大航海時代III Costa del sol

【だいこうかいじだいすりー こすた でる そる】

ジャンル シミュレーションゲーム(リコエイションゲーム)
対応機種 Windows95
Macintosh
発売・開発元 光栄
発売日 【Win】1996年11月29日
【Mac】1997年3月23日
定価 9,800円(税別)
廉価版 【Win】コーエー定番シリーズ:2003年5月16日/1,980円(税別)
判定 なし
ポイント 大航海時代の厳しさを再現したシステム
歴史の負の部分も再現
ハマればハマる
備考 【Win】廉価版は98・Me・2000に対応
大航海時代シリーズリンク


概要

  • リコエイションゲーム『大航海時代』シリーズの第3弾。
  • プレイヤーは1480年から始まる大航海時代の歴史の中で航海者として発見を成し遂げていくと言う流れ。
    • 最初はスポンサー(出資者)にプレゼンしないと船も貸してもらえないが、資金を貯めて自分の船を買ったらある程度自由に航海できる。

特徴

  • 光栄の歴史ゲーム史上最大規模。冒険を主軸とした構成。
    • なんと内陸を含めた世界中の都市(総数200)に行ける。
    • また陸上探検が出来る関係でシリーズ中唯一陸戦の要素がある。後述する都市攻略の他、ランダムで原住民や異教徒や山賊に襲われる。
    • 敵側の兵科がやたらと国際色に富んでおり、オーソドックスな騎兵、弓兵、槍兵の他にラクダ兵や象兵、さらには空蝉の術を使う透破やら雨を降らせて銃砲を封じる呪術師やらがいる。
    • ただし都市攻略や陸戦をやると悪名が上がる。特に条約相手国の都市(下記)を占領するとお尋ね者にされる危険がある。
  • オリジナル主人公を作成できる。若いほど知力が低いが武力が高く、壮年であるほど体力に不安が残るが初期スキルを多くつけられる傾向にある。
    • また、1494年に史実通りイスパニア(スペイン)・ポルトガル間の相互不干渉条約(トルデシリャス条約)が締結され、例えばイスパニア人がポルトガルの港に入れなくなるため、国籍も割と重要である。
    • その点で新大陸を巡る時にポルトガル国籍だと苦労させられる。逆にイスパニア国籍ではアフリカ・インド方面での探索で苦労する。
    • 国籍はセーブ・ロードにも関わってくる。自宅か自国領の宿屋でしかセーブできないため、数年がかりの新大陸探検の最中に死亡してまたリスボンから、なんてことはザラ。中断セーブはどこでもできるが、一度ロードするとセーブデータが消えてしまう。
      • 通常のセーブデータと中断データの違いは拡張子のみなので、その部分を変えてしまえば何度でもロードできる。
  • 本作の特徴的な面として、北極・南極に近づきすぎると問答無用でゲームオーバーとなる。大航海時代の装備でこれらの地を踏破しようとするのは無謀である、ということなのだろう。
    • ちなみに北極点初到達が1909年4月6日、南極点初到達が1911年12月14日である。本作の舞台から400年以上経ったこの時代でさえ、前者は到達者のピアリーは北極探検の際に凍傷で足指をほとんど失い、後者も南極点初到達を果たしたアムンセン隊より34日遅れて南極点に到達したスコット隊が帰途猛吹雪に見舞われ全員凍死するという困難を伴うものであった。
  • 書物から冒険のヒントを探し当て、そのネタが好きそうなスポンサーにプレゼンし、見事証拠品を持ち帰って報酬を得つつ名声を高め…の繰り返しになる。
    • そのヒントを得るためには、本の言語を完全に理解できる言語スキルと本の内容を理解できる技術スキルが必要。しかも自力でスキルを身につけようとするとかなり時間がかかる。
      例えば全く新しいスキルを完全に物にするためには、ゲーム内で2年前後も必要になる。
