がんばれゴエモン3 ~獅子重禄兵衛のからくり卍固め~

【がんばれごえもんすりー ししじゅうろくべえのからくりまんじがため】

ジャンル アクションアドベンチャー
対応機種 スーパーファミコン
メディア 16MbitROMカートリッジ
発売・開発元 コナミ
発売日 1994年12月16日
定価 9,800円(税抜)
プレイ人数 1~2人
配信 バーチャルコンソール
【Wii】2009年9月15日/800Wiiポイント
【WiiU】2013年10月16日/800円
【New3DS】2017年8月23日/823円(税8%込)
判定 良作
がんばれゴエモンシリーズリンク


ストーリー

伊賀の物知り爺さんが「未来の様子を見に行く」と言い出し、新発明の「たいむましん」の実験と称してゴエモンたちの目前でタイムトラベルを決行した。
実験は成功し未来のぎゃるを追っかけ回していた爺さんだったが、未来の大江戸を牛耳る悪の組織「からくり盗賊団」の幹部シスタービスまるに捕らえられ、
たいむましんを奪われた挙句、おみちゃんまでさらわれてしまう。
ビスまるを追って未来へたどり着いたゴエモンたちは、おみっちゃんと爺さんを取り戻すべく、
ネオ大江戸の支配者・獅子重禄兵衛率いるからくり盗賊団に挑むのであった。


概要

コナミの人気アクションゲーム『がんばれゴエモン』シリーズのSFC版第三作目。今までの横・見下ろし型の純アクションから、アクションアドベンチャーになっている。

ゴエモン、エビス丸、サスケに加え、外伝作『がんばれゴエモン外伝 ~きえた黄金キセル~』からのゲストキャラであった『くのいち・ヤエ』がプレイヤーキャラに昇格。
これ以後、この4人組がレギュラーとして定着し、キャラクターを切り替えつつ各々の能力を活かして進むという後に続くスタイルが確立された。

前作で確立された奇想天外なSF時代劇コメディの路線を更に発展させて「タイムトラベル」がテーマとなっており、SF色を強めた作風となっている。


特徴

ゲームジャンルの変化

  • 前作から一転して仕掛け・謎解き要素多めのアクションアドベンチャーに変化した。
    • ステージクリア型の前作までと異なり、フィールド・ダンジョン共にアイテムや技を駆使して謎を解きながら進む形式となっている。
      システム面では『ゼルダの伝説 神々のトライフォース』との共通点が多い
    • 地上マップは見下ろし型視点の地続きのフィールドで構成されており、町及び屋外フィールドからなっている。
      • 町ではRPGのように町人に話しかけられるようになり、仕掛け・謎解き要素の増加に伴って情報収集の要素も加えられた。また、フラグ立てによって発生するイベントも用意され、従来では通過点に過ぎなかった町の役割が大きくなっている。
        --シナリオは江戸編、未来編の2部構成で、未来編に入ると江戸へは戻れなくなる。
      • 現代の江戸編、未来編共に一般の町人には攻撃が一切当たらなくなっているが、役人に攻撃すると旧作同様追いかけられる(BGMは変化しない)。
    • ダンジョンに入ると旧作同様、横視点の2Dアクションステージに移行するが、こちらも大きく様変わりしている。
      • 広大かつ入り組んだダンジョンになっており、仕掛けを解いたり鍵を探したりして探索を進め、最奥部を目指す。

性能面におけるキャラクターの個性の確立
プレイヤーキャラにヤエが追加され、ゴエモン・エビス丸・サスケも含めて各キャラクターに明確な性能差が与えられるようになった。

