THEATRE WARS 娯楽の殿堂
【しあたーうぉーず ごらくのでんどう】
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ジャンル
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シミュレーション
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対応機種
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3DO interactive multiplayer
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発売元
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博報堂マルチメディアソフト事業室
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開発元
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サイトロン・アンド・アート
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発売日
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1994年5月14日
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定価
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9,680円
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プレイ人数
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1人
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判定
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なし
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ポイント
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3DOバブルに博報堂も参入 劇場経営を題材にした斬新なゲーム ユニークかつユーモラスな世界観 ゲーム性は薄い
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客はプロデューサーが考えるほど馬鹿でなく、
客は客自身が思うほど利口ではない
概要
「劇場の運営」という、あまり類のない題材を扱ったシミュレーションゲーム。
3DOは既存のゲーム体験・映像体験に代わる魅力が味わえる次世代の家電として、日本では1994年に販売を開始した。
当時のマスメディアは3DOを「夢のマシン」とこぞって取り上げ、ゲームと縁のない企業からも大きな注目を集めていたハードである。
そして日本の大手広告代理店もまた、次世代ハード・3DOにはしっかり目を付けた。
最大手の電通はハイパーメディアクリエイターこと高城剛氏とタッグを組み、そのパイプを活かして大きく売り込みに出たのだが、業界二番手となる博報堂もまた3DOに参入し、広告代理店のパイプを活かしたユニークなソフトを送り出した。
その第一弾にして、ハード初期に送り出されたのが、この『娯楽の殿堂』である。
ストーリーモードの脚本には、映画『私をスキーに連れてって』『卒業旅行 ニホンから来ました』等で知られる一色伸幸が起用されている。
あらすじ
舞台は2050年の日本。
日進月歩な激動の時代にて、ある劇場王が亡くなった。
彼は従順な長男に大劇場を与え、放蕩の限りを尽くした次男(プレイヤー)にはオンボロな「あけぼの劇場」を相続させた。
あけぼの劇場は前任者の無軌道な経営により、多額の負債を抱えている。
プレイヤーの目的は劇場をどん底から立て直し、立派な"娯楽の殿堂"へと育て上げることである。
特徴
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ゲームの目的
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プレイヤーは様々な演目を企画して資金を稼ぎ、あけぼの劇場を立派な施設に成長させていく。
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ゲーム開始時には多額の負債を抱えているが、最終的にこれを全て返済すればゲームクリアとなる。
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劇場の発展はクリア条件と関係ない。理論上は育てなくてもクリア可能。
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ジャンルとしては経営シミュレーションに該当するが、ルールは至ってシンプル。込み入った戦略性は特にないので、普段ゲームを遊ばないユーザーでも問題なくプレイできる。
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進行
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プレイヤーは毎月、全14日の公演を企画する。チケットの売り上げから費用を引いた額が収入となり、貯金されていく。
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ただし収入の1割は借金返済に充てられる(ゲーム進行によって2割に増加)。
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演目によっては特別な費用がかかることもある(演者の食費、来日費用、著作権料など)。
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貯めたお金は劇場のグレードアップに使うことができ、劇場が育つにつれより多くのお金を稼げるようになる。
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今作の目的は借金返済、つまりお金をひたすら稼ぐことなので、この劇場拡張はどんどん進めていった方がよい。
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売り上げが費用に見合わなかった場合は赤字となり、所持金が無くなればゲームオーバー。
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最後に施設を拡張したタイミングからコンティニューが可能。
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ちなみにゲームオーバー画面は、敷地が更地にされて「売地」となるという悲しいもの。あまり類のない終了画面はなんとも強烈。
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公演の合間には新聞で情報収集をしたり、兄と電話でやりとりすることが可能。
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SLGには珍しくオートセーブを採用しており、公演終了の度に結果が保存される。
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企画の流れ
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プレイヤーがやることはいたって単純。舞台に使うセットを選択するのみ。
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選択するのは「演者」「背景」「小道具」「音楽」の4種類。それぞれ約10種ずつ用意されている。
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このチョイスがうまく組み合わされば公演は成功し、失敗すれば赤字となる……という流れである。
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先述した新聞でのニュースから、その時のブームを読み取ることが可能。
