仮面ライダー クライマックスヒーローズW
【かめんらいだー くらいまっくすひーろーずだぶる】
ジャンル
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ヒーローアクション
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対応機種
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Wii
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発売元
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バンダイナムコゲームス
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開発元
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エイティング
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発売日
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2009年12月3日
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定価
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5,980円(税別)
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プレイ人数
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1~2人
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レーティング
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CERO:A(全年齢対象)
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判定
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なし
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ポイント
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クソゲーすれすれの出来 ガッカリの上塗り 新キャラがやっつけ 変わり映えしない続投組 難易度が地獄 新要素あるのに劣化移植な気分
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仮面ライダー対戦格闘シリーズリンク
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俺たちは / 僕たちは、二人で一人の仮面ライダーさ
概要
同年8月に発売されたPS2用ソフト『仮面ライダー クライマックスヒーローズ』の次作(実質的な移植版)で、新モードと新キャラクターを追加したもの。
ただし、当時の現行ライダーであった仮面ライダーWをメインにしているため前作に存在したストーリーモードの「ディケイドモード」は削除された。
前作はキャラとフォームが数・選定基準共にファンの首を傾げさせるものであり、キャラゲーとしても格闘ゲームとしても中途半端な出来であったため、「完全版」となることを期待されたのだが…。
登場キャラクター
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前作の対戦モードで使用できたキャラは全員続投しており、前作に登場はしていたが、対戦では使えなかった面々もプレイアブル化している。
太文字はオリジナルキャスト、
赤文字
は今作が初登場のキャラクター。
登場作品
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キャラクター
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登場形態
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仮面ライダークウガ
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仮面ライダークウガ
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マイティ・ドラゴン・ペガサス・タイタン・アメイジングマイティ
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仮面ライダーアギト
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仮面ライダーアギト
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グランド・トリニティ・バーニング
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仮面ライダーG3-X
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仮面ライダー龍騎
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仮面ライダー龍騎
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通常形態・サバイブ
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仮面ライダー王蛇 |
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ゲルニュート
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EPISODE FINAL
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仮面ライダーリュウガ
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仮面ライダー555
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仮面ライダーファイズ
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通常形態・アクセル
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仮面ライダーカイザ
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オートバジン
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バトルモードのみ
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仮面ライダー剣
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仮面ライダーブレイド
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通常形態・キング
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仮面ライダー響鬼
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仮面ライダー響鬼
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通常形態・響鬼 紅
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仮面ライダーカブト
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仮面ライダーカブト
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ライダーフォームのみ
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仮面ライダーガタック
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ライダーフォームのみ
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仮面ライダーキックホッパー
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仮面ライダーパンチホッパー
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仮面ライダーダークカブト
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ライダーフォームのみ
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ワームサナギ体(緑)
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仮面ライダー電王
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仮面ライダー電王
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ソード・ロッド・アックス・ガン・ライナー
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仮面ライダーゼロノス
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アルタイル・ベガ・ゼロ
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クライマックス刑事
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仮面ライダーネガ電王
