【にんてんどー ぱずるこれくしょん】
ジャンル | アクションパズルゲーム | ![]() ![]() |
対応機種 | ニンテンドーゲームキューブ | |
メディア | GC専用光ディスク 1枚 | |
発売元 | 任天堂 | |
開発元 |
インテリジェントシステムズ 任天堂 トーセ 各ゲーム開発はその他多数関与 |
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発売日 | 2003年2月7日 | |
定価 | 5,800円(税別) | |
プレイ人数 | 1~4人 | |
レーティング | CERO:全年齢対象 | |
備考 |
収録作のうち『パネルでポン』は劣化ゲー GBAケーブル同梱 |
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判定 | なし | |
ポイント |
一部難ありの名作パズル詰め合わせ 『クッキー』以外の2つは海外N64作品の移植 GBAまたは別売コントローラ&変換器ほぼ必須 |
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マリオシリーズ | ||
ヨッシーシリーズ | ||
パネルでポンシリーズ |
任天堂発売のアクションパズル『ドクターマリオ』『ヨッシーのクッキー』『パネルでポン』のGC版をまとめて収録したソフト。
さらに、GBA本体に転送して遊ぶジョイキャリー版も収録している。
このうち新規に製作されたのはGCの『ヨッシーのクッキー』とGBA転送版の『パネルでポン』のみである。
これ以外はN64用として制作され、海外のみで発売されていたソフトの移植またはFC版のエミュレータ動作である。
本記事ではソフト全体の評価と、収録作品の個別の評価を同記事内で扱う。 各記事の詳細は『ドクターマリオ』『ヨッシーのクッキー』『パネルでポン』を参照のこと。
実質は発売未定となっていた旧機種ソフト+αのパズルである。
パズルゲームは一部の定番タイトルを除けばニッチ向けの作品であり、大多数の作品はプレイされる機会そのものが少ないが、本作は「一通り名の知れた複数タイトル収録によりまとめ買いを狙う」手法によりそのデメリットをカバーした。
パネルでポンの登場キャラが万人受けしないとされていた妖精に戻ったのも他の2作品の存在があったからこそと言える。
旧世代版から一転してバラエティに富んだ内容となった『ドクターマリオ』と、それに対して明らかにボリューム不足の『ヨッシーのクッキー』に加え、ローカライズの粗が目立つ『パネルでポン』など各ゲームのボリュームや品質にばらつきがある点は気になるところではある。
だが、これらの欠点に目を瞑れるパズルファンや、新作に触れてみたい各シリーズファン、細かいことを気にせずに多人数でにぎやかに遊びたいプレイヤーには十分な決定版ソフトとなり得るだろう。
開発元 | ニューコム | ||
ポイント |
北米で発売された『Dr.Mario 64』の移植 しかし順当なリメイク作品であるといえる 現状シリーズ最多のモード数 3作品の中ではもっとも高評価 登場キャラはなぜか『ワリオランド3』 |
2001年に北米で発売された『Dr.Mario 64』の日本語ローカライズ移植。
ルールについてはこちらを参照。
北米で発売された『Dr.Mario 64』の移植であるうえ、登場キャラはなぜか『ワリオランド3』からのものだったりと謎な部分もあるが、シリーズ最多を誇るモード数と新規の追加要素等があるうえ、ローカライズ自体も非常に丁寧で、3作品の中では最も評価が高い。
GB版やFC版経験者のみならず、未プレイ者にも順当な進化作として普通に遊べる良質なものとなっていると言える。
開発元 | トーセ | ||
ポイント |
3作品で唯一の非ローカライズ移植の新規作品 画質に関しては3作品で一番良い しかしモードはFC版+α程度でボリュームでは最下位 ただしゲームモードの数自体はSFC版と同じ いちおう順当なリメイク作と言える出来 |
元々N64用ソフトが原型である同時収録の他2作品と違い、これのみはパズルコレクション収録のために新規に作成された作品。
クッキーの並ぶ列を縦横にスライドさせ、一列すべてを同種のクッキーで揃えるとその列が消える。
GB/FC版やSFC版の『ヨッシーのクッキー』のGC版新規作品であると共に、同時収録の『ドクターマリオ』『パネルでポン』と違い、今作唯一の非ローカライズ移植の新規作品。
グラフィックに関しては3作品の中で最も良い反面、ゲームのボリュームに関しては他2作より劣る。SFC版にあったパズルも今作には無い。