    • 航海士を雇って自分のスキル不足を補う手もあるが、ある程度の名声がないとバカにされるだけなので、初期スキルが貧弱だと詰みになりかねない。
    • その航海士も4人しか雇えず、契約中の解雇も出来ないので人材の管理には苦労する。
    • 特にウイグル語やインド以東の言語を覚えている人材は貴重。これらの言語を覚えている人材は、たいていその他複数の言語を覚えているので、旅先でそう言った人物に会うことを考慮して、3人で航海することもざらである。
      • また後半になればなるほど有能な航海士の数も減ってくるので人材不足が悩みの種になりやすい。
  • ある程度力をつけて自分の船を持てるようになれば、契約を経ずに冒険して手に入れ、母港で発表した証拠品を自分の懐に入れたり、市で売りさばいたり出来る。中には普通に契約した時の10倍以上の値で売れる発見物もあるが、代わりにスポンサーのお墨付きがないせいか名声はあまり上がらない。
  • 初心者向けキャラクターだと若く、最初からそこそこスキルを持ちつつ副官もいるため、割と快適に進められる。ただスキルの器用貧乏さは否めない。
  • 歴史上の航海者に先んじてプレイヤーキャラクターが新大陸を発見したりインド航路を発見できたりもできる。
    • 一応のエンディングはマガリャネス(正確にはその部下エルカーノ)より先に世界一周航路を発見することで発生する。
  • 「奴隷」が交易品になっていたり(プレイヤーキャラクターが交易品として発見することも可能。さすがに後期バージョン(1.2)では削除されている)、自分の手でアステカ王国・インカ帝国を滅ぼすことも可能だったりと大航海時代の負の側面まで忠実に再現されている。
    • アステカ、インカを自分の手で滅ぼすためにはコルテス、ピサロよりも先に発見しなければならない。また両方とも征服するためには少々複雑な手順が必要となる。
      • またプレイヤーがアステカを滅ぼさず「発見」し、報告するまでの間にコルテスが「征服」を報告した場合、アステカの王都(テノチティトラン)と本来入れ替わるはずの植民市(メシコ)とが並立するバグあり。狙ってやらないと起こらないが。
  • 実在しないはずのクラーケンやシーサーペントなどの怪物と海戦できる。さすがにかなり手強い。
    • 特にえげつないのがマンタである。出現ポイントが沖縄近海で、おそらく多くのプレイヤーが日本を目指して移動中に遭遇したことだろう。
  • 前作にあった中立都市の概念はなく基本的に全ての都市が大小問わず何らかの勢力に帰属している。
    • またオスマン帝国領やその他イスラム教国の都市(中近東・アフリカに多い)、海禁策を取る明の都市には陸から攻め込んで守備隊を撃破し、自国の領土にすることも可能だったりする。その気になればトルデシリャス条約の相手国ですらも。
    • 忍び込むorワイロという手もあるが、前者はゲームオーバーor財産没収の危険がある上に明相手には使えず、後者は失敗しても安全だがいちいち小銭を払わなければならない。
    • 総督府や大使館のある街はすぐに必ず奪い返されるが、短期間だがセーブすることは可能になる。
  • 酒場女を口説いて結婚し、その後自宅で子供を作るシーンもあったりする。その時の成否判定の絵が大砲というのは元エロゲメーカーらしいネタ。
    • son of a gunの語源とかけたジョークか。
    • 跡継ぎとなる男の子は10歳から父親のスキルを教えることができ、18歳で父親の後を継いで航海者としての一歩を踏み出すことができる。
      • 但し上記の通り若いとスキルが多く付けられない。ある程度待ってから継がせても良い。
    • 女の子の場合は、成長して16歳以上になると嫁に行く。結婚は許さん!と反対することもできるのだが…。

