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ジェネレーションオブカオス Next ~失われし絆~ - (2021/05/09 (日) 15:49:03) のソース

*ジェネレーションオブカオス Next ~失われし絆~
【じぇねれーしょんおぶかおす ねくすと うしなわれしきずな】

|ジャンル|RPG+シミュレーション|&amazon(B0000634N7)|
|対応機種|プレイステーション2|~|
|発売元|アイディアファクトリー|~|
|発売日|2002年4月25日|~|
|定価|通常版:6,800円(税抜)&br()限定版:8,800円(税抜)|~|
|廉価版|IFコレクション:2005年9月8日/2,800円(税抜)|~|
|プレイ人数|1人|~|
|判定|なし|~|
|ポイント|国取りモノからストーリー重視へシフト&br;システムはより複雑化&br;新作というよりバージョンアップ版|~|
|>|>|CENTER:''[[ネバーランドシリーズリンク>ネバーランドシリーズ]]''|
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#contents(fromhere)
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**概要
-ネバーランドシリーズの一作『[[ジェネレーションオブカオス]]』の続編。
--ベースのシステムは同じだが、各所に変更点・改善された点がある。
--限定版には、アニメで描かれた本作のプロローグ(+コミカルなオマケ)を収録したDVDが付属。

**ストーリー
 絶えぬ争いが続く、ネバーランド大陸・・・人は魔族を殺め、魔族は人を殺める。
 あらゆる種族が恐怖に怯え、平和に飢えたそのような時代に少女への愛を誓う少年がいた。 
 
 少年の名は、エリル。
 
 ネバーランド大陸より、離れた位置にあるフレッドバーンを制するホルノス政府軍の若き騎士である。
 エリルは、ホルノス政府軍の君主リューハインの娘ロージィと恋に落ちたのであった。
 しかし、戦乱の世の恋は実らない・・・
 
 エリルは、ロージィと結ばれることでホルノス政府軍の君主になることを恐れたのである・・・
 君主になることで人々の思いが全て自分に集まる重圧に耐えられなかったのだ。
 エリルは、ロージィの流す涙の中その元を離れた・・・
 
 そして、数ヶ月・・・
 戦乱が激しくなるある日、かつて愛したロージィがエリルの元へ訪れた。(製品紹介ページより引用)

**システムの変更点
-基本的なシステムは前作に準じている。本項では大きく変更された点に絞って記述する。

-複数のモードの実装。
--「NEXTモード」「Ver.2モード」「KOCモード」の3つが用意された。
---NEXTモードは上述のストーリーをたどっていくモード。RPGパートとSLGパートを交互に行ってシナリオを進めていく。~
最初からネバーランド全域が解放されておらず、シナリオの進み具合に応じて行動可能範囲が広がっていく。今作のメインとなるモード。~
選択肢による分岐がある他、RPGパートで目的地をクリアするか、SLGモードで全国制覇するかでもエンディングが変わる。
---Ver.2モードは前作と同様に1国を選んで全国制覇を目指すモード。ただしホルノス政府軍だけは使用できない。
---KOCモードは自分の好みのキャラを君主として全国制覇を目指すモード。配下の武将や勢力分布はランダムとなる。

-勢力の変更。
--新たに北方の雄国「ホルノス政府軍」が登場した。
--前作にあった「東方四天同盟」は母体となった「ムロマチ」「ケイハーム王国軍」「騎兵トゥイングー」「拳聖軍ラコルム」の4つに分裂している。

-コマンドの追加・仕様変更。
--「徴兵」コマンドの追加と補充システムの変更。
---前作は「編成」コマンド経由で階層を掘り下げないと行えなかったが、このコマンドで兵力の補充を簡単に行えるようになった。
---兵士は補充するだけでなく、減らして資金に転換することが可能になった。また、自軍の武将数に応じて兵士一人当たりの費用が増加するようになったため無闇に武将を加えることにデメリットが加わった。
--「忠義」「策略」コマンドの追加。
---忠義コマンドは自軍の武将に褒美を与えて忠誠度の上昇を行ったりするコマンド。策略コマンドは敵武将に賄賂を贈って忠誠度を下げたり、敵拠点に破壊工作を行って城攻めを有利にするコマンド。
--部隊武将と政治武将の分離
---前作は部隊に配属されている武将はどのコマンドでも実行できたが、今作では部隊に配属されている武将は戦闘のみ担うことになり「内政」「外交」「策略」コマンドは実行できなくなった。
---部隊に配属されていない武将が政治武将となり上記のコマンドを実行する形になった。政治武将は武力を持っていないので、政治武将しかいない拠点は敵の侵攻に対して無力である。

-エディット武将の参入。
--ゲーム開始時にプレイヤーが自由に名前や能力の割り振りを設定できるエディット武将を登場させるシステムが加わった。
--エディット武将は在野状態で配置される。KOCモードでは君主とすることも可能。

