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ファイナルファンタジーI・II アドバンス - (2022/12/21 (水) 11:08:24) のソース

*ファイナルファンタジーI・II アドバンス
【ふぁいなるふぁんたじー わん・つー あどばんす】
|ジャンル|RPG|CENTER:&image(https://www26.atwiki.jp/gcmatome?cmd=upload&act=open&pageid=4414&file=ffbox1.JPG,height=160)[[高解像度で見る>http://www26.atwiki.jp/gcmatome?cmd=upload&act=open&pageid=4414&file=ffbox1.JPG]] [[裏を見る>http://www26.atwiki.jp/gcmatome?cmd=upload&act=open&pageid=4414&file=ffbox2.JPG]]&br;&image(https://img-eshop.cdn.nintendo.net/i/aee142dd70f1266f6652911b89a48e1d0ef93f447ce4bff6de64d63ae8089d0f.jpg,height=160)|
|対応機種|ゲームボーイアドバンス|~|
|発売元|スクウェア・エニックス|~|
|開発元|トーセ(日本&上海)|~|
|発売日|2004年7月29日|~|
|定価|5,800円(税別)|~|
|プレイ人数|1人|~|
|セーブデータ|FF1用・FF2用各3個(FRAM)|~|
|レーティング|CERO:A(全年齢対象)&br;※バーチャルコンソール版より付加|~|
|配信|バーチャルコンソール&br;【WiiU】2016年1月6日/702円(税8%込)|~|
|判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~|
|ポイント|ゲームバランス見直し・不具合を修正&br;追加要素も収録&br;原作より遊びやすくなった良リメイク&br;ただし原作から低下した難易度は賛否両論|~|
|>|>|CENTER:''[[ファイナルファンタジーシリーズ]]''|
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#contents(fromhere)
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**概要
1987-1988年にそれぞれファミリーコンピュータで発売されたロールプレイングゲーム『[[ファイナルファンタジー]]』と『[[ファイナルファンタジーII]]』の2タイトルをゲームボーイアドバンス用にリメイクして1本に収録した作品。~
先に発売されたワンダースワンカラー及びプレイステーション版のグラフィックやシステムを踏襲し、更なる追加要素を加えた。


**主な変更点および評価点
&font(16,b){従来のリメイクからの継承・発展}

''BGM、ドットグラフィックの強化''
-BGMはPS版準拠。GBA音源のため再現性にいくらか無理はあるが十分及第点。

''「モンスター図鑑」の追加''
-PS版からの要素。一度戦った敵なら後からグラフィックを鑑賞したりパラメータを確認できるようになった。

''操作性およびシステムの利便性改善''
-WSC版・PS版と同様にBボタンダッシュ可能。それに加えてコンフィグ設定で十字キーのみでボタン不要の常時オートダッシュにもできる。
--このオートダッシュ仕様は後の[[GBA版IV>ファイナルファンタジーIVアドバンス]]・[[V>ファイナルファンタジーVアドバンス]]・[[VI>ファイナルファンタジーVIアドバンス]]にも引き継がれた。
-アイテム所持枠が『FF5』以降の仕様となり、全アイテムを持ち歩けるようになった。
--なお『2』についてはGBA版からの仕様である。
-FF1のオリジナルではセーブデータを1つしか作れなかったが、本作では3個作れるようになった。

''不具合の修正・仕様の見直し''
-共通
--オリジナルに存在していたバグや不具合(一部の魔法が効果を発揮しない等)が修正された。
--内部的な仕様は基本的には従来のリメイク準拠だが、オリジナル版に近くなった部分もある。
//魔法クリティカルはバグとは言い切れない(ちなみにPS版から撤廃)


&font(16,b){今回のリメイクで行われたもの}~
''ゲームバランスの変更及び改善''

-共通
--町やダンジョン内でもセーブできるようになった。これに伴い、オリジナルでは脱出不可能だった一部のダンジョンで徒歩で帰れるようになったり、脱出魔法「テレポ」が使えるように変更された。
---『1』については、従来ではセーブするためには宿泊が必要だったが本作では不要となった。

