ポポロクロイス物語 ピエトロ王子の冒険
【ぽぽろくろいすものがたり ぴえとろおうじのぼうけん】
| ジャンル | ロールプレイングゲーム |  
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| 対応機種 | プレイステーション・ポータブル | 
| 発売元 | ソニー・コンピュータエンタテインメント | 
| 開発元 | ジーアーティスツ キットピーク
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| 発売日 | 2005年2月10日 | 
| 定価 | 5,040円(税込) | 
| レーティング | CERO:全年齢対象 | 
| 廉価版 | PSP the Best:2005年12月1日/2,666円 | 
| 配信 | 2009年7月15日/2,096円 | 
| 判定 | 劣化ゲー | 
| ポイント | 進行不能バグ有り 内容も大幅に縮小
 一部キャラの救済要素もある
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| ポポロクロイス物語シリーズ | 
 
概要
過去に発売されたPS版『ポポロクロイス物語』(以下『I』)・『ポポロクロイス物語II』(以下『II』)のシナリオをまとめ、新たなエピソード「闇の獅子王」を加えたリメイク作品。
ファンからの期待は高かったのだが…。
問題点
バグ
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初期版にはゲーム続行不可能となる致命的なバグが存在。某ダンジョンで使うエレベーターを特定の状況で使うと昇らなくなることで復帰できなくなり、ゲーム続行不可になる。
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ディスク番号が「UCJS-10005-8」以降のものとBest版では改善されているので、中古で買う場合は要確認。
 
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また致命的なバグではないものの、特定時期にタキネン村のおじさんに話しかけた時のメッセージが「スクリプト解明まで仮置き」という文章になるなど細かい不具合もある。
内容の縮小
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ゲーム内容がPS版から大幅に縮小されている。
    
    
        | + | 『I』の内容について | 
第一章はメインテーマである「お母さんを返せ!」との関係性が薄いためかばっさりカット。
いきなりブリオニアを目指すことにした王子が単独行動を起こすため、兵士2人がついて来ない。
本来だとその後に訪れることになるカナリシアもマップごと消滅し、ヤンの家がパーセラ道中にポツンと置かれているのみ。
ガミガミ魔王がフライヤーヨットのパーツを盗むのは原作通りだが、この時点では顔すら合わせていない為プレイヤーからしてみれば「知らないうちに知らないおじさんがキーアイテムを盗んだ」程度にしか思えない。
ちなみにこの時に初めてガミガミシティに行くことになり、原作でパーツを持って逃げ込んだ新ガミガミ魔王城には闇の獅子王編で赴くこととなる。
幽霊船~流され村も、話の本筋に関係ないからかマップごと削除。
ブリオニアも塔の部分は再現されているものの地下区画が丸ごとカットされている。では章ボスであるバルの心臓は…というと、なんとコントロールルームに自分からやってくるというやっつけっぷり。
物語の最終版のムービーでの戦闘がラスボス戦に仕様変更されたため、オリジナルのラスボスが登場しない。
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        | + | 『II』の内容について | 
なんと「ピエトロが女神の呪いで意識不明となってしまったため、ナルシアが解呪の方法を求めて旅をする」という内容の第三章が丸々カット。
次の章でのナルシアの心情に大きく関係してくるストーリであったため、原作プレイヤーは悪い意味で度肝を抜かれた形となる。あくまで本作は『ピエトロ王子の冒険』ということなのだろうか…?
一応、彼女を操作して(話の都合で一切のイベントが消滅した)天界を駆け抜けてユリウスに会いに行く…という展開がありはするのだが、この影響でピエトロが「女神の呪いで意識不明になるも即座に復活する」という若干ギャグ漫画みたいな目に合うことに…。
画面内では原作譲りの悲壮感あふれる展開が繰り広げられているのだが、プレイヤーは置いてきぼりである。
章1つが丸ごと削除された影響で、ストーリーには一切絡まない土地やダンジョンがいくつかできてしまっているのも問題である。『I』の第一章の方では元々何度か足を運ぶ必要のあるガミガミシティだったので問題は少なかったのだが…。
削除されたマップやイベントが多いにもかかわらず、物語最終盤で仲間や装備などを集める場所が一切変わっていないのも問題である。
例えばガミガミ魔王は本来第三章で行くはずだったジャングルに居るのだが、上述の通り本作では物語に一切かかわってこない土地である。
かといって原作とも全く違う理由で違う場所にいるため、既プレイヤーでも普通に迷う。
召喚獣イベントは輪をかけて酷く、行くべきマップが悉くイベントスキップでスルーされてしまい画面に映らないので、既プレイでない限りは「絵や模様に宿っている」というヒントをもってしても怪しい所にすらたどり着けないと思われる。
 
