機動戦士ガンダムSEED 友と君と戦場で。
【きどうせんしがんだむしーど ともときみとここで】
ジャンル
|
アドベンチャー
|

|
対応機種
|
ゲームボーイアドバンス
|
発売元
|
バンダイ
|
開発元
|
ディンプス
|
発売日
|
2004年5月13日
|
定価
|
5,040円(税込)
|
判定
|
なし
|
ポイント
|
ゲームとしてはサクッと終わる オリジナルシナリオは好評 どうやっても助からないキャラ3名(ある意味原作準拠だが)
|
ガンダムゲームリンク
|
概要
テレビアニメ『機動戦士ガンダムSEED』を題材とした作品。ガンダムゲームでは珍しいアドベンチャーゲーム。
原作アニメを再現したストーリーの中でプレイヤーがキラを動かし、様々なシナリオを発生させる事が出来る。原作にはないif展開のシナリオもある。
特徴
-
基本的な流れは以下の通り。
-
アドベンチャーパートでは、アークエンジェルの中を移動してイベントを発生させる。
-
イベント終了後はバトルパートに移行。クリアして次のステージへ。
-
流れとしては割と単調ではあるが、イベントはそこそこ豊富のため周回プレイでも割と飽きない。
-
バトルパート
-
見下ろし視点のフィールドで自機を動かし、Aボタンでロックオンマーカーを飛ばし、敵にマーカーが接触しロックオン状態となった場合にBボタンを押す事で攻撃できる。
-
攻撃を実行すると戦闘カットインが入り命中・ダメージ判定が行われる。
スパロボと違い自動反撃は無い。
-
複数の敵をロックオンし同時に攻撃することも出来る。エネルギー消費は攻撃1回分で済む。
-
支援機がいる場合は支援攻撃も可能。
-
敵側もこちらをロックオンして攻撃してくるので、ダッシュ移動で振り切ったり、先に攻撃を仕掛けて中断させる必要がある。
-
Lボタンで武器変更、Rボタンでダッシュ。
-
ロックオンマーカーは武器の種類ごとに異なる種類が用意されている。
ほとんどの場合は、自機の周辺を回る円状の軌道を描く。サーベルなどの格闘武器は射程(円の半径)が短く、ライフルなどは長め。マップの果てまでマーカーを一直線に飛ばすというものもある。
-
スペシャルモード
-
条件を満たすとメニュー画面に追加される隠しモード。
-
キラ以外のキャラクターでバトルパートをプレイ出来るモード。ちなみにスコアなどは用意されていないため、慣れると少し退屈に感じるかもしれない。
-
ストライク、フリーダム以外の機体はこのモードでしか使用できない。アークエンジェルが敵に回る展開もこのモードのみ。
-
全体的に難易度が高い、というより撃破目標の耐久力が高いため長丁場になりやすい。
評価点
-
ダイジェスト気味ながら、SEED全編のストーリーを収録している。
-
イベントの原作再現度も高く「あんなに一緒だったのに」「暁の車」「Meteor -ミーティア-」といった挿入歌やアイキャッチや「GUNDAM出撃」「悪の三兵器」といった数多くの劇中BGMも収録しており、イベントで流れる。
-
オリジナルシナリオ
-
本作の最大の売り。宣伝などでは「SEED初のifストーリー」との触れ込みだが『ギレンの野望』のようなifというよりは、物語の大筋に影響を与えない程度のドラマCDなどのサイドストーリーに近い形。発生させておくとサポートメンバーが増えたり搭乗機が変わったりする。
-
一例を挙げると以下の通り。
-
アークエンジェルがアルテミスに寄港せずに話が進む。
-
ミリアリアがシチューを作ってくれる。
-
アスランがラクスを救出するためアークエンジェルに乗り込んでくる。
-
オーブ寄港時、トリィを追わず、アスランと会わずに話が進む。
-
エリカからテストを依頼され、ムウがスカイグラスパーからM1アストレイに乗り換える。
-
エリカの思い付きでガンバレルストライカーが完成、ムウのエール、ランチャーストライクがガンバレルストライクに変わる。
-
ノイマン(アークエンジェルの操舵者)がナタルに告白する。
-
カガリとバルトフェルドのケバブ論争第2ラウンド勃発。
-
イベントによっては専用のイベントスチルが用意されている。アニメと同様のカットで作られており雰囲気も相応。出現させたイベントスチルはクリア後に閲覧できる。
-
中断セーブが可能
-
アドベンチャーパートは3つまで、バトルパートは1つだけセーブできる。
-
これを利用して選択肢でセーブし、全ての選択肢を見てから進められる。また、お気に入りのイベントが起きるステージでセーブしておき何度でも遊び直せる。
-
グラフィックの質が良く、各キャラクターの立ち絵の出来も良い。
-
戦闘シーンでは原作のバンクを再現したアニメが流れる。短いアニメではあるが、原作の特徴ある動きをしっかり再現しておりクオリティは高い。スキップも可能。
-
隠しサポートユニットも存在し、条件を満たせばガンバレルストライクが使えたり、外伝「ASTRAY」シリーズからレッドフレームとブルーフレーム(1ステージのみのゲスト参戦)2周目ではミゲル専用ジン(敵専用)なども登場する。
-
サポートユニットが多い
-
