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NINTENDO パズルコレクション - (2015/02/27 (金) 16:29:24) のソース

*NINTENDOパズルコレクション
【にんてんどーぱずるこれくしょん】

|ジャンル|アクションパズルゲーム|&amazon(B00007L4XC)&image(NPC title.jpg,http://www26.atwiki.jp/gcmatome?cmd=upload&act=open&pageid=438&file=NPC title.jpg,width=160)|
|対応機種|ニンテンドーゲームキューブ|~|
|発売元|任天堂|~|
|開発元|インテリジェントシステムズ、任天堂&br()各ゲーム開発はその他多数関与|~|
|発売日|2003年2月7日|~|
|定価|5,800円(税別)|~|
|プレイ人数|1~4人|~|
|レーティング|CERO:全年齢対象|~|
|判定|なし(『パネルでポン』は''劣化移植/劣化ローカライズ'')|~|
|ポイント|一部難ありの名作パズル詰め合わせ&br()GBAまたは別売コントローラ・変換器ほぼ必須|~|
|備考|GBAケーブル同梱|~|
|>|>|CENTER:''[[マリオシリーズ・関連作品リンク>マリオシリーズ]]''|
|>|>|CENTER:''[[ヨッシーシリーズリンク>ヨッシーシリーズ]]''|
|>|>|CENTER:''[[パネルでポンシリーズリンク>パネルでポンシリーズ]]''|

#contents()

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**概要
任天堂発売のアクションパズル『[[ドクターマリオ]]』『ヨッシーのクッキー』『[[パネルでポン]]』のゲームキューブリメイク版をカップリング収録したソフト。さらにGBA本体に転送して遊ぶジョイキャリー版も収録している。
このうち新規に製作されたのはGCの『ヨッシーのクッキー』とGBAの『パネルでポン』のみで、これ以外はニンテンドウ64用として制作されていたソフトの移植またはファミコン版のエミュレータ動作である。

**評価点
-1つのソフトに本編3本+おまけ3本。原作はいずれも一定の評価を得たソフトであり、パズル好きならお買い得な収録内容といえる。
-セーブ機能などプレイ環境の向上、4人対戦などゲームモードの追加が図られた。
--いずれも原作は2世代以上前のゲームでありセーブ機能はなかった。本作はハイスコアなどの記録ができるようになり、複数のプレイヤーが個別に記録できる。
--特にFC版を原作とした『ドクターマリオ』と『ヨッシーのクッキー』はこの傾向が顕著。
-3作品のエンディングを見終わった後にメニューへ戻ろうとするとちょっとしたご褒美がある。

**問題点
-ハードの問題といえるが、細やかさと激しさの両方の操作が必要なジャンルにも関わらず、GCの標準コントローラでは操作しにくい。((十字キーが小さく配置も悪いため誤入力が発生しやすく、スティックでは調整が難しい))
--同梱品のGBAケーブルにGBA本体をつなぐか、ホリ製のデジタルコントローラ、非ライセンス品のコントローラ変換器がないと快適なプレイが期待できない。
---当時任天堂が店頭配布していたカタログ本にはデジタルコントローラが推奨コントローラとして掲載されていた。
---しかしGBAケーブルは保存状態が悪いと接触不良が発生しやすく、いきなり接続が切れて操作不能になってしまうことがある。
--対戦プレイの場合は当然それらが人数分必要となり、それなりの出費がかかる。仕方なく標準コントローラを使う人は最初からハンデ状態。
---Wii用として販売されていたGCポート→PSやSFCコントローラ変換器を使用するのもひとつの手。
-単体で発売されるはずだった旧機種用ソフトと数合わせのための新規製作ソフトを収録している構成から、メニューやセーブの仕様、ゲームモードやプレイヤーファイルの数が異なるなど、チグハグな印象を受ける。
--『ドクターマリオ』と『パネルでポン』はもともと64用に開発されていたので画質は粗い。それに合わせてタイトル・ゲーム選択画面なども粗いのだが、『ヨッシーのクッキー』だけはハイレゾ画質なので逆に浮いている。
-『ドクターマリオ』と『ヨッシーのクッキー』の転送版はFCのエミュレータ動作なのだが対戦プレイはできない機能制限版。また『パネルでポン』の転送版は新規製作でGC版よりかなり細かい設定ができるものの、エンディングなどのご褒美要素は一切ない。
--いずれも練習用またはオマケと割り切った方がよい。メーカーもそのつもりで入れていると思われる。
--『パネルでポン』はメニューで「エンディング等はない」と言い切っている。