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ネガフォームのみ
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仮面ライダーキバ
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仮面ライダーキバ
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キバ・エンペラー
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仮面ライダーイクサ |
セーブ・バースト
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仮面ライダーディケイド
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仮面ライダーディケイド
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通常形態・カメンライド(クウガ~キバまで)・コンプリート
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仮面ライダーディエンド
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通常形態のみ
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仮面ライダーW
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仮面ライダーW
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マグマ・ドーパント
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ティーレックス・ドーパント
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ゲームオリジナル
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仮面ライダーダークディケイド
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通常形態・カメンライド(クウガ~キバまで)・コンプリート
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改善点
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一部効果音の追加、修正(電王のフォームチェンジ音など)。
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バトルモードが、前作に無かったフリーバトルモード化した。
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一方でアーケートバトルがなくなったのでサバイバル以外では1戦しか戦えなくなってしまった。
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かんたんモードは好評で次作以降にも取り入れられた。
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ハードのスペックが上昇したからなのか、グラフィックの細かい部分が綺麗になっている。
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キックホッパーとパンチホッパー(地獄兄弟)の追加は、当時はデータカードダス『ガンバライド』での参戦がまだであったため喜ばれた。
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メインライダーのWのみはポリゴンモデルが手直され、『ガンバライド』とは別物と言ってもいいほど綺麗になり、劇中のものに近くなった。
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現時点では、超必殺技発動時でもステージのグラフィックが全く変わらない最後のクラヒ。
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次作の『オーズ』からは携帯機とのマルチになった影響か、超必殺技を使う時に背景が謎の異空間になってしまう。
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最新作の『超』では改善されているが、超必殺技発動時のみ一部オブジェクトを削除・簡略化した低容量バージョンの背景に差し替えるなど無理やり誤魔化している感はある。
問題点
キャラクター関係
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前作からの続投組は、基本的に前作と同一の性能。フォームも同じ。
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ディエンドのチートぶりも相変わらず。
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やりづらくはなったがスライディングハメは健在。
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ディケイド・ディエンドの効果音や、キバの必殺技ボイスのミスも修正されていない。それ以外にも微妙に間違っているものが若干ある。
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一部のキャラは攻撃力が大幅に削られ、必殺技ですら通常技程度になっているなど、意味不明な調整をされている。
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特に響鬼はどう連打しても音撃が8までしかヒットしないというあんまりな事になっている。
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それでいてディエンドの異常な強さ、デンライナーの異常な便利さ等、改善すべきところが全く改善されていない。
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前作の対戦で使用できなかった6キャラは、ガタックとダークカブトにクロックアップが実装されただけで、それ以外は本当にただ対戦で使えるようになっただけ。
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特にオートバジンは、スーパーアーマー能力はあるものの、攻撃はパンチ技2種類だけ。バスターホイールでの射撃もできない。
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ダークライダー3体は相変わらず超必殺技がない「元ライダーの劣化コピー」。モデル流用で出せそうなドラグブラッカーやネガデンライナーもアシストで出ない。
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ただし、ドラグブラッカーはリュウガのドラゴンライダーキックには出てくるという謎仕様。
おまけにモーションが龍騎の完全流用なせいでドラゴンライダーキックが龍騎とまったく同一の動き。
本来は空中に浮遊しそこからキックを放つ技であるため、リュウガファンからは特に批判された。
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ほぼ水増しレベルとはいえカブトキャラが露骨に優遇されている。
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基本的に本作は1作品で多くて3体しか出ないが、カブト関連はカブト、ガタック、キックホッパー、パンチホッパー、ダークカブト、サナギ体と合計6体も出ている。
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しかも他のテキトーなキャラバリキャラはフォームチェンジは無いのに、カブト関連だけは共通・流用で手間が少ないとはいえサナギ体以外全員クロックアップ実装と半端ではない優遇度合い。
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Wに関しては、基本的なハーフチェンジは全てできるためフォーム数が充実している。
さらに、他のキャラに対して圧倒的にアドバンテージがあるため異様に強くなっており、他にも通常技だけで体力1ゲージを軽く削れたりもする。
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しかし当時の現行ライダーであるので、メイン層である子供のことを考えると強くしなければならなかったのだろう。
前作メインライダーのディケイドも『オーズ』で修正が入るまではなかなかスキの少ないライダーだった。
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一方、『剣』と『響鬼』からは相変わらず主役ライダー1体しか出ていない。しかも響鬼は上記の通り前作からかなり弱体化している。
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ホッパー2体は、オリジナルキャストである徳山秀典氏と内山眞人氏がそれぞれ声を当てている。ただしモードセレクト時のボイスは、前作のイマジン達の様な凝った言い回しはなく、ただ「○○モード」と言うだけ。
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『カブト』のキャラ達のクロックアップ時、リモコンからゼクター音声ではなくライダー自身の声が流れる。クロックオーバー音声は当然聞けない。
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怪人キャラが新登場するという点は、公式ブログでも強調されていたが、結局前宣伝に出た4体のみだった。
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現行番組に登場したドーパント2体と、平成1期としては珍しい戦闘員的存在のサナギ体はともかく、なぜか『龍騎』劇中で特別活躍したわけでも無かったゲルニュートがいる。