+ ...
  • ゴエモン
    • 能力は主人公らしく平均的。
    • 武器:『黄金キセル』
      • 強化後:『チェーンキセル』:特定のブロックにひっかけることで移動に使うことができる。
    • サブウェポン:『小判投げ』
      • 溜め撃ち:『貫通小判』攻撃力が高く文字通り貫通性能もあり、その貫通性で仕掛けを解く機会も多い。
    • 術:『一触即発の術』。一定時間、防御力半減(ダメージ2倍増)と引き換えに攻撃力が2倍になる。使用時に巻物を10本消費する。
  • エビス丸
    • 機動力(スピード)はゴエモンと同じ。
    • 武器:『フラフープ』
      • 全方向攻撃なのでアクションアドベンチャーパートでは重宝する。ただし、武器レベルが上がるまでは上方向への攻撃ができない。
      • 強化後:『本場のフラフープ』
        Yボタン連打で広範囲を攻撃できるが、目を回して少しの間行動不能になってしまう。
        ダンジョン内ではY+上キーでフラフープを掲げ、壁のピンに引っかけることが可能。ピンを活かして移動する場面が用意されている他、上方向への攻撃にも利用できる。
    • サブウェポン:『手裏剣』:伏せて撃った場合、地形に沿って飛ぶ。
      • 溜め撃ち:『反射手裏剣』。イベントクリア後に入手。壁にぶつかると反射して跳ね返る。これを活かして手の届かないスイッチを押す仕掛けもある。
    • 術:『ちびエビスンの術』:小人になって狭い場所を通れる。使用中は攻撃不可かつ受けるダメージが2倍になる。巻物は消費しない。
  • サスケ
    • Yボタンなしで常にダッシュ状態で移動可能なので、機動力が高い。
    • 武器:『くない』『ちょんまげ』
      前作では攻撃力が高い代わりにリーチが短かったが、今作ではどちらも普通程度になった。
      また、『2』同様、全キャラで唯一、空中での上攻撃ができず、しゃがみ攻撃及び上攻撃はちょんまげ攻撃となる。
      • 強化後:『波動くない』。リーチが増し、特定障害物を斬れるようになる。
    • サブウェポン:『花火爆弾』
      • イベントをこなすことで入手。特定の壁を破壊できる。溜め撃ちは使用不可。
    • 術『くない撃炎破の術』
      • 町ステージでは八方向、2Dアクションステージでは上向きの五方向にくない型の波動を放つ。攻撃専用で謎解き用の使い道は無い。
  • ヤエ
    • 機動力はサスケと同等。
    • サスケ同様、Yボタンなしで常にダッシュ状態で移動可能。
    • 武器:『くの一の刀』。唯一パワーアップしない。ジャンプ中にY+下キーで下突き攻撃が可能。
    • サブウェポン:『ヤエバズーカ』:敵への攻撃のほか、通路をふさぐ栓を吹き飛ばせる。溜め撃ちは不可。
    • 術:『人魚変化の術』:Aボタンで人魚に変身する。水中にて8方向に自在に移動でき、高速移動も兼ねた突進攻撃で敵を倒せる。
      この他、水面をスピーディに泳げ、浅瀬の橋の下を潜って通り抜けることも可能。
      変身は水面でしか行えず、地上で出すと変身に失敗して身動きができなくなる。巻物は消費しない。
      また、陸上での変身中は動けない代わりにあらゆる攻撃を無効化できる特性がつく。
    • Y+B同時押しで無敵状態になって敵からのあらゆる攻撃を受け流す「剣シールド」を出せる。(敵本体との接触も防げるが、ダメージ地形に対しては無効)
      • ただし、左右キーを押すと移動が優先されるため強制解除してしまう、YとBは攻撃とジャンプに使うボタンなのでとっさに出し難いという欠点があり、『人魚変化の術』が事実上の上位互換なのもあって、使われるのは習得前のごくごく短い間ぐらいである。

ライフゲージ

  • 体力ゲージは全キャラクターで共有となっており、敵本体・敵の攻撃・ダメージ罠への接触・穴への落下でダメージを受け、ライフが0になるとミスとなる。(通常ステージ及びパニックステージ共通)
    • 穴に落ちてもダメージを受けるだけで即死とはならずダメージを受けて直前の地点に戻るが、障害物に押し潰された場合は即死してしまう。
    • 本作でのライフは初期状態でハート5、「金の招き猫」「銀の招き猫」の取得により最大で16まで増加する。
      更に1メモリに付き2発の攻撃に耐えられる(例外あり)ので、初期状態でも10発、最大では32発の攻撃に耐えられることになり、過去作に比べるとかなり耐久力が増している。

招き猫システムの変更

  • 本作では武器のパワーアップはイベントをこなすことによって行われるようになり、武器のパワーアップ用アイテムであった「銀の招き猫」は、体力増強用アイテム「金の招き猫」の下位アイテムに変更された。
    • 「金の招き猫1つ」もしくは「銀の招き猫4つ」でライフゲージが1つアップする。
    • また、招き猫をすべて集め、ライフゲージが最大の状態でエンディングを迎えることで隠しイベントが発生する。

からくりうぉーかー

  • 物知りじいさんが製作した一人乗り専用の搭乗型からくりマシン。一言で言えばゴエモン版ライドアーマー
    • 攻撃力の高いパンチが繰り出せるだけでなく、道中で火炎放射や液体窒素発射などの特殊機能が追加され、火炎放射で鉄の扉を溶かしたり、液体窒素で敵や水を凍らせて足場にしたりといった使い方がある。
    • どこで乗り捨てようとも、ダンジョン内の転送装置や街の大江戸ツーリストから自由に呼び出す事が可能。
    • 圧倒的な攻撃力と機動力が魅力的だが、狭い所に入れない点や、独特な挙動のジャンプやダッシュなど若干癖の強い性能になっている。
    • 前作の乗り物メカと違い、ダメージの肩代わりはしてくれない(逆にうぉーかー自体が破壊される事はない)。また、2人プレイでも一人分しか使用できない。