**総評
実質は発売未定となっていた旧機種ソフト+αのカップリングである。パズルゲームは一部の定番タイトルを除けばニッチ向けの作品であり、大多数の作品はプレイされる機会そのものが少ないが、本作は「ひととおり名の知れた複数タイトル収録によりまとめ買いを狙う」手法によりそのデメリットをカバーした。パネルでポンの登場キャラが万人受けしないとされていた妖精に戻ったのも他の2作品の存在があったからこそと言える。~
旧世代版から一転してバラエティに富んだ内容となった『ドクターマリオ』、それに対して明らかにボリューム不足の『ヨッシーのクッキー』、ローカライズの粗が目立つ『パネルでポン』など各ゲームのボリュームや品質にばらつきがある点が気になるところでもある。とはいえ、これらの欠点に目を瞑れるパズルファンや、新作に触れてみたい各シリーズファン、細かいことを気にせずに多人数でにぎやかに遊びたいプレイヤーには十分な決定版ソフトとなり得るだろう。

以下各ゲームごとの詳細。

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*ドクターマリオ
|開発元|ニューコム|&image(NPC drmario00.jpg,http://www26.atwiki.jp/gcmatome?cmd=upload&act=open&pageid=438&file=NPC+drmario00.jpg,width=160)|&image(NPC drmario01.jpg,http://www26.atwiki.jp/gcmatome?cmd=upload&act=open&pageid=438&file=NPC+drmario01.jpg,width=160)|
|ポイント|北米で発売された『Dr.Mario 64』の移植作品&br()しかし順当なリメイク作品であるといえる&br()現状シリーズ最多のモード数&br()3作品の中ではもっとも高評価&br()登場キャラはなぜかワリオランド3|~|~|
2001年に北米で発売された『Dr.Mario 64』を移植。上から2粒1組で落ちてくるカプセルを回転・移動させ、ビンの中のバイキンを消していく。バイキンやカプセルは同色が4個以上縦か横に並ぶと消える。

**評価点
-シリーズ最多を誇るモード数と新規追加要素。
--1人用だけで「オリジナル」「おはなし」「VS COM」「フラッシュ((通常のウイルスに混じって配置される光るウイルスを全て消せば勝ちとなるルール。))」「たいきゅう」「スコアアタック」と、6つもゲームモードがある。さらに「おはなし」ではドクターマリオとワリオの話がそれぞれ用意されている。
--2人用も「VS」「フラッシュ」「スコアアタック」、4人用も「VS」「フラッシュ」「タッグバトル」とゲームモードが豊富に取り揃えられている。

-「おはなし」モードは近今のゲーム風に仕立ててあり、簡単に言うなら『[[ぷよぷよフィーバー]]』のような形式で進行する。ただしキャラクター同士の会話はあまり多くない。
--ストーリーを簡単に説明するとマリオの場合「ウイルスの治療薬をマッドシタインに奪われたので奪還に向かう」、ワリオの場合「マリオの治療薬を使ってひと儲けしようとしたらシタインに先を越されたので奪いに行く」というもの。
--ただし、子供の紙芝居風でメッセージが表示されるので、人によっては不快感を感じるかもしれない。また、漢字も一切使用されていない。
--難易度によりストーリーモードの大きな変更はなく、敵との戦闘形式が変化(低難易度だと一対一だが、難易度を上げると4人対戦になる場面がある)したり、NORMAL以上の難易度である条件を満たすと隠しキャラが登場したりするのみ。一応ストーリーはマリオ編とワリオ編の2つ用意されており、マリオ編はハッピーエンド、ワリオ編はバッド兼トゥルーエンディングとなる。
--「おはなし」モードで攻略したキャラは対戦モードで使用できる。対人戦では特に意味はないのだが、対CPU戦にするとキャラに合わせてAIのレベルが変化する。

