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ロックマン ザ パワーバトル - (2017/05/17 (水) 17:39:01) のソース

ここでは、アーケード版ロックマン「パワーバトル」及び「パワーファイターズ」について解説する。
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#contents
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*ロックマン・ザ・パワーバトル
【ろっくまん・ざ・ぱわーばとる】
|ジャンル|アクション|&amazon(B00014AS7U)|
|対応機種|アーケード(CPシステム)|~|
|開発・販売元|カプコン|~|
|稼働開始日|1995年10月|~|
|分類|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~|
|>|>|CENTER:''[[ロックマンシリーズリンク>http://www26.atwiki.jp/gcmatome/pages/383.html]]''|

**概要
-ロックマンのアーケード初本格参入作品。((ちなみに本作以前にアドベンチャークイズ カプコンワールドシリーズでロックマンシリーズのキャラが登場している。))。

-本作は初代CPSの最終作でもある。
--市場に出回っているのはほぼすべてCPS版であるが、少数ながらCPS2版も出荷された。ハードが違うためBGMの音色が異なっている。

-後述のパワーファイターズ同様ゲームの性質上、ゲームセンターではなくデパートや駄菓子屋に置かれることが多い。
--しかし、通常のゲーセンで稼働してある所も見かけることがある。

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**システム(1)
-選択可能なキャラはロックマン・ブルース・フォルテの3人。二人同時プレイ可能。
-キャラを選択後、コースを選択。
--選択可能なコースは「1・2」「3~6」「7」の3コース。数字はボスが登場した本家のナンバリングタイトルと同じ。
---例えば「1・2」コースなら初代から「ガッツマン」「カットマン」「アイスマン」2から「ヒートマン」「クラッシュマン」「ウッドマン」と3体ずつ登場。
--各ボスと闘うステージはギミックが存在する物も。((例えばジャイロマン戦では強制スクロールの中での戦いとなっていたり、クラッシュマン戦では画面端にダストシューターがあり、それを利用して戦えたりできる等))
--ボスを倒すと残りタイムに応じて体力が回復。
--ボスは後半に回すほど体力が増加し、倒しにくくなっていく。その為、苦手ボスを前半に回したりしてボスの撃破順を見極める事が重要。
--EDは3キャラ分のみで各コース共通。

//ガッツマンやヒートマンは前作から出ているボスです。
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**評価点(1)
-ロックマンのボス戦がアーケードでそのまま楽しめる点
--本作では道中に相当する存在が無く、ボス戦のみで一見すると対戦格闘のようだが、ロックマン独特の『倒したボスから武器を奪い取る』『敵のパターンを読んで対処する』と言った基本システムはそのまま継承されている。
--ひたすらボス戦が続くのだが、ロックマンシリーズのボス戦の楽しさは上記『敵のパターンを読んで対処する』なので、その魅力は一切損なわれていない。
--つまり、本作はかの『[[ウォーザード]]』や『[[究極戦隊ダダンダーン]]』に近いゲーム性を持っていると言えるだろう。

-原作再現及びアレンジ具合
--本作に登場するボス達は本家FCシリーズを踏襲した攻撃が中心だが、全体的なキャラのデザインが本家『7』を彷彿とさせる物になっていたり、16ビットハードでの発売に伴い各種攻撃のグラフィックもダイナミックに変化しているのは見事。
--各種ボスから取得できる特殊武器も原作を踏襲した物が多いが、ガッツマンやヒートマンは名前こそ同じものの原作とは特殊武器のモーションが変更されている他、原作を踏襲した特殊武器の中にもバリアを飛ばせる様に改善(プラントマン)、凍結モーションが発生せず貫通しない(アイスマン)と、見た目は原作を踏襲しているが性能が変化している武器も存在する。

-シリーズ初のボイス登載
--本作は高性能なAC基板での発売という事もあってか一部キャラに声優によるボイスが追加された。
--ボイスは後に本家やXシリーズなどの家庭用作品に逆輸入されており、続編のナビゲーション機能共々次世代作品の基礎システムとなる。

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**賛否両論点(1)
-BGMは本家のBGMのアレンジを中心に構成されているが、バトルステージの雰囲気を優先したのか多くのボスでは本人のステージとは異なる曲が使用されている。
--例えば1・2コースのクラッシュマン戦でナパームマンステージのBGMが使用されていたり、逆にウッドマン戦ではクラッシュマンステージのBGMが使用されていたりと、本家シリーズに慣れ親しんだプレイヤー程困惑しやすくなっているのは事実。

