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Summer Days

【さまーでいず】

ジャンル フルアニメーションADV

対応機種 Windows 98SE/Me/XP/Vista
発売・開発元 Overflow
発売日 2006年6月23日(初回版)
定価 8,925円(リニューアル版)
レーティング アダルトゲーム
判定 なし
ポイント 前代未聞のギガパッチ
ソフ倫から違反勧告を受け一時回収騒ぎに
前作のような修羅場はほとんどなし
シナリオは前作ほど人を選ばなくなり、更に高評価
備考 2006年10月27日にリニューアル版発売
2008年4月11日にアイチェリーよりDVDプレイヤーズゲーム版が発売。5985円
2012年4月27日に本作リメイク版『Shiny Days』が発売。9975円
Daysシリーズリンク


概要

あの『School Days』から1年後に発売された外伝作品。前作でも人気のあったサブキャラ・清浦刹那(きようら せつな)がヒロインとなり、彼女と誠の淡い恋心から始まるひと夏の物語をテンポ良く描いている。

この変更に伴い本作は「誠と世界と言葉の三角関係が発生しなかったら」という前提で進み、前作のIFに当たる物語となっている。そのため誠は言葉のことをあまり知らないし、世界も誠とはそこまで親しくない。
また、前作の特徴かつ賛否両論点であった、メロドラマもかくやという程のドロドロとした人間模様や阿鼻叫喚の殺傷沙汰のバッドエンドなどは鳴りを潜めており、雰囲気は全編通して明るい。

ゲーム中のアニメーションも順当にクオリティアップを果たしており、ミニゲームに、前作の最大級のバッドエンドで多くの人に知られる「鮮血の結末」のパロディゲーム、「アホ毛バトル」も収録されている。

作風のいい意味での変化により前作の作風が苦手だった人からも高い評価を獲得することに成功したが、相変わらずのバグの多さと企業態度のまずさが作品そのものの評価を下げてしまった。


評価点

作風の変化

  • 前述の通り、本作にはドロドロした修羅場や血生臭い殺傷沙汰やの類はない。
    • 前作の作風を受けいられていた人にとっては賛否あるが、どろどろした作風が苦手な人にとっては、安心して楽しめる。

一部の登場人物のキャラクター性が良い方向で変化した

  • 主人公の「伊藤誠(いとう まこと)」は、前作から比べるとまともな場面が増えている。
    • 途中でヘタれたり、優柔不断だったりといった面は見せるものの、前作でもあった妹想いな兄としての面は序盤から終盤まで見られるし、神輿の修理を頼まれたときは真面目に取り組むという意外な一面も見られる。本作で「誠を見直した」というプレイヤーは多い。
    • …とはいえ、年端もない幼女に手を出そうとするといった、性欲の突発的な暴走などはあまり変わっていない。
      • おまけに新キャラとして登場した後輩達にも結構モテている上に、果ては前作ヒロインの母親キャラを攻略するルートまで存在するためか、やっかみ、嫉妬の意味での「誠氏ね」は今作でも聞かれた。
  • ヒロインの「清浦刹那(きようら せつな)」は、元々前作でもかなりまともな人間であった事などもありファンからも人気が高く、また本作は彼女と誠の恋物語がメインなのもあって、中盤からは誠とイチャついたり、また真面目なシーンでは人見知りの激しかった彼女がそれを克服して、接客業に真摯に取り組んだりと、見せ場はたくさんある。
    • 誠の浮気性に激怒し、母親と親子で誠を監禁して調教しようとするというエンディングもあったりするが、前作のように陰惨なものではなく、どちらかと言えばギャグに近い描写である。
  • そして前作のヒロインである「桂言葉(かつら ことのは)」は本作ではサブヒロインに降格したものの、前作の陰湿極まりないいじめの場面は一切なく、妹の心(こころ 前述の幼女)が誠の毒牙にかかりそうになったときはゴルフクラブで誠を殴ってまで止めると、かなり行動的な場面も。
    また待遇もサブヒロインとしては非常に良い扱いで、とあるルートでは、刹那が海外へ行ってしまって寂しくなった誠に押し倒されたとき、自分が誠が好きだという想いを押し殺してまで、刹那のために誠に怒り、説教をし、なおかつ誠の背中を押すという、友人想いのシーンもある。最終的には、刹那とは「ことぴー」「せっちゃん」と呼び合うほどの親友となる。
    • また彼女のエンディングもちゃんと存在する上に、数もそれなりに多い。
    • これらの扱いはごとうじゅんじ氏が尽力したのも大きい。本来なら、後述する世界と大差ない扱いだった模様……と言うか、ある意味世界以上に酷い扱いだった。
  • 前作で言葉いじめの首謀者の一人である「加藤乙女(かとう おとめ)」は、本作ではそういった陰湿さは鳴りを潜め、一途に誠を想うキャラとして描かれた。
    • 『Valentine Days』の影響もあってか本作で見直したという人も多く、また新キャラである妹の「可憐(かれん)」も登場し、姉妹での掛け合いが好評な事もあってこちらも一定の人気を得ている。