ステージ構成
フィールド・ダンジョンの他、ストーリーの合間に以下のようなステージが挿入される。

  • ダンジョン奥でのボス戦。
    • ボス戦も謎解き要素が強く、単純にダメージを与えて倒すだけではなく「敵の弾を跳ね返す」など攻略に一定のパターンが用意されている戦いが多い。
  • パニックステージ
    • 特定のダンジョンクリア後に挿入される特殊ステージ。うぉーかーに乗ったキャラを操作し、画面奥から迫り来る巨大メカの攻撃を回避しながら一定距離を逃げる。
    • キャラ単体・全体に対する攻撃はキャラにカーソルを合わせてジャンプボタンを押すことで回避させ、巨大メカの体当たりによる全体攻撃はA(Y)ボタンを押すことで発動する緊急回避ダッシュで回避する。
    • ライフを失うと通常通り残機が減少してステージ冒頭からやり直しとなり、残機0でゲームオーバーとなる。
  • インパクト戦ステージ
    • 激震インパクトステージ
      インパクト戦前の準備段階として敵や障害物を破壊しエネルギーや残弾数を稼ぐ前哨戦ステージ。
      前作の「強制横スクロール高速アクションステージ」と同様の位置付けだが、「ターボスイッチが故障した」という設定のため高速移動はできず、低速で移動しながら画面内の敵や障害物に攻撃していく。
      Aボタンによる小判弾発射とYボタンと十字キーの組み合わせによるパンチ攻撃がメインとなり、前作と違ってジャンプアクション要素はない。
      ジャンプすると地響きを起こして一部の敵に攻撃できる代わりにエネルギーが大幅に減少する
      • インパクト戦共に、時間経過によるエネルギー自動消費は廃止された。
    • 敗北後の再開地点は常に激震インパクトステージからとなる
      • 激震インパクトステージが存在しないバトルを除く。また、激震インパクトステージ開始前にセーブせずに敗北した場合は最後にセーブした地点からの再開になる。
  • ゴエモンインパクトVSボスステージ
    激震インパクトステージ終了後に開始される、主観画面視点での対巨大メカ戦アクションバトル。
    基本システムは前作を踏襲しつつ様々な追加要素が施されている。
    • 基本攻撃は前作を踏襲しつつ、格闘ゲーム風のコマンド式必殺技が追加された。
    • パンチゲージや小判ゲージの導入。ゲージを消費する強力な技が使えるようになった。
    • 前作よりも戦闘回数が増えている他、敵の攻撃を掻い潜りながら敵施設を破壊するという特殊なミッションもある。

2人プレイの新仕様

  • 2人プレイでは前作までの「おんぶシステム」に代わり「ひょうたんシステム」が登場。
    • L+R+Aボタンでひょうたんになり、もう片方のキャラについていく。
    • このおかげで「片方が引っかかるせいで、もう片方がスムーズに進めない」といった事態を避けられるようになり、アクションアドベンチャーとしては操作性が向上した。
    • また、「特定のキャラでしか進めない」要素が多数追加されたため2人プレイでも同キャラで遊べるようになった。

評価点

キャラクターの個性の確立

  • 前作まではジャンプ力や攻撃力に多少の違いがある程度だったが、今作では「そのキャラクターでなければ攻略できない箇所」が多く設定され、役割分担がはっきりするようになった。
    • 今作で設定されたキャラクターの個性は以降のシリーズにおいても踏襲されており、キャラクターを切り替え各々の性能を活かしてステージをクリアするという仕様は完成されたと言える。
      • ファンの中には『マッギネス』までのように「どんなキャラクターでも全面クリアできる」仕様の方がテンポが良いという声もあるが、
        開発者によると前作でボリューム不足を指摘された事を受け、本作ではアドベンチャー要素を増やして長く遊べるゲームを目指したとの事である。
        結果としてボリュームが増し、以降のシリーズの方向性を見出すことにも繋がったことを考えればこの変更は正解だったと言える。
        また、ワンボタンで即座にキャラチェンジができるため、ゲームテンポ面での不満そのものは少ない。