-『I』
--レベルキャップが50から99に大きく上昇した。
--オリジナル版では各魔法レベル毎に回数が定められた「魔法回数制」だったが、本作では各魔法毎に消費MPが設定された「最大MP制」に変更された。これにより魔法の使用制限が大幅に緩和されている。
---それに伴いエーテル系などのMP回復アイテムや、ルーンアクスなどのMP消費武器も追加。
--オリジナルの大きな問題点であった「各クラスの能力格差」が是正された。
---シーフ/忍者は命中率が上昇し攻撃回数が増えたことで攻撃力が大幅に強化され、他の前衛クラスと同等の使いやすさになった。
---モンク/スーパーモンクは攻撃力は抑え気味になった代わりに、スーパーモンクの魔法防御成長度バグが修正され初期攻撃力が強化されて序盤から使えるジョブになった。
---魔術士系は上記のMP制への仕様変更と共に、魔法の威力が知性依存に変更されたため、使いにくさが大きく改善された。
--装備品が多数追加された。
--モンスターがアイテムをドロップするようになった。

-『II』
--オリジナルでは「ある能力値を上げると、確率で別の相反する能力値が下がることがある」という仕様であったため、万能型キャラを作るのに手間がかかっていたのだが、本作ではこの能力値低下が完全に廃止。これにより、万能型キャラを作る事が原作よりも大分容易になった。
---能力値自体も上がりやすくなっている。武器・魔法の熟練度は必要実行回数が低下し(代わりに「Bボタンキャンセル技」は修正された((ただしこの技は迂闊に使うと自分の首を絞めかねない技であったので妥当な調整である。)))、能力値も対応する行動を取らずともまれに上がるようになった。
--チュートリアル要素の追加。主人公が最初に意識を取り戻した部屋に入りなおすと、後のシリーズでいう「初心者の館」のようにゲーム内の様々な攻略に役立つ情報を教えてくれる老人たちが追加された。重要パラメーターである、回避率や魔法防御についてもレクチャーしてくれる。
---はじめて「フィンの城下町」に入った際、オリジナルでは帝国兵に話しかけて襲われて全滅するという事故が多発していたために、話しかけないように警告する小イベントが追加された。

''設定面・その他''
-FF1のオリジナル版では、後に常連キャラクターとなる「シド」と「チョコボ」がまだ登場していなかったが(彼らが登場するのはFF2から)、本作では彼らが小さなネタ程度で登場するため、これをカウントに含めた場合はFF皆勤賞となった。
--シドは「飛空艇を造ったのはシドという名の古代人である」という設定が追加され名前のみの登場((彼は後の『ディシディア ファイナルファンタジー』で「ルフェインのシド」という重要キャラクターとして大きく取り上げられている。))、チョコボは石像として登場している。((件の石像はコーネリア城の玉座の左右に配置されている。ただしGBA版の解像度ではわかりにくく、PSP版で気付いたという人も多い。))

-FF1ではパーティーメンバーの名前を自分で付けるのだが、その際にいくつかの候補からランダム決定したり、最終決定前ならリネームすることが可能になった。
--名前候補はFF3~6・9のNPCなどの名から採られている。ジョブごとにそれぞれ10種類あり、戦士ならデッシュ・バロン・ゼザ・レオ等、白魔ならサラ・エリア・ルカ・ルビィ等、といった具合である。
//細かいけど「サリサ」「ジェフ」はNPCじゃないよね


&font(16,b){本作の追加要素}~
FF1・FF2それぞれに新規の追加要素がある。

-「Soul of Chaos(ソウルオブカオス)」(FF1)
--略称「SOC」。FF1で追加された新ダンジョン。全部で4つ存在し、ストーリー本編の進行に応じて順次解放されていく。~
内部はボス階層以外は毎回マップ構成が変わるランダムダンジョンで、全滅しても外に出されるだけでペナルティがない特別仕様となっている。~
そこでは歴代FFシリーズ(『III』~『VI』)で登場したボス敵と戦ったり、本編中で手に入る物より更に強力な武具を入手可能。