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一見地味な演者なのに、組み合わせ次第で化けることも。
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たとえ収入が見込めるキャストでも、費用が多くてほとんど儲からないケースもあるので、収支には気を付けなければならない。
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各項目の選択時には、担当のスタッフが一言コメントを残してくれる。
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コメントからは未来世界の不思議な日常が垣間見え、時には業界の複雑な人間関係がうかがえることも。
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特に音楽担当の人物は"おかま"だったりと、妙に濃いキャラクター像が描かれている。
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全てのセットを決めたら公演がスタート。
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実際に開演する前に、リハーサルで様子を確認することもできる。演者の振り付けを確かめたい時に便利。
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公演の流れ
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公演が始まると、企画のときに選んだ内容に基づく舞台を実際にプレイヤーが観覧できる。
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プリレンダリング3DCGのキャラクターが、舞台の上で所狭しと踊り回ることとなる。
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公演時間はリアルタイムでおよそ1分程度。
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公演中はライトを動かしたり、カメラアングルを動かしたりして自由な画面を楽しめる。
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演目が終わると歓声とともに舞台が締めくくられ、収入計算グラフが表示される。
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結果に応じて歓声の大きさは異なるため、結果を見る前に大まかな成績を把握することが可能。
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場合によっては事故や不祥事といったアクシデントが発生し、収益に影響が出ることも。
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ゲーム本編とは別に、好きなセットの組み合わせで舞台を観覧できる「コンストラクションモード」が搭載されている。
評価点
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題材が斬新
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収支に気遣いながら劇場を運営し、その成果として実際に演目も楽しめるという、それまでにないゲーム性は独創的。高精細な映像を扱えるゲームハードという、新たな媒体の特色を存分に活かした企画となっている。
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「舞台パフォーマンスをプロデュースし、プレイヤーもその映像を楽しめる」というコンセプトは後年『アイドルマスター』や様々なソーシャルゲームで実現されているが、今作はそうしたゲームの先駆けとも言える。
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ユーモアに富んだ世界観
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新聞で見られるニュースや作中の会話など、今作では要所要所で未来社会の様相を色とりどり描いている。プレイヤーの好奇心を刺激し、思わずゲームを進めたくなるのが特色である。
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「発売当時最新だったものが時代遅れになる」などリアルな描写もあれば、あからさまに的中させる気のない荒唐無稽な未来予想も捩じ込まれていたりと、次々読んでも飽きさせない作りが印象的。
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ちなみに、これらの描写の中には「発売当時発展途上だった国が日本以上の経済発展を遂げる」「コンピュータによる音楽の自動生成技術が生まれて作曲家が葛藤する」といった、2026年現在から見て的中させているような未来図も含まれている。
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ストーリー展開も、ひとひねり効いた内容に仕上がっているのが印象的。
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ネタバレ注意
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ゲームを進めるにつれ、あけぼの劇場は兄の劇場をも超える大施設に育っていく。
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元はと言えば放蕩息子だったプレイヤーに超えられてしまうのは少し可哀想。と思いきや……
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ゲーム終盤、兄の劇場が不況のあおりを受けて倒産したと思うと、兄が失踪したことで多額の借金がプレイヤーに回ってきてしまい、そのまま返済しなければならなくなる。
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同情寄りの立場から一転、連帯保証人に借金を押し付けて逃げるという、迷惑極まりないどんでん返しである。意表を突かれたプレイヤーも多いのではないだろうか。
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このイベントは、ゲーム開始時から存在した借金を完済するあたりで発生する。ある意味、燃えるクライマックスと言えるかもしれない。
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共に仕事をするメンバーもまた、人間臭さに溢れる描写が味わい深い。
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こちらの成果で顔色を変える奴がいたり、ビジネス世界の複雑な人間関係に揉まれて愚痴をこぼしたり……決して善人ばかりではないけれど、リアリティのある人間描写は起伏に富んでいる。
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作中で起用するタレントにも、ちょっとしたドラマやユーモアが詰め込まれている。
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最初は新人として起用したバレリーナが最終的に大スターへ成長したり、時間経過に伴って人間関係に変化がもたらされたり…など。これらは演者選択時の紹介で軽く語られる程度だが、世界観の掘り下げに一役買っている。
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この演者は真面目なものだけでなく、バカゲーに片足突っ込んだようなイロモノも印象的。
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力士のラインダンサーだとか、ハワイで力士と意気投合したフラダンサーだとか、スタッフの悪ふざけが存分に詰まっている。
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もちろん彼らはちゃんとしたパフォーマンスを舞台上で繰り広げてくれるので、友達と遊べばワイワイ笑って楽しめるかも……?