-キャラクターにそれぞれボイスが追加されている。
--ただし2連鎖、3連鎖、4連鎖、勝利時、ダメージ時の5つまでしか用意されておらず、ボイスが豊富に存在した「[[ぷよぷよ]]」シリーズなどに比べるとやや物足りない感じはある。
---とはいえ、連鎖で勝敗がつくゲームでもないので妥当だという考え方もできるが。

-BGMのアレンジは耳障りにならないよう上手く仕上がっている、ローカライズ自体が非常に丁寧など、3作品の中では評判は上々。
--前述の通り条件を満たすことで隠しボスも出現し、後述の対戦で使用できるようになるなど、ちょっとしたやりこみ要素もある。

**問題点
-登場キャラクターは『[[ワリオランド3 不思議なオルゴール]]』から流用されているが、その必要性が薄い。
--クリボーやノコノコ、パタパタレベルの有名なキャラクターならともかく、ヤリまる、フーセン魔人、ハンマーロボ、マッドシタインなど、余程のマリオファンでないと名前がすぐ思い浮かばないキャラクターを対戦相手として出されても印象が薄い、というのが正直なところだろう。


**総評
北米で発売された『Dr.Mario 64』の移植であるうえ、登場キャラはなぜかワリオランド3からのものだったりと謎な部分もあるが、シリーズ最多を誇るモード数と新規の追加要素等があるうえ、ローカライズ自体も非常に丁寧で、3作品の中では最も評価が高い。GB版やFC版経験者のみならず、未プレイ者にも順当な進化作として普通に遊べる良質なものとなっていると言える。


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*ヨッシーのクッキー
|開発元|トーセ|&image(NPC ycookie00.jpg,http://www26.atwiki.jp/gcmatome?cmd=upload&act=open&pageid=438&file=NPC+ycookie00.jpg,width=160)|&image(NPC ycookie01.jpg,http://www26.atwiki.jp/gcmatome?cmd=upload&act=open&pageid=438&file=NPC+ycookie01.jpg,width=160)|
|ポイント|3作品で唯一の非ローカライズ移植の新規作品&br;画質に関してはは3作品で一番良い&br()しかしモードはFC版+α程度でボリュームでは最下位&br();ただしゲームモードの数自体はSFC版と同じ&br;いちおう順当なリメイク作と言える出来|~|~|
元々N64用ソフトが原型である同時収録の他2作品と違い、これのみはパズルコレクション収録のために新規に作成された作品。クッキーの並ぶ列を縦横にスライドさせ、一列すべてを同種のクッキーで揃えるとその列が消える。

**評価点・問題点
-ハイレゾ画質で見やすい。唯一GCソフトらしい画質。

-コントローラの種類を抜きにすれば、GB版以来の4人対戦が手軽に可能となっている。SFC版と同様、性能の異なるマリオ・ヨッシー・ピーチ・クッパの4名の中から使用するキャラクターを自由に選ぶことが可能。
--ちなみにGB版では4人対戦を行うためには「本体4台、カートリッジ4本、通信ケーブル3本、4人用対戦アダプタ1台」が必要なブルジョワ仕様だった。とはいえ、GBで4人対戦できるということ自体は当時としては破格であったと言える。