細かい所だと、プロローグで戦うことになるギルダの館のレッサーデーモンのイベントで「ドンとゴンが逃げ出した…様に見えつつも戻ってきて戦ってくれる」という展開も、原作の『I』では実際に逃げ出してしまったからこそのやり取りだというのに、本作ではそのイベントが丸々無くなってしまった事から新規プレイヤーにはよくわからないイベントと化している。
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全体的に見て、イベントやマップの削除によって整合性が取れなくなっている箇所が非常に多い。
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さらに、両作品の特徴だった豊富なイベント表現やストーリーも縮小。イベントに使われていたBGMも削除されてしまったものが多い。
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一部の設定もストーリー縮小によって違和感のあるものになってしまっている。
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また、『II』の目玉の1つでもあったイベントシーン時のボイスが削除されている。
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これに関しては『I』にはそもそも存在しなかったことと、『I』と『II』で担当声優が異なる事から断念したのだろうと思われるが…。
 
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難易度は『II』より低いといわれるほど。『II』でも一部の強ボスに負けるということがあったものの、そういうものもなくなっている。
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難易度が高かった『I』についても、エリアの敵がかなり弱くなっている。一部ダンジョンでは敵すら登場しない。
 
評価点
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『II』で極端に出番の少なかった「鬼面童子」が新規シナリオの「闇の獅子王」のパーティメンバーに抜擢された。
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原作での設定を取り込んでの登場でもあり、幾分か救済される形となった。
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また、これに合わせて『II』で再開した時のセリフはしっかりと書き直されている。
 
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シリーズおなじみのキャラクターで、毎回ゲーム序盤に永久離脱する「ゴン」と「ドン」の2人を、なんと最終盤に再加入させることが可能。まさかの専用装備まで実装されている。
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これは『II』でもできなかったことで、単純に編成の自由度が上がったことになる。
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ラスボス戦にも連れて行けるようになり、共にラスボスを撃破すればしっかりと専用セリフも喋ってくれる。
 
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『はじまりの冒険』で初登場した「協力技」がピエトロ世代の作品としては初めて搭載された。
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『ポポローグ』に登場した一部のキャラクターを味方として呼び出す事ができるアイテムが登場。
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傭兵はもちろん、敵として登場したモンスターまで使うことができる。
 
総評
新要素を加えたカップリング移植ということで、ファンの興味を惹くには充分な物だったが、蓋を開ければマイナス要素の方が多いという有様であった。
今回は新旧どちらのファンも裏切られる形となり、結果ポポロシリーズは10年に亘る長い沈滞期に入ることとなる。
余談
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進行不能バグに関して、当初SCEは交換はおろか謝罪や事実容認すら行わなかった。また、このバグに関する警告を発したのはよりによってゲーム雑誌(電撃プレイステーション)という体たらくであった。
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その後、PS総合公式サイトにてお知らせと対策法が掲載された。なお、現在はサイトの改編に伴い該当ページは削除されている(当時のアーカイブ)。
 
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ゲームアーカイブスでPS版の『I』が2007年9月27日に、同年12月26日に『II』が配信されたので、パッケージや追加要素にこだわらないならそちらを買ったほうが良い。
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アメリカ・香港・台湾・欧州・オーストラリアでも発売されている。
最終更新:2024年05月11日 01:32