インパクト戦

  • 前作に比べて格段に進化している。
    • メインの攻撃が単発のパンチしかなかった前作に比べ、必殺技の導入により攻撃方法が多彩かつ派手になり、敵にダメージを与えやすくなって爽快感が増した。
      前作での難点でもあったエネルギーの自動消費制も廃止され、じっくり落ち着いて戦いに集中できる。
    • 敵もデザインや行動パターン共に個性的で飽きさせず、ハードの拡大縮小機能を活かした演出も更に迫力を増し、近未来を舞台にした巨大メカ同士の戦いの醍醐味を存分に味わえる。
      • 特にラストバトルでは驚きの展開が待っており、前作のインパクト戦BGMが流れたりと、ニクい演出となっている。
    • 後のシリーズにおけるインパクト戦の多くが今作のシステムをベースにしていることからも、今作でインパクト戦のシステムはほぼ完成されたと言える。また、演出が強化された一方でバトル展開も前作同様のスピード感を保っておりテンポがよい。
    • 敵の接近攻撃の際にコクピットのモニターが大きく開閉する演出が入ったりと演出面の迫力も増している。
    • 敵メカとの戦いのほか、敵の施設を破壊するという特殊なミッションも追加されており戦闘のバリエーションが増している。
  • 搭乗デモでの小ネタも健在の他、今作ではインパクト戦ステージの開始毎にコクピット前面に表示されるキャラクターがランダムで変化する。
    • 戦闘中のリアクションも追加され、被ダメージ時に驚いたりムッとした顔をしたり、勝利した際には喜びの表情でお互いに顔を見合わせるなど、演出面もよりにぎやかになった。

より洗練されたBGMと音響回り

  • 本作のBGMは時代劇と近未来SFの要素を併せ持つ世界観に応じて、和楽を基調にテクノ系を主体としたサイバーチックなテイストの楽曲を取り入れており、それでいてゴエモンシリーズならではの音楽性をきっちりと踏襲している。
    • 「うぉーかー工場」や「からくりタワー」「からくり温泉」のBGMは特に評価が高い。
    • また、SEも前作『マッギネス』から大幅に洗練され、爆発音や小判入りのツボを割る音などの効果音がより爽快感溢れるものとなった。シリーズお馴染みの「メッセージ表示時の拍子木音」も今作が初出である。

ストーリー性

  • ジャンルがアクションADVとなったことで、旧作よりもストーリー性が高まった。
    • 物語の大筋こそシンプルなものだが、ラスボスの意外な素性とそれにまつわるエンディングでのやり取りはなかなか感動的。
      • そしてゴエモンらしくコミカルなオチで締めてくれる。

その他

  • 序盤の目的地である伊賀忍者屋敷ステージへの通過点であるほろほろ寺で女幽霊に化けた忍者猫のクロベエが登場したり、伊賀忍者屋敷ステージの冒頭のマップが、『ゆき姫救出絵巻』における忍者屋敷ステージの序盤のマップを再現していたりと、同作をプレイ済みの人ならにやりとできる演出も含まれている。

賛否両論点

作風の大幅な変化

  • 前述のように、本作は任天堂のアクションアドベンチャー「ゼルダの伝説 神々のトライフォース」との共通点が多い。
    • ジャンル自体の変化ももちろんだが、そうした他作品との類似性についての賛否両論の声も当初は大きかった。*1
      • ただし、FC版からくり道中における地下通路への移動方法や、前作で横スクロールアクション化した点など、任天堂の著名作を意識したと思しき点については本作に限らず、過去作にも見受けられていた点でもある。(特に前者は開発者自身が開発ブログで暗にほのめかしている)
    • ダンジョンは前2作のアクションステージ同様に横スクロールステージとなるが、ギミックや仕掛けをジャンプアクションで乗り越えていくよりも謎解き要素の方が中心になるので、純粋なアクション性はこれまでと比べると控えめ。

激震インパクトステージ

  • 怪獣映画を髣髴とさせる重厚な雰囲気を楽しめる代わりに、前作の高速スクロールステージに比べてスピード感はなくなった。
    • 今作では基本的にパンチや鼻小判で群がる敵を倒していくのがメインで、ジャンプアクションの要素がなくなっているため、アクション性は前作より低下している。
    • ジャンプによる攻撃はいわゆる「メガクラッシュ」に相当する扱いで敵を一掃できるのと引き換えに大量に油を消費してしまうため、気軽にジャンプできないのも窮屈な印象を強くしている。
      • ゆっくり進む分、落ち着いたペースでエネルギーを稼ぎやすくなっている点は利点と言える。
        また、この仕様変更により、前作で存在した「前哨戦ステージ中に鼻小判を使えるのは二人同時プレイ時のみ」という制限*2はなくなった。

ひょうたんシステムの仕様

  • 「二人同時プレイ可能なアクションADV」という観点から見ればプレイしやすさに繋がってはいるが、前作までの協力(というかある意味足の引っ張り合い)プレイも魅力の一つだったという声もあり、賛否両論ではある。

問題点

コンティニューの仕様

  • 本作ではゲームオーバー後のコンティニューは最後にセーブした地点からのやり直しとなる。(中間地点からの再開アイテムであった「これぞうくん」はダンジョンマップの役割に置き換わっている)
    • 特に「からくりタワー」は物凄く長い上にボスも中々強いので、ゲームオーバーになると気力を大きく削がれ易い。
    • 「からくり温泉」も、全体の長さ自体はタワーほどではないが、一度突入するとボス戦直前まで出られないため途中でセーブできない。