-今作で新たに「ストーリー」モードが追加された。
--「ストーリー」はドクターマリオの「おはなし」と同じく近今のゲーム風に仕上げたもの。ストーリーを簡単に説明すると、「作ったクッキーをクッパに奪われたのでクッパの城に向かい奪い返す」というかなり簡単なもの。プレイヤーはマリオ&ヨッシー(キャラの性能はマリオと全く同じ)を使い、道中に立ちはだかる敵とVSのルールで勝負していく。
--テキストはドクターマリオ以上に少ない。また、難易度を上げてもストーリーの変化は一切ない(登場するキャラは変化する)。
--さらにこちらはメッセージの他、会話画面も子供の紙芝居風で進行する。テキストに漢字も一切使われていない。
--対戦画面は常に背景が同じ、BGMも最後のクッパ戦以外は全部同じと変化に乏しい。他2作品が特徴的なのでよけいに。
--ただし、登場キャラクターの多くがなぜかワリオランド3からであったドクターマリオとは違い、こちらの登場キャラは『[[スーパーマリオブラザーズ]]』、『[[スーパーマリオワールド]]』のものであるため、比較的有名なキャラが多い。また、難易度によって出現するキャラも変わる((例としては、EASYだとテレサ、NORMALだとテレサウルス、HARDだとスプークといった具合))。
--ステージ6ではドッスン・カメックが一度に現れるが、3人対戦というわけでもなく普通に1回ずつ対戦するだけ。反面最終ステージのクッパは3回先取しなければならないなど、ステージの概念があまり意味をなしていない。もっとも、ラストステージのクッパに関しては「ラスボスだから容易に倒せない」「ラスボスだから特別仕様」等と考えればそこまで不自然ではないかと思われる。

**問題点
-ゲームモードは1人用が「オリジナル」「ストーリー」の2つ、対戦が「ふたりでたいせん」「みんなでたいせん」の2つのみ。''他の2作より明らかにボリューム不足''。SFC版に収録されていたパズルすらない。
--ただしSFC版にはストーリーモードがないので、実は''モードの数自体はSFC版と同じ''。

-セーブの際にいちいちセーブ中画面に切り替わるので実際より長く感じる。

-スタッフロールの誤植。
--キャラクター監修の手塚卓志(てづか たかし)氏をTAKESHI TEZUKAとスペルを間違えている。


**総評
GB版・FC版やSFC版の『ヨッシーのクッキー』のGC版新規作品であると共に、同時収録の『ドクターマリオ』『パネルでポン』と違い、今作唯一の非ローカライズ移植の新規作品。グラフィックに関しては3作品の中で最も良い反面、ゲームのボリュームに関しては他2作より劣る。SFC版にあったパズルも今作には無い。ただし、その代わりかSFC版に無かったストーリーモードが新たに追加されており、実はモードの数自体はSFC版と同じである。加えてGB版でハードルの高かった4人対戦も本ソフト1つ+GC1台+コントローラー4つで可能になっている。その辺りを考慮すれば、いちおう今作はGB版・FC版・SFC版の順当なリメイク作であると充分言える出来になっていると思われる。


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*パネルでポン
|開発元|メインプログラム:Nintendo Software Technologie(NST)&br()CG・BGMなど:インテリジェントシステムズ、任天堂|&image(GCpanepon1.jpg,http://www26.atwiki.jp/gcmatome?cmd=upload&act=open&pageid=438&file=GCpanepon1.jpg,width=160)|&image(GCpanepon3.jpg,http://www26.atwiki.jp/gcmatome?cmd=upload&act=open&pageid=438&file=GCpanepon3.jpg,width=160)|
|判定|BGCOLOR(khaki):''劣化移植''|~|~|
|~|BGCOLOR(khaki):''劣化ローカライズ''|~|~|
|ポイント|日本未発売のN64ソフト『ポケモンパズルリーグ』のキャラ等を変更した移植作品&br;SFCのリメイク…というよりもキャラ総入れ替えで実質続編?&br()すっきりしない終わり方にゲーム内では明かされない母娘関係&br()米国製→ローカライズ→移植でなぜか''不具合増加''&br;''ゲーム内の1分は実時間の1分10秒''|~|~|

