仮面ライダー クライマックスヒーローズ
【かめんらいだー くらいまっくすひーろーず】
ジャンル
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ヒーローアクション
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対応機種
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プレイステーション2
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発売元
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バンダイナムコゲームス
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開発元
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エイティング
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発売日
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2009年8月6日
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定価
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5,980円(税別)
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レーティング
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CERO:A(全年齢対象)
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判定
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クソゲー
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ポイント
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何もかも薄い ギャラリーダメすぎ 打撃音が軽すぎで爽快感ゼロ 技やフォームのチョイスも微妙
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仮面ライダー対戦格闘シリーズ
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概要
平成仮面ライダーシリーズ10周年記念番組『仮面ライダーディケイド』に合わせて発売された対戦型格闘ゲーム。
仮面ライダー関連の家庭用ゲームとしては久々のタイアップ作品であり、『ディケイド』同様にそれまでの平成ライダー10作品が共演する事が本作の売りとなっている。
仮面ライダーの格闘ゲームは『初代』、『V3』、(以降は放送に合わせて)『クウガ』~『カブト』と計9作発売されていたが、『電王』『キバ』の2作はゲーム化されなかったため、両番組のライダーは本作がコンシューマーゲーム・格闘ゲーム初登場となる。
前評判
ライダー格ゲーは『アギト』まではKAZeが開発していたが、『龍騎』以降はデジフロイドに交代した。
このデジフロイドのライダーゲーは、番組内容に関する台詞やアクションといった小ネタは満載だが、格ゲーとしてはどれも大味な作りであり、総じて評価は低かった。
しかし、2006年の『カブト』だけはネタ・ゲーム性共に非常に評価が高く、「デジフロの奇跡」「スタッフはワーム怪人に擬態されてるんじゃないか」とまで言われた。
当然翌年の『電王』のゲームにも期待は寄せられたのだが…開発会社の事情もあり、『キバ』と2年続けてゲームは発売されなかった。
そして2009年。『ディケイド』が歴代ライダーを(原典と設定は異なるが)次々に登場させて話題となる中、遂に3年ぶりのライダーゲーが発表された。
『カブト』ゲーの出来に魅せられた人々や『電王』以降の番組のファン達は、待ちに待ったゲームの発表に歓喜した。
「あのカブトゲーを更に上回るソフトになって欲しい」「色々なライダーを使って夢の対決を実現させたい」…そういった期待が寄せられていった。
しかし、情報が明らかになるにつれて、次第に不安が広まり始める。
開発会社がどこかは明かされず、グラフィックは明らかにデータカードダス『ガンバライド』からの流用。3Dグラフィックを使用しているが、バトルは2D。
更に主人公10人以外の登場キャラクターについては全く触れられない。カブトのように最強フォームが一向に紹介されないキャラがいる…。
そしてこれらの不安は、見事に的中してしまう事になる。
登場キャラクター
カテゴリー
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キャラクター
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登場形態
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プレイアブル
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仮面ライダークウガ
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マイティ・ドラゴン・ペガサス・タイタン・アメイジングマイティ
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仮面ライダーアギト
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グランド・トリニティ・バーニング
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仮面ライダー龍騎
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通常形態・サバイブ
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仮面ライダーファイズ
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通常形態・アクセル
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仮面ライダーブレイド
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通常形態・キング
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仮面ライダー響鬼
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通常形態・響鬼 紅
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仮面ライダーカブト
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ライダーフォームのみ
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仮面ライダー電王
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ソード・ロッド・アックス・ガン・ライナー
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仮面ライダーゼロノス
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アルタイル・ベガ・ゼロ
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仮面ライダーキバ