キャラ性能のバランス

  • 各キャラに個性は出たが、基本性能にやや偏りがある。
    • ヤエは機動力が高く、ジャンプ下攻撃と2つの無敵技を持っており優秀。武器がパワーアップしない、サブウェポンの射程が短いという欠点もあるが、ノーリスクかつボタン1つで無敵化する人魚変化の術(地上)の存在は非常に大きく、この点でややバランスブレイカー気味。
    • 一方、ゴエモンは終盤までチェーンキセルが手に入らない、エビス丸は本場のフラフープを連打しすぎると却って隙ができる、サスケはジャンプ上攻撃がなくサブウェポンの弾道も独特など、戦闘面ではやや不遇。

ゴエモンとサスケの術が使いにくい

  • ゴエモンの「一触即発の術」は耐久力の多い敵や一部のボス戦で活用できるが、乗る機会の多いうぉーかーでも十分な攻撃力があり、ボス戦も「攻撃を跳ね返してダメージを与える」という攻略法のボスが多いので、使いどころは限られる。
  • サスケの「くない撃炎破の術」は巻物を10個消費するコストに性能が見合っておらず、そもそも敵に囲まれたり広範囲攻撃が必要になる場面が少ない。
    • そもそもどちらもクリアに必須ではないのでとらなくてもよい。

一部の新アクションについて

  • エビス丸が本場のフラフープをピンに引っかけた際、ジャンプ頂点付近だと勝手に小ジャンプするため、誤操作を招きやすい。
  • 「からくりうぉーかー」に幾つか問題点がある。
    • 誰が操作しても性能が変化せず、せっかくのキャラの個性を薄めてしまっている。
    • ダッシュ機能があるのだが、2人プレイでも一台しか使えないため、町中では片方のプレイヤーがひょうたん状態で付いていく展開になりがち。
    • 途中で特殊武器が追加されるのだが、L・Rボタンで体色を切り替えないと使えず、うぉーかーから降りると茶色(ノーマル)に戻ってしまう。茶色は特殊武器を持たない下位互換であるため、いちいち選び直すのが面倒。
    • 町人に下側から近寄って話しかけると↑+Bに化けやすく、会話と同時にうぉーかーを降りてしまうのが面倒。

パニックステージの仕様

  • 特定のダンジョンクリア後に発生するのは前述の通りだが、ダンジョンクリア時のライフ残量を引き継いだ状態でスタートする。
    • ステージ攻略中に受けたダメージは一切回復できない上、初回の段階で前触れもなく全く異なるシチュエーションに放り込まれることになるので慣れない内は難しい。特にアクションに不慣れなプレイヤーだと直前のダンジョンでライフを消耗した状態で挑むことになりがちになるためやや厳しい。
      • ただし、ステージ開始直前にセーブの機会がきちんとあるため、セーブさえきちんとしておけば困ることはない。

ミニゲームの削除と金策面

  • 本作ではミニゲームの類が一切ないため、そこまで高額な金が必要になる局面はないものの金策面でやや不便であるとともに、本筋以外の遊びの幅が乏しくなっている。*3
    • ゲーム本編の息抜き要素として彩りを添える要素であり、類似要素を指摘される『神々のトライフォース』でもミニゲームの類はきっちり存在しているだけに、寂しいところである*4
      • 強いて言えば、本編の進行にかかわる術習得イベントやパニックステージなどもミニゲームと呼べるかもしれないが、プレイ機会は少なくクリアすればそれっきりなので、遊びの面ではやはり物足りない。
  • また、江戸時代の敵は大抵がお金を落とすのに対し、未来の敵はうぉーかーの燃料も落とす*5ため、中盤以降は稼ぎにくくなる。
    • 一応、5両の銀貨と50両の大判が追加されたことで、敵から手に入るお金の額は過去作より増えている。

物語が終盤に近付くと極端な尻すぼみになる

  • 未来のダンジョンはボリュームの差が激しい。中盤の「からくりタワー」が最も長く十数画面分もあるのに対して、終盤になるほど入ってすぐにボス部屋という仕掛け皆無のダンジョンが増えてくるので、未来編のダンジョンは実質3つしかない*6
    • 従って、本作にはラストダンジョンと呼べるダンジョンが存在しない。暗号プレートセット後はインパクトステージやボス戦の連続でそのままラスボス戦へ。敵の本拠地はそれらイベントの通過点に過ぎない。
    • 一応、暗号プレート設置場所までは「からくりパーク」と言うそこそこ長い地域を歩くのだが、果たしてこれをラストダンジョンと呼んで良いものか。
    • また、「暗号プレート」は各ダンジョンをクリアすることで手に入るはずなのだが、全てのダンジョンをクリアしても5枚しか手に入らず、残りの3枚はイベントで一気に手に入ってしまうため、アクションアドベンチャーとしては中途半端な出来になってしまっている。*7
      • とはいえ、大型ダンジョンやインパクト戦の数、フィールド探索など、総合的に見ればボリュームは十分なものがある。

