エターナルアルカディア レジェンド
【えたーなるあるかでぃあれじぇんど】
ジャンル
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RPG
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対応機種
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ニンテンドーゲームキューブ
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メディア
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GC専用8cm光ディスク 1枚
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発売元
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セガ
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開発元
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オーバーワークス アスペクト
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発売日
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2002年12月26日
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定価
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7,140円
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プレイ人数
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1人
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セーブデータ
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3ブロック以上
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判定
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劣化ゲー
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ポイント
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表記が平仮名混じりに やっつけ感が強い追加要素 サウンド・画質がやや低下 戦闘バランスなどは改善されず ロード時間短縮・モデリング向上は評価
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エターナルアルカディアシリーズ エターナルアルカディア / エターナルアルカディア レジェンド
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概要
ドリームキャストで発売された良作RPG『エターナルアルカディア』のゲームキューブ移植作品。ゲームキューブ初の本格派RPGだが…。
問題点
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一部の単語が平仮名表記になったが、単語によって「全て平仮名表記」「漢字仮名交じりの表記」「振り仮名つきの表記」とバラバラで統一感がないため、非常に読みにくい。(<比較画像>DC版 GC版)
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おかげで格好良さ半減である。『FFV』などのSFCのRPGですらちゃんと漢字で熟語を書いていたのに…。
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そもそも、平仮名に直したところで小学生にとっては意味が分からないであろう単語がいくつかある。
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小学生にターゲットにするなら、ただ単に平仮名に変換するだけでなく難しい単語も分かりやすく書き換えるべきだっただろう。
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ハードのユーザー層や北米版を意識してか、一部の表現がマイルドに変更されてしまっている。
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たばこの描写は楊枝に差し替えられたが、楊枝に変わっても一服するしぐさはそのままのためキャラクターの動きに違和感がある(なお、DC版も北米版である「Skies Of Arcadia」では煙草表現が削除されている)。
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他にも酒の表現が無くなっている。海賊や大航海時代をテーマにしている作品では欠かせない存在であるため、空賊の渋さや大航海時代の雰囲気が薄れてしまった。
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また、お色気担当のベレナ(ベレーザ)の胸が全く揺れなくなった。ベレナに至っては衣装の半透明だった部分も全く透けないものに変更されている。
ビゴロの半透明な衣装も同様である(<比較画像>DC版 GC版)。
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追加要素のやっつけ感が強い。
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主人公のライバル・賞金首が追加されたが、ただしつこくなっただけであり、やりこみをしたい人以外にとっては邪魔なだけになっている。
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ライバル・賞金首戦では『FFVIII』のようにパーティのレベルが上がると相対的にライバル・賞金首のレベルも上昇するため、レベルを上げてゴリ押ししようとするとあっという間に返り討ちにされてしまう。
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賞金首の中にはDC版にも登場する現存ボスも混じっている。スペシャルデータ限定のものもなんと現存ボスの使いまわしである。
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発見物が新たに25種追加されたものの、移動中に目立ちすぎて目障りになるものもあるため逆に邪魔になっている。
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サウンド・画質がやや低下した。ポリゴン欠けもある。
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DC版の大きな不評点であった高いエンカウント率や戦闘バランスは改善されていない。
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あるキャラの最強装備の攻撃力が500から300と弱体化。
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もっとも、現在DC版では改造するか最強装備を入手するためのデータを二次配布している所を探さないかぎり入手不可だが。
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止むを得ないとはいえ、当然ドリームキャストのビジュアルメモリを使用したミニゲーム「VM探検隊」は削除。
評価点
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評価されている追加要素もある。
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ラミレスの心境が変化した原因について描写するイベントが追加され、展開が分かりやすくなった。
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本作で追加された収集要素であるムーンフィッシュは好評。
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ムーンフィッシュをある鳥に食べさせると、捕まえた数に応じてレアアイテムをもらえ、全て捕まえると感動の結末が待っている。
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戦闘のテンポは僅かながら改善された。
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戦闘のロード時間が10秒ほど短縮された。
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また、必殺技の演出をカットできるようになった。ただ、カットできるのは味方のみ(敵は不可)なのが欠点。
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画質はともかく、キャラのモデリングの質は確実に向上している。
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色艶が明るくなり、輪郭が多少滑らかになった。
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DC版では特定のイベントシーンや特定のキャラ以外は指がブロック状だったが、GC版では主要キャラ(敵キャラも)が全て、常時5本に枝分かれした指のグラフィックとなっている(<比較画像>DC版 GC版)。
総評
平仮名混じりとなってしまった表記や、大航海時代には欠かせない表現のカット、そして画質・BGMの劣化などにより
原作の「遊ぶ冒険小説」としての魅力が大分殺がれてしまった、非常に残念な移植作品。
やっつけ感は目立つものの複数の追加要素が実装されており、またロード時間短縮、モデリングの向上など原作から進化している部分も無い訳ではない。
しかし「それらの要素が不評点を補いきれているか?」と問われれば、多くの原作ファンが「否」と答えるのは間違いないだろう。
せめて原作の大きな不評点であった高いエンカウント率や戦闘バランスが僅かでも改善していれば、まだ擁護の余地はあったのかもしれないが…。
余談
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追加賞金首の中には、主人公の名を騙り各地でカツアゲを繰り返す「偽主人公一味」も存在しているが、見た目がダサい・色が違うなどこれでもかと言わんばかりの偽者臭を発している(本物の主人公たちはこの画像参照)。この手の偽者ネタではお約束とはいえ、手配する側も偽者だと気付きそうなものだが。
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因みにこの偽物一味が出現している間は主人公の称号が「地に堕ちた空賊」に固定される他、特定のクルーを仲間にできなくなる。
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なお、こんな連中だから実力も大した事はない…かと思いきや、主人公たちの技を真似して使用してくる事・通常攻撃も全ステータスが降下する効果が付いている事・レベルに応じて強化される仕様のため普通に強い。
下手すれば遭遇時点の主人公達よりも強い、かもしれない。これだけ強いなら成りすましやカツアゲなんてやらずに、真面目にバルア帝国相手の空賊稼業をやってた方がよっぽど稼げたのではなかろうか。
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PS2版も開発されていたが、発売中止となってしまった。
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GC版の時点でこの有様なので、ある意味では英断と言えるのかもしれない。
最終更新:2022年02月23日 08:03