おそらく、本作と同じ月に北米で発売されたWii版『KAMEN RIDER DRAGON KNIGHT』のポリゴンモデル流用で手間が少ないためと、発売年の春映画『鬼ヶ島の戦艦』で戦闘員的存在で出たのが理由と思われる。
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カイザや地獄兄弟の新規参戦は喜ばれたが、難易度の調整不足、パスワードの無茶さで子供には到底出せないものになっている。
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『オーズ』では作業ながらも2体の隠しキャラ中なんとか1体は出せるようになってはいる。
ゲームモード
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前作のディケイドモードに代わって用意された「クライマックスモード」だが、ディケイドモードと違ってストーリー性は一切ない。
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ただザコ怪人(サナギ体とゲルニュートの2種類のみ)を倒してボスに挑むだけ。前作以上の作業感がある。
ボスはドーパント2体のどちらかになるが、ライフゲージが6重もある。
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これはアシストライダーシステムを使うこと前提のようだ。Wのミッションを難なくクリアするためには他のライダーのルートをクリアしてアシストライダーシステムで呼び出せるようにしなければならない。
が、他のライダーのルートでもライフゲージが6重の怪人が登場するので作業な上に苦痛である。
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しかも、その気になればスライディングでハメ殺せるため、実質このアシストライダーシステムは完全に死にシステムである。
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「時間内に怪人を倒せ!」というミッションは怪人を倒すたびに時間が加算されていく。
そこまではよいが、ミッションによっては怪人を倒し続けるといつまで経っても終わらないほど時間が大きく加算されてしまう。
そのため、ミッションを終えるときはわざと敵を倒さないなど工夫しなければならない。
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また、ホッパー2体にちなんでか「地獄モード」というものがあるがまさに地獄で明らかに子供には無理な難易度である。例として「サナギ体で地獄兄弟を倒せ」など。
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上記のように今作は何故か難易度が異常に高く、明らかに子供が簡単に出来るものではない。
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しかもキャラのCPUレベルもありえないほど高くなっており、ノーマルで前作のハード以上の強さ。
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戦い方もかなり酷く、フォームチェンジ中はゲージが使い放題なので、スライディング等の軽い攻撃を当てた時でさえやたらスペシャルアタック及びガードを使う。
ゲージがたまっていればスペシャルアタックはまず使うと言ってよいほど。
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同キャラ対戦はできない。この仕様自体は『アギト』以降毎回そうなっているが、本作にはとんでもない副産物が存在していた。
新規使用可能キャラ
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前作からの使用可能キャラ
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ガタック
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クウガ
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G3-X
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アギト
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リュウガ
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龍騎
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カイザ
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ファイズ
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オートバジン
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ブレイド
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サナギ体
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響鬼
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ダークカブト
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カブト
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ネガ電王
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電王
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ゲルニュート
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キバ
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マグマ・ドーパント
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ディエンド
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キックホッパー
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ゼロノス
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パンチホッパー
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イクサ
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ティーレックス・ドーパント
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ダークディケイド
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左側のキャラ(つまりW以外の新規使用可能キャラ全員)はそれぞれ右側キャラのコンパチ的な扱いになっており、左右の組み合わせでは対戦させることができない。
即ち「龍騎VSリュウガ」「ファイズVSカイザ」「カブトVSダークカブト」「電王VSネガ電王」といった原作での因縁の対決、「クウガVSガタック」のクワガタをモチーフとしたライダー対決、「アギトVSG3-X」のアギトキャラ同士の対決が再現できない。
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付け加えておくと「クウガVSガタック」以外の組み合わせは全員対戦前の掛け合いが存在している。
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さらに新キャラが、W以外全てあんまりすぎる出来なので一部からは「バージョンアップなのに劣化移植作を掴まされた気分だ」とも言われている。
総評
移植版とはいっても前作のコピペというわけではなく、追加要素もあり前作からのバランス調整(らしき変更)も行われている。
しかし、追加キャラクターはW以外どうにもやっつけ感が目立ち、強キャラにバランス調整が入らないなど全く調整になっていない。
例えるなら「3歩進んだと思ったら今度は斜め後ろに2歩下がった」ような微妙な出来になってしまっており、ファンからの評価は前作同様厳しいものとなってしまった。
余談
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特典のガンバライドカードは表と裏のバーコードが違う仕様で、ディケイド コンプリートとW サイクロンジョーカーが1枚のカードで別々にスキャン可能。
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本来東映スタッフがキバの後Wを作ろうとしていた所にバンダイからの過去作販促のアーカイブと戦隊玩具の兼ね合いで開始時期をずらせ、オリキャス集合映画もやれと言われ色々な企画ができた後にガンバライドの販促もすることになり本来ガンバライドのオリライダーとして制作していたディケイドの番組を企画することになった。そのため無茶苦茶な納期と放送開始前から開発し更に本作と無印を同時開発するというスケジュールとなっており、実際、当時の開発ブログにてサタケイドが同時開発を仄めかす文を投稿していた。
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この同時開発が両作品のクオリティに影響を及ぼした可能性もあるが、真相は不明。
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スタッフロールに記載された制作会社はバンダイナムコゲームスとエイティングの社名しか無いが、実際の開発はタムソフトに丸投げしたのではないかという疑惑がある。
最終更新:2023年10月31日 19:40