問題点

一部のキャラクターの扱い
一部の主要キャラクターは上述の通り、劇中での扱いや待遇が改善されたことで評価を受けているが、一部、扱いに賛否や難のあるキャラクターも存在する。

  • 中でも待遇が完全に悪くなったのが、前作のヒロインであった「西園寺世界(さいおんじ せかい)」。
    • まず、物語の序盤に刹那は世界がおたふく風邪に掛かったため、人と接するのが苦手なのに接客業のアルバイトの代行をする事になったのだが(これが原因で誠と親しくなるのが皮肉である)、実はそのおたふく風邪は途中で治っているのに仮病を使い、刹那に長期間アルバイトを押し付けている。
      しかも刹那やアルバイト仲間が見舞いに来ると風邪を引いたフリをしているのだが、いない時には平然と外を出歩き、遊んでいる始末である(誠がそれを目撃している)。
      更には誠がそのアルバイト先に最近よく来ている、という話を聞くと急に風邪は治ったからと言って復帰する。そしてそのよく来ている理由が、実は刹那と誠が交際しているからだと知ると勝手にショックを受けて泣き出し、それを伝えなかった事を謝る刹那を一方的に拒絶し、家に引き籠る(刹那は謝っているが、このシーンまで世界が誠を好きだという事実は知らなかったため、刹那には何の非もない)。
      • これらは前作でも一部あった世界の悪い面であったが、本作ではそれが更に強調されたのである。
    • また、本作に前作のようなド級の修羅場がない事も、「世界が前作の序盤ででしゃばったのが原因だったのではないか」と考える人も多い(事実、刹那は言葉と親友になっているし、どちらも互いを思いやっている)。
    • トドメとばかりに、本作では彼女のエンディングは存在しない。世界と誠が両想いになるような展開はあるのだが、それは世界ルートと見せ掛けて世界の母とのエンディングになる。内容自体も、親友である刹那がいなくなったうちに誠を寝取ろうとするというもの。
      • 以上の、その自分勝手にもほどがある言動から、猛烈にアンチを生み出す事になった。誠は先述通り見直したという人がいる一方で、彼女に関しては「幻滅した」というファンも多い。
        加えて、追い討ちを掛けるかのように『Cross Days』(以下クロイズ)ではヒロインだったという記述がなくなってしまった
        前作の修羅場を作り出した諸悪の根源である事を考えれば、こうした扱いも当然のことと思えるが、乙女のように性格描写が改められたことで見直されたキャラもいるだけに、さすがに冷遇が露骨過ぎる感もある。
    • 世界が評価を地に落とした一方で、その母である「西園寺踊子(さいおんじ ようこ)」は、一児の母とは思えないほど(実際かなり若いのだが)可愛い言動や積極性を見せており、多くのファンを獲得している。
    • 待遇悪化や後年のOVA『Valentine Days』の影響もあり、相対的に、世界よりもその母親の人気の方が高くなったという、何とも言えない事態が起こってしまった。
  • 新キャラの「山県愛(やまがた あい)」の扱いについても少々問題がある。
    • 彼女は前作の時点で存在が示唆されており、なおかつ過去に誠と付き合う寸前まで行った(ただしとある事情により白紙に)という設定があるのだが、何と攻略ルートどころかアダルトシーンすら存在しないという、ありえないほどの冷遇を受けている。
      • と言うのも、実は言葉と心の出番を増やした結果、彼女のシナリオにまで手が回らなかったらしい。
        出番の増えた言葉と心は人気キャラとしての地位を不動のものにするが、彼女は逆に不遇キャラとしての地位を不動のものにしてしまった。
    • ちなみに当初は「言葉との人気は二分する!?」とも言われていたらしいのだが、言葉がOverflowを代表する人気キャラになったのと対照的に、彼女は専ら不遇のネタキャラという扱いである。クロイズでは攻略ルートも作られたのだが…。
    • 余談だがこの山県愛、09年のエイプリルフールネタである『Kotonohasama Days』ではコトノハサマにぶん殴られている。エイプリルフールネタであるためギャグ全開のものなのだが、こういった損な役割なのは彼女とレイパーこと泰介だけであった(もっとも、泰介に関しては完璧な自業自得なのだが)。
  • 乙女が人気を得た一方で、同じく言葉いじめの首謀者である「甘露寺七海(かんろじ ななみ)」は存在自体が抹消された
    • 乙女と違って彼女は世界と親しい事や、本作を明るめな作品にした事なども影響しているようである。公式でも出番なしのは散々ネタにされており、とある雑誌ではキャラが紹介されているのに「本作には登場しない模様」と書かれた始末である。
    • 同じく存在が抹消されたのは、ユーザーからレイパーという蔑称を付けられた「澤永泰介(さわなが たいすけ)」。やはり前作での所業が原因なのだろう。
    • もっとも、今作では誠が泰介のそれと大差ない事をやってしまう場合もあるのだが、それでも泰介のように総スカンを食らわない辺り、ある意味愛されているキャラと言える。

