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ビヨンド・ザ・ビヨンド 遙かなるカナーンへ - (2023/12/26 (火) 16:06:36) のソース

*ビヨンド・ザ・ビヨンド 遙かなるカナーンへ
【びよんど ざ びよんど はるかなるかなーんへ】
|ジャンル|ロールプレイングゲーム|&image(https://www.suruga-ya.jp/database/pics_light/game/140000115.jpg,height=200)|
//汚い画像になっていたので差し替え
|対応機種|プレイステーション|~|
|発売元|ソニー・コンピュータエンタテインメント|~|
|開発元|キャメロット|~|
|発売日|1995年11月3日|~|
|定価|5,800円|~|
|判定|BGCOLOR(lightsalmon):''クソゲー''|~|
|ポイント|''連打ゲー''&br()その癖に連射機お断りの漢仕様&br()バグだらけ&br()''PS1周年記念RPG(黒歴史)''|~|
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#contents(fromhere)
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**概要
プレイステーション発売1周年を記念して発売されたRPG。略称は『ビヨビヨ』。~
開発元のキャメロットのデビュー作となるが、同社は[[シャイニングシリーズ]]を手掛けたソニックから派生した会社であり、同じビルにあったことから主要スタッフも同じである(後にキャメロットに合併)。~
ゲームとしては極めてオーソドックスなファンタジーRPG。戦闘システムは後述する通り独特なものだが、基本は「アイテムはキャラ毎に所持」「セーブ、蘇生、解毒を教会で行う」など、[[ドラゴンクエストシリーズ]]に倣っており、ドラクエフォロワーとも言えるだろう。

キャラクターデザインは『南国少年パプワくん』で知られる漫画家の柴田亜美氏。~
当時、柴田氏が月刊誌『月刊ファミ通Bros.』(現在は廃刊)で連載していたエッセイマンガ『Gセン場のアーミン。』では、本作の逸話や本作を題材とした4コママンガが描かれていた。~
音楽は、現在はトライエース作品や[[テイルズ オブ シリーズ]]で名高い桜庭統氏が担当。

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**問題点
***グラフィックの面
-''キャラデザ・柴田亜美氏の原画に対し、顔グラが似ていない''。
--最初のうちは年齢が十代のキャラの顔グラ(フィン(主人公)、アニー、エドワードの3人)が、その対象となる。ただ柴田亜美風という具合に、まだ雰囲気は保てている状態ではある。
---どういうわけか、アニーの兄である騎士「ベルーシ」と渋めのおっさんキャラはかなり似ている。
--しかし''問題はレベルが一定以上になると出来る、クラスチェンジ後に起こる(深刻化する)。''そうなるとほぼ全てのプレイヤーキャラの顔グラは柴田氏の画風からかけ離れたものになってしまう。シリアス感を出したかったのか異様に顔が暗くなり、キャラによってはホラー染みた感じにも見える。単純におかしい。
---他の作品で例えるなら、『[[ゼノサーガ エピソードI>ゼノサーガ エピソードI 力への意志]]』から『[[エピソードII>ゼノサーガ エピソードII 善悪の彼岸]]』くらいの変貌があると言っても過言ではない。
#region(主人公で見るグラフィック)
|左がクラスチェンジ前、右がチェンジ後。&br;原画に関してはパッケージ参照。|そしてポリゴンモデル。&br;父親は(フィンよりマシなレベルだが)似ているのに……|
|#ref(fin1.png)|#image2(fin2.png,center,width=250,height=250)|
#endregion

//***キャラクターの面
//-''プレイステーションでは実現可能な声優陣のキャラクターボイスが採用されていない''。
//--容量の問題かが不明だが、イベント、戦闘における様々な要所にキャラクターの声が出ない仕様となっている。
//ボイス無しゲームなんて珍しくないでしょう。FFだってPS時代は無かったのだから。

***システムの面
-''エンカウント率が高い''。
--数歩移動するだけで敵と出会うことがかなり多い。
--消耗品のエンカウント率軽減アイテム((仕様ミス?で一部の高確率エリアを除いてエンカウント率が0になる。))はあるが、短い歩数で効果切れとなるため大量に買い込む必要がある。
//しかしエンカウント封印の効果は実はバグではないかと言われており、本来はどこで使ってもエンカウント率軽減が正規の効果とのこと。
//--攻略本情報の上に余談にも重複して書かれていたため削除