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キバ・エンペラー
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仮面ライダーイクサ |
セーブ・バースト
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仮面ライダーディケイド
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通常形態・カメンライド(平成9ライダー)・コンプリート
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仮面ライダーディエンド
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通常形態のみ
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仮面ライダーダークディケイド
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通常形態・カメンライド(平成9ライダー)・コンプリート
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プレイアブル (特定ステージのみ)
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仮面ライダーG3-X
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オートバジン
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バトルモードのみ
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仮面ライダーガタック
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ライダーフォームのみ
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NPC
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仮面ライダーリュウガ
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仮面ライダーネガ電王
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ネガフォームのみ
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仮面ライダーダークカブト
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ライダーフォームのみ
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問題点
キャラクター
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登場するキャラクターが少なすぎる。対戦モードでは、主人公10人以外で使用できるのはゼロノス・名護イクサ・ディエンド・ダークディケイドのみ。
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「仮面ライダーダークディケイド」は本作オリジナルのキャラ。デザインはディケイドの色変えで、性能としてはファイナルフォームライドを除いた劣化コピー。
「ダーク」と付いてはいるが、対戦などで使用してもストーリーモード以外特殊な台詞は一切なく、ただ元のディケイドの声を低く暗い感じに加工しただけ。台詞内容自体は一切変更なし。
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ストーリー以外の台詞に変更が無いせいで、平時だと加工ボイスと台詞が噛み合わずおかしな事になっている。
超必殺技はディケイドと同じくコンプリートフォームでのキックだが、こちらは演出がディケイドと全く変わらないという超絶手抜きっぷり。
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G3-X、オートバジン、ガタックはストーリーモードの特定の面でしか使用できない。しかもフォームチェンジや、それに代わる特殊能力も無い。
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この3キャラは必殺技も持たない。ガタックはクロックアップや必殺技の「ライダーキック」「ライダーカッティング」がいずれも使用不可で、オートバジンは武器であるバスターホイールによる射撃すらできないという有様。
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特にオートバジンは、公式ブログで「本作に登場するキャラはライダーだけじゃない!」と画像付きで紹介しておきながらこの扱いである。
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ダークライダーたち(リュウガ、ダークカブト、ネガ電王)は、やはりストーリーモードの特定の面で敵として登場するのみ。しかもダークディケイド同様「本物の劣化コピーキャラ」である。
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仮面ライダー王蛇に至ってはOPにも出ているというのに、実際はディエンドの技で召喚されるのみである。
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いずれも主役ライダーとは異なる人気を得ているライダーたちであり、プレイアブルではないことを惜しまれた。
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なお、怪人キャラは一切出てこない。
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『ディケイド』のキャラと、『電王』や『キバ』で元から声優が演じているキャラ以外は、全員原作の役者とは違う声優が声を当てている。
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平成ライダーシリーズ開始から既に10年経過しており、当時の役者を揃えるのは難しいため、これは仕方のない事だろう。
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時期の近い『電王』『キバ』も本人ボイスではないが、ガンバライドと違って既に放送が終了しており、主演俳優がどちらも多忙になっていたため難しかったのだろう。
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声に関しての問題点は本人ボイスではないことではなく、声がキャラクターとあまり合っていないことである。
似せようと頑張ってる声優もいるが、そもそも役者うんぬんというよりもキャスティングの時点で似せる気があまり感じられない。響鬼役やアギト役の声優はそれなりに似ているとの評価を受けたが…。
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特にガタックは、声や演技以前に台詞やキャラが原作と全く違う。
同声優が担当していた『ガンバライド』でもあまりの似てなさに評価が低かったが、これに関しては
そもそもキャラクター性が違うのだから似せようがない
と言うほうが正しい。
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なお、スタッフロールに声優の名前は表示されるが、誰が何の役を演じているのかは分からない。キャスト順で推測するか、声優に詳しい人でないと判別は難しい。