その代わりかSFC版に無かったストーリーモードが新たに追加されており、実はモードの数自体はSFC版と同じである。
加えてGB版でハードルの高かった4人対戦も本ソフト1つ+GC1台+コントローラー4つで可能になっている。
その辺りを考慮すれば、GB/FC/SFC版の順当なリメイク作であると充分言える出来になっていると言っていいだろう。
開発元 |
メインプログラム:Nintendo Software Technologie(NST) CG・BGMなど:インテリジェントシステムズ、任天堂 |
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判定 | 劣化ゲー | ||
ポイント |
海外64ソフトを流用したSFC版続編リメイクのGC移植という複雑な生い立ち 米国製→ローカライズ→移植でなぜか不具合増加 ゲーム内の1分は実時間の1分10秒 ゲーム内では一切明かされない初代キャラとの母娘関係 |
1995年のSFCソフト『パネルでポン』のGC移植版。
左右2マス分のカーソルを動かして下からせり上がってくるパネルを入れ替え、同じパネルを縦か横に3個以上並べると消える。
説明書ではSFC版の箱絵とともにリメイク作と紹介されているが、妖精の世界という設定はそのままに、キャラクターは従来のリップ達からフリルら次世代新キャラに交代、SFC版とは異なるストーリーが展開される。
実は海外で発売されたNINTENDO64用ソフト『Pokémon Puzzle League』を原型に、キャラクターや演出等をSFC版に準じて変更したゲームである。
そのためSFC版の次世代を描いた続編新作寄りのリメイク作であると同時に、海外N64ソフトの日本向けローカライズ兼GC移植作ともなっている。
北米で2000年に発売されたパネルでポンの64版。メインプログラムの開発はSFC版担当のインテリジェントシステムズではなく、アメリカのNSTが担当している。 発売当時は唯一アニメ版ポケモンをベースとしたゲームであり(*7)、雑誌64ドリームでは任天堂広報により日本版発売の可能性もほのめかされたが実現はしなかった。
これら2作のメインスタッフおよびテストスタッフは一致しており、パネルでポンのスタッフロールには本来表記する必要のないパッケージデザイナーの名前も明記されている。
+ | 参考画像 |
いずれもゲーム画面の数字や文字、パネルのデザインが一致しており、洋ゲーショップなどで先行してパズルリーグを購入しプレイしていたコアなパネポンファンはパズルコレクションの画面写真が公開された時点で共通性に気づいていたようだ。
システム面の追加・改善いろいろ
+ | 参考画像 |
+ | 以下ネタバレ注意 |
このゲームの問題点は、ローカライズ移植の際に粗だらけにされたプログラムと、前作プレイヤーからの評価要素を削除した一方で、改善要望には応えられていないという点に集約される。
その他、デモやメニュー周りの不備・不具合が目立つ。一言で表現すると仕事が雑。
海外版における海外チームの原作への理解の欠如ゆえの粗をローカライズで修正しきれなかったこと。この1点が本作の大きな問題点である。
時代に見合った進歩は見られるものの、原作となるSFC版や日本未発売の他機種で好評だった要素は改悪、改善すべき点はそのまま放置、バグや不可解な仕様設定による欠点も増えるなど、せっかくの新要素や改善点を打ち消してしまっている。このためSFC版の完全な代替作としては全く機能していないと言っていい。
ただでさえ国内での正式な続編展開が望めずに来ていた作品だっただけに、せめて流用開発に頼らず国内の開発スタッフに任せていれば…と思わざるを得ない作品になってしまった。
*1 十字ボタンが小さく配置も悪いため誤入力が発生しやすく、スティックでは調整が難しい。
*2 元々FC版では対戦モードはプレイヤー同士限定で、COMと対戦できるモードは用意されていない。
*3 低難易度だと一対一だが、難易度を上げると4人対戦になる場面がある。
*4 今作に登場するキグモンとマユピーは、原作ではそれぞれ「木グモ」「イモムシ」名義。
*5 ただ、今作では訳ありの敵として登場しているため仕方ない部分もある。なお、正式名称が存在する海外版ではちゃんと「Rudy」名義。
*6 例としては、EASYだとテレサ、NORMALだとテレサウルス、HARDだとスプークといった具合。
*7 日本では後にアニメ発祥のキャラクターであるムサシやコジロウらが登場するポケモンミニ専用ソフト『ポケモンアニメカード大作戦』が発売された。