-一部ダンジョンの難易度が高すぎる。
--後半のダンジョンは落とし穴などの陰湿なワナが多く、仕舞いには『[[ドラゴンクエストII>ドラゴンクエストII 悪霊の神々]]』の「ロンダルキアへの洞窟」を意識したと思われる難易度と仕掛けのあるダンジョンが出てくる。
#region(''その名も……'')
-「カナーンへの洞窟」
--カナーンへの洞窟にはロンダルキア同様の落とし穴が存在する。穴は見えず、一度落ちても穴が見えない状態で復活する。マッピングしてみれば分かるのだが、落とし穴の位置は壁際である場合は少ない。壁際に沿って歩けば…。
---一応、下のフロアには穴のヒントがある。
--そこに登場する敵の強さもかなりのもので、普通にプレイしてきた場合、敵より素早く行動できるキャラがまずいない、というほどまでに全体的に能力値が高い。また2回行動をしながら全体攻撃魔法や全体即死魔法を放つ凶悪な敵が存在する。
#endregion

-レベルアップによるパラメーターの上昇量が1~4と低い。
--4上がることは本当に稀で、通常は1~2しか上がらないことが多く、それなりにレベルを上げないと強くなったことを実感しにくい(必要経験値も高めに設定されている)。
--また上昇するパラメーターはキャラのレベルによって決まっており、ボーナスでたまに+1される程度である。さらにレベル40以降は設定されている能力値に収束するように上昇するため、0または1しか上がることがない。
--特に戦闘の行動順に関わる「素早さ」の基礎値となる「みのこなし」は上がりにくく、上昇しても基本は1しか上がらない。普通にプレイした場合、中盤からの敵の行動の方が早くなり、難易度がとても高くなる問題がある(後述)。
---なお、この仕様を逆手に取り、レベルが上がりそうになったらセーブしレベルアップ。上昇すれば再びセーブ。そうでなければリセットしてやり直すという、いわゆる''吟味''が可能。
---これにより「みのこなし」の高い魔法使いキャラを作り出すことで、後々の雑魚戦を楽に切り抜けることができるようになる。もっともソフトリセットなどはないので、PSロゴ表示からのロードに耐えなければならず((しかも本作は同じくキャメロット製のシャイニングシリーズ同様、データロードの前にまず案内人キャラの挨拶から始まるのでやり直しのテンポが余計に悪い。))、非常に根気のいる作業になるが。

-持ちきれないアイテムやお金を保管できる倉庫「ストックボックス」が''開始30分くらい~前半終了時まで使えなくなる''。
--ストックボックスは最初の村「アイラ」の自宅にのみ存在し、他の町に倉庫施設は存在しないにもかかわらず、ある事情でかなりの期間アイラ村に帰れなくなってしまう。その間も結構な数のイベントアイテムを入手するため、それらがアイテム欄を圧迫する。
--村に帰ること自体は面倒ながら可能な時期もあるが、それで帰ったとしても''自宅から締め出されて''しまい、結局は利用不可。

-MP回復アイテムがなかなか売っていない。
--雑魚戦で全体攻撃魔法を多用するにも拘らず、MP回復アイテムを売っている町が少ない。特に船入手前と、最後の町にたどり着いた頃が非常に辛く、下記の瞬間移動無しでは調達が困難である。

-瞬間移動の不便さ
--DQで言うルーラのような、行ったことのある町へ瞬間移動する手段は存在するのだが、その仕様がパーティ外のメンバーも絡めなければならない非常に面倒なものになっている。
--まず本作のパーティキャラは全部で8人。うち、ストーリー上の強制加入キャラは主人公を含めて5人で、残る3人は任意加入の隠しキャラとなる。パーティ外キャラはどうなるかというと、他作品のような拠点や各々の待機場所に帰る訳ではなく、「一度訪れたことのある町の中から選択された町へ単身移動し、入口で待機」という状態になる。つまり待機場所をプレイヤーが選べる形式である。移動は一瞬で行われる。
--そして中盤付近で、全仲間キャラに1個ずつ強制入手される「光のオーブ」というアイテム(捨てられない)を、ワールドマップで使うと、~
「パーティ外の指定した町で待機している仲間のもとへと瞬間移動できる」という''二手間ほどかけて飛ぶルーラ''として機能する。
--つまり隠しキャラを仲間にしていない場合、待機状態にできる仲間がおらず、結果として町から町へ瞬時にアクセスすることができないばかりか、用途のないアイテムが各キャラのアイテム欄を圧迫し続けることになる。
---また、単純に瞬間移動の手段としても煩雑化していて面倒である。普通に「光のオーブ」を瞬間移動アイテムにするのでは駄目だったのだろうか。