ゲーム以前の問題点

やはりというか、前作も大量のパッチが配布されていたのだが、今作でも大量のバグが見つかり、それに伴い何度もパッチが出されることになった。特に今回のパッチの容量の大きさは凄まじく、あろうことかギガバイトサイズのパッチも配布される始末であった。

  • どれほどすごいのかを一言で言えば、パッチ容量だけでもう一つゲームが作れてしまうほど。
    • 当然ながら大量のプレイヤーがダウンロードするために、公式のサーバーは非常に重い状態で、しかもギガバイトというサイズであるためにロクにダウンロードすることすらできない状態であった。
      当然のようにサーバーがダウンしたため、BitTorrentを用いてパッチを配布するなどの対策を取ることになった。
    • しかも更新するたびにセーブデータフォルダが別個に作られたり(Ver1.03)無限ループが起きる(Ver1.04。後に公開中止)という不具合が起き、Ver1.06ではインストール先のフルパスに2バイト文字を含むとパッチが当てられないなど、悪循環に陥っており、混乱が続いた。
    • それに追い討ちをかけるかのように、2006年7月7日には、モザイク処理の不備によってソフ倫の審査基準に違反するとされ、ソフトの自主回収が行われる羽目になった。それでも完全にバグが修正されることはなく、結局2006年7月23日のVer.1.09を最後に配布は停止された。
  • その後、同年10月18日より修正版ディスクを購入者宛に発送することが、公式サイトにて発表された。
    • さらに10月27日にはリニューアル版(中身は修正版と同じ)が発売され、10月30日に環境による不具合を解消した最終パッチであるVer2.01が配布され、これによってようやくプレイヤーの混乱は収まることになった。
      • しかしそれでも細かいバグがまだ残っている状態である。
  • 本作は期待感も高い作品であったのだが、結局これらの件でファンからは顰蹙を買ってしまった。

総評

本作には前作のような殺傷沙汰のバッドエンド、それ以前の陰惨な人間模様などは本作ではほとんど鳴りを潜めており、そのため前作に拒否反応を抱いたプレイヤーからも一定の支持を受けることになった。
最低の主人公と酷評された誠のまともな姿が描かれる場面が多かったり、刹那や言葉の友情といったシーンも多くあるため、陰惨かつ酷薄な描写のキツさによって多大な賛否を分けた前作と一転、明るい作風に転換した本作は高い評価を得ている。
一方で、毒気が完全に薄れてしまったことを惜しむ声があるのも事実ではある。(修羅場が待っていることがほぼ確実なEDもある事はあるのだが。)
また、前作での所業ゆえに批判が高かった西園寺世界の扱いについても、あからさまな冷遇振りが却って彼女の負の面ばかり強調する結果となっているため、少なからずいる彼女のファンにとっては不満が残ってしまう点は否めないところ。

作品の雰囲気そのものが前作と大きく変わった事もあり、内容そのものをみれば取り立てて問題といえるような箇所はないとはいえる。
とりあえず、本シリーズにはじめて触れる人や、前作のメロドラマ的などろどろした作風が苦手な人にはオススメできるといって差し支えはないだろう。

しかしながら、先述のような度重なるパッチの配布、配布しても一向に改善されない状態、あろうことかギガバイトサイズのパッチ、自主回収騒ぎなど、作品そのものの根本的な質や企業対応の点で大きな問題があるといわざるを得ず、純粋に評価されたとは言い難い結果に落ち着いてしまった。



その後の展開

  • 本作のバグの原因の1つは「出荷直前のマスターデータに古いデータが混在」という、あまりにお粗末なものである。
    • このバグは後のクロイズでも繰り返されており、本当に学習、反省したのか疑わしいところがある。
  • 現在本作のリメイク版である『Shiny Days』が発売されている。
    • 当初は2011年11月25日発売予定であったが、例によって2012年4月27日に延期になった。
    • ヒロインに「足利いのり」を追加している。
    • 上記のバグ発生の要因について同社代表の大沼明夫(メイザーズぬまきち)はサイゾーのインタビューにて、当時の社内状況の悪化(創業時からのメインスタッフが退社、その後でプログラム作業を仕切っていた社員が宗教活動にハマり仕事を放棄*1しデバッグが不十分となった)をあげている。