BLOODY ROAR
【ぶらっでぃろあ】
| ジャンル | 対戦格闘アクション |  | 
| 対応機種 | アーケード(ZN-1) プレイステーション
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| 発売元 | ハドソン | 
| 開発元 | ライジング エイティング
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| 稼働開始日【AC】 | 1997年7月7日 | 
| 発売日【PS】 | 1997年11月6日 | 
| 定価 | 6,090円 | 
| レーティング | CERO:C(15歳以上対象) ※ゲームアーカイブスで付加
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| 配信 | ゲームアーカイブス:2008年4月30日/628円 | 
| 判定 | なし | 
| ポイント | 獣人に変身できる対戦格闘 | 
| BLOODY ROARシリーズ 1 / 2 / 3 / extreme / 4
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概要
3D格闘ゲームブーム期にハドソンからリリースされた3D格闘ゲーム。
最大の特色として、キャラクターがボタン一つで獣人となる「獣化システム」が挙げられる。
ストーリー
獣に姿を変える能力を持った人間「獣人」の存在が噂される20世紀末の現代。
国際的な大企業であるタイロン社は獣人に目を付け、兵器として利用する陰謀を企む。
キャラクター紹介
    
    
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ユーゴ(大神勇吾)- オオカミ
シリーズ通しての主人公。父・大神勇二の死の真相を調べる過程でタイロン社の陰謀に巻き込まれる。
パンチ技主体の標準的な性能を持ったキャラクター。
 
ガドウ(アラン・ガドウ) - ライオン
傭兵であるフランス人。大神勇二とは戦友で仇討ちを目標としている。
動きは遅く、技のバリエーションにも乏しいが一発の攻撃力が高いパワーキャラ。
 
バクリュウ -モグラ
加東流忍術の使い手でタイロン社の尖兵の一人。
スピードとコンボに優れたテクニカルタイプ。
『2』以降のバクリュウとは別人。後に『3』にて意外な形で再登場する。
 
ミツコ(野々村光子) - イノシシ
獣人の一族出身の自称・平凡な主婦…の割には180cmという大柄かつ筋肉質な体格が特徴。
格闘ゲームでは珍しい中年女性キャラ。見た目通りのパワフルな闘い方と吹っ飛ばし力が特徴。
『2』以降は娘のウリコにプレイヤー権を譲る形で退場した(ストーリーではたびたび登場する)。
ちなみに公式サイトで発表された人気投票では嫌いなキャラぶっちぎりで一位であるが、好きなキャラでも三位になっており、良くも悪くもインパクトのあるキャラであることが窺える。
 
ロン(進龍(ジン・ロン)) - トラ
元暗殺者である武道家。獣人同士の共鳴で我を失い暴走してしまう特異体質の持ち主。
コンボ技が豊富でパワーもあり、操作に慣れると強い中級者向けキャラ。
ガイドブックで掲載されたサイドストーリーでは、かつてタイロン社に雇われた過去がありユーゴとガドウとは因縁がある事が明かされた。
 
アリス(塚神アリス) - ウサギ
シリーズのヒロインで幼い頃にタイロン社に誘拐され改造された人造獣人。その後脱走し、友人を助け出すためタイロン社に戦いを挑む。
攻撃力に乏しく俊敏性に優れた典型的なスピードキャラ。
ちなみにセーブデータのアイコンには彼女が描かれている他、エンディングは基本的に彼女の投げキッスで締めている。
 
グレッグ(グレゴリー・ジョーンズ)- ゴリラ
経営不振に陥ったサーカス団を立て直すために獣人だけのサーカス団を作ろうとする獣人。
コマンド技の多くが打撃投げのキャラ。
他のキャラクターは何かしらの形でタイロン社と関わってるのに、
こいつだけ本筋と全く関わっていない
。そのためか『2』以降は全く登場しない不遇の
 
ネタ
キャラ 
フォックス(ハンス・ターブマン) - キツネ
タイロン社の尖兵である人造獣人。美を好むナルシシストかつオカマキャラ。
蹴り技が主体でコンボ技が多い。なお、『2』以降には登場しない。
 
ウリコ(野々村宇理子) - ワーキマイラ
ラスボスでCPU専用キャラクター。ミツコの娘。
本来なら母親同様イノシシに獣化するはずだったが、改造により最強の獣人ワーキマイラにされてしまう。
ラスボスだけあって常に獣人状態で非常に強く、獣化ゲージが減少するとさらに獣化して怪物の姿に変貌、以降は獣化が解けない仕様となっている。
『2』以降は母親に代わってプレイヤーキャラに昇格。ちなみに獣化は猫の半獣人になっているが、これは改造の後遺症によるものらしい。
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システム
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レバー+パンチ・キック・ビーストの3ボタン形式。スピードは60fpsが基本となっている。
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ガードは上段がレバーをニュートラルもしくは後方に入力、下段はレバー下か後方斜め下。
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パンチ+キックボタンで投げ攻撃。レバー下も合わせると下段投げができる。
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浮かされたり吹っ飛ばされた時にパンチ+キックボタンで受け身をとってダウンを回避できる。
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レバー下を素早く2度入力することで伏せ。上段・中段の攻撃をかわせるが下段攻撃には無防備になる。
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ガードの瞬間にレバーを前方に入力する事で「ガードエスケープ」が発動。相手の攻撃を軸ずらしで回避しながら反撃できる。
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各キャラクターのコマンド技のうち一つは上段攻撃をガードしながら攻撃できる「ガードアタック」となっている。
 