-''バグが多い''
--装備中の「〇〇のリング」を店に売ると、売値7500Gを貰ったにもかかわらず、売却したはずのリングが持ち物から無くならない。つまり、無限にお金を増やせる。
--仲間のアニーをパーティから外しマリオン東の『教会』に移動させると、''アニーが消失し二度と仲間にできない''。
--マリオン城の左右にある橋で何かアクションを起こすと、そのまま動けなくなるバグがあるので不要にボタンを押してはいけない。
--ベルーシの所持品を満杯にした状態で離脱イベントを起こすと、とある隠しキャラを加入させようとした時にフリーズする。が、実はこのフリーズを回避するバグも存在する。&s(){バグをバグで回避するというよくわからない状態。}
--ドミノの船に初搭乗時に上側から舵を調べると、ドミノの仲間加入イベントが消滅し、ドミノが加入しないままゲームが進行してしまう。
--勇者クラスチェンジ後まで進行すると隠し仲間キャラ『トント』の加入イベントが進行不能になる。
--移動中にタイミングよくボタンを押すと、別マップにあるイベントを呼び寄せてしまう場所がある。
--マリオン東の『教会』に仲間を送り、抜け道側から逆走して教会を訪れると、仲間が森の中で浮いている。
--戦闘中、能力が変化した状態で逃げるとその状態を維持したまま次の戦闘に突入してしまう。例えば仲間にアタックをかけて逃げると、能力を強化したまま次の戦闘を行える。この状態は装備の付け替え、状態異常にかかる、戦闘中にMPを回復、経験値の入手をしない限りずっと続く。
--リカバーレベル2の石化と麻痺を治す効果が機能していない。
--睡眠治癒魔法のはずの「ウェイクアップ」に効果が何もない。
--プロテクトの防御力と素早さを上げる効果が片方しか機能していない(防御力が上がらない)。
--トントの魔法「サモニング」でターゲット指定した敵を、サモニング発動前に倒してしまうと、召喚したモンスターが魔法を使った際、''味方側''を襲ってしまう。
--船で「とおみのたま」を使うとカメラが変な場所に移動する。この間に船を動かすと本来通れない岩山を通れてしまい、船入手直後にシナリオ最終盤の地域へ侵入も可能。
--シナリオ中盤、マリオン城内の「鍵で開く鉄格子」が、''フロア切り替えの暗転で再び閉じるにもかかわらず、鍵穴が一度しか鍵を受け付けない''。もしも開錠後に通過せず引き返した場合、二度と開錠できずゲーム進行不能となる。
--これら以外にも多数バグが存在する((2020年代になってもタイムアタック勢によって新たなバグが発見されているほどである。))。

***戦闘の面
-APS(アクティブ・プレイング・システム)の問題。
--プレイヤーキャラや敵キャラが行動する前に''ボタンを連打''することで、クリティカルが発動したり敵の攻撃を回避できるなど、戦闘が有利になる独自のシステム。これにより「戦闘が単調にならずプレイヤーは飽きることなく、長い冒険を続けていける」と説明書にはあり、パッケージでも「戦闘に参加する興奮があじわえる」とあるように制作サイドではこのシステムをかなりプッシュしていた様子がうかがえるが…。
--連打量の目安が一切なく、何も知らない場合、無駄に全力で連射するハメになる。そのため、コントローラーやプレイヤーの指が破壊される事態が続出した。
--ならばと連射パッドを持ち出したなら、''速すぎる連射は入力を受け付けてくれず''に絶望したプレイヤーも。
---ただしこれは早すぎると受け付けないだけなので、連射パッドの速度を落とせば使用は可能。
--また、戦闘バランスはAPSありきでバランスを取ったらしく、通常攻撃が主体の序盤は連打しないとかなり苦戦する。
--このシステムは〇△▢✕の4ボタンに判定があり、複数のボタンを交互に押しても効果を得ることができる。''押すときだけでなく離した時も数にカウントされ、最低3回で発動条件を満たせる。''が、実はAPSにはレベルが設定されており、たくさんカウントされるほど発動率が高くなっている。
--さらに味方の攻撃時は左右のどちらかの方向キーを押すことで確率が上がり、敵から攻撃を受ける時は上キーを押す事で確率が上がる。つまり、''戦闘中は一切気を抜くことができず、全力で連打しないと最大限の効果が得られない。''
---そしてこれらの要素は全て確率発生であり、数回押しただけでも発動するときはするし、鬼連打しても発動しないときはしない。もちろん発動しなかった場合の連打に意味は無く、徒労に終わる。