-「Soul of Re・Birth(ソウルオブリバース)」(FF2)
--略称「SOR」。本編クリアによりプレイする事が出来るショートシナリオ。~
街1つとダンジョン2つとボリューム自体は少なめだが、多数の新アイテム・モンスターが登場する。
--操作キャラは、ミンウ・スコット・ヨーゼフ・リチャードの4名。いずれもストーリー本編中で死亡した(はずの)者たちである。
---スコット以外は本編での能力値・所持アイテムをそのまま引き継ぐ。したがって、本編で彼らを鍛えすぎるとヌルゲーとなるが、一方で全く鍛えていなくても敵が強すぎて詰むことがないようにはなっている((ただし、敵の弱点に気付かなければ何度も全滅する厳しいバランスにはなっている。))。スコットもとあるキャラクターの一部ステータスを引き継ぐ様になっている。
---この仕様である為、どうせ死ぬからと本編で装備をはがしていたり、育成をサボったりしていると泣きを見る羽目になる。鍛え上げたキャラが無駄にならなくなったとも言えるが。
--最深部では意外な人物?がラスボスを務めている。また、そのデザインはよく「小林幸子」などとネタにされている(ただしデザインが悪いわけではなく、むしろ高評価を得ている)。
---スコットがミスリル装備をしている等、本編の細かい小ネタが随所に仕込まれており、クオリティは高い。


**賛否両論点
&font(16,b){難易度の低下}~
FF1・FF2ともに、FC・WSC・PS版と比べると難易度が低下している。~
特にFF1ではあまりにも難易度が低下し過ぎたため、「ヌルゲーになった」「歯ごたえが無さすぎる」という批判を受けることもある。~
要因は以下の通りである。

''『I』''
-プレイヤー側のパワーアップが著しい一方で、敵の強さはほぼオリジナルから据え置き&強すぎた敵は弱体化されている。
--一応中ボスは強化されているが焼け石に水。ラスボスもSOCでの経験値稼ぎや追加装備を前提としたレベルにまで強化されているがやはり焼け石に水。
--''赤魔道士ソロでも無理なく全コンテンツを攻略できる''と書けば如何にヌルゲーか分かるだろう。
---特に1回目のガーランド戦で3つ先の街で売っている武器である「ロングソード」がドロップされれば猶更ヌルゲーとなる。
---一応赤魔道士ソロなら相応に歯応えはある。

-レベルキャップを変更したのはいいが、レベルアップがあまりにも早すぎる。これも本作のヌルゲー化に拍車をかけている。
--さらにランダムエンカウント発生率が高めとなっており、終始弱い敵との連戦を強いられる。レベルカンストしてもエンカウント率は高いままなので、戦うにも逃げるにもストレスが溜まりがち。おまけに原作と同様に絶対に逃げられない雑魚敵も存在する。
--エンカウント率については特にSOCが顕著で、数歩歩くだけでエンカなんてザラ。SOCの追加モンスターは能力に対して経験値がかなり低く設定されているためただの嫌がらせにしかなっていない。しかもご丁寧に本編と関係ないダンジョンにもかかわらず逃走不可になっている敵も存在する始末。
--WSC版リメイクの時点でエンカウント率はかなり高くなっていたが、当時はオリジナルからの難易度の上昇という側面で指摘されていた。しかし本作は逆に難易度が低くなりすぎたために作業感の増長という点で指摘されている。
//レベルアップ速度については、普通に戦っていればちょうどラスダン突入周辺の段階で白・黒魔導士が魔法レベル8となるように設定されており、「調整ミス」と断じるのは早計かと思われます。なお、本作の経験値テーブルはPS版イージーモードのちょうど半分で、PS版イージーが経験値200万弱でLv99になったのに対し、GBA版は経験値100万弱でLv99(FC版のLv50と同様)です。

-ボス戦の戦術性は低い。デバフはほとんど意味をなさないし、バフ消去手段もないため、とにかく「味方を強化した後攻撃、時々回復」することに尽きる…のだが、あまりにも単調すぎるきらいがある。
--追加アイテムのおかげでバフ積みのスピードが飛躍的に上がり、回復アイテムも低コストかつ大量に手に入るので道中の消耗を気にする必要が全くない。
---例えば、HP50回復の「ポーション」が40ギルなのに対し、MP50回復の「エーテル」がわずか150ギルで序盤から購入可能。