**問題点
-システムの複雑化。
--ネバーランドシリーズ最初の戦乱SLGである『[[スペクトラルフォース]]』はシンプルなシステムでとっつきやすさが好評であったが、前作でやや複雑なシステムに変わった。
--今作でさらに複雑化が進んだことでとっつきやすい、初心者でもできるといった利点は完全に失われてしまった。

-さらにプレイヤーの足を引っ張るようになった移動制限。
--一度に4部隊までしか動かせない制限は前作のままである。これだけでも問題なのだが…。
--加えて、今作からの要素である政治武将を別の拠点に動かすためには「一度部隊編成をする」→「目的地に部隊を移動させる」→「部隊を解散して政治武将にする」という方法しかなく、政治武将単独で動かせないことから前作以上に制約が強くなってしまった。

-RPGパートの戦闘の操作性の悪さはそのまま。
--コマンドの暴発のしやすさなどに調整がなく、純粋なリアルタイム制のRPGの戦闘としては不満の残る出来である。

-極端に下方修正された勧誘コマンド。
--前作では簡単な手順で敵将を引き抜けるため勧誘戦法が猛威を振るったが、今作では引き抜きにかなりの手間がかかるようになった。
--賄賂で忠誠度を低下させ、そのあとで内政武将で引き抜きと段階が増えている上に、賄賂も勧誘も確実に成功するわけではないため成功を期するならセーブ&ロードの嵐になる。
--勧誘に成功しても、勧誘を行った武将の忠誠度が大きく低下するため手間に対するリターンが悪い。このため勧誘は実質死にコマンド化した。
--この弱体化による影響が大きいのが初期戦力や武将数に乏しい勢力。特にカエルフォースは前作に輪をかけてクリアが大変になった。

-今作から追加された武将についての問題点。
--各キャラクターの顔グラフィックが前作のキャラと全く別のタッチで描かれており統一感がない。
--新たに追加されたキャラクターのかなりの数が前作での最強クラスキャラクターを凌駕する上位互換性能になっていて、前作キャラの立場を危うくしている((初期能力で上回っているキャラこそ少なく、RPGパートで育成させていくと最終的に凌駕するパターンが多めではあるが。))。

-NEXTモードのストーリーの結末
--後味の悪いENDしかない。

**評価点
-NEXTモードでのチュートリアル導入。
--前作では説明書に丸投げであったが、SLGパートやRPGパートでチュートリアル・システム紹介が入ったことで多少とっつきやすくなった。

-システムの一部改善。
--部隊を移動させるときに所要日数が表示されるようになった。これによって部隊移動の計画が立てやすくなった。
--勧誘を行う際に敵将のパラメーターが数値でしっかり表示されるようになり、敵の戦力分析や勧誘での狙い目がわかりやすくなった。
--SLGパートで状況報告がある際に、出来事のあった場所にいちいちカメラをフォーカスしないように設定を変更できるようになった。
--「探索」コマンドが何度でも行えるようになった他、探索箇所での在野武将の出現率が上がり、RPGパートでの仲間集めがはかどるようになった。

-SLGパートでの武将の必殺技関連の改善。
--威力が大きく底上げされ、敵兵力を削ることも可能になった。これによって実用性が大幅に向上した。
--全体的にエフェクトが高速化され、見ているだけの時間が減った。味方にかける補助技はエフェクト表示が1回だけになりかなりの短縮になっている。

-全武将のプロフィール文掲載が復活。
--前作では限られた武将しかプロフィール文が用意されていなかったが、今作で在野やモブの武将についてもきちんと用意され世界観の広がりに貢献している。

**総評
新作というよりはモードの名前が示している通りVer.2という色彩の強いゲームである。前作を楽しめたユーザーであればさらなるボリュームアップを加えた今作は十分に楽しめるだろう。~
ただし、不親切・面倒な部分が健在なところも多く、RPG・SLGともに振り切れた面白さには欠けてしまっているため、新規ユーザーは思い入れのあるキャラなどを見つけられるかが評価の分かれ目になるだろう。~
ファンタジー世界を舞台にした国取りモノという意味では数少ない作品のひとつではあるため、そういうジャンルに興味のあるユーザーは今作が有力候補になるかもしれない。

**余談
-今作以降のGOCシリーズは、自由度の高い国取りゲームからシナリオに沿って戦乱を勝ち抜いていくストーリー重視の姿勢にシフトしている。
-格闘ゲーム『スペクトラル VS ジェネレーション』に、プレイアブルとしてエリルが参戦。本作の善ルートの結末をベースとした設定付けが為されている。
--同作の参戦キャラは大蛇丸とウェレスを除けば、本作にも全員登場している(マユラなどデザインが異なるのも居るが)。