-魔法攻撃の威力が高すぎる。
--後述の「VP」にも問題があるのかも知れないが、''敵味方ともに2発も喰らうとほぼ全滅してしまう''((実際のところ、プレイヤーは後述の「LP」があるため、すぐには全滅しない。))。
--連打による攻撃力上昇の効果も薄く、楽なこともあって雑魚戦闘は魔法が一番効果的だった。
--ちなみに本作の魔法はドラクエのように約〇〇ポイントの固定ダメージを与えるという仕様で、魔法ダメージを軽減する装備はない。
--その一方で通常攻撃のダメージは防御系のステータス上昇や防具の買い替えで減らせる上、隊列の位置によってダメージが変動する仕様も相まってボスの攻撃でもダメージ1桁という事態も発生する。

-「VP」(ヴァイタルポイント)と「LP」(ライフポイント)の2段式でプレイヤーキャラの体力を扱う斬新なシステム((2種類のパラメーターで体力を管理するシステム自体は「くにおくんの時代劇だよ全員集合」などでも見られる。))。しかし調整が悪い。
--ダメージを受けるとまず「VP」が減り、VPが0になると1ターン動けない「グロッキー状態」になる。グロッキー状態は「LP」をある程度消費してVPを回復し立ち直るというシステムになっている(LPがないときにVPがなくなると死亡)。
--ちなみにグロッキー復帰時に、攻撃時同様にボタンを連打すればLP消費量を減らしつつ、VP回復量を増やすことができる。
--しかし、前述のシステムの面であるようにキャラのレベルがかなり高くなっても「VP」の伸びは悪く、雑魚の全体攻撃魔法を2発浴びると、あっさりグロッキーになる。難易度上昇とグロッキー多発によりストレスが溜まる要因となっている。

//-これらの仕様のおかげで、''RPGにおける「やり込み」の定番『低レベルクリア』をしようと思ってもなかなか出来ないようになってしまっている''。

***キャラクターの面
-''仲間の戦士「サムソン」が異様に弱い''。
--『大陸一の力持ちで一国の英雄』という設定であり、仲間になった当初はレベルが高いお蔭もあって結構な強さなのだが、少し進むとイベントで呪いを受けてレベル1になってしまう。そこから育て直すと嫌でも気づくのだが、成長率が低く力が僧侶アニー(13歳の女の子)以下((序盤においては力だけかなり伸びがよく(初期値からして剣士の主人公以上)、前衛として十分な火力はある。もっとも呪いのせいで反射ダメージを大きく受けるというデメリットにもなるが……。))、体力も魔法使いエドワード(病弱設定持ち)より低い。最初はレベルが高いから強いように見えただけで、パーティー全体のレベルが上がってきたところで比べてみると''実は大したことなかった''ことが判明するのだった。
--これだけでも相当なハンデを背負っているのに、さらに呪いの効果によって戦闘中はランダムで体が硬直し1ターン行動不可や、通常攻撃が成功したときに自分の攻撃力に応じた反射ダメージを受ける((クリティカルや反撃でもダメージを受ける。そのため万全の状態から自分の攻撃で一撃撃沈という、苦笑するしかない光景を見ることも。))といったオマケ付きで散々足を引っ張り、プレイヤーのやる気を削ぐ原因となる。さらに終盤までパーティから''外せない''。
--また、それが解決しても硬直やダメージ反射といったペナルティがなくなるだけでステータス自体に変化はなく、そこまで頑張ってきたプレイヤーをさらにふるいにかける。補足として、レベル15未満で呪いを解いた場合は強制的にレベル15(呪いを受ける前のレベル)までレベルが上がる。
---ちなみに変化が無い理由は、''弱体化自体はサムソン自身によって既に克服されていた''からとのこと。%%やっぱり元も大したことなかったんじゃないか…。%%
--極めつきに、彼は''仲間の中で唯一、攻撃魔法が全く使えない''という最大の欠点がある。
--一応フォローすると、最終的には攻撃力が一番高くなるためボス戦での活躍は見込める。APSと攻撃力上昇のバフを活用すれば1度に100以上ダメージを与えることが可能で、腕力を吟味しレベルを最大限まで上げると、1度の攻撃で300以上のダメージを与えることも可能である。

