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アルカナハート2 - (2022/08/15 (月) 08:17:04) のソース

「[[要強化記事>要強化記事一覧]]」に修正依頼が出ています。加筆できる方は修正をお願いします。~
依頼内容はゲームシステム・ゲームモード・登場キャラクターに関する解説の追加、意味合いが曖昧な文章の改善です。~
&color(red){''2022年8月16日までに改善されない場合は削除対応します。''}
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*すっごい!アルカナハート2
【すっごい あるかなはーとつー】
|ジャンル|対戦格闘|CENTER:&amazon(B001MYKLLQ)|
|対応機種|プレイステーション2|~|
|メディア|CD-ROM 1枚|~|
|発売元|AQインタラクティブ|~|
|開発元|キャビア&br;エコールソフトウェア|~|
|発売日|2009年4月9日|~|
|定価|5,800円(税別)|~|
|プレイ人数|1人~2人|~|
|レーティング|CERO:B(12歳以上対象)|~|
|判定|BGCOLOR(lightsalmon):''クソゲー''|~|
|~|BGCOLOR(khaki):''劣化ゲー''|~|
|ポイント|すっごい!処理落ち&br;すっごい!長いロード&br;通称『''ひっどい!アルカナハート2''』&br;『[[ギルティギアXX AC>GUILTY GEAR XX Λ CORE (PS2)]]』と違ってその後のフォローも一切なし|~|

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#contents(fromhere)
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**概要
エクサム開発の美少女格ゲー、『アルカナハート』シリーズ2作目である『アルカナハート2』のアッパーバージョンの移植作。開発(の片割れ)は『[[デスクリムゾン]]』を産んだエコールソフトウェアが担当。~
バージョンはAC版『すっごい!アルカナハート2』(2.5)に準拠し、数ヶ所が2.6仕様に変更されている。

同作はそのあまりの強さから話題となったラスボスのパラセ・ルシア((『すっごい!』から登場した隠しボス。かつては錬金術師だった命のアルカナ。登場条件が「CPU戦で1度も負けない」なのだが本作のCPUは基本的に手ごわいため、中々パラセに出会えないユーザーも多い。会ったら会ったで異常に強い。))((今作では不可能だったが、『Steam版3LMSSS』にてプレイヤー用アルカナに追加された))が話題に上がりやすいが、ゲーム自体はアルカナとキャラの非常に多い組み合わせを楽しめるコンボゲーとして一定の需要があった。のだが、その移植となった今作はあまりにもひっどい!出来となってしまった…。

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**問題点
-''処理落ちが酷すぎる。''
--本作をプレイする上でまず目につく点。飛び道具を出すだけで遅くなるのは序の口で、キャラによっては''通常技を出すだけ''でラグが発生する。
--特にペトラ((主人公・はぁとのライバルキャラクター。縦ロールに丈の短いドレスを纏ったガンカタ使いというアルカナハートらしい珍しい組み合わせのキャラ。性格面は割と直球的なツンデレお嬢様。))は普通に動かしただけでも処理落ちしてしまうほど酷い。
--これに輪をかけるように、''処理落ちの最中はコマンド入力を受け付けない。''
---正確には「処理落ちの速度にあわせてコマンド入力をしなければならない」つまり処理落ちを考慮しないと一部のコンボができなくなる。''なんでこんなものを考慮しなくてはならないのだ''。それでも慣れてしまえばさほど難しくはないのだが…。

-ジャギ(解像度が低くなる現象)が酷い。
--キャラクターが歩くだけ、通常技を出すだけでジャギが発生し、キャラクターにモザイクがかかったように汚く見える。
---一部キャラは''立ち絵でモザイクがかかる始末''。自主規制か何かだろうか?((見た目で誤解される事もあるが、このゲームの内容は少女が本気で殴り合うことに眼をつぶれば「ほぼ」全年齢向けである。))
--更にはエフェクトまでジャギが発生する始末。その酷さたるや、''SFC並と言って差し支えないほどにまで劣化する''。
--本作はキャラゲーとしての売り(所謂、キャラ萌え人気もあるゲームである。)が他の格ゲーに比べ重要なため、そういった部分には気を使わなくてはいけないのだが、その大事な部分をほぼ見事に台無しにしてしまったがために不満を述べる人間が多数。

#region(その結果…)
&nicovideo2(sm6717968)
世界観に全く合致していないにも関わらず、あるキャラのグラフィックを「北斗の拳」のジャギ(おそらく[[AC北斗>北斗の拳 (AC)]]のもの)に差し替えた動画が「格段に綺麗になった」と一定の評価を得てしまった。~
#endregion

-全体的にロード時間も長い。特に試合前のロード時間は''約19秒''とかなり長い。
//多分19秒だった気がする。もうちょっと短かったかなあ……

-トレーニングモードのCPUが''しゃがみ状態のまま中段攻撃をガードする''と言う、格ゲーの常識を覆す現象まで発生。
--通常のCPUはしゃがみ状態では中段攻撃をガードできないので尚の事気にかかる。%%というかこっちが正常なだけだが…%%