インパクト戦

  • 全体的に大味なバランスで難易度は前作よりも低く、操作に慣れてしまえば特定の技を連発しているだけで勝ててしまう。
    • パンチゲージは3秒ほどで満タンになるので、百烈パンチなどの大技はガンガン連発できる。
    • 敵の近接攻撃や突進攻撃は百烈パンチで簡単に返り討ちにできる上に、弱パンチからのコンボ・強パンチ・溜め小判弾・キセルバリアなどと対処法も豊富なので脅威になりにくい。
    • 溜め小判弾の性能が非常に高く、小判に余裕があれば溜め小判弾を連発するだけでも、敵の行動を阻止しつつ攻撃できてかなり強い。小判消費量はたったの8で、大抵は数十発も使える。
    • 前作に比べてキセルボムの威力が格段に高くなっており、2発も使えば敵の体力を一気に半分以下にまで減らせる。前哨戦ステージが低速スクロールになったため、じっくり落ち着いて敵を撃破する余裕があるのでボムを稼ぐのも容易。
      • どちらかといえば初心者の救済措置といえるか。*8
    • キセルバリアは使用に制限が無く、敵が攻撃してくるたびに連発可能。
    • 溜め強パンチの威力は90ダメージとやや強すぎる(激烈アッパーや百烈パンチ全段ヒットで99ダメージ)
    • その反面、ぐりぐりパンチという技は、操作が特殊で出しにくい割に「敵に1ダメージを与えて軽く吹っ飛ばす」ことしかできず、死に技になっている。
      • 判定が長く持続するという特徴から敵の攻撃を迎撃するのに使えそうだが、タイミングを合わせて小判や強弱のパンチで迎撃する方が有効。
      • 中盤の吹っ飛ばない敵に対して使ってみると、一度に多段ヒットすることが分かる(この敵には弱パンチ系の攻撃は効かないのでダメージはゼロだが)。そのため、本来は「連続でダメージを与える技」という想定で作られたものの、設計ミスにより「1ヒット目で敵を吹っ飛ばす」だけの技になってしまった可能性が高い。
    • 最後に戦う敵は攻撃速度が速めで攻撃力も高く、的確に対応する必要があるので初見では手強く、インパクト戦が苦手なプレイヤーには厳しいものがあるが、こちらはキセルボムを2個持っている上、強パンチや溜め小判弾で迎撃するだけでも勝ててしまえる。
  • 難易度そのものは低めになってはいるが、できることが増えた分、コマンド入力が苦手な人には難しい。
    その一方で、前作同様ゲーム中でのチュートリアルや自由に練習できるモードといった配慮がないため、やはり初戦でぶっつけ本番の戦いを要求されることになる。前作をプレイ済みの人ならともかく、未プレイの人には少々辛いところ。
    • ただ、上述の要因から難易度そのものは低く、各種必殺技をきっちり使いこなせなければ勝てないというバランス取りにはなっていない。
      前作同様用に弱パンチ連打と強パンチ、小判マシンガンだけでも十分勝てるようになっているので、無理して必殺技を使う必要はない。
    • 格闘ゲームのような操作形態なので、慣れない内は焦って素早くボタンを押そうとしてしまいがちだが、実はゆっくりとテンポよく押した方が安定して出せる。
  • 前作と同様、作り込みの高さの割には一度倒した敵とは二度と戦えず、自由にインパクト戦を楽しめるようなモードもないのが勿体ない。
    • 前作のラスボス戦は一度クリアするともう再戦できなかったが、今作では最後のインパクト戦を含む一連のラストバトルは繰り返し遊べる。
    • セーブデータは前作と同様3つまで作成でき、今作のインパクト戦は序盤・中盤・終盤の3箇所におおまかに分かれているので、それらの戦闘直前のセーブデータを残しておくと良い。

取り返しのつかない要素

  • 招き猫・燃料タンクの取り逃がし
    • 現代の大江戸のダンジョンはクリアすると二度と入れない上に、ストーリーが進んで未来に行った後は現代に戻れず、後から取り逃した分をまとめて集められる機会を設けるといった救済措置も存在しない。
      隠しボスを出したい人にとっては特に頭の痛い問題で、招き猫を1つでも取り逃すと初めからやり直さざるを得なくなってしまう。
      • 江戸時代に3つあるダンジョンにはそれぞれ銀の招き猫が4つずつ配置されている。従ってダンジョンをクリアした時点でライフゲージが増えていなければ取り逃しがあることになるので、旅日記をつけずにやり直せばまだ取り返しはつく。
      • スタート地点であるはぐれ町の住民の中に、このことに関するヒントを言ってくれる人もいるが、初見プレイ時では見落としやすい。
      • 燃料タンクについても、からくり温泉で特定のフロアを浸水させると取れなくなるものが1つある。