-最後の仲間、海賊「ドミノ」
--魔物に妻子を殺され、その敵討ちをするために中盤から登場する海賊ドミノ。強制加入キャラでは彼が最後に仲間となるのだが、どうにも影が薄い。
---登場するのは中盤からだが、''出番自体はとても少なく印象に残りにくい''のがその原因。
--そんな彼が仲間になるのは終盤。海賊という特性上、『''船を持ってくる''』という最大の見せ場があるのだが、''直後のイベントで空を飛ぶ乗り物が手に入る''((余談で後述する「ゲーム王国」の四コマでも、「せっかくの船を早々にお払い箱にされて泣く」というネタにされている。))。
--唯一、後列から通常攻撃してもダメージが落ちないという特殊なキャラ。上手く活用すればボス戦での活躍が見込める。
---しかし「VP」がとても低いという大きな問題を抱えており、終盤の敵が放つ全体攻撃魔法1発に耐えられないことが多々ある。よって「VP」に相当なテコ入れをしないと、1ターンで倒しきれない敵やボス戦では高確率でグロッキーさせられるという問題が発生する。

#region(とある隠しキャラについて)
-仲間の1人「ベルーシ」は序盤で敵に捕われ、終盤で洗脳された状態で襲ってくる。
--が、12ターン内に撃破してしまうと''そのまま死んでしまう''。
--逆に殺さず12ターン粘れば再び仲間になる…が、ヒントも伏線も何もないので初見では気付きにくい。
#endregion

***ストーリー面
-上述の「船が手に入ったと思ったらすぐに空飛ぶ乗り物入手」の他に、「主人公の相棒が生死不明になったと思ったら直後に急激に成長して復帰」「加入してからすぐクラスチェンジ可能な仲間」等、イベントそのものに問題は無くとも、あまりにも間隔が短いために違和感のある構成になってしまってる箇所がある。

-上述したサムソンの呪いを解くまでの期間も、分かり難い場所を延々と遠回りさせられるので無駄に長く、サムソンのお荷物ぶりも相俟ってここで挫折しても全く不思議はないほど。
--「シャーマンの村に行けば解けるのではないか」と告げられ、長い道のりを経て目的地に到着するのだが、最高位のシャーマンでなければ解けない事が判明。しかしその人物は岩で塞がれた先で瞑想中であり、このままでは会う事が不可能であった。
--連続したストーリーとして描かれるのはここまでであり、以降はシャーマンに会うまでどこに行って何をしろという指示がろくに無いまま、大陸の移動可能範囲を彷徨って手段を探す羽目になる。
#region(その手順)
--まずシャーマンの村に行く途中の砂漠地帯にあったピラミッドのような遺跡を探索し、あるキーアイテムを入手する。その後、昼と夜で違う顔を見せる港町に向かい、フィールド上で先程のキーアイテムを使って夜にする。夜の港町を探索し、その後、昼の港町で住人から例のキーアイテムを新たなキーアイテムと交換する。次に怪しい森を抜けてイースター島に行き、交換したキーアイテムを使って謎を解き、洞窟に入る。洞窟のボスを倒し、また新たなキーアイテムを入手。それを前に行ったピラミッドで使うと『ジャックと豆の木』のような木が伸びて、ピラミッドの上に浮かぶ塔に行けるようになる。そして豆の木と塔という連続ダンジョンを攻略すると、そこで出会った人物に例のシャーマンの所に転送してもらえる。…という流れとなる。
--冒険ものRPGの流れとしてはおかしくないようにも見えるが、岩の向こうの人物に会うだけでこれほどの手順を経なければならないのは流石に冗長と言わざるを得ない。そのヒントも町の人々の断片的な情報だけであり、しかもこの時期は主人公一行がめっきり無口になってしまうので指針となる会話もほとんど無く、初見では宛てもなく彷徨いがちである。
---それまでの展開ではしっかり主人公一行も喋ってストーリーを展開し、次の目的地も明示されている。しかしここで突然フリーシナリオのような流れになるのでそれまでの展開に慣れていたプレイヤーを混乱させる。規定のイベント・ダンジョンは全て回る必要があるので実際はフリーシナリオでも無いが。
---町人の情報も「○○に××があるらしい」「○○があればなぁ」と言ったもので、肝心のシャーマンに会う手段との関連性も見え辛く、ダンジョンを攻略するうちに目的を見失いかねない。
--また、上記の塔も「前のダンジョンから連続なので脱出魔法では帰れない」「プレイヤーを惑わす仕掛けがある」「見えにくい場所でアイテムを使う必要がある」と、最後の試練とばかりに厄介な要素が目白押しである。
#endregion

