ボボボーボ・ボーボボ 爆闘ハジケ大戦

【ぼぼぼーぼぼーぼぼ ばくとうはじけたいせん】

ジャンル 聖鼻毛格闘(ボーボボかくとう)※公式サイトの表記
対応機種 ゲームボーイアドバンス
メディア 128MbitROMカートリッジ
発売元 ハドソン
開発元 六面堂
発売日 2004年9月9日
定価 4,800円(税抜)
レーティング CERO:全年齢対象
判定 クソゲー
バカゲー
ポイント 格ゲーとして完全に成立していない
原作愛はある
ボボボーボ・ボーボボシリーズリンク


概要

かつて週刊少年ジャンプで連載されていた人気ギャグ漫画『ボボボーボ・ボーボボ』のキャラクターを使った格闘アクション。


システム

  • 敵の体力をゼロにすると勝利、というごく普通の格闘ゲームである。
    • B、Aボタンで弱、強攻撃の使い分けが可能。
    • Rボタンでガード、Lでアイテム使用。
    • A+Bボタンでハジケ技。十字ボタン下と横の組み合わせで3種類ある。
      • 使えるハジケ技は装備しているカードで変更可能。好きなボタンに好きな技を装備できる。
    • 下→斜め下→横(いわゆる波動拳コマンド)+AorBで奥義。こちらもカードによって技が変わる。
      • 始動技ヒットで演出が始まり、大ダメージを与える。技ごとの違いは始動技の判定とヒット後の相手の状態(水平に吹っ飛んだり、垂直に打ち上がったりする)。