-SOCで入手できる一部の装備品が強すぎる。
//SOCで入手できる装備品が強すぎる。
//↑確かに強いものは強いけれども、実は逆に今更入手できても使い道がないというものも結構多いので記述を変更
--特に問題なのは、「戦闘中に使用すると魔法の効果が発動する」品が大量に追加された事。使用してもアイテムがなくなることはなく使い放題、アイテム欄から直接選択するように仕様変更されたため誰でも使える、使える魔法のラインナップもフレアー、ホーリー、インビアなど豊富、と魔法の立つ瀬が無くなってしまう。
---例えば魔道士(及び下位の魔術師)全般なら、「けんじゃのつえ(ホーリー強化)」を装備した状態で「ライトブリンガー(アイテム使用でホーリー発動)」を使用…とすることで、強化されたホーリーをノーコストで使えるようになる。
//---例えば白魔道士なら、「けんじゃのつえ(ホーリー強化)」を装備した状態で「ライトブリンガー(アイテム使用でホーリー発動)」を使用…とすることで、強化されたホーリーをノーコストで使えるようになる。
//↑白限定ではなく黒・赤もこの戦法が使えるため修正
--ただし、強力な品はSOCの終盤(そこの中ボスはラスボスよりもはるかに強い)まで手に入らないようになってはいるし、極端な編成でもSOCをクリアできるようになっている。
--また、確かに強いものは強いのだが、逆に入手可能時期が遅いのに性能が低く、入手した時点で既に完全なるコレクターアイテムと化しているものも多い。
---具体的には、リッチ撃破直後では到底歯が立たない強さの敵が落とすのにミスリルソードより弱いこてつ、ティアマット撃破後にしか入手できないのに完全なる劣化ミスリルアクスのバイキングアクス、同じくティアマット撃破後にしか入手できないのにフレームソードに劣る威力のあしゅら等。
--このSOCで入手できる装備の一部は本編でもモンスターのレアドロップとして入手することは出来る。

-オリジナルでは先制攻撃を受けやすかった敵パーティに対して、逆にこちら側から先制攻撃を仕掛けやすくなった。
--意図したものかバグであるかは不明。

''『II』''
-一部の補助魔法が強すぎる。
--オリジナル版自体からそうした傾向であったのだが、「バーサク」(物理攻撃力アップ)と「ブリンク」(物理回避率アップ)さえあれば強敵相手でも楽に勝てる。これに「ヘイスト」(物理攻撃のヒット数増加)を加えると完全にヌルゲーと化してしまう。

-「テレポ」(フィールドでは脱出魔法、戦闘中では敵にかけると対象を即死させる)の魔法命中率が非常に高くなっている。
--これにより「ミニマム」は存在価値が無くなってしまった。「同じ白魔法で属性も同じ、入手も遅く値段も高いが命中率はテレポに勝る」という扱いだったのだが、命中率が逆転したことで下位互換になってしまった。
---「味方の小人化を治せる」という効果は有るが、そもそも小人化攻撃を使う敵自体が殆ど存在しない。
--同じく即死魔法である「トード」はミニゲームに影響を与えるためこれを鍛えるプレイヤーもいる。
---テレポは熟練度をMAXまで上げると全体掛けでも大半の敵を消し飛ばせるし、入手もゲーム最序盤でできてしまう。これはSORを楽に戦えるようにするための救済策なのかもしれないが…(ミンウがこの魔法を最初から習得している)。

-従来はコマンド入力のみで熟練度が上昇したが、本作では戦闘中に実際に行動しないと上がらなくなった。
--従来までの仕様では入力とキャンセルを繰り返すだけ(いわゆる「Bボタンキャンセル技」)で上昇したのでそれを封じる目的だったと思われるが、ターン毎のコマンド入力が成立した時点で上昇させても良かったのではないか。

-オリジナルでは存在しなかったオートターゲット機能がつき、倒された敵に対する無駄行動は無くなった。
--これ自体は改良点であるのだが、上記の問題と合わせて熟練度が若干上げ難くなってしまってもいる。WSC版とPS版であった、オートターゲット機能のオン/オフ切り替えはできない。

-ミニゲーム関連
--WSC版からの追加要素で、本作でも継続して登場。16枚のカードを使った神経衰弱(絵柄はパーティーメンバーの顔画像)で、ミスが少ない程クリア時にもらえる景品が良くなる。~
また、「トードの熟練度をMAXまで上げると、絵柄がカエルになって難易度が上がるが、景品のラインナップがイージスの盾など超豪華になる」という隠し要素がある。しかし、GBA版ではノーミスクリアの特典が強化されたうえに、配置が32回で1周期となったために、配列をメモしておけば33回目以降は余裕でノーミスクリアできるようになってしまう。
---これを活用すると、序盤でマサムネを量産したり、SORにマサムネを持ち込んだりとやりたい放題できてしまう。無論、知らないとできないことだし、それを実際にやるかどうかはプレイヤー次第ではあるが。
---尤もトードを16まで上げてる時点で育成過剰にも程があり、ゲームバランスも糞もない。やり込みプレイの領域になるだろう。