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「フォームチェンジ」を活用したバトルを売りにしていたが、これは悪い意味で公式の情報通りであった。
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フォームチェンジを売りにしている割には、登場しないフォームが多く存在する。理由としてはガンバライドからグラフィックを流用した事が原因かと思われる。
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数話しか使用されなかったフォームならまだしも、作中で大きな活躍をした「最強フォーム」が存在しないライダーがいる。というか14人もプレイアブルのライダーがいるにもかかわらず、その半分の7人にしか実装されていない。
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その割には、クウガ アメイジングマイティ、アギト トリニティフォーム等、原作でも出番が少なかった形態が何故か登場していたりする。ゼロノスは全フォームが登場しており、原作での活躍が印象的だったとはいえ優遇されている感がある。
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一部のフォームは超必殺技の演出のみの登場で操作が出来ない(クウガ アメイジングマイティ、電王 ライナーフォーム、イクサ バーストモードなど)。こうした仕様のせいで、原作ではバーストモード主体だった名護イクサがセーブモード主体で戦うという原作再現としてもおかしなことになってしまっている。
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クウガと電王は基本的な4フォーム、ディケイドはクウガからキバまで主要9ライダーへの変身が揃っているが、バトル開始前にフォームチェンジをひとつだけ選ぶ仕様になっており、劇中で見られた「複数のフォームを状況に応じ切り替えて戦う」ことができなくなっている。
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ファイズはアクセルフォームに、ブレイドはキングフォームに、響鬼は紅に、キバはエンペラーフォームにしか変化できない。
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特にキバに関してはドガバキエンペラーフォームを除く全フォームがガンバライドで既に登場していたため、エンペラーフォームしか登場しない事が余計に叩かれた。
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なおキバのガルルセイバー、ドッガハンマーはエンペラーフォームで特殊攻撃として使用可能だが、原作同様にバッシャーマグナムの出番はない。
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そしてカブト、ガタック、ダークカブトはライダーフォームのみでフォームチェンジできない。マスクドフォームからライダーフォームへのキャストオフが重要だった『カブト』とは大違いである。
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代わりにカブトにはクロックアップというシステムが搭載されており、これは原作のように相手の動きがスローになる能力。格闘ゲームである本作では凶悪な能力と言える。
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ファイズのアクセルフォームもほぼ同じ能力を持つ。
必殺技・ネタ
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必殺技の選定基準も不可解。
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アギトは原作で1度しか使われず、最強技でもない上に敵を逃がしていた「バーニングボンバー」。
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龍騎サバイブは原作の必殺技である「ドラゴンファイヤーストーム」はおろか、「メテオバレット」でもない謎の技である。
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上記の「ドラゴンファイヤーストーム」は、ガンバライドでも再現されていないため、その点はまだ納得できなくもない。
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「ドラゴンファイヤーストーム」は3作目『オーズ』においてようやく実装された。ただしバイクでの突撃は削除されており、火炎弾で攻撃するだけの技になっている。
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必殺技の際の台詞が明らかに原作のキャラクターと食い違っている。
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戦う事を望まないはずのクウガが、必殺技でアメイジングマイティキックを叩き込んで「よし!」と満足したりなど。
他には龍騎も、敵をふっ飛ばした後に悪びれもせず「あんたが悪いんだぜ!」と言うため「キャラ崩壊」「リュウガと融合済」とネタにされた。
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アギトのバーニングフォームが超必殺技の演出中にバーニングライダーパンチという強烈な技を打つが、打つ時は打撃音が後述のままであるため、原典のすさまじい破壊力が台無しになっている。
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ハードがPS2に移行した『555』以降定番であったはずの、戦闘前後の掛け合い台詞ネタも殆ど無い。
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対戦モードではクウガとアギト、電王とゼロノス、キバとイクサ、ディケイドとディエンドの組み合わせでしか特殊台詞が発生しない。
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ストーリーモードではG3-X対クウガ・アギト、龍騎VSリュウガ、カブトVSガタック・ダークカブトの場合のみ特殊台詞が発生する。
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打撃音などが原作のものとは似ても似つかない。
「まるでダンボールを叩いてるかのよう」と評されるほどで、擬音で表すと「ボスッ」というなんとも言えないものである。超必殺技時の爆発演出もかなりショボく、軽く煙が出る程度。
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演出は仕方ないにしても、フォームチェンジや電王 ライナーフォームの必殺技「電車斬り」など、SEでさえ間違っているかあるいはオミットされている場合が多い。
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それまでのデジフロ制作のライダーゲーは必殺技の再現だけはしっかりしていただけに、これらのSEは多くのファンを落胆させた。
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攻撃等のモーションに非常に流用が多く、キャラごとの個性ある攻撃がほとんど無い。これは特に主役ライダーのコンパチキャラ扱いと思われるガタックたちに当てはまる。
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例えばディケイドは汚れを払うように手を叩く癖があるが、モーションが流用された弊害でカブトが攻撃を決めた後に手を叩く動作をしてしまうことがある。ファンにとっては気持ちのいいものではないだろう。