問題点

  • とにかく劣悪な操作性。
    • 本作はバラエティ格闘と言った趣で、ステージはスマブラに近い上下に大きく足場の広がった構造。
      • にもかかわらず普通の格ゲーと同じくジャンプが十字ボタン上なので、ジャンプ制御がやたらやりにくい。
      • 一応2段ジャンプもあるので、高さ自体はそれなりに出る。しかし一部のステージはそれでも上りにくかったり…。
      • また、ジャンプ中は横への移動力が異常に低く、爽快感が皆無。最終的なジャンプの高さも大したことがなく、その割に落下速度は妙に早い。結果、思ったような移動ができずにストレスが溜まる。
    • Lボタンでアイテムを使用する。しかしアイテムは全種類使い切りであり、対戦前にあらかじめ入手しておく必要があるのでもったいなくて使いにくい。
      • 一応、バトル中に拾ったカードがアイテムカードであれば即使用できるが…(ちなみにカテゴリは判別可能)。
    • 奥義が非常に出しにくい。全キャラ共通で格ゲーの伝統である波動拳コマンドなのだが、本作は「十字キーのコマンド入力が終わってからAorBボタンを入力」という仕様。同時押しだと発動しない上に、タイミングも少々シビア。
      • 所詮タイミングの問題なので、練習すれば思うように出せるようにはなる。しかし後述する理由もあって、ゲーム開始時ほど奥義の使用を躊躇しやすい。
      • にもかかわらずCPUは容赦なく使ってくる。使わないなら使わないで十分勝てる程度のバランスなのが救いだが…。
      • さらに奥義の使用には「ハジケポイント」というものを消費しなければならない。奥義1回分につき50ポイントが必要となる。バトル開始時に両者100ポイントずつ持っており、ダメージを食らうたびに5ポイント分のアイテムを落とし、これを拾えばポイントが貯まる。
      • しかし、このハジケポイントには戦闘後累計で加算されていき、カードの購入時に使用する通貨としての要素も存在している。つまり奥義を使えば使うほど戦闘後の評価が下がっていくという訳のわからない仕様となっているのだ。
      • 一応、楽して荒稼ぎしにくくしている(あるいは攻撃を受けず奥義もなしで勝てばボーナスがある)と考えれば分からないこともないが、ボボボーボ・ボーボボのキャラゲーとしてそのようなしょっぱい仕様でいいのだろうか。
    • 受け身がない。ダウンしたときの起き上がりモーションも妙にモッサリしている。
    • ガードしてもエフェクトはおろか、効果音すら変わらない。
    • 連続技を叩き込まれると、立ったまま気絶することがあるが、当たり判定がなくなる。なので、AIが相手だと(自分が気絶したら)目の前で棒立ちしたりする。
      • ギミックありステージだと気絶させた側のプレイヤーが不利になるケースも(例:ステージのギミックで気絶していない人だけダメージを受ける)
      • 一応、プレイヤーが気絶させた場合はその間に間合いを取ったり、「マジで!?」やカードを集めたりはできるが。
  • 滅茶苦茶な対戦バランス。
    • 一発の攻撃のダメージはほぼ一定だが、移動スピードやコンボ、技の性能の差で格差が大きい。
      • さらに相手を跳ね返すガード手段も無いため、壁ハメが非常に強い。
      • ステージのギミックが強いため、必然的にスピードのあるキャラが有利になる。
      • 壁や缶を攻撃すると飛び道具になる。しかもガード不可能なため避けるのも難しい。
  • キャラゲーという事を考慮しても中々に酷い、キャラの性能格差。
    • 強キャラはヘッポコ丸と田楽マン、そして隠しキャラの田ボ。
      • ヘッポコ丸はハジケ技の乱れ神無月が、隙の無いガード不能飛び道具3連続攻撃という何かを間違えたとしか思えない性能を有している。当然ながら遠距離戦では他キャラの追随を許さない。
      • 田楽マンはハジケ技の巨大田楽をほぼ隙無しで連発可能。なんとこれだけでコンボできてしまう。身体(当たり判定)が小さく、その上スピードもトップクラスとストーリーでのぞんざいな扱われ方に反して恵まれた性能を有している。
      • 田ボは相手を容易くグロッキーに追い込む連続攻撃と当身投げを完備、加えて此方もスピードはトップクラス。技の発動後の隙が大きめに設定されているという欠点こそあるが、カード購入用のハジケポイント稼ぎにはもってこいのキャラとなっている。
    • 弱キャラはところ天の助と、最も解禁の難しい隠しキャラ。ネタとして意図的に弱く調整された事が丸わかりな隠しキャラの方はともかく、天の助の方はちょっと擁護が難しい。
      • 移動スピードが全キャラ中最も遅く、ハジケ技の命枷殺は奥義級の超火力と引き換えに、使うと自傷ダメージを受けてしまう。残り体力が少なければ自傷ダメージのデメリットを踏み倒せる…訳もなく、普通に自傷ダメージで体力切れとなり敗北する。
      • オマケに初期状態で使用可能な奥義が使うと真後ろに突進するという前代未聞の攻撃判定。反対側にキー入力をすれば正面の相手にも問題なく当てられるとはいえ、初見では戸惑うこと請け合いである。
      • 弱攻撃に2回攻撃判定が存在しており、ハメで相手を簡単にグロッキーに追い込めるなど、見るべき長所が無い訳ではない。安定して勝つには独特な仕様を理解しておく必要がある、上級者向けのキャラ…とでも評しておけば聞こえはいいだろうか。
  • ステージの仕掛けは豊富なのだが、バラエティがあるというより、単純にいらつかせてくる
    • 特に「ボブスレーマウンテン」は凍っている地面で足場が悪い上、予告なしで高速ボブスレーが突っ込んでくるというバトルのテンポを削ぐ仕掛けがある。
    • 他に「マジで空間」は上下左右に自由自在に動ける特殊ステージなのだが、この構造のせいで他ステージに輪をかけて奥義が発動しない。また、こちらは予告ありだが極太レーザーが画面外から飛んできたりする。
  • カードを集めて各キャラクターの技やエクストラカラー、ボイスなどを増やせる。また一部のカードは前述の通りアイテムとして使える*1
    • …のだが3分の1ほどを、キャラクターの性能にもかかわらず、アイテムとしても使えない単なるコレクションカードが占めている。
      • 一応原作に登場している数多くのモブキャラクター達を知る事ができるので、キャラクター辞典としては使えるが…実はコレクションカードの内容は、ほぼ前作の使い回しとなっている。前作既プレイ者であれば、さほど目新しさを感じられないだろう。
      • なぜかラムネの髪の毛が緑になっていたり(前作では原作準拠で水色、今作ではアニメ準拠で緑)、カードに書かれているセリフが変わっていたりといった具合に、細かい変更点はあったりする。前作と同様にカードを揃えると裏のイラストが完成するが、こちらのイラストも前作から変わっている。
    • カードは店で購入する他、ステージ中でも拾える。ダブったカードは店で売却可能。
      • しかし、なぜか1種類売るたびに店のトップメニューに戻るため、大量売却にやたら手間がかかる。
    • 買い物時にカードの所持・未所持が表示されない。このため図鑑を埋めたくても、必要なカードかどうかが分かりにくい。特に「師匠の一品」というコーナーでは、ランダムに選ばれたカードを一枚ずつ売る形式なので不便。
    • カード収集率はセーブデータに表示されていて、分かりやすい。全400種。