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簡略・全キャラで統一化されたコマンド。
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各方向+各ボタン、下から左・右にかけて各ボタン、空中・伏せから各ボタンの組み合わせで技を発動できる。
 
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シリーズ最大の特色「獣化」。
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獣化ゲージが一定値まで溜まった状態でビーストボタンを押すことで獣人に変身する事が出来る。
 攻撃力・防御力が増加し、ライフも一定値まで徐々に回復するようになるなど、獣人状態は人間時よりも強い。
 また、ビーストボタンは獣人時では攻撃ボタンとなるため、必然的に技のバリエーションが増える。
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一方で時間制限があり、ゲージがゼロになった状態で浮かされたりダウンすると獣化は解けてしまう。
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これにより「人間時は守りに徹し、獣化で攻めに転じる」の繰り返しによる基本のプレイスタイルを形成している。
 格ゲーにおける駆け引きを分かりやすく表現しているという声もある。
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人間時が全く使えないわけでもない。あくまで獣化は一時的なパワーアップである。
 
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ステージには壁が存在し、壁のそばで相手を吹っ飛ばすことでリングアウトにする事も出来る。
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オプションでON・OFF・最終ラウンドのみリングアウト可能にする事も可能。
 
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以下はPS版オリジナルのシステム。
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ブースト機能「BEAST RAVE」モード。
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これをONにすると、獣化ゲージの減りが早くなる代わりに通常では出来ない早いコンボ技を決める事が出来る。
 
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他、タイムアタック・サバイバル・プラクティスモードが追加。
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豊富なオプション。
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イラストやエンディングを閲覧出来るアートギャラリー。
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頭身の変更機能。通常の8頭身の他、デカ頭やキッズなどにする事が出来る。
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出血表現のオンオフ。
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BGMをPS版とアーケード版のどちらかに切り替え。
 
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他、条件を満たしてアーケードモードなどをクリアすると、各種おまけが解放される。
 
評価点
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獣化システムにより、ビジュアル面・システム面共に他の格闘ゲームとの差別化ができている点。
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獣化に使用するボタンが獣化後には専用の攻撃ボタンに変化するのもアイデアが光っている。
 
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グラフィックは粗めだが、それを補うかのようにキャラクターはスムーズかつスピーディに動き、攻撃が決まった時の爽快感もある。
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凝ったモーション・演出
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獣人時の追加技のモーションは獣人らしくワイルド。投げ攻撃や勝利時のモーションも変化する。
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ブローが見事決まると吐いてしまうという一部の好きな人にはたまらない演出も。
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鳥が飛び交う、砂埃が舞う、ラスボスの変身に応じて周囲に隔壁が下りるといった一部ステージのさりげない演出も見どころがある。
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各ステージ自体の構成・性質そのものはどれも同じである。
 
 
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豪華な作曲陣によるBGM
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『海腹川背』シリーズの本山淳弘氏を中心に後にベイシスケイプを設立する並木学氏、岩田匡治氏、崎元仁氏や小谷野謙一氏などが作曲に参加。クオリティの高い楽曲が揃っている。
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PS版は根岸貴幸氏による作曲のBGMに差し代わっている。こちらも高クオリティ。
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前述の通り、AC版のBGMとの切り替えに対応。好みや気分でBGMの選択ができる。
 
 
賛否両論点
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良くも悪くも大雑把なバランス。
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CPUが弱めで隙が多く、難易度を高くしてもゴリ押しで十分戦える。
 
問題点
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評価点の項でも述べたように、キャラクターグラフィックが粗い。同時期の3D格闘ゲームと比較すると見劣りしている部分である。
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キャラ固有のコマンド投げは全て打撃投げ扱いのため、ガードの対象になってしまう。
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純粋な投げ技は全キャラ共通のコマンドのみになっている。
 
総評
シリーズとしての基礎は本作の時点で完成しており、格闘ゲームとしての完成度も十分に高いと言われている。
獣化システムによる他の3D格闘ゲームとの差別化もなされており、ゲームとして一定以上の成功を収めたのは間違いないだろう。
余談
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2001年にはスピンオフ漫画『BLOODY ROAR ザ・ファング』が月刊少年ジャンプにて連載された。2008年には幻冬舎から新装版も発売された。
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本作はシリーズで唯一アーカイブス配信がされている。
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本作から『3』までのキャラクターイラストを担当した森下直親氏は『ガンダムトライエイジ』のカードイラストやガンプラのボックスアートなど、ガンダム界隈で著名なイラストレーターとして活躍している。
最終更新:2022年09月05日 10:05