「スペースハリアー」の編集履歴(バックアップ)一覧に戻る

スペースハリアー - (2018/11/22 (木) 16:24:45) のソース

*スペースハリアー
【すぺーすはりあー】
|ジャンル|3Dシューティング|&amazon(B000092PG0)|&amazon(B00O0XG0TI)|
|対応機種|アーケード|~|~|
|発売・開発元|セガ・エンタープライゼス|~|~|
|稼働開始日|1985年12月10日|~|~|
|判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~|~|
----
#contents(fromhere)
----

**概要
『ハングオン』に続くセガ体感ゲームシリーズの第二弾。((セガ初の体感ゲーム二作目や、セガ史上二作目という訳ではない。))((『ハングオン』は自力で筐体を傾けて自キャラを操作する形だが、本作以降は基本的に((例外として『エンデューロレーサー』や『サンダーブレード』がある))操縦桿やハンドルの操作で筐体がモーター駆動する手法になった。))

主人公の超能力戦士ハリアーを操作し、悪の跋扈する魔窟と化したドラゴンランドに平和を取り戻すべく戦うシューティングゲーム。

当時としては驚異的なスピード感を実現しており、多くのユーザーのハートをがっちりとつかんだ、当時のセガを代表する作品の1つである。

**システム
-操作体系はアナログスティック一本。アナログスティックにはトリガーが取り付けられているほか、本体にもボタンがあるが、トリガーとボタン双方とも役割は同じ。
--トリガーまたはボタンでショット。主人公のハリアーが小脇に抱えた砲からショットを発射する。
---ショットはフルオート。連射装置を駆使すればより早い連射が可能。
//同時発射数は5発程度で完全にマニュアルだったはずだが
--アナログスティックを倒した方向にハリアーは上下左右に移動する。ニュートラルで中央に戻る。
---スティックを手前に引くと上昇、奥へ倒すと下降という、飛行機の操縦桿操作と同じ設定になっている((移植版でもデフォルトで同じ設定になるため、他ゲームと上下が逆の妙な操作感覚に戸惑う者も多かった))。
---専用筐体にはいくつか種類はあるが、大型のムービングタイプ筐体の場合、ハリアーの動きに応じて座席が前後左右に傾く。
--敵弾・敵・障害物に接触するとミスになり残機を一つ失う。
---ミス後はその場復活。ゲームオーバー時はコンティニューも可能。
-ステージを一定以上進行するとボスキャラクターが出現。ボスキャラクターを撃破するとステージクリアとなり、次のステージに移行する。

**評価点
-32000色の鮮やかなグラフィック、高速で拡大縮小する巨大なキャラクター達は当時のプレイヤーの度肝を抜いた。
--本作は後に多くのハードに移植されているが、グラフィック・サウンド・スピード感の3要素全てがアーケードと遜色ない移植は11年後のセガサターン版まで待たなければならなかった。

-スピード感あふれるゲーム展開はプレイヤーに限らず人目をひきつける。
--上記の通り、巨大キャラクターを用いているため迫力がある。これほどの大型のキャラクターを高速で拡大縮小するのは当時は容易な事ではなかった。

-決して高くない難易度。誰がプレイしてもそこそこ進めることが出来るため、ライトユーザーからの受けが良かった。

-川口博史の手がける爽やかなBGMは評価が高い。特にメインBGMは80年代中期のセガを象徴する曲とも言われる。

**欠点
-ライトユーザーに受けの良い難度だが、裏を返せばそこまで手ごたえのある難易度ではないので、高難度をガッツリやりこむタイプのユーザーには物足りない。
--設定によってゲーム開始から数秒間無敵に出来るので、これを有効にしている店もあった。