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**難点(1)
-本家5クラスのチャージショットゲー
--本作のチャージショットの性能は一部のボスに当てると必ずダウンを奪える性能になっている為、ハメパターンに持ち込み易く、チャージショットゲーになりがち。流石に続編ではチャージショット一発程度じゃダウンを奪えなくなっているが…
--そのため本家5同様に本作もチャージショットゲーと比喩される事も。
--またスーパーアームといった一部の特殊武器でも奪うことも可能だが、ほとんどの特殊武器は当ててもダウンせず画面がフラッシュする程度で、当てるには近づく必要があるため、ここでもチャージショット有利になっている。

-ステージ数が少ない。
--ロックマンシリーズの経験にある程度左右されるが、10分もたたずにクリアできてしまう短さ。
--更にステージ間の演出も無いに等しく、ステージ開始及び特殊武器取得の演出もスキップが可能な点も本作のプレイ時間の短縮につながっていると思われる。

-ステージ選択画面が特殊。
--ステージ選択画面ではボスの姿が映っておらず、ステージを選択するまで戦うボスが全く分からない。
--しかも自動でカーソルが動くルーレット式になっており、ステージ選択が面倒。
--だが出現するボスはコース・ステージ毎に決まっており、ルーレットの速度も遅く目押しが可能なため、ある程度やり込めばいつものロックマンのスタイルに変化する。ミスるとパターンが崩れるが。

-クリアタイムの適用範囲
--クリアタイムはワンコインクリアでしか適用されず、一度でもコンティニューするとクリアタイムは記録されない。これはパワーファイターズでも同様。

-本家[[7>ロックマン7 宿命の対決!]]のキャラの使い回しが多く、新鮮味をあまり感じない。
--おまけに「7」コース自体は最も難しいコースに設定されているものの、登場ボスのパターンは本家7を踏襲してる為あまり代わり映えが無く、上記のチャージショットの鬼性能や一部の攻撃が弱体化された影響で、原作と比べて簡単になっている。
--その為本家7をやり込んだ人は数回でワンコインクリア出来てしまうことも。
---ちなみにパワファイでも「7」のボスが登場しているものの、スラッシュマンの攻撃はローリングアタックとガムばらまきと強力な攻撃が追加されているが、シェードマンの新たな攻撃は体力減少時のサキュバットン召喚のみと、少々寂しい。

-何故か冷遇された『6』
--シリーズ通しての問題。『6』からのボスが本作では1体、パワーファイターズでは2体((他の作品からはシリーズ累計で最低3体が登場している。))と他と比べて少なく、BGMのアレンジもパワーファイターズのステージセレクトたった1曲だけである。
--しかもパワファイの両者のステージで使用されている曲はどちらも『6』以外の曲。この点も『6』の不遇っぷりに拍車をかける。
---そんな不遇っぷりのおかげ(?)なのかPS版のナビモードでは、ほぼ全曲が新規アレンジになったのだが。

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**余談(1)
-サントラもCPS2版のみの収録である。

-CPS2版の楽曲のいくつかは後に発売された[[プレステ版ロックマン>ロックマンシリーズ (PS)]]のナビモードのBGMとして流用されているが、なかには関係の無いBGMを当てているステージもあるので注意。((具体的な例としてマグネットマンステージはクラウドマンステージ、タップマンステージでは7のオープニングステージのBGMが流れる))
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*ロックマン2・ザ・パワーファイターズ
【ろっくまん2・ざ・ぱわーふぁいたーず】
|ジャンル|アクション|
|対応機種|アーケード(CPシステムII)|
|開発・販売元|カプコン|
|稼働開始日|1996年8月|
|分類|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|

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**新システム・評価点(2)
-プレイヤーキャラにデューオ追加
--デューオは他3人とは異なり連射バスターがパンチとなっている他、必殺技が2段階になっている等操作感覚がかなり特殊。
--なお、本作はデューオの初登場作品である(ストーリー上では本作は8の後日談になっているので『8』の宣伝としての登場と言える)。
---まだデューオの設定が定まっていない時に作成された為か、特殊武器取得時のセリフに「わが母国の為に!」という見当違いなものが混ざっている((デューオは初期案でコサック製ロボットという設定があったので、その名残と思われる。))。