-WSC版に存在した追加OPが無くなってしまった。
--正確には黒騎士に囲まれ、フリオニール達がピンチになる箇所。ただのこのシーンのガイが話し方が本編と異なるためあえて削除した可能性が高い。それ以外のOPデモはきちんと残っている。


&font(16,b){テキストの改変}~
テキストの大半が改稿されており、オリジナルと比較しても、シナリオの展開こそ同じだが言い回しがよりシリアスなものへと変更されている。特にネタ要素の強いセリフの排除が顕著。~
「真面目なセリフのほうがシリアスな雰囲気に合っている」という意見もある一方で、「ネタとしてファンから親しまれているセリフが変更されてしまったのは残念」という意見もあり、賛否両論。~
ただし『I』に関しては先行のWSC版やPS版の時点で既に一部のセリフやアイテムの説明文などが変更されていたりする。とはいえ、全面的なセリフ変更に及んだのはやはりGBA版からである。~
両作品ともゲームバランス全般に加えてセリフの大半が変更されたので原点のリメイクというより、もはや雰囲気がよく似た別の作品のように変貌してしまった。

一例を挙げると…
//-『I』では「リンクの墓」のパロディが廃止。
//↑以降のリメイク含めて残ってるよ?
-『II』のオリジナル版で女海賊レイラの船に乗り込む際のフリオニールのセリフ「いいじゃないか!ただだし。おねがいしますっ!」が、「…だけど他にディストへ向かう船はない。彼女たちを信用するしか手はないだろう。」という真面目な台詞に変更されている。
--本作で消された「いいじゃないか!ただだし」は、後の『[[ディシディア ファイナルファンタジー]]』でフリオニールの台詞として登場している。そのため本作の『II』をプレイした人にとっては分からないネタになってしまっている。
-『II』におけるエピローグの1シーンでは、あるキャラの名セリフを別のキャラが言ってしまったり、全体的に言い回しがくどくなったせいで熱いシーンがトーンダウンしてしまったりと、変更する必要のない所まで変更されてしまっている。
-一方で『II』におけるディストの子どもには名前がなかったが「カイン」という名前が付けられた。『IV』に登場する「カイン」の父は「リチャード」という設定があるので後付けではあるがシリーズの繋がりを感じさせてくれる。((もっともそれぞれ違う世界なので別人ではある))


''その他''
-共通
--モンスターデザインはWSC版を流用しているため、一部の敵のグラフィックが変更されている。
---『I』はオリジナルと近い構図だが『II』はほぼすべての敵の構図が変更されている。おおむね受け入れられてはいるが、「オリジナルの構図・デザインの方がよかった」という声もある。

-『II』
--ステータス画面の顔グラフィックが変更されてより天野イラストに近くなったため、オリジナルに慣れ親しんでいた人は違和感を感じることも。
---特にフリオニールがそれまでの横顔から斜めを向いたアングルに変わっている。
もっとも、これは後述の表情をつけやすくするための変更だと思われるが。
//---ただし、そこだけではなくフィールド画面でのグラフィック&戦闘中のキャラグラフィックも書き直されているため、統一感がないという訳ではない。
//↑フィールドや戦闘グラはWSC版から天野風だったハズ。
---会話時に顔グラフィックが登場し、場面に応じて表情が変化するようになった。しかし、リメイクでの天野画風を再現した故に怖めの顔になってしまった「マリア」のほほ笑む表情が''やはり怖い''というあまり嬉しくない要素でもあった。
---ヒルダやポールといった主要人物にも顔グラフィックが追加されたが、それに伴ってポールの歩行グラフィックが天野イラストに準じた盗賊風のグラフィックに変更された。((ポールはオリジナル版やそれまでのリメイク版では、イメージ重視で忍者のグラフィックがあてられていたが原画に全く似ておらず、原画を見たプレイヤーが「誰だよ!?」と驚くキャラだった。))。
---また、敵幹部の「ダークナイト」にも顔が用意されているが、''正体の人の顔グラフィックを暗くしただけで初登場と同時にネタバレ''というあんまりなものであり、不評だった。((後に発売されたPSP版ではしっかり兜をかぶったダークナイトの顔グラフィックが当てられており、ネタバレはしていない))
//↑いくら脚注とはいえ、PSP版のことはGBA版には関係ないため、さすがにここではなくPSP版のページに書いた方が良いような…


