧SNKの最後の格闘ゲームとしての色を示した事に変わりはないだろう。
ネオジオ版以外は全て旧SNK倒産後に版権を受け継いだ後継会社であるプレイモア(後のSNKプレイモア、現在のSNK(新社、2代目))からの発売である。
*1 ただし、アーケード/ネオジオ版は隠しコマンドを一回入力するとその試合ではアナザーストライカーを選択できなくなる(アナザーから置き換わる形で出現するため)。
*2 開発中のK'の没デザイン案のひとつ。髪は焦げ茶色のオールバックで肌は色白。
*3 『ロボアーミー』の2P主人公。ちなみに1P主人公の名前はマキシマ。「身体を機械に改造された人間」という設定も、本作のマキシマと共通している。
*4 長い髪を下ろし肌を露出して短パンを履いた、一見女装のようにも思わせるような姿。
*5 京のコスプレをした謎の少女。後に『SVC CHAOS』にて京のブリス姿として登場。
*6 ネオジオ発売当時のポスターやテレビCMで、「凄いゲームを連れて帰ろう。」のキャッチコピーと共に大々的に登場。他にもイメージキャラクターという立場を買われてか、様々なネオジオゲームの背景やデモにカメオ出演していた。
*7 道着姿で挑発をしまくるロバート。2Pはピンク。『ストリートファイター』シリーズのダンのパロディ返しということか。
*8 本作のみ衣装が独自のものに変更されている。
*9 同作のタイトル画面に登場していたパンダだが、名前は本作で名付けられた。余談だが、鎮元斎はプロフィールにてパンダを嫌いなものに挙げているにもかかわらず、パンダがアナザーストライカーを務めている。
*10 『KOF'97』のサイコソルジャーチームのストーリーで初登場した、歩けない障害を抱えていた少女(本作の時点では手術成功により完治)。それ以降でもストーリーやデモで度々登場し、本作でもサイコソルジャーチームのストーリーに登場している。なぜかメイド服。
*11 名前のとおり、スマートな体型になっているチャン。頭頂部の髪も生えて、髭と髪を短く切り整えており男前な外見に。衣装は独自のものを着ている。
*12 名前のとおり、『'95』以前の姿を長身かつカッコ良くしてクールになったチョイ。
*13 新規オリジナルキャラクターだが、『ファイトフィーバー』の主人公「ハン・ベダル」の名前を元ネタにしている。ジョン・フーン自身も同作のキャラクター「キム・フーン」が元ネタ。
*14 『KOF』参戦はGB版『熱闘KOF'95』以来。
*15 「重ね当て」を放つ赤胴の男。顔が影のように隠されているが、その姿はどう見ても、SNKの背景キャラクター部門の大御所とも言える「あの人物」である。後に『2002UM』の香澄のある新技にてこの姿で彼が再登場し....
*16 ビリーの妹。餓狼シリーズのエンディングに登場する他、後の『KOF MI』シリーズでプレイヤーキャラクターになる。そちらでも本作と同じく声優はかかずゆみ氏が担当。
*17 京と庵をチームに入れてかつクーラを入れていない状態だと専用のエンディングを観ることができる。
*18 京の初期案・没キャラクター。「AKIRA」の金田正太郎を意識した暴走族のようなキャラクター。声優も金田と同じく岩田光央氏が担当している。
*19 投げ追撃時以外はどちらかがランダムで出現。
*20 バンド活動でのステージ衣装として設定されている、黒いトレンチコートを羽織った姿。ちなみにお披露目は本作が初ではなく、過去に『KOF'96』の一部CD媒体ハード移植版のロード画面や、一部版権イラストにてこの姿を披露していた。
*21 クーラを入れてかつ京と庵の両方が入っていない状態(どちらか片方のみなら構わない)だと専用のエンディングを観ることができる。
*22 「ウィップ」→「ヴァネッサ」→「セス」→「マキシマ」→「K'」→「?(ランダム)」の順にそれぞれカーソルを動かしてスタートボタンを押した後に、上→下と入力するとクーラの台詞と共に「?」の下に出現
*23 クーラ自身はストライカーとして登場しないため、代理として登場する女性型サポートロボット。ちなもにクーラがCPU戦で登場した際には、クーラ側のストライカーとしても登場(即ち、戦闘キャラ:クーラ、ストライカー:キャンディーという組み合わせ。当然ながらこの組み合わせはプレイヤー使用時は再現不可)。