ゲーム進行を阻害するバグが多い

  • 未来編におけるエビス丸の反射手裏剣とサスケの波動くないの入手イベントにバグがある。
    • 前者はイベントをこなしていないのに反射手裏剣がもらえることがあり、後者ではイベントをこなしたのに波動くないがもらえない上にサスケの通常攻撃そのものが使えなくなってしまうことがままある。
      前者はそれ以後問題なく進行できるのでまだいいが、後者は通常攻撃そのものが使えなくなるのでその先、進行不能となり詰んでしまう。
      • いずれも初期版で確認されたバグで、後期版では修正されている。
  • からくりパークで特定アイテムを初めて購入した際にトンビが飛来し、その後、パーク内にあるスイッチを押すことで入り口の障害物を壊せるようになるが、スイッチを押す前に死ぬとアイテムを入手してもトンビが来なくなり、障害物を壊せなくなる。この状態でセーブしてしまうと進行不能になって詰む。
  • 過去の時代に戻るバグ技が存在するが、実行すると意図しない動作を引き起こし、最悪、最初からやり直さなくてはならなくなる。但し、こちらは意図的に行わない限りは発生しない。
  • からくりタワーのマップの一部に、うぉーかーに乗った状態で入り込むとはまったまま出られなくなる場所がある。こちらは対処法はある。

総評

アクションとしての面白さは従来通りに、謎解きと探索の要素を加えた意欲作。キャラの個性を確立した功績も大きい。
キャラ性能やダンジョンのバランスの悪さなどと言った問題点こそあれど、以降の作品にも多大な影響を与えた、シリーズの転換点の一つと言える。