グラフィック
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キャラのポリゴンが止まっているときも妙にカクカクしていて揺れている。必殺技発動時も動きがあまりにも単調であり、ヒーローらしい風格はない。
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例を挙げるとキバ エンペラーフォームの「エンペラームーンブレイク」の動作、ファイズ アクセルフォームの「アクセルクリムゾンスマッシュ」時の攻撃を食らっている相手の不自然な挙動は特に目立つ。
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格闘中の動きは原作のスーツアクターによるモーションキャプチャーもあり、まあまあの再現。しかし必殺技は上記以外も出来はピンキリで、本当に監修したのか疑問なレベルのものもちらほら。
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全体的にグラフィックは良いとは言えず、キャラもステージもかなり粗が目立つ。
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「クソゲー」と言われた『555』や『剣』も3Dモデリングは滑らかで、中に装着者が入っているようなリアルさがあった。
本作が流用元としたガンバライドも3Dモデリングに光を反射させたりなど、リアルさを頑張って表現していたのだが…。
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ガンバライドのグラフィック自体が褒められたレベルではなかったのに手直しもせず流用した結果、むしろガンバライドより劣化している。
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さすがに『カブト』のものよりは上回っており、一応の雰囲気は再現されている。また、3作目の『オーズ』からは一部キャラがガンバライドから手直しされている。
ゲームモード・システム
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ガードに耐久値があり一定以上ガード状態でダメージを受けるとガードが解けるが、これが1コンボ丸々当てただけでガードが解けてしまう貧弱仕様。
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これまでのライダーゲーにはあった、攻撃の上中下の打ち分けが無い。これによって射撃の強いキャラが非常に有利になってしまった。
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銃使いライダーは弱いと言われる本編とは大違いである。
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対戦のゲームバランスも悪い。
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サポートキャラを召喚する事ができるが、相手がサポートキャラを召喚している間はこちらはFFRや召喚などが行えない。
ちなみにこれはディエンドの王蛇召喚にも適用されるので、元々射撃を主体とした攻撃性能と相まってディエンド無双と化す。
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電王のアシスト技であるデンライナーが異常なまでに便利。スペシャルアタックでは大威力の光弾が大量に降り注ぎ、スペシャルガードでは一瞬で相手に光弾が直撃する。おまけにダメージもデカい。
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しかもフォームチェンジ中は使い放題の為、フォームチェンジしてデンライナーを呼んでいれば大抵勝てる。
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スライディングの当たり判定が異常で、起き上がった瞬間ならばほぼ確実に当たる。そこから吹き飛ばし強攻撃→スライディングのお手軽で強力なループコンボが可能。
しかも吹き飛ばし攻撃を当てるとヒット数がリセットされるため威力が安定して高く、あっという間に相手はノックアウトさせられてしまう。
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プロデューサーのサタケイド曰く「永久が無いように調整した」とのことだが、明らかに大嘘である上に調整不足である。
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メインのストーリーモードは100面以上あるという触れ込みだが…実際はストーリーらしきものがある面はほんの一部で、後は全て「ライダー○○を使ってライダー××を倒せ!」というだけのもの。
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そのストーリーも「ディケイドを最初は怪しく思った他ライダーが戦いを挑んでくるがカードを見せると納得、仲良くなる」というテンプレである。
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しかも半端にディケイドを絡ませたせいで、最強の敵を目前にしながら何故かライダー同士で戦ったりと訳がわからない。
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「○秒以内でクリアしろ!」など条件が指定されている面もあるが、その条件のバリエーション自体が乏しいため、途中からただの作業と化す。
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極めつけにはクリアできる順番に無意味にルート分岐がある上、画面上ではルートが確認しづらい。
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『555』以降毎回あった筈のフリーバトルモードが無くなっている。従って、1人プレイでは好きな相手を選んで対戦する事ができない。
にもかかわらずディケイドは「好きなヤツと戦えるぜぇ」とウソの発言をしている。
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一応目当てのキャラが出るまでキャンセルし続ければできないことはないが、ゲームとしては正しくないだろう。
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原典の各番組に関する様々な情報を閲覧できる「ギャラリー」というモードもあるが、これも問題だらけ。
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ライダーの原作での名台詞を再生できる機能があるが、なぜか1つの台詞を2~4分割して収録している事が多い。
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イクサの台詞がファイズの項目に間違って入っているなど、ミスも目立つ。
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各番組の概要を紹介する項目はストーリーモードで流れるデモをそのまま流用しただけ。しかもボイスなし。
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性能面で不遇なキバはこちらでも扱いが悪い。
『キバ』第1話のあらすじを更に簡略化したようなものになっており、
主人公・紅渡の名前すら出ない。
「謎の戦士・キバが現れた。キバは人間の味方なのか…?」という段階で紹介が終わっている。
もちろん、渡の置かれた境遇や戦う理由などの情報はまったく補足されず、他のライダーの紹介に比べると明らかに尻切れトンボになってしまっている。
『キバ』の設定はかなり難解であり短く纏めるのは難しかったのかもしれないが、それにしてもぞんざいすぎる。