**総評
この当時、本作のスピード感は他に類を見ないもので、多くのゲーマーに絶大なインパクトを与えた。ゲーム内容も特別な部分は無く、とっつきやすく誰でもそこそこ結果を残せ、ムービングタイプ筐体では浮遊感も味わえる本作は、ライトユーザーから受けが良く、80年代を代表するセガのアーケードゲームとなっている。~
----
**移植
本作は多くの機種に移植されている。以下、国内で発売された移植版を列挙する。
-セガ・マークIII/マスターシステム版(1986年12月21日、セガ・エンタープライゼス)
--特に有名な移植と思われる。移植に際し、ボスラッシュの次の面に「HAYA-OH」というボスが追加されたが、セガ屈指の難易度を持つボスとして語り継がれている。
-PC-6001mkII(6601)版(1987年3月、電波新聞社/マイコンソフト)
--ある意味、上記よりも有名な移植。初見のインパクトでは間違いなくトップクラス。
--特徴はゲーム画面を見れば一目瞭然、ハリアー以外の敵や弾、障害物などがすべて1ドットがそのまま巨大化したような四角形で表現されていること。
--これは当時でもグラフィック性能が他機種より遥かに劣っていたこともあったが、何よりグラフィックよりスピード感を重視した結果、当時のほとんどの他機種版よりアーケード版に近いスピード感でプレーすることができた。
--当時は、CMなど流れたわけでなく、インターネットや動画サイトもなかった時代であり、PC6001は既に機種としては終わっていたので、秋葉原などの店頭デモで置かれることがなく、雑誌の画面だけで酷評されることも少なくなく、正当に評価されたとは言いがたい。
--移植を担当したのは現在はゲームのるつぼ所属の松島徹。後にさらに性能が劣るMZ-700でスペースハリアーを移植しているが、これは雑誌「Oh!X」にプログラムとして掲載されたもので、セガの許諾も取っている。
-X68000版(1987年9月、電波新聞社/マイコンソフト)
--地面の模様が縞になっていたり違いはあるが、当時としては比較的アーケード版に近い移植。マークIII版に登場した「HAYA-OH」も登場。連射スティックを使うと自機の弾幕が物凄い状態になるが、ボスの最接近時には処理落ちで連射が止まる。
-FM77AV版(1987年12月、電波新聞社/マイコンソフト)
-X1版(1988年8月25日、電波新聞社/マイコンソフト)
-PC-8801版(1988年8月25日、電波新聞社/マイコンソフト、呉ソフトウェア工房)
-PCエンジン版(1988年12月9日、NECアベニュー)
--グラフィックはX68000版を踏襲。敵の出現パターンはX68000版より原作に忠実っぽい。連射は特に凄くはならない。
-ファミリーコンピュータ版(1989年1月6日、タカラ)
-ゲームギア版(1991年12月28日、セガ・エンタープライゼス)
-スーパー32X版(1994年12月3日、セガ・エンタープライゼス/ゲームのるつぼ)
-セガサターン版(1996年7月19日、セガ・エンタープライゼス/ゲームのるつぼ)
--『SEGA AGES』シリーズの一つ。32X版と並ぶACの忠実移植を実現。新型(白)の本体では正常に動作しないので注意。
--別売りのミッションスティックを使用する事で家庭用では初のAC版とほぼ同じ操作性を再現可能。限定スペシャルパックも発売された。
-ドリームキャスト版(1999年12月29日、セガ・エンタープライゼス/ゲームのるつぼ)
--『[[シェンムー 一章 横須賀]]』及び続編『シェンムーII』に収録。その他ムック本『鈴木裕ゲームワークス Vol.1』(2001年12月1日)の付録の2種類がある。
-プレイステーション2版(無印:2003年9月25日、3Dエイジス / 『スペースハリアーII~スペースハリアーコンプリートコレクション~』:2005年10月27日、セガ/M2)
--『SEGA AGES 2500』シリーズの一つ。2012年11月21日にPS3のPS2アーカイブスで配信された
-Wii・バーチャルコンソールアーケード版(2009年3月26日、セガ/M2)
--連射機能の追加の他、ヌンチャクを操縦桿に見立てた操作モードが追加されており、AC版に近い操作性を再現している。
-3DS・ダウンロードソフト版(2012年12月26日、セガ/M2)
--ニンテンドー3DSダウンロードタイトル。(600円で購入可)立体視を実装している他、移植担当者の様々な拘りが取り入れられている作品となっている。
-3DS・セガ3D復刻アーカイブス版(2014年12月18日、セガ/M2)
--パッケージ版・ダウンロード版両方の形態で販売。前述のダウンロードソフト版より立体視の強化やオプションの充実が図られている。
-プレイステーション3/プレイステーション4版(2015年3月12日、セガ)
--『[[龍が如く0 誓いの場所]]』に収録。


-これらの他にも本作をベースにした『タイピング スペースハリアー』というタイピングソフトも発売されている。

----
----
**余談
-「重機動モビルスーツロボット・ドム」という敵が登場する。
--外見は『機動戦士ガンダム』のドムに((頭部のみ『装甲騎兵ボトムズ』のスタンディングトータスに))酷似している。さらに武装はバズーカ。
--その上、黒いカラーのドムは三機編隊で襲い掛かってくる。「オル○ガ、マッ○ュ、ハリアーにジェットスト○ームアタックをかけるぞ!」
--今のご時世では流石にまずいという事か、現在では「VAREL」と名前が変更されている((3DSダウンロードソフト版のオプションメニューのスタッフクレジットの項目で流れるキャラ紹介より))。
-本作はその後のセガにとって3Dシューティングの礎と呼べる存在となった。スペック難で本作でなし得なかった「戦闘機を駆使した擬似3DSTG」((ロケテスト版では自機が戦闘機となったバージョンもあった。マークIII版では裏技で自機を戦闘機にする事が可能。))は、2年後の『[[アフターバーナー]]』で達成されることになる。
--そして350度回転の大型筐体『ギャラクシーフォース』で筐体のハデさが極まった後、R-360筐体(と対応ゲームの『G-LOC』)で全方向ムービングを達成するが、コストも極まった事等から体感ゲームシリーズはやがて終焉を迎え、筐体も姿を消す。
//-稼働当時、朝日新聞の天声人語欄でネタになった事がある。執筆者が本作プレイ中の少年を見掛けて「よくもまぁこんなムチャクチャな速さのゲームなんかやってられるもんだ呆れるわ」という感想を持った、というような内容だった。
//さすがになったことがあるというだけではほんとなのかどうかわからない。