1995年のSFCソフト『[[パネルでポン]]』を初出とし、ゲームボーイの『[[ヨッシーのパネポン>ヨッシーのパネポン (GB)]]』、ゲームボーイカラーの『[[ポケモンでパネポン]]』とキャラ変更リメイクが繰り返された同名アクションパズルのGC版。2000年に北米にて発売されたNINETENDO64用ソフト『Pokémon Puzzle League』が原型となっており、実際の所は移植作品と言えるが、今作に収録する際に元作品のキャラクターやグラフィック・BGM・演出面等を変更し、SFC版に近い雰囲気を持たせた内容になっており、SFC版のリメイク作というよりも''続編''のような作りとなっている。左右2マス分のカーソルを動かして下からせり上がってくるパネルを入れ替え、同じパネルを縦か横に3個以上並べると消える。

**問題点
-''ローカライズと移植で粗だらけ''
--元々は海外のみで発売されたN64ソフト『ポケモンパズルリーグ』として開発され、日本向けにローカライズされたという経緯がある(そのためかGCソフトとしてはドットの目立つ粗いグラフィックになっている)。メインプログラムの開発はインテリジェントシステムズではなく、アメリカのNSTが担当した。さらにローカライズと移植が施された結果として、なぜか''新たなバグや不具合が増加''する事態になった。このため、システム面では同時収録された&bold(){体験版相当のGBA転送版の方がマシ}と主張するプレイヤーも現れるほどだった。
---『ポケモンパズルリーグ』は発売当時唯一アニメ版ポケモンをベースとしたゲームであり((日本では後にアニメ発祥のキャラクターであるムサシやコジロウらが登場するポケモンミニ専用ソフト『ポケモンアニメカード大作戦』が発売された。))、雑誌64ドリームでは日本版発売の可能性もほのめかされたが実現はしなかった。これら2作のメインスタッフおよびテストスタッフは一致し、パネルでポンのスタッフロールには本来表記する必要のないパッケージデザイナーの名前も明記されている。
|&image(pokemonpl1.jpg,http://www26.atwiki.jp/gcmatome?cmd=upload&act=open&pageid=438&file=pokemonpl1.jpg,height=160)ポケモンパズルリーグタイトル画面| &image(pokemonpl2.jpg,http://www26.atwiki.jp/gcmatome?cmd=upload&act=open&pageid=438&file=pokemonpl2.jpg,height=160)ルール説明画面|
|>|&image(center,GCpanepon2_2.jpg,http://www26.atwiki.jp/gcmatome?cmd=upload&act=open&pageid=438&file=GCpanepon2_2.jpg,height=160)パネルでポンのルール説明画面。パネルの並びが一致している。|

***ポケモンパズルリーグに起因しない不具合
-このゲームでは&bold(){実時間の約1分10秒がゲーム内では1分としてカウントされる}地味ながら重大なバグが存在する。
--そのため&bold(){2分ちょうどで終わるはずのスコアアタックが実際は2分20秒ほどある}。他機種より制限時間が長いため容易に高得点が取れる。
--同様に64から移植されたドクターマリオにこのバグは存在しない。またパネルやカーソルの挙動などゲームスピードに影響はない。
-その他、デモやメニュー周りの不具合が目立つ。一言で表現すると&bold(){雑}。
--ルール説明でなぜかフリルが同じセリフを続けてしゃべることがある。
--サウンドテストでフリルの説明メッセージ音が被り、うるさい。
---一応回避方法はある。あらかじめSEボリュームを下げておき、サウンドを再生したあとすぐ上の効果音へカーソルを合わせればよい。ただしSEボリュームを下げてもSEの音量が''目立たなくなる程度に小さくなるだけ''で、完全に消えるわけではない。
---ポケモンパズルリーグの同オプションではメッセージによる説明がないためこのようなことは起こらない。また、こちらは今作と違いSEボリュームを下げると完全にSEが消える。
---さらに曲は必ずフェードインしながら再生されるので、先頭がわずかに切れる。ただしこれは2作とも同じ。
--VS COMのデモ画面でフリルと背景の切り替えがズレて不自然に見える場面がある。
--スタッフロール最後の著作権表記に使用されている文章画像がまともにトリミングされておらず、汚く見える。
---GCに合わせた画素数に拡大した際の比率が合っていないのか、さらには透過処理させるつもりの文字周りが透けずに表示されているようだ。
---一方で''タイトル画面のロゴだけは''GCグラフィック相当の綺麗なもの。64ソフトとして開発していたときのロゴと差し替えたのだろうか。