-必殺技の追加
--チャージしてから特定のコマンドを入力することで必殺技を出す事が可能。これにより更に格ゲーらしくなった。
---必殺技は当てると浮かせることが出来、特殊武器などを絡めた様々なコンボを作ることができる。
---ちなみに「MAVEL VS. CAPCOM」のロックマンの「ロックアッパー」の名前はこれが初出((ロックマンとフォルテの必殺技は『7』の対戦モードが初出。))。

-サポートメカの参戦
--ボスとの戦いでボスの体力が少なくなることで出現するエディからのアイテムを獲得すると、プレイヤーに応じてパートナーが駆けつけてくれる。
--例えばロックマンはラッシュがパートナー。連射バスター時はラッシュコイルで一見役立たずだが、チャージ攻撃になるとラッシュジェットで追い打ちしてくれる。

-フォルテの空中ダッシュ
--フォルテのみ、Xシリーズからの逆輸入となるの空中ダッシュが可能になり、攻撃の回避がしやすくなった。ただし、こちらのコマンドはXシリーズとは異なり、空中でスライディングで出せる。
--後に『ロックマン&フォルテ』で使用可能になった際には、同じくXシリーズからの逆輸入となるダッシュジャンプも取得している。

-オリジナル特殊武器
--本作ではファラオマンとケンタウロスマンの2人だけ、原作とは全く異なる特殊武器を入手する事が可能。
---ファラオマンからはファラオウェーブ、ケンタウロスマンからはケンタウロスアローという特殊武器が入手できるが、前者はともかく後者の特殊武器がそのままアーケードに登場したらゲームバランスが崩壊してしまうだろう。

-ステージ選択画面の改善
--ステージ選択画面では前作のような癖のある仕様では無くボスの姿が映っている為、いつものステージ選択画面に近い仕様になっている。
--またカーソルをボスに合わせると、ボスの攻略や弱点武器のヒントをライト博士から教えてもらえるナビゲーション機能が追加。
---ナビゲーション機能は後に家庭用シリーズに逆輸入されることになるが、そちらではステージ上で任意で使うことが可能となっている。ある作品を除いて…

-基板のバージョンアップの恩恵
--本作は基板がCPSIIにバージョンアップした事により演出面がより派手になっている。
---例えばボスに弱点武器の一発目を当てると画面が暗転したり、殆どのキャラにボイスが付く等。
--BGMは前作のFM音源とは違い、Qサウンド音源のアレンジ。Qサウンドを使用している為か、流通数が少なかった前作のCPSII版の曲もほぼそのまま使用されている((前作からの曲のうちシェードマンとフォルテのテーマは本作用に新たにアレンジされている。))。
--本作のBGMは後に前作同様、「[[プレステ版ロックマン>ロックマンシリーズ (PS)]]」のナビモードに流用されている。

-ステージ・ボス関連等
--選択可能なコースは「ワイリーを追え」「ロールを救え」「新パーツを取り戻せ」の3コース。
--各コースではそれぞれ登場したタイトルのボスはどれもバラバラとなっている。例えば「新パーツを取り戻せ」コースでは初代からガッツマン、[[2>ロックマン2 Dr.ワイリーの謎]]からエアーマンとクイックマン、3からジェミニマン、4からファラオマン、5からナパームマンが登場する。
--ステージBGMは前作とは異なり基本的に原作のボス本人のステージの曲が使用されているが、一部ボスは例外的に本人のステージ以外の曲が使用されている。((例えばクイックマンは2のボス戦をアレンジしたものとなっていたり、イエローデビルは前作の中ボスの曲が使用されている。))
--また中ボスも各コース異なったボスが出現する。例えば上記「新パーツを取り戻せ!」コースでは『2』よりメカドラゴンが登場。((ステージBGMも御存知ワイリーステージ2のアレンジが使用されている。))
-本作ではボスを攻撃すると得点や回復アイテムを落とす他、体力が一定まで減ると数秒の無敵時間を経て攻撃パターンが変化((例えばケンタウロスマンは通常はケンタウロスアローによる遠距離戦中心だが、体力が減少するとナギナタによる近距離中心になる。))。また多くのボスが防御するようになったり、一部のボスが本家7のザコを召喚してくるようになった。((パワーバトルでは中ボスのVAN.プーキンがザコ敵を召喚してきた。))
-他にコースごとに本家の名場面を再現した中間イベントが発生する。例えば「ワイリーを追え」コースでは3のワイリーマシン撃破後のシーンが再現されている。
--またコースによっては専用の強化パーツがもらえることもある。強化パーツはコンティニューすると効果が消える物が存在するので注意。