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博報堂のコネクションを最大限活かしたコンテンツ利用
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ゲーム内の音楽・タレントには実在のものが惜しみなく使用されていて豪華。
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「おどるポンポコリン」「UFO」「ライディーン」といった幅広いジャンルの楽曲をゲーム内で使用でき、あのピンク・レディーや、担当脚本家が手がけた映画の主人公まで登場するなど、何とも自由である。
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そんなゲストキャラの中でも、あの小林幸子が登場するのはもっぱら今作の語り草。
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役回りは「引退以来の復活コンサート」という扱いになっており、往年の紅白歌合戦を彷彿とさせるセットを実装可能。
残念ながら、ネットミームで散々擦られたラスボス役としては登場していない。
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ちなみにピンク・レディーは未来の技術で再現した個体であることが作中で明言されているが、小林幸子にはそれがない。この時代に生きていれば97歳なのだが、何故かあり得ると感じてしまう説得力はなんなのだろうか。
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舞台シーンはモーションの作り込みが丁寧。
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コサックダンスやロボットダンス、ラインダンスといった様々な振り付けが細かく作られており、実在楽曲はそのダンスシーンが忠実に再現されている。音楽との組み合わせが合えば、見応え抜群の映像になることも。
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ネタバレ注意
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エンディングでは、これまで出会った演者たちが綺麗なエフェクトを放ちつつ、様々な演目のメドレーと共に次々踊るものとなっている。
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それまでプロデュースしてきた演目の集大成ともいえるカーテンコールになっており、苦労した末にたどり着いて観ると感慨深い。
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また冒頭に出てくるのは先述した急成長のバレリーナで、成長姿が一瞬で表現される粋な演出がある。
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賛否両論点
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良く言えば単純明快、悪く言えば単調すぎるゲームシステム
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プレイヤーが行うのは「なんとなく相性の良さそうな舞台セットの組み合わせを勘で選ぶ」という作業の繰り返し。
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推測のヒントも特になく、常識的に正しい組み合わせを繰り返していれば問題なくゲームを進行できるので、単純にクリアを目指すうえでの戦略性は無きに等しい。
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ただしセットの組み合わせは自由なので、最適解を封印して変な組み合わせから一か八か高得点を狙う……という遊び方をするのも手。
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裏を返すととっつきやすいゲームに仕上がっており、経営SLGという題材を誰でも遊べるよう極限まで単純化した点は長所である。
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クリアにかかる時間もそこまで長くないので、手軽に遊ぶことができる。
問題点
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肝心の舞台シーンが地味。
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最大の難点として、舞台を踊るポリゴンキャラクターがあまりに小さいことが挙げられる。
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舞台シーンは遠距離から遠巻きに見られるだけで、ズームアップはほとんどできない。
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スプライトのドットはやや汚く、当時最先端の3Dをまともに味わえないのが難点。雰囲気としては『Mortal Kombat』のような仕上がりになっている。
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プリレンダリングCGを採用した都合、カメラアングルを動かすと不自然な描写になりやすい。
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一部の演者は「空中で不規則に浮遊する」「モンスターと戦っているモーションなのに肝心のモンスターが出てこない」など、不自然な挙動が散見される。
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BGMはカラオケのような代替音源となっており、せっかくの版権曲が十分に活かされていない。
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版権曲のほとんどは途中で終了するので尻すぼみである。
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こうした地味な内容でありながら、1分近くある公演はスキップ不可。どうしようもない組み合わせを選ぶと後悔の元に。
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演者のうち、脚本家の手がけた映画作品の主人公がいるのだが、元の作品を知らないと攻略に支障が出る。
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攻略のネタバレ注意
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該当するのは、『卒業旅行 ニホンから来ました』の主人公・一発太郎。
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この人物は元の作品で「ヤングマン」を歌う場面があるのだが、それにちなんだ舞台を作らなければならない。
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「CA」と書かれた舞台セットに、BGM「ヤングマン」を選択すればOK。
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当然、元になった映画を見ていなければ何を選べばいいのかわからないという、理不尽な内輪ネタになってしまっている。
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幸い、プレビューシーンで彼を踊らせると「ヤングマン」の印象的な振り付けを演じるため、そこから推測は可能。
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劇場の改築後、たまに背景セットを無償でプレゼントしてもらえるのだが、変更画面を開くとそのセットが破棄されてしまい、選び直す際は通常通り金を払わなければならなくなる。
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なんとも不親切な仕様なので、初見時は注意が必要。
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この仕様上、イベントが発生すると受け取った道具での公演を強いられる。後からもらい直すことはできないので注意。
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評価点の折りたたみ部分を含めたネタバレ注意
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プレイヤーに借金を押し付けた兄の末路は特に明かされず終わる。
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最後の最後でヘイトを買う役回りでありながら、彼がその後どうなったかフォローの類が一切ない。
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劇中、兄はプレイヤーへ優しく声をかけたり、追い抜かれたことへのコンプレックスを覗かせたりと人間味ある描写を見せており、最後の横暴も合わせてキャラクターが立っているだけになんとも惜しい。
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総評
様々な分野のコンテンツを一箇所に集めた、"次世代ハード"期ならではの実験的作品。
当時の「映像が使えるゲームハード」という観点はユニークなゲームを数多くもたらしたが、今作は"舞台"に着目したオリジナリティあふれる作品に仕上がっており、後年にも類似のゲームはあまり無いのが特徴。
クリアの報酬としてパフォーマンスが見られる仕組みは後年のソーシャルゲームでも実現されており、時代を先取りしていた点は大きく注目できるポイントである。
技術に対してアイデアが早すぎた部分は否めず、ゲームシステムも非常に単純な作りだが、3DOのコンセプトにはこれ以上ないほど合致しており、ハード初期に遊んで刺さったファンの声は少なくない。
本ハードの初期を、陰ながらも象徴的に彩った一作である。
余談
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タイトルの"theatre"はイギリス英語。一般的に知られる綴りの"theater"はアメリカ英語である。
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劇中でまさかの登場を果たした小林幸子は元所属事務所との対立などに翻弄されながら、2026年現在も現役で活動している。今作で描かれた2050年復活コンサートの実現可能性は今なお断たれていない……というか現役のまま実現する可能性すら潰えていない。
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なお小林氏はその対立で業界を干されてから若年層向けのサブカルチャー分野に活動拠点を広げ、2015年ごろからは今作以来のゲーム出演を複数の作品で果たすこととなった。
最終更新:2026年04月04日 00:00