***ポケモンパズルリーグに起因する不具合および仕様
-VS COMでセーブをした後再開すると''1ゲームオーバー扱い''。このためノーコンティニュークリアを目指す場合は一切中断できず面倒なことに。
--ポケモンパズルリーグには逆のバグがある。ゲームオーバーになってもその場ですぐコンティニューせずに一度メニューへ抜けてから再開すると、ゲームオーバー数がカウントされない。このバグを修正しようとしたのだろうが、結果的に''今度は新たなバグを生む''という事態になった。
-プレイヤーごとにハイスコアや最高連鎖・同時消し数の記録がされるのはいいのだが、VS COMの進行状況はベスト記録ではなく直近の状況が記録される。
--折角ゲームオーバーにならず隠しのラストボスを倒したとしても、次プレイ時にセーブをすると記録が上書きされてしまい最初から。ゲストや別のプレイヤーファイルでプレイすれば完全に防げるが、そうなると最高連鎖・同時消し数が記録されないというジレンマ。
-スコア表示が6桁固定。
--他機種では5桁固定または5桁と6桁の任意切り替えで、エンドレスではカウンターストップの時間を競う遊び方もあった。本作では6桁固定で5桁への切り替えもできない。
---ただし、そういう遊び方はしないという人や特に問題ではないという人もいるため、これに関しては問題点というよりも賛否両論点といえる。
-ゲームフィールド周り、特にパネルがぼやけて見える。
--これはドットが横長のSFCと同じ画面比率を再現するために正方画素で描いたパネルの絵を横に引き伸ばしたことによるもので、れっきとした仕様である。GCへそのまま移植したため引き伸ばしの粗が目立ってしまった。

***他機種より劣る点・改善されなかった点など
-ゲームモードや獲得点数ごと別々に存在したスタッフロールと曲は1種類2曲に削減される。VS COMのストーリー分岐もない。
--複数エンディングはSFC版で好評だったごほうび要素のひとつだったが、それが明確な理由もなくばっさり削減されてしまった。
--シリーズ内でも格段に容量の少ないGB版でさえゲームモードごと別々のスタッフロールが用意されていたので、それ未満。
-オプションのCPUスイッチをONにすると1P・2P両方ともコンピュータの操作となる。
--同様の機能が用意されているヨッシーのパネポンSFC版やポケモンパズルリーグでは2PのみCPU操作にできるので、2人用ゲームでコンピュータ相手にフリー対戦をすることができた。本作ではこれができず、ただコンピュータ同士の対戦を見るだけになってしまった。
--一応4人対戦モードでフリー対戦はできる。ただし後述の変則ルールと小さな画面でプレイしなければならない。
-1人用のエンドレス・スコアアタックでキャラクターを6人からしか選べない。
--容量は増えたはずなのに全キャラクターが選べないのは直前のGBCまでと同様相変わらず。
--魔王サナトスの1人用画面はステージクリアのスペシャルステージ用として存在するのだが、SFCと同様にエンドレスとスコアアタックではやはり選べない。
--ただし、ポケモンパズルリーグでは背景1種で固定、BGMはランダムで選択もできないため、''これでも修正された方''。