**問題点
''『I』の問題点''
-SOC関連
--初見ではいかにも次の目的地であるかのように錯覚させる描写がある。実際は完全なエクストラダンジョンであり、本編とは一切関係ない。
--ゲームバランスが本編とは大幅に異なる。最初に開放される「大地の恵みのほこら」ですら、ボスの強さは終盤クラスである。
--全てのボスを倒したり、アイテムを集めるためには何度も潜ることが前提となる。パズルや仕掛け要素のあるフロアも出現するが、繰り返しプレイするという前提においては単調さを払拭できているかというと疑問も残る。

-エルフ村の武器屋の販売品から「ミスリルソード」が削除された。
--ゲームバランス的にはそれほど悪影響は与えてはいない。しかし、「ミスリルの品はエルフ村の特産品である」という設定があり、ミスリルソードに関するセリフはオリジナルから削除されずにそのまま残っている。結果、「その時点で入手できないのに説明だけ残っている」というチグハグな状態になってしまった。
---一応「この先訪れる店で見かけたら是非とも購入しよう」というアドバイスだと解釈すれば何も不思議ではないが…。

-クリアデータに関する仕様。
--プレイデータをクリアデータで上書きすると、続きからではなく図鑑だけが引き継がれたニューゲームが可能になるのだが、同時収録のFF2と挙動が異なるために混乱を招き、うっかりラスボスクリアまで進めたデータを失ってしまう事態が発生した。

''『II』の問題点''
-セーブスロットが3つに減少してしまった(オリジナルでは4つ)。
--しかも''SOR用に1つ使う必要がある''ので、本編のセーブデータが2つしか確保できなくなってしまった。

-クリアデータからのニューゲームが不可能になった(PS版では可能だった)。
--これによってモンスター図鑑の埋め残しがあった場合は最初からやり直さなければならない。

-ゲームバランス関連
--能力値が(上げるための行動を取らなくても)自然に上がるようになった。普通にプレイする分には支障はないのだが、このうち最大HPが勝手に上がってしまうことが問題点となる場合がある。
---自動でHPが上がってしまうので、「ステータス初期値でクリア」といった制限プレイをしたいプレイヤーからは不評である。
---これは一見救済措置に見えるが、本作では「現在HPが高すぎると敵が逃げやすくなってしまう」という仕様があるので、能力を最大まで鍛えようとする際に不都合を生じることもある。((HPが高まりすぎると弱い敵相手に修行できないばかりか、レアモンスターのテツキョジンの逃走判定に引っかかるようになる等、弊害は多い。))

-SOR関連
--雑魚戦で一切逃走できない。
---初期パーティはミンウとスコットだけであるため、本編での鍛え方次第では苦戦を強いられやすく、十分に強化された状態でも敵を倒さなければ戦闘を終了させられないので非常に煩わしい。
--マップはオリジナルマップの使いまわし
---登場するマップはすべて本編に登場したマップを反転させただけの流用なので目新しさがない。
--専用装備の登場
---「すべてのキャラがすべての武具を装備できる」というFF2のアイデンティティに反してキャラクター専用装備が登場してしまった。
---装備すると力・知性+99、使用時にバーサク16がかかるスコット専用のワイルドローズはいささかやりすぎなほどの壊れ性能を誇っている。
---先述の「SORでは全ての雑魚から一切逃走不可能」という仕様に合わせてあえて強力な専用装備を用意したのかもしれないが、そんなものを用意しないとバランスがとれなくなる位ならそもそも逃走不可能にしなければ良いだろう感が否めない。


**総評
オリジナル版に存在していた不具合・理不尽さをほぼ解消し、ハードの性能に合わせて全体的なクオリティが上がっているため、良移植に分類される作品と言える。~
難易度の低下(特にFF1においては顕著)という問題点こそあるものの、その分初めてFF1・FF2に触れるという人にもおすすめできるし、オリジナル経験者にとっても追加変更点目当てにプレイする価値は十分ある。


**その後の展開
-本作以降のFF1・FF2のリメイク版は、オリジナル版のVC配信などを除けば、基本的に本作をベースとしている。

-後年、本作を元にPSP版がそれぞれ''バラ売り''で発売された。
--そちらについては『[[ファイナルファンタジー (PSP)]]』と『[[ファイナルファンタジーII (PSP)]]』の記事を参照。