*24 ネスツ上級幹部兼クーラの保護者で同じく保護者であるダイアナ(こちらはクーラの登場時や一部技中に登場)の相棒。本作では一部デモでもダイアナと共に登場し、次回作『2001』でプレイヤーキャラに昇格した。
*25 家庭用でも他のキャラクターと異なり、ストライカーとしての使用不可。
*26 「オロチ編」と呼ばれる『'98』までは生音をイメージした曲調のものが多く、実際にアレンジサウンドトラックでも生楽器率が高かった。
*27 このような後に倒産する当時の旧SNKの事情を風刺したような演出は、本作のエディットチームのエンディングや、約半年前に稼働開始した『餓狼MOW』の一部エンディングでも見られた。
*28 複数メンバーが一度に干渉するシステムは後に『2003』と『XI』で「マルチシフト」というストライカーとは異なるものが登場している。
*29 同年に旧SNKは経営悪化のためアルゼ(現ユニバーサルエンターテインメント)の子会社となっていた。
*30 漫画・アニメのタイガーマスクではなく、続編『タイガーマスク2世』とのタイアップで新日本プロレスのリングに上がっていた実在のレスラー・タイガーマスク(初代)がモデル
*31 彼の血液型は毒である
*32 格ゲープレイヤーが想像しやすいガイルタイプではなく、現実のプロレスのモーション
*33 『'98』と『2002』は総集編を兼ねたストーリー無しのオールスターなので例外。
*34 『'94』〜『'96』までは、挑発をすると相手のゲージを減らすことが可能であり、他作品とは異なり演出におけるオマケではなく戦術に影響するシステムの一つとして導入されていた。さらに元を辿るとこのシステムは同社の『龍虎の拳』シリーズが元祖である。
*35 厳密には『'98』でもエキストラモード同士なら挑発でゲージを減らすことができたが、前述したように条件が極めて限定されているせいもあり、蛇足の域を出ないレベル
*36 なお『KOF2001』では「『KOF2000』に登場したゼロは「01」のコードネームを持つクローンであり、オリジナルのゼロ(「00」)が別に存在する」と設定された。つまり『2000』のゼロが「01」で『2001』のゼロが「00」という非常にややこしいことになっている。
*37 変な意味ではなく、キングはリョウを想っているように描かれている。
*38 ただしユリに限ればプレイヤー初出作品『龍虎の拳2』の時点でその兆候があったが。
*39 2020年5月時点において存在するSNKの元となった会社。2001年8月1日設立。2003年7月に商号を「株式会社SNKプレイモア」、2016年12月1日に商号を旧SNKと同じ「株式会社SNK」に変更している。
*40 なお負債総額は約380億円で、これは1998年に経営破綻したコンパイルの約75億円の負債の5倍にも及ぶものであった。
*41 元々MVSの圧倒的な普及による下地があったため、格闘ゲームブームが終息したこの時期でもオペレーターからの支持率は非常に高く、ソフト事業自体は一定の収益を維持していた。
*42 実のところ、黄金期を迎えていた90年代中頃から旧SNKは盛んにアミューズメント事業進出を試みていたのだが、成功したと言えるのは地元を中心に展開したゲームセンター「ネオジオランド」ぐらいのものであった。ネオジオワールドの失敗は、SNKが得意としていたキャラクター性やネオジオゲームとは一切関係ないアトラクションばかりだったのが原因とされている。
*43 ネオジオポケットはソフトラインナップで同世代のゲームボーイに太刀打ちできず、ネオジオCDは等速ドライブや元々未圧縮で膨大なデータ量を扱うロムカセット前提で造られていたネオジオのソフトをそのままCD媒体に移したため、ロード時間が非常に長い点がかなりの不評で、加えてソフトラインナップも主にジャンルの種類において同世代のライバル機(プレイステーションやセガサターン、NINTENDO64など)に比べると乏しいという難点を抱えていた。
*44 主にセガの『バーチャファイター』シリーズ、ナムコの『鉄拳』シリーズ
*45 世良公則氏がボーカルを務めた人気バンド。