**賛否両論点
-キャラクターに関する点
--2002年末にパズルコレクションへ収録されることと、画面写真やキャラクターイラストなどの情報が公開され、2度に渡るキャラクター変更に煮え湯を飲まされ続けたSFC版のファンはまさかの妖精キャラ復活と据え置き版の新作(実の所は''日本未発売のN64ソフト『ポケモンパズルリーグ』のキャラ等を変更した移植作品''だったのだが)に歓喜の声を上げた。
--しかし、公開されたイラストはSFC版の主人公「リップ」に似てはいるものの、髪形や服が微妙に違う「フリル」という名の''全く別のキャラクター''だった。さらにゲーム画面で確認できた他の妖精もSFC版とは似て非なるデザインにされていた(''他のキャラ達もSFC版のキャラとは全くの別人''なので当然と言えば当然なのだが)。このためファンの間では期待とともに混乱や不安が渦巻いた。
--また、SFC版と同じようなキャラクターのデザインである事は、良くも悪くも人によって評価が分かれやすい。「SFC版からそうだったので問題無い」「さすがにもう慣れた」という人や、「全く問題無い」「むしろこれがいい」という人もいるが、やはり人によっては「このキャラデザインには抵抗がある」という意見がある。SFC版と同様に、年頃の男子には恥ずかしいと思わせ、いわゆる「萌えキャラ」に否定的なユーザーからもマイナス評価を受けやすい。 
|&image(center,GCpanepon4.jpg,http://www26.atwiki.jp/gcmatome?cmd=upload&act=open&pageid=438&file=GCpanepon4.jpg,height=160)|
|今作の主人公「フリル」(SFC版の主人公「リップ」とは''別人'')。&br;「リップ」に似てはいるものの、髪形や服が微妙に違う。|

-ストーリー内容に関する点
--VS COMのストーリー序盤は「妖精界の異変から唯一免れた花の妖精が他の妖精の正気を取り戻し、皆で妖精界を征服しようとする巨悪と対峙する」というものでSFC版と一致するが、後半の筋書きはSFC版と全く異なりファンをさらに混乱させた。
#region(以下ネタバレ注意)
--途中で太陽の王子と名乗る美少年剣士「カイン」が現れ合流。フリルと"宿命的な出会い"(キャラクター紹介より)を果たす。
--後半の敵キャラが「フェニックス」「ドラゴン」ではなく、夫婦双頭竜の「キックチョップ」とマジシャンの「ジョーカー」。
--その後SFC版と同名のキャラクター「魔王サナトス」「女神コーデリア」が登場するが、外見やキャラクター設定が異なる。
---サナトスはどちらも角付きモヒカンマッチョの大男だが本作では白髪になっている。SFC版に登場した魔王の「オリジナル」である可能性はあるが、説明は一切ない。
---コーデリアは裸で金髪ロングヘアという共通点がある。しかし顔がだいぶ異なる上、各ストーリーの差異からどう考えても全くの別人。
-実の敵は女神ではなく私利私欲のために悪事を働いた魔女三姉妹だった。
---最後は三姉妹の長女がフリルもしくはプレイヤーへ向けたと思われるセリフを吐いて終わるが、このセリフは続編への持ち越しとも取れるものであり、終わり方がすっきりしないと感じた人もいると思われる。
#endregion
--その後に発売された公式攻略本で''「フリルはリップの娘」''と紹介され後の世代の話であることが明かされたが、''ゲーム内でそれを明示する表現は全くなかった''ため、しこりを残す原因となった。
---ただし、SFC版のファンの大多数にとっては&bold(){GC版がSFC版直系の後継作として発売されたこと自体が奇跡}と好意的に受け入れられており、これ自体は大きな問題ではないという声が多い。
-パネルでポンはキャラクターごとに固有のBGMがあり好評を得ていた。本作では全曲アレンジまたは入れ替えがされ、曲によっては賛否両論がある。
--多くはアレンジだが、緑の妖精、月の妖精、魔王は別曲に入れ替わった。
---SFCの魔王曲は勇ましさとコミカルさが同居した名珍曲として好評だったため、GC版の普通さに残念がる人が多かった。
--風の妖精の曲は短くなり、通常エンディング曲はリピート多用でメリハリがなくなった。ちなみにBGM担当がGB版『ヨッシーのパネポン』と同じ人のせいか、後者には&bold(){ヨッシーアイランドのフレーズが混じっている。}
--SFCの緑の妖精のピンチ曲はライオン(中ボス)のピンチ曲に流用されている。もっともこちらは相応にアレンジされてるので違和感はない。
-新ルールとして3Dモードを搭載。
--20列相当のパネルが左右が繋がった筒状になってせり上がってくる。筒を回しながらプレイし、裏側まで手を回さないといけない。
--従来の2D以上のパネル数があるため上級者になればアホみたいに長い連鎖も可能。
--モード自体は新鮮味があるものの、VS.COMや4人対戦で3Dモードを選ぶことはできず、他のモードで3Dを選んでもエンディング等の変化は全くないため、中途半端さやおまけ感が拭えない。