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**評価点
***戦闘画面
-ポリゴンの背景にドット絵のキャラを立体的に配置し、PS初期の当時としてはなかなか迫力のある戦闘画面である。
--演出もそれなりに凝っており、クリティカル時は「ドドドドド!」という激しい音を立てながら敵に突進して斬りつけるなど迫力のあるものもある。
--撃破演出も複数あり、クリティカルで倒した敵は''下半身だけ粉々になって吹っ飛ぶ''と言ったような珍しい倒れ方もある。主人公側も死ぬと敵同様に消滅するのはちょっと不気味だが…。

***音楽
-さすがに桜庭氏が手掛けた他の作品に比べると聴き劣りするが、BGMは悪くない。
--戦闘BGMが豊富。通常戦闘だけで6つもありダンジョンやストーリー展開によって違うため、飽きにくい。

***やりこみ要素など
-隠しキャラが3人もおり、探す楽しみがある。
--隠しと言っても条件を満たせば仲間になるサブキャラ扱いなのでメインキャラと同程度の能力値しかないが、そのうち一人は早くから全体攻撃を使える強力なキャラ。
---比較的ヒントが多く簡単に仲間にでき、冒険をとても楽に進められるようになるため、探す価値は大いにあると言える。特に彼を仲間にできるのは上述のサムソンの呪いの時期なので、居ると居ないでは全然違う。
--もう一人は全体攻撃魔法に全体回復魔法、補助魔法が使えるほか、ドミノよりも「VP」が高く通常攻撃もでき、「素早さ」もそこそこあることから、ドミノを外しコチラを選ぶプレイヤーもいる。

-アイテムコンプが難しくやりがいがある。
--ドロップ限定のアイテムや、探索のみで手に入るレアアイテム、入手期間の限られる物などがあり、それら全てを入手することは困難を極める。

***その他
-ダンジョンの多くにはパズル的な仕掛けが施されている。
--ダンジョン毎にバラエティに富んだ凝った仕掛けがあり、攻略する楽しみがある。上述の高いエンカウント率のせいでストレスに感じてしまうこともあるが…

-キャラクターをクラスチェンジさせると顔グラフィックが変化するのも凝った仕組みであるといえる。決して手抜きで作られたゲームではないのだろう。

-ストーリー自体も特筆するほど良い訳ではないが王道にまとまっており、致命的な矛盾や目立った粗もほぼ見られない。
--敵側も人間臭い面や義理堅い面があったり、敵の大将が悪に堕ちた理由なども描かれており、単なる勧善懲悪では終わらない部分もある。
--キャメロット製ゲームで主に悪い意味で話題になる「高橋語」も特に見られず、一部不自然さはあるものの全体的な台詞回しはしっかりしている。
---本作のシナリオはキャメロット社長(当時)の高橋秀五氏によるもので、「高橋語」で知られるのは兄の高橋宏之氏((当時、ソニック社長で本作には関わっていない。キャメロットへの合併後はそちらの社長に就任し、秀五氏は副社長に就いた。))である。