-音質もかなり劣化しており、AC版のBGMと比べるとかなり厳しいものに
--音声やBGMの途切れ、遅延、オプションの''モノラルとステレオの設定が逆''と言った不具合もある。

-根本的な話になるが、本作が発売した時のゲーセンでの本体Verは2.6。だが前述どおり、この移植版では''ほとんどが前Verの2.5のまま。''
--格闘ゲームと言うものはちょっとバージョンが違えば大小なりとも差が生じてきてしまう。最悪それが勝敗に直結する事もあるので、この仕様もおかしいと言わざるを得ないのだ。

このような要素が組み合わさった結果、''ゲームスピードは元よりも3倍くらいもっさり感が増えてしまった。''本来は超ハイスピードの攻防が売りのタイトルにもかかわらず、である。~
格ゲーと言うジャンルではもっさり感を感じること自体がかなり致命的だということも忘れてはならないだろう。~
と言うか''アーケード通りの仕様で、プレイし難い事が何よりも致命的である''。

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**評価点
-AC版からの追加要素
--ストーリーモードのフルボイス化とギャラリーモード、トレーニングモード(前作と同じ時間無制限)が追加されている。
--この時期の格ゲー移植として見れば当然かもしれないが、他の部分が劣化ばかりなので…

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**総評
糞移植の見本とも言えるソフト。~
家庭用開発時期の問題((開発時期を推測するとPS3がまだ普及していなかった。))か、開発の判断ミスか、いずれにしろPS2での移植を決行した事により、''コンボ主体の格闘ゲームなのに処理落ちを考慮しないとコンボができない''という惨憺たる結果となった。~
見た目の問題以上に格ゲーとしては操作性の問題が致命的である。~
AC版がコアな人気があった事や『[[カイザーナックル]]』のジェネラル級と称されるほどの隠しボス「パラセ」に家庭用でリベンジしたいといった理由から事前の期待値はそれなりに高かったのだが、発売後の落胆は大きいものとなってしまった。

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**参考動画

#region(サイズが大きいので収納。)
&nicovideo2(sm6746617)
エクサム公式ブログより「グラフィックが少々荒い、社内の猛者たちには、処理オチが気になる部分も若干あったようですが、もし続編をやるなら、いよいよ次世代機ですかね~(内容一部省略)」

&nicovideo2(sm6780000)
エフェクトを切るだけで、これだけ処理速度が違うというのが致命的である。なお後述のように、続編の『3』は次世代機のPS3とXbox 360に移植された。
#endregion

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**余談
-発売後のフォロー(修正版やアペンドディスク等)もなかった。
--原因が本体のスペックによるものである以上、どうしようもないと言えばその通りではあるが…。

-前もって公開されていたスクリーンショットでは、ジャギの発生していない綺麗な物のみが公開されていた。
--PS2版の画面を公開する事による悪評を避けるため、AC版の写真をPS2版と偽って公開していたものと思われる。

-内部データ自体は文字通り完全移植であり、劣化の原因はPS2のスペック不足、ないしは移植に際しての調整を施さなかったことにあると思われる((AC版がWindows XP Embeddedベースの基板であるex-Boardを使っていたとは言え、アーキテクチャーの違いから単純なスペックで比較はできないがメモリ周りを見れば明らかにPS2の方が劣っている部分も多い。))。
--前作『アルカナハート』の時点でPS2のスペックをギリギリまで使った移植であり、キャラが追加された本作の移植は無理がありすぎたと言える。
--事実、移植を請け負っていたエコールの真鍋社長がセガの家庭用ハードと心中するとまで発言していたにも拘らず、『[[MELTY BLOOD Act Cadenza]]』のDC移植を否定した理由として「思った以上にテクスチャーの容量が大きく、DCの内蔵メモリでは(そのままでの)移植が難しい。パターン等を色々削減すれば無理やり移植できなくもないが、それはもう完全移植じゃないから」と述べていたが、今回は皮肉にも過去に否定していた事を実践してしまった事になる。
--もっとも、あくまでエコールは下請けとして移植を担当しただけなので、不本意感があるのかも知れないが…。