**評価点
もちろん向上・改善された点も多数ある。
-旧作に見られたバグなどの解消
--SFC版パネルでポンに存在したおじゃまパネルに関するバグの解消。重要テクニックの「おじゃま返し」が途切れる、フリーズするなどのバグが生じていた。
--ポケモンパズルリーグでまれに発生した「パネルがえんえんせり上がり続けて並べても消えず、ゲームオーバーにもならない」バグの修正。
--処理落ちの改善。しかもオプションであえて処理落ちを再現するよう設定することもできる。
--対戦での激しい連鎖や返しの応酬でもフリーズしなくなった。
-システムの追加・改善
--SFC版では13まで、それ以上は?と表示されていた連鎖カウントが14以上も継続表示される。
--4人対戦モードの追加。
---ただしおじゃまパネル対戦だと「連鎖をした場合は最後に消したパネルの色と同じゲームフィールドのプレイヤーへおじゃまパネルが降る」変則ルールのため、自爆の可能性もあり不評。後の『[[パネルでポンDS]]』では他プレイヤーすべてにおじゃまパネルが降るよう変更された。
--オプションモードの追加。
---サウンドテストのほか、連鎖・同時消しカウント表示の半透明化なども可能。ただしBGMとSEのスイッチは前述のとおりボリュームが下がるのみで完全に消音にはできない中途半端仕様。
--当時としては最強レベルのCOMプレイヤー。
---やたらと粘り強く、おじゃまパネルの送りあいによるラリーが期待できる。SFC版のVハードで物足りない人でも安心。
--3Dモードと自作パズル作成機能の追加。
---これらは現状ポケモンパズルリーグと本作のみ搭載。
-表現の向上
--それなりの画質向上。特に対戦ゲーム画面の上に表示されるキャラクターはより大きくかわいくなった。
--VS.COMのデモでは漫画のコマのような画面転換を用いたり、平面のイラストに立体キャラクターを重ねたりと目新さがある。
--SFCでは一部キャラで重複のあったBGMと背景・爆風が完全にキャラクター個別になった。


**総評
海外チームによる「わかってない移植・リメイク」をローカライズで修正しきれなかった作品。&br()
原作では容量不足という明確な理由で実現できなかったものの、ユーザーからは望まれていた全キャラクターの1人用プレイ画面は本作でも実現せず、逆にゲームモードごと別に存在したエンディングは削除されるなど演出面の劣化、さらには大小多数の不具合やバグからSFC版の完全な代替作にはならなかった。そのためSFC版のファンは不満を抱えつつも雰囲気の共通する妖精キャラとCOMプレイヤーの強さからGC版をプレイすることとなった。GB版・GBC版&br()
安易な流用移植に頼らず&bold(){最初から日本のスタッフがGC用に作っていれば}このようなボロは出なかっただろう。
//↑一部修正のうえコメントアウトしました。GC版はもとからキャラクター要素のあるSFCのリメイクなので、ここでキャラクター有無の必要性や後続作品の優位性を論議・主張する必要はないと思います。
//リメイクというか『ポケモンパズルリーグ』のキャラ等差し替えの移植作品のような気が…

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