バトルパートに臨む際、随伴機としてサポートユニットを選択するのだが、本編で仲間になる主なパイロットが全員登場。ストーリー進行によって増減はするものの最大で8人の中から選べる。
-
ムウ(表記はフラガ)、カガリ、アサギ、マユラ、ジュリ、アスラン、ディアッカ、ロウ、劾の9人が登場。ロウと劾は隠しキャラで、イベントを発生させればその1ステージだけ加入してくれる。
-
特にムウは序盤からラストまで活躍してくれる唯一のキャラで、搭乗機も6種類ある。うち2つはイベントを発生させる必要がある隠し機体となっている。
-
もっとも、アスランのジャスティスが加入した後は他の機体を使う意義がほぼ無くなってしまう。他のユニットと違い、ジャスティスにはエネルギー自動回復があるため継戦能力が高い。
問題点
-
if展開こそあれど全体的な大筋はアニメ本編と同様であり、死亡展開はほぼ覆せない。
-
助けられるのはムウとナタルのみ。
-
とはいえ、ムウは原作のスペシャルエディションで死亡描写の一部がカットされたり、続編で生還したりもしているが。
-
原作ヒロインの一人であるフレイや、キラとアスランの確執の原因でもあるニコルやトールは生存させることは不可能。
-
一応、トールにはキラ、サイ、ミリアリアが追悼会を開くという専用イベントが存在する。
-
登場メカや武装が少ないため、原作再現ができていないところがある。
-
ザフトはジンとバクゥ、連合はストライクダガーのみ(核装備メビウスも登場するが攻撃アニメは無い)
-
通常時のストライクやデュエルが登場しないため、初陣でいきなりエールストライク。コロニー内でバンバンライフルを撃ちまくることになる。デュエルはイザークが傷を負う前からアサルトシュラウド装備。
-
ストライクのアーマーシュナイダー(ナイフ)も無いので、イベント戦ではビームサーベルを使っている。
-
本編のプレイヤー機であるストライクとフリーダムはまだ良いのだが、スペシャルモードで使える機体はジャスティスを除き1種類しか武装がない。
-
砂漠からオーブまでの間で起きた水中戦に至ってはシナリオごと省略されている。このためバズーカ装備のストライクや、マルコ・モラシムとゾノ、グーンもいない。
-
シグーのグラフィックは存在しているがクルーゼが搭乗せず、敵としても出現しない。出番はアラスカのサイクロプスに巻き込まれて爆発するシーンのみ。
-
フリーダムの射撃兵装を一斉射する攻撃は何故か「フルバースト」ではなく「オールレンジ」と表記される(本来こちらはガンバレルやドラグーンなどの遠隔武装に用いられる呼び方)。
-
SEED本編放送開始初期から開発されてたGジェネアドバンスでは「全弾発射」となっていたので開発段階では設定が定まってなかったのかもしれない。
-
地球軍の艦艇はアークエンジェル級とアガメムノン級、ザフトの艦艇はナスカ級しか登場しない。ドレイク級やローラシア級は出てこない。
-
このためアガメムノン級がモブ艦艇役となり、大量に出てくる。原作では艦隊に1、2隻程度しか配備されない大型戦艦なのだが…。
-
隠しサポートユニットとして「ASTRAY」シリーズからロウのレッドフレームと劾のブルーフレームが参戦するのだが、時系列を考えると辻褄が合わない。
-
レッドフレームは問題ないのだが、ブルーフレームは本来この時点でセカンドに強化されているはずなのだが、今作ではノーマル。もっとも、オマケ要素であるためあれこれツッコミを入れるだけ野暮ではあるのだが…
-
また、オーブ近海で負傷したキラをマルキオ導師の元に送り届けたのはロウなのだが、残念ながらこれについても言及されない。
-
サウンドテストが無い。せっかく名曲ぞろいなのにゆっくりと聞く事が出来ない。ジンやストライクダガーといった雑魚機体にまで専用の攻撃曲を用意しているだけあって、本当に惜しい。
-
BGMが流れるのは戦闘アニメが流れている時のみ。自機やサポートユニットの曲はマルチロックやサポートアタックで気持ち長めに聴けるが、すぐに終わってしまう敵BGMはどうしようもない。
-
どうしても聴きたい場合は、ソフトリセットをかける際にボタンを離さず、ゲーム画面を強引に止めて聴くという方法がある。ただし正規の方法ではないためセーブデータの安全は保証できない。
総評
ゲーム自体は短めで10時間にも満たないボリュームだが、オリジナルシナリオはそこそこ出来が良く、ファンは十分満足な出来であると言える。
一周するだけでは全てのCGやイベントを見られないので、周回意欲を掻き立てられる。
備考
-
ゲーム作品で唯一、ガンバレルストライクが登場する作品。条件を満たすことで本編・スペシャルモードで使える(本編では支援機として)。
-
MSV版は地球連合が開発したものだが、本作ではムウのボヤキからヒントを得たオーブのエリカ・シモンズの思いつきで出来たという代物である。
-
長年『GGENERATION』シリーズなどにも登場せず、立体化もごく一部にとどまるという扱いだったが、『ガンダムブレイカー4』に独自デザイン込みでの参戦が確定した。
-
月刊ガンダムエースにて本作の漫画版が短期連載され、当初はコミックス化の予定もあったが、諸事情でコミックス化は流れてしまった様子。
最終更新:2024年03月10日 18:21