-ただ前作『アルカナハート』でも、家庭用移植の際に新たな不具合・バグが発生してしまった事から、エコールの移植技術力の低さ・デバッグ姿勢の甘さを指摘・批判する声自体は上がっていた。
//そもそも「''不要な筈のミルドレッド(前作ボス・今作使用不可((登場自体はするが光のアルカナとしてでありグラフィックも一部技で同じものを使うがほぼ違うので1のデータを残す意味はない)))のデータが削除されていない''」と言う所から見て、スペックがどうこう以前に手抜き疑惑が強い。
//↑不要データをあえて残すこと自体はよく行われる行為であり、なんら不自然ではない。
--同時期にPS2に移植した『MELTY BLOOD Actress Again』では、家庭用オリジナル要素も追加した上完成度の高い移植を行っていたため、「エコールは秋葉を三種類作るのに忙しかったんだろう((MELTY BLOODの登場人物である「遠野秋葉」のこと。MBAA家庭用の追加キャラとして3体目の秋葉が追加され、しかも三者三様になるようきっちり作りこまれており「エコールの秋葉好きは異常」と当時から言われていた。転じて、それだけ秋葉に拘る余裕があるならアルカナハートの方も何とかしてほしかった、となったのである。))」と揶揄される事も。
---もっとも、『MELTY BLOOD』シリーズに関してはエコールは販売等を担当し、実際の開発は同人サークル「フランスパン」、そして「TYPE-MOON」が担当しているので実情とは異なっている点には留意しておきたい((MBAC時代は基本的に秋葉は強キャラとして君臨していたほか、MBAA初期Verでも調整ミスによりぶっちぎりの凶キャラと化していた。ゲームバランスに関してはフランスパンの責任なのだが、上記の事情もあって「エコールの秋葉好きは異常」と揶揄される事になったのである。))。
---そんなわけで本作の件で叩きに叩かれたエコールな訳だが、「何を今更、『[[デスクリムゾン]]』作った会社だぞ」と擁護だか皮肉だか分からないジョークまで飛び出しがちである。

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**その後の展開
-悪評はスタッフにも伝わっているようで、アーケード版を開発したエクサムの広報に「[[そのゲームはらめぇ!>https://twitter.com/examu_PR/status/265115985407799297]]」と叫ばれるほど。

-発売からしばらくは本作の稼働状況は独自基板のため芳しくなかったこともあり「(『2』仕様の)((『3』以降は『2』とは比べ物にならない位に強化されている。))パラセ・ルシアと家で戦えるのは今作しかない」「家で瑞姫((『1』~『2』無印までのキャラクターイラスト担当。諸事情により『すっごい~』以降は赤賀博隆氏が担当している。))氏寄りの立ち絵が見られる((『3』以降はリンクアニメでアニメ絵は見られるのだが赤賀氏タッチの絵のため、実際に『すっごい』にて追加された犬若姉妹&パラセの瑞姫氏タッチの絵が見られるのは本作のみ。))」「シナリオフルボイス」ということもあって(かなり苦しいが)ファンアイテムとして価値は見いだせていたが、現在はNESiCAxLiveにて本作(と『2』の無印版)が配信されているため、家でやりたいという人以外からは利点が最後の一点のみになってしまった。

-続編『アルカナハート3』も後に家庭用移植が行われたが、今度はエコールではなく、『[[GUILTY GEAR]]』『[[BLAZBLUE>BLAZBLUE CALAMITY TRIGGER]]』シリーズでお馴染みのアークシステムワークスに変更された。
--機種自体もPS3とXbox 360に変更され、リンクアニメや特定モードでの追加ボスとしてのパラセ再参戦、ネット対戦環境の充実など、本作とは比較にならない良移植となっている。
---さらに『3』のバージョンアップ版にあたる『アルカナハート3 LOVE MAX!!!!!』((この作品からAC版はタイトーのTAITO Type-X2へ基板を変更。家庭用移植はPS3とPS Vita、Windows PC。))も同様である。むしろ質を維持しつつ「その後のお話」としてシナリオが増えている分、練習以外にも移植版を買う理由が設けられている。
---なお、AC版を制作したエクサムも家庭用の開発に大きく関わっていたことが明らかになっている。''じゃあこの惨状をなんとか出来なかったのだろうか…''
-アークシステムワークスのお祭りゲーム『BLAZBLUE CROSS TAG BATTLE』で前主人公の愛乃はぁとがDLCで参戦。出展は『アルカナハート3 LOVE MAX SIX STARS!!!!!!』((『~3 LOVE MAX!!!!!』からのアップデート版、AC版の稼働後に行われたクラウドファンディング(Kickstarter)の成功により、2017年12月よりWindows移植版がSteamで配信されている。))からAC作品にアルカナハートキャラを制作するのは初でもある。最小限に抑えたのか他キャラクターは登場せず、はぁとのみになっている。
--疑問なのが会社名はエクサムと表記は載せられておらず、チームアルカナになっている。後に2020年2月にエクサムが全業務を停止すると発表。2019年から業務停止に向けての意向を汲んだものと思われる。以降のアルカナハートシリーズはチームアルカナが引き継ぐことになった。
-そして『~3 LOVE MAX SIX STARS!!!!!!』からの大型アップデート版となる最新作、『アルカナハート3 LOVE MAX SIX STARS!!!!!! XTEND』が2021年4月30日にSteam専売で配信開始((配信開始時点で『~3 LOVE MAX SIX STARS!!!!!!』のWin版を既に購入済みのユーザーには無償アップデートにより『~XTEND』に切替わった。))。現時点ではCS機版の発売予定はない。
--『~3 LOVE MAX SIX STARS!!!!!!』のクラウドファンデイングでのキャンペーンにて参戦が決定した新キャラクターと新アルカナを追加した作品だがバランス調整で延期が続いた末での発売である。
--またexa-Arcadia基板によるAC版も2021年中の稼働を予定している。

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