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**総評
//ポリゴンそのものは95年のだからと擁護出来てもグラフィックの悪さが残り、
//ポリゴンは戦闘画面の背景が主ですがとくに問題はなく、グラフィックも顔グラが似てないこと以外は時代相応かと。またOPのポリゴンが時代を考えても悪い出来ですが、それを指しているのなら問題点に記述するのが妥当かと。
エンカウントが立て続けに起きるにも拘らず育たない味方キャラ、あまつさえ成長させること自体が損な弱さを発揮するキャラを長く使わざるをえない不条理なゲームバランス。~
RPGにも拘らず戦闘ごとに超連打を要求する仕様。~
挙句の果てには再現性のあるフリーズバグと、はっきり言ってしまえば、''何故この規模の開発力で作ってしまった?''の一文に集約される。
//いちおうキャメロットは他でちゃんとした技術を見せているので、どちらかというとPS初期のノウハウが無い時期に無理して出した方が問題だと思う

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**余談
-大量に出荷され、そのクソゲーぶりで知られたためワゴンゲーの代表格になった。

-アレンジCDも発売されたが現在は入手困難。ゲーム自体の投げ売りっぷりとは対照的にこちらはプレミアム価格がついてしまっている。この手の音楽だけは良いクソゲーによくあることであるが。

-続編も計画されていたようで、ラストは主人公が新たな目的に向かって旅立つシーンが描かれ、いくつか伏線も残す終わり方をする…が、こんな有様なので続編は実現しなかった。よって、ゲーム開始時と終了時に出てくる女の子の正体は''未だにわからない''。
--やはりキャメロット製のシャイニングシリーズにおいて、ゲーム本編をいわゆる劇中劇として扱うお約束があるので、説明不足ではあるが女の子については好意的に取れば同じ意図の演出と取れなくもない。
---例えば初代『[[シャイニング・フォース>シャイニング・フォース 神々の遺産]]』では、プレイヤーは妖精の女の子に昔話(ゲーム本編の物語)を語っているという設定で、『[[シャイニング・フォースII>シャイニング・フォースII 古えの封印]]』でもプレイヤーが老魔女の願いを叶えさせられるという設定で入れ子構造になっている。
---もっとも、あちらではエンディングの最後で前述の場面に戻る演出が差し込まれるのだが((前者では読み聞かせが終わってプレイヤーが女の子の元を去るシーン、後者では老魔女の正体が実は呪いで姿を変えられた美女だったと判明するシーン。))、本作にはそう言ったものは無い。
--ほかにも魔法のレベル制を初めとして、シャイニングシリーズとの共通点が数多く見られる。

-アイテムの「せかいちず」は、その在り処のヒントは説明書の画面写真で示されてはいるものの、シナリオ上極めて短い期間しか入手の機会が無い上に、調べるまで存在が見えない隠しアイテム同然の置かれ方のため、非常に取り逃しやすい。
--もっとも拾い損ねても、説明書にマップのイラストがあるのであまり支障はない。
--逆に言えば、説明書無しで中古を購入したプレイヤーは全体マップを見ることすら出来ない可能性が高いということに…。

-本作は5人パーティ制だが、その理由は「''正式な戦いは5人まで。6人以上で戦う者は卑怯者''」というこの世界の''共通認識''によるものである。
--このような設定を用いたゲームはそうそう無く、後述の四コマアンソロジーでも案の定、このネタがいくつか描かれている((「卑怯者と呼ばれないために、サッカーなどの団体スポーツを5人でやらされる」「卑怯者の誹りもお構いなしで大所帯を組む」など。))。

-最後の決戦の際、ラスボスの前哨戦にて敵の「[[世界の半分をやろう>ドラゴンクエスト]]」という問いに「はい」と答えてしまうと、主人公1人、しかもVPもMPも大幅に減らされた状況で戦う羽目になり、実質的に全滅必至の即死トラップとなっている。
--ちなみにキャメロット社長の高橋宏之氏はかつてエニックスに所属しており、[[ドラゴンクエストシリーズ]]にも携わっていた経験がある。ただし、評価点で触れた通り氏自身は本作には関わっていない。