-本作のEDは1P時のみのEDに加え、1P・2Pのキャラの組み合わせにもそれぞれにEDデモが用意されており、計10種類のEDが存在する。繰り返し遊んで全てのEDを観賞するのも面白い。特にフォルテの単独EDはロックマンXへの伏線が見られるためファンなら一見の価値あり。
-更に特定の条件を満たすとスタッフクレジットが変化するので、何度もプレイしてチャレンジして欲しい。

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**難点(2)
-ワイリーマシンを弱点武器でハメられる。しかもどのコースを進んでも一撃でダウンさせられる。本家のワイリーマシンはハメられないのに…
--だが、ハメ損ねると一転して攻撃が激化するので、一応バランスが整っているかも知れない。
--第2形態のワイリーカプセルは前作同様、カウント10以内に体力を削り切らないとタイムボーナスが入らない。なお、削りきれなくても最終的にカプセルは爆散し、恒例の土下座が拝める。
-特殊武器の入手方法が本家[[1>ロックマン]]と同じくアイテム入手になっており、協力プレイの場合はアイテムの取り合いになる。時間が立つと入手出来ない。
-三つのコースで特殊武器の性能・使い勝手にかなりの差があり、「ワイリーを追え」コースでは、すべての特殊武器がチャージショットより使い勝手が悪く、「ロールを救え」コースでは(最初に倒したボスにもよるが)ほとんど特殊武器だけでどうにでもなってしまうなど、調整不足感が拭えない。

-ブルースのブルースストライクが他作とは違い必殺技扱い。
--その為ブルースのチャージショットが普通のチャージショットという名前になっている。紛らわしい…

-シャドーマンの防御
--本作では多くのボスに防御モーションが追加されているが、シャドーマンの防御は''変わり身の術と言いつつ木に変身する''というもの。
--彼の間違った変わり身の術は当然ながらファンからネタにされている。

-家庭用移植版では全ボスを通しで倒す「EXTREME」モードが搭載されているが、挑めるボスの順番が決められず、ボスの弱点武器もアーケードモードのもの一つに固定となっている。
--よって弱点武器を使いたいボスの次にその弱点武器をもつボスが来るということが割りと多く起こる。
--弱点武器が固定なので明らかに効きそうな((アーケードモード中「熱に弱いのじゃ」と説明されるジェミニマンに、アトミックファイアがあまり効かないなど))、もしくは原作では弱点武器だったはずの武器が弱点武器でなくなる((エレキマンにローリングカッターなど))ということも。
--逆に相手をダウンさせるスーパーアームや爆風が連続ヒットする2のナパームボムなどは相性を考えずに使うことが可能。

-前作に登場したステージのギミックがなくなり、普通の格ゲーのようなステージに統一されていて味気ない。

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**家庭用移植
パワーバトル及びパワーファイターズ共にカップリングでの移植のみになっている。

-PS2に1・2両方を移植した『ロックマン パワーバトルファイターズ』が2004年7月29日に発売されている。
--このソフトではパワーバトルのBGMがCPS2版のものしか入っておらず、CPS版の音源は未収録となっている((後に発売された『ストリートファイターZERO ファイターズジェネレーション』ではサウンドテスト限定だが、CPSチェンジャー版ZEROの音源も収録されている))。
--また、プレイヤー同士の対戦モードも収録されている。
--ちなみに本作は日本で本家ロックマンでは唯一PS2で発売された作品でもある。((海外では本家1~8が収録された作品が発売されている為、唯一では無くなっているが。))


-この他にもネオジオポケットにて同じく両方を移植した『ロックマン バトル&ファイターズ』も発売されている。
--ハードの関係上、収録されているBGMの大幅減少や一部モーションのカットなどがあるが、アーケード版に忠実な移植となっている。
--ちなみに本作はネオポケの唯一の純正カプコン作品((クロスオーバー作品としてはSNK発売の作品が存在。))だが、上述のPS2版と共に唯一という言葉に縁があるのは何故なのだろうか。

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**余談(2)
-「MAVEL VS.CAPCOM」のロックマンとロールちゃんのEDの演出は、AC繋がりでパワーファイターズの演出を再現している。

-ジャイロマンとプラントマンはパワーバトル・パワーファイターズ双方で同じコースで登場するが、なんと弱点武器が逆転している((パワーバトルではジャイロマンのジャイロアタックがプラントマンの弱点武器だが、パワーファイターズではプラントマンのプラントバリアがジャイロマンの弱点になっている))