評価点

  • キャラゲーとしての完成度は極めて高水準。
    • 本作のストーリーは「優勝するとなんでも願いを叶えてもらえる大会」が骨格になっている。
      • 各キャラクターはそれぞれ願いを持って大会に参加しているのだが、この願い事がとにかく支離滅裂
      • ボーボボは「おはぎを山ほど食わせろ!」、首領パッチは「俺の身長150メートル!」…といった具合に、原作のキャラクター像を大事にしつつオリジナリティのある内容になっている。
      • またソフトンの願い事を皆揃って阻止しようとするのだが、この理由が原作とアニメ版のデザインの違いに起因していたりしてなかなか面白い。
      • ちなみに大会の主催者はコイツである(一応ネタバレ注意)。
    • GBAのゲームとしては考えられないほど多いボイス量。
      • 一部アニメ版から変更されているものの大半のキャラクターの声優はアニメ版に準拠している。またカードの装備により対戦前や勝利時のボイスを違うものに差し替えたりもできる。
    • キャラクター数は隠しキャラも含めて14人とそこそこ多い。田楽マンなど非戦闘員に近いキャラも混じっている。 ただしビュティはプレイアブルキャラではない。
      • ちなみに最も解禁の難しい隠しキャラは誰が予想したか「毛狩り隊」である。どこぞのブロックの隊長とかそういうのではなく、正真正銘一山いくらでボーボボたちに一蹴される雑魚隊員である。
      • ただし、性能はものすごく弱い…というより玄人向け。まぁ原作再現と考えれば納得できるか。
    • 奥義ヒット時のイラストも非常に気合いが入っている。もちろんボイス付きである。
      • 田ボに至っては、隠し奥義としてだが本作オリジナルのコスプレ奥義まで用意されている。スタッフの病k…もとい、気合の入れようがうかがえる。
  • ミニゲームが9種類も用意されており、いずれの出来も良好。
    • 発売元であるハドソンの作品をオマージュした「ボボンバーマン」「THE ISAO」や、原作での意味不明っぷりが嘘のような比較的理解しやすいポーカーゲームとなった「キバハゲデュエル」、逆に原作ネタを忠実再現したのにクソゲーではなく遊び応えのあるミニゲームとして仕上がっている「ぬ献上ゲーム」など。
    • 所持ハジケポイントを賭けて遊べる「デスマネースロット」なんてものもある。本作唯一の、ゲーム進行上意味のあるミニゲームとなっている。
      • バトル中にカードを拾いまくり、手に入れたカードを売り払えばスロット大当たり分と同等のハジケポイントを稼げるので、結局は暇潰しの域を出ないが。
  • BGMもちゃんと聞きごたえのあるものが各キャラ毎に制作されている。キャラゲーではアニメのBGMなどの流用が多いが、今作でも1から作ってある。
    しかもキャラのテーマソングという位置づけのようで、ステージと会話シーンではアレンジが違うというこだわりよう*2
  • セーブデータにカード収集率や、はじめた時の名前が出る
    • たとえば400枚目を集める直前(399枚目)と400枚目でセーブを分けたり(ネタバレ 最後の一枚はショップで会話イベント後にもらうので直前で残したい人もいるだろう。また隠しキャラが解禁されるのでこの後のセーブも作りたい人もいると思われる )、兄弟でソフトを共有した時や、最初からやるためにデータを消したくなった時にセーブデータを間違えずに済む。
    • ちなみにスロットは3個もある。原作の父親が用意した冷蔵庫のプリンにちなんでいるわけではないようだが。
  • 意味不明なモード選択「つづきから」「はじめから」「おわりから」。
    • 最後のを選ぶと(嘘)スタッフロールが流れる。これも過去の『ボーボボ』ゲーム作品を元にしたネタである。

総評

格闘ゲームとの相性がよろしくないジンクスを抱えるGBAのゲームとして世に出された本作であったが、案の定と言うべきか純粋な対戦アクションとしての出来栄えは誇張抜きに最低クラスであった。
メチャクチャなバランス、使わせる気のない奥義、意地の悪いステージ…問題点は挙げようと思えばいくらでも挙げられる。
その一方で、キャラゲーの側面からは見るべき点が多く、原作の作風を考えるとバカゲーとしては意外と悪くなかったりする。
ダメな部分も含めて笑い飛ばせるだけの度量がある原作ファンならば、やってみる価値はあるだろう。



余談

  • CMは「かなりうるさい」の一言に尽きる。
    • 詳しくは動画をみればわかるかと思われる。
  • GCで発売された『ボボボーボ・ボーボボ 脱出!!ハジケ・ロワイヤル』との連動要素が存在している。
    • 本作側は『ハジケ・ロワイヤル』に登場するキャラのカード2枚と隠し奥義カード6種類を入手可能。これらのカードは本作単体でも入手は可能だが、入手条件がそこそこ面倒臭い。本作と『ハジケ・ロワイヤル』両方を持っているのであれば、さっさと連動させて入手してしまうのをお勧めしたい。
最終更新:2025年09月15日 06:28

*1 この機能のおかげで、原作カラーのソフトンも使える

*2 唯一例外として、メニュー画面のBGMはシリーズファンにはどこかで聞いたことのあるような曲である。それもそのはず、これだけはあえて第1作の通常戦闘BGMのアレンジとなっている。細かい…!