-本作はSCEによって大規模な販促キャンペーンが展開され、CMも数多くのバージョンが放送された。そのため「よくは分からないけどビヨビヨという存在は知っている」というユーザーも当時は多かった。
--CMの中には、まだ駆け出しの頃の''仲間由紀恵氏(当時15歳)がヒロイン・アニーのコスプレをして出てくるという1分CMもある((仲間氏は、他にも当時のプレイステーション系のCMにいくつか出演している。))。''
---ちなみにこの仲間由紀恵氏の出演するCMは、何故か下ネタを連想するものになっている((視聴者が下ネタを連想するというよりかは、会話している男性が仲間由紀恵のことをエッチなデリバリーと終始勘違いしているようである。))。
--販促の一環だったのか牧野修氏の手によるノベライズ版もゲームとほぼ同時期に発売された。
//---…が、そちらもAmazonで1円(送料別)の古本が複数ある有様である。
---内容的には今で言うライトノベルでゲームの前半とラストをつなぎ合わせたような変則的な展開であり、出てこないキャラも多い。なお表紙絵と挿絵はキャラデザの柴田氏自らが描き下ろしている。
---後書きによると牧野氏はノベライズ版の執筆のためプレステ本体とゲームのテストロムを貸与されエンディングまでプレイした、とのことであったが…''氏の右腕は大丈夫であったのだろうか?''
//---ついでに言うと攻略本も1円(送料別)の古本が複数あったりする。
--かつて展開されていた四コマアンソロジー「コミック ゲーム王国」では、題材となるゲームとして知名度が高く、当Wikiでも良作判定を受ける人気作・話題作が多数取り上げられていたが、その中に本作もあった。やはりプレイステーション発売1周年記念作という点は大きかったか。
---しかし本作の漫画が載った号の同時掲載作が『[[戦国サイバー 藤丸地獄変]]』であり、(発売時期の関係もあるだろうが)この号は「ゲーム王国」の中でもかなり異質な雰囲気を醸す号であった。~
ちなみに前号の掲載作は『[[ヨッシーアイランド>スーパーマリオ ヨッシーアイランド]]』と『[[スーパードンキーコング]]』、翌号は『[[ストリートファイターZERO]]』と『[[ヴァンパイアハンター]]』である。見比べるとこの号の異質さが分かるだろう。
---漫画自体は他の号同様、個性的な作家陣がそれぞれの作風を遺憾無く発揮し、オリジナリティが高く、それでいて原作ゲームも面白そうに思えるものが揃っていた。もっとも、それで本作に手を出すと裏切られる訳だが…。%%あと、作家陣の右腕は(ry%%

-公式攻略本にもミスがある
--あまりにもバグが多いので攻略本のミスなのか、ゲーム側の実装ミスなのかは不明だが、実際のゲーム内容と違っている箇所がある。
---攻略本の情報で特に購入者を苦しめた誤情報が''移動中の連打でエンカウント率を下げられる''という物。''実際はそんな効果はなく、移動中に連打する意味は全くない''。この情報を信じて必要以上に連打をして指やコントローラーを痛めたプレイヤーもおり、今では悪質な誤情報として知られている((この誤情報は攻略本以外に、当時のゲーム雑誌にも紹介されていた。))。

-本作の3ヶ月前にリリースされた同じスタッフよる開発(名義はソニック)の『[[シャイニング・ウィズダム]]』も、プレイの根幹である主人公の加速にボタン連打を要求される連打強制ゲーであった。
--ただし、連打による主人公の強化は加速ゲージという形で可視化(つまり、どれ位の連打で良いかが明確に理解出来る)され、加速後はボタン押しっぱなしによるホールドが可能。何より連射パッドが有効な点で''本作よりも取っ付きやすさが数段上''の作品である。
--逆に言えば、本作は後発の作品でありながら''先輩よりもゲーム性が劣化している''という事でもある。発売時期を見るに、開発にあたり『ウィズダム』の反省が活かされるほどの期間が空いてなかったとはいえ、どうしてこうなった。
//ウィズダムのくだりは総評というよりも余談よりなのでこちらに移動。

//-戦闘中にプレイヤーが操作するRPGは「タイミングよくボタンを押す」というものが多く、本作も連打ではなくタイミングにしておけばも少しは評価が高くなっただろう。
//「もしあのシステムなら」は個人の妄想が強いし、キリがないのでCO

-キャメロット(ソニック)は当時従業員16名の会社であり、本作と『シャイニング・ウィズダム』という開発期間1年の規模のRPGをPSとSSで同時に開発して年2本出すという体制を採っていた。
--やがてこの体制は無理があったと思い知り、RPGの開発ラインとそれに比べて開発規模が小さめなスポーツゲームの開発ラインでやっていくことにした結果『[[みんなのGOLF]]』が生まれ、『[[マリオゴルフ64]]』へと繋がっていった。