余談

  • 今作のサブタイトルの一部であり、ラスボス獅子重禄兵衛の必殺技の名前でもある「からくり卍固め」は、ゲーム内では不発に終わりただの一発ギャグとなってしまったが、『コミックボンボン』で連載されていた帯ひろ志氏作の漫画版では「獅子重禄兵衛が操縦しているラスボスメカがインパクトに卍固めをかける」という展開で、「からくりメカが卍固めする」=「からくり卍固め」とうまくひっかけている。
    • ちなみに、作中で不発に終わった理由は開発スケジュールが厳しくてどんな技にするかが最後の最後まで決まらなかったためらしい。
  • 先に紹介した「陸上人魚変化で無敵になる」という効果が元からバグだったのか仕様だったのかは不明だが、次回作のきらきら道中では無敵状態は削除され、正真正銘のデメリットになった。
  • 終盤の尻すぼみについてだが、本作のサウンドを担当した冨田朋也氏によると、容量不足や手抜きではなく、 納期が迫って、スタッフが何ヶ月も家に帰れないぐらいヤバかった ので、暗号プレートがイベントで一気に3枚手に入るという形で帳尻合わせをしたとの事。参考URL
    • 冨田氏曰く、容量は全く問題なく、本当はボスを別に2体出してそのボスにプレートを担当させる予定だったが、そのボスを出すことが出来ずマップも中途半端になってしまったのと事。
    • 発売時期を考えると、クリスマス商戦にどうしても間に合わせたかったと思われる。
  • 改造コード対策がなされているらしく、改造コードを使って無敵状態のまま進めた場合、未来編のはぐれタウンにおけるどろぼう猫イベントが発生しなくなる。
  • 本作のウリの1つに「ギャグシーンで笑い声が起こる」という演出(通称:笑システム)がある。パッケージ裏の説明曰く「画期的なシステム」らしいが、ややスベり気味。
    以降の作品でも思い出したように使われることがあったが、結局定着はしなかった。
    • 「シットコム(シチュエーションコメディ)」と呼ばれるアメリカのコメディドラマやバラエティ番組といったテレビ番組でよく使われる演出手法で、日本のテレビ業界でも一時期流行していたため、それを真似たものと思われるがゴエモンシリーズのギャグはそれらの番組ほど直接的に笑いをとるギャグではないのでミスマッチな演出になっている。
      • とはいえ、パッケージ裏の解説には「さむ~いギャグにも温かい笑いで、すかさずフォローします」と書かれてるので、恐らくは意図してやっているのだろう。うたい文句通り「ギャグが寒いからこそフォローになってる」という声もあるにはある。
  • 「うぉーかー工場」と「からくりタワー」はプレイヤーに強い印象を残し(特に後者)、本作を語る上で外せない要素となった。
    • 具体的には、長い上に難易度高めで長丁場になりがち、さらにBGMが陰鬱*9と思わず心が折れそうになる要素がめじろ押し。
    • その分、クリアした時の達成感と開放感(BGMもダンジョン終盤で突入時のものに戻る)はひとしおであり、特にからくりタワー最上部でゴールドキーを取った時の演出は秀逸の一言。
    • ここまで書いておいて何だが、決してネガティブな話ではないので注意。
    • 尚、これらの後に行く「からくり温泉」も同等の規模を誇るダンジョンなのだが、こちらは終始明るく楽しげなロケーション*10で尚且つ陰鬱なBGMが存在しないことから、この2つほどは語り草にはなっていない。
  • また、今作にはコナミの名作シューティングゲームが収録されていない。その代わりなのか『沙羅曼蛇』のゴーレムをモチーフにしたボスが登場する。
    • BGMも「Poison of Snake」のアレンジが使用されている。
    • この事を受けてか、本作から約1年後に発売されたSFC『実況おしゃべりパロディウス』では、がんばれゴエモンシリーズをモチーフにしたステージ4のボスとして同じくゴーレムをモチーフにしている「ゴエモンコンパクト」が登場しており、パロディウス側のパロディ返しとも言うべき事例が発生した。
  • 今作でシリーズ初登場となるヤエのサブウェポン『ヤエバズーカ』は、『ゆき姫救出絵巻』の漫画版にてヤエが使っていたバズーカに由来する。
    • ただし今作のバズーカはロケット弾ではなく、圧縮した空気の塊を発射する空気砲という設定になっている。
  • 今作のゴエモンインパクトへの主な搭乗方法は、インパクトが自分の頭髪部を左右に開いてそこにゴエモン達を放り込むというものだが、これは映画「トータル・リコール」の有名な顔が割れるシーンのパロディではないかという指摘がある。
    • 前作でも同様に、アーノルド・シュワルツェネッガー主演の有名映画を露骨に元ネタにした部分があり、本作のタイトルBGMの「ダダン・ダンダ・ダン……」という重々しい曲調とリズムもそちらと同じ元ネタを意識したものではないかと言われている。
  • 本作発売時にキャンペーンが催され、抽選でグッズが配布された。
    • A賞はオリジナルテレホンカード、B賞は『ゆき姫救出絵巻』発売時に抽選配布されたOVA『次元城の悪夢』。
  • シリーズで初めてキャラにボイスがついた。
    • ただしメインキャラではなく大江戸ツーリストの受付嬢としてゲスト出演しているパステル(ツインビーシリーズ)と藤崎詩織(ときめきメモリアル)である。ボイスも「いらっしゃいませ」の一言のみ。(一応、本作でもヤエのみ被ダメージ時にボイス演出がついているが、合成音声である)
      • メインキャラ4人にボイスがつくのは次回作以降となる。
  • 今作中盤のイベントで登場する鬼六は次回作の『きらきら道中』以降ゲームオーバーの画面に登場するようになり、BGMもこの時のものがアレンジされつつ使われるようになった。
  • 今回のタイトルにも入ってる、敵の大ボス「獅子重禄兵衛」は本作の後、『宇宙海賊アコギング』にもゲスト出演する。改心した彼は非常に気の良い人物になっている様だ。
    • 一方その相方「ビスまる」はというと、『でろでろ道中』にてとんでもない騒ぎを引き起こすことになる。

最終更新:2022年01月18日 23:04

*1 基本的なゲーム仕様の他、遠くに引っ掛けて移動に利用できる武器、炎と氷の属性を併せ持つ敵、細かいところでは重要アイテムを手に入れた際のキャラのポーズなど、類似点は多い。

*2 十字キーとジャンプの組み合わせで進むため、1人プレイでは鼻小判の照準を動かす余地がないことによる

*3 後続のADV系列のゴエモン作品でもDS版『東海道中』を除いてミニゲームは存在していない。

*4 はぐれ町の北側には前作、前々作同様にアルバイト屋が存在するが、近頃は不景気らしく今回は仕事を紹介してもらえない。

*5 燃料が満タンであっても落とす上、うぉーかーに火炎放射が追加されるまでは燃料の使い道がない。

*6 さらに、それらのダンジョンのBGMはうぉーかー工場のBGMを少しいじっただけのものが使われており、手抜き・尻すぼみ感に拍車がかかっている

*7 ただし、後者については3枚一気に手に入ることに一応の理由が付けられており、さらに過去である手順を踏んでおくと楽にパスできるなど、イベントの内容に工夫は見られる。

*8 より強力な隠し技「スーパーボムラッシュ」も存在するが、こちらはコナミコマンドを使う裏技である。

*9 突入時のBGMは上述の通り評価は高いが、ダンジョンの内部に入ることでそれが別の陰鬱なものに変化する。しかも長丁場故にそれを延々聴かされ続ける…

*10 温泉であることを活かしたネタやギミックが多く、どちらかというと前作の城ステージの雰囲気に近い。