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「写真」「カード」は、ストーリーモードで勝利するたびに1つずつ入手できるが、どれを入手できるかはランダムであり、入手済みのものでも何度も入手できてしまう。
これまでのライダーゲーでは入手済みのカードは手に入らない仕様が続いており、『V3』では救済措置まであったのだが…。
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しかも「写真」は劇中の場面写を見られるだけで、ボイスやサウンドなどが仕込まれているわけでもない。
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「カード」はガンバライドで排出されているデータカードダスの映像を閲覧できるだけ。拡大機能は無いのでテキストの判読も不可能。
その他
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OPデモはこれまであったようなCGを使った演出ではなく、キャラに応じた一枚絵とゲーム内映像を組み合わせて次々と流すだけ。しかし、主題歌のおかげかそれなりには見れるレベル。
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『ディケイド』をはじめ、番組の主題歌や挿入歌は一切収録されていない。そもそもBGMからしてオリジナルばかりである。
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解説書が誤植だらけで、発売当日に公式サイトに正誤表が載るという酷い有様。
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ゲーム中にチュートリアルがあるので、そちらを見た方がいいだろう。
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ついでに挙げると同梱のアンケートハガキにも「アギトのゲームはPS2」と誤記されている(実際はPS)。
評価点
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『ディケイド』に合わせたことで、それまでの歴代平成ライダーが勢揃いしたこと。
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世界観が地続きだった昭和ライダーと違いそれぞれが独立している平成ライダーは個別ゲーム化はあっても、これまで本作のような共演作はなかった。
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映画でも「オールライダー」が可能になったのは『ディケイド』以降であり、「『ディケイド』を中心にしたゲームを作る」というコンセプトには大きな意味があったと言える。
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主題歌はなかなかに良曲
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古谷徹氏の歌唱する『集合! クライマックスヒーローズ』。
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こんな出来のゲームにはもったいないほどの完成度で、「最後の良心」とさえ言われることもある。
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ただ、昭和ライダーがいるわけでもないのに、昭和テイストな曲調である事には一部から批判的な声もある。
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「最初は平成ライダーに合わせて曲を作っていたが、あえて古くさいテイストにした」ことがブログに記載されていた。
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なお、歌唱している古谷徹氏は本作には特に出演していない。
総評
キャラゲーとしてはネタ度・再現度・キャラ数とどれも薄味で、では格ゲーとしてはどうかといえば(子供向けという事を差し引いても)上記の通りゲームバランスが悪いなど、歴代ライダーゲーの中でもかなり中途半端な出来。
一応こうなった理由として、これまでのライダーと違い『ディケイド』の放送は7ヶ月だけと決まっており、その上番組終了前に出すため、開発期間が従来のゲームより短かったと予想される。
「クソゲーと言うよりはどちらかと言えば期待を下回ってしまっただけのガッカリゲーである」という意見もあったが、単純な完成度の低さは擁護できるものではないだろう。
余談
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本作は末期状態のPS2市場だったが、2000万台の普及率や『ディケイド』ブームも手伝ったからか、この内容でも9万本の売り上げを記録。
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公式サイトには「ドリームマッチ」という企画があり、発売前に「夢のキャラクター対決」と銘打って「クウガ ドラゴンフォームと電王 ロッドフォームのロッド対決」などが行われていたが、そのどれもが酷い出来。
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両者の性能、テストプレイヤーの腕に差がありすぎて終始一方的な展開で終わるという、負けたキャラのファンにはショックとしか言いようが無いものだった。
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なお、企画はたった3回で終了した。
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本来東映スタッフがキバの後Wを作ろうとしていた所に、バンダイからの過去作販促のアーカイブと戦隊玩具の兼ね合いで開始時期をずらせ、オリキャス集合映画もやれと言われ、色々な企画ができた後にガンバライドの販促もすることになり、本来ガンバライドのオリジナルライダーとして制作していたディケイドの番組を企画することになった。そのため無茶苦茶な納期と、放送開始前から開発し更に本作と『W』を同時開発するというスケジュールとなっており、実際、当時の開発ブログにてサタケイドが同時開発を仄めかす文を投稿していた。
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この同時開発が両作品のクオリティに影響を及ぼした可能性もあるが、真相は不明。
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スタッフロールに記載された制作会社はバンダイナムコゲームスとエイティングの社名しか無いが、実際の開発はタムソフトに丸投げしたのではないかという疑惑がある。
その後の展開
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4ヶ月後、Wii向けに追加移植版にあたる『W』が発売された。
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しかし、無印の内容の酷さが響いたのか、売り上げを3万本落とし値下がりも早かった。
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その後、一定の売り上げは安定して出せたためか、『オーズ』『フォーゼ』と、新番組が始まるたびに新作を発売。
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作品を重ねるごとにキャラクター・必殺技のバリエーションが増えて徐々に評価は上がっていき、『オーズ』以降は十分遊べるレベルの作品との評価を受けるようになった。
最終更新:2023年11月01日 13:22