評価点

  • 自由度の高さ。これに尽きる。普通に冒険してもよし、交易で財産を築くのもよし、武力で世界征服を目指すもよし。
    • 一応冒険が主軸ではある。発見物も非常に豊富で、遺跡や宝物、動植物、厳しい条件をクリアすればなんとムー大陸まで発見することが出来る。
  • 史実の再現性。重要なイベントなどが起こり、歴史上の人物も登場する。後の『IV』には無い要素である。
    • 最初のうちは無かった町などが時代が進むとともに発展していく・国王が代替わりするなど、時間の経過を反映している。
    • 歴史上の航海者を闇討ちすることで負傷させ、歴史的なイベントの発生を遅らせることができる。
      • 例えば1492年にはコロン(コロンブス)が新大陸に到達するが、襲撃して負傷している間に自分が到達することが可能。
    • 史実の登場人物だけでなく、初代『大航海時代』と『II』の主人公達も登場する(彼らが活躍するのは1550年代以降なので数十年の時間を経過させる必要がある)。
  • 船の種類・カスタムの自由度もなかなかのもの。前作と比べ種類が大幅に減っているが、どの船でも改造次第でほぼ最後まで使っていける。海戦の仕様は少々難しいが、慣れれば腕に自信がある人なら海賊退治で食べていけるだろう。
  • もちろん、ミニイベントも存在する。酒場女に横恋慕している男に一騎打ちを挑まれたり、魔女の疑いを掛けられた娘を助けてくれと頼まれたり、はたまた誘拐された姫を救出したり…と固定イベントではあるが職業・国籍によって様々である。
  • 発見の証拠品となるアイテムのコレクションが可能。ごく一部のアイテム以外取っておいても役に立つことはない自己満足要素ながら、博物館気分を味わえる。
    • いわゆる書物の類を保管していると、留守中に妻が内容を書き写して販売して「大もうけよ」とか。
    • 発見物には白熊とかワニなどがいる。自宅で保管して動物園気分を味わうのもまた良し。

賛否両論点

  • すぐに寿命を迎える
    • 港への出入りや積み荷の積載、スキルの修得などに月単位の時間がかかる。このためキャラクターはすぐに歳をとり、余程ゲームに慣れ綿密な計画を立てねば一世代で目的を達するのは困難であろう。
    • 例えばちょっとした小遣い稼ぎにちょっと交易、と言うのは本作「III」では難しい。時間経過をペイするためには相応に大規模な交易でなければならない。
    • もっとも、息子への世代交代が前提のゲームバランスだと光栄が言うのであれば、それはそれで、そういうゲームである。だがこの点については好き嫌いが分かれそうであり、自由度がやや低いと取れなくもない。

問題点

  • バグが多い。
    • 例としてはアラブ海賊を撃破した直後にゲームが強制終了される、ムービーをスキップしようとするとフリーズなど。後期ロット以降ではこれらの遭遇確率は低く、Windows 98上でフリーズが起こるバグが改善されている。
    • 修正パッチは存在するが、コーエーのユーザーサポートに連絡するとバージョンを1.0から1.2にするパッチの入ったフロッピーディスクが郵送されてくるという配布手段だった(2017年現在も送付しているかは不明)。
      • 廉価版はこの修正パッチVer。一部プログラムが作り直されており、Windows 2000などのNT系にも対応するようになった。XPでの起動は保証対象外だが、互換モードを使った方法がスタートアップマニュアルに記載されている。
    • ただし修正バージョンは最初の主人公が全てのスポンサーと面識有りの状態になっている(ただし名声がないと門前払いの為、結局ゲーム進行は変わらない)、史実の発見者を負傷させても遅れが反映されず史実通りに発見・発表される等、新たなバグが発生している。
  • 前作と比べゲームシステムが大幅に変わりレイアウト等もシンプルになった事、他国の征服や奴隷の存在などの負の側面の再現が仇となったか、唯一シリーズでコンシューマー移植されていない。その為次に発売されたのは『II』のシステムを流用した『外伝』、その後『IV』がコンシューマーにそのままナンバリングを飛ばして移植されるという珍事に。
  • 探索中に誤った選択をしたり、ミニゲームが解けなかったりすると即死というイベントがある。ただしほとんどのミニゲームはそれほど難易度は高くなく、発見を諦めるなら回避は可能。
  • 最新機種の場合、処理速度の問題でキーレスポンスがまともに働かないため、魚釣りゲームがほとんど運のゲームとなっている。
  • ライバルやNPCがあまり海上にいない(海賊やイスラム海軍はランダムエンカウント)。
    • 仲間にもライバルにもならない空気航海士が結構いる。とはいえ彼らも元ネタは多少有名な発見者や悲劇の航海者だったりする。

総評

  • コーエーならぬ光栄時代の泥臭さを色濃く残したゲーム、とも言えそうである。
  • 取っ付きづらく難易度も高いが、遊び方を理解すると一気に面白くなるゲームでもある。
    • 攻略本・攻略サイトは非常に有用である。ただし依存し過ぎると途端に作業化するので、ご利用は計画的に。